JP3086541B2 - 液晶プロジェクター - Google Patents

液晶プロジェクター

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JP3086541B2
JP3086541B2 JP04252277A JP25227792A JP3086541B2 JP 3086541 B2 JP3086541 B2 JP 3086541B2 JP 04252277 A JP04252277 A JP 04252277A JP 25227792 A JP25227792 A JP 25227792A JP 3086541 B2 JP3086541 B2 JP 3086541B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶プロジェクターに
関し、特に光源のチップ部や封入ハロゲン化金属の液化
による解像度の低下及び発光ムラを無くすようにした液
晶プロジェクターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶プロジェクターは、図3の構
成図に示すように、光源1と、この光源1を焦点とする
略回転楕円体面の一部分の形状に形成された回転楕円面
ミラー2と、上記光源1に関して回転楕円面ミラー2の
反対側に配置され、上記光源1を中心とする球面状に形
成されるとともに、上記光源1から出射され、回転楕円
面ミラー2で反射された光の大部分が集中する位置に開
口された開口窓4を有する球面ミラー3と、開口窓4を
通過した光を平行光にして出射させるコンデンサレンズ
5と、コンデンサレンズから射出された光を中心方向に
屈折させて光量が均一な平行光をリレーレンズ7を介し
て液晶パネル8に射出する光屈折板6とを備えている。
【0003】この液晶プロジェクターおいては、光源1
から出射する光が回転楕円面ミラー2で反射され、回転
楕円面ミラー2に対向して配置された球面ミラー3の開
口窓4に集中し、さらに、この開口窓4から出射する。
開口窓4から出射した光はコンデンサレンズ5によって
屈折し、平行光となって出射される。
【0004】回転楕円面ミラー2で反射されて開口窓4
に向かう光のうち光源1によって遮られる光は開口窓4
を通過しないので、コンデンサレンズ5に入射する光の
光量は光源1と開口窓4とを通る中心光軸線と、図3の
1点鎖線で示す光線との間の部分で少なくなり、コンデ
ンサレンズ5から射出する光の中心光軸線及びその周囲
部に暗部が生じる。
【0005】上記光屈折板6の両面は中心から周囲に向
かって次第に光の進行方向に傾斜する平行な円錐面に形
成され、暗部の周囲の光を中心光軸まで屈折させること
により暗部を消失させ、光量が均一な平行光を射出す
る。
【0006】リレーレンズ7は光屈折板6から射出され
た光量が均一な平行光を若干収束させて液晶パネル8に
入射させる。
【0007】大型の液晶プロジェクターでは、さらに、
液晶パネル8を透過した光を図示しない投写レンズで表
示画面に拡大して投影するようにしている。
【0008】上記光源1としては、発光の輝度、指向性
及び均一性が優れたメタルハライドランプが多用され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このメタルハライドラ
ンプは、製造工程において外周面から突出するチップ部
9が形成されるので、これを光源1として使用すれば、
図4に示すように、光源1から出射する光の一部分がこ
のチップ部9を透過することにより散乱し、指向性の低
い光が出射される。
【0010】また、チップ部9は表面積が他の部分に比
べて広いため、他の部分よりも冷却されて低温になる。
このため、メタルハライドランプに封入されたハロゲン
化金属10がチップ部9の内面に凝縮して液化し、この
液化したハロゲン化金属10によって更に散乱するとと
もに着色された光が出射する。
【0011】さらに、図5に示すように、メタルハライ
ドランプ内の下部に液化したハロゲン化金属10が溜ま
ると、このハロゲン化金属10を透過する光も散乱する
とともに着色され、これが回転楕円面ミラー2や球面ミ
ラー3に反射されて開口窓4から射出される。
【0012】このようにして指向性の低い着色された光
が液晶パネル8に入射されると、解像度が低下するとと
もに、発光ムラが生じるため、表示品質が著しく損なわ
れることになる。
【0013】本発明は、上記の事情を鑑みてなされたも
のであり、光源のチップ部や封入ガスの液化による解像
度の低下及び発光ムラを無くすようにした液晶プロジェ
