JP3091375U - 高速ドリル軸自動的バランシング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速転がり中の自由転がり部材による高
速転がり時の自動バランシング原理によって高速ドリル
に自動的にバランシング作用を付与する、高速ドリル自
動バランシング装置を提供する。 【解決手段】 高速ドリル軸自動的バランシング装置に
は、前記ドリル軸に取り付けられると共に、当該ドリル
軸と同心状になる、少なくとも１個または１個以上のバ
ランシングリングを有し、当該バランシングリングには
環状中空軌道を有し、当該環状軌道には２個または２個
以上の転がり部材が収納され、それらの転がり部材とし
てローリングボールやローラなどの自由的に活動できる
部材を採用する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は高速ドリル軸自動的バランシング装置に係わり、特に高速転がり中の 自由転がり部材による高速転がり時の自動バランシング原理によって高速ドリル に自動的にバランシング作用を付与する、高速ドリル自動バランシング装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】

電子製品の軽薄短小のニーズに応じるために、電子製品の使用する部材の体積 が次々と小型化されるようになっており、電気回路基板の配線密度も絶えず向上 されるようになっており、ドリルホールの径もますます微小化されてゆく。切削 理論による場合、ドリルヘッドの直径と回転速度とが反比例となり、電気回路基 板に使用されるドリルヘッドの仕様が大体直径０．５ｍｍ以下であり、また、ド リルマシンの回転速度が次々と向上され、最初の４０，０００ｒｐｍより現在の １５０，０００ｒｐｍにも向上され、その回転速度の範囲が一般のツールマシン よりかなり高まっている。

【０００３】 回転速度がかなり速いため、ドリル軸の精密さの要求も高まっている。特に動 態的バランスの校正が精密的に行わなければならないので、一部のアンバランス 質量が生じると、高速回転の場合ではかなり大きい偏心遠心力を生じるようにな り、振動を生じる場合もある。従来のドリル軸の場合では、図１と図２に示すよ うに、主にドリル軸本体１と感応回転子２と材料取りバランシングリング３と材 料取り孔部４と引っ張りロッド５とドリルヘッドブシュ６とドリルヘッド７とか らなり、前記ドリル軸が出荷される前に校正される必要があり、その校正の方法 は図１に示すように、ドリル本体１に予め材料取りバランシングリング３を保留 し、ドリル本体１を予め設定される回転速度で運転させ、その偏心量を計測し、 それによってアンバランス質量の存在する箇所を察知できる。また、計測の結果 に従って材料取りバランシングリング３のアンバランス質量の側に材料取り孔部 ４をドリル加工形成し、それによってアンバランス質量を軽減し、バラシングの 効果を達成する。このような方式の動態的バランスの校正は所定の回転速度の場 合で振動量を所定の数値以下に校正する方法であり、旋回物体アンバランス質量 の遠心力（Ｆ）と質量と旋回半径と回転速度の平方と正比例を成すため（Ｆ＝ｍ ｒω^２）、少しのアンバランスが存在すれば、高速運転時大した遠心力を生成す る虞がある。そのため、たとえ所定の回転速度で所定の振動以下に校正しても、 実際の回転速度が増加する場合では、その校正量が誤差を生じるようになり、良 好的なバランス効果を得られなくなってしまう。

【０００４】 一般に、ドリル軸本体１の校正完了後にユーザーが再び校正する必要はない。 実際に使用される場合のドリル軸は図２に示すように他の部材と合わせて使用す る必要があり、取り外しを便利にするために、それぞれの部材の合わせることの 公差が大体弛み合わせであり、そのため、組立てる場合に、部材が容易に少量の 偏心量を生じるようになり、このようなアンバランスに対しユーザーが大体二度 目に校正できなく、ドリル軸１にはアンバランス質量が存在するため、その磨耗 がかなり速くなり、消耗品となってしまい、ユーザーが絶えず新品のドリル軸を 購入しなければならなくなり、ドリル軸のコストがかなり高くなってしまう。

【０００５】 前記に説明した通りに、従来のドリル軸には少なくとも下記のような諸課題を 有する。 （イ）部材の製造が精密的にしなければならなく、歩留まりが低い。 （ロ）動態的バラナスの校正が難しいと共に、高速の動的バランスの校正設備が かなり高価である。 （ハ）組み合わせて使用される部材の公差を厳密的に制御する必要があり、特殊 な設計によって偏心現象を除去する必要がある。 （ニ）校正後のドリル軸が単に特定の回転速度範囲に適用し、回転速度が高まる と振動を生じる虞がある。 （ホ）長期間使用後に微量の磨耗が快速的な損害を招くことがあると共に、振動 することが容易に軸受けの損害を招くことがある。

