JP3089823U - 伸縮素材からなる授乳用下着及び専用パッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】授乳が極めて容易に行われ、授乳時の腹部の露
出による冷えや羞恥がなく、また、ウエストサポーター
のずれを防ぎ、バストを美しく寄せ上げながらも、着用
感が特に優れた授乳用下着を提供する。また、昼用と夜
用の２種類を準備する必要性を無くす。 【解決手段】伸縮性素材を丸編みまたは縫製によって筒
状にした、バスト上部からヒップ下部までの丈を有する
ウエストサポーター部４の前身ごろ上部に、ブラジャー
のカップ部１ａ，１ｂを設け、このカップ部下縁３およ
び外縁に沿うように非伸縮性素材で裏打ちし、ブラジャ
ーカップ部上縁２に弾性ヒモを縫着してストッパーと
し、開閉のための係止具を有さず、さらに、ヒップ部両
脇にスリットを設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、伸縮性素材からなる、産後の腹部補正、及び防寒用のウエストサポ ーターにおいて、係止具の開閉をすることなく、容易に授乳を行えるブラジャー を縫着して一体型とした授乳期に使用する伸縮性素材からなる授乳用下着に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術分野】

主に昼用として使用される、従来の授乳用ブラジャーでは、左右カップの中央 に係止具を設け、これらを開閉して、左右に開くことで乳房を露出させて授乳可 能にするものや、ストラップ部とカップ上部に係止具を設け、上下に開閉するも のなどがあった。これらの授乳用ブラジャーは、いずれも係止具を開閉しなけれ ばならない面倒さがあった。また、バストを締め付けない、主に夜用として使用 されるハーフトップなどは、付け心地は楽であるが、バストアップやバスト寄せ の機能はなく、衣服を着たときの見栄えの悪さがあり、長期使用による乳房の垂 れ下がりもあった。また、ブラジャー単独での使用は、授乳時に腹部が露出する ため冷えがあり、さらに外出先での授乳には、腹部の露出による羞恥が生じた。

【０００３】産後の腹部を引き締めるために、従来、ウエストニッパーがあり、 一つは、伸縮性の低い生地で形成され、ボーンや芯地を有し、面テープやカギホ ックなどによってサイズを調節できるようになっているものや、もう一つは、伸 縮性素材で形成された、腹巻状のものが代表的であるが、いずれも、装着時の食 い込み、ズレ上がり、ズレ下がり、苦しさがあり、装着感が悪かった。またウエ ストニッパー付きのガードルなどもあるが、ウエストニッパー部分の丈が長いほ ど、トイレなどが不便であり、短いほど食い込みなどがあり、着用感が悪かった 。

【０００４】産後に使用するパッドとしては、主に溢れた母乳を吸収するための 、母乳パッドやブラジャーのサイズを調整するためのパッドなどがあるが、特に 産後用のバストアップパッドはなく、そのため、例えばレモン型などのバストア ップパッドを使用すると、乳頭部がこすれて痛みを伴うことがあり、乳頭陥没な どのトラブルもあった。ハーフトップなどに付属しているパッドは、お椀状の薄 手のパッドなどがあるが、バストアップ効果はなかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の授乳用ブラジャーは、いずれも係止金具を開閉しなければならず面倒で あり、授乳前後で変化する乳房の大きさなどには対応されていないため、装着感 が悪い。また、ハーフトップは着け心地が楽であるが、バストを支えられないた め、衣服をきたときの外観が悪い。

【０００６】従来のウエストニッパーは、苦しさや腹部への食い込み、ずれがあ り、夏はアセモができるなどのデメリットがある。 さらに、授乳用ブラジャー単独での利用では、腹部が露出することによる羞恥 、および、冬の寒さや夏の冷房などによる冷えがある。また、夏、母親の腹部と 乳児の顔、腕など素肌同士が密着することによる汗やあせもなども課題であった 。

【０００７】そこで、授乳が極めて容易に行われ、授乳時の腹部の露出による冷 えや羞恥がなく、また、ウエストサポーターのズレを防ぎ、バストを美しく寄せ 上げながらも、着用感が特に優れた授乳用下着を提供する。また、昼用と夜用の ２種類を準備する必要性を無くす。

【０００８】また、母乳パッドと併用可能でありながら、バストをしっかり支え 、衣服を着たときの見栄えもよく、且つ、乳頭を刺激しないバストアップパッド を提供する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の授乳用ブラジャーは、カップ部分上部に弾性ヒモを有し、さらにカッ プ部分全体を、バストの凸部の丸みに従って、左右それぞれ４枚の伸縮性の高い 素材を縫製することによって、ズレ下がりを防ぎながら、ブラジャーのカップ部 分を下に引き下げるだけで、乳房の露出をすることができるようにした。これに よって、従来のブラジャーのような係止金具の開閉の面倒さがなくなり、極めて 手軽に、また、素早く授乳をすることが出来、授乳後、素早く乳房を覆うことが 出来る。

