JP3072908U - 循環送水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二槽間の循環送水が合理的・高効率に行わ
れ、また、羽根車への異物の絡み付きを生じた場合でも
迅速かつ容易にこれを除去できる循環返水装置を提供す
る。 【構成】第１の槽１の上方部から第２の槽２内の上方部
へ通じる溢流口３を開設し、吸込口６を第２の槽２内の
下方部へ開口させ吐出口７に後記返送用導管８を接続し
たリサーキュレーションポンプ５を装備し、該リサーキ
ュレーションポンプ５の吐出口７に接続した返送用導管
８を第２の槽２内から上導し第１の槽１内へ導下して先
端部を水中へ開口させた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の技術分野】

本考案は二槽間の循環送水装置に関し、例えば汚水処理施設における攪拌槽と 曝気槽との二槽間の循環送水など、低揚程・大水量の用途に供して好適な装置で ある。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

従来この種の装置は図２に示すよう、第１の槽１０１内に攪拌機１０５Ａが設 置され、第２の槽１０２内には渦巻式遠心ポンプ１０５Ｂを沈設されている。そ して該ポンプ１０５Ｂの吐出口から上導された返送用導管１０８の先端部を第１ の槽１０１の上面へ、該槽１０１内の水面に接することなく離隔した態様に開口 させている。

【０００３】 しかし渦巻式遠心ポンプはその特性上、吐出揚程が７〜１０ｍで最も高率が良 く、低揚程・大水量の用途には適しておらず、これを例えば汚水処理施設におけ る二槽間の循環送水など、低揚程で使用することは動力的に極めて無駄の多い非 効率な使われ方である。また、第２の槽１０２内から上導された返送用導管１０ ８は該槽１０２の上端開口部よりも上方へ立上げてから先端部を第１の槽１０１ の水面へ接することなく該槽１０１上へ向けて開口させられているため、最低で も水面から管頂部までの距離Ｈのポンプ吐出揚程が作用し、最大吐出量の得られ る揚程０ｍのポンプ運転状態とすることができない。更にまた、渦巻式遠心ポン プは羽根車への異物の絡み付が生じた場合、吸込みカバーを取外さなければ羽根 車の異物閉塞を解除することができないという欠点がある。

【０００４】

【考案の目的】

本考案の目的は、渦巻式遠心ポンプを備えた従来の循環返水装置の諸欠点を払 拭して、二槽間の循環送水が合理的・高効率に行われ、また、羽根車への異物の 絡み付きを生じた場合でも迅速かつ容易にこれを除去できる循環返水装置を提供 することにある。

【０００５】

【考案の構成】

本考案に係る循環送水装置においては、第１の槽の上方部から第２の槽内の上 方部へ通じる溢流口を開設し、吸込口を第２の槽内の下方部へ開口させ吐出口に 後記返送用導管を接続したリサーキュレーションポンプを装備し、該リサーキュ レーションポンプの吐出口に接続した返送用導管を第２の槽内から上導し第１の 槽内へ導下して先端部を水中へ開口させた。

【０００６】

【実施例】

以下本考案を汚水処理施設における循環送水装置に適用させた事例について説 明をする。

【０００７】 １は汚水を嫌気処理するための第１の槽、２は好気処理するための第２の槽で ある。３は第１の槽１の上方部から第２の槽２内の上方部へ通じるよう開設され た溢流口、５は吸込口６を第２の槽内の下方部へ開口させ吐出口７に後記返送用 導管８を接続したリサーキュレーションポンプである。８は始端開口部８ａを上 記吐出口７に接続させた返送用導管であり、第２の槽２内から上導し第１の槽１ 内へ導下して先端開口部８ｂを処理水中へ開口させることにより、リサーキュレ ーションポンプ５と通じる噴出口を構成する。９は上記終端開口部８ｂに付設さ れた逆止弁である。１０は散気口１１を第２の槽２内の下方部へ開口させたエア レータである。

【０００８】 第１の槽１内には調整槽１２などの定量供給手段を経て汚水が定量ずつ送り込 まれる。上方部の汚水は溢流口３を通って第２の槽２内へ流入し、連通作用によ って両槽１，２内は同一水位となる。第２の槽２内でエアレータ１０の好気処理 によって硝化された処理水は、リサーキュレーションポンプ５の駆動により返送 用導管８を通って第１の槽１内へ返送されると共に該槽１内には噴出流による攪 拌作用が生じ、流入汚水中の有機炭素源と前記硝化された処理水を反応させて嫌 気処理が施され、溢流口３を通って再び第２の槽２内へ移動されるという循環返 水の継続によって次第に窒素の除去率が高められて行く。そして所定の脱窒処理 を終えた処理水は流出口１３から流出される。なお、リサーキュレーションポン プ５の停止時には逆止弁９が閉作動し、返送用導管８からの戻り流によって上記 ポンプ５の羽根車が逆回転することを防止できるので、逆回転による羽根車の締 結ねじ部の緩みなどが生しることがなく、羽根車の脱落防止ができる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によれば、返送用導管８の先端部が第１の槽１内の水中へ開口されるた め、リサーキュレーションポンプ５の吐出揚程は殆ど０ｍに近くなり、大水量の 循環送水が可能となり、二槽間の循環送水が合理的・高効率に行われ、従来のこ の種の装置における渦巻式遠心ポンプの使用条件と比較すれば１／２〜１／３の 少動力で済むことになるので、例えば汚水処理施設における二槽間の循環送水な ど、低揚程・大水量の使用条件において極めて有効なものである。また、上記リ サーキュレーションポンプ５の噴出流によって第１の槽１の槽底部から槽内全体 に均一な攪拌が行われるため、従来のように専用の攪拌機は不要となる。更にま た、羽根車への異物の絡み付きを生じた場合でも、機器を分解することなく迅速 ・容易にその異物を除去できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の循環送水装置を汚水処理施設におけ
る循環送水に適用させた事例の構成図である。

【図２】 従来の循環送水装置を汚水処理施設における
循環送水に適用させた事例の構成図である。

【符号の説明】

１ 第１の槽 ２ 第２の槽 ３ 溢流口 ５ リサーキュレーションポンプ ６ 吸込口 ７ 吐出口 ８ 返送用導管 ８ｂ 先端開口部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の槽の上方部から第２の槽内の上方
   部へ通じる溢流口を開設し、吸込口を第２の槽内の下方
   部へ開口させ吐出口に後記返送用導管を接続したリサー
   キュレーションポンプを装備し、該リサーキュレーショ
   ンポンプの吐出口に接続した返送用導管を第２の槽内か
   ら上導し第１の槽内へ導下して先端部を水中へ開口させ
   てなることを特徴とする、循環送水装置。