JP3069695U - 耳式体温計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耳式体温計のプローブ内部構造を簡素化して
製造を容易として生産コストを減少し、並びに耳温測定
の正確性を増すこと。 【解決手段】 耳式体温計のケースの一側に中空円錐状
のプローブが固定され、且つプローブ内部に赤外線セン
サーが設置された耳式体温計において、該赤外線センサ
ーが直接プローブの中空内部の前端近くに設置され、そ
の検出面がプローブの前端にほぼ整合させられ、且つ赤
外線センサーの外周面とプローブ内周面の間が放熱ペー
ストで隔てられたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種の耳式体温計に係り、特にそのプローブの内部構造を簡素化した 耳式体温計であって、低コストで製造でき、並びに正確な耳温測定が行える機能 を有する耳式体温計に関する。

【０００２】

【従来の技術】

人体各部の温度中、耳膜の温度は口腔、直腸或いは腋下よりも身体内部の温度 を代表する。このため耳式体温計が誕生し、人体耳膜の赤外線輻射温度を測定す るのに用いられている。耳式体温計は快速便利且つ正確に人体体温を測定できる 特性を有しているため、医療単位や家庭での使用がますます普及している。しか し周知の耳式体温計中、そのプローブ内部構造は複雑で且つ製造が容易でないこ とから多くの欠点を派生する。以下にこれについて図を参照して詳しく説明する 。

【０００３】 図１、２はそれぞれ周知の耳式体温計の分解図及びその使用状態局部断面図で ある。図示されるように、周知の耳式体温計のプローブ１１はケース１の上部の 一側に設置され、該プローブ１１は中空の円錐状を呈し、その内部に階段式の中 空ベースチューフ１３が設けられ、該ベースチューブ１３の中空内部に赤外線セ ンサー１２が配置され、該センサー１２の検出面に導波管１４が固着され、該導 波管１４がベースチューブ１３の中空内部の最前段に設置され、且つベースチュ ーブ１３の前端に一層の薄膜１５が設置されて塵埃の進入を防止している。その うち、該ベースチューブ１３は一般に銅管表面にニッケルをメッキしてなり、導 波管１４は一般に銅管表面を鏡面加工した後に、表面にメッキしてなり、これに より比較的高い赤外線反射率を提供している。

【０００４】 前述の周知の耳式体温計で人体の耳膜温度を測定する時には、プローブ１１を 外耳道中に挿入して、外耳道と鼓膜の放射する赤外線を導波管１４を透過してセ ンサー１２に送り、内部の演算ユニットで演算した後に出力装置で対応する体温 値を出力する。また、周知の耳式体温計を使用する時、そのプローブ１１は必然 的に被測定者の外耳道に接触するため、多人使用による汚染或いは伝染病の感染 を防止するため、通常は、プローブ１１の外部に一つのカバー２を套設する衛生 保護措置をとり（例えば医療単位で）、且つ一回使用するごとに該カバー２を交 換し衛生上の安全を確保している。

【０００５】 しかし、前述の周知の耳式体温計にカバーを組み合わせた構造は以下のような 欠点を発生した。 １．余分にベースチューブ１３と導波管１４を製造しなければならず、特に導 波管１４の鏡面加工は容易でなく、さらに、内層、外層いずれにもメッキを行う のは一種の浪費であり、相対的に製造コストと複雑性が増し、製造コストを低く することができなくなった。 ２．センサー１２は導波管１４の内端に設置され、このため検出面とプローブ １１の外端に長すぎる距離が形成され、導波管１４の表面のメッキ処理が不均一 であった場合、大幅にその赤外線反射率に影響が生じ、さらに薄膜１５とカバー ２の隔離下にあるために、赤外線相対温度測定の正確性に影響が生じた。 ３．薄膜１５とカバー２の材質或いは加工技術制御が不良であると、大幅に赤 外線のパンチスルー効果が低下し、このため容易に赤外線検出の誤差が発生した 。 ４．ベースチューブ１３前端の薄膜１５が衝突により破損した時、塵埃が導波 管１４に進入してさらにはセンサー１２の検出面に至り、それにより測定温度の 正確性に影響が生じるおそれがあった。且つ導波管１４の内径は極めて小さく塵 埃の擦拭或いは掃除が難しく、クリーニングとメインテナンスが困難であった。

【０００６】 以上のように周知の耳式体温計はそのプローブ内部構造が複雑で各種の欠点を 有しており、このため測定温度の正確性に影響が生じ、また製造コストが増加し た。このため、プローブ内部構造を簡素化して製造を容易として生産コストを下 げられるようにすると共に、耳温測定を正確に行えるようにした耳式体温計が求 められていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の主要な目的は、耳式体温計のプローブ内部構造を簡素化して製造を容 易として生産コストを減少し、並びに耳温測定の正確性を増すことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、耳式体温計のケースの一側に中空円錐状のプローブが固定 され、且つプローブ内部に赤外線センサーが設置された耳式体温計において、 該赤外線センサーが直接プローブの中空内部の前端近くに設置され、その検出 面がプローブの前端にほぼ整合させられ、且つ赤外線センサーの外周面とプロー ブ内周面の間が放熱ペーストで隔てられたことを特徴とする、耳式体温計として いる。 請求項２の考案は、前記放熱ペーストがシリコーン組成物とされたことを特徴 とする、請求項１に記載の耳式体温計としている。 請求項３の考案は、前記プローブの外表面に使い捨て式のカバーが套設され、 該カバーが耳式体温計のケースより柔らかい材料で製造され且つ前端に開口を具 備し、後端の内周が縮小されて緊締部が設けられ、別にケースに固定された連接 部の表面に凸リブが設けられたことを特徴とする、請求項１に記載の耳式体温計 としている。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の耳式体温計は、耳式体温計のケースの一側に中空円錐状のプローブが 固定され、且つプローブ内部に赤外線センサーが設置された耳式体温計において 、 該赤外線センサーが直接プローブの中空内部の前端近くに設置され、その検出 面がプローブの前端にほぼ整合させられ、且つ赤外線センサーの外周面とプロー ブ内周面の間が放熱ペーストで隔てられたことを特徴としている。

