JP3078466B2 - 大気圧プラズマ発生装置及びその装置を用いた大気圧プラズマ発生方法 - Google Patents
大気圧プラズマ発生装置及びその装置を用いた大気圧プラズマ発生方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気圧下で空気中でも
安定したグロー放電を発生させることができる大気圧プ
ラズマ発生装置及びその装置を用いた大気圧プラズマ発
生方法に関する。
安定したグロー放電を発生させることができる大気圧プ
ラズマ発生装置及びその装置を用いた大気圧プラズマ発
生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大気圧下で放電を発生させる方法
は数多く開発されている。例えば、コロナ処理装置や無
声放電、沿面放電によるオゾナイザー等が挙げられる。
コロナ放電は、尖った放電電極となめらかな電極とを向
かい合わせて直流高電圧を加えると、気体の局所的な絶
縁破壊が起こり、気体がプラズマ化することによって発
生する。これはストリーマ状であり気体中できわめて電
流密度の高い部分と放電が生じていない部分とが混在し
た状態である。また沿面放電は、セラミック等の無機物
表面と内部に電極を形成し、交流電界を印加するとセラ
ミック表面に放電が発生するもので、極めて部分的な放
電である。特開昭63−50478号公報に開示されて
いるように、均一な放電であるグロー放電を大気圧下で
発生させる方法も近年開発されているが、ヘリウムやア
ルゴン等の高価なガスが必要であるという欠点があっ
た。また、特開平5−155605号公報又は特開平6
−119995号公報に開示されているように、電極の
工夫により、空気や窒素等のグロー放電を発生させる方
法もあるが、放電空間が極めて小さく、また放電の安定
化にも問題があった。また、誘電体セラミックを金網状
電極間に充填し交流電界を印加することにより強い部分
放電を発生する方法も報告されているが、無機物を充填
する必要性のため、極めて高い印加電圧を必要とすると
いう問題があった。
は数多く開発されている。例えば、コロナ処理装置や無
声放電、沿面放電によるオゾナイザー等が挙げられる。
コロナ放電は、尖った放電電極となめらかな電極とを向
かい合わせて直流高電圧を加えると、気体の局所的な絶
縁破壊が起こり、気体がプラズマ化することによって発
生する。これはストリーマ状であり気体中できわめて電
流密度の高い部分と放電が生じていない部分とが混在し
た状態である。また沿面放電は、セラミック等の無機物
表面と内部に電極を形成し、交流電界を印加するとセラ
ミック表面に放電が発生するもので、極めて部分的な放
電である。特開昭63−50478号公報に開示されて
いるように、均一な放電であるグロー放電を大気圧下で
発生させる方法も近年開発されているが、ヘリウムやア
ルゴン等の高価なガスが必要であるという欠点があっ
た。また、特開平5−155605号公報又は特開平6
−119995号公報に開示されているように、電極の
工夫により、空気や窒素等のグロー放電を発生させる方
法もあるが、放電空間が極めて小さく、また放電の安定
化にも問題があった。また、誘電体セラミックを金網状
電極間に充填し交流電界を印加することにより強い部分
放電を発生する方法も報告されているが、無機物を充填
する必要性のため、極めて高い印加電圧を必要とすると
いう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の事実に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、空気
や窒素、酸素等のガスを使用しても、均質なグロー放電
を極めて小さい印加電力で発生させることができ、エネ
ルギー効率、反応効率に優れた大気圧プラズマ発生装置
及びその装置を用いた大気圧プラズマ発生方法を提供す
ることにある。
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、空気
や窒素、酸素等のガスを使用しても、均質なグロー放電
を極めて小さい印加電力で発生させることができ、エネ
ルギー効率、反応効率に優れた大気圧プラズマ発生装置
及びその装置を用いた大気圧プラズマ発生方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
大気圧プラズマ発生装置は、交流電源5と接続される電
極1aと接地電極1bとから成る電極対1を設けて、ガ
スの存在下で、前記電極対1間に交流電界を印加して、
大気圧下でグロー放電プラズマを発生させる大気圧プラ
ズマ発生装置において、前記電極対1間に、導電体2の
