JP3084469B2 - 浮上体の移動装置 - Google Patents

浮上体の移動装置

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JP3084469B2 JP05192596A JP19259693A JP3084469B2 JP 3084469 B2 JP3084469 B2 JP 3084469B2 JP 05192596 A JP05192596 A JP 05192596A JP 19259693 A JP19259693 A JP 19259693A JP 3084469 B2 JP3084469 B2 JP 3084469B2
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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浮上体の移動装置に係
り、詳細には、浮上体を挟んで対向する位置に配置した
複数の電極に静電力を発生させるために印加する電圧の
強弱を制御することにより浮上体を移動させると共に、
浮上体の電極からの位置を検出することにより前記浮上
体の電極からの位置を一定に維持制御する浮上体の移動
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、IC製造装置のように高度のクリ
ーン環境が要求される場所の搬送装置として、非接触的
に搬送する装置が使用されている。このような非接触状
態で搬送する装置として、浮上体としての浮上体を電磁
石の磁力によって浮上させると共に、浮上体の浮上位置
を検出することにより浮上体の浮上位置を一定に保つよ
うに制御する磁気軸受が一般に用いられている。
【0003】この磁気浮上装置では、浮上体が電磁石の
磁力によって浮上保持されると共に、その位置が一対の
位置センサによって検出される。この位置センサの出力
信号が、基準信号と比較されて、浮上体の基準位置との
差に応じた信号が得られる。この基準位置との差に応じ
た励磁電流が、電磁石に供給されることで、浮上体は、
所定の基準位置に浮上保持されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の磁気
軸受では、電磁石に大きな電流を供給する必要があり、
また電磁石に供給する電流の周波数を高くできなかっ
た。また、電磁石を使用するので、コイルおよびコアが
必要となり、全体のサイズが大きくなっていた。
【0005】そこで本発明の目的は、少ない電流で浮上
体の電極からの位置を高精度に制御することができ、よ
りサイズの小さい浮上体の移動装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、浮上体を挟んで対向する位置に配置した複数の電極
と、この電極に静電力を発生させるための電圧を供給す
る電圧供給手段と、前記浮上体の前記電極からの位置に
応じた周波数の信号を出力するセンサと、このセンサか
らの出力信号の位相に応じて、前記電圧供給手段から前
記電極に供給する静電力を発生させるための電圧を制御
して、前記浮上体の前記電極からの位置を制御する位置
制御手段とを、浮上体の移動装置に具備させて、前記目
的を達成する。
【0007】請求項2記載の発明では、浮上体を挟んで
対向する位置に配置した複数の電極と、前記電極に静電
力を発生させるための電圧を供給するヒステリシスアン
プと、前記ヒステリシスアンプにおけるスイッチングの
位相に応じて前記ヒステリシスアンプから出力される
電力を発生させるための電圧を制御して前記ヒステリシ
スアンプにおけるスイッチングの周波数を制御するフェ
イズロックトループを用いて、上記浮上体の前記電極か
らの位置を制御する位置制御手段とを、浮上体の移動
置に具備させて前記目的を達成する。
【0008】請求項3記載の発明では、浮上体を挟んで
対向する位置に配置した複数の電極と、二つのレベルの
静電力を発生させるための電圧をスイッチングにより切
り換えて前記電極に与えることにより前記電極に静電力
を発生させるための電圧を供給するヒステリシスアンプ
と、前記ヒステリシスアンプにおけるスイッチングの位
相に応じて前記ヒステリシスアンプから出力される静電
