JP3079793B2 - 輻輳制御方法および呼受付制御方法 - Google Patents

輻輳制御方法および呼受付制御方法

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JP3079793B2
JP3079793B2 JP24918692A JP24918692A JP3079793B2 JP 3079793 B2 JP3079793 B2 JP 3079793B2 JP 24918692 A JP24918692 A JP 24918692A JP 24918692 A JP24918692 A JP 24918692A JP 3079793 B2 JP3079793 B2 JP 3079793B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パケット網における輻
輳制御方法に関し、特に、非同期転送方式(ATM:A
synchronous Transfer Mod
e)を用いた通信網において輻輳を回避しながら呼受付
制御の最適化を図る輻輳制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】次世代の有力な通信方式として各種の研
究機関で検討が進められているATM通信網では、情報
が固定長のパケット(以下、「セル」と言う)形式で伝
送される。ATMでは、様々な伝送速度を有する各種メ
ディア(音声、画像、データ等)から発生する情報の通
信が行われる。
【0003】一般に、網が提供できる通信容量には限界
があるため、網管理者側では、発呼要求時に各加入者に
伝送速度、要求通信品質(セル伝送遅延時間、セル紛失
率等)等を申告させ、その発呼を許可した場合の帯域、
バッファ量等、網内の消費リソース量(以下、「所要リ
ソース量」と言う)を推定し、該推定量が、網の有する
伝送容量を越えない場合にのみ、発呼要求を許可するよ
うにしている。以下、発呼要求時に行なわれるこのよう
な制御を、「呼受付制御」と呼ぶ。
【0004】呼受付制御時のリソース量の推定に誤りが
あると、所要リソース量が一時的に網の伝送容量を越
え、網内で一部のセルが紛失してしまう。また、紛失セ
ル数が多くなると、加入者の要求品質を保証できなくな
ってしまう。この状態を一般に「輻輳状態」と呼ぶ。例
えば、或る加入者が、セル紛失率:1/106以下の通
信品質を要求した場合、その加入者が仮に通信網に10
7個のセルを送出したとすると、その内の10個以上の
セルが網内で紛失すれば、通信網は輻輳状態に陥ったこ
とになる。
【0005】ATM通信網では、網内の同一リソースを
複数の加入者が共有することによりリソースの有効活用
を図っている。従って、一旦輻輳が発生すると、不特定
の複数加入者の通信品質が劣化する恐れがある。輻輳の
発生は、例えば、申告精度の向上、あるいは所要リソー
ス量の厳密解析等による推定精度の向上によって或る程
度改善できる。しかしながら、将来の予期せぬ新サービ
スの出現等を考慮すると、発呼時に、全てのサービスに
対して加入者に厳密な申告値を要求することは困難であ
り、申告精度の向上には限界がある。また、所要リソー
ス量は解析的に推定されるが、解析可能な数学的モデル
は限られているため、推定には何んらかの近似が必要な
り、推定量に誤差が伴う。
【0006】以上の理由から、ATMパケット網におい
て輻輳の発生を完全に回避することは困難であり、輻輳
が発生した時、輻輳状態から平常状態(非輻輳状態)に
戻すための輻輳制御が不可欠となる。例えば、通信品質
として1/106以下のセル紛失率を要求した加入者か
らの5×106個の送出セルの内の10個が紛失してし
まった場合、輻輳制御を行なうことにより、その後に送
出される5×106個のセルに対してセル紛失を防止す
る。
【0007】パケット網における従来公知の輻輳制御方
法として、例えば、「ATM通信網におけるトラヒック
制御の考察(Traffic Con−trol on
ATM Communication Networ
k)」(阿部俊二ほか、電子情報通信学会技術研究報
告、SSE90−119)で提案されているように、輻
輳発生時に、要求通信品質の低い加入者からの送信パケ
ット(以下、「低優先パケット」と言う)、及び、呼設
定時に加入者と網提供者との間で結ばれた通信速度等に
関する契約条件に違反して送出されたパケット(以下、
「違反パケット」と言う)を通信網内のノードで廃棄す
ることにより、網内のパケット数を減らし、これによっ
て、要求通信品質の高い加入者からの送信パケット(以
下、「高優先パケット」と言う)の網内での紛失を回避
するようにした方法がある。
【0008】この場合、セルが低品質クラスに属するか
加入者からのもの否かの選択は、呼受付制御時に記憶さ
れている当該呼の要求品質に基づいて行う。また、低優
先セルの廃棄処理は、低優先セルが使用可能なバッファ
領域を閾値X3(全バッファ量≧X3≧0)を用いて制
限することにより実現する。尚、高優先セルは、バッフ
ァの全領域を使用できるようにしておく。この方法によ
れば、要求品質が高い加入者から送信された高優先セル
の通信品質は、一時的に劣化するものの、やがて改善さ
れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】然るに、従来の輻輳制
御方法では、高優先セルの品質を保証した結果、低優先
セルの品質が劣化し、低優先セルの要求品質を保証でき
ないという問題点がある。特に、網が受け付けた高優先
セルの割合が低優先セルに比べ大きい場合は、高優先セ
ルの品質を保証するためには閾値X3の値を充分小さく
し、ほとんどの低優先セルが廃棄されてしまうような状
態にせざるを得ないため、低優先セルによる通信の品質
が大きく劣化してしまう。また、パケット網において
は、一旦輻輳が発生した場合、これと同規模の輻輳が再
発するのを極力阻止することが望ましいが、従来方法で
は、輻輳の発生が呼受付制御にフィードバックされてい
ないため、同規模の輻輳が繰り返して発生する可能性が
あった。
【0010】本発明の目的は、輻輳が発生した場合でも
平常状態に迅速に復旧できるようにしたパケット網にお
ける輻輳制御方法および呼受付制御方法を提供すること
にある。
【0011】本発明の他の目的は、同規模の輻輳の再発
を防止できるようにした輻輳制御方法および呼受付制御
方法を提供することにある。
【0012】本発明の更に他の目的は、低優先セルの通
信品質の劣化が少ない輻輳制御方法および呼受付制御方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明では、入力セルを一時格納するバッフ
ァメモリを備え、異なる通信品質クラスに属するセルを
論理チャネル番号に基づいて交換動作する通信ノードに
おいて、バッファメモリ内に通信品質クラス別に出力回
線対応の複数のキューを形成し、各出力回線の帯域を予
備帯域とキュー専用の複数の帯域に分割する。さらに、
キュー対応に通信品質を観測し、何れかのキューにおい
て観測値が要求された通信品質の値を越えたときに、上
記キューに対してセル毎に予備帯域を与える。また、通
信ノードの上位に位置する制御部で、輻輳が発生する程
度まで回線利用率を変動できるようにしておき、下位の
ノード装置より通知された輻輳の発生状況を上記回線利
用率にフィードバックすることにより、回線利用率の最
適化を行なう。
【0014】
【作用】本発明によれば、或るキューで輻輳が発生した
場合に、輻輳キューに対して予備帯域を瞬時に割り当て
ることによって、輻輳状態から非輻輳状態に戻すことが
可能である。また、キューが品質クラス別に分割されて
いるため、高優先セルに関する輻輳が低優先セルの通信
品質に影響を与えない。また、セルの紛失状況に応じて
上位制御部が回線利用率を最適化することによって、一
度発生した輻輳と同規模の輻輳の再発を防止、あるいは
低減させることができ、結果的に、バッファメモリ上で
予備帯域の容量を削減し、キュー専用の帯域を増やすこ
とでき、高い回線利用率で通信網を運用することが可能
となる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0016】図2は、セル201の構成を示す。セル
は、ヘッダ部201Aとユーザ情報格納部201Bとか