全面に絶縁体3を被覆して形成した粒状体4を充填する
ことを特徴とする。
大気圧プラズマ発生装置は、交流電源5と接続される電
極1aと接地電極1bとから成る電極対1を設けて、ガ
スの存在下で、前記電極対1間に交流電界を印加して、
大気圧下でグロー放電プラズマを発生させる大気圧プラ
ズマ発生装置において、前記電極対1間に、導電体2の
全面に絶縁体3を被覆して形成した粒状体4を充填する
ことを特徴とする。
【0005】本発明の請求項2に係る大気圧プラズマ発
生装置は、前記導電体2が金属であり、絶縁体3が無機
誘電体であることを特徴とする。
生装置は、前記導電体2が金属であり、絶縁体3が無機
誘電体であることを特徴とする。
【0006】本発明の請求項3に係る大気圧プラズマ発
生装置は、前記電極対1が金属網であることを特徴とす
る。
生装置は、前記電極対1が金属網であることを特徴とす
る。
【0007】本発明の請求項4に係る大気圧プラズマ発
生方法は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の大
気圧プラズマプラズマ発生装置を用いて、ガスの存在下
で、前記電極対1間に交流電界を印加して、大気圧下で
グロー放電プラズマを発生させることを特徴とする。
生方法は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の大
気圧プラズマプラズマ発生装置を用いて、ガスの存在下
で、前記電極対1間に交流電界を印加して、大気圧下で
グロー放電プラズマを発生させることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項5に係る大気圧プラズマ発
生方法は、前記ガスが空気を主成分とすることを特徴と
する。
生方法は、前記ガスが空気を主成分とすることを特徴と
する。
【0009】
【作用】本発明の請求項1に係る大気圧プラズマ発生装
置は、交流電源5と接続される電極1aと接地電極1b
とから成る電極対1を設けて、ガスの存在下で、前記電
極対1間に交流電界を印加して、大気圧下でグロー放電
プラズマを発生させる大気圧プラズマ発生装置におい
て、前記電極対1間に、導電体2の全面に絶縁体3を被
覆して形成した粒状体4を充填するので、粒状体4中の
導電体2が小さい電極を構成し、また、絶縁体3が誘電
体バリアを構成し、いわゆる誘電体バリア放電により、
粒状体4と粒状体4との間隙でガスがプラズマ化する。
この粒状体4の間隙が小さいので、酸素や窒素などの放
電開始電圧の大きいガスであっても、極めて小さい印加
電力で均質なグロー放電を発生させることができ、プラ
ズマ化できる。
置は、交流電源5と接続される電極1aと接地電極1b
とから成る電極対1を設けて、ガスの存在下で、前記電
極対1間に交流電界を印加して、大気圧下でグロー放電
プラズマを発生させる大気圧プラズマ発生装置におい
て、前記電極対1間に、導電体2の全面に絶縁体3を被
覆して形成した粒状体4を充填するので、粒状体4中の
導電体2が小さい電極を構成し、また、絶縁体3が誘電
体バリアを構成し、いわゆる誘電体バリア放電により、
粒状体4と粒状体4との間隙でガスがプラズマ化する。
この粒状体4の間隙が小さいので、酸素や窒素などの放
電開始電圧の大きいガスであっても、極めて小さい印加
電力で均質なグロー放電を発生させることができ、プラ
ズマ化できる。
【0010】本発明の請求項2に係る大気圧プラズマ発
生装置は、前記導電体2が金属であり、絶縁体3が無機
誘電体であるので、耐久性、耐熱性に優れる。
生装置は、前記導電体2が金属であり、絶縁体3が無機
誘電体であるので、耐久性、耐熱性に優れる。
【0011】本発明の請求項3に係る大気圧プラズマ発
生装置は、前記電極対1が金属網であるので、ガスが電
極対1を通過することができる。
生装置は、前記電極対1が金属網であるので、ガスが電
極対1を通過することができる。
【0012】本発明の請求項4に係る大気圧プラズマ発
生方法は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の大
気圧プラズマプラズマ発生装置を用いて、ガスの存在下
で、前記電極対1間に交流電界を印加して、大気圧下で
グロー放電プラズマを発生させるので、粒状体4と粒状
体4との間隙でガスがプラズマ化する。
生方法は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の大
気圧プラズマプラズマ発生装置を用いて、ガスの存在下
で、前記電極対1間に交流電界を印加して、大気圧下で
グロー放電プラズマを発生させるので、粒状体4と粒状
体4との間隙でガスがプラズマ化する。