力を発生させるための電圧を制御して前記ヒステリシス
アンプにおけるスイッチングの周波数を制御するフェイ
ズロックトループを用いて、上記浮上体の前記電極から
位置を制御する位置制御手段とを、浮上体の移動装置
に具備させて前記目的を達成する。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明では、センサが、浮上体の
電極からの位置に応じて出力周波数の変化する信号を出
力することで、浮上体の電極からの位置を検出する。位
置制御手段は、このセンサの出力信号の位相に応じて、
電圧供給手段から電極に供給する静電力を発生させるた
めの電圧を制御することで、浮上体の電極からの位置を
制御する。
【0010】請求項2および請求項3記載の発明では、
電極に静電力を発生させるための電圧を印加するアンプ
として、スイッチング周波数がキャパシタンスによって
変化するヒステリシスアンプを使用する。ヒステリシス
アンプは、電極と浮上体間のギャップ変化に応じてキャ
パシタンスが変化し、これに伴ってスイッチング周波数
も変化する。本発明の静電浮上装置では、このようなヒ
ステリシスアンプを利用して、位置センサを用いること
なく浮上体の電極からの位置を検出できるようにしてい
る。そして、フェイズロックトループを用いてスイッチ
ング周波数が一定になるように制御することによって浮
上体の電極からの位置を一定に保持している。
【0011】以下、本発明の浮上体の移動装置における
好適な実施例について、図1から図7を参照して詳細に
説明する。
【0012】この図1に示すように本実施例の浮上体の
移動装置は、浮上体10を備えている。この浮上体10
を挟んで対向する位置には、浮上体10の電極からの
置を検出するセンサ11a、11bおよび、2対の電極
12aa,12ab、12ba,12bbが配置されており、電
極12aa,12ab、12ba,12bbには、その各々に
電力を発生させるための電圧を印加する電圧増幅器13
a、13bが接続されている。
【0013】ここで、浮上体10は、浮上体心10a
と、その表面を被っている絶縁材10bで構成されてい
る。絶縁材10bは、電極12aa,12ab及び電極12
ba,12bbが浮上体心10aによって電気的に短絡され
ることを避けるために配置される。一方、センサ11
(センサ11a、11bを代表する。)は、浮上体10
とセンサ11との変位に比例した周波数の信号を出力す
るようになっている。両センサ11a、11bは、浮上
体10が両者の中心位置にある場合、等しい周波数とな
るようになっている。このセンサ11としては、インダ
クタンスまたはキャパシタンスを有し、変位に対応して
周波数が変化する発振器が使用される。
【0014】浮上体の移動装置は、また、位相比較器1
4を備えている。この位相比較器14は、センサ11
a、11bから供給される両出力信号の位相差を検出
し、位相差に応じた電圧を出力するようになっている。
なお、本実施例の位相比較器14では、両センサ11
a、11bからの出力信号の位相比較を行うが、1つの
センサと基準発信器を配置し、この基準発信器から出力
される基準信号の位相と、センサからの出力信号の位相
とを比較するようにしてもよい。
【0015】浮上体の移動装置は、さらに、位相比較器
14の位相差に応じた出力電圧を調整して装置全体の閉
ループを安定化させるためのループフィルタ15を備え
ており、このループフィルタ15は、電圧増幅器13
a、13bに接続されてる。このように、浮上体の移動
装置は、電圧増幅器13a、13b、位相比較器14お
よびループフィルタ15によってフェイズロックトルー
プ(PLL)が形成される。
【0016】次に、図2を用いて、静電力によって浮上
体10が移動する原理について説明する。図2では、図
1の電極12aa,12ab、12ba,12bbと、浮上体1
0とが示されている。また、電極12aa,12ab間には
静電力を発生させるための電圧V1 が、電極12ba,1
2bb間には静電力を発生させるための電圧V2 がそれぞ
れ印加されている。電極12aa,12ab、12ba,12
bbはそれぞれ一定の面積Aを有している。また、浮上体
10が変位Xだけ移動すると、浮上体10と電極12a
a,12abとの間にギャップg1 (=X0−X)が生じ、
