JP3088665B2 - 繊維補強ポーラスコンクリート成形体及びその製造方法 - Google Patents

繊維補強ポーラスコンクリート成形体及びその製造方法

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JP3088665B2
JP3088665B2 JP08243100A JP24310096A JP3088665B2 JP 3088665 B2 JP3088665 B2 JP 3088665B2 JP 08243100 A JP08243100 A JP 08243100A JP 24310096 A JP24310096 A JP 24310096A JP 3088665 B2 JP3088665 B2 JP 3088665B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレキャスト舗装
板等の大型平板に用いることができるポーラスコンクリ
ート成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポーラスコンクリートブロックは、雨水
等の水はけが良くなることやその優れた吸音性から、車
道への適用が検討されている。
【0003】これまでに特願平7−248944号に示
されるように、高い曲げ強度と大きな透水性を有し、車
道へも適用することができるポーラスコンクリート成形
体が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特願平7−248
944号に示されるポーラスコンクリート成形体は、曲
げ強度が大きく(5.0〜7.0N/mm2 )、また、
透水係数が大きい(0.3〜3.0cm/sec)反
面、曲げ靱性係数が小さいため、プレキャスト舗装板な
どの大型平板として用いた場合、十分なハンドリング強
度を得ることができず、施工中に割れ等が発生すること
がある。
【0005】一方、特開平3−28152号公報に、1
3 当たり300〜600kgのセメント、75〜24
0kgの水、0.1〜5.0体積%の有機繊維、及び残
部が骨材からなる有機繊維補強透水性コンクリート組成
物が開示されている。該公報に開示される透水性コンク
リートは、4.2N/mm2 程度の曲げ強度を有してお
り、曲げ靱性も改善されているが、透水係数が0.1c
m/sec未満と小さいため、すぐに目詰まりして水の
浸透・貫通性が悪くなるといった問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
大きな透水係数および曲げ強度を有し、かつ、プレキャ
スト舗装板などの大型平板への適用が可能な大きな曲げ
靱性係数(5.0N/mm2 以上)を有するポーラスコ
ンクリート成形体及びその製造方法について鋭意研究し
た結果、上記特願平7−248944号に示される即脱
ポーラスコンクリート成形体及びその製造方法におい
て、粗骨材に被覆するペースト又はモルタル中に特定の
長さの単繊維を特定の形態で特定量含有させればよいこ
と、さらに特定の形態にするためには単繊維の添加時期
を特定すればよいとの知見を得、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明の繊維補強ポーラスコンクリ
ート成形体は、粗骨材に単繊維を含有するペースト又は
モルタルを被覆してなる粒体同士が、該ペースト又はモ
ルタルを介して結合されている繊維補強ポーラスコンク
リート成形体であって、(1)該粗骨材同士を橋渡しす
る方向に該単繊維が含有されており、(2)該粗骨材を
被覆する、該単繊維を含有する該ペースト又はモルタル
の平均被覆厚さが1〜5mmであり、(3)該単繊維の
長さが、2mm以上で、かつ、該粗骨材の最大粒径の
1.5倍以下であり、5.0〜7.0N/mm2 の曲げ
強度と、0.3〜3.0cm/secの透水係数と、
5.0〜7.5N/mm2 の曲げ靭性係数を有すること
を特徴とする。また、本発明の繊維補強ポーラスコンク
リート成形体の製造方法は、粗骨材に対し、セメントあ
るいはセメントを含む粉体混合物と、該セメントあるい
は該粉体混合物に対する重量比が0〜300%の細骨材
と、該セメントあるいは該粉体混合物に対する重量比が