ら構成される。ヘッダ部201Aは、論理パス識別子
(VPI;virtual path identif
ier)の格納部と、論理チャネル識別子(VCI;v
irtual channel identifie
r)の格納部、等からなる。セルのサイズは、現在、国
際電信電話諮問委員会(CCITT)の勧告により53
バイトに標準化されている。VCIは、呼対応に独立な
値が与えられる。VPIは、同一ルートを使用する複数
のVCIに対して共通の値が与えられる。
【0017】図1は、本発明による輻輳制御方法および
呼受付制御方法を適用する通信ノード装置の一実施例を
示すブロック図である。図において、1(1−1〜1−
n)は、図示されていない加入者端末と接続されている
入力回線、2(2−1〜2−n)は各入力回線毎に設け
られた入力回線対応部、3は各回線対応部の出力を多重
化するための多重部、4は入力セルを一時的に蓄積する
ためのセルバッファ、5はセルバッファ4からの出力セ
ルを出力回線7(7−1〜7−n)に選択的に分配する
ための分離部、6(6−1〜6−n)は各出力回線7に
設けられた出力回線対応部、8はセルバッファへのセル
の書き込みと読み出しを制御するライト/リード制御回
路、9は輻輳制御回路、10はアダプテーション回路、
11は呼受付制御を行なう制御部である。
【0018】図示されていない各加入者端末から入力回
線1に出力されたセル201は、入力回線対応部2に到
着する。各入力回線対応部2は、VPI/VCI対応に
出力回線番号RTと品質クラス番号CLSを記憶したテ
ーブル13を備えており、到着セル201のヘッダ部に
含まれるVPI/VCIをアドレスとして、上記テーブ
ル13からRT/CLSを読み出し、これらをセル20
1のヘッダ部201Aに付加し、図2に示すノード内セ
ル202の形式として多重部3に入力する。多重部3か
ら出力されたセルは、セルバッファ4に入力される。こ
の時、付加ヘッダ部のRTとCLSは、信号線14を介
してライト/リード制御回路8にも入力される。
【0019】図3は、上記セルバッファ4の論理的な構
成を示す。本発明では、セルバッファ4を品質クラス対
応の複数のキュー領域12−1〜12−mに分割し、そ
れぞれのキュー領域に出力回線対応のキューを形成して
おく。以下の説明では、品質クラス番号と出力回線番号
をそれぞれ記号CLS、RTで表し、品質クラスがCL
S、出力回線がRTのセルが蓄積されるキューをQ(C
LS、RT)と表記する。尚、CLS=1〜m、RT=
1〜nであり、例えば、Q(1、1)で表されたキュー
には、CLS=RT=「1」のセル202が格納され
る。
【0020】ライト/リード制御回路8は、多重部3か
ら信号線14を介して通知された到着セルの付加ヘッダ
情報(RT/CLS)に応じて決まる、到着セル格納用
キューQ(CLS、RT)を特定するためのアドレス情
報を、信号線15を介して、セルバッファ4にリード/
ライトアドレスとして与える。これによって、セルバッ
ファへの書き込み期間において、各到着セルが、それぞ
れの付加ヘッダ情報と対応したキューQ(CLS,R
T)に格納される。付加ヘッダと対応するキューQ(C
LS,RT)に既に多数のセルが格納中で、新たな到着
セルを格納するための空き領域が無い場合、到着セル2
02は廃棄される。ライト/リード制御回路8は、セル
到着時に、到着セルのヘッダ情報を信号線16を介して
輻輳制御回路9に通知すると共に、セルの廃棄が生じた
場合は、廃棄通知情報を上記信号線16を介して輻輳制
御回路9に通知する。
【0021】セルバッファ内の各キューQ(CLS,R
T)には、容量CP(CLS,RT)と、読み出し帯域
BW(CLS,RT)とが割り当てられる。上記容量C
P(CLS,RT)は、キューQ(CLS,RT)に格
納可能なセル数を示しており、上記読み出し帯域BW
(CLS,RT)は、キューQ(CLS,RT)に格納
済のセルを出力回線7に読み出す頻度(bps)を示し
ている。例えば、出力回線速度が156Mbpsで、B
W(1,1)=52Mbpsの場合は、156Mbps
÷BW(1,1)=3となるため、上記出力回線に対し
て3セル時間に1セルの割合でキューQ(1,1)から
のセルが読み出される。ここで、1セル時間は、出力回
線上で1個のセルが通過する際に必要な時間を示し、回
線速度が156Mbpsの場合は1セル時間≒2.7μ
sとなる。
【0022】輻輳制御回路9は、読みだし帯域に応じて
RT/CLSを出力し、信号線17を介してライト/リ
ード制御回路8に入力する。例えば、BW(1,1)=
52Mbpsである場合、3セル時間に1回の割合で、
RT=CLS=「1」を出力する。輻輳制御回路9から
RT/CLSを受信したライト/リード制御回路8は、
キューQ(CLS,RT)に格納されている読み出しセ
ルのアドレスを、読み出し信号とともに、信号線15を
介してセルバッファ4に与える。これによって、Q(C
LS,RT)からファーストイン・ファーストアウト形
式でセルが読み出される。
【0023】キューQ(CLS,RT)より読み指され
たセルは、分離部5を介して、RTと対応した出力回線
の出力回線対応部6に出力され、回線対応部7で付加ヘ
ッダ部が取り除かれ、セル201の形式となって出力回
線7に送出される。
【0024】輻輳制御回路9は、上述したセルバッファ
内のキュー対応に、到着セル数A(CLS,RT)と紛
失セル数L(CLS,RT)を測定し、輻輳が発生して
いるキューと、読み出し帯域を利用率が十分でなく紛失
セル数が極めて少ないキューとを検出する。これらキュ
ー検出は、輻輳制御回路9内の輻輳検出部22が行い、
検出結果は、信号線18を介して制御部18に通知され
る。
【0025】上記輻輳制御回路9は、輻輳状態にあるキ
ューのセル紛失率を減少させるために、輻輳状態になっ
たキュー(以下、「輻輳キュー」と言う)の読みだし帯
域を増加させるよう制御動作する。即ち、輻輳キューか
らのセル読み出し頻度を上げるために、信号線17に輻
輳キューを指定するRT/CLSの出力頻度を増やす。
本発明では、上述した読み出し頻度制御を行なうため
に、各出力回線7対応に予備の帯域を設けておく。
【0026】次に、本実施例における「品質クラス」に
ついて説明する。
【0027】各加入者(端末装置)は、発呼要求時に、
自装置が属する品質クラスの番号(CLS)を制御部1
1に申告する。品質クラスは、例えば、セルの紛失率と
セルの遅延時間とによって決定され、品質クラス番号と
紛失率・遅延時間の対応関係の一例を示すと以下のよう
になる。
【0028】 品質クラス1: CLR≦CLRmax(1)=1/1
9 DT ≦DTmax(1) =1ms 品質クラス2: CLR≦CLRmax(2)=1/1
9 DT ≦DTmax(2) =10ms 品質クラス3: CLR≦CLRmax(3)=1/1
6 DT ≦DTmax(3) =1ms ここで、CLRmax(CLS)、DTmax(CL
S)は、それぞれ各クラス毎に許容される紛失率および
遅延時間の最大値を示す。また、「品質クラス1」は、
紛失率と遅延時間のそれぞれにおいて優先すべきクラス
であり、対象メディアとしては、例えば、TV電話の出
力が挙げられる。「品質クラス2」は、紛失率で優先、
遅延時間で非優先となるクラスであり、対象メディアと
しては、一般的なデータ転送通信が挙げられる。「品質
クラス3」は、紛失率で非優先、遅延時間で優先となる
クラスであり、対象メディアとしては、電話の音声信号
が挙げられる。
【0029】加入者は上記した品質クラスとの対応関係
を前もって知っており、開始しようとする通信が必要と
するセル紛失率と遅延時間とに応じて、品質クラス番号
を決定あるいは選択し、発呼時にこれを網側の制御装置
11に申告する。制御部11は、各通信の開始に先立っ
て行なわれる呼受付処理時において、各呼に識別子VP
I/VCIを割り当て、各加入者が申告した品質クラス
をVPI/VCI対応に管理する。また、各回線対応部
でテーブル13に記憶すべき出力回線番号RTを、加入
者が申告する宛先装置ID(例えば、電話番号)をもと
に決定する。制御部11は、VPI/VCI対応に決定
した出力回線番号(RT)と品質クラス番号(CLS)
を、発呼した加入者を収容する入力回線の回線対応部に
通知し、これらの情報を回線テーブル13に格納させ