浮上体10と電極12ba,12bbとの間にギャップg2
(=X0+X)が生じるものとする。この浮上体10
は、質量がmであり、電極12aa,12ab及び電極12
ba,12bbにより静電力F1 及びF2 を受けているもの
とする。
【0017】以下、浮上体10は、水平方向にのみ移動
するものとして説明する。このような基本的な浮上体の
移動装置において、静電力を発生させるための電圧V1
は電圧増幅器13aから、静電力を発生させるための
圧V2 は電圧増幅器13bからそれぞれ供給される。変
位Xは、の2回微分αは加速度であるから、浮上体の運
動方程式は、次の数式1で与えられる。
【0018】(数1)mα=F1 −F2 また、電極12aa,12ab、12ba,12bbは、図2に
示すように、面積Aを有し、かつ浮上体10と電極12
aa,12abの間、浮上体10と電極12ba,12bbの間
にギャップg1 、g2 を有しているとき、静電力は、数
式2及び数式3で与えられる。
【0019】(数2) F1 =(V12/4)・(εA/(X0 −X)2 ) (数3) F2 =(V22/4)・(εA/(X0 +X)2 ) ここで、V1 は電極12aa,12abの印加電圧を、V2
は電極12ba,12bbの印加電圧、X0 はロータ10が
中心位置にあるときのギャップの値、Aは電極12aa,
12ab、12ba,12bbの面積、εはギャップ内の比誘
電率を、それぞれ表す。
【0020】また、浮上電圧V1 、V2 は、バイアス電
圧をV0 、制御電圧をv1 、v2 とすると、Vn =V0
+vn (n =1 、2 )で表される。各制御電圧v1 、制
御電圧v2 は、v1 =−v2 (=v)を満たすように定
める。
【0021】ここで、静止状態近傍の小さな動きである
と、静電力は、数式4に示す一次式で得られる。 (数4) F1 −F2 =V02εAX/ (X0)3 +V0 εAv/ (X0)2 この、数式4を数式1に代入すると、mα=KS ・X+
Kv ・vとなる。
【0022】ここで、KS = (V0)2 εA/ (X0)3
あり、Kv =V0 εA/ (X0)2 である。また、オープ
ンループの伝達関数は、a=Ks /m、b=Kv /mと
した場合、次の数式5で与えられる。
【0023】(数5) GP (s) =X(s) /v(s) =b/(s2 −a) ここで、sはラプラス演算子である。センサ11a、1
1bの検出信号の出力周波数ωn は浮上体10の位置に
より変化するので、この出力周波数ωn は、ωn =ωn
(X)(n =1 、2 )となる。これを線形化すると、次
の数式6になる。
【0024】(数6) ωn (X)=ωr + Δωn (X) (n=1 、2
) (数7) Δω1=−Δω2=Kf・X 数式6において、ωrは浮上体10の電極からの位置
保持しようとする目標位置(X=0)に対応した周波数
である。周波数fは、位相角の時間微分値なので、Δω
n は次の数式8で表わされる。
【0025】(数8) Δωn=dθn/dt (n=1 、2 ) ここで、θn は、センサ11a、11bからの検出信号
の位相角である。位相比較器14は、前記センサ11
a、11bからの信号の差に比例した静電力を発生させ
るための電圧を出力する。その出力信号vdは、センサ
11a、11bから出力される信号の位相をθ1 、θ2
とし、位相比較器14のゲインをKdとすると、次の数
式9で与えられる。
【0026】(数9)vd=Kd(θ1 −θ2 ) また、理論的には、数式14で規定される基準信号の位
相角θr を想定する方が理解し易いことになる。
【0027】(数10) θr =(θ1 +θ2 )/2 (ωr =dθr /dt) そして、数式9は、数式11に変形することができる。 (数11) vd =2Kd(θ1 −θr )=2Kd(θ2 −θr ) ループフィルタ15は、閉ループを安定化させ、かつ効
率を最も良くするように選択される。F(s) をループフ
ィルタ15の伝達関数とすると、ローパスフィルターの
出力電圧vc は、数式12となる。
【0028】(数12)vc (s) =F(s) ・vd(s) 従って、電圧増幅器13a、13bは、数式13に示す
ように、その入力電圧に比例して制御電圧v1 、v2 を
変える。
