JP3082946U - 屋外アンテナ凍結防止装置 - Google Patents

屋外アンテナ凍結防止装置

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JP3082946U
JP3082946U JP2001004148U JP2001004148U JP3082946U JP 3082946 U JP3082946 U JP 3082946U JP 2001004148 U JP2001004148 U JP 2001004148U JP 2001004148 U JP2001004148 U JP 2001004148U JP 3082946 U JP3082946 U JP 3082946U
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由之 砂山
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株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー北陸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防護ケースによって屋外アンテナを包囲する
と共に、その防護ケースの外面の凍結を防止することが
できる屋外アンテナ凍結防止装置を提供すること。 【解決手段】 屋外アンテナ装置20は防護ケース2に
よって包囲されており、水滴や雪の付着が防止される。
防護ケース2内の温度は温度センサ5により検出されて
おり、その温度が略+0.5℃まで低下すると、電源制
御ユニット11により発熱器6へ電力が供給されてクリ
プトン電球6aが点灯発熱される。また、かかる電力は
送風機7にも供給されており、この送風機7の送風によ
って、クリプトン電球6aにより加熱された空気が防護
ケース2内で対流される。この加熱空気の対流によっ
て、防護ケース2が温められその外面に付着する雪が融
解されたり水滴が蒸発させられる。以上の結果、屋外ア
ンテナ装置20や防護ケース2の外面への水滴や雪の付
着が防止されるので、これらの凍結による電波障害を回
避することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】 本考案は、無線通信方式に使用される屋外アン テナの凍結を防止するための屋外アンテナ凍結防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 PHS方式やセルラー方式等の無線方式通信網では、例え ば、ダイパシティ(以下、「DoPa」と称す。)方式の屋外アンテナが中継ア ンテナとして電柱など屋外施設の上部に設置されている。このような無線方式通 信網における中継アンテナは放射される通信用の電磁波(電波)が弱く、特に、 DoPa方式による屋外アンテナでは、0.8W以下の弱電界が使用される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】 ところが、上記した屋外アンテナは、そ のアンテナ表面が凍結して覆われると、その屋外アンテナから放射される電波の 電界強度が著しく低下してしまという問題点がある。一方、冬季の外気温度が氷 点下に達する寒冷地や極寒地の屋外に中継アンテナを設置する場合、そのアンテ ナの表面や周囲に着雪した状態では電界強度の低下を殆ど生じることはない。
【0004】 しかしながら、屋外アンテナに着雪した雪が外気温度の上昇で融雪された場合 、外気温度が再び低下して融雪された雪水が屋外アンテナの表面やその周囲で凍 結すると、そのアンテナが放射する電波の電界強度が著しく低下してしまうとい う問題点があった。特に、DoPa方式の屋外アンテナは放射電波の電界強度が 元来から極めて弱いので、アンテナ表面やその周囲が凍結すると通信障害を来す 恐れが極めて大きいという問題点があった。
【0005】 本考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、防護ケース によって屋外アンテナを包囲すると共に、その防護ケースの外面の凍結を防止す ることができる屋外アンテナ凍結防止装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために請求項1記載の 屋外アンテナ凍結防止装置は、屋外に設置される屋外アンテナの凍結を防止する ためのものであり、屋外アンテナを内部に収容して包囲すると共に電磁波透過性 材料で形成された防護ケースと、その防護ケース内に配設され給電を受けて発熱 する発熱器と、その発熱器と共に前記防護ケース内に配設されその防護ケース内 で対流する気流を生成する送風機と、その送風機および発熱器と共に前記防護ケ ース内に配設されその防護ケース内の温度変化を検出する温度検出器と、その温 度検出器と共に前記防護ケース内に配設され、その温度検出器による検出温度が 所定の設定温度以下となった場合に前記発熱器および送風機へ給電を開始する一 方、その温度検出器による検出温度が前記設定温度を超えた場合に前記発熱器お よび送風機への給電を停止する給電装置とを備えている。
【0007】 この請求項1記載の屋外アンテナ凍結防止装置によれば、屋外アンテナは、防 護ケース内に包囲されて収容されており、この防護ケースによって雨水の付着や 着雪が防止される。しかも、防護ケースは電磁波透過性材料で形成されるので、 屋外アンテナにより送受信される電波が防護ケースにより遮られることがない。 一方、この防護ケース内の温度は温度検出器によって検出されており、温度検出 器による検出温度が設定温度以下となると、給電装置によって発熱器および送風 機への給電が開始される。