0〜5%の高性能減水剤と、ペースト又はモルタルのコ
ンシステンシーがペーストフロー又はモルタルフローと
して150〜300mmになるのに必要な混練水とを、
該粗骨材100%に対してそれらの合計量の容積比が3
0〜50%となるようにしてミキサーに投入して混練、
造粒し、該粗骨材に粗骨材以外の材料からなるペースト
又はモルタルが被覆された状態の互いに独立した粒体と
した後、該粒体100%に対して、長さが2mm以上で
該粗骨材の最大粒径の1.5倍以下の単繊維を容積比で
0.1〜2.0%投入して混練後、すみやかに所定の型
枠内に投入し、振動数が3,000〜8,000vpm
の外部振動と1kPa〜100kPaの圧力で加圧振動
成形し、成形体を養生して硬化させることを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
ポーラスコンクリート成形体の曲げ靱性係数を大きくす
るためには、単繊維は、図1または図2に示すように、
粗骨材同士を橋渡しする方向に含有されていなければな
らない。図3に示す状態で含有されていたり、図4に示
すような毛玉状となっている場合には、曲げ靱性係数が
小さくなる。
【0009】本発明で用いられる粗骨材としては、粒径
2.5〜40mmの粒体であれば任意の材質のものが用
いられる。例えば、軽量骨材や天然骨材や砕石等が挙げ
られる。
【0010】本発明で用いられる単繊維は、ポリビニル
アルコール系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポルプ
ロピレン系、ポリアクリロニトリル系の有機繊維、耐ア
ルカリガラス繊維、スチール繊維およびステンレス繊維
が挙げられる。単繊維の長さは、2mm以上であり、使
用されている粗骨材の最大粒径の1.5倍以下、好まし
くは3〜7mmである。単繊維の長さが2mm未満で
は、ポーラスコンクリートの曲げ靱性係数が小さくな
る。単繊維の長さが、使用されている粗骨材の最大粒径
の1.5倍を超えると、空隙が小さくなり、透水係数が
小さくなる。
【0011】単繊維の添加量は、粗骨材に粗骨材以外の
材料からなるペースト又はモルタルが被覆された状態の
互いに独立した粒体に対して、容積比で0.1〜2.0
%、好ましくは0.5〜1.5%である。単繊維の添加
量が0.1%未満では、ポーラスコンクリートの曲げ靱
性係数が小さくなる。単繊維の添加量が2.0%を超え
ると、空隙が小さくなり、透水係数が小さくなる。
【0012】本発明で用いられるセメントを含む粉体混
合物とは、セメント及び必要に応じて添加されるその他
の粉体材料からなる粉体混合物をいう。セメントとして
は、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトラ
ンドセメント、ホワイトセメント等の水硬性のセメント
が挙げられる。
【0013】必要に応じて添加されるその他の粉体材料
としては、例えば、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、
シリカフューム、石灰石粉、硅石粉等の無機質粉体が挙
げられる。これらの粉体材料の添加量は、セメントとの
合計量中、0〜60重量%程度である。これらの材料の
添加により、曲げ強度の向上等を図ることができる。
【0014】また、同様に、曲げ強度の向上を図るた
め、被覆するペースト又はモルタルにポリマーを添加し
たものを用いても良い。ポリマーとしては、エチレン・
酢酸ビニル系共重合体やアクリル系共重合体等の熱可塑
性樹脂が挙げられ、添加量は、セメントあるいはセメン
トを含む粉体混合物に対して、重量比で20%以下が好
ましい。これらの他、装飾性をアップするため、従来、
インターロッキングブロック、カラー平板などに用いら
れているベンガラ等の着色材を添加してもよい。添加量
は、セメントあるいはセメントを含む粉体混合物に対し
て、5%以下が好ましい。
【0015】細骨材としては、粗骨材の粒径が5〜40
mmの場合は粒径5mm未満の粒体、粗骨材の粒径が
2.5〜5mmの場合は粒径2.5mm未満の粒体であ
れば任意のものを用いることができる。細骨材の粒径
は、好ましくは粒径が5〜40mm及び2.5〜5mm
の粗骨材に対し、それぞれ2.5mm以下及び1.5m
