JP3070046U - 光学フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多種多様なディスプレイ装置に対する取り付
け作業を容易にし、しかも安定した取り付け状態を保つ
ことを可能にした光学フィルタを提供する。 【解決手段】 光学フィルタ１は、ディスプレイ装置５
の画面６を覆うフィルタ本体２と、該フィルタ本体２を
保持する枠体３と、該枠体３をディスプレイ装置５に装
着する取付具４とを備えた光学フィルタであって、枠体
３がフィルタ本体２を保持する凹溝７と、取付具４を連
結するアリ溝８とを有し、取付具４が略Ｌ字形の横断面
形状を有する剛体である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、パソコンのモニターやテレビなどのディスプレイ装置の前面に取り 付けられる光学フィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

パソコンのモニターやテレビなどのディスプレイ装置においては、画面に周辺 の景色等が映り込み易く、表示映像が見え難くなることがある。そのような不都 合を解決するため、ディスプレイ装置の前面に光学フィルタを取り付けることが 行われている。従来の光学フィルタとしては、たとえば、実開昭６４−３４６７ ６号公報に示されるようなものが知られている。すなわち、この従来の光学フィ ルタは、フィルタ本体の周縁に枠体を備えており、枠体に装着された取付具によ ってディスプレイ装置の上面に装着するようになっている。ディスプレイ装置の 前面へのフィルタ本体の取り付け状態は、取付具を折り曲げることによって調節 しようとするものである。

【０００３】 しかしながら、上述した従来の光学フィルタは、金属製の取付具を折り曲げ加 工する必要があるため、ディスプレイ装置への取り付け作業が煩雑であり、しか も折り曲げ加工された金属製の取付具では取り付け状態が不安定になるという問 題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、多種多様なディスプレイ装置に対する取り付け作業を容易に し、しかも安定した取り付け状態を保つことを可能にした光学フィルタを提供す ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案は、ディスプレイ装置の画面を覆うフィルタ 本体と、該フィルタ本体を保持する枠体と、該枠体を前記ディスプレイ装置に装 着する取付具とを備えた光学フィルタであって、前記枠体が前記フィルタ本体を 保持する凹溝と、前記取付具を連結するアリ溝とを有し、前記取付具が略Ｌ字形 の横断面形状を有する剛体であることを特徴とするものである。

【０００６】 このように枠体に設けた凹溝にフィルタ本体を保持すると共に、該枠体に設け たアリ溝に取付具を連結し、その取付具を略Ｌ字形の横断面形状を有する剛体か ら構成することにより、多種多様なディスプレイ装置に対する取り付け作業を容 易にし、しかも安定した取り付け状態を保つことができる。

【０００７】 本発明において、枠体に凹溝に沿って側壁を部分的に薄くしたヒンジ部を設け るようにすれば、フィルタ本体の組み入れが容易になる。また、取付具の枠体上 面と当接する位置に回動防止突起を設けるようにすれば、フィルタ本体の変位を 抑制してアリ溝を補強することができる。更に、アリ溝の横断面形状を左右非対 称にすれば、フィルタ本体をその取り付け方向を間違えることなく正しく装着す ることができる。

【０００８】 フィルタ本体と枠体とは枠体の左右両端部に配置したリベット材を介して一体 に接合することが好ましい。取付具のディスプレイ装置への取付面には反復使用 可能な粘着テープを設けることが好ましい。枠体は曲げ弾性率１０００ＭＰａ以 下の材料から構成することが好ましい。フィルタ本体は予め湾曲形状に賦形する ことが好ましい。枠体は全光線透過率が１０％以上、さらには１０〜９５％の範 囲であることが好ましい。

【０００９】

【考案の実施の形態】

図１は本発明の実施形態からなる光学フィルタを例示するものである。図１に おいて、本考案の光学フィルタ１は、フィルタ本体２と、枠体３と、取付具４と を備えている。フィルタ本体２は、ディスプレイ装置５の画面６を覆う寸法とな っている。枠体３は、フィルタ本体２を保持する凹溝７と、取付具４を連結する アリ溝８とを有している。凹溝７はコの字形の横断面形状を有し、その溝内にフ ィルタ本体２が両面テープ（図示せず）で固着されている。一方、アリ溝８には 取付具４が嵌め込まれている。取付具４は、略Ｌ字形の断面を有する剛体であり 、取付具４をディスプレイ装置５の上面９に引っ掛けることで、光学フィルタ１ をディスプレイ装置５の前面に取り付けている。

