JP3066983U - チュ―ブ入り薬剤の塗布器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チューブ入り薬剤の種類を問わずに手指を汚
さず患部に薬剤を塗布できる塗布器具を提供する。 【解決手段】 中心部から周囲部にかけて隆起している
弾性組成物からなる円形の塗布部分（図３）と、該塗布
部分を装着し薬剤入りチューブの先端に取り付け可能な
ネジ部（IV）を有するノズル部分（図２）とからなり、
該ノズル部分が直線ないしは９０℃まで屈曲しているこ
とを特徴とするチューブ入り薬剤の塗布器具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、チューブ入り薬剤塗布器具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、軟膏やクリームあるいはローションなどの薬剤を皮膚に塗布する場合、 薬剤入りのチューブから薬剤を直接患部に押し出し手指などでのばして塗布して いた。この場合塗布する必要のない手指などに薬剤が付着しており、使用後に手 指を洗浄する必要があった。また、洗浄前に不用意に不要な部位に薬剤を塗布し てしまう問題点があった。

【０００３】 従来の消炎剤などで薬剤入りチューブの直接上部に多穿質の薬剤塗布部位を持 つものはしられていた。

【０００４】 しかし、これらは汎用性がなく、また薬剤チューブと塗布部位との距離が短す ぎて細かい部分に塗布できないという問題点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案者らは、鋭意研究の結果、チューブ入り薬剤の種類を問わずに手指を汚 さず患部に薬剤を塗布できる塗布器具の考案に成功した。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案は、中心部から周囲部にかけて隆起している弾性組成物からな る円形の塗布部分（図３）と、該塗布部分を装着し薬剤入りチューブの先端に取 り付け可能なネジ部（IV）を有するノズル部分（図２）とからなり、該ノズル部 分が直線ないしは９０℃まで屈曲していることを特徴とするチューブ入り薬剤の 塗布器具を提供するものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案の塗布器具は（図１）、塗布部分（図３）およびノズル部分（図２）か らなり、該塗布部分にはカバー（図４）をかぶせることも可能である。

【０００８】 該塗布部分（図３）は円形で中心部に薬剤が吐出する薬剤出口（Ｉ）があり、 該薬剤出口（Ｉ）から外周部にかけて凸型となっている（隆起している）ことが 本考案の特徴である。該薬剤出口（Ｉ）から吐出した薬剤は凸型のカーブにそっ て広がり、薬剤の塗布を容易にする。

【０００９】 また、該塗布部分（図３）の直径は１ｃｍ〜５ｃｍであり、１ｃｍ以下では、 薬剤を広範囲に塗布することが困難であり、５ｃｍ以上では取り扱いが困難であ る。

【００１０】 該薬剤出口（Ｉ）の口径は薬剤の粘度により、０．１ｍｍから３ｍｍの範囲と するのが好ましい。該薬剤出口（Ｉ）は該塗布部分の外周部と同様に、薬剤使用 の後のカバー（図４）を止める役割も持つ。

【００１１】 該塗布部分（図３）の弾性組成物としては、薬剤耐性のある高分子弾性体であ れば特に限定されないが、代表的には、シリコーンゴム、ブチルゴム、またはポ リブチレンテレフタレートなどをあげることができる。

【００１２】 該塗布部分（図３）は、ノズル部分（図２）に着脱可能であり、使用後はノズ ル部分から取り外して容易に洗浄することができる。

【００１３】 また、該塗布部分（図３）には、高分子製のカバー（図４）をかぶせることも できる。該カバーをかぶせることにより、使用後の器具の保存が容易となる。

【００１４】 該ノズル部分（図２）は、長さが薬剤入りチューブの先端より、０．５ｃｍか ら５ｃｍの範囲内であることが好ましい。０．５ｃｍ以下では、操作がしにくく 、５ｃｍ以上ではノズル部分の強度を維持することが難しい。

【００１５】 該ノズル部分（図２）の材質は、特に限定されないが、高分子製であることが 成形上、または使用上好ましい。

【００１６】 また、該ノズル部分（図２）は、直線状もしくは屈曲していてもよい。直線状 の時にノズル部分（図２）の角度を１８０度とすると、該角度は１８０度から９ ０度であることが好ましい。なかでも９０度であることが生産する上には容易で あり好ましい。該角度が９０度の場合、屈曲部から塗布部分取付部（Ｖ）までの 距離は、０．５ｃｍから６ｃｍの範囲である。０．５ｃｍ以下では、塗布部分（ 図３）の着脱が困難であり、また６ｃｍ以上では目的の部位に塗布しにくく、ま た構造上強度を維持することが難しい。

【００１７】 本考案の塗布器具を用いて塗布する薬剤の種類は限定されない。また、薬剤の 剤形は主に皮膚表面への塗布を目的とするものであればよく、軟膏、クリーム、 またはローションなどをあげることができる。

【００１８】 以上本考案の塗布器具は、乾癬やアトピー性皮膚炎などの皮膚症状を有する患 者や、患部に炎症や疼痛を有する患者が、手指に薬剤を塗布することなく患部に 直接塗布する方法を提供するものであり、患部が広範囲な場合特に便利である。

【００１９】

【実施例】

［実施例１］ 乾癬の治療薬である帝人社製ボンアルファ軟膏（登録商標）のチューブの先端 に本考案の塗布器具を装着し、カバーをはずした後、患者の腹部に４ｃｍの長さ に薬物を押し出したところ、重量は０．４ｇであった。これを腹部に広げたとこ ろ約２００ｃｍ²の大きさに手に薬物を触れることなく塗布することができた。

【００２０】 薬物のある皮膚表面では塗布器具が簡単にうごき、未だ薬物の広がってない皮 膚表面では、動きが重く、皮膚表面に薬剤を塗布できているか否かを明らかに区 別できた。

【００２１】 また、一般にステロイド軟膏の塗布量は片腕に一日２回で３ｇとされており、 片腕はおよそ８００ｃｍ²である。この場合軟膏の塗布用量は、１．６ｇに相当 する。本実施例におけるボンアルファ軟膏（登録商標）の塗布用量もステロイド 軟膏を参考に決められており、本考案の塗布器具を用いて、適度な用量の軟膏を 塗布できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の塗布器具。

【図２】ノズル部分の断面図。

【図３】塗布部分の断面図。

【図４】カバーの断面図。

【符号の説明】

I：薬剤出口 II：薬剤塗布面 III：薬剤通路 IV：ネジ部 V：塗布部分取付部

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１１年１０月６日（１９９９．１０．
６）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中心部から周囲部にかけて隆起している
   弾性組成物からなる円形の塗布部分（図３）と、該塗布
   部分を装着し薬剤入りチューブの先端に取り付け可能な
   ネジ部（IV）を有するノズル部分（図２）とからなり、
   該ノズル部分が直線ないしは９０℃まで屈曲しているこ
   とを特徴とするチューブ入り薬剤の塗布器具。
2. 【請求項２】 カバー（図４）を有することを特徴とす
   る請求項１に記載のチューブ入り薬剤の塗布器具。