JP3089154U - ケーブルテレビ用保安器 - Google Patents
ケーブルテレビ用保安器Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 誘起雑音や妨害電波の発生、異常電圧の流入
を防止するとともに、フィルターや分岐・分配器等の
他、保安以外の回路等を組み込んでも、小型化が可能で
入出力間の伝送特性がすぐれたケーブルテレビ用保安器
を提供する。 【解決手段】 信号入出力端子を有するケーブルテレビ
用保安器において、該信号入出力端子の少なくとも一つ
が同軸線路型接栓であり、該同軸線路型接栓の周囲に
は、筐体と電気的に接続されている筒状導体が筐体外側
に離間配置され、該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導
体とにより導波路が形成され、該筒状導体と該同軸線路
型接栓の外導体との間に絶縁物が挿入されていることを
特徴とするケーブルテレビ用保安器。
を防止するとともに、フィルターや分岐・分配器等の
他、保安以外の回路等を組み込んでも、小型化が可能で
入出力間の伝送特性がすぐれたケーブルテレビ用保安器
を提供する。 【解決手段】 信号入出力端子を有するケーブルテレビ
用保安器において、該信号入出力端子の少なくとも一つ
が同軸線路型接栓であり、該同軸線路型接栓の周囲に
は、筐体と電気的に接続されている筒状導体が筐体外側
に離間配置され、該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導
体とにより導波路が形成され、該筒状導体と該同軸線路
型接栓の外導体との間に絶縁物が挿入されていることを
特徴とするケーブルテレビ用保安器。
Description
【0001】
本考案は、ケーブルテレビ(CATV)用保安器に関し、詳しくは、ケーブル テレビ加入者側の電子機器で発生し、引込線に誘起した雑音がケーブルテレビ施 設側に漏れたり、逆にケーブルテレビ施設側からの妨害電波や雑音、異常電圧が 加入者側に進入したりするのを防止するために使用されるケーブルテレビ用保安 器に関するものである。
【0002】
ケーブルテレビ施設においては、施設側に発生した雷サージ電圧などの異常な 電圧が、施設側から加入者側に流入しないようにすると同時に、加入者側の電気 機器から発生した商用周波数の誘起電流が、ケーブルテレビ引込線を通して施設 側に流れ込まないように、各加入者端子とケーブルテレビ施設の間にケーブルテ レビ用保安器が設置される。
【0003】 従って、上記目的のために、ケーブルテレビ用保安器においては、その入出力 間で、同軸線路の内外導体とも互いに直流的に絶縁している。その方法として、 同軸線路の内導体はコンデンサで直流を遮断して接続し、一方外導体は、出力側 の接栓の固定方法として外導体とシャーシの間に隙間を設け、その部分に絶縁物 を回して出力接栓を固定し、外導体をシャーシから直流的に浮かした状態で、同 じくコンデンサを用いてシャーシに接続する方法をとっている。そのため、この 部分では、同軸線路を伝搬する電磁波は、一般的な同軸モードの伝播から崩れ、 その崩れた高周波電流の一部は、その隙間から洩れ、保安器の外筐体や外筐体に 接続されている同軸ケーブルの外導体の外面に流れ、そこから放射される。
【0004】 このような誘起電流による不要放射は、何もケーブルテレビ用の保安器に限っ たものではなく他の電子機器にも多く見られるが、その原因は電子機器の筐体に 空けられた隙間や穴にある場合が多い。このような誘起電流による不要放射は他 の機器に妨害を与えたり、ゴースト障害の原因になったりする。
【0005】 例えば、ケーブルテレビ施設では、ヘッドエンド、幹線、ないしは増幅器用に 給電するための電源等の設備に発生した雷サージ電圧などの異常な電圧が、加入 者側に流入し、加入者側のテレビ受像機を始めとする電子機器へ障害を与えるこ とがある。このような障害の発生を防ぐため、テレビ信号などの高周波は容易に 加入者端子に流れるが、これらの異常電圧は流入しないようにし、同時に、加入 者側からは、特に絶縁不良に陥ったテレビ受像機などからの家庭用電圧が、ケー ブルテレビの引込線を経由してケーブルテレビ施設側に流れ込まないようにも配 慮されている。