る。尚、加入者端末から出力された発呼要求等の制御情
報は、入力回線対応部2から、多重部3、セルバッファ
4、分離部5、信号線20、アダプテーション回路10
を経由して、制御部11に入力される。
【0030】次に、本実施例における品質制御方法につ
いて説明する。
【0031】紛失率と遅延時間は、それぞれ、クラス対
応に設定されているCLRmax(CLS)およびDT
max(CLS)の値以下となるように制御する必要が
ある。例えば、キューQ(1,n)は、クラス1、出力
回線nと対応するキューであり、このキューに格納され
るセルは、紛失率≦1/109、遅延時間≦1msとな
るように制御する必要がある。セルの遅延時間は、バッ
ファ容量CPと読み出し帯域BWの設定動作によって、
また、紛失率は、キュー使用率の設定動作によりそれぞ
れ制御する。これらの設定動作は制御部11が行い、バ
ッファ容量CPはライト/リード制御回路8に、また、
読み出し帯域BWは輻輳制御回路9にそれぞれ設定す
る。
【0032】遅延時間の制御は次のように行なう。今、
キューQ(CLS,RT)にセルが格納されている時間
長を、そのセルの「遅延時間DT」と定義すると、遅延
時間DTに関して次式が成立する。 DT(CLS,RT)≦(1セル時間)× CP(CLS,RT)× (回線速度)/BW(CLS,RT)……(数1) このように、遅延時間は、CP(CLS,RT)とBW
(CLS,RT)に依存する。尚、ここでは、BW(C
LS,RT)は比較的長期間(1ヵ月、1週間等)に渡
る過去の通信需要に基づいて決定されるものと仮定し、
BWの具体的な決定方法については特に制約しない。
【0033】先に述べたように、 DT(CLS,RT)≦DTmax(CLS) ……(数2) とする必要があるため、この関係が成立するように、数
式1を用いて、CP(CLS,RT)を設定する。例え
ば、BW(1,n)=52Mbps、回線速度=156
Mbpsの場合、数式1、2から、 CP(1,n)≦ DTmax(1)×BW(1,n)/{(1セル時間)×(回線速度)} ≒122(セル)(但し、小数点以下切捨て) …(数3) のように、CP(1,n)の値を算出できる。
【0034】上記数式3を用いて算出されたバッファ容
量を使用することにより、クラス1の遅延時間をDTm
ax(1)以下に制御することが可能となる。
【0035】次に、セル紛失率の制御と輻輳制御につい
て説明する。
【0036】キューQ(CLS,RT)へのセル到着率
は、セル紛失率が小さい場合、セル到着率≒キュー使用
率となる。セル到着率が大きい場合は、キュー内の格納
セル数が増加し、キュー内の蓄積セル数がキュー容量に
等しくなる場合がある。その状態で新たにセルが到着す
ると、キューがオーバーフローし、到着セルの紛失が発
生する。同一キューQ(CLS,RT)に収容される呼
数が多ければ多い程、キューの使用率が大きくなり、セ
ルの紛失率が増加する。また、セルの紛失率は、通信速
度や到着セルのバースト性等、収容呼のトラヒック特性
にも影響される。従って、制御部11は、セル紛失率が
各加入者の要求値CLRmax(CLS)を越えない範
囲で、新たに発生した呼を該当キューに収容する必要が
ある。
【0037】具体的には、発呼要求時に、加入者が申告
した通信速度等のトラヒック特性、およびCLRmax
(CLS)に基づいて、該呼の所要帯域ρvirを推定
する。ここで、「所要帯域ρvir」は、セル紛失率を
CLRmax(CLS)以下に保証するために、呼に割
り当てる必要がある帯域(bps)を意味する。新たに
発生した呼を収容すべきキューQ(CLS,RT)に既
に収容済の呼の所要帯域ρvirの総和をρ(CLS,
RT)としたとき、次式が成立する場合に上記新たな呼
を受け付ける。 ρ(CLS,RT)+ρvir≦ρmax(CLS,RT) …(数4) 但し、ρmax(CLS,RT)は、紛失率をCLRm
ax(CLS)以下に制御するためにキューに収容可能
な帯域ρの上限であり、 ρmax(CLS,RT)≦BW(CLS,RT) …(数5) である。
【0038】上記した所要帯域ρvirの推定は、数学
的な解析、あるいはコンピュータシミュレーション等に
よって行なわれるが、解析可能な適用モデルが限られて
いる、あるいは、適用可能なシミュレーションの時間が
限られている、等の理由から、推定手法の如何を問わず
何らかの近似が必要となる。その結果、仮に数式4が成
立したとしても、紛失率がCLRmaxを越える可能
性、即ち、輻輳状態となる可能性がある。
【0039】或るキューQ(CLS,RT)において輻
輳が発生した場合、セル紛失率を低下させるためには、
容量CP(CLS,RT)、または、読み出し帯域BW
(CLS,RT)の何れかを増やす必要がある。但し、
CPを増加させると、遅延時間も増加してしまうため、
本実施例では、CPの値はそのままにしておき、BWを
増加させる。また、BWを増加させるために、各出力回
線7対応に前もって予備帯域BW(res,RT)を用
意しておき、輻輳状態となったキューに適宜、予備帯域
BW(res,RT)を割り当てる。この時、輻輳状態
にあったキューの読み出し帯域は、一時的に、 BW(CLS,RT)= BW(CLS,RT)+BW(res,RT) …(数6) のように変更される。
【0040】輻輳の検出と帯域の変更は、輻輳制御回路
9が行う。輻輳制御回路9は、帯域の変更を高速(セル
時間オーダーで)に実現するために、例えば、ハードウ
ェアで構成したロジック回路と、輻輳の発生を検出する
ために必要な閾値デ−タを記憶するためのメモリ等を備
えた構成とする。充分な大きさの予備帯域を予め用意し
ておくことによって、予備帯域割当て後のキューQ(C
LS,RT)におけるセル紛失率を、要求値(CLRm
ax)以下に下げることが可能となる。
【0041】ρmax(CLS,RT)の最適化処理は
次のようにして行なう。
【0042】輻輳が発生する原因の1つとしては、呼受
付制御に適用される数式4の右辺に含まれるρmax
(CLS,RT)の値が最適化されていないことが挙げ
られる。即ち、キューQ(CLS,RT)に収容可能な
帯域量より、ρmax(CLS,RT)が大きくなるこ
とが輻輳原因として挙げられる。もし、輻輳発生後にρ
max(CLS,RT)の値を変更しなければ、同様の
輻輳が再び発生する可能性があるため、本発明では、ρ
max(CLS,RT)の値を次式に従って変更する。 ρmax(CLS,RT)=ρ(CLS,RT)−Δ …(数7) ρmaxの大きさは、輻輳が発生時の収容帯域ρより小
さくする必要があり、減少幅Δの大きさは、輻輳の程度
(規模)に応じて決定する。この変更は、数式6で示し
た帯域の変更とは異なり、セル時間オーダーの高速性を
要求されないため、制御部11を構成するプロセッサに
より、ソフトウエア処理で実行すれことができる。尚、
制御部11への輻輳の発生と輻輳程度の通知は、輻輳制
御回路9から信号線18を介して行なう。
【0043】本実施例では、通信状態を例えば、例え
ば、次の3種類に分類する。 (1)輻輳状態:CLR≧CLRmaxが成立する場
合。 (2)適正状態:CLRmax>CLR≧(CLRma
x/l)が成立する場合 。(3)過剰品質状態:CLR<(CLRmax/l)
が成立する場合。 但し、l=10、100、1000、…とする。
【0044】ここで、過剰品質状態とは、数式5で等号
が成立しているにもかかわらず、要求値に比べて極めて
セル紛失率が低い状態を意味し、例えば、l=100の
場合、セル紛失率が要求値CLRmaxの100分の1
の状態を指す。過剰品質状態は、品質保証の観点からは
非常に望ましい状態であるが、キューへの収容帯域を或
る程度増やしても要求紛失率を満たすことができるた
め、見方を変えれば、キューに割り当てられた読み出し
帯域BWを充分に有効利用していない状態と言える。こ
のような理由から、本発明では、過剰品質状態にある場
合も、次式に従って、ρmax(CLS,RT)の変更
を行う。 ρmax(CLS,RT)=ρ(CLS,RT)+Δ …(数8) ρmaxの値は、過剰品質状態が発生した時点での収容
帯域ρより大きくすることができる。また、Δの大きさ
は、セル紛失率に応じて決定される。数式7によるρm
ax(CLS,RT)の変更は、セル時間オーダーの高
速性を要求されないため、制御部11のプロセッサによ
