JP3082718B2 - 圧電トランス装置 - Google Patents

圧電トランス装置

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JP3082718B2
JP3082718B2 JP09230640A JP23064097A JP3082718B2 JP 3082718 B2 JP3082718 B2 JP 3082718B2 JP 09230640 A JP09230640 A JP 09230640A JP 23064097 A JP23064097 A JP 23064097A JP 3082718 B2 JP3082718 B2 JP 3082718B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノートパソコン、
情報携帯端末、車載用モニタ等の液晶表示パネルの冷陰
極管バックライト用のインバータ回路、民生製品一般用
のアダプタ電源回路、あるいは電子複写機用の高圧発生
回路等に用いられる圧電トランス装置に関し、特に、圧
電トランス素子と電極接点をとるリード構造を改良した
圧電トランス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ノートパソコンや情報携帯端末等
の液晶パネル用バックライトインバータ回路等、入力に
対して高電圧の出力を必要とする電源回路の変圧素子と
して、また電子装置のスイッチング電源等、小型化、薄
型化を実現するために高周波で駆動を必要とする電源回
路の変圧素子として、圧電効果を応用した圧電トランス
装置が用いられている。
【0003】この圧電トランス装置は、従来から変圧素
子として用いていた電磁トランス装置に比べ、高効率で
かつ小型・薄型化が容易であること、材料がセラミック
であるので不燃性であること、機械振動を変換エネルギ
ーとするので漏れ磁束がなく低電磁ノイズであること等
の長所を有する。
【0004】上述した圧電トランス装置は、圧電トラン
ス素子自身の保持や電極接続について信頼性の高い実装
方式が求められている。圧電トランス装置は、一般に駆
動部と発電部からなり、駆動部に電圧を印加すると圧電
トランス装置全体が振動して、発電部に高電圧が発生す
る(昇圧型の場合)構成となっている。このため、圧電
トランス素子の振動を阻害しない安定した保持方法が要
求される。また、圧電トランス素子の振動に対して、圧
電トランス装置の駆動部と発電部に形成された電極と入
出力リードの電気接続の信頼性も要求される。
【0005】そこで、従来の圧電トランス装置には圧電
トランス素子を保持する様々な方式が提案されている。
その保持方式のーつとして、ばね性をもたせたリード端
子により圧電トランス素子の上下面を挟み込む方式があ
る。このような従来の圧電トランス装置の保持方式は、
例えば、先に本件出願人により出願され出願公開された
特開平8ー298213号公報(以下、従来例1とい
う。)に開示されている。
【0006】図7は、従来例1に開示された圧電トラン
ス装置の構成部品を示す分解斜視図である。図7に示す
ように、圧電トランス装置は、圧電トランス素子111
を上側ケース121及び下側ケース122からなるパッ
ケージ120内に収納する構成となっている。また、上
側ケース121の前後の側面には後方から上側ケース1
21の内側へ延びる上側リード端子125a、125
b、125cがインサートモールドにより取り付けられ
ており、下側ケース122の前後の側面には前方から下
側ケース122の内側へ延びる下側リード端子126
a、126b、126cがインサートモールドにより取
り付けられている。そして上側リード端子125a、1
25cおよび下側リード端子126a、126cとは、
それぞれー対の入力リード端子を構成しており、他方、
上側リード端子125bおよび下側リード端子126b
はー対の出力リード端子を構成している。図7中、11
2a、112bは入力電極であり、114は出力電極で
ある。
【0007】図8(a)は、従来例1に開示された圧電
トランス装置を示す横断面図、(b)はその縦断面図で
ある。図8(a)(b)に示すように、圧電トランス素
子111は、その上面および下面にノード点N1〜N3
をそれぞれ3箇所備えており、各ノード点を中心とする
位置において、上面および下面側から上側リード端子1
25a〜125cと下側リード端子126a〜126c
により押圧されてバッケージ120内に保持されてい
る。
【0008】圧電トランス素子111の上側の入力電極
112a、112b(図7参照)および上側の出力電極
114と電気的に接続する上側リード端子125a〜1
25cの形状を線状の接点にし、また、圧電トランス素
子111の下側の入力電極112a、112bおよび下
側の出力電極114と電気的に接続する下側リード端子
126a〜126cの形状を長方形の面接点としてい
る。
【0009】また、従来例1では、圧電トランス装置の
別の形態として、外部からの過度の振動、衝撃に対して
圧電トランス素子の動きを制限できるように、上側ケー
スおよび下側ケースの内壁にモールド突起(図示せす)
を設けた構造が開示されている。
【0010】図9は、従来例1に開示された圧電トラン
ス装置の圧電トランス素子とリード端子との接触部を示
す斜視図である。図9(a)は、上側及び下側リード端
部125、126の内側端部141、142を圧電トラ
ンス111に対して線接触させる場合を示す。図9
(b)は、上側及び下側リード端子125、126の内
側端部141、142を線接触させる場合を示す。図9
(c)は、上側及び下側リード端子125、126の内
側端部141、142を点接触させる場合を示す。図9
(d)は、上側リード端子125の内側端部に幅方向に
