JP3067948B2 - 縮小された対面結合部をもつ光結合装置およびその製造方法 - Google Patents

縮小された対面結合部をもつ光結合装置およびその製造方法

Info

Publication number
JP3067948B2
JP3067948B2 JP6128201A JP12820194A JP3067948B2 JP 3067948 B2 JP3067948 B2 JP 3067948B2 JP 6128201 A JP6128201 A JP 6128201A JP 12820194 A JP12820194 A JP 12820194A JP 3067948 B2 JP3067948 B2 JP 3067948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
face
optical
coupling
optical fiber
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6128201A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07311323A (ja
Inventor
光雄 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seikoh Giken Co Ltd
Original Assignee
Seikoh Giken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seikoh Giken Co Ltd filed Critical Seikoh Giken Co Ltd
Priority to JP6128201A priority Critical patent/JP3067948B2/ja
Publication of JPH07311323A publication Critical patent/JPH07311323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3067948B2 publication Critical patent/JP3067948B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光源と光ファイバとの
光の結合に関し、特にレーザダイオード、または発光ダ
イオードなどの発散性の光源から出力される放射光、ま
たは広がりをもつ入射光を効率よく光ファイバに接続す
るための光結合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光源とシングルモード形光ファイ
バとの光結合装置として、光源と光ファイバ端面との間
に1枚または複数枚の光学レンズより成るレンズ系を挿
入して、光源から出力される放射光のビームスポット径
と光ファイバコアのモードスポット径とを整合させて光
結合効率の改善を図ったものが多数提案されている。こ
のような従来の光結合装置において、光学レンズのレン
ズ表面での反射光損失はレンズ1枚につき約14%加算
される。従来の光結合装置に共通していえることは、光
ファイバのコアに入射した光パワーPaのみが有効なコ
ア伝搬光となることである。しかし、特にシングルモー
ド形光ファイバのコア直径は9〜10μmと非常に微細
であるので、光源,光学レンズ系,およびファイバの間
の光軸の整列誤差が光結合効率に大きな影響を及ぼす。
この場合、光軸の整列誤差による光結合効率ηは次の第
(1)式により計算できる。 η=exp(−2d2z 2 ) (1) ただし、dは整列誤差(μm)、ωは光ファイバのモー
ドスポット径である。例えば、整列誤差(d)が0μm
の場合の光結合効率(η)を100%とすれば、d=
2.5μm、ω=5μmの場合の光結合効率(η)は約
60%に低下する。
【0003】光路に光学レンズ系を介在させた場合に
は、光軸の整列誤差の補正精度は低下し易く、さらに前
記光学レンズのレンズ表面での反射光損失が加算される
ので、光結合効率ηは最良の状態で一般に40%程度の
ものが多かった。したがって、図6のようなレーザダイ
オードあるいは発光ダイオードなどの光源1と光ファイ
バ端面7との間に光学レンズ系を使用しない簡便なタイ
プのもの、すなわち直接結合形式の光源とシングルモー
ド形光ファイバとの間の光結合装置が望ましい。図6
は、光源と光ファイバ端面との間に光学レンズ系を使用
しない簡便なタイプの従来形式の光結合装置の原理を説
明するための略図である。図6において、1はレーザダ
イオードなどの光源、2は光ファイバのコア、3は光フ
ァイバのクラッド、4は全放射光、5は光ファイバのコ
ア2に入射結合する放射光を示す。レーザダイオードに
よる光源を使用したときには、レーザダイオード1から
の放射光4の放射角度θrはガウス分布をしていて、か
つ、コヒーレント光であるので、光の回折現象により、
XX’軸方向で40〜60度、YY’軸方向で20度程
度の広がりをもった楕円形の放射光パターンが形成され
る。この場合、光ファイバのコア2に入射結合する光量
Paは Pa=I0 {1−exp(−2a2 /ωz 2 )} (2) で計算できる。ただし、I0 は光源光強度、aはシング
ルモード形光ファイバのコア半径で、a=5μm、ωz
は光源からの距離Zの位置にある光ファイバ入射端面の
光ビーム半径である。全光束4の平均放射角度をθrと
してθr=25度と仮定する。そして、シングルモード
形光ファイバコアの光開口率をNA=θ1 として、NA
=θ1 =5.3度と仮定する。光ファイバコア2の端面
への入射光量Paは計算上で約8%に過ぎない。入射光
量Paの残り92%は光ファイバのクラッド3およびそ
の他の領域に入射して、図示したように光ファイバのク
ラッド3の外径面6から外部に放射されて失われ、光フ
ァイバの伝搬光にはならずに光結合損失になる。次に、
光ファイバの端面7をレーザダイオード光源1に限りな
く接近させるとする。この場合、光ファイバのコア2へ
の入射光のうち、光ファイバの開口率NA=θ1 ≒5.