【0008】 給電装置による給電を受けて、発熱器は発熱して防護ケース内の空気を加熱す ると共に、その加熱された空気は送風機により防護ケース内で対流される。この 対流によって防護ケース内の空気が温められると、防護ケース自体も温められる 。ここで、給電装置による給電が氷点温度以上で開始されるように設定温度を設 定しておけば、防護ケース外の気温が氷点下となっても、防護ケース内の温度を 氷点温度を超える温度に維持することができ、結果、防護ケース自体の温度が氷 点温度以上に維持されて、防護ケースの外面での凍結が防止される。
【0009】 一方、防護ケース内の温度が上昇して、温度検出器による検出温度が設定温度 を超えると、給電装置によって、発熱器および送風機への給電が停止され、発熱 器および送風機の稼動が停止される。よって、例えば、防護ケース内の温度が設 定温度を超えて防護ケースの外面温度が水滴の凍結温度を超えるものとなる場合 に、消費電力の大きな発熱器および送風機が停止される。
【0010】 請求項2記載の屋外アンテナ凍結防止装置は、請求項1記載の屋外アンテナ凍 結防止装置において、前記送風機は、前記防護ケース内で対流する気流を生成す るため前記発熱器の下方に配設される送風ファンと、その送風ファンを回転駆動 するブラシレスモータとを備えており、そのブラシレスモータにより回転駆動さ れる前記送風ファンによって前記発熱器へ向けて下方から送風するものである。
【0011】 請求項3記載の屋外アンテナ凍結防止装置は、請求項1記載の屋外アンテナ凍 結防止装置において、前記発熱器は、前記給電装置による給電により発光するク リプトン電球等の白熱電球を備えており、前記給電装置は、その白熱電球の光量 を調節する調光器を備えている。
【0012】 この請求項3記載の屋外アンテナ凍結防止装置は、請求項1記載の屋外アンテ ナ凍結防止装置と同様に作用する上、白熱電球は、給電装置により給電されて発 光させられ、この発光に伴って発熱して防護ケース内の空気を加熱する。この白 熱電球の光量、即ち、発光時の明るさは調光器によって調節され、この調節によ って白熱電球の発熱量が変更される。
【0013】 請求項4記載の屋外アンテナ凍結防止装置は、請求項1記載の屋外アンテナ凍 結防止装置において、前記発熱器の作動中に前記給電装置により給電されて発光 すると共に前記防護ケースの下部に配設される動作モニタランプを備えているこ とを特徴とする請求項1記載の屋外アンテナ凍結防止装置。
【0014】 請求項5記載の屋外アンテナ凍結防止装置は、請求項1又は4に記載の屋外ア ンテナ凍結防止装置において、前記給電装置は、電源から供給された電力を制御 して前記発熱器および送風機へ給電する電力制御器と、その電力制御器に対して 前記電源から供給される電力を出力する出力部とその電源から供給される電力が 入力される入力部とを有すると共に前記温度検出器の検出結果に基づいて前記電 力制御器への電力供給を開始又は停止する切換器と、その切換器の入力部および 出力部を前記温度検出器の検出結果によらず強制的に接続させる通電確認スイッ チとを備えている。
【0015】 この請求項5記載の屋外アンテナ凍結防止装置によれば、請求項1又は4に記 載の屋外アンテナ凍結防止装置と同様に作用する上、通常、通電確認スイッチは 切断されており、この場合、電源からの電力は、切換器の入力部へ入力されて、 この切換器が温度検出器による検出結果に基づいて出力部から電力制御器へ出力 する。一方、通電確認スイッチによって、切換器の入力部および出力部が強制的 に接続されると、電源から供給される電力は、温度検出器の検出結果によらず且 つ切換器を介さずに電力制御器へ出力されて、発熱器、送風機または動作モニタ ランプへ供給される。
【0016】 請求項6記載の屋外アンテナ凍結防止装置は、請求項1記載の屋外アンテナ凍 結防止装置において、前記防護ケースは、下面が開放した略ドーム状に繊維強化 樹脂材料で形成され屋外アンテナを上方から覆うカバー部材と、そのカバー部材 の内側下部に配設されその防護ケースの下面を覆い塞ぐと共に屋外アンテナを支 持する支持部材とを備えており、その支持部材の下面は、前記カバー部材の下端 より上方に位置しており、その表面に防滴処理が施されている。
【0017】 請求項7記載の屋外アンテナ凍結防止装置は、請求項1記載の屋外アンテナ凍 結防止装置において、前記給電装置は、前記温度検出器による検出温度と比較さ れる設定温度を設定するための設定温度変更器を備えている。
【0018】
【考案の実施の形態】 以下、本考案の好ましい実施例について、添付図面 を参照して説明する。図1(a)は、本考案の屋外アンテナ凍結防止装置の一実 施例である凍結防止装置1の正面断面図であり、図1(b)は、図1(a)のI B−IB線における側断面図である。図1に示すように、凍結防止装置1は、屋 外アンテナ装置20を包囲して収容する防護ケース2を備えており、この防護ケ ース2は、主に、屋外アンテナ装置20の上方を覆うアンテナカバー3と、屋外 アンテナ装置20を支持するアンテナベース4とを備えている。
【0019】 アンテナカバー3は、繊維強化樹脂材料などの電磁波透過性を有する材料によ って下面が開放された略ドーム状に形成されており、このアンテナカバー3の頂 部形状は、正面視略台形状(図1(a)参照)且つ、側面視吾妻屋根状(図1( b)参照)とされている。このようにアンテナカバー3は、その外面が傾斜した 略ドーム状に形成されると共に、その外面の角部は全て曲面状に形成されており 、このアンテナカバー3の外面に付着した水滴が流下し易くされている。即ち、 アンテナカバー3の外面は付着した水滴が残存し難くされるので、かかる水滴が 凍結してアンテナカバー3の電磁波透過性が低下することを抑制できる。しかも 、アンテナカバー3は継ぎ目がない一体成形品であり、雨水や雪がアンテナカバ ー3内へ侵入し難い構造とされている。