並べられた2つの突起143と、下側リード端子126
の内側端部に長さ方向に並べられた2つの突起144と
を備え、これら上下4つの突起143、144が、圧電
トランス素子111のノード点を挟むように配列されて
いる場合を示す。
【0011】このように、ばね性をもたせたリード端子
で圧電トランス素子の上下面を挟み込む方式では、リー
ド端子によって圧電トランス素子の電極接続と保持を同
時に行うことができる。
【0012】また、従来の圧電トランス装置において入
出力リードの電気接続の信頼性を向上させる提案につい
ては、ほとんど知られていないが、従来の電滋式リレー
においてその可動接触子の接点接続の信頼性を改善する
方法が提案されている。このような従来の電磁式リレー
は、例えば、特開昭59ー111219号公報(以下、
従来例2という。)に開示されている。
【0013】図10は、従来例2に開示された電磁式リ
レーの構成を示す斜視図である。図10に示すように、
この従来の電磁式リレーでは、保護継電器の検出部から
の信号がコイル207に印加されることにより可動鉄心
202は、固定鉄心201の方向に吸引され、可動接点
204と固定接点206が接触し可動接触子片203か
ら可能接点204、固定接点206を経て、端子205
への電気回路が形成される。検出部からの信号がなくな
ると、スプリング208の付勢力によってもとの開路状
態に復帰するように動作する。
【0014】図10に示すように、電磁式リレーの可動
接触部は、幅が不均等になるように2つに分割された可
動接触子片203a、203bとその可動接触子片の各
先端に接点となる可動接点204a、204bが接合さ
れた構造となっており、各可動接触子片の共振周波数が
異なっている。
【0015】図11は、従来例2に開示された他の形態
の電磁式リレーの構成を示す斜視図である。図11に示
すように、この従来の電磁式リレーの可動接触部は、長
さが不均等になるように2つに分割された可動接触子片
203a、203bとその可動接触子片の各先端に接点
となる可動接点204a、204bが接合された構造と
なっているため、各可動接触子片の共振周波数が異なっ
ている。
【0016】このように、従来の電磁式リレーによれ
ば、可動接触子片の幅、長さ、厚さ等を変更し異なる共
振周波数を有する複数個の接点を設けたので、地震等に
よる外部からの特定の周波数の振動に対して、閉路状態
における接点開離の不具合動作を回避できる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来例1に開示された
従来の圧電トランス装置には次のような問題点がある。 (1)従来の圧電トランス装置では、ばね性をもたせた
リード端子によって圧電トランス素子の上下面を挟み込
んで電極接続と保持を同時に行う構造であるが、圧電ト
ランス素子をリード端子で押さえ込む加圧力が圧電トラ
ンス装置の振動阻害により効率が低下しないように加圧
力を小さくする必要があり、薄型実装であるほどリード
端子の接点接続の確保に必要なリード端子のばね部の押
込量が不足してしまい、電気接点の接続信頼性が低下し
てしまう。逆に、リード端子のばね部の押込量を大きく
とり電気接点の接続信頼性を向上しようとすると、薄型
実装であるほど圧電トランス装置の実装空間が少なくな
り、圧電トランス素子がパッケージの中央部近傍に安定
して保持できないため、外部からの振動や衝撃によって
簡単に素子割れが発生してしまう。従って、従来の圧電
トランス装置には、実装形態が薄型になるにつれ圧電ト
ランス素子の電気接点の接続信頼性が低下するという問
題点がある。 (2)従来の圧電トランス装置は、外部からの過度の振
動、衝撃による圧電トランス素子の動作時の接点開放
(瞬断)を防止するために、上側ケースおよび下側ケー
スの内壁にモールド突起を設けているが、圧電トランス
素子自身の振動によりそのモールド突起が徐々に削れて
外部からの振動、衝撃に対して圧電トランス素子の動き
を十分制限できなくなり、瞬断が発生する。また、ばね
部接点は圧電トランス素子の各電極接続部毎に1箇所で
あるため、外部からの特定の周波数成分をもった振動、
衝撃を加振源としてばね部の共振が発生し、接点が開放
してしまうことも考えられる。従って、従来の圧電トラ
ンス装置は、外部からの振動、衝撃に対して圧電トラン
ス素子の電気接点の接続信頼性が低いという問題点があ
る。
【0018】従来例2に開示された従来の電磁式リレー
には次のような問題点がある。 (3)従来の電磁式リレーは、可動接触部が異なる共振
周波数(固有値)をもつ多接点構造を有するが、外部か
らの突発な振動や衝撃に対し可動部自身が共振動作を起
こす接点開放の不具合動作防止にのみ有効であり、50
KHZ〜150KHZ程度の高い周波数で常時駆動する
圧電トランス装置自身の振動に対する接点接続性につい
て考慮されていない。これは、圧電トランス装置の動作
が、可動接点部の共振周波数からみると、より高次の周
波数モードの領域となっているからである。 (4)従来の電磁式リレーにみられる接点構造の概念
は、ばね性をもたせたリード端子により圧電トランス素
子の上下面を挟み込む方式が圧電トランス素子のそれと
まったく異なっている。すなわち、電磁式リレーにみら
れる接点構造は接点のー方が完全な固定接点であるのに
対し、圧電トランス装置にみられる接点構造は固定側の
接点となる圧電トランス素子がばね性をもったリード端
子で圧電トランス素子の上面と下面を保持するので、自
由に稼動できる。また、電磁式リレーに要求される電気
接点部の特性は、単に電気接点の開閉の動作が満たされ
ればよいのに対して、圧電トランス装置に要求される電
気接点部の特性は、圧電トランス素子の振動の阻害を極
力抑え、かつ、電気接点の接続を確実にするための設計
が必要である。
【0019】このように従来の技術として開示されたば