3度より大きな入射角度をもった光は、光ファイバのコ
ア2へ入射してもコア伝搬光にはならない。したがっ
て、図6に示すような簡便な直接光結合方式は簡便であ
るが、ほとんど使用されていない。
【0004】しかしながら、上述した直接光結合方式は
光学レンズ系を含まない利点をもっているので、その光
結合効率を改善しようとする試みが従来多数試みられて
きた。例えば、図7に示されている形状のものもそのよ
うな直接光結合方式の光ファイバ光結合装置である。こ
れは著者クリストファー A エドワード等(Chri
stopher A.Edwards et al.)
によるファイバ結合用の理想マイクロレンズ(Idea
l Microlenses for Laser t
o FiberCoupling)と題して米国電子電
気学会発行の光波技術誌(IEEE,Journal
of Lightwave Technology)第
11巻,第2号,252頁〜257頁、1993年2月
に発行されたものに掲載されている。この文献に示され
ているものは図7に示すような断面形状をもっている。
光ファイバ8を加熱延伸法により、端面に向かって小径
となるようにテーパ部分9を形成し、光ファイバコア1
0のモードスポット径を拡大するとともに、光ファイバ
先端部を加熱溶融して、表面張力で半球状の一体のマイ
クロレンズ11を形成したものである。図7に示す例で
は、レーザダイオード光源と光ファイバ端面との間の距
離(Z)をほぼ8.5μm、マイクロレンズ11の曲率
半径(R)を5.7μmとしたとき、光結合効率ηは約
50%になったと報告されている。この例では、マイク
ロレンズ11の微小な曲率半径に起因して開口率NAの
制約、および光源と光ファイバとの間の光軸ずれ精度に
より光結合効率は制限される。
【0005】ノラン等(NOLAN et.)の米国特
許第4763976号、モード フィルド変換をもちい
たコネクタ(CONNECTOR EMPLOYING
FIELD MODIFICATION)の発明を図
8を参照して説明する。図8は前記コネクタの断面図で
ある。図8は、光ファイバ12の外径面13に、光ファ
イバのクラッド14の光屈折率n1 よりも小さい光屈折
率n3 をもったガラスチューブ15を同軸心に一体化し
て、端面部を加熱延伸することにより光入射面を細くし
たものである。この例は、光ファイバのコア16のモー
ドスポット径をほぼ2倍に拡大させて、光軸誤差により
光結合効率が低下しないよう、光結合効率の改善を図っ
た提案である。この例の場合、テーパ延伸比を4:1に
したとき、光ファイバのコアのモードスポットサイズω
は10μmであると記述されているが、この場合、光源
と光ファイバとの間の光軸ずれ(d)を2.5μmであ
るとすれば、光軸ずれのみによる光結合効率ηは計算
上、88%となる。しかしながら、図8の形状に光ファ
イバを加工することは技術的に容易ではなく困難性が高
いと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来例では光源と光フ
ァイバの光軸との間の微細な整列調整の誤差、および光
ファイバのコアの開口率NAにより入射光の制約を受け
るので、光結合効率ηは一般に50%以下のものが多
い。本発明の第1の目的は、入射クラッドモード伝播光
の外部漏洩防止、および開口率の拡大を実現することが
できる縮小された対面結合部をもつ光結合装置を提供す
ることにある。本発明の第2の目的は、前記縮小された
対面結合部をもつ光結合装置の製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために本発明による縮小された対面結合部をもつ光結
合装置は、光源からの光を光ファイバに導入する光結合
装置であって、円筒状の光学材料の一端に形成された入
射端面,径を次第に縮小して形成した射出結合端面,外
径面に形成された反射層をもつ第1の光結合要素と、前
記第1の光結合要素の結合端面に対面結合する次第に縮
小して形成したコアとクラッド部をもつ受光結合端面,
外径面に形成された反射層をもつ光ファイバよりなる第
2の光結合要素とからなり、前記第1の光結合要素の入
射端面に入射した光を前記縮小された前記各対面結合部
を介して前記第2の光結合要素に伝達するように構成さ
れている。前記第2の光結合要素の対面結合部の受光面
は前記第1の射出結合端面からの光を全て受け入れる径
とすることができる。前記第1の光結合要素は石英ガラ
スロッドまたは光ファイバとすることができる。前記第
2の目的を達成するために本発明による縮小された対面
結合部をもつ光結合装置の製造方法は、石英ガラスロッ
ドを加熱延伸法により中央部の射出結合端面となる小径
部に達する対のテーパ部分を加工し、外径面に反射層を
形成する石英ガラスロッド加工ステップと、シングルモ
ード光ファイバを加熱延伸法により中央部の受光結合端
面となる小径部に達する対のテーパ部分を加工し、外径
面に反射層を形成する光ファイバ加工ステップと、前記
ステップを経た石英ガラスロッドおよび光ファイバを円
筒形フェルールの中心孔に各結合部が中心に位置するよ