【0020】 また、アンテナカバー3の素材である繊維強化樹脂材料は、具体的に、厚さが 略2mmのFRP(繊維強化プラスチック)材料である。FRP材料は耐候性が 優れた材料であり、このアンテナカバー3が屋外に長期間放置されて風雨や風雪 に曝されても劣化し難い性質を有している。しかも、FRP材料は、屋外アンテ ナ装置20により送受信される無線電波が透過する電磁波透過性を有しており、 このため屋外アンテナ装置20は、無線電波をアンテナカバー3により遮蔽され ずに送受信することができる。
【0021】 更に、アンテナカバー3の外面には、鉛を含有しない塗料により白色ゲルコー ト処理が施されている。この白色ゲルコート処理によって、アンテナカバー3の 外面は光反射率が高くなるので、アンテナカバー3の外部からの光を反射させる ことができる。また、このように構成されたアンテナカバー3は、6本のM4( JIS規格)ボルト(図示せず)によって、アンテナベース4の下段パネル4b に取着されている。
【0022】 アンテナベース4は、屋外アンテナ装置20を防護ケース2内において支持す るものであり、電柱などの屋外施設の上部に設置されるものである。このアンテ ナベース4は、一対の略平板状の上段パネル4a及び下段パネル4bと、この上 段パネル4a及び下段パネル4bを連結する4本の支柱4cとを備えている。上 段パネル4aと下段パネル4bは、上下方向に所定の間隔を隔てて配設されてお り、各パネル4a,4bの四隅が支柱4cにより連結されている。下段パネル4 bは、上段パネル4aの下方に配設されており、防護ケース2の下面を構成して いる。
【0023】 下段パネル4bはアンテナカバー3の開放された下面を覆い塞いでおり、この 下段パネル4bの下面はアンテナカバー3の下端より内側上方に位置している。 このため、アンテナカバー3と下段パネル4bとの間にできる隙間、即ち、アン テナカバー3とアンテナベース4との繋ぎ目は、アンテナカバー3の内側に設け られるので、かかる繋ぎ目から雨水や融雪水が防護ケース2内へ侵入しにくくす ることができる。しかも、下段パネル4bの下面には防滴処理が施されており、 水滴が付着し難くされている。よって、下段パネル4bの下面は水滴が付着した まま残存することが抑制されるので、かかる下段パネル4bの下面を凍結し難く することができる。
【0024】 一方、上段パネル4aの中央には、無線電波の送受信を行うDoPa方式の屋 外アンテナ装置20が設置されている。この屋外アンテナ装置20の左方には、 防護ケース2内の温度変化を検出するための温度センサ5が上段パネル4a上に 設置されている。温度センサ5は、防護ケース2内の温度を電気的に検出(測定 )する素子であり、その電気的特性(電圧値や抵抗値)が防護ケース2内の温度 変化に対応して変化するものである。なお、本実施例では、温度上昇に伴って抵 抗値が低下する特性を有するサーミスタを温度センサ5に採用している。
【0025】 発熱器6は、屋外アンテナ装置20の右方における上段パネル4a上に配設さ れている。発熱器6は、防護ケース2内を加熱するために発熱するためのもので あり、白熱電球の一種であるクリプトン電球6aと、そのクリプトン電球6aが 電気的接続されるコネクタ6bとを備えている。クリプトン電球6aは、電球内 部に無色不活性ガスであるクリプトンが満たされたアーク燈であり、クリプトン 電球6aが点灯して発光すると、その発光に伴って発熱し、その周囲の空気を加 熱することができる。なお、アーク燈とは、電球内部の2つの電極間の電離気体 中に生じたアーク放電による光を利用した放電燈である。
【0026】 ここで、上記した温度センサ5及びクリプトン電球6aの一方は、他方に対し て充分に離れた上段パネル4aの反対端部に配設されている。よって、温度セン サ5は、クリプトン電球6a近傍の急激な温度変化に左右されずに防護ケース2 内の温度変化を的確に検出することができるのである。また、コネクタ6bは、 クリプトン電球6aに電力を供給するために上段パネル4a上に配設される口金 などの接続端子であり、このコネクタ6bの下方であって上段パネル4aの下面 には、防護ケース2内に対流する気流を生成する送風機7が配設されている。
【0027】 送風機7は、旋回して気流を生成する羽根状部材である送風ファン7aと、そ の送風ファン7aを回転駆動するための直流モータ7bとを備えている。送風機 7はベアリング支持方式の軸流ファンで構成されており、送風ファン7aの回転 軸方向へ向けた気流を生成することができる。また、直流モータ7bは、ブラシ レスモータで構成されており、駆動時に電気的ノイズを発生しない。よって、か かる電気的ノイズにより屋外アンテナ装置20が送受信する電波が乱されること が防止されるのである。
【0028】 上記した送風機7によれば、直流モータ7bの回転駆動によって、送風ファン 7aが旋回されると、上段パネル4aと下段パネル4bとの間の空間から上段パ ネル4aの垂直上方へ向けて送風され、その送風により送風機7の上方に配設さ れる発熱器6を冷却して、そのクリプトン電球6a及びコネクタ6bの過熱を防 止することができる。更に、送風機7による送風によって、クリプトン電球6a により加熱された空気が防護ケース2内で強制対流されるので、この強制対流に より防護ケース2内の温度上昇を促進させることができる。