【0006】 家庭用機器から、ケーブルテレビ施設に障害を与える電流の周波数は、通常の 商用電源周波数である50Hzや60Hzが多く、その他に、インバーター機器 等から発生する周波数もあるが、せいぜい数百Hzであり、また、雷サージには 相当高い周波数成分も含まれるが、エネルギーの大きい成分は直流及び非常に低 い周波数成分であるので、これらはケーブルテレビ施設で扱う信号に比し大幅に 周波数が低いため、ここでは直流として扱ってよい。また、ケーブルテレビ回線 の逆送りで問題になっている流合雑音は、30MHz以下の周波数が大部分であ るといわれている。
【0007】 そこで、ケーブルテレビ施設、加入者の双方からの異常電圧による障害を極力 防止するために、ケーブルテレビ施設においては、加入者端子と施設の間に保安 器が設けられるのが普通である。この保安器は上記の目的に添うよう、入出力側 の同軸線路間に商用電源の電流や雷サージの電流が互いに流れ込まないように、 コンデンサを回して直流的には絶縁しているが、高周波的にはケーブルテレビ信 号が何等支障なく通過するように工夫されている。
【0008】 上述のように、同軸線路の外導体をシャーシから浮かすために、同軸線路の外 導体とシャーシの間に隙間を設けて、同軸線路の外導体をシャーシから直流的に 浮かし、その隙間部分に絶縁物を回して出力接栓を固定する構造を採用している が、その隙間部分から高周波成分を伝搬させるため、固定コンデンサ、環状コン デンサ、貫通コンデンサを配し、高周波成分をシャーシと短絡させている。
【0009】 図1に、この目的に沿って製作された従来型の保安器の構造概念を断面図で示 してある。図中1は入力接栓、1−1は内部導体、1−2は外導体、2、3は出 力接栓、2−1、3−1は内部導体、2−2、3−2は外導体、4はシャーシ、 5は導電性カバー、6はセラミック絶縁物、7、7’は6を介して環状コンデン サを形成するための金属膜、8は絶縁物、9は空隙、10、11は環状コンデン サ、12はアース金具、13はプリント基板、20は取り付け板、21はネジ穴 、22は、20にねじ込まれている接地端子ネジ、Csは直流絶縁用コンデンサ 、SPは分配回路、FLはハイパスフィルター回路、Arはアレスターである。 なお、これらの図1から図4は、入出力接栓を一直線状に配置して表し、その構 成を判り易くしている。
【0010】 実際の構造は、金属製の短い茶筒状のシャーシ4に入出力端子用の2個以上の 同軸接栓が取り付けられており、筒の内部に所要部品が組み立てられていると考 えてよい。図1の場合は、入力接栓1は一つであるが、出力は、データ信号用の 出力接栓2とテレビ信号用の接栓3との二個ある場合である。ただし、出力接栓 2、3は筒の底面に直接取り付けられているわけではなく、外周を絶縁物8で取 り囲んでシャーシ4と絶縁した形で取り付けられている。そのため、出力接栓2 と3との間隔は、環状コンデンサ10と11の直径で最小間隔が決まり、あまり 狭くは出来ない。
【0011】 入力接栓1は、通常F型接栓と呼ばれる同軸接栓で、ケーブルテレビ施設側か ら加入者引込同軸線を通して、ケーブルテレビ用の多チャンネンルテレビ信号や ケーブルインターネットなどのデータ信号を供給するためのものである。この場 合、引き込み同軸線は、接栓を用いて入力接栓1に接続される。ここで、入力接 栓1は、保安器本体のシャーシ4に機械的に固定され、且つ電気的にも接続され ている。通常シャーシ4は、接地端子ネジ22によって接地されている。
【0012】 このようにして保安器内部に導入されるケーブルテレビ信号は、入力接栓1の 内部導体1−1を流れ、直流絶縁用コンデンサCsを通った後、分配回路SPで 2分配され、分配信号の一部は、出力接栓2の内部導体2−1に流入し、入力接 栓1と同じく同軸接栓を用いて加入者引き込み用の同軸線を通してケーブルモデ ムなどのデータ機器にいたる。また、分配信号の中のテレビ信号は、例えば50 MHz以上を通過させるハイパスフィルター回路FLを通して、出力接栓3に出 力され加入者のテレビ受像機に接続される。
【0013】 ここで、保安器内部に入力接栓1の外導体1−2を通して流入した直流成分は シャーシ4を流れるが、シャーシ4は接地されており、また、出力接栓2の外導 体2−2はシャーシ4と接栓を取り囲む絶縁物6と8、並びに空隙9で遮断され るため直流成分は伝達されない。