【0013】本発明の請求項5に係る大気圧プラズマ発
生方法は、前記ガスが空気を主成分とするので、オゾン
が生成されるため、空気中に微量の不純物ガスが存在す
る場合には、この不純物ガスが分解される。
生方法は、前記ガスが空気を主成分とするので、オゾン
が生成されるため、空気中に微量の不純物ガスが存在す
る場合には、この不純物ガスが分解される。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例に係る図面に基づいて説
明する。
明する。
【0015】図1(a)及び図1(b)は、本発明に係
る大気圧プラズマ発生装置の一実施例の概略図である。
る大気圧プラズマ発生装置の一実施例の概略図である。
【0016】本発明に係る大気圧プラズマ発生装置は、
図1(a)及び図1(b)に示すように、交流電源5と
接続される電極1aと接地電極1bとから成る電極対1
を設けて、ガスの存在下で、前記電極対1間に交流電界
を印加して、大気圧下でグロー放電プラズマを発生させ
て、例えば、各種の表面処理やオゾン発生、排ガス処理
等を行うことができるものである。前記電極対1間に、
図2(a)に示すように、導電体2の全面に絶縁体3を
被覆して形成した粒状体4を充填する。前記導電体2と
しては、ステンレス、銅、真鍮、アルミニウム、鉄、タ
ングステン、ニッケル、タンタル等の金属又はカーボン
等が挙げられるが、耐久性、耐熱性を必要とする場合に
は、金属が優れている。また、絶縁体3としてはナイロ
ン、ポリエステル、ポリイミド、テフロン、ポリサルフ
ォン、エポキシ等の有機物又は無機物いずれも使用でき
るが、耐久性、耐熱性を必要とする場合には、ガラス、
セラミックス、ほうろう等の無機誘電体が優れている。
導電体2の全面に絶縁体3を被覆する方法としては特に
限定されないが、例えば、溶射法、ゾルゲル溶液のコー
ティング及び加熱硬化、さらに、高融点金属を使用する
場合には、焼成法等が挙げられる。また、導電体2の全
面に絶縁体3として有機材料を被覆する場合には、例え
ば、加熱硬化により樹脂等の有機材料を導電体2の回り
に被覆する。導電体2と絶縁体3との間は出来るだけ間
隙なく密着させることが、放電効率を上げるために好ま
しい。前記粒状体4は、図2(b)に示すように、絶縁
体3の内部に導電体2が複数個存在するものであっても
よい。すなわち、導電体2が絶縁体3の中に分散されて
いてもよい。粒状体4の大きさとしては、用途により異
なるが、一般的には0. 1mmから数十mmのオーダー
である。形状は球状、角状又は不定形状いずれでもよく
限定されない。また、被覆厚みは粒状体、被覆方法によ
り異なる。
図1(a)及び図1(b)に示すように、交流電源5と
接続される電極1aと接地電極1bとから成る電極対1
を設けて、ガスの存在下で、前記電極対1間に交流電界
を印加して、大気圧下でグロー放電プラズマを発生させ
て、例えば、各種の表面処理やオゾン発生、排ガス処理
等を行うことができるものである。前記電極対1間に、
図2(a)に示すように、導電体2の全面に絶縁体3を
被覆して形成した粒状体4を充填する。前記導電体2と
しては、ステンレス、銅、真鍮、アルミニウム、鉄、タ
ングステン、ニッケル、タンタル等の金属又はカーボン
等が挙げられるが、耐久性、耐熱性を必要とする場合に
は、金属が優れている。また、絶縁体3としてはナイロ
ン、ポリエステル、ポリイミド、テフロン、ポリサルフ
ォン、エポキシ等の有機物又は無機物いずれも使用でき
るが、耐久性、耐熱性を必要とする場合には、ガラス、
セラミックス、ほうろう等の無機誘電体が優れている。
導電体2の全面に絶縁体3を被覆する方法としては特に
限定されないが、例えば、溶射法、ゾルゲル溶液のコー
ティング及び加熱硬化、さらに、高融点金属を使用する
場合には、焼成法等が挙げられる。また、導電体2の全
面に絶縁体3として有機材料を被覆する場合には、例え
ば、加熱硬化により樹脂等の有機材料を導電体2の回り
に被覆する。導電体2と絶縁体3との間は出来るだけ間
隙なく密着させることが、放電効率を上げるために好ま
しい。前記粒状体4は、図2(b)に示すように、絶縁
体3の内部に導電体2が複数個存在するものであっても
よい。すなわち、導電体2が絶縁体3の中に分散されて
いてもよい。粒状体4の大きさとしては、用途により異
なるが、一般的には0. 1mmから数十mmのオーダー
である。形状は球状、角状又は不定形状いずれでもよく
限定されない。また、被覆厚みは粒状体、被覆方法によ
り異なる。
【0017】電極1aと接地電極1bとから成る電極対
1の材料は金属の平板あるいは金属網が好ましい。金属
網の場合、ガスの種類により異なるが、0.01〜0.