り、ソフトウエア処理によって実行される。また、制御
部11への過剰品質状態の発生とその程度の通知は、輻
輳制御回路9から信号線18を介して行なう。
【0045】本実施例の輻輳制御方式では、図3に示し
たそれぞれのキュー12対応に輻輳を検出し、輻輳が発
生しているキューに対して、プロセッサを介すことなく
予備帯域を高速に割り当てることによって、輻輳状態か
ら正常状態(非輻輳状態)に瞬時に戻すようにしてい
る。また、品質クラス間で使用するキューと帯域を独立
させているため、或る品質クラスで発生した輻輳が他の
品質クラスの通信品質に影響を与えないという利点があ
る。さらに、輻輳の発生状況と過剰品質状態の発生状況
を制御部11に通知し、制御部がこれらの情報に基づい
て、該当キューへ収容する呼の収容帯域上限値ρmax
を最適化するようにしているため、一度輻輳が発生する
と、これと同程度の輻輳の再発を防止でき、セル紛失率
が劣化しない範囲で帯域の有効利用を図れるという利点
がある。
【0046】次に、図4を参照して、ライト/リード制
御回路8の動作について説明する。
【0047】ライト/リード制御回路8は、セルバッフ
ァ4内のキュー12へ到着セルを格納するための書き込
み制御と、既にキューに格納されているセルの出力回線
7への読み出し制御とを行う。即ち、到着セル202を
格納すべきセルバッファ4のアドレス、及び、セルバッ
ファ4から読み出すべきセルのアドレスを出力し、これ
らのアドレスを書き込みアドレス、または読み出しアド
レスとしてセルバッファに与える。
【0048】ライト/リード制御回路8は、クラス対応
に設けられたアドレス管理部401−1〜401−m
と、空きアドレスFIFO402と、デコーダ403お
よび405と、セレクタ404および406等から構成
される。例えば、クラス1対応のアドレス管理部401
−1は、クラス1対応のキュー領域12−1のアドレス
管理を行い、空きアドレスFIFO402は、セルバッ
ファ4内のセル未格納領域のアドレスを保持する。
【0049】上記クラス1対応アドレス管理部401−
1は、アドレスFIFO412と、閾値判定回路413
と、セル数カウンタ414と、デコーダ410および4
11と、セレクタ415および416から構成される。
【0050】上記アドレスFIFO412−1は、キュ
ーQ(1,1)のアドレス管理を行い、セル数カウンタ
414−1は、キューQ(1,1)に格納されているセ
ル数を計数し、閾値判定回路413−1は、セル数カウ
ンタ414−1がカウントしたキューQ(1,1)内格
納セル数とキュー容量CP(1,1)とに基づいてセル
紛失の有無を検出する。例えば、次式が成立した状態
で、ヘッダ内情報がCLS=RT=「1」のセルが到着
すると、この到着セルは廃棄処理される。
【0051】 Q(1,1)内格納セル数=CP(1,1) ……(数9) バッファ4への到着セル202の書き込み制御はつぎの
ようにして行なわれる。
【0052】セルが到着すると、信号線14を介して到
着セル202のRT/CLSが通知される。閾値判定回
路413(413−1〜413−n)の出力は、出力回
線セレクタ415、クラスセレクタ404、反転回路4
17を介して、空きアドレスFIFO402のリードイ
ネーブル(RE)入力に入力される。これによって、数
式9が成立しない時には、FIFO402から空きアド
レスが出力され、これが信号線15−1を介してセルバ
ッファ4の書き込みアドレス入力へ入力される。到着セ
ル201は、上記アドレスで指定されたセルバッファ4
内の領域に格納される。
【0053】クラスセレクタ404出力は、クラスデコ
ーダ403の制御信号入力にも入力され、数式9が成立
しない時、上記クラスデコーダ403が、イネーブル信
号(EN)を発生し、これが出力回線デコーダ410の
制御信号入力に入力されるようになっている。出力回線
デコーダ410の出力は、アドレスFIFO412の書
き込みイネーブル入力(WE)と、セル数カウンタ41
4のインクリメント入力に入力される。アドレスFIF
O412には、空きアドレスFIFO402から出力さ
れた、到着セル201の格納アドレスが順次に格納され
る。また、上記した動作の都度、セル数カウンタ414
の計数値が1ずつインクリメントされる。このようにし
て、アドレスFIFO412−1には、キューQ(1,
1)に格納されているセルのアドレスがセル到着順に記
憶され、また、セル数カウンタ414−1に、Q(1,
1)に格納されているセルの数が計数されている。尚、
到着セルのヘッダ情報(RT,CLS)と、セレクタ4
04から出力されるセル紛失情報は、それぞれ信号線1
6を介して輻輳制御回路9に通知される。
【0054】バッファ4からの格納セルの読み出し制御
は次のようにして行なわれる。輻輳制御回路9は、読み
出し帯域BW(CLS,RT)に応じて、セル読み出し
対象となるキューを特定する出力回線番号と品質クラス
番号(RT/CLS)を信号線17上に出力する。アド
レスFIFO412の空表示(EMP)出力は、出力回
線セレクタ416と、クラスセレクタ406とを介し
て、バッファ回路407の制御入力に入力される。セレ
クタ416および406は、それぞれ信号線17を介し
て通知されたRT/CLSに対応するアドレスFIFO
411と、クラス対応のアドレス管理部401出力とを
選択する。
【0055】バッファ回路407は、アドレスFIFO
412にアドレスが格納されていない時、すなわち、読
み出し対象キューQ(CLS,RT)が空でない時、品
質クラス番号(CLS)を出力する。上記バッファ回路
407からの出力は、クラスデコーダ405を介して、
出力回線デコーダ411制御入力に入力される。上記出
力回線デコーダ411の出力は、アドレスFIFO41
2のリードイネーブル入力(RE)、および、セル数カ
ウンタのデクリメント入力にそれぞれ入力される。上記
アドレスFIFO412からは、Q(CLS,RT)に
蓄積されている先頭のセルの格納位置を指すバッファ4
内アドレスが出力される。上記アドレスは、信号線15
−2を介して、バッファ4の読み出しアドレス入力に入
力され、これによって、セルバッファ4内のキューQ
(CLS,RT)から、先頭セルが読み出される。ま
た、上記セルの読み出しに伴い、読み出しアドレスが、
空きアドレスFIFO402のデ−タ入力DIに入力さ
れ、空きアドレスとして格納される。上記動作の都度、
セル数カウンタ414の計数値が1ずつデクリメントさ
れる。
【0056】以上の回路構成により、セルバッファ4内
の任意のキュー12への到着セル書き込み制御と、セル
紛失検出と、輻輳制御回路9へのセル紛失およびセル到
着の通知と、輻輳制御回路9で指定したキューからのセ
ルの読み出し制御が行なわれることがわかる。
【0057】図5は、輻輳制御回路9を構成する輻輳検
出部22で実施される輻輳検出の手順を示すフローチャ
ートである。輻輳検出部22の構成の1実施例は図6で
後述する。
【0058】輻輳検出部22は、ライト/リード制御回
路8より通知された到着セルのヘッダ情報(RT,CL
S)とセル紛失情報とに基づいて、到着セル数A(CL
S,RT)と紛失セル数L(CLS,RT)とを測定
し、輻輳が発生したキューQ(CLS,RT)と、紛失
率が小さく、過剰品質状態にあるキューQ(CLS,R
T)とを検出する。到着セル数をA、紛失セル数をLと
すると、セル紛失率の値は次の式で算出される。 CLR(測定値)=L/A CLR(測定値)と最大紛失率CLRmaxとを比較す
ることにより、キューの通信状態を次の3状態に分類す
る。 (1)輻輳状態:CLR≧CLRmaxが成立する場
合。 (2)適正状態:CLRmax>CLR≧(CLRma
x/l)が成立する場合。
【0059】(3)過剰品質状態:CLR<(CLRm
ax/l)が成立する場合。 但し、l=10、100、1000、…とする。
【0060】上記3つの状態を識別するために、閾値A
thとLthを用いる。これらの閾値と最大紛失率との
間には、次の関係がある。 Lth/Ath=CLRmax(CLS) 閾値Athは、セル紛失率を測定するために必要なサン
プルセル数に等しく、閾値Lthと共に紛失率の測定精
度を支配する。例えば、CLRmax(3)≦1/10
6の場合、測定された紛失率の有効桁数を2桁にするた
めには、Lth=10、Ath=107に設定する。上