うに挿入固定し、各フェルール軸長の中央部の対面結合
部相当位置を2分割切断し、必要な端面を研磨して第1
および第2の結合要素を製造するステップと、前記第1
および第2の結合要素の結合端面を整列固定する組立て
ステップと、を含んで構成されている。前記石英ガラス
ロッド加工ステップまたは前記光ファイバ加工ステップ
の反射層形成は、高反射率の誘電体ミラーコーティング
処理または金,銀,銅,アルミニウムなどの高反射率金
属披膜処理を施す処理とすることができる。前記第1お
よび第2の結合要素を製造するステップの2分割切断の
切断面は、前記各要素の光軸に直角な平面に対して傾き
を持たせることができる。前記第1および第2の結合要
素の結合端面を整列固定する組立ステップで前記第1お
よび第2の結合要素の結合端面は整列スリーブ内で互い
に平行に対面させられて組立てることができる。
【0008】
【実施例】以下図面等を参照して本発明をさらに詳しく
説明する。図1は、本発明による縮小された対面結合部
をもつ光結合装置の実施例の基本構成を示す略図であっ
て、図解を容易にするために径方向の寸法(太さ)を誇
張して示してある。光源300からの光または適当な集
光手段を介して入射される光を光ファイバ210に導入
する光結合装置であって基本的に第1の光結合要素10
0と第2の光結合要素200から形成されている。第1
の光結合要素100は筒状の光学材料、この実施例では
石英ガラスロッド100eを加工したものである。その
一端は第1の光結合要素のフェルール100gとともに
研磨され入射端面(受光端面)100aを形成してい
る。石英ガラスロッド100eの径は他端に向かって次
第に縮小され射出結合端面100bを形成している。石
英ガラスロッド100eの外径面には反射層100cが
形成されている。外径面に反射層100cが形成された
石英ガラスロッド100eは前記射出結合端面100b
の中心がフェルールの中心になるように、固定用接着材
料100hにより固定されフェルール100gとともに
仕上げ研磨されている。
【0009】第2の光結合要素200は光ファイバを加
工したものである。第2の光結合要素の受光結合端面2
00aは光ファイバを引き延ばした第2の光結合要素の
テーパ部200dに形成されている。受光結合端面20
0aでは光ファイバのコア200e,光ファイバのクラ
ッド200fも小径化されている。これ等の外径には反
射層200cが形成されている。第2の光結合要素の受
光結合端面200aのコア200eの中心がフェルール
200gの中心になるように、固定用接着材料200h
により固定されフェルール200gとともに仕上げ研磨
されている。この第2の光結合要素200は直接または
適当なコネクタを介して光ファイバ210に接続されて
いる。第1,第2の光結合要素100と200は破線で
示す整列結合手段(スリーブ)400により正確に光軸
が合わせられ組み立てられる。光源300から第2の光
結合要素200の受光結合端面200aに入射した光は
損失無く光ファイバ210のコアに伝達される。
【0010】次に図2〜図4を参照して前記実施例装置
の製造工程を説明する。図2は第1の光結合要素の製造
工程の実施例を説明するための断面図、図3は第2の光
結合要素の製造工程を説明するための断面図、図4は実
施例の組立ての製造工程を説明するための断面図であ
る。 (第1の光結合要素の製造 図2)石英ガラスロッド1
7を加熱延伸法により引き延ばし両テーパ状に加工す
る。入射伝搬光の外部漏洩防止および開口率NA拡大手
段として当該テーパ付石英ガラスロッド17のテーパ部
18,19外周面に高反射率誘電体ミラーコーティング
処理、または金,銀,銅,アルミニウムなどの高反射率
金属の蒸着被膜処理により反射層20を形成する。当該
テーパ付石英ガラスロッド17のテーパ部18,19の
最小直径部21が円筒形フェルール22の軸長の中心に
位置するように中心孔23に挿入接着固定する。フェル
ール長の中央部で軸直角面に対して任意の傾斜角度に2
分割切断する。両端面24,25面を研磨仕上げする。
以上により2個の第1の光結合要素が得られる。
【0011】(第2の光結合要素の製造 図3)同様に
コア26およびクラッド27が同心円断面をもつ1本の
シングルモード光ファイバ28の一部分を加熱軟化させ
た状態で光ファイバ軸方向に加熱延伸し中央部29の最
小直径部30が前記受光素子Aの石英ガラスロッド17
の最小直径と同じ、またはわずかに大きい寸法の両テー
パ部31,32を加工する。入射クラッドモード伝搬光
の外部漏洩防止手段として当該光ファイバ28のテーパ
部31,32外径面に高反射率誘電体ミラーコーティン
グ処理、または金,銀,銅,アルミニウムなどの高反射
率金属の蒸着被膜処理33を施す。両テーパ付シングル
モード光ファイバ28の最小直径部30が円筒形フェル
ール34の軸長の中心に位置するように中心孔35に挿
入接着する。フェルール34の軸長の中央部で軸直角面
に対して任意の傾斜角度に2等分割切断する。フェルー
ル両端面36,37を研磨仕上げすることにより第2の
光結合要素を製造する。 (第1および第2の結合要素の組立 図4)第1の光結
