JP3069398U - マンホ―ル用梯子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 作業者がマンホールへ出入りする際に、安
全に昇降でき、しかも折りたたみ式で運搬や保管等の取
扱いに便利なマンホール用梯子を提供する。 【解決手段】 梯子に回動自在に支承部材を配設し、さ
らに梯子と支承部材とのなす角を直角に固定する形態固
定部材を着脱自在に配設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、地下に埋設された上下水道管や配線ケーブル管あるいはビルディン グに設置されている高架水槽等の点検，補修，清掃等の作業を行なう際に、作業 者がマンホールや水槽内を昇降するために使用する梯子に関する。

【０００２】

【従来の技術】

地下に埋設された上下水道管や配線ケーブル管等の点検，補修，水槽等の作業 を行なう際に、作業者はマンホールを通って昇降する。一般にマンホールには、 昇降用の梯子が設置されている。しかしこの昇降用の梯子（以下、付設梯子とい う）はマンホールの下方に付設されており、マンホールの上端（以下、地上面と いう）とマンホール内の付設梯子の最上段との間隔が大きく開いている。

【０００３】 そのため作業者が地上面からマンホールへ出入りする際に、暗いマンホール内 で体勢が不安定となり、作業者が転落する等の問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記のような問題を解消するべく、作業者が地上面からマンホールへ 出入りする際に、マンホール内の付設梯子の最上段と地上面との間を安全に昇降 でき、しかも折りたたみ式で運搬や保管等の取扱いに便利なマンホール用梯子を 提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、マンホール内の付設梯子の近傍までの長さを有する梯子と、梯子の 上端付近に回動自在に配設された２本の支承部材と、一端が梯子に回動自在に配 設され他端が支承部材に着脱自在に結合され２本の形態固定部材とからなるマン ホール用梯子である。

【０００６】 前記した考案においては、好適態様として、２本の支承部材のそれぞれの端部 に位置固定具、すべり防止具または変形防止具のうちの少なくとも１種を嵌合す る貫通孔を１個以上設けることが好ましい。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１は、本考案のマンホール用梯子をマンホール５に設置した例を示す斜視図 である。図２は、図１中のＡ−Ａ部の断面図である。図３は、本考案のマンホー ル用梯子を折りたたんだ状態の例を示す平面図である。なおここでは形態固定部 材３は、板状の部材の一端が梯子１に回動自在に配設され、他端がピン６を介し て支承部材２に固定される構成の例について説明する。

【０００８】 支承部材２は梯子１の上端付近に回動自在に配設されているが、マンホール用 梯子をマンホール５に設置する時は、図１に示すように形態固定部材３を用いて 梯子１と支承部材２とのなす角が直角になるように固定する。その際、形態固定 部材３はピン６を介して支承部材２に固定される。梯子１と支承部材２が直角に なるように固定された状態の梯子１をマンホール５内に垂下し、支承部材２がマ ンホール５の開口部に橋架する状態で地上面に設置する。

【０００９】 梯子１を垂下する位置は、作業者が安全に昇降するために、図２に示すように マンホール５内の付設梯子７の上方で、梯子１と付設梯子７との間を安全に昇降 できる位置に垂下するのが好ましい。梯子１の長さは、作業者が梯子１と付設梯 子７との間を安全に昇降できる位置に届けば良く、マンホール５の底部に到達す る必要はない。

【００１０】 点検や補修等の作業が終了した後、本考案のマンホール用梯子を運搬あるいは 保管する際には、ピン６を取り外す。支承部材２および形態固定部材３は、梯子 １に回動自在に配設されているので、ピン６を取り外すと、図３に示すように折 りたたむことが可能であり、取扱いに便利である。本考案のマンホール用梯子の 材質は、特定の材質に限定しないが、運搬に便利なように軽量化を図るために、 アルミニウム合金，木材，軽量型鋼等を使用するのが望ましい。

【００１１】 なお形態固定部材３の例として、板状の部材の一端が梯子１に回動自在に配設 され、他端がピン６を介して支承部材２に固定される構成の例について説明した が、本考案においては形態固定部材３は特定の構成に限定しない。すなわち梯子 １と支承部材２とのなす角が直角になるように固定でき、しかも着脱自在に配設 される構成であれば良い。たとえば、ねじを用いて、形態固定部材３と支承部材 ２を固定し、さらに形態固定部材３と梯子１を固定する構成でも良い。

【００１２】 本考案のマンホール用梯子を設置する位置の地上面が未舗装の場合は、図４に 示すように、支承部材２に設けた貫通孔４に位置固定具８を挿入して、地中に打 ち込むか、またはねじ込むことが望ましい。位置固定具８によってマンホール用 梯子の位置が固定されるので、作業者が地上面からマンホールへ出入りする際に 、安全に昇降できる。

【００１３】 なお図４には位置固定具８を４個使用する例を示したが、本考案においては位 置固定具８を使用する個数は特定の数に限定せず、マンホール用梯子を設置する 位置の状況に応じて位置固定具８を使用すれば良い。また位置固定具８の構成は 、特定の構成に限定せず、地中に打ち込むか、あるいはねじ込む等によってマン ホール用梯子の位置を固定する構成であれば良い。

【００１４】 本考案のマンホール用梯子を設置する位置の地上面が舗装されている場合は、 位置固定具８を打ち込んだり、ねじ込んだりすることは不可能である。そこで図 ５および図６に示すように、変形防止具９およびすべり防止具10を使用するのが 望ましい。 たとえば図５の場合は、支承部材２に設けた貫通孔４にＵ字形状の変形防止具 ９を挿入して２本の支承部材２を相互に拘束させて、マンホール用梯子が変形す るのを防止し、かつマンホール５の開口部上に位置する貫通孔４にＬ字形状のす べり防止具10を挿入してマンホール５内に垂下する。こうしてマンホール用梯子 の位置を固定する。