クターを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の前提となる液晶
プロジェクターは、外周面から外方に突出するチップ部
を有する光源と、この光源を焦点とする略回転楕円体面
の一部分を形成する回転楕円面ミラーと、上記光源に関
して回転楕円面ミラーの反対側に配置され、上記光源を
中心とする球面状に形成されるとともに、上記光源から
射出され、回転楕円面ミラーで反射された光の大部分が
集中する位置に開口された開口窓を有する球面ミラー
と、開口窓を通過した光を平行光にして射出するコンデ
ンサレンズと、コンデンサレンズから射出された光を中
心方向に屈折させて光量が均一な平行光を液晶パネルに
射出する光屈折板とを備える。本発明の第1の液晶プロ
ジェクターは、かかる液晶プロジェクターを前提とし
て、光源のチップ部による解像度の低下及び発光ムラを
無くすため、上記チップ部を光源の中心と開口窓の中心
とを結ぶ中心光軸線に対して直角方向に突出させ、光源
のチップ部や封入ガスの液化による解像度の低下及び発
光ムラを確実に無くすとともに、光源の発光の利用率を
高めるため、光源のチップ部を透過して射出する光線が
入射する回転楕円面ミラーの部分及び球面ミラーの部分
を欠落させたことを特徴とする。
【0015】
【0016】
【0017】本発明の第2の液晶プロジェクターは、本
発明の第1の液晶プロジェクターにおいて、上記の目的
を達成するとともに、回転楕円面ミラー及び球面ミラー
の一部分を欠落させることにより生じる暗部による部分
的な表示輝度の低下を防止すため、液晶パネルの表示部
中心を中心光軸線からチップ部の突出方向に偏倚させた
ことを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明の第1の液晶プロジェクターにおいて
は、光源のチップ部を光源の中心と開口窓の中心とを結
ぶ中心光軸線に対して直角方向に突出させることによ
り、チップ部を透過して出射され、回転楕円面ミラーで
反射させた光を開口窓の外周囲部に照射させ、球面ミラ
ーで遮断させることができる。
【0019】
【0020】また、本発明の第1の液晶プロジェクター
では、光源のチップ部を透過して射出する光線が入射す
る回転楕円面ミラーの部分及び球面ミラーの部分を欠落
させるので、光源のチップ部を透過する光が回転楕円面
ミラーや球面ミラーに反射されることがなく、球面ミラ
ーの開口窓に進むおそれがなくなる。
【0021】また、チップ部と反対側から出射される光
を回転楕円面ミラー及び球面ミラーに反射させて開口窓
に向かわせることができる。
【0022】本発明の第1の液晶フロジェクターにおい
ては、回転楕円面ミラーの部分及び球面ミラーの部分を
欠落させることにより、コンデンサレンズ及び光屈折板
を透過する光の一側縁部、すなわち、中心光軸に関して
チップ部と反対側の縁部に暗部が生じ、液晶プロジェク
タの表示部の一側部が暗くなる。
【0023】これに対して本発明の第2の液晶プロジェ
クターでは、液晶パネルの表示部中心を中心光軸線から
チップ部の突出方向に偏倚させることにより、その暗部
を表示部の外側に位置させて、発光ムラの発生を防止し
ている。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る液晶プロジェ
クターについて図1及び図2に基づいて具体的に説明す
る。
【0025】本発明の一実施例に係る液晶プロジェクタ
ーは、図2の全体構成図に示すように、光源1と、この
光源1を焦点とする略回転楕円体面の一部分の形状に形
成された回転楕円面ミラー2と、上記光源1に関して回
転楕円面ミラー2の反対側に配置され、上記光源1を中
心とする球面状に形成されるとともに、上記光源1から
出射され、回転楕円面ミラー2で反射された光の大部分
が集中する位置に開口された開口窓4を有する球面ミラ
ー3と、開口窓4を通過した光を平行光にして出射させ
るコンデンサレンズ5と、コンデンサレンズから射出さ
れた光を中心方向に屈折させて光量が均一な平行光をリ
レーレンズ7を介して液晶パネル8に射出する光屈折板
6とを備えている。
【0026】なお、液晶パネル8を透過した光は、図示
しない投写レンズを介して図示しない表示画面(スクリ
ーン)に拡大して照射される。上記光源1はメタルハラ
イドランプよりなり、図1の要部の構成図に示すよう
に、外周面から突出するチップ部9を有している。
【0027】光源1の中心と球面ミラー3の開口窓4の
中心とを通る中心光軸は水平に配置され、上記チップ部
9は中心光軸に対してして直角の下方に向かって突出さ