記閾値の設定は、制御部11が初期設定時に行う。
【0061】信号線16を介してライト/リード制御回
路8から輻輳検出回路22にセル紛失通知が到着すると
(ステップ501)、紛失セル数Lと到着セル数Aをそ
れぞれ1づつインクリメントする(ステップ502、5
03)。このインクリメント動作は、セル紛失信号と共
に到着するヘッダ情報(RT,CLS)に基づいて、キ
ュー対応に行う。到着セル数Aのインクリメント動作
は、セル到着時にも行われる。
【0062】次に、紛失セル数(L)が閾値(Lth)
に等しいか否かを判定し(ステップ504)、もし、等
しい場合、到着セル数が(A)が閾値(Ath)より小
さいか否かを判定する(ステップ505)。A≦Ath
の場合、 L/A≧Lth/Ath=CLRmax ……(数10) が成立するため、キューQ(CLS,RT)において輻
輳が発生したものと判断し、輻輳表示レジスタ616の
キューQ(CLS,RT)領域に輻輳発生を表示し(ス
テップ506)、制御部11に輻輳検出報告を出した後
(ステップ507)紛失セル数Lと到着セル数Aの値を
それぞれ初期化し(ステップ508、509)、このル
ーチンを終了する(ステップ510)。
【0063】判定ステップ504において、L=Lth
でない場合は、LはLthより小さい。この場合、ステ
ップ511でAとAthとを比較する。もし、A>At
hの場合、 L/A<Lth/Ath=CLRmax ……(数11) が成立するので、輻輳状態ではない。この場合、到着セ
ル数Aが、紛失率を測定するために必要な到着セル数A
thを越えていれば、紛失セル数L、到着セル数Aを初
期化し(ステップ508、509)、処理を終了する
(ステップ510)。
【0064】ステップ512においてAがlAthより
大きい場合、 L/A<Lth/(lAth)=CLRmax/l ……(数12) (但し、l=10、100、1000、……)が成立す
る。この場合、過剰品質状態にあると判断し、制御部1
1に通知した後(ステップ513)、ステップ508に
進む。
【0065】また、ステップ511においてAがAth
以下の場合、到着セル数が紛失率測定に必要なサンプル
数Athに達していないため、紛失セル数Lと到着セル
数Aを初期化することなく、このルーチンを終了する
(ステップ510)。
【0066】上記実施例では、輻輳の有無が、到着セル
数および紛失セル数をそれぞれ所定の閾値と大小比較す
るだけで検出されるようになっているため、輻輳検出回
路を簡単なハードウェアロジックで実現できる。
【0067】図6は、輻輳検出部22の構成の1例を示
す。輻輳検出部22は、テーブルメモリ601、602
と、セレクタ603、607、615と、大小判定回路
608、609、610と、加算回路604、606
と、乗算回路605と、ゲート回路617、618と、
AND回路611、612と、NAND回路613と、
輻輳表示レジスタ616とから構成される。
【0068】テーブルメモリ601、602には、到着
セル数A、閾値Ath、紛失セル数Lおよび閾値Lth
が、キューQ(CLS,RT)12対応に格納される。
セル到着時に、ライト/リード制御回路8から信号線1
6を介して通知された到着セル202のヘッダ情報(R
T,CLS)は、テーブルメモリ601にアドレスとし
て入力され、これによって、テーブルメモリ601か
ら、キューQ(CLS,RT)への到着セル数A(CL
S,RT)が出力される。以降の説明では、特に断わら
ない限り、メモリから読み出された到着セル数A(CL
S,RT)を単に「A」と表記する。到着セル数Aは加
算回路604に入力され、1だけインクリメントされた
後、セレクタ回路603を介してテーブルメモリ601
に再書き込みされる。尚、セレクタ603は、到着セル
数Aの初期化時(図5のステップ508)には、初期値
「1」を出力する。
【0069】セル紛失時にライト/リード制御回路8か
ら信号線16を介して通知される紛失情報は、ゲート6
18に制御信号として入力される。上記ゲート618
は、セルが紛失したときのみ、到着セル202のヘッダ
情報(RT,CLS)の出力する。上記ヘッダ情報(R
T,CLS)は、メモリ602にアドレスとして入力さ
れ、これによって、メモリ602から、キューQ(R
T,CLS)に対応した閾値AthおよびLthと、紛
失セル数Lとが出力される。紛失セル数Lは、加算回路
606で1だけインクリメントされ(ステップ50
2)、セレクタ607を介して、上記メモリ602の紛
失セル数(L)格納領域に再書き込みされる。尚、上記
セレクタ607は、Lの初期化時(ステップ509)に
は、初期値「1」を出力する。
【0070】このように、セルバッファ4にセルが到着
する都度、メモリから読み出されてインクリメントされ
る到着セル数Aと、セルバッファ4でセルが紛失した時
に読み出される閾値Ath、L、Lthとを用いて、図
5で説明した輻輳の検出動作が行なわれる。
【0071】大小判定回路608は、到着セル数Aと閾
値Athとの大小判定(ステップ505、511)、大
小判定回路609は、到着セル数Aと閾値lAthとの
大小判定(ステップ512)、大小判定回路610は、
紛失セル数Lと閾値Lthとの大小判定(ステップ50
4)をそれぞれ行う。
【0072】大小判定回路610、608の出力はAN
D回路611に入力され、L=Lth(ステップ50
4)と、A≦Ath(ステップ505)の2つの条件が
成立した時、AND回路611から輻輳信号が出力され
る。上記輻輳信号は、信号線18を介して、制御部11
に伝えられ(ステップ507)、これと同時に、セレク
タ615にも制御入力として入力される。セレクタ61
5は、輻輳信号が到着すると、輻輳表示レジスタ616
に輻輳状態を示すフラグ「1」を格納する(ステップ5
06)。上記輻輳表示レジスタ616は、キューQ(C
LS,RT)対応に輻輳表示情報を格納するためのもの
であり、輻輳レジスタ616の書き込みアドレスWAに
は、ゲート617を介して、到着セルのRT/CLSが
与えられている。尚、ゲート617は、紛失信号が到着
したときのみ、RT/CLSを上記レジスタ616に伝
えるよう制御されている。なお、制御部11には、信号
線18を介して、上記輻輳信号と共にA、Athも通知
される。
【0073】大小判定回路610からは、L=Lth
(ステップ504)を示す信号が出力され、この信号
は、OR回路614を介して、セレクタ603と607
に入力される。この時、セレクタ603、607はそれ
ぞれ「1」を選択し、メモリ601、602のA、L格
納領域に初期値が格納され、これによって、A、Lの初
期化(ステップ508、509)が行なわれる。
【0074】NAND回路613は、大小判定回路61
0と608の出力を受け、L≠Lth(ステップ50
4)とA>Ath(ステップ511)の2つの条件が成
立した時、検出信号を出力する。NAND回路613の
出力信号は、OR回路614を介してセレクタ603と
607に入力される。この時、セレクタ603と607
は、それぞれ「1」を選択し、これによって値AとLが
初期化される(ステップ508、509)。
【0075】AND回路612は、上記NAND回路6
13の出力と、大小判定回路609の出力が入力され、
A≧lAth(ステップ512)が成立した時、過剰品
質を示す通知信号を出力する。この通知信号は、信号線
18を介して、制御部11に通知される(ステップ51
3)。尚、制御部11には、信号線18を介して、RT
/CLS、A、Ath、L、Lthも通知される。
【0076】以上説明した回路動作により、輻輳状態、
または過剰品質状態にあるキューが検出され、制御部1
1に通知され、キューが輻輳状態になったことが、レジ
スタ616に記憶される。尚、閾値AthとLthの値
は、初期設定時に、制御部11が信号線18を介してメ
モリ601、602に設定する。また、輻輳表示レジス
タ616に記憶されたの輻輳表示フラグの解除は、制御
部11が信号線18を介して行なう。輻輳表示フラグの
解除については、図11、図13を参照して後述する。
【0077】上述した輻輳検出方法によれば、L=Lt
hが成立した時点で輻輳検出信号が出力される。従っ
て、輻輳制御を高速に行ない、その後のセルの紛失を防
止すれば、セル紛失率をCLRmax=Lth/Ath
以下にすることができる。