【0014】 同じく、出力接栓2の外導体2−2に誘起した直流成分も入力接栓1とは遮断 されているため入力側に流れ込むことはない。一方、入力接栓1からの高周波信 号は、セラミック絶縁物6の両面に導電性金属7、7’を設けて形成される環状 コンデンサ10を通して出力接栓2の外導体2−2に流れ、同軸接栓を用いた同 軸線を通して加入者の機器にいたる。
【0015】 このような動作をする保安器の内部は、外気や、空中を伝播してきた電波に晒 されないために、通常は導電性カバー5でシールドされている。また、図示はし ていないが、3A程度のフューズをコンデンサCsと直列に入れて過電流が流れ た場合に回路を遮断し、保護するようにしている場合もある。また、図示のよう に、直流絶縁用コンデンサCsとシャーシ4との間に150ボルト程度で放電を 開始する放電素子(アレスター)Arを挿入し、内部に雷サージなどの異常電圧 が流入した場合に放電させるなどの安全度を高める対策を施す場合もある。さら に、コンデンサCsに代えて絶縁高周波トランスを用いる場合もあるが、保安器 としての本質的な動作、つまり、入出力間で、同軸線路の内部導体、外部導体と もに直流的に絶縁することには変わりがない。
【0016】 この様にして、従来型の保安器は入力接栓1に入った高周波信号は、入出力間 を通過できるが、先に説明したような加入者側からの異常電圧も施設側からの異 常電圧も、内部導体側に対してはコンデンサCsで、また、外導体側に進入した 場合は、絶縁物6の両面に設けた導電性金属7、7’で形成される環状コンデン サ10で、直流的に阻止されるので、互いに流入しあうことはない。また上記の 電気回路部品を配置する為のプリント基板13はアース金具12の上に半田付け などで接続されている。なお、このアース金具12はステンレス製のシャーシ4 と電気的には一体である。
【0017】 また、シャーシ4には保安器を住宅の壁面に取り付ける為の取り付け板20が 設けられ、それには壁面に取り付けるためのネジ穴21と取り付け板20を接地 する為の電線を接続する接地端子ネジ22が備えてある。
【0018】 また、前記環状コンデンサの設置と同じ目的で、例えば、特開平2−2806 2号公報や実開平2−118435号公報に例として述べられている図2に示す ような貫通コンデンサ15を利用する場合もある。しかしながら、これらの場合 はいずれも筐体内部にコンデンサ部を配置しているので、前記環状コンデンサと 同様に接栓同士の間隔を狭くする事が出来ない。
【0019】 さらに、最近、ケーブルテレビに要求される伝送周波数帯は、多チャンネル化 の高まりとともに、ケーブルインターネットが盛んになり、5〜1,000MH zというような広帯域システムが要求されている。そして、この目的のために、 保安器内部には、図1に示したように、出力端子が多数必要となり、また、その ためのフィルター、分岐・分配器などの保安以外の目的の回路を組み込む必要が あり、必然的にその大きさを大きくする必要がある。このことは、保安器の小型 化の要請を逆行させることになる。
【0020】
本考案は、以上のような従来技術の問題点を解決し、上記誘起雑音や妨害電波 の発生、異常電圧の流入を防止するとともに、フィルターや分岐・分配器等の他 、保安以外の回路等を組み込んでも、小型化が可能で入出力間の伝送特性がすぐ れたケーブルテレビ用保安器を提供することをその課題とする。
【0021】
本考案によれば、上記課題は、下記の技術的手段により解決される。 (1)信号入出力端子を有するケーブルテレビ用保安器において、 該信号入出力端子の少なくとも一つが同軸線路型接栓であり、 該同軸線路型接栓の周囲には、筐体と電気的に接続されている筒状導体が筐体 外側に離間配置され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体とにより導波路が形成され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体との間に絶縁物が挿入されていること を特徴とするケーブルテレビ用保安器。 (2)信号入出力端子を有するケーブルテレビ用保安器において、 該信号入出力端子の少なくとも一つが同軸線路型接栓であり、 該同軸線路型接栓の周囲には、筐体と電気的に接続されている筒状導体が筐体 外側に離間配置され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体とにより導波路が形成され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体との間に絶縁物が挿入され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体の内面との間に電気的容量を付加した ことを特徴とするケーブルテレビ用保安器。 (3)該同軸線路型接栓と該筐体との間又は該同軸線路型接栓とシャーシとの 間に電気容量を付加したことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のケーブ ルテレビ用保安器。 (4)該筒状導体の外側の一部の周囲に凹部を設け、その内部に配置される同 軸線路型接栓のための防滴部材としていることを特徴とする前記(1)〜(3) のいずれかに記載のケーブルテレビ用保安器。
【0022】
以下、本考案の実施の形態を詳細に説明する。 本考案では、先に説明したケーブルテレビ用保安器の出力接栓のように、コネ クタの外導体を筐体から直流的に浮かし、高周波成分については外導体を筐体に 短絡する必要がある場合に、シャーシから連続して筐体の外側に軸方向に伸びた 導電性スリーブ(筒状導体)の内面と出力用同軸線路型接栓の外導体で導波路を 構成し、導波路に容量をもたせることによって目的を達成する。従って、環状コ ンデンサを使った従来型のケーブルテレビ用保安器では、出力が2端子以上ある 場合、出力端子間隔が環状コンデンサの直径で決まってしまうため、間隔が広が り、保安器全体の大きさを小型にする事が困難であったが、導波路を用いること により出力端子同士の間隔を狭くする事が出来、全体として小型にする事が出来 る。また、導波路のスリーブの先端部は、高周波的にシャーシと短絡されており 、導波路の内部には、絶縁物(高誘電率セラミック、プラスチック絶縁体等)が 挿入されている。 本考案で使用される絶縁物としては、比誘電率が100以上、好ましくは10 00〜15000の誘電体が好適に使用され、具体的には、チタン酸バリューム 等の高誘電率セラミック絶縁体が例示できる。 かく構成する本考案のケーブルテレビ用保安器にあっては、導波路先端部が分 布容量を形成するため高周波的にシャーシと短絡する方法として有効である。
【0023】 以下、本考案を好ましい実施例に基づいて詳述する。 (実施例1) 本考案によるケーブルテレビ用保安器の一実施例の構造を図3に示し、その基 本作用を説明する。図3において、図1と同様な要素には同じ符号を付してある 。図3に示す本実施例のケーブルテレビ用保安器と、図1や図2に示した従来型 のケーブルテレビ用保安器との違いは、本実施例において、出力接栓の外周を使 って軸方向に伸びる導波路14を設けた事、該導波路14内に配置した高誘電率 セラミックにより導波路の先端部に容量部16を設けた事である。なお、図3に おいては、出力端子3についても出力端子2と全く同じ機構であるから説明を省 略する。 導波路14は、同軸線路型出力接栓2の外導体2−2とスリーブ(筒状導体) 17から構成されている。詳しくは、導波路14を構成する、出力接栓2の外部 導体2−2とスリーブ17とは略同軸上に位置する。 導波路14の内部、すなわち、出力接栓2とスリーブ17との間には高誘電率 セラミックリングが、出力接栓2の外導体2−2を取り囲むように挿入され、出 力接栓2の外導体2−2とスリーブ内壁とで容量部16を形成している。 この導波路14の容量部16の容量Cは、スリーブ17の内径をDso、外導 体2−2の外径をDci、スリーブ17の内側部と外導体2−2の外径との間隔 をdcとし、その間が比誘電率εcで満たされており、容量部16の長さをlc とすると、下記式(1)で表される。
【数1】 ただし、Dso=2dc+Dciである。従って、dcを小さく、εcを大き くすれば大きい容量が得られる。 一方、図1に示したような環状コンデンサの容量Cは、導体部の外径をDo、 内径をDi、絶縁物の厚みをdc、その間が比誘電率εcで満たされているもの とすると、下記式(2)で表される。
【数2】 (^はべきを表す、以下同様) 例えば、Do=30mm、Di=10mm、dc=3mm、εc=3000の 場合、その容量は、おおよそ5560PF程度となる。 ここで上記式(1)、(2)から絶縁物の厚みdcが同じとき、両者の容量を 等しくするとすると、下記式(3)が得られる。