【００１５】 なお図５には変形防止具９を１個使用する例を示したが、本考案においては変 形防止具９を使用する個数は特定の数に限定せず、マンホール用梯子を設置する 位置の状況に応じて変形防止具９を使用すれば良い。 変形防止具９の例として、図５にはＵ字形状の変形防止具９を貫通孔４に挿入 して２本の支承部材２を相互に拘束させる例を示したが、本考案においては変形 防止具９の構成は、特定の構成に限定せず、マンホール用梯子が変形するのを防 止する構成であれば良い。たとえば図６に示すように、変形防止具９と支承部材 ２とを嵌合させる構成にしても良い。

【００１６】 すべり防止具10の例として、図５には貫通孔４を介してＬ字形状のすべり防止 具10をマンホール５内に垂下する例を示したが、本考案においてはすべり防止具 10の構成は、特定の構成に限定せず、マンホール５の壁面に当接することによっ て、マンホール用梯子の位置がずれるのを防止する構成であれば良い。たとえば 図６に示すように、貫通孔４を介してマンホール５内に垂下する棒状の部材の上 端に板状の部材を装着する構成にしても良い。

【００１７】 また位置固定具８、変形防止具９およびすべり防止具10を使用する組み合わせ は、図４，図５および図６に示した組み合わせに限定せず、必要に応じて位置固 定具８、変形防止具９およびすべり防止具10を各々単独で使用するか、あるいは 適宜組み合わせて使用すれば良い。したがって貫通孔４の個数は特定の数に限定 しないが、各支承部材２がそれぞれ１個または２個以上の貫通孔４を有する構成 にすれば良い。

【００１８】

【実施例】

図１に示した梯子１および支承部材２を木材で製作し、形態固定部材３をアル ミニウム合金で製作した。支承部材２を梯子１に回動自在に配設し、さらに形態 固定部材３の一端を梯子１に回動自在に配設し、他端をピン６を用いて支承部材 ２に固定できるようにした。

【００１９】 マンホール用梯子をマンホール５に設置する際には、図１に示すようにピン６ を用いて形態固定部材３を支承部材２に固定し、梯子１と支承部材２とのなす角 が直角になるように固定した。この状態の梯子１をマンホール５内に垂下し、支 承部材２がマンホール５の開口部を橋架するように地上面に設置した。梯子１を 垂下する位置は、図２に示すようにマンホール５内の付設梯子７の上方に垂下し た。

【００２０】 地上面が未舗装の場所でマンホール用梯子を使用するときは、図４に示すよう に、支承部材２に設けた貫通孔４に位置固定具８を挿入して、地中に打ち込んだ 。さらに、マンホール５の開口部上に位置する貫通孔４にＬ字形状のすべり防止 具10を挿入してマンホール５内に垂下し、マンホール用梯子の位置がずれるのを 防止して作業者が安全に昇降できるようにした。

【００２１】 地上面が舗装されている場所でマンホール用梯子を使用するときは、図５に示 すように、支承部材２に設けた貫通孔４にＵ字形状の変形防止具９を挿入して２ 本の支承部材２を相互に拘束させて、マンホール用梯子が変形するのを防止した 。さらに、マンホール５の開口部上に位置する貫通孔４にＬ字形状のすべり防止 具10を挿入してマンホール５内に垂下し、マンホール用梯子の位置がずれるのを 防止して作業者が安全に昇降できるようにした。

【００２２】 地下に埋設された上下水道管や配線ケーブル管等の点検や補修等の作業が終了 した後、位置固定具８，変形防止具９，すべり防止具10を取り外し、さらにピン ６を抜き取ってマンホール用梯子を折りたたんだ。折りたたみ式であるので、運 搬や保管等の取扱いに便利であった。 また本考案のマンホール用梯子は、ビルディングに設置されている高架水槽の 内部を点検，補修，清掃する際にも問題なく使用できた。つまり支承部材２を橋 架でき、かつ梯子１を垂下できる構造物であれば、本考案のマンホール用梯子を 使用することが可能である。

【００２３】

【考案の効果】

本考案のマンホール用梯子を用いると、地下に埋設された上下水道管や配線ケ ーブル管あるいはビルディングに設置されている高架水槽等の点検，補修，清掃 等の作業を行なう際に、取扱いに便利で、しかも作業者が安全に昇降できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のマンホール用梯子を設置した例を示す
斜視図である。

【図２】図１中のＡ−Ａ部の断面図である。

【図３】本考案のマンホール用梯子を折りたたんだ状態
の例を示す平面図である。

【図４】本考案のマンホール用梯子を設置して位置固定
具を使用した例を示す斜視図である。

【図５】本考案のマンホール用梯子を設置して変形防止
具およびすべり防止具を使用した例を示す斜視図であ
る。

【図６】本考案のマンホール用梯子を設置して変形防止
具およびすべり防止具を使用した例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 梯子 ２ 支承部材 ３ 形態固定部材 ４ 貫通孔 ５ マンホール ６ ピン ７ 付設梯子 ８ 位置固定具 ９ 変形防止具 10 すべり防止具

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 マンホール内の付設梯子の近傍までの長
   さを有する梯子と、前記梯子の上端付近に回動自在に配
   設された２本の支承部材と、一端が前記梯子に回動自在
   に配設され他端が前記支承部材に着脱自在に結合された
   ２本の形態固定部材とからなることを特徴とするマンホ
   ール用梯子。
2. 【請求項２】 前記２本の支承部材のそれぞれの端部に
   位置固定具、すべり防止具または変形防止具のうちの少
   なくとも１種を嵌合する貫通孔を１個以上設けることを
   特徴とする請求項１に記載のマンホール用梯子。