JP3063959U - ゴルフのパット練習機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】多彩なスロープを再現できるゴルフのパット練
習機。 【解決手段】傾斜角度を調節可能な補強材を人工芝のマ
ットに取り付け、補強材の角度調節により、人工芝の傾
斜角度を多彩に選択可能とするとともに、ホールの位置
も多彩に選択できる構造とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、室内又は庭等でゴルフの練習を行うためのパット練習機に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

ゴルフのパットの練習の目的は、グリーンの微妙な傾斜角度に対して、打ち出 しの強度や方向を微妙に加減できるようにすることにある。しかるに、従来のゴ ルフのパット練習機は、人工芝のマットを敷いてその端部に設けたホールに打球 を入れるタイプのものであり、打球が転がっていく方向のマットの傾斜角度やそ れに直角な方向の傾斜角度を変えられるものにはなっていない。そのため、実際 のコースに見られる傾斜角度に近い状態で練習をすることは困難であった。 また、従来の練習機は平面上での練習であるので、打球が大きくカーブする事 を予想する必要がなく、そのため人工芝のマット幅も狭いものでよく、かつホー ルの位置も人工芝の端部の中央に１個設けるだけのものとなっているため、バラ エティに富んだ練習を楽しむことができないという欠点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記のような欠点を解消し、安価で、かつ実際のゴルフコースにお けるものと同様のスロープを再現でき、バラエティに富んだ練習が行えるゴルフ のパット練習機を提供するものである。 本考案で解決する課題は、人工芝の傾斜角度を打球の進行方向及び/又はその 直角方向において調節可能なものとすること、及び人工芝の傾斜角度を変更した 際に、ホールの位置を複数選択できるようにすることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のゴルフのパット練習機では、シート状の人工芝が元々柔軟性を有して いるため、これを設置面から浮き上がらせた際には、自重による垂れ下がりや凹 みを生じてしまう。しかし、この自重による垂れ下がりや凹みを防ぐために、人 工芝のマットの全面に渡って剛性のある板などを敷いたのでは微妙な形状の３次 元スロープを実現する事ができない。 本考案では、人工芝のマットの自重による垂れ下がりや凹みを防ぎ、かつ３次 元的に変形が可能な補強材を取り付け、該補強材の各部における傾斜角度が調節 可能なものとすることにより、微妙な形状の３次元スロープを実現するものであ る。

【０００５】 補強材は人工芝のマットの垂れ下がりや凹みを防ぐのに十分な強度と間隔を有 するものであって、人工芝のマットと一体に成形するか、又はマットと一体とな るように取り付けるか、又はマットとは分離可能なるようにマットの下に敷くも のとする。また、補強材は複数のパーツを組み合わせて構成するか、又はそれ自 体が強度に方向性を有する材料で構成するものとする。 前記の複数のパーツを組み合わせて構成する補強材とは、三角形・四角形等の 形状の複数のパーツ、又は複数の線や棒又はパイプ等のパーツを、特定の方向に は曲がりにくく、それと異なる方向には曲がりやすくなるように、各パーツとパ ーツの間を柔軟性を有する材料で接続したものをいう。この時、各パーツとパー ツの間を接続する柔軟性を有する材料としてはマットそのものであっても、また マットとは別に設ける材料であっても良い。 前記の強度に方向性を有する材料 とは、波板やラス状の金網の如く、特定の方向には曲がりやすく、それと異なる 方向には曲がりやすい材料をいう。従って、本考案においては強度に方向性を有 するものであればいかなる形状の補強材も包含される。

【０００６】 更に補強材には設置面に対してその傾斜角度を変更できるように角度調節手段 を設ける。角度の調節手段は該補強材と一体化したもの、又は補強材に取り外し 可能に取り付けられたもの、又は補強材とは全く分離していて補強材を支える形 状のもの等とする。角度の調節手段としては、回転軸式のものをはじめ、回転式 のレッグ、スペーサー、伸縮装置、カム、可撓性の線又は棒等の手段を使用する 。

【０００７】 前記の傾斜角度の調節手段として回転軸式のもとは、実施例２に示すようにマ ットの中央近傍に軸をおき、その軸に補強材を回転可能に取り付け、且つ軸と補 強材の間の接触面の摩擦抵抗か又はネジ等による締め付けにより傾斜角度がずれ ないように保持する方法である。また、前記の回転式のレッグによる方法とは、 実施例１に示すように補強材の端部近傍に補強材に対して角度が調節可能なるよ うにレッグを取り付け、且つレッグと補強材の間の接触面の摩擦抵抗か又はネジ 等による締め付けにより傾斜角度がずれないように保持する方法であって、レッ グの角度調節によりレッグを取り付けた箇所の補強材の高さを変えて補強材の傾 斜角度を調節する方法である。また、前記のスペーサーによる方法とは、実施例 ３に示すように高さや形状の異なるスペーサーを補強材の下に敷いて補強材の傾 斜角度を変更する方法である。更に、前記の伸縮装置による方法とは、図示はし ていないが、上下に長さ調節できるネジやロッド・吊り具・流体圧や電気磁気力 等で伸縮するピストンやジャバラ等により、補強材の端部近傍を上下させて傾斜 角度を調節する方法である。また、前記のカムによる方法とは、図示はしていな いが補強材の端部近傍に取り付けたカムの角度を調節することによりカムの高さ を変えて補強材の傾斜角度を設定する方法である。更に、前記の自在に曲がる線 又は棒等による方法とは、実施例４に示すように鉛や形状記憶合金、その他の金 属等の線又は棒で補強部材を構成するか、又は該線や棒をマットに接着するか編 み込む等の方法により直接取り付けるか、又は該線又は棒を別に設ける補強部材 に取り付けて、該線又は棒の形状を曲げることによりマットの傾斜角度を自在に 調節する方法である。 マットの傾斜角度を調節方法としては更に、多孔板を利用した方法等、又はこ れらの方法を組み合わせた方法があるが、本発明は人工芝のマットがスムーズに 傾斜を調節できる方法で有ればこれらのいかなる方法も包含される。