【００１０】 図２は上記光学フィルタの要部を示す断面図である。図２に示すように、枠体 ３は凹溝７に沿って側壁を部分的に薄くしたヒンジ部１０を有している。一方、 アリ溝８は左右非対称の横断面形状を有し、取付具４のアリ溝８に対する嵌合部 はアリ溝８に一致する横断面形状を有している。また、フィルタ本体２と枠体３ とは、枠体３の左右両端部に配置したリベット材１１によって一体に接合されて いる。更に、取付具４は枠体３の上面と当接する位置に回動防止突起１２を有し ており、反復使用可能な粘着テープ１３によってディスプレイ装置５に取り付け られている。

【００１１】 上述のように構成される光学フィルタ１は、枠体３がフィルタ本体２を保持す るコの字形の凹溝７と、取付具４を連結するアリ溝８とを有し、取付具４が略Ｌ 字形の横断面形状を有する剛体から構成されているので、略Ｌ字形断面の取付具 ４をディスプレイ装置５に引っ掛けるだけで容易に取り付けることができ、しか も反復使用可能な粘着テープ１３によって安定した取り付け状態を保つことがで きる。また、アリ溝８の長手方向に対する取付具４の嵌合位置を任意に選択する ことにより、寸法が異なる多種多様なディスプレイ装置５に対して確実に装着す ることができる。

【００１２】 上記において、ヒンジ部１０は、柔軟に折れ曲がることでコの字形の凹溝７を 拡げるためのものであり、これによって、フィルタ本体２をコの字形の凹溝７に 組み入れ易くすることができる。

【００１３】 アリ溝８は、左右非対称の形状とすることで、取付具４を差し入れるときに、 取り付ける方向を間違えないようにすることができる。これは、フィルタ本体２ に表裏の違いがある場合に有効である。

【００１４】 リベット材１１は、フィルタ本体２と枠体３との固着をより強固にするのに有 効であることに加え、たとえば、アース線をフィルタ本体２に接続する場合など に利用することができる。

【００１５】 回動防止突起１２は、光学フィルタ１をディスプレイ装置５に取り付けた場合 に、光学フィルタ１の自重によって枠体３と取付具４との接続部が回動しようと する力を受けるためのものであり、元来、そのような力を受けるアリ溝８を補強 する役割を果たす。

【００１６】 更に上記光学フィルタを詳述すると、フィルタ本体２は、透明性を有しており 、若干の着色がなされていたり、反射防止膜や導電性膜が表層に形成されていた りするものである。

【００１７】 枠体３は、フィルタ本体２の上縁に備えられているが、フィルタ本体２の周縁 の全部に備えられていても差し支えない。この枠体３は、透明又は半透明である ことが好ましい。透明性については、多種多様なディスプレイ装置であっても装 着時の違和感を生じさせないようにするために、ＪＩＳ−Ｋ７１０５等で規定さ れている全光線透過率が１０％以上、さらには１０〜９５％であることが好まし い。なお、ＪＩＳ−Ｋ７１０５等で規定されている雲価（ヘーズ）は３０％以下 であることが適当である。

【００１８】 取付具４は、光学フィルタ１をディスプレイ装置に引っ掛けるための所謂フッ クであるので、光学フィルタ１の重量を支えるために比較的剛性の高い材料から 構成されている。また、多種多様なディスプレイ装置であっても装着時の違和感 を生じさせないようにするために、枠体３と同様、透明又は半透明であることが 好ましい。取付具４の具体的な材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ レン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。

