JP3076938U - 撥水性で絵模様付き湯桶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 湯桶の管理コストを低減し、自然の白木のぬ
くもりを何時までも持続させ楽しく入浴できる湯桶を提
供する。 【解決手段】 白木の湯桶に透明の塗料を塗りその上に
色彩豊かな絵模様を転写印刷しその絵模様が剥離しない
ように、更に絵模様を挟み込むように透明な塗料で上塗
りをして、絵模様の保護と同時に桶全体をコーテングす
ることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、浴室で使う湯桶のぬめり防止と、キャラクター等の絵模様付けに 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、湯桶は入浴には欠かせない用品の一つとして、手軽で扱いやすい木製の ものや安価なプラスチック製のものが用いられているが、昔から少しも改良され ないまま今日に至っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術で述べたもののうち前者は、木の特徴として吸水性があるため、入浴 時には水をたっぷり吸収していて非常に重い湯桶を使用しなければならない、ま た使用後は洗剤や束子でよく洗浄して直ぐに乾燥しないとバクテリアが繁殖して 桶の表面にぬめりが出来るので、次に使用するとき、非常に不快な思いをするこ とがある。また、後者のプラスチック製のものは湯垢がこびりついて手触りが悪 く使用中にも非常に不快感を感じるという欠点を有している。 本考案は従来技術の有するこのような問題点を解消するために考案されたもの で、その目的とするところは、前者の木の持つ自然の重厚感と白木のぬくもりを 何時までも持続させ、しかも、入浴という最もリラックスする空間に色彩豊かな 絵模様を施した湯桶を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案では、よく乾燥した湯桶の表面全体に透 明な撥水性塗料を下塗りし、その上に色彩豊かな絵模様を転写する、更にその上 に透明で硬質の撥水性塗料を塗り重ね、塗料で絵模様を挟み込むことで、水や熱 に弱いとされる、転写の絵模様を保護することを特徴とするものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案の請求項１記載の考案は、白木のぬくもりに加えて色彩豊かな絵模様を 施し、入浴時に少しでも視覚を楽しませることで、体の疲れを癒すと同時に精神 的な疲れを癒すことを目的とするものであるが、従来白木に絵模様を書くこと自 体は難しい技術では無く、絵心得があれば誰にも容易に出来ることである。

【０００６】 しかし、これを工業的にしかも安価に提供しようとすると、コスト的に陶磁器 業界等で行われている転写技術には到底及ばないので、これに転写技術を導入し 、試行錯誤の末、本考案が最も効果的であることが分かった。

【０００７】 以下、本考案の実施の形態について図面を参照しながら説明する。 図１は本考案の実施の形態による絵模様を施した湯桶の斜視図である。図１に 於いて、湯桶（１）の側面に絵模様（３）を任意の位置に転写して、華やいだ湯 桶を製作するのであるが、このとき精密に仕上げられた白木の表面は触感的には 、滑らかでつるつるした感触であるが、顕微鏡下では木の繊維が起毛状になって 林立しているので、転写の絵模様（３）は白木の素地の表面には完全に密着せず 簡単に剥離してしまう欠点がある。

【０００８】 そこで、本考案は、図２（ミクロの厚みを拡大したＡ−Ａ断面図）に示すよう に、湯桶（１）の表面に透明な塗料で下塗り層（４）を施し、塗料が硬化するの を待って、下塗り層（４）の上に絵模様（３）を転写するのであるが、このとき 、下塗り層（４）の塗料は薄く希釈した方が木の起毛状の繊維をよく捕捉し、し かも硬化した表面は良好な鏡面状となり転写の密着性が極めてよく、作業ミスも なくなり商品価値を高め生産性の向上を計ることが出来る。

【０００９】 本考案で図２に示す、下塗り層（４）の上に絵模様（３）を転写して、その上 に透明な硬質塗料を塗り重ね、上塗り層（５）を形成し自然乾燥して硬化すれば 完成するする。

【００１０】

【考案の効果】

木の湯桶が、最近の自然志向の時流を受け、金属やプラスチックに奪われてい た領域を徐々に取り戻し、ホテルや旅館、大衆浴場等で多く使用されるようにな り、需要の増加と共に湯桶の管理が問題視されるようになってきた。 従来のような木の素材のみで出来た湯桶では、金属やプラスチックと異なり、 吸水性が高いため衛生管理にことのほか注意を払わなければならないことから、 管理コストを削減するためにプラスチックで木目調の湯桶を作り、これで代用し ている浴場も多く見られるが、顧客のニーズを十分に満足させるまでには至らな い。

【００１１】 そこで、本考案の湯桶は自然の木のぬくもりと、プラスチック製とはひと味違 う重厚感を備え、撥水性で硬質の透明塗料を全面に塗布するため、木の吸湿性が 封じられ何時までも乾燥状態が保たれる、しかも塗料が透明で撥水性があるため 、水を流して湯桶を空にすれば、即乾燥状態が再現されるので、次に使用する人 も新鮮な桶に接する感覚で使うことができ、また透明な塗料でコーテングされた 湯桶は、視覚的には完全に自然の木を認識するため殆ど違和感がない。更に湯桶 の側面には魚や水草、あるいは子供の喜ぶキャラクター等の色彩豊かな絵模様が 転写印刷されているため、浴室の空間が華やぐと同時に入浴行動が楽しいものに なり精神的な疲れも癒される。

【００１２】 また、本考案を浴場の管理者の側にたってみると、湯桶の表面に塗られた塗料 が撥水性であるため、水を空にしたとき水滴までも完全に流しきることができ、 しかも湯垢の付着も殆ど見られないので、洗剤で軽く洗って保管場所に戻せば、 それ以上の手間を掛ける必要が無く、水滴が残らないためバクテリアも繁殖しな いので、桶底のぬめりもなく常に新鮮な状態を保つことができ管理コストが掛か らないのと、桶全体が塗料でコーテングされているため、たがの変色や、木質部 の腐食や変色がないので何時までも新品同様、白木の感触を顧客に味わってもら うことができるメリットがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施の形態を示す斜視図である。

【図２】本考案の１実施の形態を示すミクロの厚みを拡
大したＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

１湯桶 ２たが ３絵模様 ４下塗り層 ５上塗り層 ６桶底

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】よく乾燥した湯桶の表面全体に透明の撥水
   性塗料を下塗りし、この下塗りした塗料が完全に硬化し
   たことを確認した上で絵模様を転写し、更にその上に透
   明の撥水性塗料を塗り重ね、塗料で絵模様を挟み込むこ
   とを特徴とする撥水性で絵模様付き湯桶の構造