【0029】 温度調節器8は、送風機7の近傍における下段パネル4b上に配設されている 。この温度調節器8は、上記した温度センサ5により検出された温度変化に基づ いて、発熱器6、送風機7及び動作モニタランプ10への電力供給を開始または 停止するための装置であり、この電力供給の開始または停止により防護ケース2 内の温度を調節することができる。温度調節器8には、防護ケース2内の温度を 所定温度に設定するために回転操作される温度設定ボリューム9が設けられてい る。この温度設定ボリューム9は、温度調節器8に搭載される可変抵抗器の抵抗 値を調節するものであり、その可変抵抗器の抵抗値に応じて防護ケース2内の設 定温度に対応する設定温度電圧EREF(図2参照)を定めることができる。
【0030】 動作モニタランプ10は、下段パネル4bの左方(図1(a)左側)に配設さ れている。動作モニタランプ10は、発熱器6および送風機7の作動状態を報知 するために赤色発光するLED(発光ダイオード)であり、発熱器6及び送風機 7への電力供給時に点灯される一方、発熱器6及び送風機7への電力供給の停止 時に消灯されるように構成されている。動作モニタランプ10は、防護ケース2 の外部に露出した状態で、下段パネル4bの下面に配設されている。この下段パ ネル4bの下面は、電柱など屋外施設の上部に設置された凍結防止装置1を地上 から見上げた場合に視認しやすい箇所であり、結果、その箇所に動作モニタラン プ10を配設することによって、その点灯または消灯を容易に確認することがで きる。
【0031】 電源制御ユニット11は、下段パネル4bの中央に配設されている。電源制御 ユニット11は、電源ケーブル13を介して商用交流電源15(図2(a)参照 )から供給される電力を制御して、上記した発熱器6、送風機7及び動作モニタ ランプ10へ供給する装置であり、発熱器6、送風機7及び動作モニタランプ1 0の通電試験を行う場合に押下される通電確認スイッチ12が設けられている。 ここで、商用交流電源15はAC(交流)100Vの電力を供給する電源である 。なお、電源制御ユニット11の詳細については後述する。
【0032】 電源ケーブル13は、図2(a)に示す商用交流電源15から凍結防止装置1 へ電力を供給するための2心キャプタイヤケーブルであり、下段パネル4bの下 面から防護ケース2内へ配線されている。また、防護ケース2内へは、電源ケー ブル13と共に下段パネル4bの下面からアンテナ接続ケーブル14が配線され ており、このアンテナ接続ケーブル14は、屋外アンテナ装置20と接続される アンテナ同軸ケーブルである。
【0033】 図2を参照して、凍結防止装置1の電気的構成について説明する。図2(a) は、凍結防止装置1の電気的構成を示した図であり、図2(b)は、温度調節器 8の電圧比較回路8cのヒステリシス特性を示す図である。図2(a)に示すよ うに、発熱器6のコネクタ6bには、クリプトン電球6aと並列にバリスタCN R1が接続されている。バリスタCNR1は半導体の一種であり、このバリスタ CNR1に制限電圧(バリスタ電圧)より高い電圧が印加された場合に、その抵 抗値が低下して、その過剰な電圧をバイパスさせて、クリプトン電球6aを高電 圧から保護することができる。なお、本実施例では、バリスタCNR1の制限電 圧が150Vとされている。
【0034】 温度調節器8は、主に、電圧変換回路8a、温度設定回路8b、電圧比較回路 8c、リレー駆動回路8d、リレースイッチ8eを備えており、電源ケーブル1 3を介して商用交流電源15から給電(電力供給)されている。電圧変換回路8 aは、防護ケース2内の温度変化に伴って変化する温度センサ5の抵抗値を電圧 値(以下、「検出温度電圧」と称す。)Eに変換して電圧比較回路8cへ出力 する回路である。
【0035】 温度設定回路8bは、上記した温度設定ボリューム9により設定される可変抵 抗器の抵抗値に基づいて設定温度電圧EREFを設定して電圧比較回路8cへ出 力する回路である。本実施例では、標準設定として、防護ケース2内が略+0. 5℃となった場合に温度調節器8のリレースイッチ8eをオン(接続)して電源 制御ユニット11へ電力供給を開始する一方、防護ケース2内が略+5℃となっ た場合に温度調節器8のリレースイッチ8eをオフ(切断)して電源制御ユニッ ト11への電力供給を停止するように、設定温度電圧EREFを設定している。
【0036】 電圧比較回路8cは、電圧変換回路8aから入力される検出温度電圧Eと設 定温度電圧EREFとを比較し、その比較結果に基づいてリレー駆動回路8dへ 駆動電圧Eを出力する回路である。この電圧比較回路8cは、検出温度電圧E が設定温度電圧EREFを超えた場合に(E>EREF)、駆動電圧Eを ハイレベル値EDLからローレベル値EDHに反転する一方、検出温度電圧E が設定温度電圧EREFを下回った場合に(E<EREF)、駆動電圧Eを ローレベル値EDLからハイレベル値EDHに反転する。
【0037】 また、電圧比較回路8cは、検出温度電圧Eの増加時と減少時とにおいて、 駆動電圧Eがハイレベル値EDHとローレベル値EDLとの間で反転する検出 温度電圧Eが異なる特性(ヒステリシス特性)を有している。具体的には、図 2(b)に示すように、検出温度電圧Eの増加時(温度センサ5による検出温 度の低下時)においては、検出温度電圧Eが設定温度電圧EREFを超えて増 加反転電圧EiHに達すると(E>EREF、E=EiH)、駆動電圧E がハイレベル値EDLからローレベル値EDHに反転される。一方で、検出温度 電圧Eの減少時(温度センサ5による検出温度の上昇時)においては、検出温 度電圧Eが設定温度電圧EREFを下回って減少反転電圧EiLに達すると( E<EREF、E=EiL)、駆動電圧Eがローレベル値EDLからハイ レベル値EDHに反転される。