【0029】(数13) v(t)=Ka・vc(t) 以上の関係から、図1に示す浮上体の移動装置は、図3
に示すブロック線図で表すことができる。θr からθ1
、θ2 への伝達関数T(s) は、数式5、6、7、8、
11、12、13によって、次の数式14として表すこ
とができる。
【0030】(数14) T(s) =θn (s) /θr (s) =G(s) /{1+G(s) } ここで、G(s) =2KaKdKfGP(s)F(s) /sであ
り、Kaは電圧増幅器13a、13bのゲインである。
【0031】次に、このように構成された実施例の動作
について説明する。浮上体の移動装置では、電圧増幅器
13a、13bから電極12aa,12ab、12ba,12
bbに静電力を発生させるための電圧が印加され、電極1
2aa,12ab、12ba,12bbと浮上10の間に働く
電吸引力F1 、F2 と、図示しない外力との釣り合い
によって浮上体10が保持される。
【0032】そして、浮上体10の変位が両センサ11
a、11bで検出される。外力の変化により浮上体10
電極からの位置Xが変化すると、両センサ11a、1
1bの出力周波数は、位置Xに応じてそれぞれ互いに逆
方向に変化する。すなわち、センサ11aの出力周波数
が増加すると、他方のセンサ11bの出力周波数が減少
する。
【0033】各センサ11a、11bの出力周波数の変
化は、位相比較器14によって位相差として検出され、
その位相差に比例した電圧がループフィルタ15に供給
される。ループフィルタ15では、供給された電圧を、
この浮上体の移動装置の制御系を安定させるように調整
して電圧増幅器13a、13bに供給する。電圧増幅器
13a、13bでは、この位相差に比例した電圧を増幅
し、静電力を発生させるための電圧として再び電極12
aa,12ab、12ba,12bbに供給する。
【0034】このように、各電極12aa,12ab、12
ba,12bbに印加される静電力を発生させるための電圧
を変化させることで、浮上体10の間に作用する静電吸
引力F1、F2が変化され、再び浮上体10の電極から
位置Xを元の位置に戻すように制御系が働く。浮上体
10の電極からの位置が元の位置に戻ると、両センサ1
1a、11bの出力周波数も再び等しくなる。
【0035】このように、浮上体10には電極12aa,
12ab、12ba,12bb、センサ11a、11b、位相
比較器14、ループフィルタ15、電圧増幅器13a、
13bによってPLLが形成され、浮上体10の電極か
らの位置Xが所定の位置に維持されるように制御され
る。
【0036】この実施例によれば、浮上体10の電極か
らの位置を、センサ11から出力される位相のレベルで
検出し、PLL制御を行っている。そして、PLL制御
における積分要素は、位相が角周波数を積分したもので
あるという、数学的関係に基づいた理想的なものなの
で、例えば、ステップ状の外乱に対しても本質的に誤差
を生じず、高精度な制御を行うことができる。
【0037】次に第2の実施例について説明する。図4
は、この第2の実施例における浮上体の移動装置を示す
ブロック図である。なお、説明の簡単のため、図1に示
す第1の実施例と同一の部分には同一の符号を付して、
適宜その説明を省略することとする。
【0038】図4に示すように、この第2の実施例で
は、電極12aa,12ab、12ba,2bbに静電力を発生
させるための電圧を供給する電圧増幅器13a、13b
の代わりに、スイッチング周波数がキャパシタンスによ
って変化する性質を持つヒステリシスアンプ73(73
a、73bを代表する。)が配置されている。そして、
このヒステリシスアンプ73(73a、73bを代表す
る。)のスイッチング周波数が電極12と浮上体10と
の変位、すなわち浮上体10の電極からの位置Xに応じ
て変化することを利用して、変化するスイッチング周波
数から浮上体10の電極からの位置を求めている。従っ
て、この第2の実施例によれば、位置センサが不要にな
り、ヒステリシスアンプ73のスイッチング周波数が位
相比較器14に供給される。
【0039】図5は、このヒステリシスアンプ73の原
理的な回路構成を表したものである。この図5に示すよ
うに、ヒステリシスアンプ73は、自励式電圧チョッパ
を構成している。ヒステリシスアンプ73は、電圧指令