【００１０】本考案では、ウエストサポーターと授乳用のブラジャーを一体化す ることで、ウエストサポーターのズレ下がりを防ぐことが出来た。さらに、ウエ ストサポーターは、ヒップ下まで丈があり、両脇に、腰骨の位置よりスリットを 入れることによって、ズレ上がりを防ぎ、さらに動きやすくなった。

【００１１】本考案の授乳用ブラジャーに付属しているウエストサポーター部分 によって、授乳時に、腹部が露出しないため、冷えを防ぎ、且つ、腹部の露出に 対する他人の視線を気にせず、授乳できる。また、春、夏、秋用として、薄手か つ、吸水・撥水・通気性の高い素材を使用することによって、母親の腹部と乳児 の顔や腕など、素肌同士が密着することによる汗やアセモを改善することができ る。また、冬用として、厚手で保温性の高い素材を使用することで、冬期の授乳 や夜間の授乳時の冷えを、さらに改善できる。

【００１２】本考案の授乳用ブラジャーのカップ下部分と外側には、カップの丸 みに沿うようにして、伸縮しない生地、および芯地を有している。これは、乳房 を支え、美しいかたちに補正するためである。

【００１３】本考案の授乳用ブラジャーに装着する専用パッドは、お椀状のパッ ドに、乳房の外側と下側に接する部分を厚めに形成したパッドの下縁を、縫着す ることで、パッドそのものに母乳パッドを入れるポケットを設け、さらに、乳頭 部をくりぬくことによって、授乳期のデリケートな乳首が擦れず、バストアップ 効果が高く、衣類着用時の外観も良い。夜、就寝時はパッドを外すことで、乳房 が楽になり、自然な付け心地である。よって、昼と夜とでブラジャーを代えるこ となく、装着でき、経済的である。

【００１４】

【考案の実施の形態】

本考案は以上のような形態であるため、授乳時はカップ部を下に引き下げるだ けで、乳房を露出でき、容易に授乳可能となる。授乳後もカップ部を引き上げる だけで、身づくろいをすることができる。同時に、腹部の保温や引き締め作用を 持ちながら、着用感に優れ、バストアップなど、体型の補正作用に特に優れてい る。本考案の実施の形態を図面において説明すれば、図１のように、丸編か、ま たは伸縮性素材を縫着して筒状にし、その上部にカップ部を設け、カップ部上縁 に弾性テープをカップ部から背面上部まで、ぐるりと取り付ける。カップ部裏面 には、乳頭部をくりぬいたパッド入れを設け、ここに入れる専用パッドは、お椀 状のパッドとバストアップパッドの２枚の下縁を縫着し、乳頭部はくりぬいてお けば、厚みがあるため、乳頭部がこすれず、デリケートな乳頭を保護することが できる。

【００１５】

【実施例】本考案の実施例を図面によって説明する。図１、図２は、本考案の肩 ストラップのない授乳用下着の外観を示している。これは、図１に示すように、 弾性繊維を丸編にするか、伸縮性の編地または織地、例えば伸縮綿パイルなどを 縫着することによって、筒状に形成したウエストサポーターの上部を約４分の３ 円周形状にくりぬいたカップ部下縁３に、４枚の伸縮性素材を縫着した左右のカ ップ部１ａ、１ｂを、それぞれ縫着する。このカップ部上縁に、例えばショーツ などに使用される下着用ゴムひもや、片足用のストッキングに使用されるシリコ ンなどの弾性テープを縫着し、着用時にズレ下がるのを防ぐと同時に、授乳時の 乳房の露出具合を調節可能にできる。全体に伸縮性素材を使用することで、係止 具を設けることなく、図７に示すように、カップ部を引き下げるだけで、極めて 容易に乳房を露出でき、授乳可能となる。

【００１６】図７に示すように、本考案の授乳用下着は、乳房の上部から、ヒッ プの下部までの丈を有しているが、図２、図３、図４、図７に示すように、腰骨 下からスリット５を入れる。これは左右両脇に形成し、ウエストサポーターのズ レを防ぎ、動きやすさも向上できる。このウエストサポーター部の伸縮性素材の 伸縮強度によって、サポート力に変化をつけることができる。