【0038】 ここで、増加反転電圧EiHは、防護ケース2内の温度が略+0.5℃となっ た場合における検出温度電圧Eとほぼ等しい電圧値であり、減少反転電圧E は、防護ケース2内の温度が略+5℃となった場合における検出温度電圧E とほぼ等しい電圧値である。なお、これらの増加反転電圧EiH及び減少反転電 圧EiLは、温度調節器8による設定温度電圧EREFの変更に伴って変更する ことができ、この結果、発熱器5などの作動が開始または停止されるべき防護ケ ース2内の温度を変更することができる。
【0039】 リレー駆動回路8dは、電圧比較回路8cから出力される駆動電圧Eに基づ いてリレースイッチ8eを接続又は切断する回路である。駆動電圧Eがローレ ベル値EDLの場合は(E=EDL)、リレー駆動回路8dが作動されてリレ ースイッチ8eがオンされることにより端子Mと端子Sとが接続され、商用交流 電源15から電源制御ユニット11への電力供給が開始される。一方、駆動電圧 Eがハイレベル値EDHの場合は(E=EDH)、リレー駆動回路8dの作 動が停止されリレースイッチ8eがオフされることにより端子Bと端子Sとが接 続され、商用交流電源15から電源制御ユニット11への電力供給が停止される 。
【0040】 電源制御ユニット11は、通電確認スイッチ12と、ヒューズ16と、スイッ チングレギュレータ17と、調光用電圧制御回路18と、ノイズフィルタ回路1 9とを備えている。通電確認スイッチ12は、温度調節器8のリレースイッチ8 eにおける端子Mと端子Sとを接続または切断させるための押しボタン式のスイ ッチである。通電確認スイッチ12は、通常オフされているが、この通電確認ス イッチ12が押下されてオンされると、リレースイッチ8eの端子M,Sを接続 して短絡させる。よって、通電確認スイッチ12をオンすれば、商用交流電源1 5から供給される電力は温度調節器8を介さずに電源制御ユニット11へ直接供 給されるので、発熱器6、送風機7及び動作モニタランプ10が作動され、これ らの機器6,7,10について通電試験などの動作確認を容易に行うことができ る。
【0041】 ヒューズ16は、電源制御ユニット11及びそれにより電力供給を受ける各種 機器を高電圧から保護するためのものであり、電源制御ユニット11における調 光用電圧制御回路18と商用交流電源15との間に介挿されている。スイッチン グレギュレータ17は、商用交流電源15から供給される交流電圧を直流電圧に 変換し、その変換された直流電圧から送風機7及び動作モニタランプ10の駆動 電圧を得るための回路である。
【0042】 スイッチングレギュレータ17の入力側には、温度調節器8の端子Sが接続さ れており、出力側には送風器7と動作モニタランプ10とが並列に接続されてい る。また、動作モニタランプ10は抵抗器R0と直列に接続されており、この抵 抗器R0により動作モニタランプ10への過電流が抑制されている。ところで、 温度調節器8の端子Sは、スイッチングレギュレータ17と共に発熱器6のコネ クタ6bにも接続されており、このコネクタ6bには調光用電圧制御回路18が 接続されている。
【0043】 調光用電圧制御回路18は、クリプトン電球6aの点灯電圧を制御すると共に クリプトン電球6aの光量を調節するための回路である。かかる光量を調節する ことにより発熱器6の発熱量を調節することができる。この調光用電圧制御回路 18は、図2(a)に示すように、商用交流電源15と接続される端子T1,T 2及びトリガ電流が通電されるゲートGを有する双方向サイリスタTRと、その 双方向サイリスタTRのゲートGに接続されトリガ電流を制御するトリガーダイ オードTDと、抵抗器R1〜R4と、ダイオードD1〜D4と、コンデンサC1 とで構成されている。
【0044】 この調光用電圧制御回路18によれば、トリガーダイオードTDのトリガ電流 によって、双方向サイリスタTRがオン又はオフされ、商用交流電源15から供 給される交流電力を制御することができる。また、調光用電圧制御回路18では 、可変抵抗器R3の抵抗値を変更することによって、クリプトン電球6aの発熱 量を略5Wから略60Wの範囲で変更することができる。
【0045】 ノイズフィルタ回路19は、双方向サイリスタTRがオン又はオフされる時に 生じる電気的ノイズを軽減してクリプトン電球6aの点灯電圧を一定化すると共 に、双方向サイリスタTRを高電圧から保護するための回路である。このノイズ フィルタ回路19は、調光用電圧制御回路18の双方向サイリスタTRと並列に バリスタCNR2が接続されており、直列に接続されたコンデンサC2,C3が バリスタCNR2と並列に接続されると共に、コンデンサC2と並列に抵抗器R 5が接続されている。このノイズフィルタ回路19のバリスタCNR2は、上記 したバリスタCNR1と同様のものであり、その制限電圧より高いサージ電圧が 印加された場合に抵抗値が低下して、そのサージ電圧をバイパスして双方向サイ リスタTRを保護することができる。
【0046】 次に、上記のように構成された凍結防止装置1の動作について説明する。まず 、温度センサ5により検出される温度が設定温度を下回り、防護ケース2内の温 度が略+0.5℃まで低下すると、温度調節器8のリレースイッチ8eがオンさ れ、電源ケーブル13を介して、商用交流電源15から電源制御ユニット11へ 交流電力が供給される。電源制御ユニット11へ供給された交流電力は、調光用 電圧制御回路18を介して発熱器6へ供給されると共に、スイッチングレギュレ ータ17へ供給される。