5mm程度の太さの金属細線より構成されたものが好ま
しい。この金属網の材質としては、ステンレス、銅、真
鍮、アルミニウム、鉄、タングステン、ニッケル、タン
タル等が例示される。この金属網の織り方としては、例
えば、平織、綾織、畳織り等の各種の方法を採用するこ
とができる。
1の材料は金属の平板あるいは金属網が好ましい。金属
網の場合、ガスの種類により異なるが、0.01〜0.
5mm程度の太さの金属細線より構成されたものが好ま
しい。この金属網の材質としては、ステンレス、銅、真
鍮、アルミニウム、鉄、タングステン、ニッケル、タン
タル等が例示される。この金属網の織り方としては、例
えば、平織、綾織、畳織り等の各種の方法を採用するこ
とができる。
【0018】前記電極1aと接地電極1bとを略平行に
設置し、前記粒状体4を充填して、ガスの存在下で、前
記電極対1間に交流電界を印加することにより、大気圧
下で、粒状体4間に均質なグロー放電プラズマが発生す
る。このグロー放電プラズマ発生の機構は次のように考
えられる。すなわち、粒状体4中の導電体2が小さい電
極を構成し、また、絶縁体3が誘電体バリアを構成し、
いわゆる誘電体バリア放電により粒状体4間隙でガスが
プラズマ化する。粒状体4の間隙が小さいので、酸素や
窒素などの放電開始電圧の大きいガスであっても、均質
なグロー放電を極めて小さい印加電力で発生させること
ができ、プラズマ化できる。従って、空気でも放電でき
る。また水素、アルゴン、ヘリウムなどの放電開始電圧
の小さいガスは当然のことながらプラズマ化できる。前
述のように前記粒状体4が小さい誘電体バリアを構成す
るために、電極間隔及び電極サイズは任意に取ることが
出来るが、放電維持電圧はサイズに応じて高くなる。
設置し、前記粒状体4を充填して、ガスの存在下で、前
記電極対1間に交流電界を印加することにより、大気圧
下で、粒状体4間に均質なグロー放電プラズマが発生す
る。このグロー放電プラズマ発生の機構は次のように考
えられる。すなわち、粒状体4中の導電体2が小さい電
極を構成し、また、絶縁体3が誘電体バリアを構成し、
いわゆる誘電体バリア放電により粒状体4間隙でガスが
プラズマ化する。粒状体4の間隙が小さいので、酸素や
窒素などの放電開始電圧の大きいガスであっても、均質
なグロー放電を極めて小さい印加電力で発生させること
ができ、プラズマ化できる。従って、空気でも放電でき
る。また水素、アルゴン、ヘリウムなどの放電開始電圧
の小さいガスは当然のことながらプラズマ化できる。前
述のように前記粒状体4が小さい誘電体バリアを構成す
るために、電極間隔及び電極サイズは任意に取ることが
出来るが、放電維持電圧はサイズに応じて高くなる。
【0019】放電に必要な交流周波数は50Hz商用周
波数から高周波(MHz)の範囲で使用できる。本方法
を各種の処理に利用することが出来る。例えば、表面処
理として、プラズマ空間の下流に被処理物を設置する
と、プラズマ中でラジカル化したガスがまだ消滅しない
で残存し被処理物表面に作用して、いわゆる低温プラズ
マ処理が出来る。また、ガスが空気の場合には、空気が
放電空間を通過することによって、オゾンが生成され
る。本発明に係る大気圧プラズマ発生方法によると、放
電空間が大きいため、従来法と比べて発生効率が大きく
なる。また、アンモニアや硫化水素などの悪臭成分を含
んだガスを通過させることにより、これらの悪臭成分を
分解し、無害化出来る。これは放電が均一であるため、
従来法と比べて分解効率が高くなる。
波数から高周波(MHz)の範囲で使用できる。本方法
を各種の処理に利用することが出来る。例えば、表面処
理として、プラズマ空間の下流に被処理物を設置する
と、プラズマ中でラジカル化したガスがまだ消滅しない
で残存し被処理物表面に作用して、いわゆる低温プラズ
マ処理が出来る。また、ガスが空気の場合には、空気が
放電空間を通過することによって、オゾンが生成され
る。本発明に係る大気圧プラズマ発生方法によると、放
電空間が大きいため、従来法と比べて発生効率が大きく
なる。また、アンモニアや硫化水素などの悪臭成分を含
んだガスを通過させることにより、これらの悪臭成分を
分解し、無害化出来る。これは放電が均一であるため、
従来法と比べて分解効率が高くなる。
【0020】以下に本発明の大気圧プラズマ発生装置を
用いて大気圧プラズマを発生する方法の一例を挙げる。
用いて大気圧プラズマを発生する方法の一例を挙げる。
【0021】(実施例1)図1(a)に示す大気圧プラ
ズマ発生装置において、交流電源5と接続されるステン