【0078】次に、図7を参照して、輻輳制御を行なう
帯域融通部13の構成と動作について説明する。
【0079】帯域融通部13は、各キューQ(CLS,
RT)に割り当てられた読み出し帯域BW(CLS,R
T)に応じてRT/CLSを出力し、これを信号線17
を介してライト/リード制御回路8に供給すると共に、
輻輳表示レジスタ616を監視し、輻輳状態のキューが
あった場合、輻輳状態のキューに予備帯域を与える。ラ
イト/リード制御回路8は、上記帯域融通部13から与
えられたRT/CLSに応じて、セルバッファ4の該当
Q(CLS,RT)からセルを読み出す。
【0080】上記帯域融通部13は、図7に示すよう
に、RTカウンタ701と、輻輳クラスレジスタ702
と、最大値レジスタ703、706と、タイマ704
と、CLSテーブル705と、一致検出回路707、7
08、711と、デコーダ709と、レジスタ711、
714と、セレクタ712、713とから構成される。
【0081】先ず、読み出し帯域BWに応じて、信号線
17へRT/CLSを出力する動作について説明する。
RTカウンタ701は、セルバッファ4から読み出され
たセルの出力先となる出力回線番号(RT)を指定す
る。1セル時間(期間)内に各出力回線に対して1個ず
つセルを読み出すため、上記RTカウンタ701は、
「1セル時間/出力回線数n」の周期で1づつインクリ
メントされ、1セル時間内に1〜nのカウント値を昇順
に出力する。最大値レジスタ703は、出力回線数nの
値を記憶している。
【0082】タイマ704は、上記RTカウンタ701
からの出力を入力として、1セル時間周期で1づつイン
クリメント動作し、Tmax(セル時間)内に1〜Tm
axのカウント値を昇順に出力する。すなわち、タイマ
704は、セル時間を単位として、時刻値を1〜Tma
xの範囲で出力する。最大値レジスタ706は、時刻値
の最大値Tmaxを記憶している。
【0083】RTカウンタ701から出力された出力回
線番号(RT)と、タイマ704から出力された時刻値
は、CLSテーブル705に入力される。CLSテーブ
ル705には、上記時刻値と上記出力番号(RT)とに
対応して、セル読み出しすべき品質クラス番号(CL
S)を記憶している。
【0084】図8は、CLSテーブル705に記憶され
るデ−タの1例を示す。欄801は出力回線番号(R
T)、欄802は時刻、欄803は、セル読み出し権利
をもつ品質クラス番号(CLS)をそれぞれ示す。図8
では、説明を簡単にするために、出力回線RT=nと対
応するテーブル部分のみを示し、他の出力回線と対応す
る部分は、図面から省略してある。
【0085】この例で、品質クラス1は、12セル時間
内に4回の割合のセル読み出し権利を有する。従って、
クラス1の読み出し帯域は、 BW(1,n)=4/12×156=52Mbps となる。これと同様に、クラス2、クラス3の割当て帯
域と、予備帯域Resは次のようになる。 BW(2,n)=4/12×156=52Mbps BW(3,n)=3/12×156=36Mbps BW(res,n)=1/12×156=12Mbps なお、CLSテーブル705への格納品質クラス番号の
格納は、初期設定時に制御部11が、読み出し帯域BW
に応じて信号線18を介して行う。
【0086】CLSテーブル705から出力された品質
クラス番号(CLS)は、セレクタ713と信号線17
を介して、ライト/リード制御回路8に与えられる。R
Tカウンタ701出力も、上記信号線17を介して上記
ライト/リード制御回路8に与えられる。すなわち、信
号線17上に、読みだし帯域BWに応じたRT/CLS
が出力され、ライト/リード制御回路8は、上記RT/
CLSで特定されたキューQ(CLS,RT)からセル
の読み出しを行なう。
【0087】次に、輻輳状態のキューに対する予備帯域
の割当て動作について説明する。
【0088】輻輳クラスレジスタ702は、出力回線対
応に輻輳状態にあるキューの品質クラス番号(CLS)
を記憶している。また、レジスタ710は、予備帯域を
示すビットパターンを記憶している。一致検出回路71
1は、CLSテーブル705の出力と上記レジスタ71
0が記憶している予備帯域を示すビットパターンとを比
較する。一致検出信号は、セレクタ713に制御入力と
して入力され、この時(テーブル705の出力が予備帯
域を示す場合)、セレクタ713は、輻輳クラスレジス
タ702に記憶されているクラス番号を選択して、CL
Sとして出力する。これによって、輻輳状態にあるキュ
ーQ(CLS,RT)に対して、予備帯域BW(re
s,RT)が割り当てられる。
【0089】次に、輻輳表示レジスタ616に記憶され
ている輻輳表示フラグに基づいて、輻輳クラスレジスタ
702に輻輳状態キューの品質クラス番号(CLS)を
格納する動作について説明する。
【0090】RTカウンタ701から出力される出力回
線番号(RT)と、CLSテーブル705から出力され
る品質クラス番号(CLS)は、輻輳表示レジスタ61
6に読み出しアドレス(RA)として入力される。RT
CとLSで指定されたキューQ(CLS,RT)が輻輳
状態にあれば、上記輻輳表示レジスタ616から輻輳を
示す値「1」が出力される。一致検出回路707は、上
記輻輳表示レジスタ616の出力が「1」であることを
検出すると、一致検出信号をデコーダ709に入力す
る。レジスタ616出力が「1」の時、デコーダ709
から与えられる制御信号によって、セレクタ712が、
テーブル705から出力された品質クラス番号(CL
S)を選択し、これを出力回線(RT)対応に輻輳クラ
スを記憶するための輻輳クラスレジスタ702に与え
る。
【0091】一致検出回路708は、レジスタ702に
記憶されている輻輳中の品質クラス番号と、テーブル7
05から出力された品質クラス番号との一致を検出す
る。テーブル705の出力とレジスタ702の出力とが
一致し、レジスタ616出力が「1」でない場合は、レ
ジスタ702にされていたクラスの輻輳が解消したもの
と判断し、セレクタ712で、レジスタ714に記憶さ
れている予備帯域を示すビットパターンを選択出力し、
レジスタ702の記憶内容を上記予備帯域(res)の
ビットパターンに変更する。また、レジスタ702の出
力とテーブル705の出力とが一致せず、且つ、レジス
タ616の出力が「1」でない場合は、レジスタ702
に記憶されているクラスの輻輳が未だ継続しているもの
と判断し、セレクタ712でレジスタ702の出力を選
択する。
【0092】以上、図5〜図7で説明したように、輻輳
検出部22は、紛失セル数に基づいて輻輳状態にあるキ
ューQ(CLS,RT)を検出し、輻輳表示レジスタ6
16内の上記キューQ(CLS,RT)と対応する記憶
領域に、輻輳の発生を示すフラグ情報を記憶する。帯域
融通部13は、読み出し帯域BWに応じたRT/CLS
を信号線17に出力すると共に、輻輳表示レジスタ61
6の記憶内容に応じて、輻輳状態にあるキューに対して
予備帯域を割り当てる。
【0093】図8に示したテーブル構成の場合、12セ
ル時間に1回の割合で、予備帯域割当て処理用の時間帯
が用意されているため、輻輳が検出された後、最悪でも
12セル時間後(約32μs後)には、輻輳キューに対
して予備帯域の割り当てを完了できる。すなわち、紛失
セル数がLthに等しくなった時点で、輻輳が検出さ
れ、予備帯域が割り当てられる。この場合、輻輳キュー
に対して十分容量の予備帯域を用意しておけば、予備帯
域割当て後のセルの紛失を防止でき、予備帯域の割当て
を完了する迄の12セル時間内にセル紛失が発生しない
限り、セル紛失率をCLRmax=Lth/Ath以下
に制御できる。
【0094】次に、図9に示す構成図と、図10〜図1
3に示すフローチャートを参照して、制御部11の構成
と動作について説明する。
【0095】制御部11は、図9に示すように、呼処理
用プロセッサ901と、ROM902と、最適化部90
3と、所要帯域格納部904と、帯域管理用メモリ90
5、等から構成される。
【0096】制御部11は、加入者端末から送出される
発呼要求や呼切断要求に応答した呼設定/呼切断処理
と、輻輳制御回路9から送出される輻輳通知や過剰品質
通知に応答した最適化処理を行う。尚、発呼要求と呼切
断要求は、入力回線1、多重部3、セルバッファ4、分
