JP3070911B2 - 道路標識装置 - Google Patents

道路標識装置

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JP3070911B2
JP3070911B2 JP8145340A JP14534096A JP3070911B2 JP 3070911 B2 JP3070911 B2 JP 3070911B2 JP 8145340 A JP8145340 A JP 8145340A JP 14534096 A JP14534096 A JP 14534096A JP 3070911 B2 JP3070911 B2 JP 3070911B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、道路標識装置に
かかわり、さらに詳しくは、山形に配置された二つの表
示板をもつ折り畳み可能な道路標識装置の改良に関して
いる。
【0002】
【従来の技術】この種の道路標識装置は、たとえば、実
公平7−15855号公報に記載されている。この道路
標識装置は、図7に示すように、山形に配置された二つ
の表示板S1 ,S2 と、前記山の底面を形成するように
表示板の間に配置された二つの基板B1 ,B2 とを具備
し、表示板が前記山の山頂を形成する上側縁を面ヒンジ
1 によって折り畳み可能に結合され、基板が一側縁を
各々の表示板の下側縁に面ヒンジH2 ,H3 によって折
り畳み可能に結合されていると共に、反対側縁同志を面
ヒンジH4 によって折り畳み可能に連結されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような道
路標識装置は、車両などの通過による風圧などが加わる
と、転倒しやすい。すなわち、この道路標識装置におい
て、風圧などがたとえば表示板S1 に加わると、表示板
1 にはこれを押し上げようとする力が加わる。基板B
1 ,B2 は前述のように外側のみに曲がるように面ヒン
ジH4 によって連結されているため、表示板S1 に力が
加わると、基板B1 がヒンジH4 を中心にして曲がり、
これによって表示板S1 および表示板S2 が曲がり、装
置全体の形状が大きく変化し、装置全体が鎖線で示すよ
うに風下側の基板B2 のみによって路面に支えられた不
安定な状態になる。風圧は加わりつづけているため、装
置が転倒する。また、基板B1 が曲がり、風上側端部が
はね上がると、風が基板B1と路面との間に入り込ん
で、装置全体をさらに不安定な状態にさせて、転倒を助
長する。
【0004】本発明の目的は、風圧を受けても転倒しに
くい、改良された道路標識装置を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の道路標識装置は、山形に配置された2つ
の表示板と、前記山の底面を形成するように表示板の間
に配置された二つの基板とを具備し、表示板が前記山の
山頂を形成する上側縁を面ヒンジによって結合され、基
板が一側縁を各々の表示板の下側縁に面ヒンジによって
結合され、反対側縁同志が基板の外側表面に配置された
面ヒンジによって結合されている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の道路標識装置の実施例
は、以下に、図1ないし図6を参照して説明する。
【0007】この道路標識装置は、図1ないし図4に示
すように、表示板10,11および基板12,13を備
えている。
【0008】表示板10,11は、平面形状が台形をな
すフラットなシートあるいは薄板からなるもので、上側
縁を突き合わせて山形に配置されている。材料は塩化ビ
ニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂などであるが、形状保持の関係から、半硬質
あるいは硬質性の樹脂が好ましい。硬度であらわすと、
たとえばJIS HsA90以上である。ここでは、1
mmの厚みをもつ、以下の物性からなる塩化ビニル樹脂
を布で補強した薄板を使用している。
【0009】硬度 JIS HsA95 引張り強度 150kg/cm2 伸び 15% さらに、表示板10,11の両側縁には補強部材14が
取り付けられている。各々の補強部材14は、図5に示
すように、断面がコ字形をなす部材からなっている。表
示板10,11への装着は、補強部材14の溝あるいは
表示板10,11の側縁に接着剤を塗布し、補強部材1
4を表示板10,11にはめ、接着剤を固化させること
によって、あるいは、補強部材14を表示板10,11
の側縁にはめ、これらをリベット20でもって締結する
ことによってなされている。補強部材14の材質は金
属、合成樹脂などである。補強部材14を使用しなくて