せてある。
【0028】また、チップ部9の下方で光源1の中心か
らチップ部9を透過する光(図1においてハッチングを
施した範囲を進む光)が照射される回転楕円面ミラー2
及び球面ミラー3の部分は欠落させてある。
【0029】図2に示すように、上記リレーレンズ7及
び液晶パネル8の表示部の中心は、回転楕円面ミラー2
の下縁で反射され、球面ミラー3の開口窓4を通過する
光線が表示部の上端に位置するように、中心光軸よりも
下方に偏倚させてある。
【0030】さらに、液晶パネル8を透過した光は図示
しない投写レンズで表示画面に拡大して投影されるよう
にしている。
【0031】この液晶プロジェクターにおいては、光源
1から出射する光が回転楕円面ミラー2で反射され、回
転楕円面ミラー2に対向して配置された球面ミラー3の
開口窓4に集中し、さらに、この開口窓4から出射す
る。開口窓4から出射した光はコンデンサレンズ5によ
って屈折し、平行光となって出射される。
【0032】回転楕円面ミラー2で反射されて開口窓4
に向かう光のうち光源1によって遮られる光は開口窓4
を通過しないので、コンデンサレンズ5に入射する光の
光量は光源1と開口窓4とを通る中心光軸線と、図2の
1点鎖線で示す光線との間の部分で少なくなり、コンデ
ンサレンズ5から射出する光の中心光軸線及びその周囲
部に暗部が生じる。
【0033】上記光屈折板6の両面は中心から周囲に向
かって次第に光の進行方向に傾斜する平行な円錐面に形
成され、暗部の周囲の光を中心光軸まで屈折させること
により暗部を消失させ、光量が均一な平行光を射出す
る。
【0034】リレーレンズ7は光屈折板6から射出され
た光量が均一な平行光を若干収束させて液晶パネル8に
入射させる。
【0035】光源1のチップ部9を透過する光は、中心
光軸に対して直角方向に向かうので、回転楕円面ミラー
2から球面ミラー2の開口窓4に向かう光としては、開
口窓4の中心から最も遠い位置を通ることになる。
【0036】したがって、開口窓4を小さく開口させ
て、チップ部9を透過して出射され、回転楕円面ミラー
2で反射された光を開口窓4の外周囲部に向かわせるこ
とにより、球面ミラー3で遮り、チップ部9を透過して
出射された光が液晶パネル8に到達することを防止でき
る。
【0037】しかしながら、この場合には、チップ部9
と反対側の部分を透過して出射される光も開口窓4の外
周囲部によって遮断されることになり、光の利用率が低
下することになる。
【0038】そこで、この実施例では、チップ部9と反
対側の部分を透過して出射される光が開口窓4内を通過
する程度に開口窓4を大きく開く一方、チップ部9を透
過して出射された光が照射される回転楕円面ミラー2及
び球面ミラー3の部分を欠落させることにより、チップ
部9と反対側の部分を透過して出射される光が開口窓4
を通って液晶パネル8に入射できるようにして、光源1
の発光の利用率を高めるようにする一方、チップ部9を
透過した光を回転楕円面ミラー2及び球面ミラー3で反
射させずに下方に逃がすようにしている。
【0039】このように、チップ部9を透過した光を下
方に逃がすことにより、チップ部9を透過して拡散され
た光が液晶パネル8に入射するおそれはなくなる。
【0040】また、チップ部9が冷却されることにより
その内側でハロゲン化金属10の蒸気が凝縮するが、チ
ップ部9が下方に位置しているので、この凝縮したハロ
ゲン化金属10を透過することにより散乱され、着色さ
れた光も、上記のチップ部9を透過して出射する光と重
なって下方に逃がされ、液晶パネル8に入射するおそれ
はなくなる。
【0041】さらに、光源1内で凝縮したハロゲン化金
属10は光源1内の下部に溜まるが、チップ部9が下方
に位置しているので、光源1内の下部に溜まったハロゲ
ン化金属10を透過することにより拡散され、着色され
た光も、上記のチップ部9を透過して出射する光の一部
分として下方に逃がされ、液晶パネル8に入射するおそ
れはなくなる。
【0042】要するに、この実施例によれば、チップ部
9以外の部分を透過して出射される光を有効に利用でき
るとともに、散乱光による解像度の低下が生じるおそれ
はなく、また、着色光の入射による色ムラが発生するお
それもなくなる。
【0043】この実施例においては、回転楕円面ミラー
2及び球面ミラー3の下部の一部分を欠落させることに
より、コンデンサレンズ5の上半分への光の入射領域
は、従来の入射領域の上縁部を除いた領域になり、欠落
した部分に対応する部分からの反射光が入射するはずで
ある従来の入射領域の上縁部には光が入射せず、暗部と
なる。