値Vref と、電極12ba、12bbに印加される電圧Vc
(浮上体10と電極12によるキャパシタの電圧)と、
が供給されるヒステリシスコンパレータHCを備えてお
り、このヒステリシスコンパレータHCの出力電圧VHC
を出力するようになっている。
【0040】また、ヒステリシスアンプ73は、ヒステ
リシスコンパレータ22の出力電圧VHCが入力され、電
源Eから供給される電圧Vhを異なる2レベルの電圧に
切り換えて出力するスイッチング回路SWと、抵抗Rを
備えている。ヒステリシスコンパレータHCに供給され
る電圧指令値Vref は、電極12に印加したい電圧で、
バイアス電圧V0 と制御電圧vn (n=1,2)の和である。
この電圧指令値Vref は、図1のループフィルタ15か
ら供給される。ヒステリシスコンパレータHCは、この
電圧指令値Vref と、電圧Vcとの電圧差ΔVを求める
ようになっている。
【0041】ヒステリシスコンパレータHCは、この電
圧差ΔVの履歴によってしきい値が変化するコンパレー
タである。例えば図6に示すような特性を持ち、電圧差
ΔVがΔVp になると、高レベル側の出力電圧VHC=V
onを出力し、電圧差ΔVが−ΔVm になると、低レベル
側の出力電圧VHC=−Voff を出力する。すなわち、ヒ
ステリシスコンパレータHCは、電極12ba,12bbに
印加される電圧VcがVref −ΔVm 、またはVref +
ΔVp の各々に到達すると、Vonまたは−Voff を出力
する。
【0042】一方、スイッチング回路SWは、ヒステリ
シスコンパレータHCからの入力信号のレベル(Von、
−Voff )に応じて、抵抗Rを介して電極12ba, 12
bbに印加する電圧Vcを高電圧(VH )から負の電圧
(−Vm )あるいは十分に小さい低電圧(VL )に切り
換える回路でトランジスタ、FET、サイリスタ等によ
り構成される。
【0043】なお、このように構成されたヒステリシス
アンプ73において、図1の位相比較器14に供給する
スイッチングの波形は、ヒステリシスコンパレータ22
の出力波形、またはスイッチング回路SWの出力波形の
いずれかが使用される。次に、ヒステリシスアンプ73
の動作について説明する。
【0044】図7に示すように、電極12に印加される
電圧Vcは、図1のループフィルタ15から供給される
電圧指令値Vref を目標値とし、これを中心に、三角波
状に変動する。その理由を、以下で説明する。ある時点
で、電極12に印加される電圧Vcが、(Vref −ΔV
m <Vc<Vref +ΔVp )で、ヒステリシスコンパレ
ータHCの出力VHCがVonであったとする。
【0045】ここで、抵抗Rと、電極12によるキャパ
シタンスCとによる時定数RCの回路を考えると、この
キャパシタンスCにより電極12に印加される電圧Vc
は除々に上昇していき、やがてVref に等しくなる。同
時に、ヒステリシスコンパレータHCにおける電圧差Δ
V(Vref −Vc)も符号が変化する(例えば、正から
負へ)。しかし、ヒステリシスコンパレータHCは、図
6に示したヒステリシス特性を有するため、その出力電
圧VHCはしばらく(時間T1)はVonのままである。
【0046】従って、スイッチング回路SWは、図7に
示すように、T1の間、入力電圧Vonに対応する高電圧
Vp(図ではVh)を出力し続ける。従って、電極12
に印加される電圧VcはVref を越えてさらに上昇して
いく。更に電圧Vcが上昇し、電圧差ΔV=Vref −V
cが−ΔVm より小さくなると、ヒステリシスコンパレ
ータHCの出力VHCが−Voff に切り換わり(図6)、
スイッチング回路SWから出力される電圧もVH から低
電圧VL =0に切り換わる。この時点で、電極12に印
加される電圧Vcも減少する。そして、電圧VcはVre
f まで低下するが、やはりヒステリシスコンパレータH
Cのヒステリシス特性のために、すぐにはVonに切り換
わらず、時間T2の間、スイッチング回路SWの出力は
低電圧VL =0であり、電圧Vcはさらに低下する。
【0047】やがて、電圧差ΔV=Vref −Vcが−Δ
Vm より小さくなると、ヒステリシスコンパレータHC
の出力は、再びVonに切り換わる。そして、スイッチン
グ回路SWの出力電圧もVH =Vhにスイッチングさ