【０００８】 従来のパット練習機は人工芝のマットの端部中央に１カ所のホールを設けだけ で十分であった。マットの傾斜が調節可能な練習機においては、マットの傾斜に よって打球のコースがカーブするので、マットの全幅を有効に利用するために複 数のホール、又はそれに類似するゲートを設けるか、又は１個のホールであって もマットの全幅に渡って移動可能なものとする。即ちマットの全幅に渡ってホー ルの位置を選択可能にすることにより、固定のホールが中央に１個しかない場合 に比べて格段にバラエティに富んだ打球のコースを選択できるようになるのであ る。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下に本考案の実施の形態を図面に従って説明する。 図１は本考案の第１の実施例である。図１において、練習機は人工芝のマット １と補強材４とホール２より構成している。針金で作った補強材４はその端部を 折り曲げて人工芝のマット１に固定している。補強材４の端部近傍には該補強材 を捻って作ったリングを設け、該リングにはやはり針金で作ったレッグ３を接続 ネジ５によって回転可能に取り付けている。接続ネジ５の締め付け強さを調節す ることにより、レッグ３の角度を保持している。レッグ３の角度を適当に設定す ることにより、人工芝のマット１に所望の傾斜角度のスロープが形成される。 人工芝のマット１の端部に設けたホール２は複数に分割したゲート形になって いる。打点位置１３とホール位置１２とマットの傾斜角度を選択することにより 、バラエティに富んだコースの選択が可能となる。

【００１０】 図２は本考案の第２の実施例を示す。図２は、ホール部分の図示を省略し、補 強材の形状のみを示しているが、補強材９はその中央部近傍に補強材を捻って作 ったリングがあり、該リングにはスペーサーリング８を挟んで軸６を通し、スペ ーサーリング８の両端を締め付けネジ７によって締め付けている。補強材９の上 には人工芝のマット１を取り外し可能にのせている。締め付けネジ７を調節して 補強材９が所望の傾斜角度を保持するようにする。軸６の固定は締め付けネジ７ ともう一つの締め付けネジ１８によって行う。

【００１１】 図３は本考案の第３の実施例を示す。図３においては、補強材１０としてプラ スチック等の波板を使用している。波板は波山の方向には曲がりにくいが、波山 と直角方向には曲がりやすいので、各種形状のスペーサー１１を挟むことによっ て部分的に波板１０の傾斜角度を変え、よって人工芝のマット１の傾斜角度を変 えることができる。 本実施例においては、ブロック状のスペーサーを図示しているが、空気等の流 体圧によって伸縮するピストン式又は蛇腹式のものや、ネジによって上下する方 法、ハンガーによって吊り下げ長さを調節するもの、多孔板を立てて多孔板の穴 に補強材の端部を差し込む方式のもの等も使用することが可能である。

【００１２】 図４は本考案の第４の実施例を示す。図４は、補強材として金網１４を使用し ている。傾斜角度の調節手段としては鉛や形状記憶合金又はその他の金属等の可 撓性線１５を金網１４の両側に取り付けている。金網１４はワイヤーラス状のも ので、素線の方向には曲がりにくいが素線と直角方向には曲がりやすいという性 質があるので、可撓性線１５を曲げることにより人工芝のマット１を所望の傾斜 角度に変えることができる。 本実施例においては補強材としてワイヤーラスを使用した例を示しているが、 メタルラスを使用することも可能であることは言うまでもない。また、可撓性線 １５はマットの両側に入れる例を示しているが、可撓性線をマットの中部にも入 れることによってより多彩な形状のスロープを実現することが可能となる。この 場合、補強材には複数の可撓性線の間隔を保つスペーサーとしての働きを持たせ ることもできる。

【００１３】 図５は本考案の第５の実施例を示す。図５は補強材１６と人工芝のマット１と を一体成形した例を示している。本実施例の場合、傾斜角度の調節手段を図示し ていなが、傾斜角度の調節手段としては上記第１から第４の実施例において示し た方法と組み合わせることができる。また、ホール１７は左右に移動できる構造 となっている。 尚、本考案において人工芝とは、プラスチック製の人工芝、フェールト状の素 材、植毛生地等々ゴルフ場の芝生に類似した性状をもつ素材全てをいうものとす る。 以上説明したように、本考案のゴルフのパット練習機を使用すると、プレイヤ ーが所望する多彩な形状の傾斜角度を有するスロープを実現でき、パット練習の 効果を格段に向上することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す鳥瞰図。

【図２】本考案の第２の実施例を示す鳥瞰図。

【図３】本考案の第３の実施例を示す鳥瞰図。

【図４】本考案の第４の実施例を示す鳥瞰図。

【図５】本考案の第５の実施例を示す鳥瞰図。

【符号の説明】

１ 人工芝のマット ２ ホール ３ レッグ ４ 補強材 ５ 接続ネジ ６ 軸 ７ 締め付けネジ ８ スペーサーリング ９ 補強材 １０ 波板 １１ スペーサー １２ ホール位置 １３ 打点位置 １４ 金網 １５ 可撓性線 １６ 補強材 １７ ホール １８ 締め付けネジ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 人工芝のマットに補強材を取り付け、該
   補強材の傾斜角度の調節を介して該マットの傾斜角度を
   調節する手段を備えたゴルフのパット練習機。
2. 【請求項２】 ホールの位置を複数選択可能なるように
   した［請求項１］のゴルフのパット練習機。