レス製の電極1aと接地電極1bとから成る平行平板の
電極対1を3cmの間隔で設置した。直径3mmの銅粒
体のまわりにアルミナを溶射により100μmの厚みで
形成した粒状体4を前記電極対1の空間に充填した。こ
の電極対1の両端に60Hz、5KVの電圧を印加し乾
燥空気(窒素79%、酸素21%)を前記空間に10リ
ットル/分の流量で流通させてプラズマを発生させた。
プラズマ空間の下流(図示せず)に高密度ポリエチレン
フィルムを1分間設置した。このプラズマ処理を施した
高密度ポリエチレンフィルムをエポキシ接着剤を介して
アルミニウム板と張り合わせし、接着強度(剪断応力試
験)を測定したところ、プラズマ未処理品の接着強度が
500psiであるのに対して、プラズマ処理品の接着
強度は、2800psiであり、プラズマ未処理品と比
べてプラズマ処理品は、接着強度が大きく向上した。
ズマ発生装置において、交流電源5と接続されるステン
レス製の電極1aと接地電極1bとから成る平行平板の
電極対1を3cmの間隔で設置した。直径3mmの銅粒
体のまわりにアルミナを溶射により100μmの厚みで
形成した粒状体4を前記電極対1の空間に充填した。こ
の電極対1の両端に60Hz、5KVの電圧を印加し乾
燥空気(窒素79%、酸素21%)を前記空間に10リ
ットル/分の流量で流通させてプラズマを発生させた。
プラズマ空間の下流(図示せず)に高密度ポリエチレン
フィルムを1分間設置した。このプラズマ処理を施した
高密度ポリエチレンフィルムをエポキシ接着剤を介して
アルミニウム板と張り合わせし、接着強度(剪断応力試
験)を測定したところ、プラズマ未処理品の接着強度が
500psiであるのに対して、プラズマ処理品の接着
強度は、2800psiであり、プラズマ未処理品と比
べてプラズマ処理品は、接着強度が大きく向上した。
【0022】(実施例2)図1(b)に示す大気圧プラ
ズマ発生装置において、交流電源5と接続される線径
0.035mmで325メッシュのステンレス金網を電
極1aと接地電極1bとから成る電極対1として用い、
乾燥空気(窒素79%、酸素21%)を送入し、60H
z、5KVの電圧を印加してプラズマを発生させた。こ
のときのオゾン生成エネルギー効率を調べた。オシロス
コープで電流電圧特性を測定し、リサジュー図形を作成
して放電エネルギーを調べた結果、従来の無声放電によ
るオゾンの生成エネルギー効率に比べて効率が35%程
度向上することが確認できた。
ズマ発生装置において、交流電源5と接続される線径
0.035mmで325メッシュのステンレス金網を電
極1aと接地電極1bとから成る電極対1として用い、
乾燥空気(窒素79%、酸素21%)を送入し、60H
z、5KVの電圧を印加してプラズマを発生させた。こ
のときのオゾン生成エネルギー効率を調べた。オシロス
コープで電流電圧特性を測定し、リサジュー図形を作成
して放電エネルギーを調べた結果、従来の無声放電によ
るオゾンの生成エネルギー効率に比べて効率が35%程
度向上することが確認できた。
【0023】(実施例3)実施例2において、アンモニ
アガスを100ppm含有した乾燥空気(窒素79%、
酸素21%)をプラズマ空間に10リットル/分の流量
で流通させた。これに60Hz、5KVの電圧を印加し
てプラズマを発生させた。出口ガスの濃度をガス検知管
で分析した結果、アンモニア濃度が5ppmまで減少し
た。
アガスを100ppm含有した乾燥空気(窒素79%、
酸素21%)をプラズマ空間に10リットル/分の流量
で流通させた。これに60Hz、5KVの電圧を印加し
てプラズマを発生させた。出口ガスの濃度をガス検知管
で分析した結果、アンモニア濃度が5ppmまで減少し
た。
【0024】なお、実施例1乃至実施例3において、粒
状体4が導電体2の全面に絶縁体3を被覆して形成した
ものではなく、絶縁体3のみで形成した粒状体4を用い
た場合には、60Hz、5KVではもちろんのこと、6
0Hz、15KVの電圧を印加しても、プラズマが発生
しなかった。
状体4が導電体2の全面に絶縁体3を被覆して形成した
ものではなく、絶縁体3のみで形成した粒状体4を用い
た場合には、60Hz、5KVではもちろんのこと、6
0Hz、15KVの電圧を印加しても、プラズマが発生
しなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る大気圧プラズマ
発生装置によると、酸素、窒素又は空気等の放電開始電
圧の大きいガスであっても、極めて小さい印加電力で均
質なグロー放電を発生させることができるので、大気圧