ね性をもたせたリード端子によって圧電トランス素子の
電極接続と保持を同時に行う構造や、電磁式リレーにみ
られる可動接触部が異なる共振周波数(固有値)をもつ
多接点構造では、圧電トランス装置自身の振動や外部か
らの振動、衝撃に対する圧電トランス素子の電気接点の
保持構造が必ずしも十分と言えず、圧電トランス素子と
リード端子の電気接点の接続信頼性に問題がある。
【0020】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、ばね性をもたせたリード端子により圧
電トランス素子の振動阻害を生じることのない保持と電
気接点の接続信頼性を向上させる圧電トランス装置を提
供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上面及び下面
にそれぞれ電極が形成された圧電トランス素子と、その
圧電トランス素子の上面の電極と電気的に接続される上
側リード端子と、圧電トランス素子の下面の電極と電気
的に接続される下側リード端子と、を有し、上側リード
端子の先端部は、所定間隔を隔てて複数の上側ばね部に
分割され、かつ各上側ばね部ごとに圧電トランス素子の
上面に形成された電極と電気的に接続される上側接点部
を有し、下側リード端子の先端部は、所定間隔を隔てて
複数の下側ばね部に分割され、かつ各下側ばね部ごとに
圧電トランス素子の下面に形成された電極と電気的に接
続される下側接点部を有する、ことを特徴とするもので
ある。
【0022】本発明によれば、上下のリード端子のばね
部が所定間隔を隔てて複数に分割されているので、それ
ぞれのばね部が異なった固有振動周波数をもつため、圧
電トランス素子に加わる外部からの振動、衝撃のみなら
ず、圧電トランス素子自身の振動を加振源とするばね部
の共振現象による接点開放が複数のばね部で同時に発生
することがなくなる。
【0023】また、圧電トランス素子との接触する面が
複数に分割されるので、圧電トランス素子の反りや電極
面の凹凸、リード端子の接点部の歪み、小さな絶縁ゴミ
の付着といった接点不具合要因がなくなる。
【0024】上側ばね部と下側ばね部は、それぞれ同じ
数に分割され、かつ、各上側ばね部のばね定数と、その
上側ばね部に対応する位置に配置された各下側ばね部の
ばね定数とが実質的に同一であるのが好ましい。この場
合には、圧電トランス素子を均一な応力で保持できるの
で、圧電トランス素子の振動阻害や不均一な応力集中
(曲げ応力)による素子割れを防止できる。
【0025】分割された上側ばね部のうち少なくとも1
つの上側ばね部の幅がその他の上側ばね部の幅と異な
り、分割された下側ばね部のうち少なくとも1つの下側
ばね部の幅がその他の下側ばね部の幅と異なるようにし
た場合、分割された各ばね部の固有振動周波数を実質的
に異にすることができる。
【0026】また、分割された上側ばね部のうち少なく
とも1つの上側ばね部の厚さがその他の上側ばね部の厚
さと異なり、分割された下側ばね部のうち少なくとも1
つの下側ばね部の厚さがその他の下側ばね部の厚さと異
なるようにしてもよい。
【0027】さらに、分割された上側ばね部のうち少な
くとも1つの上側ばね部の長さがその他の上側ばね部の
長さと異なり、分割された下側ばね部のうち少なくとも
1つの下側ばね部の長さがその他の下側ばね部の長さと
異なる、ようにしてもよい。
【0028】圧電トランス素子を上側リード端子及び下
側リード端子によって保持する際に、分割された上側ば
ね部のうち少なくとも1つの上側ばね部が押し込まれる
量がその他の上側ばね部が押し込まれる量と異なり、分
割された下側ばね部のうち少なくとも1つの下側ばね部
が押し込まれる量がその他の下側ばね部が押し込まれる
量と異なる、ようにしてもよい。この場合、圧電トラン
ス素子の保持と電気接続の両方に適した構造にすること
ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態に係る圧電トランス装置のリード端子の形状を
示す斜視図であり、図2(a)は、本発明の圧電トラン
ス装置の上側リード端子と下側リード端子の位置関係お
よび構造を示す斜視図、(b)はその断面図である。
【0030】図1に示すように、この圧電トランス装置
は、板ばね形状の上側リード端子1が先端部から根元に
向って上側第1ばね部3と上側第2ばね部4の2つに分
割され、それぞれのばね部3、4には、圧電トランス素
子と電気接点をとるために上側接点部7a、7bが形成
される。また、上側リード端子1は、モールド樹脂(図
示せず)に埋め込まれた片持ちばね部構造となってお
り、圧電トランス素子10(図2参照)をケース(図示
せず)に実装すると、上側リード端子1が圧電トランス
素子10の接触面で押し上げられ、所望のばね部力が生
じ、上側接点部7a、7bで圧電トランス素子10の電
気接点接続と保持が可能となる。
【0031】上側リード端子1の構成は、ケースに実装
する際に圧電トランス素子10を挟み込むように対向す
る下側リード端子2の構造にも適用される。
【0032】図2に示すように、上側リード端子1と下
側リード端子2は対向する位置から突き出ており、リー
ド端子の先端部の上側接点部7a、7bと下側接点部8
a、8bで圧電トランス素子10を挟み込む構成となっ
ている。
【0033】上側接点部7a、7bと下側接点部8a、
8bは、上側が線状の接点構造であり、下側が面状の接
点構造となっており、圧電トランス素子10を上下面か
らバランス良く押し込んで保持するために上側と下側接
点部の押圧の重心がー致している(図中のー点鎖線で示
す)。上側リード端子1は、先端部から根元に向って上
側第1ばね部3と上側第2ばね部4の幅がそれぞれw1
とw2に分割され、上側第1ばね部3の幅(w1)が上