【０００６】 前記の説明から分かるように、前記の従来物には依然として数多くの課題を有 し、好適なデザインではなく、改善される必要がある。

【０００７】 本考案の考案者は前記の従来物には前記のような諸課題を有することに鑑みて 、研究開発を進めると共に、学術を合わせて極めた結果、とうとう設計が合理的 で前記諸課題を効果的に解消できる本考案を提出するに至った。

【０００８】

【考案の目的及び考案の開示】

本考案は前記の従来のドリル軸の課題に対して改良を実施するものであり、本 考案は転がり部材の自動バランシング原理を利用することによってドリルの高速 回転時に自動的バランシングする機能を有させるようにし、それによって振動を 低減できる高速ドリル軸自動的バランシング装置を提供することをその主要な目 的とする。

【０００９】 前記の目的を図るために、本考案による高速ドリル軸自動的バランシング装置 には、前記ドリル軸に取り付けられると共に、当該ドリル軸と同心状になる、少 なくとも１個または１個以上のバランシングリングを有し、当該バランシングリ ングには環状中空軌道を有し、当該環状軌道には２個または２個以上の転がり部 材が収納され、それらの転がり部材としてローリングボールやローラなどの自由 的に活動できる部材を採用し、転がり部材が軌道の外縁の壁面に当接する場合、 その生成する遠心力がドリル軸のそれぞれの部材のアンバランス質量の遠心力の トータル値を越える場合に、そのドリル軸の自動的バランシング効果を図れるよ うになる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

高速回転中の主軸に質量分布不均一がある場合、回転する時、容易に遠心力の アンバランスを招き、振動を生じるようになってしまう。回転速度が速ければ速 いほどその振動が激烈になり、精密さに影響を与えることがあり、機械自身を損 害るまでのことを生じることもある。

【００１１】 本考案の自然の周波数の回転速度を超える高速回転ドリル軸に対し特別に設計 した自動的バランシン装置の原理は下記の通りである。 （イ）旋回部材の偏心量とアンバランス質量との関係が図３に示すように低回転 速度の場合ではその偏心量とアンバランス質量とが同方向になり、回転速度が高 まることに従って偏心量がアンバランス質量より１フェースアングルを遅れ、自 然周波数回転速度を越える場合では、そのフェースアングルが急激的に増加し、 反対方向になり、回転速度が自然周波数回転速度よりかなり高くなるようになる 場合、そのフェースアングルの差が１８０度に近くなり、即ち、アンバランス質 量の一側の旋回半径が小さくなると共に、他の側の旋回半径が大きくなってしま う。 （ロ）旋回部材における転がり部材同士が、遠心力の作用により自然に直径のよ り大きいほうに傾けるようになる。

【００１２】 本考案のドリル軸の場合では図４に示すように、ドリル軸に１個または複数個 の前記ドリル軸と同心状を成すバランシングリングが配置され、当該バランシン グリング３には環状中空軌道８が加工形成され、転がり部材９の軌道となり、環 状軌道８の外縁の壁面とドリル軸と同心状になり、環状軌道に２個または２個以 上の転がり部材９を収納し、それらの転がり部材９を環状軌道において自由に転 がらせるようにし、前記転がり部材としてローリングボールやローラなどの自由 に転がる部材を採用できる。

【００１３】 使用時、図５に示すように、ドリル軸本体１自身が既にバランスを取り、転が り部材９が前記環状軌道８に均一的に分布するようになり、バランスを保持し、 もし、ドリル軸本体にアンバランス質量１０がある場合、図６と図７に示すよう に、例えば回転速度が自然周波数の回転速度以上になる場合では、ドリル軸本体 １をアンバランス質量１０の反対方向へ偏るようになってしまい、即ち、この時 のドリル軸本体１のアンバランス質量１０側の半径が小さくなり、アンバランス 質量１０の反対側の半径が大きくなる。この際、環状軌道８中の転がり部材９が 摩擦力の影響によって連動され、ドリル軸と同期的な旋回運動をし、その旋回作 用によって遠心力を生成し、転がり部材９を自動的に環状軌道８の外縁壁面に当 接させる。遠心力の作用によって転がり部材９が自動的に旋回半径が大きいほう の方向へ移動し、即ちアンバランス質量の反対側に移動し、もし、すべての転が り部材同士の質量による遠心力のトータル値がドリル軸のアンバランス質量の生 成する遠心力より大きくなる場合、転がり部材９が自動的に分力を生じ、ドリル 軸のアンバランス質量１０をバランシングするようにし、即ち、転がり部材９の 質量が生じる遠心力のトータル値がドリル軸のアンバランス質量の生成する遠心 力より大きくなり、即ち自動的バランシング効果を有するようになる。転がり部 材９の質量による遠心力のトータル値が大きければ大きくなるほど、その分力の 角度がもっと大きくなる。