下で空気中でも安定したグロー放電を発生させることが
でき、エネルギー効率、反応効率に優れた大気圧プラズ
マを発生させることができる。
発生装置によると、酸素、窒素又は空気等の放電開始電
圧の大きいガスであっても、極めて小さい印加電力で均
質なグロー放電を発生させることができるので、大気圧
下で空気中でも安定したグロー放電を発生させることが
でき、エネルギー効率、反応効率に優れた大気圧プラズ
マを発生させることができる。
【0026】本発明の請求項2に係る大気圧プラズマ発
生装置によると、前記導電体2が金属であり、絶縁体3
が無機誘電体であるので、前記に加えて、耐久性、耐熱
性に優れる。
生装置によると、前記導電体2が金属であり、絶縁体3
が無機誘電体であるので、前記に加えて、耐久性、耐熱
性に優れる。
【0027】本発明の請求項3に係る大気圧プラズマ発
生装置よると、前記電極対1が金属網であるので、ガス
が電極対1を通過することができるので、さらに、エネ
ルギー効率、反応効率に優れる。
生装置よると、前記電極対1が金属網であるので、ガス
が電極対1を通過することができるので、さらに、エネ
ルギー効率、反応効率に優れる。
【0028】本発明の請求項4に係る大気圧プラズマ発
生方法によると、請求項1乃至請求項3のいずれかに記
載の大気圧プラズマプラズマ発生装置を用いて、ガスの
存在下で、前記電極対1間に交流電界を印加して、大気
圧下でグロー放電プラズマを発生させるので、粒状体4
と粒状体4との間隙でガスがプラズマ化するので、極め
て小さい印加電力で均質なグロー放電を発生させること
ができるので、大気圧下で空気中でも安定したグロー放
電を発生させることができ、エネルギー効率、反応効率
に優れる。
生方法によると、請求項1乃至請求項3のいずれかに記
載の大気圧プラズマプラズマ発生装置を用いて、ガスの
存在下で、前記電極対1間に交流電界を印加して、大気
圧下でグロー放電プラズマを発生させるので、粒状体4
と粒状体4との間隙でガスがプラズマ化するので、極め
て小さい印加電力で均質なグロー放電を発生させること
ができるので、大気圧下で空気中でも安定したグロー放
電を発生させることができ、エネルギー効率、反応効率
に優れる。
【0029】本発明の請求項5に係る大気圧プラズマ発
生方法によると、オゾンが生成されるので、オゾンの生
成エネルギー効率が向上し、空気中の不純物ガスが分解
されるため、排ガス等の汚染物質を浄化できる。
生方法によると、オゾンが生成されるので、オゾンの生
成エネルギー効率が向上し、空気中の不純物ガスが分解
されるため、排ガス等の汚染物質を浄化できる。
【図1】本発明の実施例に係る大気圧プラズマ発生装置
の概略説明図であり、(a)は電極対の材料が金属の平
板である大気圧プラズマ発生装置の要部断面図、(b)
は電極対の材料が金属網である大気圧プラズマ発生装置
の要部断面図である。
の概略説明図であり、(a)は電極対の材料が金属の平
板である大気圧プラズマ発生装置の要部断面図、(b)
は電極対の材料が金属網である大気圧プラズマ発生装置
の要部断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る大気圧プラズマ発生装置
に用いる粒状体の断面図であり、(a)は導電体の全面
に絶縁体を被覆して形成した粒状体の断面図、(b)は
絶縁体の内部に導電体が複数個存在する粒状体の断面図
である。
に用いる粒状体の断面図であり、(a)は導電体の全面
に絶縁体を被覆して形成した粒状体の断面図、(b)は
絶縁体の内部に導電体が複数個存在する粒状体の断面図
である。
1 電極対 1a 電極 1b 接地電極 2 導電体 3 絶縁体 4 粒状体 5 交流電源
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 1/24 - 1/46
Claims (5)
- 【請求項1】 交流電源(5)と接続される電極(1
a)と接地電極(1b)とから成る電極対(1)を設け
て、ガスの存在下で、前記電極対(1)間に交流電界を
印加して、大気圧下でグロー放電プラズマを発生させる
大気圧プラズマ発生装置において、前記電極対(1)間
に、導電体(2)の全面に絶縁体(3)を被覆して形成
した粒状体(4)を充填することを特徴とする大気圧プ
ラズマ発生装置。 - 【請求項2】 前記導電体(2)が金属であり、絶縁体
(3)が無機誘電体であることを特徴とする請求項1記
載の大気圧プラズマ発生装置。 - 【請求項3】 前記電極対(1)が金属網であることを
特徴とする請求項1又は請求項2記載の大気圧プラズマ