側第2ばね部4の幅(w2)よりも狭くなっている。
【0034】同様に、下側リード端子2は、先端部から
根元に向って下側第1ばね部5と下側第2ばね部6の幅
がそれぞれw’1とw’2に分割され、下側第1ばね部
5の幅(w’1)が下側第2ばね部6の幅(w’2)よ
りも狭くなっている。上側第1ばね部3の上側接点部7
aと下側第1ばね部5の下側接点部8a、および上側第
2ばね部4の上側接点部7bと下側第2ばね部6の下側
接点部8bは、それぞれ圧電トランス素子10に押圧す
る位置が素子の上下面でー致している。
【0035】上述したリード端子を幅の異なる2つのば
ね部に分割した構造は、それぞれのばね部が異なった固
有振動周波数をもつため、圧電トランス装置に加わる外
部からの振動、衝撃のみならず、圧電トランス素子自身
の振動を加振源とするばね部の共振現象による接点開放
が2つのばね部で同時に発生することがなくなり、電気
接点の接続信頼性が向上する。
【0036】また、上側と下側の第1ばね部および上側
と下側の第2ばね部は、それぞれ同じ幅(w1=w’
1、w2=w’2)にすることにより、上側と下側の第
1ばね部および上側と下側の第2ばね部が、それぞれ同
じばね定数になるので、圧電トランス素子を均ーな応力
でばね部保持できるため、圧笹トランス素子の振動阻害
や不均一な応力集中(曲げ応力)による素子割れを防止
できる。
【0037】さらに、リード端子のばね部を2つに分割
した構造は、圧電トランス素子の反りや電極面の凹凸、
リード端子の接点部の歪み、小さな絶縁ゴミの付着とい
った接点不具合要因に対して、圧電トランス素子との接
触する面が2つに分割するため電気接点の接続信頼性が
向上する。
【0038】次に、第1の実施の形態の圧電トランス装
置の具体的な構成について説明する。圧電トランス素子
10は、PZT(PbZrO3ーPbTiO3)系の材料
(商品名:ネペック8、(株)トーキン製)を用い、電
極層の材料にはAgPbもしくはAg系のペースト材を
用いた。焼結後の素子の寸法は、長さ42.0mm、幅
5.5mm、厚さ1.0mmとした。モールド樹脂は、液
晶ポリマー(商品名:ゼナイト7130、デュポン
(株)製)を使用した。上側および下側リード端子1、
2は、板厚0.1mmのりん青銅(Cー5210H)母
材、その表面に厚さ2〜5μmのニッケルめっきを施
し、接点部付近の表面に厚さ0.2μm程度のAuめっ
き処理を行った。リード端子の寸法については、上側リ
ード端子1のモールド樹脂の根元からリード先端までの
長さを約3mm、第1ばね部の幅w1を0.2mm、第
2ばね部の幅w’2を0.5mm、2つにばね部を分割
する切り込み長さを2.5mm、切り込み幅を0.2mm
とした。
【0039】同様に下側リード端子2のモールド樹脂の
根元からリード先端までの長さを約3mm、第1ばね部
の幅w’1を0.2mm、第2ばね部の幅w2を0.5m
m、2つにばね部を分割する切り込み長さを2.5m
m、切り込み幅を0.2mmとした。
【0040】さらに圧電トランス素子10を保持する際
のばね部の押し込みストローク量は、0.6mm(上側
および下側ともに0.3mm)とした。なお、本実施の
形態の圧電トランス装置のケース実装形態は、ばね部の
接点構成を除いて、従来例1で示すモールドケースに圧
電トランス素子を実装する方式と全く同じである。
【0041】上述の材料および寸法に基づき製作した圧
電トランス装置について、電気接点の接続信頼性を確認
するために電気特性と機械特性の評価試験を行った。電
気特性は、圧電トランス装置の入力側に、115KHZ
前後の交流を印加し、出力側を冷陰極管にみたてた疑似
負荷(抵抗100kΩと容量15PFの並列素子)を接
続した擬似点灯試験を行い、入出力の電流、電圧、電力
およびその際の圧電トランス素子の発熱温度を測定し
た。また機械特性は、振動試験(X、Y、Zの3方向各
2G、15〜1KHZ)および衝撃試験(±X、±Y、
±Z方向20G、11msec)前後での電気特性の変
化を測定、圧電トランス素子を動作させた冷陰極管を点
灯した状態での振動点灯試験(X、Y、Zの3方向各2
G、15〜1KHZ)および衝撃点灯試験(±X、±
Y、±Z6方向20G、11msec)を行い、圧電ト
ランス素子とリード端子の接点開放による点灯状態の瞬
断の有無を確認した。
【0042】試験の結果、電気特性は、従来例1の圧電
トランス装置と同等の特性が得られることがわかった。
また機械特性は、振動試験および衝撃試験前後での電気
持性の変化がなく良好であった。また、振動点灯試験お
よび碗峯振動試験において、点灯動作時の瞬断の発生も
なく、電気接点の接続性は良好であった。
【0043】ここでは、上側及び下側リード端子の接点
部の形状を線状と面状の組み合せで示したが、線状と線
状、面状と面状、あるいは点状との組み合せでもよい。
要するに、上側および下側リード端子の構造は、幅の異
なる2つのばね部に分割して2つのばね部の固有振動周
波数を実質的に異なるようにする。そして上側と下側の
第1ばね部および上側と下側の第2ばね部は、それぞれ
実質的に同じばね定数にし、圧電トランス素子を押圧す
る位置が素子の上下面でー致させればよい。なお、ばね
部の分割する数については、2分割のみでなく3以上に
分割してもよい。
【0044】また、代表例としてリード端子材料にはり
ん青銅を示したが、その他の材料としてベリリウム銅な
どばね性を有した材料でもよく、リード端子のめっき材
料にはニッケルめっき、金めっきを示したが、接点部に
使用されるー般的なその他のめっき材料でも同等の特性
が得られる。さらに、モールド材料には液晶ポリマーで
あるゼナイト7130を代表例として示したが、その他
の液晶ポリマーをはじめするインサート成形が可能な材
料であれば同様の特性が得られるのはいうまでもない。