【0047】 発熱器6へ交流電力が供給されると、クリプトン電球6aが点灯されて、この 点灯によってクリプトン電球6aが発熱する。一方、スイッチングレギュレータ 17へ供給された交流電力は、スイッチングレギュレータ17により直流の駆動 電圧として送風機7及び動作モニタランプ10に印加され、結果、送風機7が作 動されて、動作モニタランプ10が点灯される。送風機7の送風によって、クリ プトン電球6aにより加熱された空気は、防護ケース2の下部から上方へ送風さ れ、この送風によって、防護ケース2内に加熱された空気の対流が生成される。
【0048】 加熱空気の対流によって、防護ケース2のアンテナカバー3及びアンテナベー ス4が温められると、防護ケース2の外面に付着する雪は融雪されて水滴となる 一方、その水滴は防護ケース2の外面を流れ落ちるか、或いは、温められた防護 ケース2の熱により蒸発させられる。その結果、防護ケース2の外面における水 滴や雪の付着が防止されるので、防護ケース2の外面の凍結による電波障害を回 避することができる。
【0049】 防護ケース2内の温度が上昇して、温度センサ5により検出される温度が設定 温度を超えて略+5℃まで上昇すると、温度調節器8のリレースイッチ8eがオ フされ、商用交流電源15による交流電力の供給が停止される。この交流電力の 供給停止によって、発熱器6、送風機7及び動作モニタランプ10の動作が停止 される。その後、防護ケース2内の温度が低下して、温度センサ5により検出さ れる温度が設定温度を下回り、防護ケース2内の温度が略+0.5℃まで低下す ると、上記した動作が繰り返される。
【0050】 以上説明したように、本実施例の凍結防止装置1によれば、屋外アンテナ装置 20は、防護ケース2によって収容されて包囲されるので、屋外アンテナ装置2 0に直に水滴や雪が付着することを防ぐことができ、屋外アンテナ装置20の表 面で凍結する水滴や雪によって生じる電波障害を防止できる。
【0051】 しかも、防護ケース2の外の気温が氷点下となっても、防護ケース2内の温度 を氷点温度を超える温度に維持することができるので、防護ケース2の外面での 凍結を防止することができる。よって、防護ケース2の外面で水滴や雪の凍結を 防いで、このような凍結によって防護ケース2の電磁波透過性が低下することを 防止できる。
【0052】 また、凍結防止装置1では、発熱器6、送風機7及び動作モニタランプ10の 非作動状態において、温度センサ5及び温度調節器8のみが常時作動しているが 、これらの機器5,8の消費電力は略1Wであって、発熱器6や送風機7の消費 電力に比べて僅かの電力で稼動することができる。よって、発熱器6や送風機7 の非作動時には凍結防止装置1の消費電力を軽減して省電力化することができる のである。
【0053】 以上、実施例に基づき本考案を説明したが、本考案は上記実施例に何ら限定さ れるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能で あることが容易に推察できるものである。
【0054】 例えば、本実施例では、発熱器6に使用される白熱電球としてクリプトン電球 6aを用いて説明したが、白熱電球の種類は、必ずしもこれに限られるものでは なく、他の白熱電球を使用しても良い。また、本実施例では、発熱器6による加 熱方式として白熱電球の点灯によるものを用いたが、かかる加熱方式は必ずしも これに限られるものではなく、ヒータ方式など他の加熱方式を採用しても良い。
【0055】 更に、本実施例では、温度センサ5としてサーミスタを用いたが、温度センサ の種類は必ずしもこれに限られるものではなく、トランジスタ温度センサなどの 他の温度センサを用いても良い。また、当然のことながら、温度センサ5として サーミスタとは異なるものを使用する場合には、その温度センサの種類に応じて 温度調節器8の構成を必要に応じて変更しても良い。
【0056】
【考案の効果】 請求項1記載の屋外アンテナ凍結防止装置によれば、防護 ケースは、その内部に屋外アンテナを包囲して収容するので、その屋外アンテナ に直に水滴や雪が付着することを防ぐことができ、屋外アンテナの表面で凍結す る水滴や雪によって生じる電波障害を防止できるという効果がある。しかも、防 護ケースは電磁波透過性材料で形成されるので、屋外アンテナが送受信する電波 を透過させることができ、屋外アンテナによる電波の送受信を妨害することがな いという効果がある。
【0057】 また、給電装置は、温度検出器により検出された防護ケース内の温度が設定温 度以下となった場合に発熱器への給電を開始し、その発熱器への給電を、防護ケ ース内の温度が設定温度を超えるまで継続して発熱器を発熱させることができる 。ここで、給電装置による給電が氷点温度以上で開始されるように設定温度を設 定しておけば、防護ケース外の気温が氷点下となっても、防護ケース内の温度を 氷点温度を超える温度に維持することができ、結果、防護ケース自体の温度を氷 点温度以上に維持して防護ケースの外面での凍結を防止することができる。よっ て、防護ケースの外面で水滴や雪の凍結を防いで、このような凍結によって防護 ケースの電磁波透過性が低下することを防止できるという効果がある。
