JP3067134U - 植物苗の保管棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水遣り等、保管の手間がかからない植物苗の
保管棚を提供することである。 【解決手段】 複数段の棚板３の上に、ポット５に植え
られた植物苗６を保管する木製の槽４を載置し、これら
の各槽４に槽４内の水を所定の深さに保持するためのオ
ーバフロー管１３を設け、水タンク８に溜められた水を
ポンプ７で最上段の槽４に供給し、上段側の槽４からオ
ーバフローする水を順次下段側の槽４に落下させて、水
タンク８に戻すことにより、各ポット５に充填された発
泡練石を適度に湿潤させ、水遣りや監視の手間をかける
ことなく、植物苗６を安心して楽に保管できるようにし
たのである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、園芸店等で植物苗を保管するための保管棚に関するものである。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

従来、園芸店等では、鉢等の容器に植えた植物苗を棚や床に並べ、販売用に保 管している。これらの植物苗には、苗が枯れないように水遣りする必要があり、 多数の植物苗を保管するために多大な手間がかかる問題がある。また、水遣りが 多すぎると苗が根腐れするので、水遣りのタイミングにも注意する必要があり、 適宜苗の状態を監視する手間もかかる。

【０００３】 そこで、この考案の課題は、水遣り等、保管の手間がかからない植物苗の保管 棚を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案の植物苗の保管棚は、吸水性素材が充 填された容器に植えられた植物苗を保管する棚であって、棚上に前記植物苗が植 えられた容器を保管する槽を設け、この槽に水を供給するポンプと、槽内の水深 を所定の深さに保つ手段とを設けた構成を採用したものである。

【０００５】 すなわち、保管する植物苗を吸水性素材が充填された容器に植えられたものと し、これらの容器を一定の水深に保持した槽に保管し、水遣りと監視の手間を不 要としたのである。槽の水深を一定に保持する方法としては、水耕栽培等で行わ れるオーバフロー管を槽の底に設ける方法や、槽の側壁に孔や切欠き部を設けて オーバフローさせる方法等を採用することができる。

【０００６】 前記吸水性素材としては、ハイドロボール（商品名）と呼ばれる発泡練石、ロ ックウール、スポンジおよび水苔等を用いることができる。また、槽はプラスチ ック製、木製、金属製等、任意の素材のものとすることができ、棚と一体のもの にしてもよい。

【０００７】 前記槽の底に、前記所定の水深よりも小径の気泡発生管を配置することにより 、槽内の水に酸素を供給し、植物苗をより活性化することができる。

【０００８】 前記槽を前記棚上から取り外し可能とすることにより、汚れた槽を容易に洗浄 することができる。

【０００９】 前記槽を木製とすることにより、型材等の製作を不要として、異なるサイズの 槽を安価に作製することができる。

【００１０】 前記棚を上下に複数段に設け、各棚の上下間隔を可変とすることにより、狭い 面積に多数の植物苗を保管でき、かつ植物苗の丈に応じて棚の間隔を変え、高さ 方向のスペースも有効に活用することができる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の具体的な実施形態を、図１乃至図３に基づいて説明する。こ の植物苗の保管棚は、図１および図２に示すように、棚本体１がスチール製のア ングル部材２と複数の棚板３より成り、各棚板３の上に木製の槽４が載置され、 これらの各槽４にプラスチック製のポット５に植えられた植物苗６が保管される ようになっている。また、棚本体１の近くには、各槽４に水を供給するためのポ ンプ７を備えた水タンク８と、各槽４内の水に気泡を発生させるためのエアポン プ９が設置されている。

【００１２】 前記棚板３の基端にはフック１０が設けられており、このフック１０をアング ル部材２に定ピッチで設けられた差し込み孔１１に係合させることにより、各棚 板３を任意の高さ位置に取り付けることができる。したがって、植物苗６の丈に 応じて棚板３の間隔を変更でき、高さ方向のスペースを有効に活用することがで きる。

【００１３】 前記水タンク８の水は、ポンプ７の吐出口に接続されたホース１２により、最 上段の槽４に供給される。各槽４の底には、上端が槽底面から約１ｃｍの高さと なるようにオーバフロー管１３が差し込まれ、各オーバフロー管１３は棚板３を 貫通して下方に開口し、上段側の槽４からオーバフローした水を、その直下の槽 ４に落下させる。ただし、最下段の槽４のオーバフロー管１３の下端は水タンク ８に接続され、各槽４から戻った水をポンプ７により循環供給するようになって いる。

【００１４】 前記エアポンプ９は、図３に拡大して示すように、ホース１４を介して各槽４ の底に沈められた多孔管１５に接続され、多孔管１５から各槽４内の水に気泡を 発生させ、水中の酸素濃度が不足しないようにしている。

【００１５】 前記ポット５には吸水性の優れた発泡練石１７が充填され、その底に孔１６が 開けられている。発泡練石１７は槽４内の約１ｃｍ深さの水を吸い上げて適度に 湿潤し、植物苗６に安定して水分を供給する。

【００１６】 上述した実施形態では、保管棚の棚板を上下に複数段に設けたが、１段だけと してもよい。また、１つの棚板に複数の槽を設けることもできる。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように、この考案の植物苗の保管棚は、保管する植物苗を吸水性素材が 充填された容器に植えられたものとし、これらの容器を一定の水深に保持した槽 に載置して保管するようにしたので、水遣りと監視の手間をかけることなく、多 数の植物苗を安心して楽に保管することができる。

【００１８】 また、前記槽の底に、所定の水深よりも小径の気泡発生管を配置することによ り、槽内の水に酸素を供給し、植物苗をより活性化することができる。

【００１９】 さらに、棚を上下に複数段に設け、各棚の上下間隔を可変とすることにより、 狭い面積に多数の植物苗を保管でき、かつ植物苗の丈に応じて棚の間隔を変え、 高さ方向のスペースも有効に活用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態の植物苗の保管棚を示す正面図

【図２】図１の側面図

【図３】図１の要部拡大切欠き断面図

【符号の説明】

１ 棚本体 ２ アングル部材 ３ 棚板 ４ 槽 ５ ポット ６ 植物苗 ７ ポンプ ８ 水タンク ９ エアポンプ １０ フック １１ 差し込み孔 １２ ホース １３ オーバフロー管 １４ ホース １５ 多孔管 １６ 孔 １７ 発泡練石

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸水性素材が充填された容器に植えられ
   た植物苗を保管する棚であって、棚上に前記植物苗が植
   えられた容器を保管する槽を設け、この槽に水を供給す
   るポンプと、槽内の水深を所定の深さに保つ手段とを設
   けたことを特徴とする植物苗の保管棚。
2. 【請求項２】 前記槽の底に、前記所定の水深よりも小
   径の気泡発生管を配置した請求項１に記載の植物苗の保
   管棚。
3. 【請求項３】 前記槽を前記棚上から取り外し可能とし
   た請求項１または２に記載の植物苗の保管棚。
4. 【請求項４】 前記槽を木製とした請求項１乃至３のい
   ずれかに記載の植物苗の保管棚。
5. 【請求項５】 前記棚を上下に複数段に設け、各棚の上
   下間隔を可変とした請求項１乃至４のいずれかに記載の
   植物苗の保管棚。