【００１９】 以上においては、フィルタ本体２がフラットな場合について説明したが、ディ スプレイ装置への装着フィット感をより高めるために、ディスプレイ装置の前面 形状に沿って湾曲したフィルタ本体を用いても良い。このフィルタ本体は、予め フィルタ本体を所望のカーブに賦形しておくことで得られる。その場合、枠体３ は、湾曲したフィルタ本体に合わせて変形するように、柔軟性を有していること が好ましい。中でも、ＪＩＳ−Ｋ７１７１等で規定されている曲げ弾性率が１０ ００ＭＰａ以下である柔軟な材料からなる枠体であることが好ましい。曲げ弾性 率が１５００ＭＰａ程度の材料からなる枠体では、予め賦形されたフィルタ本体 の湾曲状態を損ねてしまう場合がある。枠体３の具体的な材料としては、例えば 、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂やエチレン−メタクリル酸共重合樹脂、軟質 の塩化ビニル樹脂などが挙げられる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の光学フィルタは、ディスプレイ装置の画面を覆う フィルタ本体と、該フィルタ本体を保持する枠体と、該枠体をディスプレイ装置 に装着する取付具とを備えた光学フィルタであって、枠体がフィルタ本体を保持 する凹溝と、取付具を連結するアリ溝とを有し、取付具が略Ｌ字形の横断面形状 を有する剛体であるから、多種多様なディスプレイ装置に対する取り付け作業を 容易にし、しかも安定した取り付け状態を保つことができる。

【００２１】 また、ヒンジ部を備えた枠体とすれば、フィルタ本体の組み入れが容易となり 、生産性を向上させることができる。更に、取付具に回動防止突起を備えたり、 アリ溝の横断面形状を左右非対称にしたり、フィルタ本体と枠体とを一体に接合 するリベット材を枠体の左右両端部に配置したり、ディスプレイ装置への取り付 けを反復使用可能な粘着テープで行ったりすれば、安定した取り付け状態をより 一層良好に保つことができる。

【００２２】 また、枠体を曲げ弾性率１０００ＭＰａ以下の材料から構成したり、湾曲した フィルタ本体を用いるようにすれば、ディスプレイ装置への装着フィット感を高 めることができる。

【００２３】 また、全光線透過率が１０％以上である枠体とすれば、装着時の違和感を殆ど 生じることがない光学フィルタを構成することができる。特に、最近はディスプ レイ装置のデザインや色彩に工夫が凝らされているものが増加しており、せっか くのデザインや色彩を隠すことがない点で優れた効果を発揮するものである。ま た、画面の周囲にはディスプレイ装置の電源ランプ等が設置されている場合が多 く、そういった表示を隠さないという利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態からなる光学フィルタをディ
スプレイ装置に装着した状態を示す概略斜視図である。

【図２】本発明の実施形態からなる光学フィルタの要部
を拡大して示す一部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 光学フィルタ ２ フィルタ本体 ３ 枠体 ４ 取付具 ５ ディスプレイ装置 ６ ディスプレイ装置の画面 ７ 凹溝 ８ アリ溝 ９ ディスプレイ装置の上面 １０ ヒンジ部 １１ リベット １２ 回動防止突起 １３ 粘着テープ

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスプレイ装置の画面を覆うフィルタ
   本体と、該フィルタ本体を保持する枠体と、該枠体を前
   記ディスプレイ装置に装着する取付具とを備えた光学フ
   ィルタであって、前記枠体が前記フィルタ本体を保持す
   る凹溝と、前記取付具を連結するアリ溝とを有し、前記
   取付具が略Ｌ字形の横断面形状を有する剛体であること
   を特徴とする光学フィルタ。
2. 【請求項２】 前記枠体が前記凹溝に沿って側壁を部分
   的に薄くしたヒンジ部を有する請求項１に記載の光学フ
   ィルタ。
3. 【請求項３】 前記取付具が枠体上面と当接する位置に
   回動防止突起を有する請求項１又は請求項２に記載の光
   学フィルタ。
4. 【請求項４】 前記アリ溝が左右非対称の横断面形状を
   有する請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の光学フ
   ィルタ。
5. 【請求項５】 前記フィルタ本体と、前記枠体とを一体
   に接合するリベット材を、前記枠体の左右両端部に配置
   した請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の光学フィ
   ルタ。
6. 【請求項６】 前記取付具の前記ディスプレイ装置への
   取付面に反復使用可能な粘着テープを設けた請求項１乃
   至請求項５のいずれかに記載の光学フィルタ。
7. 【請求項７】 前記枠体が曲げ弾性率１０００ＭＰａ以
   下の材料からなる請求項１乃至請求項６のいずれかに記
   載の光学フィルタ。
8. 【請求項８】 前記フィルタ本体を予め湾曲形状に賦形
   した請求項１乃至請求項７のいずれかに記載の光学フィ
   ルタ。
9. 【請求項９】 前記枠体の全光線透過率が１０％以上で
   ある請求項１乃至請求項８のいずれかに記載の光学フィ
   ルタ。