【0058】 しかも、発熱器により加熱された空気は送風機によって防護ケース内で対流さ れるので、防護ケースにおける発熱器の近傍が局部的に加熱されることを抑制し 、防護ケース全体を温めることができるという効果がある。また、給電装置は、 温度検出器により検出された防護ケース内の温度が設定温度を超えた場合、発熱 器および送風機への給電を停止することができる。よって、例えば、防護ケース 内の温度が設定温度を超えて防護ケースの外面温度が水滴の凍結温度を超えるも のとなる場合、電力消費量が大きな発熱器および送風機への給電は停止されるの で、装置全体としての消費電力を抑制することができるという効果がある。
【0059】 請求項2記載の屋外アンテナ凍結防止装置によれば、請求項1記載の屋外アン テナ凍結防止装置の奏する効果に加え、防護ケース内で対流する気流を生成する 送風ファンは、ブラシレスモータによって回転駆動されるので、送風機の稼動に 伴って電気的ノイズが防護ケース内に発生することを防止して、かかる電気的ノ イズによる屋外アンテナが送受信する電波の乱れを防止することができるという 効果がある。しかも、送風機は、発熱器の下方に配設される送風ファンにより発 熱器へ向けて下方から送風するので、かかる送風によって、防護ケース内で気流 を対流させることができると共に、発熱器を冷却してその過熱を防止することが できるという効果がある。
【0060】 請求項3記載の屋外アンテナ凍結防止装置によれば、請求項1記載の屋外アン テナ凍結防止装置の奏する効果に加え、防護ケース内を加熱する発熱器は、クリ プトン電球等の白熱電球の発光に伴う発熱によって、防護ケース内の空気を加熱 するので、他の加熱方式に比べて安定した状態で加熱を行うことができるという 効果がある。特に、クリプトン電球は、略2500時間以上の連続点灯が可能で あって、他の白熱電球に比べて耐久性が高い。よって、クリプトン電球を発熱器 の白熱電球として用いれば、白熱電球を更に長期間にわたって交換する必要がな く、点検作業を簡素化することができるという効果がある。
【0061】 しかも、白熱電球の光量は調光器によって調節可能なので、本装置の設置地域 の気象条件に応じて、白熱電球の光量を適宜変更し、白熱電球による発熱量を調 節することができるという効果がある。例えば、冬季の外気温が氷点下に頻繁に なる極寒地域では、予め調光器によって白熱電球の光量を大きく設定して発熱量 を高くしておくことができる一方で、冬季の外気温が氷点下となる頻度が極寒地 域に比べて少ない寒冷地域では、予め調光器によって白熱電球の光量を小さく設 定して発熱量を低くしておくこともできるのである。
【0062】 ところで、屋外アンテナは電柱上部などの屋外施設の高所に設置されるものが 多く、そのため、本考案の屋外アンテナ凍結防止装置は、屋外アンテナとともに 屋外施設の高所に設置されることを想定している。よって、本考案の屋外アンテ ナ凍結防止装置は、その保守点検のために屋外施設の高所で作業を行わねばなら ず、その作業は極めて煩雑なものとなってしまう。特に、本考案の装置が正常に 動作しているか否かは、地上からでは判断することができず、正常に動作してい る装置についても屋外施設の高所に登って、一々確認する必要がある。
【0063】 そこで、請求項4記載の屋外アンテナ凍結防止装置によれば、請求項1記載の 屋外アンテナ凍結防止装置の奏する効果に加え、動作モニタランプが発熱器の作 動中に給電装置により給電されて発光するので、かかる動作モニタランプの点灯 または消灯を確認することにより、本装置が正常に動作しているか否かを判断す ることができる。しかも、動作モニタランプは、防護ケースの下部に配設される ので、本装置自体が屋外施設の高所に設置される場合でも、かかる動作モニタラ ンプの点灯状態を地上から容易に視認することができるという効果がある。
【0064】 請求項5記載の屋外アンテナ凍結防止装置によれば、請求項1又は4に記載の 屋外アンテナ凍結防止装置の奏する効果に加え、通電確認スイッチによって、切 換器の入力部および出力部が強制的に接続されると、電源から供給される電力は 、温度検出器の検出結果によらず且つ切換器を介さずに電力制御器へ出力されて 、発熱器、送風機または動作モニタランプへ供給され、これらを作動させること ができる。よって、温度検出器による検出結果に関わらず、通電確認スイッチを 操作するだけで、発熱器、送風機または動作モニタランプの動作確認を容易に行 うことができ、これらの各部の定期的な試験や通電試験を迅速に実施することが できるという効果がある。
【0065】 請求項6記載の屋外アンテナ凍結防止装置によれば、請求項1記載の屋外アン テナ凍結防止装置の奏する効果に加え、屋外アンテナを覆うカバー部材は、耐候 性が優れた繊維強化樹脂材料で形成されるので、屋外に設置され風雪や風雨に曝 されても劣化し難いという効果がある。しかも、繊維強化樹脂材料は電磁波透過 性を有しているので、屋外アンテナにより送受信される電波がカバー部材により 遮られることがないという効果がある。
【0066】 また、屋外アンテナを支持する支持部材はカバー部材の下面の開放を塞ぐと共 に、その支持部材の下面はカバー部材の下端より上方に位置するので、カバー部 材と支持部材との繋ぎ目から雨水や融雪水が防護ケース内へ侵入しにくくするこ とができるという効果がある。しかも、支持部材の下面には防滴処理が施される と共に、カバー部材は外面が傾斜した略ドーム状に形成されるので、カバー部材 や支持部材の外面に水滴が付着しにくくされている。よって、水滴がカバー部材 や支持部材の外面に付着したまま残存した状態、即ち、カバー部材や支持部材の 外面が凍結しやすい状態を回避することができるという効果がある。