れ、電極12に印加される電圧Vcも再び増加する。
【0048】以上説明したように、この第2の実施例に
よれば、センサを使用することなく浮上体10を両電極
中心位置に保持することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、センサが、浮上体の電極からの位置に応じ
て出力周波数の変化する信号を出力し、位置制御手段
が、このセンサの出力信号の位相に応じて、電圧供給手
段から電極に供給する静電力を発生させるための電圧を
制御することで、浮上体の電極からの位置を制御してい
るので、少ない電力で浮上体の電極からの位置を高精度
に制御すると共に、浮上体の移動装置を小型化すること
ができる。
【0050】また請求項2および請求項3記載の発明で
は、電極に静電力を発生させるための電圧を印加するア
ンプとして、スイッチング周波数がキャパシタンスによ
って変化する性質のヒステリシスアンプを使用ているの
で、センサが不要となり、少ない電力で浮上体の電極か
らの位置を高精度に制御すると共に、浮上体の移動装置
をより小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮上体の移動装置における一実施例の
構成図である。
【図2】同上、浮上体の移動装置において、静電力によ
って浮上体が移動する原理の説明図である。
【図3】同上、浮上体の移動装置のブロック線図であ
る。
【図4】同上、浮上体の移動装置の第2の実施例の構成
図である。
【図5】同上、第2の実施例におけるヒステリシスアン
プの原理を示す回路図である。
【図6】同上、ヒステリシスアンプにおけるヒステリシ
スコンパレータの特性図である。
【図7】図5に示すヒステリシスコンパレータの電圧波
形を示す説明図である。
【符号の説明】
10 浮上体 11a、11b センサ 12aa、12ab、12ba、12bb 電極 13a、13b 電圧増幅器 14 相位相比較器 15 ループフィルタ 73a、73b ヒステリシスアンプ HC ヒステリシスコンパレータ SW スイッチング回路 R 抵抗 E 電源

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮上体を挟んで対向する位置に配置した
    複数の電極と、 この電極に静電力を発生させるための電圧を供給する電
    圧供給手段と、 前記浮上体の前記電極からの位置に応じた周波数の信号
    を出力するセンサと、 このセンサからの出力信号の位相に応じて、前記電圧供
    給手段から前記電極に供給する静電力を発生させるため
    電圧を制御して、前記浮上体の前記電極からの位置を
    制御する位置制御手段とを具備することを特徴とする
    上体の移動装置。
  2. 【請求項2】 浮上体を挟んで対向する位置に配置した
    複数の電極と、 前記電極に静電力を発生させるための電圧を供給するヒ
    ステリシスアンプと、 前記ヒステリシスアンプにおけるスイッチングの位相に
    応じて前記ヒステリシスアンプから出力される静電力を
    発生させるための電圧を制御して前記ヒステリシスアン
    プにおけるスイッチングの周波数を制御するフェイズロ
    ックトループを用いて、上記浮上体の前記電極からの
    置を制御する位置制御手段とを具備することを特徴とす
    浮上体の移動装置。
  3. 【請求項3】 浮上体を挟んで対向する位置に配置した
    複数の電極と、 二つのレベルの静電力を発生させるための電圧をスイッ
    チングにより切り換えて前記電極に与えることにより前
    記電極に静電力を発生させるための電圧を供給するヒス
    テリシスアンプと、 前記ヒステリシスアンプにおけるスイッチングの位相に
    応じて前記ヒステリシスアンプから出力される静電力を
    発生させるための電圧を制御して前記ヒステリシスアン
    プにおけるスイッチングの周波数を制御するフェイズロ
    ックトループを用いて、上記浮上体の前記電極からの
    置を制御する位置制御手段とを具備することを特徴とす
    浮上体の移動装置。
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