m以下であり、より好ましくはそれぞれ1mm以下及び
0.5mm以下である。細骨材の粒径が粗骨材の粒径に
近すぎると、粗骨材にモルタルが被覆されにくくなり、
好ましくない。
【0016】細骨材の添加量は、セメントあるいはセメ
ントを含む粉体混合物に対して重量比で0〜300%で
あり、通常100%程度である。細骨材の添加により、
乾燥による収縮を抑制することができる。細骨材の添加
量が300%を超えると、粗骨材にモルタルが被覆され
にくくなり、所定の被覆厚さを確保できなくなるため、
曲げ強度が小さくなる。また、曲げ靱性係数も小さくな
る。
【0017】高性能減水剤としては、ナフタレン系、メ
ラミン系、ポリカルボン酸系等の高性能減水剤が挙げら
れ、液体及び粉末のいずれも使用できる。添加量は、セ
メントあるいはセメントを含む粉体混合物に対して重量
比で0〜5%である。高性能減水剤の添加は、少ない水
量で造粒するのに効果的である。高性能減水剤の添加量
が5%より多くなると、造粒後の粒体同士の結合が起こ
り、互いに独立した粒体とならず、ペースト又はモルタ
ルの流れ落ちも起こるので、曲げ強度、透水係数および
曲げ靱性係数が小さくなる。
【0018】ペースト又はモルタルのコンシステンシー
は、フロー値で代用する。粗骨材への被覆を十分に行う
ためのフロー値の範囲は、ペーストとモルタルのいずれ
の場合でも、単繊維を含まない状態で150〜300m
mである。ペーストフロー又はモルタルフローが150
mm未満では、ペースト又はモルタルが堅すぎて粗骨材
にモルタルが被覆されにくくなり、所定の被覆厚さを確
保できなくなる。また、図3の状態に単繊維が分散する
ため、曲げ靱性係数が小さくなる。ペーストフロー又は
モルタルフローが300mmを超えると、造粒後の粒体
同士の結合が起こり、互いに独立した粒体とならず、ペ
ースト又はモルタルの流れ落ちも起こるので、曲げ強
度、透水係数および曲げ靱性係数が小さくなる。
【0019】ペースト又はモルタルのフロー値は、テー
ブルバイブレーター上で、「JISR 5201(セメ
ントの物理試験方法)」に記載されているフローコーン
及び突き棒を用いて、フロー試験方法に準じてフローコ
ーンにペースト又はモルタルを詰め、フローコーンを上
の方に取り去ってから、振動数6,000vpm(公称
振幅1mm)の振動を30秒間加え、ペースト又はモル
タルが広がった後の径を最大と認める方向と、これに垂
直な方向とで測定し、その平均値をとることによって得
られる。
【0020】混練水量は、上記コンシステンシーを得る
のに必要な量であれば良く、高性能減水剤やセメントあ
るいはセメントを含む粉体混合物やポリマーの種類と量
によって変わるので限定されるものではない。おおよ
そ、セメントあるいは該セメントを含む粉体混合物に対
して、重量比で15〜25%である。
【0021】粗骨材に対するペースト又はモルタルの容
積比は、30〜50%である。30%未満では、所定の
厚さに被覆されにくくなり、曲げ強度および曲げ靱性係
数が小さくなる。50%を超えると、空隙が小さくな
り、透水係数が小さくなる。
【0022】粗骨材の表面に被覆されるペースト又はモ
ルタル層の厚さは、1〜5mmである。1mm未満で
は、曲げ強度および曲げ靱性係数が小さくなる。ペース
ト又はモルタル層の厚さが5mmを超えると、空隙が小
さくなり、透水係数が小さくなる。
【0023】成形における加圧条件は、コンクリート面
にかかる圧力が1kPa〜100kPaである。加圧力
が1kPa未満の場合は、十分な締め固めが行えず、曲
げ強度および曲げ靱性係数が小さくなる。また、加圧力
が100kPaを超えると、空隙が小さくなり、透水係
数が小さくなるばかりか、骨材の弱い部分が潰れる原因
となる。
【0024】また、振動条件としては、外部振動の振動
数を3,000〜8,000vpmとするのが好まし
い。振動数が3,000vpm未満の場合は、十分な締
め固めを行うことができず、曲げ強度及び曲げ靱性係数
が小さくなる。振動数が8,000vpmを超える場合
は、ペースト又はモルタルの流れ落ちが起こるので、曲
げ強度、透水係数および曲げ靱性係数が小さくなる。振
動時間は、振動数によって異なるがおおよそ3〜30秒
である。
【0025】混練に用いるミキサーは、通常のコンクリ
ートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例
えば、オムニタイプミキサー、パンタイプミキサー、二
軸ミキサー等が用いられる。
【0026】混練方法は、一般的には、単繊維以外の材
料を一括してミキサーに投入して、1分以上混練するこ
とにより造粒し、その後、単繊維を添加して30秒程度
混合する。また、ペースト又はモルタルを先練りした後
に、粗骨材を投入して1分以上混練することにより造粒
し、その後、単繊維を添加して30秒程度混合してもよ
い。造粒する前に単繊維を加えて混練した場合、例え
ば、全材料を一括してミキサーに投入し混練した場合に
は、図4に示すように、単繊維の多くは毛玉状になって
しまい、曲げ靱性係数が小さくなる。
【0027】得られた造粒物を型枠内に投入し、加圧と
外部振動により十分な締め固めを行う。加圧には、油圧
式あるいは空気圧式の加圧装置等を使用することができ
る。外部振動を起こすには、型枠に取り付け可能な振動
機やテーブルバイブレーター等を使用することができ
る。養生は、通常の蒸気養生や湿空養生を行えばよく、
特に限定されない。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。実施例1〜21、比較例1〜17 1.コンクリート材料 以下の材料を用いた。 セメント:日本セメント株式会社製アサノ普通ポルトラ
ンドセメント; 高炉スラグ粉末:第一セメント株式会社製ファインセラ
メント; 高性能減水剤:花王株式会社製マイティ150; 細骨材:日本セメント株式会社製珪砂4号(粒径0.3
〜0.8mm); 粗骨材:奥多摩工業株式会社製砕石5号(13〜20m
m)および砕石7号(2.5〜5mm); 単繊維A:ユニチカ株式会社製ユニチカビニロンMF
(繊維長4.0mm); 単繊維B:ユニチカ株式会社製ユニチカビニロンMF
(繊維長6.0mm); 単繊維C:ユニチカ株式会社製ユニチカビニロンMF
(繊維長20mm); 単繊維D:ユニチカ株式会社製ユニチカビニロンMF
(繊維長1.5mm); 単繊維E:ユニチカ株式会社製ユニチカビニロンMF
(繊維長10mm); 単繊維F:イケダ鋼板株式会社製ISファイバー(繊維
長12.5mm)
【0029】2.配合および練り混ぜ 上記に示した材料を表1に示す配合割合で、パンタイプ
ミキサー(0.1m3)に粗骨材以外の材料を一括投入
し、2分間練り混ぜた後、テーブルバイブレーター上
で、「JIS R 5201(セメントの物理試験方
法)」に記載されているフローコーン及び突き棒を用い
て、フロー試験方法に準じてフローコーンにモルタルを
詰め、フローコーンを上の方に取り去ってから、振動数
6,000vpmの振動を30秒間加え、モルタルが広
がった後の径を最大と認める方向と、これに垂直な方向
とで測定し、その平均値をとり、モルタルフローとし
た。そして、粗骨材を投入し、1分間練り混ぜて造粒物
を調製した後、単繊維を投入し、30秒間練り混ぜた。
練り混ぜた後、モルタルが被覆された状態の造粒物の粒
体15個について、モルタル層の厚さをノギスで測定
し、平均値をモルタルの平均被覆厚さとした。なお、比
較例17では、粗骨材と単繊維を同時に投入し、1分間
練り混ぜた。
【0030】
【表1】
【0031】3.成形及び養生 上記造粒物粒体を10×10×40cmの型枠に投入
後、簡易型多目的成形機(五葉工機有限会社製)を用い
て、表2に示す成形条件で供試体を作製し、ビニールシ
ートで覆い、7日間、20℃にて湿空養生を行った。
【0032】
【表2】
【0033】4.評価 養生後、「土木学会基準(案)III-2-5 鋼繊維補強コン
クリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法」に準
じて、曲げ強度および曲げ靱性係数を、「ポーラスコン
クリートの透水試験方法」(日本コンクリート工学協会
(JCI)、エココンクリート研究委員会)に準じて、
透水係数を、各々測定した。その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】実施例1〜4は、モルタルフローの範囲を
変えて評価を行ったものである。本発明で規定する15