離部5、信号線20、アダプテーション回路10を介し
て制御部11に到着する。
【0097】加入者は、発呼要求時に、通信相手(宛先
装置)を示す番号情報と、トラヒック特性(最大速度M
AX(bps)、平均速度AVE(bps)、バースト
長BURST(セル))と、品質クラス番号(CLS)
を申告する。アダプテーション回路10は、発呼要求と
申告値デ−タを受信すると、これらの受信情報を一時的
に保持し、プロセッサ901に対して割込みをかける。
【0098】プロセッサ901は、上記割込みに応答し
て、アダプテーション回路10から、発呼要求を示すビ
ットパターンと申告値デ−タを読み出す。発呼要求時に
は、プロセッサ901は、図10に示すフローチャート
に従った制御動作を行なう。先ず、宛先装置番号に基づ
いてテーブル915を参照し、宛先装置と接続された出
力回線(RT)を決定する。また、申告されたCLS
と、決定されたRTとに基づいて、その加入者が使用す
るキューQ(CLS,RT)を決定する(図10のステ
ップ1002)。
【0099】上記加入者と宛先装置との間の通信に必要
な帯域、即ち、所要帯域ρvir(bps)は、申告さ
れたトラヒック特性、品質クラス、加入者が使用するキ
ューQ(CLS,RT)の容量CP(CLS,RT)、
読み出し帯域BW(CLS,RT)に依存する。例え
ば、通信速度(MAX,AVE)、バースト長(BUR
ST)が大きい程、あるいは、要求セル紛失率が小さい
程、所要帯域ρvirは大きくなる。また、キュー容量
CPと読み出し帯域BWが大きい程、所要帯域ρvir
は小さくて済む。
【0100】所要帯域ρvirの大きさは、数学的な解
析、または計算機シミュレーションにより算出すること
ができる。この算出は、発呼要求の都度、行う必要は無
く、予めオフラインで算出しておいても構わない。所要
帯域ρvirテーブル912は、予め算出された所要帯
域ρvirをテーブルとして記憶しておくためのメモリ
であり、アドレスデコーダ911は、申告値(MAX,
AVE,BURST)と、加入者が属する品質クラス
(CLS)と、加入者が使用するキューの容量(CP)
と、読み出し帯域(BW)とに基づいて、テーブル91
2から所要帯域ρvirを読み出すためのアドレスを出
力する。
【0101】プロセッサ901は、所要帯域ρvirを
テーブル912より読み出し(ステップ1003)、こ
れをキューQ(CLS,RT)に既に収容済みの呼の所
要帯域ρvirの総和ρ(bps)に加える(ステップ
1004)。尚、ρの値は、キューQ(CLS,RT)
対応にメモリ914に格納されている。
【0102】 ρ + ρvir < ρmax ……(数13) が成立した場合は、発呼要求を許可し、上記呼をキュー
Q(CLS,RT)に受け付ける。尚、ρmaxは受付
可能な最大帯域を示し、キューQ(CLS,RT)対応
にメモリ914に格納されている。
【0103】所要帯域ρvirの算出値に誤差が含まれ
なければ、 ρmax=BW(CLS,RT) ……(数14) が成立する。しかしながら、通常の場合、所要帯域ρv
irの計算には近似式が使用されるため、近似の影響で
算出値に誤差が含まれ、必ずしも上記数式14が成立す
るとは限らない。
【0104】数式14が成立した場合は、ρを次式に従
って変更し(ステップ1005)、メモリ914に格納
する。 ρ = ρ + ρvir ……(数15) 次に、呼設定を行う(ステップ1006)。呼設定と
は、加入者への識別子(VPI/VCI)の付与、RT
/CLSテーブル13とテーブル913の設定等の処理
を言う。上記テーブル913には、VPI/VCI対応
に、所要帯域ρvir、出力回線番号(RT)、品質ク
ラス番号(CLS)を記憶する。
【0105】これらの呼設定動作が終わると、呼受付通
知を加入者端末に送る(ステップ1007)。上記通知
は、アダプテーション回路10、多重部3、セルバッフ
ァ4、分離部5、出力回線7と経由して、加入者端末に
伝えられる。上記呼受付通知は、上記付与された識別子
(VPI/VCI)を含み、その後に加入者端末から受
信されるセルのVPI/VCI領域には、今回付与した
識別子が設定されている。
【0106】ステップ1004において、数式13が成
立しない場合は、呼損通知を加入者端末に送る(ステッ
プ1009)。
【0107】加入者端末から呼切断通知が到着したと
き、上述した呼設定要求時と同様、アダプテーション回
路10からプロセッサ901に割込みがかかる。プロセ
ッサ10は、呼切断通知を受け取ると、図11のフロー
チャートに従った制御動作を実行する。
【0108】先ず、到着セルのVPI/VCIに基づい
て、テーブル913から所要帯域ρvirを読み出し
(ステップ1102)、メモリ914中のρを、次式に
基づいて変更する(ステップ1103)。 ρ = ρ − ρvir ……(数16) 次に、呼の解除処理を行う(ステップ1104)。呼の
解除処理では、RT/CLSテーブル13とテーブル9
14において、切断対象となったVPI/VCI領域を
クリアする。図11のステップ1105〜1107につ
いては、次の最適化部903の動作のなかで説明する。
【0109】最適化部903は、インタフェース用メモ
リ906、910と、ROM907と、最適化用プロセ
ッサ909と、OR回路908とより構成される。RO
M907には、プロセッサ909が実行するプログラム
が格納されている。
【0110】ここで言う「最適化」とは、数式13の右
辺にあるρmaxの最適化を意味する。数式14で説明
したように、所要帯域ρvirの算出値には近似誤差等
が含まれるため、必ずしも数式14が成立するとは限ら
ないため、ρmaxの値は最適化しておく必要がある。
本実施例では、ρmaxの値を、品質クラス、および出
力回線対応に最適化する。記述を簡単にするため、クラ
ス番号がCLS、出力回線番号がRTと対応するρma
x(CLS,RT)を、特に指定しない限り、単にρm
axと表記する。
【0111】最適化部903は、輻輳通知が到着する
と、ρmaxが大き過ぎたために輻輳が発生したものと
判断して、ρmaxに関して数式7に示す変更を行う。 ρmax=ρ−Δ ……(数7) ただし、Δ=a(Ath−A) ……(数17) であり、Aは、Lth個のセルが紛失する間に到着した
セルの個数を示し、Aが小さいほどセルの紛失率は大き
い。従って、本実施例では、Aが小さいほど増加する補
正値Δを、ρより指し引くことによって、ρmaxの値
を変更する。尚、補正値Δにおけるaは、正の定数であ
る。
【0112】輻輳が検出された時、輻輳制御回路9は、
輻輳通知と、輻輳状態にあるキュー12のクラス番号C
LSと、出力回線番号RTと、該キュー12に割り当て
られた閾値Athと、該キュー12への到着セル数A
を、信号線18を介して、インタフェース用メモリ91
0に格納する。
【0113】インタフェース用メモリ910は、品質状
態格納領域、A/Ath格納領域、L/Lth格納領
域、およびRT/CLS格納領域からなり、輻輳通知を
示すビットパターンは、品質状態格納領域に格納され
る。また、上記インタフェース用メモリ910は、複数
の輻輳通知および過剰品質通知を格納できるFIFOメ
モリ構造を有し、輻輳制御回路9は、輻輳通知等を上記
メモリ910に格納した時、プロセッサ909に対して
割込み信号を送る。
【0114】上記割込みを受けたプロセッサ909は、
メモリ910の品質状態格納領域の内容を読み出し、も
し、輻輳通知が格納されていた場合は、図12に示すフ
ローチャートに示すように、先ず、A、Ath、RT、
CLSの値をメモリ910から読み出して、数式17を
実行する(ステップ1202)。
【0115】プロセッサ909は、次に、輻輳通知と
Δ、RT、CLSをインタフェース用メモリ906に格
納し、プロセッサ901に割込み信号を送る。プロセッ
サ901は、メモリ901に記憶されているρmax
(RT,CLS)の値を、数式7に従って変更する(ス
テップ1203)。さらに、メモリ914内にある品質
クラス番号CLSと出力回線番号RTとに対応した輻輳
表示領域に、輻輳を示すビットパターンを記憶する(ス
テップ1204)。これによって、図12のルーチンが
終了する(ステップ1205)。
【0116】過剰品質通知が到着した時、ρ=ρmax
が成立している場合は、ρmaxが小さ過ぎたため、過