【数3】 従って、導波路14内の筒状コンデンサを環状コンデンサの容量と等しくする には、その長さlcを(3)式に従って決めればよい。 例えば、環状コンデンサでDo=30mm、Di=10mm、dc=3mm、 εc=3000の場合の容量と等しくなる筒状コンデンサの長さlcは、おおよ そ15.7mmm程度となる。
【0024】 (実施例2) 本考案の別の実施例に係るケーブルテレビ用保安器においては、導波路内に挿 入される高誘電率セラミックリングの厚みは薄いほど大きい容量が得られるので 、容量部の導波路の部分は、スリーブと外導体との間隔を狭くし、筐体から遠い 方のスリーブと外導体の間隔を広くし、この広い部分のスリーブを内部にある同 軸線路型接栓の防滴スカートの役目を負わせる事が出来る。 図4はその例を示すもので、図において、シャーシ4は、厚みが0.8mm、 直径約50mmのステンレススチール筒で、外径約10mmの出力接栓2、3が 互いに約30mm離れて配置されている。また、入力接栓1は、出力接栓2から 20mm離れてシャーシ4に直接取り付けられ、出力接栓2、3より接栓の高さ が低くなっている。 出力接栓2、3の周りには、シャーシ4から搾り出したスリーブ17が外側導 体2−2、3−2とで導波路を構成するために設けられ、その直径は、16.0 mmで、外導体2−2、3−2との間隔dcは3mmに設定している。 そして、この導波路14内は、比誘電率3000のチタン酸バリュームで長さ lcが15.7mmに亘って満たされ、容量部16を構成している。したがって 、容量部16の容量は、約56000PFが得られる。 さらに、スリーブ17は容量部16から長さlが10mmに亘って容量部16 より広く、その直径を20mmに広げ、スカート部を形作っている。そして、そ の先端から3mmの位置に幅1mm、高さ0.5mmの凸部をスリーブ17を一 周する形で設けて、防滴ブーツ23の抜け落ちを防止する滑り止めとしてブーツ 内部を固定し、内部の接栓を防滴している。
【0025】 (実施例3) 本考案によるケーブルテレビ用保安器のさらに別の実施例を図5に示す。本実 施例は、実施例1に比し、さらに保安器全体を小型化したものである。 そのために、導波路部分を短くし、この容量部の容量を補う目的で固定コンデ ンサを追加している。 図5において、シャーシ4は、厚みが0.8mm、直径約40mmのステンレ ススチール筒で、外径約10mmの出力接栓2、3が互いに約18mm離れて配 置されている。また、入力接栓1は出力接栓2から18mm離れてシャーシ4に 直接取り付けられており、3個の接栓1、2、3は略三角形の形に配置されてい る。図5−aは出力接栓2、3の部分断面図で入力接栓1は裏側で図示していな い。図5−a’ は図5−aを底から見た図である。また図5−bは接栓1、2 の部分断面図であり、また図5−cは入力接栓のみ出力接栓より高さを低くした 図が示されており、これらの内部回路部品は省略してある。 出力接栓2、3の周りには、シャーシ4に電気的に接触した状態になる様にし た金属のスリーブ17が外導体2−2、3−2とで導波路14を構成するために 設けられ、その直径は、16.0mmで、外導体2−2、3−2とスリーブ17 の内壁との間隔dcは3.0mmに設定している。 この導波路14内は、長さlcが8.0mmの全体に亘って、比誘電率300 0のチタン酸バリュームで満たされ、容量部16を形成している。したがって、 容量部16の容量は、約5000PFが得られる。 そして、導波路14の先端部、すなわち、外導体2−2、3−2の周囲とシャ ーシ4間には、いわゆるセラミックコンデンサ18が略等間隔に4個接続されて おり、固定コンデンサの容量は4個で約4000PFにしている。これと先に示 した容量部16の容量5000PFと合わせ、全体で9000PFの容量をもっ ている。
【0026】 以上本考案を実施例に基づいて説明したが、本考案はこれら実施例のみに限定 されず、種々の変形、変更が可能である。 例えば、上記では、同軸線路型接栓、高誘電率セラミックリングなど、形状が 円形であるとして説明したが、何も円形に限定する必要はなく、その他の形状と してもよい。 また、本考案の実施例では、1つの入力接栓と2つの出力接栓の例を示したが 、1つの入力接栓と1つの出力接栓とすることもでき、また上記以外の組合せの 複数の入出力接栓においても本考案は適用でき、同様の効果を得る事が出来る。
【0027】