合要素の射出側結合端面25と第2の光結合要素の受光
側結合端面37を円筒形の整列スリーブ38の整列孔3
9の両側から挿入する。結合端面25,27を平行に接
触させて固定する。次にLDまたはLEDなどの光源4
0と受光素子組立Cの光軸を一致させて図示しないパッ
ケージに組み込んで本発明の光結合装置は完成する。
【0012】本発明による縮小された対面結合部をもつ
光結合装置の第1および第2の結合要素に使用した高反
射率被膜20,33のうち誘電体ミラーコーティングの
場合は光入射角度45度以内において反射率98%以上
の光学特性をもっている。また、金,銀,銅,などの金
属蒸着被膜層は直角入射時の反射率はやはり98%以上
であり、これらの事実に関しては、株式会社ニューポー
トの総合カタログ、J−62頁(1990年)、および
丸善株式会社により出版された機械設計便覧89頁(1
973年)に記載されている。
【0013】本発明による縮小された対面結合部をもつ
光結合装置では、LDまたはLEDなどの光源40の放
射光I0 を高い結合効率ηで第1の光結合要素の端面2
4と結合するために幾つかの改良を施してある。 (その1)この実施例では入射端面24における受光面
積拡大のために、口径を大きくするよう直径125μm
の石英ガラスロッド17を使用した。したがって受光可
能面積はコア直径が9〜10μmのシングルモード光フ
ァイバに比較して約150倍に増大できる。さらに開口
率NAの拡大手段として石英ガラスロッド17の外周面
に高反射率被膜20を施すことにより、LD光源の光放
射角(25〜30度/半径)を上回るブリュースター角
(Brewster’sangle)≒57度まで有効
に受光可能となった。 (その2)第1の光結合素子に入射した伝搬光を有効に
第2の光結合要素に結合する手段として、シングルモー
ド光ファイバをテーパ状に細く延伸することによってモ
ードスポットサイズωを第1の光結合要素の石英ガラス
ロッド17の端面25の直径と同等に拡大させる。これ
により、シングルモード光ファイバ28の端面36にお
いてクラッド27面に入射した光Pbをテーパ部32で
光ファイバコア伝搬光Paに収束変換することができ
る。 (その3)通常クラッド面に入射した光Pbはただちに
クラッド外部に放射されて失われクラッド内伝搬光にな
り得ないが、この光損失を防止してクラッド層内部の伝
搬光とするために本発明の第2の光結合要素のシングル
モード光ファイバのテーパ部32外周面に高反射率被膜
33の付着処理をおこなった。
【0014】次に、光ファイバコアの半径aの変化によ
るモードスポットサイズωの変化の関係は、“シングル
モードファイバスプライスの損失解析”と題してマーキ
ューズによりベルシステム技術誌,第56巻,第5号,
703頁に記載され、1977年に出版されている(M
arcuse D.,“Loss analysiso
f single−mode fiber splic
e”, BellSystem Technical
Journal, 56,5,P.703, 197
7)。マーキューズによれば、光ファイバコア半径aの
変化によるモードスポットサイズωは、次の第(4)式
により与えられる。 ω=a(0.65+1.619/V1.5 +2.879/V6 ) (4) ただし、Vは規格化周波数であり、第(5)式により与
えられる。すなわち、 V=(2πan1 /λ)・{2(n1 −n2 )/n1 1/2 (5) ただし、λは光源の波長(μm)、aは光ファイバコア
半径(μm)、n1 は光ファイバコア屈折率、n2 は光
ファイバクラッド屈折率である。一例として、光ファイ
バ延伸テーパ比とモードスポットサイズω、光ファイバ
コア半径a、および光ファイバクラッド半径bの関係を
図5に示す。図5において、λ=1.31μm、a=5
μm、n1 =1.47、n2 =1.46、およびb=6
2.5μmと仮定してある。
【0015】第1の光結合要素から第2の光結合要素の
クラッド27端面に入射したクラッドモード伝搬光Pb
を光ファイバコア26内を伝搬するコア伝搬光Paに合
流変換する手段として、光ファイバコア26直径2aが
細くなるにつれて図5に示すようにコア26のモードス
ポットサイズωが拡大される。このモードスポットサイ
ズωの拡大領域は光学的に光ファイバコア領域とみなさ
れる。したがって前述のように第1の光結合要素の接続
端面25における石英ガラスロッド17の直径と第2の
光結合要素の接続端面36におけるシングルモード光フ
ァイバ28のモードスポットサイズ2ω直径を同一にす
ることによりシングルモード光ファイバ28端面に入射
した光はすべてコアに収束されてコア伝搬光となる。第
5図によれば、延伸テーパ比約40%において光ファイ
バクラッド半径bとモードスポットサイズωの半径は2
7〜28μmと同一になることがわかる。したがって石
英ガラスロッド17およびシングルモード光ファイバ2
8ともに40%程度の延伸テーパ比で本発明の目的を達
成できる。
【0016】前記実施例で第1の光結合要素に使用した
石英ガラスロッドの代わりに、例えば光ファイバを使用