【0045】次に、本発明の圧電トランス装置の第2の
実施の形態について説明する。図3は、本発明の第2の
実施の形態に係る圧電トランス装置の上側リード端子と
下側リード端子の位置関係および構造を示す斜視図であ
る。図3に示すように、上側リード端子1と下側リード
端子2は対向する位置から突き出ており、リード端子の
先端部の上側接点部7a、7bと下側接点部8a、8b
で圧電トランス素子10(図示せず)を挟み込む構成と
なっている。上側接点部7a、7bと下側接点部8a、
8bは、上側が線状の接点構造で、下側が面状の接点構
造となっており、圧電トランス素子10を上下面からバ
ランス良く押し込んで保持するために上側と下側接点部
の押圧の重心がー致している(図中のー点鎖線で示
す)。
【0046】上側リード端子1は、先端部から根元に向
って上側第1ばね部3と上側第2ばね部4の幅がそれぞ
れw1とw2、厚さがそれぞれt1とt2となってお
り、上側第1ばね部3の幅(w1)が上側第2ばね部4
の幅(w2)よりも狭く、上側第1ばね部3の厚さ(t
1)が上側第2ばね部4の厚さ(t2)よりも薄くなっ
ている。
【0047】同様に、下側リード端子2は、先端部から
根元に向って下側第1ばね部5と下側第2ばね部6の幅
がそれぞれw’1とw’2、厚さがそれぞれt’1と
t’2となっており、下側第1ばね部5の幅(w’1)
が下側第2ばね部6の幅(w’2)よりも狭く、下側第
1ばね部5の厚さ(t’1)が下側第2ばね部6の厚さ
(t’2)よりも狭くなっている。上側第1ばね部3の
上側接点部7aと下側第1ばね部5の下側接点部8
a、.および上側第2ばね部4の上側接点部7bと下側
第2ばね部6の下側接点部8bは、それぞれ圧電トラン
ス素子10に押圧する位置が素子の上下面でー致してい
る。
【0048】上述したリード端子の幅と厚さが異なる2
つのばね部に分割した構造は、第1の実施の形態と比較
してそれぞれのばね部がさらに大きく異なった固有振動
周波数をもつため、ばね部の共振現象による接点開放を
より回避しやすくなり、電気接点の接続信頼性がさらに
向上する。
【0049】また、第1の実施の形態と比較して、上側
と下側の第1ばね部および上側と下側の第2ばね部は、
それぞれ幅と厚さを任意に設計することで、それぞれ同
じばね定数(第1ばね部のばね定数は、第2ばね部のそ
れと比較して小さい)が得られる。
【0050】次に、第2の実施の形態の圧電トランス装
置の具体的な構成について説明する。リード端子の寸法
については、上側リード端子1のモールド樹脂の根元か
らリード先端までの長さを約3mm、第1ばね部の幅w
1を0.2mm、厚さt1を0.05mm、第2ばね部の
幅w2を0.5mm、厚さt2を0.1mm、2つにばね部
を分割する切り込み長さを2.5mm、切り込み幅を0.
2mmとした。同機に、下側リード端子2のモールド樹
脂の根元からリード先端までの長さを約3mm、第1ば
ね部の幅w’1を0.2mm、厚さt’1を0.05m
m、第2ばね部の幅w’2を0.5mm、厚さt’2を
0.1mm、2つにばね部を分割する切り込み長さを2.
5mm、切り込み幅を0.2mmとした。さらに圧電ト
ランス素子10を保持する際のばね部の押し込みストロ
ーク量は、0.6mm(上側および下側ともに0.3m
m)とした。なお、第2の実施の形態の圧電トランス装
置の実装形態は、ばね部の接点構成を除いて、第1の実
施の形態で示す条件と全く同じである。
【0051】上述の材料および寸法に基づき製作した圧
電トランス装置について、第1の実施の形態と同様、電
気接点の接続信頼性を確認するために電気持性と機械特
性の評価試験を行った。試験の結果、電気特性は、第1
の実施の形態の圧電トランス装置と同等の特性が得られ
ることがわかった。また、機械特性は、振動試験および
衝撃試験前後での電気特性の変化がなく良好であった。
また、振動点灯試験および衝撃振動試験において、点灯
動作時の瞬断の発生もなく、電気接点の接続性は良好で
あった。
【0052】ここでは、上側と下側リード端子の接点部
の形状を線状と面状の組み合せで示したが、線状と線
状、面状と面状、あるいは点状との組み合せで.もよ
い。要するに、上側および下側リード端子の構造は、幅
および厚さの異なる2つのばね部に分割して2つのばね
部の固有振動周波数を実質的に異なるようにする。そし
て上側と下側の第1ばね部および上側と下側の第2ばね
部は、それぞれ実質的に同じばね定数にし、圧電トラン
ス素子を押圧する位置が素子の上下面でー致させればよ
い。なお、ばね部の分割する数については、2分割のみ
でなく3以上に分割してもよい。
【0053】次に、本発明の第3の実施の形態に係る圧
電トランス装置について説明する。図4は、本発明の第
3の実施の形態に係る圧電トランス装置の上側リード端
子と下側リード端子の位置関係および構造を示す斜視図
である。図4に示すように、上側リード端子1と下側リ
ード端子2は対向する位置から突き出ており、リード端
子の先端部の上側接点部7a、7bと下側接点部8a、
8bで圧電トランス素子10(図示せず)を挟み込む構
成となっている。上側接点部7a、7bと下側接点部8
a、8bは、上側が線状の接点構造であり、下側が面状
の接点構造となっており、圧電トランス素子10を上下
面からバランス良く押し込んで保持するために上側と下
側の各接点部の押圧の重心がー致している(図中のー点
鎖線で示す)。
【0054】上側リード端子1は、先端部から根元に向
って上側第1ばね部3と上側第2ばね部4の長さがそれ
ぞれL1とL2となっており、上側第1ばね部3の長さ
(L1)が上側第2ばね部4の長さ(L2)よりも長く
なっている。これに対して、下側リード端子2は、先端
部から根元に向って下側第1ばね部5と下側第2ばね部
6の長さがそれぞれL’1とL’2となっており、下側