【0067】 請求項7記載の屋外アンテナ凍結防止装置によれば、請求項1記載の屋外アン テナ凍結防止装置の奏する効果に加え、給電装置は、設定温度変更器によって、 発熱器および送風機への給電を開始または停止するための基準となる設定温度を 変更することができるという効果がある。よって、給電装置による給電が氷点温 度以上で開始されるような設定温度に設定温度変更器によって設定しておけば、 防護ケース外の気温が氷点下となっても、防護ケース内の温度を氷点温度を超え る温度に維持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本考案の一実施例である凍結防止
装置の正面断面図であり、(b)は、(a)のIB−I
B線における側断面図である。
【図2】 (a)は、凍結防止装置の電気的構成を示し
た図であり、(b)は、温度調節器の電圧比較回路のヒ
ステリシス特性を示す図である。
【符号の説明】
1 凍結防止装置(屋外アンテナ凍結
防止装置) 2 防護ケース 3 アンテナカバー(カバー部材) 4 アンテナベース(支持部材) 4b 下段パネル(支持部材の下面、防
護ケースの下部) 5 温度センサ(温度検出器) 6 発熱器 6a クリプトン電球(白熱電球) 7 送風機 7a 送風ファン 7b 直流モータ(ブラシレスモータ) 8 温度調節器(切換器、給電装置の
一部) 8b 温度設定回路(設定温度変更器の
一部) 9 温度設定ボリューム(設定温度変
更器の一部) 10 動作モニタランプ 11 電源制御ユニット(給電装置の一
部) 12 通電確認スイッチ 15 商用交流電源(電源) 17 スイッチングレギュレータ(電力
制御器の一部) 18 調光用電圧制御回路(調光器、電
力制御器の一部) 20 屋外アンテナ装置(屋外アンテ
ナ) E 検出温度電圧(検出温度に対応
する電圧) EREF 設定温度電圧(設定温度に対
応する電圧) M 端子(切換器の入力部) S 端子(切換器の出力部)

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋外に設置される屋外アンテナの凍結を
    防止するための屋外アンテナ凍結防止装置において、 屋外アンテナを内部に収容して包囲すると共に電磁波透
    過性材料で形成された防護ケースと、 その防護ケース内に配設され給電を受けて発熱する発熱
    器と、 その発熱器と共に前記防護ケース内に配設されその防護
    ケース内で対流する気流を生成する送風機と、 その送風機および発熱器と共に前記防護ケース内に配設
    されその防護ケース内の温度変化を検出する温度検出器
    と、 その温度検出器と共に前記防護ケース内に配設され、そ
    の温度検出器による検出温度が所定の設定温度以下とな
    った場合に前記発熱器および送風機へ給電を開始する一
    方、その温度検出器による検出温度が前記設定温度を超
    えた場合に前記発熱器および送風機への給電を停止する
    給電装置とを備えていることを特徴とする屋外アンテナ
    凍結防止装置。
  2. 【請求項2】 前記送風機は、前記防護ケース内で対流
    する気流を生成するため前記発熱器の下方に配設される
    送風ファンと、その送風ファンを回転駆動するブラシレ
    スモータとを備えており、そのブラシレスモータにより
    回転駆動される前記送風ファンによって前記発熱器へ向
    けて下方から送風するものであることを特徴とする請求
    項1記載の屋外アンテナ凍結防止装置。
  3. 【請求項3】 前記発熱器は、前記給電装置による給電
    により発光するクリプトン電球等の白熱電球を備えてお
    り、 前記給電装置は、その白熱電球の光量を調節する調光器
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の屋外アン
    テナ凍結防止装置。
  4. 【請求項4】 前記発熱器の作動中に前記給電装置によ
    り給電されて発光すると共に前記防護ケースの下部に配
    設される動作モニタランプを備えていることを特徴とす
    る請求項1記載の屋外アンテナ凍結防止装置。
  5. 【請求項5】 前記給電装置は、電源から供給された電
    力を制御して前記発熱器および送風機へ給電する電力制
    御器と、その電力制御器に対して前記電源から供給され
    る電力を出力する出力部とその電源から供給される電力
    が入力される入力部とを有すると共に前記温度検出器の
    検出結果に基づいて前記電力制御器への電力供給を開始
    又は停止する切換器と、その切換器の入力部および出力
    部を前記温度検出器の検出結果によらず強制的に接続さ
    せる通電確認スイッチとを備えていることを特徴とする
    請求項1又は4に記載の屋外アンテナ凍結防止装置。
  6. 【請求項6】 前記防護ケースは、下面が開放した略ド
    ーム状に繊維強化樹脂材料で形成され屋外アンテナを上
    方から覆うカバー部材と、そのカバー部材の内側下部に
    配設されその防護ケースの下面を覆い塞ぐと共に屋外ア
    ンテナを支持する支持部材とを備えており、 その支持部材の下面は、前記カバー部材の下端より上方
    に位置しており、その表面に防滴処理が施されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の屋外アンテナ凍結防止装
    置。
  7. 【請求項7】 前記給電装置は、前記温度検出器による
    検出温度と比較される設定温度を設定するための設定温
    度変更器を備えていることを特徴とする請求項1記載の
    屋外アンテナ凍結防止装置。
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