発生装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
の大気圧プラズマプラズマ発生装置を用いて、ガスの存
在下で、前記電極対(1)間に交流電界を印加して、大
気圧下でグロー放電プラズマを発生させることを特徴と
する大気圧プラズマ発生方法。 - 【請求項5】 前記ガスが空気を主成分とすることを特
徴とする請求項4記載の大気圧プラズマ発生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07125408A JP3078466B2 (ja) | 1995-05-24 | 1995-05-24 | 大気圧プラズマ発生装置及びその装置を用いた大気圧プラズマ発生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07125408A JP3078466B2 (ja) | 1995-05-24 | 1995-05-24 | 大気圧プラズマ発生装置及びその装置を用いた大気圧プラズマ発生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08321397A JPH08321397A (ja) | 1996-12-03 |
JP3078466B2 true JP3078466B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=14909380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07125408A Expired - Fee Related JP3078466B2 (ja) | 1995-05-24 | 1995-05-24 | 大気圧プラズマ発生装置及びその装置を用いた大気圧プラズマ発生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3078466B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000348896A (ja) | 1999-03-26 | 2000-12-15 | Canon Inc | プラズマ発生方法、プラズマ発生装置及びプラズマ反応によるガス処理方法 |
US6621227B1 (en) | 2000-02-08 | 2003-09-16 | Canon Kabushiki Kaisha | Discharge generating apparatus and discharge generating method |
KR100464902B1 (ko) * | 2001-02-12 | 2005-01-05 | (주)에스이 플라즈마 | 대기압에서 저온 플라즈마를 발생시키는 장치 |
KR100488361B1 (ko) * | 2002-04-10 | 2005-05-11 | 주식회사 플라즈마트 | 대기압 저온 평판 플라즈마 발생장치 |
US7514377B2 (en) | 2002-12-27 | 2009-04-07 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | Plasma generator, ozone generator, substrate processing apparatus and manufacturing method of semiconductor device |
JP5008622B2 (ja) * | 2008-08-22 | 2012-08-22 | 株式会社日立国際電気 | プラズマ発生電極及びプラズマ発生方法 |
CN103458600B (zh) * | 2013-07-31 | 2016-07-13 | 华中科技大学 | 一种产生大气压弥散放电非平衡等离子体的系统 |
CN108541124A (zh) * | 2018-04-27 | 2018-09-14 | 浙江大维高新技术股份有限公司 | 一种蜂窝结构低温等离子体发生装置及其使用方法 |
-
1995
- 1995-05-24 JP JP07125408A patent/JP3078466B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08321397A (ja) | 1996-12-03 |
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