第1ばね部5の長さ(L’1)が下側第2ばね部6の長
さ(L’2)よりも短くなっている。上側第1ばね部3
の上側接点部7aと下側第1ばね部5の下側接点部8
a、および上側第2ばね部4の上側接点部7bと下側第
2ばね部6の下側接点部8bは、それぞれ圧電トランス
素子10に押圧する位置が素子の上下面でー致してい
る。
【0055】上述したリード端子の長さが異なる2つの
ばね部に分割した構造は、第1の実施の形態、第2の実
施の形態と比較して、圧電トランス素子の入出力電極全
体からみると、分割された2つのばね部の接点位置が平
面に配慮されるため、圧電トランス素子の保持状態がよ
り安定し、電気接点の接続信頼性が向上する。
【0056】また、第3の実施の形態では、上側と下側
の第1ばね部および上側と下側の第2ばね部は、それぞ
れ長さにあわせて幅と厚さを鋼整することで、それぞれ
同じばね定数(ただし、第1ばね部と第2ばね部のばね
定数はー致しないように設計する)が得られる。
【0057】次に、第3の実施の形態に係る圧電トラン
ス装置の具体的な構成について説明する。リード端子の
寸法については、上側リード端子1のモールド樹脂の根
元から第1ばね部の先端までの長さを約3.5mm、第
2ばね部の先端までの長さを約2.5mm、第1ばね部
の幅w1を0.35mm、厚さt1を0.1mm、第2ばね
部の幅w2を0.35mm、厚さt2を0.09mm、2
つにばね部を分割する切り込み長さを第1ばね部に対し
て3.0mm、切り込み幅を0.2mmとした。
【0058】同様に、下側リード端子2のモールド樹脂
の根元から第1ばね部の先端までの長さを約2.5m
m、第2ばね部の先端までの長さを約3.5mm、第1
ばね部の幅w’1を0.35mm、厚さt’1を0.09
mm、第2ばね部の幅w’2を0.35mm、厚さt’
2を0.1mm、2つにばね部を分割する切り込み長さ
を第1ばね部に対して2.0mm、切り込み幅を0.2m
mとした。
【0059】さらに圧電トランス素子10を保持する際
のばね部の押し込みストローク量は、0.6mm(上側
および下側ともに0.3mm)とした。なお、第3の実
施の形態の圧電トランス装置の実装形態は、ばね部の接
点構成を除いて、第1及び第2の実施の形態で示す条件
と全く同じである。
【0060】上述の材料および寸法に基づき製作した圧
電トランス装置について、第1及び第2の実施の形態と
同様、電気接点の接続信頼性を確認するために電気持性
と機械特性の評価試験を行った。
【0061】試験の結果、電気持性は、第1の実施の形
態の圧電トランス装置と同等の特性が得られることがわ
かった。また機械特性は、振動試験および衝撃試験前後
での電気持性の変化がなく良好であった。また、振動点
灯試験および衝撃振動試験において、点灯動作時の瞬断
の発生もなく、電気接点の接続性は良好であった。
【0062】ここでは、上側と下側リード端子の接点部
の形状を線状と面状の組み合せで示したが、線状と線
状、面状と面状、あるいは点状との組み合せでもよい。
要するに、上側および下側リード端子の構造は、幅、厚
さおよび長さの異なる2つのばね部に分割して2つのば
ね部の固有振動周波数を実質的に異なるようにする。
【0063】そして上側と下側の第1ばね部および上側
と下側の第2ばね部は、それぞれ実質的に同じばね定数
にし、圧電トランス素子を押圧する位置が素子の上下面
で一致させればよい。なお、ばね部の分割する数につい
ては、2分割のみでなく3以上に分割してもよい。
【0064】次に、本発明の第4の実施の形態に係る圧
電トランス装置について説明する。図5は、本発明の第
4の実施の形態に係る圧電トランス装置の上側リード端
子と下側リード端子の位置関係および構造を示す斜視図
である。図5に示すように、上側リード端子1と下側リ
ード端子2は対向する位置から突き出ており、リード端
子の先端部の上側接点部7a、7bと下側接点部8a、
8bで圧電トランス素子10(図示せず)を挟み込む構
成となっている。
【0065】上側接点部7a、7bと下側接点部8a、
8bは、上側第1ばね部3側が線状(7a部)、上側第
2ばね部4側が面状(7b部)、そして下側第1ばね部
5側が線状(8a部)、下側第2ばね部6側が面状(8
b部)の接点構造となっており、圧電トランス素子10
を上下面からバランス良く押し込んで保持するために上
側と下側接点部の押圧の重心がー致している(図中のー
点鎖線で示す)。
【0066】上側リード端子1は、先端部から根元に向
って上側第1ばね部3と上側第2ばね部4の長さがそれ
ぞれL1とL2、幅がそれぞれw1とw2、厚さがそれ
ぞれt1とt2となっており、上側第1ばね部3の長さ
(L1)が上側第2ばね部4の長さ(L2)と等しく、
上側第1ばね部3の幅(w1)が上側第2ばね部4の幅
(w2)よりも狭く、上側第1ばね部3の厚さ(t1)
が上側第2ばね部4の厚さ(t2)よりも薄くなってい
る。
【0067】同様に、下側リード端子2は、先端部から
根元に向って下側第1ばね部5と下側第2ばね部6の長
さがそれぞれL’1とL’2、幅がそれぞれw’1と
w’2、厚さがそれぞれt’1とt’2となっており、
下側第1ばね部5の長さ(L’1)が下側第2ばね部6
の長さ(w’ 2)と等しく、下側第1ばね部5の幅
(w’1)が下側第2ばね部6の幅(w’ 2)よりも
狭く、下側第1ばね部5の厚さ(t’1)が下側第2ば
ね部6の厚さ(t’2)よりも狭くなっている。
【0068】上側第1ばね部3の上側接点部7aと下側
第1ばね部5の下側接点部8a、および上側第2ばね部
4の上側接点部7bと下側第2ばね部6の下側接点部8
bは、それぞれ圧電トランス素子10に押圧する位置が
素子の上下面でー致している。
【0069】また、上側第1ばね部3の根元に対して上
側接点部7aの位置は、上側第2ばね部4の上側接点部