しても前述のように光ファイバの開口率NAに受光角度
の制約を受けることはなく、かつ光ファイバコアおよび
クラッド全面に入射した光を有効なコア伝搬光にするこ
とができる。本発明の石英ガラスロッド17およびシン
グルモード光ファイバ28のテーパ傾斜角度θtは厳密
に規定する必要はないが一般的に使用するシングルモー
ド光ファイバの臨界角度θc以下になるように選ぶこと
が望ましい。例えば図5のシングルモード光ファイバの
場合の臨界角度θcは約3.6度である。本発明による
縮小された対面結合部をもつ光結合装置で第1の光結合
要素と第2の光結合要素の接続端面は光軸直角面に対し
て任意角度の傾斜面に研磨仕上げする例を示したが、こ
れは接続面で発生する反射戻り光損失を低減をすること
にある。反射戻り光は特に、光源がLDの場合は発光を
不安定にする要因になるので防止しなければならない。
傾斜角度はシングルモード光ファイバの場合は8〜12
度の範囲が好ましい。
【0017】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
る縮小された対面結合部をもつ光結合装置は、円筒状の
光学材料の一端に形成された入射端面,径を次第に縮小
して形成した射出結合端面,外径面に形成された反射層
をもつ第1の光結合要素と、前記第1の光結合要素の結
合端面に対面結合する次第に縮小して形成したコアとク
ラッド部をもつ受光結合端面,外径面に形成された反射
層をもつ光ファイバよりなる第2の光結合要素とからな
り、前記第1の光結合要素の入射端面に入射した光を前
記縮小された前記各対面結合部を介して前記第2の光結
合要素に伝達するように構成されている。前記本発明の
光源とシングルモード光ファイバの光結合装置の効果を
列挙すると次のとおりである。光源からの光を第1の光
結合要素の直径125μmの石英ガラスロッド全面で受
光できるとともに、石英ガラスロッド外周面に光反射被
膜処理を施すことにより開口率NAを光源の光放射角よ
り大きくできるので光結合効率を大幅に改善できる。第
1の光結合要素と第2の光結合要素の光結合はシングル
モード光ファイバのモードスポットサイズを拡大して接
続端面における石英ガラスロッドコア直径と同一にす
る。そして第2の光結合要素のクラッド外周面からクラ
ッド伝搬光の外部漏洩防止手段として同様にシングルモ
ード光ファイバテーパ部分のクラッド外周全面に光反射
被膜処理を施すことにより光漏洩損失を低減できる。従
来のものに比較して光源と第1の光結合要素間の光軸心
ずれ許容誤差値を大幅に緩和できる。例えば光源からの
光ビーム放射角度θr=25度、光源と光ファイバ入射
端面間距離Z=100μmにおける光ビーム半径ωzは
約47μmとなる。光軸ずれを5μmと仮定すれば、本
発明の光結合装置の光軸ずれに起因する光結合損失は
2.2%と微小であり従来は不可能であった光軸の無調
整組み立てによっても高い光結合効率を容易に得られ
る。また第1の光結合要素と第2の光結合要素間の光軸
心ずれによる光結合損失はテーパ延伸比40%、光軸ず
れを5μmとすれば、1%にすぎない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による縮小された対面結合部をもつ光結
合装置の実施例の基本構成を示す略図である。
【図2】本発明による縮小された対面結合部をもつ光結
合装置の実施例の第1の光結合要素の製造工程を説明す
るための断面図である。
【図3】本発明による縮小された対面結合部をもつ光結
合装置の実施例の第2の光結合要素の製造工程を説明す
るための断面図である。
【図4】本発明による縮小された対面結合部をもつ光結
合装置の実施例の組立て製造工程を説明するための断面
図である。
【図5】光ファイバ延伸テーパ比,モードスポットサイ
ズω,光ファイバコア半径a,および光ファイバクラッ
ド半径bの関係を示すグラフである。
【図6】光源と光ファイバ端面との間に光学レンズ系を
使用しない簡便なタイプの従来形式の光結合装置の原理
を説明するための略図である。
【図7】光結合効率の改善を図った従来技術による光結
合装置の断面を示す概略図である。
【図8】光軸誤差により光結合効率が低下しないよう、
光結合効率の改善を図った従来例の断面を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1,40 光源 2,10,16,26 コア 3,14,27 クラッド 4,5 放射光 6 外径面 7 光ファイバの端面 8,12,28 光ファイバ 9,18,19,31,32 テーパ部分 11 マイクロレンズ 13 外径面 15 ガラスチューブ 17 石英ガラスロッド 20,33 反射層(高反射率被膜) 21 最小直径部 22,34 円筒形フェルール 23,35 中心孔 28 両テーパ付シングルモード光ファイバ 25,36,37 フェルール端面 38 円筒形の整列スリーブ 39 整列孔 100 第1の光結合要素 100a 第1の光結合要素の受光端面(入射端面) 100b 第1の光結合要素の射出結合端面 100c 第1の光結合要素の反射層 100d 第1の光結合要素のテーパ部 100e 光学材料(石英ロッド) 100g 第1の光結合要素のフェルール 100h,200h 固定用接着材料 200 第2の光結合要素 200a 第2の光結合要素の受光結合端面 200c 第2の光結合要素の反射層 200d 第2の光結合要素のテーパ部 200e 第2の光結合要素の光ファイバのコア 200f 第2の光結合要素の光ファイバのクラッド 200g 第2の光結合要素のフェルール 210 光ファイバ 300 光源 400 整列結合手段(スリーブ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を光ファイバに導入する光