【００１７】図３は本考案の授乳用下着における内側の形状を示している。本実 施例では、カップ部下縁に沿って、芯地及び非伸縮布８を縫着することで、乳房 を保持する作用を持たせている。また、カップ部下縁３とウエストサポーター４ の連結部分下部に沿って伸縮しないテープ６を縫着し、これも上記と同様、乳房 を支える働きがあり、且つカップの型崩れを防いでいる。

【００１８】さらに、図３に示すように、カップ部内側には、パッドを入れるた めの伸縮性薄地を縫着しているが、乳頭部に接することなく、また母乳パットと 併用することを可能にするため、乳頭部をくりぬいた形が好ましい。本実施例で は、パッド入れ７に示すように、それぞれのカップにつき、半円形の伸縮性薄地 のカップ部中央にあたる部分を、弓状に裁断したものそれぞれ２枚をカップ部両 脇に縫着している。これは、パッドの出し入れもしやすく、パッドのずれを防ぐ 。

【００１９】図５は本考案の授乳用下着に使用する専用パッドの実施例を示すも のである。これは、お椀型のパッド１０の下縁と、乳房の下部と脇に接する部分 を厚く形成したバストアップパッド１１の下縁から両脇を縫着し、ポケット状に 形成している。図６は、このパッドの中央の断面図であり、１０と１１の隙間に 市販の使い捨て母乳パッド１２を入れることができる。そして、１１のバストア ップパッドの乳頭部をくりぬいていることで、デリケートな乳頭を保護すること ができ、かつ、バストの補正効果に優れている。

【００２０】図４は本考案の肩ストラップのある授乳用下着の斜視図である。本 実施例では、肩ストラップは、カップ部上縁脇部に縫着し、背部上縁に接する部 分は、やや中央に寄せて縫着している。これは、肩ストラップのズレを防ぐため である。他の構成は上記と同様のため省略する。

【考案の効果】

この授乳用下着は、ブラジャーの係止具を開閉することなく、極めて容易に授 乳を行うことができ、且つ、一体型となったウエストサポーターによって、腹部 を引き締め、且つ腹部の露出がないため、腹部への視線を気にすることなく授乳 を行うことができ、授乳時の冷えも改善することができる。 また、ブラジャー部とウエストサポーターが一体型であることによって、ウエ ストサポーターのズレ下がりを防ぐことができる。さらに、このウエストサポー ター部は、ヒップ下まで丈があり、両脇にスリットを設けているため、ズレ上が りもなく、着用感に優れている。 また、カップ部周囲が伸縮しない素材で裏打ちされ、これをバストアップパッ ドと併用することで、バストをしっかりと支持することができ、外観も良い。パ ッドを外せば、着用感が楽になり、夜用としても使用可能となる。 この授乳用下着を装着することによって、特に授乳用でない個々の好みやファ ッションに応じた衣服を身に着けることができ、且つ、授乳用下着そのものが、 下着としてのかわいらしさがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の授乳用下着外観の正面図である。

【図２】図１に示した授乳用下着の側面図である。

【図３】図１に示した授乳用下着の背面側から見た斜視
図である。

【図４】本考案の授乳用下着において肩ストラップを有
するものの斜視図である。

【図５】本考案のバストアップパッドの母乳パッド併用
時の斜視図である。

【図６】図５に示したパッドの中央断面図である。

【図７】本考案の授乳用下着における授乳時の状態を示
す斜視図である。

【符号の説明】

１ａ 右カップ部 １ｂ 左カップ部 ２ カップ部上縁 ３ カップ部下縁 ４ ウエストサポーター部 ５ スリット ６ 非伸縮テープ ７ パッド入れ部 ８ 非伸縮布 ９ 肩ストラップ １０ お椀型パッド １１ バストアップパッド １２ 母乳パッド

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】伸縮性素材を丸編みまたは縫製によって筒
   状にした、バスト上部からヒップ下部までの丈を有する
   ウエストサポーターの前身ごろ上部に、ブラジャーのカ
   ップ部を設け、このカップ部下縁および外縁に沿うよう
   に非伸縮性素材で裏打ちし、ブラジャーカップ部上縁に
   弾性ヒモを縫着してストッパーとし、開閉のための係止
   具を有さず、さらに、ヒップ部両脇にスリットを設けた
   授乳用下着のうち、肩ストラップを有さないことを特徴
   とした伸縮素材からなる授乳用下着。
2. 【請求項２】請求項１に記載の、伸縮性素材からなる、
   ブラジャーとウエストサポーターを一体型とした授乳用
   下着のうち、肩ストラップを有することを特徴とした伸
   縮素材からなる授乳用下着。
3. 【請求項３】授乳用下着に装着する、乳頭部をくりぬ
   き、カップ部外側及び下側を厚く形成したパッドの下縁
   と、円形のパッドの下縁を縫着した専用パッド。