7bのそれよりも高い。同機に、下側第1ばね部5の根
元に対して下側接点部8aの位置も、下側第2ばね部6
の下側接点部8bのそれより高い。
【0070】図6は、本発明の第4の実施の形態に係る
圧電トランス装置の上側リード端子と下側リード端子に
より圧電トランス素子を保持する状態を示す説明図であ
る。図6に示すように、圧電トランス素子10を保持す
る際、上側リード端子1は上側接点部7a、7bから押
し上げられる。このとき押し上げられる量は、上側第1
ばね部3の方が上側第2ばね部4よりも大きい。同様
に、下側リード端子2は下側接点部8a、8bから押し
上げられる。このとき押し上げられる量は、下側第1ば
ね部5の方が下側第2ばね部6よりも大きい。このと
き、上側及び下側第1ばね部3、5の間で押し上げられ
る量(ばね部の押し込みストローク)x1は、x1=h
ーd1となる。また、上側と下側第2ばね部4、6の間
で押し上げられる量x2は、x2=hーd2となる。
【0071】上述した第4の実施の形態に係る圧電トラ
ンス装置の特徴は、第1乃至第3の実施の形態示したよ
うに、分割した第1ばね部と第2ばね部が異なった固有
振動周波数をもつこと、上側と下側の第1ばね部および
上側と下側の第2ばね部はそれぞれ同じばね定数である
ことの他に、第1ばね部の押し込みストロークを第2ば
ね部のそれに対して大きくしているところにある。押し
込みストロークの大きい第1ばね部は、ばね部接点部の
動作マージンが大きいため、外部からの強い振動、衝撃
や圧電トランス素子自身の振動に対して電気接点の接続
信頼性が向上する。その際、第1ばね部のばね定数は、
圧電トランス素子を過度の力で挟み込まないように極力
小さいほうが好ましい。
【0072】一方、押し込みストロークの小さい第2ば
ね部は、ばね部接点部の動作マージンが小さいため、外
部からの強い振動、衝撃に対して圧電トランス素子の移
動を制限でき、圧電トランス素子の保持を確実にでき
る。その際、第2ばね部のばね定数は、圧電トランス素
子を過度の力で挟み込まないように押し込みストローク
を小さくすることが必要であるが、比較的大きい方が好
ましい。
【0073】要するに本実施の形態では、分割したばね
部の構造のー方を電気接点に、他方を圧電トランス素子
の保持に適した構造になっている。従って、外部からの
強い振動、衝撃や素子自身の振動に対する接点接続の信
頼性が非常に高く、また、過度な加圧力で素子を保持す
る状態がないため圧電トランス装置の電気特性が向上す
る。
【0074】次に、第4の実施の形態に係る圧電トラン
ス装置の具体的な構成について説明する。リード端子の
寸法については、上側リード端子1のモールド樹脂の根
元からリード先端までの長さを約3mm、第1ばね部の
幅w1を0.2mm、厚さt1を0.03mm、第2ばね
部の幅w2を0.5mm、厚さt2を0.2mm、2つに
ばね部を分割する切り込み長さを2.5mm、切り込み
幅を0.2mmとした。
【0075】同様に、下側リード端子2のモールド樹脂
の根元からリード先端までの長さを約3mm、第1ばね
部の幅w’1を0.2mm、厚さt’1を0.03mm、
第2ばね部の幅w’2を0.5mm、厚さt’2を0.2
mm、2つにばね部を分割する切り込み長さを2.5m
m、切り込み幅を0.2mmとした。さらに、圧電トラ
ンス素子10との電気接点を確保するための第1ばね部
の押し込みストローク量(x1)は、0.8mm(上側
および下側ともに0.4mm)とした。
【0076】一方、圧電トランス素子10を保持するた
めの第2ばね部の押し込みストローク量は、0.1mm
(上側および下側ともに0.05mm)とした。なお、
第4の実施の形態に係る圧電トランス装置の実装形態
は、ばね部の接点構成を除いて、第1乃至第3の実施の
形態で示す条件と全く同じである。
【0077】上述の材料および寸法に基づき製作した圧
電トランスについて、第1乃至第3の実施の形態と同様
に、電気接点の接続信頼性を確認するために電気特性と
機械特性の評価試験を行った。
【0078】試験の結果、電気特性は、第1乃至第3の
実施の形態と比較して、電力変換効率で約0.5%の向
上、圧電トランス素子の発熱温度で約2℃の低下がみら
れ、改善されることが確認された。また、機械特性は、
振動試験(X、Y、Zの3方向各5G、15〜1KH
Z)および衝撃試験(±X、±Y、±Z方向100G、
11msec)前後での電気特性に変化がなく良好であ
った。また、振動点灯試験(X、Y、Zの3方向各5
G、15〜1KHZ)および衝撃振動試験(±X、±
Y、±Z方向100G、11msec)において、点灯
動作時の瞬断の発生もなく、電気接点の接続性は良好で
あった。
【0079】ここでは、上側と下側リード端子の接点部
の形状を線状(電気接点部)と面状(素子保持部)の組
み合せで示したが、線状と線状、面状と面状、あるいは
点状との組み合せでもよい。要するに、上側および下側
リード端子の構造は、幅、厚さおよび長さの異なる2つ
のばね部に分割して2つのばね部の固有振動周波数を実
質的に異なるようにする。そして上側と下側の第1ばね
部および上側と下側の第2ばね部は、それぞれ実質的に
同じばね定数にし、圧電トランス素子を押圧する位置が
素子の上下面でー致させ、さらに、第1ばね部の押し込
みストローク量を第2ばね部のそれに対して大きくして
いるところにある。なお、ばね部の分割する数について
は、2分割のみでなく3以上に分割してもよい。
【0080】
【発明の効果】本発明の圧電トランス装置は、以下のよ
うな優れた効果を奏する。 (1)上下のリード端子のばね部が所定間隔を隔てて複
数に分割されているので、それぞれのばね部が異なった
固有振動周波数をもつため、圧電トランス素子に加わる
外部からの振動、衝撃のみならず、圧電トランス素子自
身の振動を加振源とするばね部の共振現象による接点開