以上詳細に説明したように、本考案によれば、同軸線路型接栓の周囲に筒状導 体(スリーブ)を離間配置し、同軸線路型接栓の外導体と該筒状導体とにより軸 方向に延びる導波路を形成するとともに、該導波路内に絶縁物を挿入して容量部 を形成し、同軸線路の外導体を直流的に絶縁はするが高周波的にシャーシに短絡 する事により、不要誘起電波の発生を防止するとともに、フィルターや分岐・分 配器等の他、保安以外の回路等を組み込んでも、小型化が可能で入出力間の伝送 特性がすぐれたケーブルテレビ用保安器を実現する。 また、該容量部の同軸線路の外周に固定コンデンサを追加配置すると、さらに 容量を増加し入出力間の伝送特性をより一層よくしたケーブルテレビ用保安器が 提供できる。 また、保安器は屋外に取り付けられるのが普通であるので、導波路の一部を防 滴のためのスカートに利用することもできる。
【図1】従来のケーブルテレビ用保安器の構造概念図
【図2】従来のケーブルテレビ用保安器の構造概念図
【図3】本考案のケーブルテレビ用保安器の実施例を説
明する図
明する図
【図4】本考案のケーブルテレビ用保安器の他の実施例
を示す図
を示す図
【図5】本考案のケーブルテレビ用保安器の他の実施例
を示す図
を示す図
1 入力接栓 1−1 内部導体 1−2 外導体 2 出力接栓 2−1 内部導体 2−2 外導体 3 出力導体 3−1 内部導体 3−2 外導体 4 シャーシ 5 導電性カバー 6 高誘電率セラミックリング 7、7’ 導電性金属 8 絶縁物 9 空隙 10、11 環状コンデンサ 12 アース金具 13 プリント基板 14 導波路 15 貫通コンデンサ 16 容量部(高誘電体セラミック) 17 スリーブ(筒状導体) 18 セラミックコンデンサ
Claims (4)
- 【請求項1】 信号入出力端子を有するケーブルテレビ
用保安器において、 該信号入出力端子の少なくとも一つが同軸線路型接栓で
あり、 該同軸線路型接栓の周囲には、筐体と電気的に接続され
ている筒状導体が筐体外側に離間配置され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体とにより導波路
が形成され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体との間に絶縁物
が挿入されていることを特徴とするケーブルテレビ用保
安器。 - 【請求項2】 信号入出力端子を有するケーブルテレビ
用保安器において、 該信号入出力端子の少なくとも一つが同軸接栓型接栓で
あり、 該同軸線路型接栓の周囲には、筐体と電気的に接続され
ている筒状導体が筐体外側に離間配置され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体とにより導波路
が形成され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体との間に絶縁物
が挿入され、 該筒状導体と該同軸線路型接栓の外導体の内面との間に
電気的容量を付加したことを特徴とするケーブルテレビ
用保安器。 - 【請求項3】 該同軸線路型接栓と該筐体との間又は該
同軸線路型接栓とシャーシとの間に電気容量を付加した
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブルテレ
ビ用保安器。 - 【請求項4】 該筒状導体の外側の一部の周囲に凹部を
設け、その内部に配置される同軸接栓型接栓のための防
滴部材としていることを特徴とする請求項1〜3のいず
れかに記載のケーブルテレビ用保安器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002001948U JP3089154U (ja) | 2002-04-08 | 2002-04-08 | ケーブルテレビ用保安器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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- 2002-04-08 JP JP2002001948U patent/JP3089154U/ja not_active Expired - Fee Related
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