【００１４】 本考案はアンバランス質量１０の偏心運動によって半径差を生成し自動的バラ ンシングする効果を達成するので、回転速度が高ければ高いほどその指導的バラ ンシング効果がもっと明らかになり、偏心振動が小さくなることに対し、従来の ドリル軸の場合では回転速度が増加すると振動も増加するようになる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の提供する高速ドリル軸自動バランシング装置による場合では他の従来 技術と相互に比較する場合では下記のような優れる点を有する。 （イ）ドリル軸製造時の精密さ要求を低減でき、製造コストを減少できると共に 、歩留まりを向上できる。 （ロ）所定のアンバランス質量の場合ではバランス取り用校正を実施する必要が なく、高速バランス取り設備のコストを節約できる。 （ハ）他の原因による影響を減少でき、ドリル軸の振動を最小限度に抑制できる 。 （ニ）ドリル軸の回転速度の高まることに従って振動が減少され、ドリル軸の未 来の発展趨勢に該当する。

【００１６】 前記に詳細に説明することは本考案の実施の形態に対し具体的に説明するもの に過ぎなく、それらの実施の形態は本考案の主張範囲を狭義的に制限するもので はなく、本考案の技術精神に基づくすべての同効果の実施や変更などがすべて本 考案の主張範囲内に納入されるべきことが言うまでもないことである。

【００１７】 前記のように、本考案が空間的形態に新しい考案を有し、且つ従来物より前記 のような複数項の効果を達成できるので、既に新規性と進歩性の要件を満たすた め、法に従って実用新案登録出願を提起するが、ご査察の上早期に登録を受ける よう宜しくお願い致す。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来のドリル軸を示す説明図である。

【図２】 従来のドリル軸の実際使用の時の状況を示す
組み立て図である。

【図３】 周波数を示す説明図である。

【図４】 本考案のドリル軸を示す説明図である。

【図５】 本考案の作動中の場合を示す平面図である
（ドリル軸の元来のバランス状態）。

【図６】 本考案の作動中の場合を示す説明図である
（ドリル軸が少しアンバランスの状態）。

【図７】 本考案の作動中の平面図である（ドリル軸が
ある程度にアンバランスの状況）。

【符号の説明】

１ ドリル軸本体 ２ 感応回転子 ３ 材料取りバランシングリング ４ 材料取り孔部 ５ 引っ張りロッド ６ ドリルヘッドブシュ ７ ドリルヘッド ８ 環状軌道 ９ 転がり部材 １０ アンバランス質量

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくともドリル軸と同心状に設けられ
   るバランシングリングを有し、当該バランシングリング
   には環状中空軌道を備え、当該軌道には複数の転がり部
   材が配置され、それらの転がり部材の高速回転時の自動
   バランシング機能によってドリル軸の自動的バランシン
   グ効果を実現することを特徴とする高速ドリル軸自動的
   バランシング装置。
2. 【請求項２】 前記ドリル軸に１つまたは複数の前記バ
   ランシングリングが装着されることを特徴とする請求項
   １に記載の高速ドリル軸自動的バランシング装置。
3. 【請求項３】 前記転がり部材として２個または２個以
   上のローリングボールやローラなどの自由に転がれる部
   材同士を採用すると共に、それらが緊密的に前記軌道の
   外縁壁面に当接する場合にそれらの生じる遠心力がドリ
   ル軸のそれぞれの部材のアンバランス質量の遠心力のト
   ータル値を越える場合、ドリル軸の自動的バランシング
   効果を生成できることを特徴とする請求項１に記載の高
   速ドリル軸自動的バランシング装置。