【００１０】 そのうち、該プローブの外表面に使い捨て式のカバーが套設され、該カバーが 耳式体温計のケースより柔らかい材料で製造され且つ前端に開口を具備する。

【００１１】

【実施例】

図３及び図４は本考案の実施例の部分断面図及び使用状態断面表示図である。 図示されるように、本考案は、耳式体温計のケース３に一つの連接部３１が凸設 され、該連接部３１の表面に凸リブ３２が形成され、該連接部３１の外端に中空 円錐状のプローブ４が固定され、該プローブ４内部に赤外線センサー５が設置さ れ、該赤外線センサー５は直接プローブ４の中空内部の前端（開口端）近くに設 置され、且つ該赤外線センサー５の検出面５１がほぼプローブ４の前端に整合さ せられ、且つ赤外線センサー５の外周面とプローブ４の内周面の間がシリコーン 組成物６で隔離されている。また、該プローブ４の外表に使い捨て式のカバー７ が套設され、該カバー７の前端に開口７１があり、後端内周の直径が縮小されて 緊締部７２が設けられ、該緊締部７２が連接部３１の凸リブ３２と係合して連接 がなされる。

【００１２】 そのうち、耳式体温計のケース３はＡＢＳポリマーを材料として製造され、カ バー７はＰＰポリマーを材料として製造され、カバー７はケース１に較べて柔ら かい構造を有するため、取付け取外しの時に凸リブ３２を切断したり傷つける恐 れがない。また、該プローブ４は銅管表面にニッケルメッキしてなり、内部のシ リコーン組成物６は比較的良好な熱伝導性を具備して放熱効果を提供する。

【００１３】 前述の本考案の簡単な構造設計により、周知の技術の階段式ベースチューブ或 いは導波管を設置する必要がなくなり、大幅に製造の難しさと手間、コストを削 減することができる。使用上、使用者はカバー７を套設して使用し、一般には医 療単位で使用される場合には交換使用のため大量のカバー７が準備される。しか し、プローブ４にカバー７を套設するか否かに係わらず、該赤外線センサー５の 検出面５１はいずれも前端開口に接近しているため、耳温測定時に、外耳道と鼓 膜の放射する赤外線が容易に赤外線センサー５の検出面５１に到達し、且つ伝導 過程中になんら障害物がないため、相対的に耳温測定の正確性を増すことができ 、並びに検出面５１に塵埃が付着した時には簡単にプローブ４の前端より擦拭或 いは掃除が行え、クリーニング、メインテナンス簡単で便利である。また、検出 面５１がほぼプローブ４前端に整合し、シリコーン組成物６が介装された設計に より、耳温測定後に残留する熱が大幅に減少され、且つすぐにプローブ４表面に 伝導され放熱されるため、熱の赤外線センサー４への伝導を抑制することができ 、これにより安定し高い正確度を有する体温測定が行える。

【００１４】

【考案の効果】

以上の本考案の構造により以下のような優れた効果が提供される。 １．センサーに十分な熱伝導を提供して温度測定を正確に行わせることができ る。 ２．構造が簡単で製造が容易であり、大幅に生産コストを下げることができる 。 ３．簡単に赤外線センサーの検出面を擦拭して掃除できるため、温度測定結果 への塵埃の影響を回避することができる。 ４．シリコーン組成物を利用して熱伝導性を向上たことにより、有効に快速放 熱が行える。 ５．大幅に検出距離を短縮したことにより正確な温度測定を行える。 ゆえに、本考案は実用性、進歩性、新規性及び産業上の利用価値を有する考案 である。なお、以上の実施例は本考案の請求範囲を限定するものではなく、本考 案に基づき容易になしうる細部の修飾或いは改変であって本考案と同じ効果を達 成できる設計的事項はいずれも本考案の請求範囲に属するものとする。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知の耳式体温計の分解斜視図である。

【図２】周知の耳式体温計の使用状態の局部断面図であ
る。

【図３】本考案の実施例図である。

【図４】本考案の使用状態の側面断面図である。

【符号の説明】

１ ケース １１ プローブ １２ センサ
ー １３ ベースチューブ １４ 導波管 １５ 薄膜 ２ カバー ３ ケース ３１ 連接部 ３２ 凸リブ ４ プローブ ５ 赤外線セ
ンサー ５１ 検出面 ６ シリコー
ン組成物 ７ カバー ７１ 開口

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 耳式体温計のケースの一側に中空円錐状
   のプローブが固定され、且つプローブ内部に赤外線セン
   サーが設置された耳式体温計において、 該赤外線センサーが直接プローブの中空内部の前端近く
   に設置され、その検出面がプローブの前端にほぼ整合さ
   せられ、且つ赤外線センサーの外周面とプローブ内周面
   の間が放熱ペーストで隔てられたことを特徴とする、耳
   式体温計。
2. 【請求項２】 前記放熱ペーストがシリコーン組成物と
   されたことを特徴とする、請求項１に記載の耳式体温
   計。
3. 【請求項３】 前記プローブの外表面に使い捨て式のカ
   バーが套設され、該カバーが耳式体温計のケースより柔
   らかい材料で製造され且つ前端に開口を具備し、後端の
   内周が縮小されて緊締部が設けられ、別にケースに固定
   された連接部の表面に凸リブが設けられたことを特徴と
   する、請求項１に記載の耳式体温計。