【0044】リレーレンズ7及び液晶パネル8の表示部
の中心を中心光軸と同じ高さに配置すれば、この暗部に
対応する表示部の上縁部が暗くなることがあるが、この
実施例では、リレーレンズ7及び液晶パネル8の表示部
の中心は、回転楕円面ミラー2の下縁で反射され、球面
ミラー3の開口窓4通過する光線が表示部の上端に位置
するように、中心光軸よりも下方に偏倚させてあるの
で、液晶パネル8の表示部の全面にわたって入射光量が
均一になる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の液晶プロ
ジェクターによれば、光源のチップ部を光源の中心と開
口窓の中心とを結ぶ中心光軸線に対して直角方向に突出
させることにより、チップ部を透過して出射され、回転
楕円面ミラーで反射された光を開口窓の外周囲部に照射
させ、球面ミラーで遮断することにより液晶パネルに入
射させないので、チップ部を透過することにより拡散さ
れた光、及び、チップ部の内面に凝縮したハロゲン化金
属等の封入ガス成分を透過することにより拡散された光
の液晶パネルへの入射による解像度の低下を防止でき
る。
【0046】また、本発明の第1の液晶プロジェクター
によれば、チップ部の内面に凝縮したハロゲン化金属等
の液化成分を透過することにより着色された光の液晶パ
ネルへの入射による色ムラの発生を防止できる。
【0047】
【0048】更に、本発明の第1の液晶プロジェクター
によれば、チップ部を透過して出射される光が照射され
る回転楕円面ミラーの部分及び球面ミラーの部分を欠落
させことにより、チップ部を透過して出射される光が液
晶パネル入射することが確実に防止されるので、光源の
チップ部以外の部分から射出する光を回転楕円面ミラー
の部分及び球面ミラーに反射させて液晶パネルに入射さ
せることができ、光源の発光の利用率を高めることがで
きる。
【0049】本発明の第2の液晶プロジェクターによれ
ば、上記第1の液晶プロジェクターによって得られる効
果の他に、上記第3の液晶プロジェクターにおいて生じ
る暗部が液晶パネルの表示部から排除されるので、表示
の一部分が暗くなって画像品質が低下することを防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部の構成図である。
【図2】本発明の全体構成図である。
【図3】従来例の構成図である。
【図4】本発明が解決しようとする課題の説明図であ
る。
【図5】本発明が解決しようとする別の課題の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 光源 2 回転楕円面ミラー 3 球面ミラー 4 開口窓 5 コンデンサレンズ 6 光屈折板 8 液晶パネル 9 チップ部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G09G 3/18 F21M 1/00 R H04N 5/74 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13357 G02F 1/13 505 F21S 2/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面から外方に突出するチップ部を有
    する光源と、この光源を焦点とする略回転楕円体面の一
    部分を形成する回転楕円面ミラーと、上記光源に関して
    回転楕円面ミラーの反対側に配置され、上記光源を中心
    とする球面状に形成されるとともに、上記光源から射出
    され、回転楕円面ミラーで反射された光の大部分が集中
    する位置に開口された開口窓を有する球面ミラーと、開
    口窓を通過した光を平行光にして射出するコンデンサレ
    ンズと、コンデンサレンズから射出された光を中心方向
    に屈折させて光量が均一な平行光を液晶パネルに射出す
    る光屈折板とを備える液晶プロジェクターにおいて、上
    記チップ部を光源の中心と開口窓の中心とを結ぶ中心光
    軸線に対して直角方向に突出させ、上記光源のチップ部
    を透過して射出する光線が照射される回転楕円面ミラー
    の部分及び球面ミラーの部分を欠落させたことを特徴と
    する液晶プロジェクター。
  2. 【請求項2】 液晶パネルの表示部中心を中心光軸線か
    らチップ部の突出方向に偏倚させたことを特徴とする請
    求項1に記載の液晶プロジェクター。
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