も表示板10,11の形状保持をおこなえるが、運搬な
どに際して車両の荷台に長時間搭載されていると、表示
板10,11が熱や他の荷物の影響でもって変形するこ
とがある。ここでは、表示板10,11の形状保持性能
がすぐれ、このような変形を防止するために、金属を採
用している。具体的には、JIS H 400に規定さ
れるアルミニウム合金の押し出し型材を使用している。
さらに、この道路標識装置では、図5に示すように、表
示板10,11は補強部材14による補強のみならず、
特公平7−3043号公報に記載されているような補強
布15を表示板10,11の裏面に積層されている。
【0010】基板12,13は、図3および図4によく
示されているように、平面形状が矩形をなすフラットな
板状のもので、一側縁をたがいに突き合わせ、反対側縁
を表示板10,11の下側縁に突き合わせて、表示板1
0,11の間に配置されている。これらの基板12,1
3の材質は、風圧などの外力を支えるため、塩化ビニル
樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレンゴムなどの比較的比
重の大きいもの、たとえば比重1.0以上のもののほう
が、重量が増すので好ましい。ここでは、たとえば12
mmの厚みをもつ、以下のような物性をもつ塩化ビニル
樹脂の厚板を採用している。
【0011】硬度 JIS HsA80 引張り強度 80kg/cm2 伸び 110% 比重 1.2 なお、基板12,13の硬さについては、半硬質あるい
は硬質の合成樹脂、たとえばJIS HsA90以上の
ものでもよいが、路面との摩擦をたかめるため、JIS
HsA90未満の比較的柔質のものとすることが好ま
しい。半硬質、硬質の材料を使用する場合には、基板1
2,13における路面に接触する面に市販の滑り止め
や、実公平7−7377号公報に記載されているスリッ
プ止め帯板を装着することが好ましい。
【0012】表示板10,11が形成する山の頂上には
ヒンジ16が配置されている。ヒンジ16は、面ヒンジ
からなっていて、表示板10,11の外側を跨って配置
されていると共に、これらの表示板10,11に接合さ
れ、表示板10,11を外側のみに折り畳むこのとがで
きるようにさせている。面ヒンジ17が表示板10の下
側縁と基板12の外側を跨るように配置されていると共
に、表示板10と基板12とに接合され、表示板10と
基板12とを外側に折り畳むことができるようにしてい
る。面ヒンジ18は表示板11と基板13の外側を跨る
ように配置されていると共に、表示板11と基板13と
に接合され、表示板11と基板13とを外側に折り畳む
ことができるようにしている。さらに、基板12,13
も面ヒンジ19によってつながれている。面ヒンジ19
は基板12,13を跨るように配置されていると共に、
基板12,13とに接合されているが、基板12,13
の外側表面に配置され、基板12,13が内側のみに折
り畳むことができるようにしている。面ヒンジ16〜1
9の材質は塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂などのシート
である。面ヒンジ16は厚み0.1〜1mmからなる、
以下のような物性をもつウレタン樹脂を布によって補強
したシートからなっている。
【0013】硬度 JIS HsA80 引張り強度 450kg/cm2 伸び 400% また、残る面ヒンジ17〜19は厚みが0.1〜1mm
からなる、以下の物性をもつ塩化ビニル樹脂を布で補強
したシートを使用している。
【0014】引張り強度 80kgf 伸び 11% 引裂き強度 10kgf 表示板10,11と面ヒンジ16との結合は熱融着によ
ってなされている。この道路標識装置にて、表示板1
0,11は塩化ビニル樹脂、面ヒンジ16はウレタン樹
脂からなり、異材質であるため熱融着しにくいが、表示
板10,11の外表面における側縁は図6に示すように
凹凸21を形成し、面ヒンジ16にたいする結合面積を
増大させて、面ヒンジ16を表示板10,11に強固に
結合させている。熱融着幅は5〜10mmである。表示
板10,11と面ヒンジ17,18との結合も熱融着に
よりおこなっている。表示板10,11と面ヒンジ1
7,18とは塩化ビニル樹脂からなっているため、表示
板10,11は、面ヒンジ16が取り付けられている側
縁にあるような凹凸がなくても強固に結合される。面ヒ
ンジ17,18と基板12,13との結合および面ヒン
ジ19と基板12,13との結合は面ヒンジ16のよう
に熱融着でもおこなえるが、融着幅を広くとりにくいた
め、熱融着を数回繰り返して、結合面積を増やす必要が
あり、生産効率がわるくなる。このため、本実施例で
は、結合面積を広くとれ、生産効率のよい接着剤による