    結合装置であって、 円筒状の光学材料の一端に形成された入射端面,径を次
    第に縮小して形成した射出結合端面,外径面に形成され
    た反射層をもつ第1の光結合要素と、 前記第1の光結合要素の結合端面に対面結合する次第に
    縮小して形成したコアとクラッド部をもつ受光結合端
    面,外径面に形成された反射層をもつ光ファイバよりな
    る第2の光結合要素とからなり、 前記第1の光結合要素の入射端面に入射した光を前記縮
    小された前記各対面結合部を介して前記第2の光結合要
    素に伝達するように構成した縮小された対面結合部をも
    つ光結合装置。
  2. 【請求項2】 石英ガラスロッドを加熱延伸法により中
    央部の射出結合端面となる小径部に達する対のテーパ部
    分を加工し、外径面に反射層を形成する石英ガラスロッ
    ド加工ステップと、 シングルモード光ファイバを加熱延伸法により中央部の
    受光結合端面となる小径部に達する対のテーパ部分を加
    工し、外径面に反射層を形成する光ファイバ加工ステッ
    プと、 前記ステップを経た石英ガラスロッドおよび光ファイバ
    を円筒形フェルールの中心孔に各結合部が中心に位置す
    るように挿入固定し、各フェルール軸長の中央部の対面
    結合部相当位置を2分割切断し、必要な端面を研磨して
    第1および第2の結合要素を製造するステップと、 前記第1および第2の結合要素の結合端面を整列固定す
    る組立てステップと、を含んで構成した縮小された対面
    結合部をもつ光結合装置の製造方法。
JP6128201A 1994-05-17 1994-05-17 縮小された対面結合部をもつ光結合装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3067948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6128201A JP3067948B2 (ja) 1994-05-17 1994-05-17 縮小された対面結合部をもつ光結合装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6128201A JP3067948B2 (ja) 1994-05-17 1994-05-17 縮小された対面結合部をもつ光結合装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07311323A JPH07311323A (ja) 1995-11-28
JP3067948B2 true JP3067948B2 (ja) 2000-07-24

Family

ID=14978973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6128201A Expired - Fee Related JP3067948B2 (ja) 1994-05-17 1994-05-17 縮小された対面結合部をもつ光結合装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3067948B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102338626B1 (ko) 2014-12-26 2021-12-14 유니챰 가부시키가이샤 일회용 화장 패드

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0217538D0 (en) * 2002-07-30 2002-09-11 Mbda Uk Ltd An optical fibre
US20230023074A1 (en) * 2021-07-26 2023-01-26 Cyclone Biosciences, Llc Laser-to-optical-fiber connection
US20230088368A1 (en) * 2021-07-26 2023-03-23 Cyclone Biosciences, Llc Laser-to-optical-fiber connection

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102338626B1 (ko) 2014-12-26 2021-12-14 유니챰 가부시키가이샤 일회용 화장 패드