0〜300mmの範囲では、曲げ強度、透水係数および
曲げ靱性係数が大きかった。一方、比較例1に示すよう
にモルタルフローが150mm未満のものは、モルタル
の平均被覆厚さが1mmより小さく、曲げ靱性係数が小
さかった。また、比較例2に示すようにモルタルフロー
が300mmを超えるものは、透水係数が小さかった。
【0036】実施例5〜6は、細骨材の量を変えて評価
を行ったものである。本発明で規定する粉体混合物に対
する重量比が0〜300%の範囲では、曲げ強度、透水
係数および曲げ靱性係数が大きかった。一方、比較例3
に示すように粉体混合物に対する細骨材の重量比が30
0%を超えるものは、モルタルの被覆厚さが1mmより
小さく、曲げ強度および曲げ靱性係数が小さかった。
【0037】実施例7〜8は、高性能減水剤の添加量を
変えて評価を行ったものである。本発明で規定するセメ
ントあるいは粉体混合物に対する重量比が0〜5%の範
囲では、曲げ強度、透水係数および曲げ靱性係数が大き
かった。一方、比較例4に示すように高性能減水剤の添
加量が5重量%を超えるものは、曲げ強度、透水係数お
よび曲げ靱性係数が小さかった。
【0038】実施例9〜10は、粗骨材に対するモルタ
ルの容積比を変えて評価を行ったものである。本発明で
規定する30〜50%の範囲では、曲げ強度、透水係数
および曲げ靱性係数が大きかった。一方、比較例5に示
すようにモルタルの容積比が30%未満のものは、モル
タルの被覆厚さが1mmより小さく、曲げ強度および曲
げ靱性係数が小さかった。また、比較例6〜7に示すよ
うにモルタルの容積比が50%を超えるものは、透水係
数が小さかった。モルタルの被覆厚さが5mmを超える
比較例7は、透水係数が特に小さかった。
【0039】実施例11〜12は、粗骨材の種類を変
え、実施例12では、さらに単繊維の種類も変えて評価
を行ったものである。実施例11〜12のいずれも、曲
げ強度、透水係数および曲げ靱性係数が大きかった。
【0040】実施例13〜15は、単繊維の長さを変え
て評価を行ったものである。本発明で規定する2mm以
上で粗骨材の最大粒径の1.5倍以下の長さの単繊維で
は、曲げ強度、透水係数および曲げ靱性係数が大きかっ
た。一方、比較例8、10に示すように単繊維の長さが
2mm未満のものは、曲げ靱性係数が小さかった。ま
た、比較例9に示すように単繊維の長さが粗骨材の最大
粒径の1.5倍を超えるものは、透水係数が小さかっ
た。
【0041】実施例16〜17は、単繊維の量を変えて
評価を行ったものである。単繊維の量が、本発明で規定
する粗骨材に粗骨材以外の材料からなるペースト又はモ
ルタルが被覆された状態の互いに独立した粒体に対し
て、容積比で0.1〜2.0%の範囲では、曲げ強度、
透水係数および曲げ靱性係数が大きかった。一方、比較
例11に示すように、単繊維が0.1%未満のものは、
曲げ靱性係数が小さかった。また、比較例12に示すよ
うに、単繊維が2.0%を超えるものは、透水係数が小
さかった。
【0042】実施例18〜19は、成形時の振動数を変
えて評価を行ったものであるが、本発明で規定する3,
000〜8,000vpmの振動数の範囲では、曲げ強
度、透水係数および曲げ靱性係数が大きかった。一方、
比較例13に示すように、振動数が3,000vpm未
満のものは、曲げ強度および曲げ靱性係数が小さかっ
た。また、比較例14に示すように、振動数が8,00
0vpmを超えるものは、透水係数が小さかった。
【0043】実施例20〜21は、成形時の加圧力を変
えて評価を行ったものである。本発明で規定する1kP
a〜100kPaの範囲では、曲げ強度、透水係数およ
び曲げ靱性係数が大きかった。一方、比較例15に示す
ように、加圧力が1kPa未満のものは、曲げ強度およ
び曲げ靱性係数が小さかった。また、比較例16に示す
ように、加圧力が100kPaを超えるものは、透水係
数が小さかった。比較例17は、粗骨材と単繊維を同時
にミキサーに投入したものである。この場合、曲げ靱性
係数が小さかった。
【0044】実施例22〜23 実施例3及び実施例11の配合割合で、2軸ミキサー
(1m3 )に単繊維以外の材料を一括投入し、2分間練
り混ぜた後、単繊維を投入し、30秒間練り混ぜた。そ
して、前記造粒物粒体を5×3.5×0.3mの型枠に
投入後、振動数6,000vpm、加圧力50kPaの
成形条件で成形し、ビニールシートで覆い、7日間、2
0℃にて湿空養生を行い、プレキャスト舗装板を作成し
た。該舗装板を用いて施工実験を行ったところ、施工中
における割れ等は発生せず、十分なハンドリング強度を
有していることを確認した。
【0045】
【発明の効果】本発明にかかるポーラスコンクリート成
形体は、大きな曲げ強度(5.0〜7.0N/mm2
と大きな曲げ靱性係数(5.0〜7.5N/mm2 )を
有するため、車道用のプレキャスト舗装板などのような
大型平板にも適用することができる。また、透水係数も
大きい(0.3〜3.0cm/sec)ため、目詰まり
しにくく、水の浸透・貫通性の低下といった問題を防ぐ
ことができる。特に、車道用のプレキャスト舗装板に適
用した場合、水はけの良い道路を作りだすことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポーラスコンクリート成形体中に単繊維が含有
される状態を示す図である。
【図2】ポーラスコンクリート成形体中に単繊維が含有
される状態を示す図である。
【図3】ポーラスコンクリート成形体中に単繊維が含有
される状態を示す図である。
【図4】ポーラスコンクリート成形体中に単繊維が含有
される状態を示す図である。
【符号の説明】
1 粗骨材 2 ペーストまたはモルタル 3 単繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B28B 1/08 B28B 1/08 B C04B 111:40 (56)参考文献 特開 平3−28152(JP,A) 特開 昭62−21770(JP,A) 特開 昭62−241882(JP,A) 特開 平7−206537(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 38/00 302 B28B 1/50 C04B 14/48 C04B 16/06 C04B 28/02 C04B 111:40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗骨材に単繊維を含有するペースト又は
    モルタルを被覆してなる粒体同士が、該ペースト又はモ
    ルタルを介して結合されている繊維補強ポーラスコンク
    リート成形体であって、(1)該粗骨材同士を橋渡しす
    る方向に該単繊維が含有されており、(2)該粗骨材を
    被覆する、該単繊維を含有する該ペースト又はモルタル
    の平均被覆厚さが1〜5mmであり、(3)該単繊維の
    長さが、2mm以上で、かつ、該粗骨材の最大粒径の
    1.5倍以下である、5.0〜7.0N/mm2 の曲げ
    強度と、0.3〜3.0cm/secの透水係数と、
    5.0〜7.5N/mm2 の曲げ靭性係数を有する繊維
    補強ポーラスコンクリート成形体。
  2. 【請求項2】 粗骨材に対し、セメントあるいはセメン
    トを含む粉体混合物と、該セメントあるいは該粉体混合
    物に対する重量比が0〜300%の細骨材と、該セメン
    トあるいは該粉体混合物に対する重量比が0〜5%の高
    性能減水剤と、ペースト又はモルタルのコンシステンシ
    ーがペーストフロー又はモルタルフローとして150〜
    300mmになるのに必要な混練水とを、該粗骨材10
    0%に対してそれらの合計量の容積比が30〜50%と
    なるようにしてミキサーに投入して混練、造粒し、該粗
    骨材に粗骨材以外の材料からなるペースト又はモルタル
    が被覆された状態の互いに独立した粒体とした後、該粒
    体100%に対して、長さが2mm以上で該粗骨材の最
    大粒径の1.5倍以下の単繊維を容積比で0.1〜2.
    0%投入して混練後、すみやかに所定の型枠内に投入
    し、振動数が3,000〜8,000vpmの外部振動
    と1kPa〜100kPaの圧力で加圧振動成形し、成
    形体を養生して硬化させる繊維補強ポーラスコンクリー
    ト成形体の製造方法。
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