結合を採用している。
【0015】この道路標識装置は、走行方向を示す矢印
などの標識22が表示板10あるいは表示板10,11
の外側表面にを施され、道路のセンタライン、車線変更
線、分離帯を簡易的に設定するために路面に配置され
る。このときに、道路標識装置は、基板10を通過車両
に向け、基板12,13を路面に接触させて道路に配置
される。車両がこの道路標識装置のそばを通過し、たと
えば表示板10が風圧を受けると、従来のこの種の装置
と同様に、表示板10が押し上げられ、基板12が面ヒ
ンジ19を中心にして曲がろうとする。しかし、基板1
2は外表面に配置された面ヒンジ19によって基板13
につながれ、基板12,13はある厚みをもっているた
め、基板12が曲がろうとすると、基板12における基
板13を向いた端縁が基板13の端縁にぶつかり、基板
12は曲がることができない。そこで、基板12,13
はフラットな状態を維持し、装置は二つの基板12,1
3によって路面に支えつづけられ、風も基板12と路面
との間に入り込まず、装置が転倒しない。
【0016】使用後は、基板12,13を内側に、すな
わち表示板11,12によって形成される山の頂上に向
かって押し込み、表示板10,11を両側から押すこと
によってなされる。押されると、表示板10,11は図
3に鎖線で示すように面ヒンジ16を頂点として逆V字
形に、基板12,13は面ヒンジ19を中心に逆V字形
に折り畳まれると共に、表示板10,11の間にはさみ
込まれる。折り畳まれた道路標識装置は、トラックに載
せ運送されるが、荷台上において隣接する道路標識装置
とぶつかっても、面ヒンジ19は表示板10,11の間
にはさみ込まれているため損傷しない。再設置は、基板
12,13が一平面になるまで、面ヒンジ16を中心に
表示板10,11を引っ張ることによってなされる。
【0017】なお、以上説明した実施例において、装置
側面は開放されているが、必要に応じて折り畳み可能な
側面板を組み込んでもよい。また、表示板10,11、
基板12,13および面ヒンジ16〜19は他の材料を
採用することができ、面ヒンジ16〜19は布強化ウレ
タン樹脂からなっていても、逆に布強化塩化ビニル樹脂
からなっていてもよく、そして、表示板10,11の硬
度も前述の硬度に限定されない。
【0018】
【発明の効果】本発明の道路標識装置は、以上に説明し
たように、山形に配置された2つの表示板と、前記山の
底面を形成するように表示板の間に配置された二つの基
板とを具備し、表示板が前記山の山頂を形成する上側縁
面ヒンジによって結合され、基板が一側縁を各々の表
示板の下側縁に面ヒンジによって結合され、反対側縁同
が基板の外側表面に配置された面ヒンジによって結合
されているているため、風上側の表示板が風圧などを受
けて曲がろうとしても、つながれている風上側の基板が
風下側の基板にぶつかり、基板がフラットな状態を維持
し、転倒しない。そして、折り畳んだときに、基板の連
結機構が表示板の間にはさみ込まれるため、運送などに
際して、隣接する道路標識装置とぶつかりあっても、基
板の連結機構が損傷しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の道路標識装置の一実施例を示す平面図
である。
【図2】正面図である。
【図3】側面図である。
【図4】底面図である。
【図5】図2のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図6】図2のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図7】従来の道路標識装置の構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】 10,11…表示板 12,13…基板 14 …補強部材 16〜19…面ヒンジ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 山形に配置された2つの表示板と、前記
    山の底面を形成するように表示板の間に配置された二つ
    の基板とを具備し、表示板が前記山の山頂を形成する上
    側縁を面ヒンジによって結合され、基板が一側縁を各々
    の表示板の下側縁に面ヒンジによって結合され、反対側
    縁同志が基板の外側表面に配置された面ヒンジによって
    結合されていることを特徴とする道路標識装置。
  2. 【請求項2】 表示板が、薄板あるいはシートから成
    り、側縁に装着された補強部材によって形状を保持され
    ている請求項1に記載の道路標識装置。
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