放が複数のばね部で同時に発生することがなくなり、電
気接点の接続信頼性が向上する。 (2)圧電トランス素子との接触する面が複数に分割さ
れるので、圧電トランス素子の反りや電極面の凹凸、リ
ード端子の接点部の歪み、小さな絶縁ゴミの付着といっ
た接点不具合要因がなくなり、電気接点の接続信頼性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る圧電トランス
装置のリード端子の形状を示す斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の圧電トランス装置の上側リ
ード端子と下側リード端子の位置関係および構造を示す
斜視図、(b)はその断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る圧電トランス
装置の上側リード端子と下側リード端子の位置関係およ
び構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る圧電トランス
装置の上側リード端子と下側リード端子の位置関係およ
び構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る圧電トランス
装置の上側リード端子と下側リード端子の位置関係およ
び構造を示す斜視図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る圧電トランス
装置の上側リード端子と下側リード端子により圧電トラ
ンス素子を保持する状態を示す説明図である。
【図7】従来例1に開示された圧電トランス装置の構成
部品を示す分解斜視図である。
【図8】(a)は、従来例1に開示された圧電トランス
装置を示す横断面図、(b)はその縦断面図である。
【図9】(a)(b)(c)(d)は、従来例1に開示
された圧電トランス装置の圧電トランス素子とリード端
子との接触部を示す斜視図である。
【図10】従来例2に開示された電磁式リレーの構成を
示す斜視図である。
【図11】従来例2に開示された他の形態の電磁式リレ
ーの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:上側リード端子 2:下側リード端子 3:上側第1ばね部 4:上側第2ばね部 5:下側第1ばね部 6:下側第2ばね部 7a、7b:上側接点部 8a、8b:下側接点部 10:圧電トランス素子

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面及び下面にそれぞれ電極が形成された
    圧電トランス素子と、その圧電トランス素子の上面の電
    極と電気的に接続される上側リード端子と、前記圧電ト
    ランス素子の下面の電極と電気的に接続される下側リー
    ド端子と、を有し、 前記上側リード端子の先端部は、所定間隔を隔てて複数
    の上側ばね部に分割され、かつ各上側ばね部ごとに前記
    圧電トランス素子の上面に形成された電極と電気的に接
    続される上側接点部を有し、 前記下側リード端子の先端部は、所定間隔を隔てて複数
    の下側ばね部に分割され、かつ各下側ばね部ごとに前記
    圧電トランス素子の下面に形成された電極と電気的に接
    続される下側接点部を有する、 ことを特徴とする圧電トランス装置。
  2. 【請求項2】前記上側ばね部と下側ばね部は、それぞれ
    同じ数に分割され、かつ、各上側ばね部のばね定数と、
    その上側ばね部に対応する位置に配置された各下側ばね
    部のばね定数とが実質的に同一であることを特徴とする
    請求項1に記載の圧電トランス装置。
  3. 【請求項3】分割された前記上側ばね部のうち少なくと
    も1つの上側ばね部の幅がその他の上側ばね部の幅と異
    なり、 分割された前記下側ばね部のうち少なくとも1つの下側
    ばね部の幅がその他の下側ばね部の幅と異なる、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電トランス
    装置。
  4. 【請求項4】分割された前記上側ばね部のうち少なくと
    も1つの上側ばね部の厚さがその他の上側ばね部の厚さ
    と異なり、 分割された前記下側ばね部のうち少なくとも1つの下側
    ばね部の厚さがその他の下側ばね部の厚さと異なる、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つの項に
    記載の圧電トランス装置。
  5. 【請求項5】分割された前記上側ばね部のうち少なくと
    も1つの上側ばね部の長さがその他の上側ばね部の長さ
    と異なり、 分割された前記下側ばね部のうち少なくとも1つの下側
    ばね部の長さがその他の下側ばね部の長さと異なる、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つの項に
    記載の圧電トランス装置。
  6. 【請求項6】前記圧電トランス素子を上側リード端子及
    び下側リード端子によって保持する際に、分割された前
    記上側ばね部のうち少なくとも1つの上側ばね部が押し
    込まれる量がその他の上側ばね部が押し込まれる量と異
    なり、 分割された前記下側ばね部のうち少なくとも1つの下側
    ばね部が押し込まれる量がその他の下側ばね部が押し込
    まれる量と異なる、 ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つの項に
    記載の圧電トランス装置。
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