剰品質状態が生じたものと判断し、ρmaxを数式8に
従って変更する。 ρmax=ρ+Δ ……(数8) Δ=b{Lth(A/L)−Ath} ……(数18) ここで、Aは、L個のセルが紛失する迄に到着したセル
の個数を示し、Lth(A/L)は、Lth個のセルが
紛失する迄に到着すると予想されるセルの個数を示す。
本実施例では、セル紛失率が小さくなるに従って増加す
るような補正値Δをρに加えるようにしている。尚、b
は、正の定数である。
【0117】過剰品質状態が検出された時、輻輳制御回
路9は、過剰品質通知と、過剰品質状態にあるキュー1
2のクラス番号CLSと、出力回線番号RTと、該キュ
ー12に割り当てられた閾値Ath、Lthと、該キュ
ー12への到着セル数Aと、該キューでの紛失セル数L
を、信号線18を介して、インタフェース用メモリ91
0に格納する。過剰品質通知は、インタフェース用メモ
リ910内の品質状態格納領域に記憶される。輻輳制御
回路9は、過剰品質通知等をメモリ910に格納した
時、プロセッサ909に割込み信号を送る。
【0118】上記割込みを受けたプロセッサ909は、
メモリ910の品質状態格納領域の内容を読み出し、も
し、過剰品質通知が格納されていた場合、図13に示す
ように、A、Ath、L、Lth、RT、CLSの値を
メモリ910から読み出し、数式18を実行する(ステ
ップ1302)。
【0119】プロセッサ909は、次に、過剰品質通知
と、Δ、RT、CLSをインタフェース用メモリ906
に格納した後、プロセッサ901に割込み信号を送る。
プロセッサ901は、メモリ914を検索し、Q(CL
S,RT)の既使用帯域ρ(CLS,RT)に関して、 ρ(CLS,RT)=ρmax(CLS,RT) ……(数19) が成立するか否かをチェックする(ステップ130
3)。
【0120】もし、数式19が成立した場合は、数式8
を実行し(ステップ1304)、メモリ914に記憶さ
れてえいるρの値を更新する。さらに、メモリ914の
輻輳表示領域を検索し、Q(CLS,RT)が輻輳状態
にある場合は、輻輳表示をクリアすると共に、信号線1
8を介して、輻輳表示レジスタのQ(CLS,RT)領
域に格納されている輻輳表示をクリアし(ステップ13
06)、図13のルーチンを終了する(ステップ130
7)。
【0121】上記した輻輳表示のクリア動作は、図11
に示した呼切断要求時にも実行される。呼切断時(ステ
ップ1104)に、切断対象の呼が使用中のキューが輻
輳状態にあることがメモリ914に表示されており(ス
テップ1106)、且つ、呼切断によりρ<ρmaxが
成立する場合(ステップ1105)は、輻輳表示をクリ
アする(ステップ1107)。クリアの対象は、メモリ
914とレジスタ616にある切断対象呼に関する輻輳
表示格納値である。
【0122】図14は、上述した本発明におけるρma
xの最適化の過程を概念的に示した図である。グラフの
縦軸1406はρmaxを示し、横軸1407は経過時
間を示す。
【0123】ここで、実線1401、1402、140
3は、それぞれρmaxの変動を示し、破線1404、
1405はρmaxの収束値(最適化された値)を示
す。直線1401は、ρvirの算出に誤差がない場合
(理想状態)のρmaxを示し、曲線1402と140
3は、誤差があった場合のρmaxの変動を示す。ρm
axの初期値はBWであり、曲線1402と1403
は、それぞれ次式20、21の条件と対応している。 ρmax(収束値) > BW ……(数20) ρmax(収束値) < BW ……(数21) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ρm
axを最適化できる。一般の解析では、結果的に、数式
20を満足するように安全側の近似を行って仮想帯域ρ
virを算出しておき、 ρmax ≦ BW ……(数22) の条件で運用するため、未使用になっていた帯域、すな
わち、 未使用帯域≧ρmax(収束値) − BW ……(数23) が有効利用できるようになる。
【0124】また、輻輳制御回路9を使用して、予備帯
域を輻輳キューに迅速に割り当てることによって、上述
した輻輳発生を利用してρmaxの最適化を行っても、
セル紛失率が要求値CLRmaxを越えることはない。
また、過剰品質通知が到着した時、ρmaxを増加させ
て積極的に輻輳を発生させ、輻輳制御回路9から通知さ
れる紛失セル数等をもとに、制御部11でρmaxの最
適化を行うようにすることによって、収束に要する時間
を短縮できる。また、最適化終了後は、輻輳発生の確率
が低下するため、例えば、予備帯域の大きさを削減した
場合、帯域を更に有効に活用することができる。
【0125】尚、実施例では品質クラス対応にバッファ
を設けたが、これらのバッファは、仮想パス(VP)対
応に設けてもよく、その場合は、VP対応に呼受付制御
の最適化を図ることができる。
【0126】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、出力回線帯域を複数のキューに専用の帯域と
予備の帯域とに分割し、キュー対応に紛失セルに個数を
観測することによって、或るキューで輻輳が発生したと
き、該輻輳キューに予備帯域を瞬時に割り当て、輻輳状
態から迅速に脱することが可能となる。また、呼受付制
御を担当する制御部において、セルの紛失状況に基づい
て、キュー対応に使用率の最適化を図ることによって、
出力回線の使用率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輻輳制御方法を適用するノード装置の
1実施例を示すブロック図。
【図2】セルの構成を示す図。
【図3】複数のキューをもつセルバッファ4の構成を示
す図。
【図4】ライト/リード制御回路8の構成を示す図。
【図5】本発明の輻輳検出方法を説明するためのフロー
チャート。
【図6】図1における輻輳検出部22の具体的な構成を
示す図。
【図7】図1における帯域融通部13の具体的な構成を
示す図。
【図8】図7におけるCLSテーブル705の具体的な
構成示す図。
【図9】図1における制御部11の詳細な構成を示す
図。
【図10】制御部11で実行する発呼要求処理のフロー
チャート。
【図11】制御部11で実行する呼切断処理のフローチ
ャート。
【図12】制御部11で実行する輻輳通知到着時の最適
化処理のフローチャート。
【図13】制御部11で実行する過剰品質状態通知到着
時の最適化処理のフローチャート。
【図14】本発明の効果の1例を説明するための図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 昇 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−119845(JP,A) 特開 平3−48553(JP,A) 特開 平3−291039(JP,A) 特開 平1−225259(JP,A) 電子情報通信学会技術研究報告 SS E89−147 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28 H04L 12/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力回線から受信したセルに含まれる情報
    をバッファメモリ内のキューに一時格納した後、上記
    ルの論理チャネル番号で決まる何れかの出力回線に転送
    出力する交換ノードの輻輳制御方法において、 上記バッファメモリ内に通信品質クラス別に出力回線対
    応の複数のキューを形成し、各出力回線の帯域を予め上
    記キューに専用の帯域と予備の帯域に分割しておき、上
    記各セル毎にセルの格納による通信品質の変化を観測
    し、何れかのキューにおいて観測値が閾値を越えた
    、該キューに上記予備の帯域を割り当てることを特徴
    とする輻輳制御方法。
  2. 【請求項2】通信品質が一時的に要求品質より劣化する
    ように前記各出力回線の利用率を設定しておき、前記観
    測された通信品質に応じて上記回線利用率を変更するこ
    を特徴とする請求項1に記載の輻輳制御方法。
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