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07311323A (ja) 1995-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2209127C (en) A coupling arrangement between a multi-mode light source and an optical fiber through an intermediate optical fiber length
JP3020409B2 (ja) 拡大された入射端面をもつ光結合装置
US4807954A (en) Optical coupling device
US6904197B2 (en) Beam bending apparatus and method of manufacture
US5600744A (en) Optical fiber light coupling interface and method for making same
RU2138892C1 (ru) Оптическое волокно с двумя сердцевинами, способ его изготовления, волоконный лазер с двумя сердцевинами и волоконный усилитель с двумя сердцевинами
US5293438A (en) Microlensed optical terminals and optical system equipped therewith, and methods for their manufacture, especially an optical coupling method and optical coupler for use therewith
US6546169B1 (en) Pump couplers for double-clad fiber devices
US6963682B2 (en) Beam altering fiber lens device and method of manufacture
US6130972A (en) Lensed optical fiber and laser module
JP2017504828A (ja) マルチモード光学コネクタ
JP2985791B2 (ja) 光導波路と受光素子の結合構造
JPH0886923A (ja) レンズ付ファイバ
US5832150A (en) Side injection fiber optic coupler
JPH08248266A (ja) 光ファイバフェルールおよび前記光ファイバフェルールを用いた光カプラ
US6795611B2 (en) Light coupling between a light source and an optical waveguide
US5351323A (en) Optical fiber for coupling to elliptically-shaped source
US20020172459A1 (en) Method and apparatus for coupling light into an optical waveguide
US20020057873A1 (en) Laser collimator for a free space optical link
JPH10123358A (ja) 光結合器
US20070165982A1 (en) Expanding single-mode fiber mode field for high power applications by fusion with multi-mode fiber
JPH01108511A (ja) 半導体レーザと光導波路との結合光学系
JP3067948B2 (ja) 縮小された対面結合部をもつ光結合装置およびその製造方法
US5701373A (en) Method for improving the coupling efficiency of elliptical light beams into optical waveguides
US7280734B2 (en) Expanding single mode fiber mode field for high power applications by fusion with multimode fiber

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080519

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090519

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090519

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees