JP3062359U - 水ロケット - Google Patents

水ロケット

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JP3062359U
JP3062359U JP1999001726U JP172699U JP3062359U JP 3062359 U JP3062359 U JP 3062359U JP 1999001726 U JP1999001726 U JP 1999001726U JP 172699 U JP172699 U JP 172699U JP 3062359 U JP3062359 U JP 3062359U
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鉄雄 片岡
讓 吉田
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鉄雄 片岡
讓 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全で、安定した飛行を行うことができ、か
つ、全体を略水平方向とした状態で着地可能なこと。 【解決手段】 ノーズコーン3、胴体部1、容器装着部
6、フィン7及び水を収容していないペットボトル10
を装着した全体の重心が、本実施の形態の水ロケットの
ほぼ中心に設定しておく。打上げ直後の水ロケットの重
心がその下部にあり、水を噴射完了後の水ロケットの重
心がその中心にくることから、水ロケットの速度の低下
に伴なって水ロケットは水平方向に変化し、水ロケット
自体の質量が小さいから、その水平飛行に入った直後に
噴射による速度がなくなり、水平方向を維持したまま落
下する。このとき、ノーズコーン3は大きな外力が加わ
ったとき、空間A側に容易に窪むことができ、弾性変形
が容易であり、発射直後に予期しない衝突が発生して
も、その影響力が緩和されるから安全性が高くなる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、水ロケットに関するもので、特に、専用またはペット(PET)ボ トル等の圧力容器に水を1/3程度収容し、そこに圧縮空気を供給し、圧縮空気 の圧力で噴射する水流の勢いで飛行(飛翔)する水ロケットに関するものである 。
【0002】
【従来の技術】
この種の水ロケットとして公知の技術には、日刊工業新聞社発行『やってみよ う!水ロケット遊び』(財)日本宇宙少年団監修、『水ロケットを飛ばそう』的 川泰宣監修、(財)日本宇宙少年団編に掲載されている。
【0003】 図14は上記書籍に掲載された従来の1段のペットボトルを内蔵した水ロケッ トを示す全体説明図、図15は上記書籍に掲載された従来の2段のペットボトル を内蔵した水ロケットを示す全体説明図である。
【0004】 図14及び図15において、1個のペットボトルの周囲にPPフィルム101 を巻き、その状態で図示しない粘着テープで接合し、水ロケットの胴体部100 を構成している。また、2個のペットボトルを切断し、所定長になるように、直 列に接続し、その周囲にPPフィルム101を巻き、その状態で図示しない粘着 テープで接合し、水ロケットの胴体部100を構成している。即ち、図14にお いては、1本のペットボトル102がロケットエンジンとして機能し、図15に おいては、2本のペットボトル102a,102bがロケットエンジンとして機 能する。
【0005】 水ロケットの胴体部100のロケットエンジンとなるペットボトル102,1 02a,102bとなるペットボトルの底部(上部)側には、PPフィルムまた は厚紙等によって巻回した円錐状のノーズコーン103を粘着テープで接合して いる。
【0006】 また、水ロケットの胴体部100のロケットエンジンとなるペットボトル10 2,102a,102bとなるペットボトルの注口側には、噴射ノズル104が 接合され、更に、噴射ノズル104には圧力供給弁105が接続され、噴射ノズ ル104と圧力供給弁105で接続バルブ106が構成されている。ロケットエ ンジンとなるペットボトル102,102a,102bに水を注ぎ込んだ後、空 気をエアポンプで供給すると共に、ペットボトル102,102a,102bの 注口に接合した噴射ノズル104から水の噴射を行わせるものである。
【0007】 水ロケットの胴体部100のノーズコーン103側の外周には、所定形状の4 枚のフィン107が接着剤またはテープ等によって接合されている。
【0008】 このように構成された水ロケットは、ロケットエンジンとなるペットボトル1 02,102a,102bの注口の噴射ノズル104から圧力供給弁105を外 し、ペットボトル内にその容積の1/3程度の水を供給し、その後、噴射ノズル 104に圧力供給弁105を接続し、エアポンプによって空気圧をペットボトル 内に供給する。通常、空気圧は5〜9気圧程度供給される。
【0009】 そこで、発射台(ランチャー)等に水ロケットをセットして、噴射ノズル10 4から圧力供給弁105を分離すると、噴射ノズル104から水が噴射し、水ロ ケットが飛行する。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
この種の従来の水ロケットは、使用する人が手作りで製作し、全長がペットボ トルの1.5倍から2.5倍、大きくても3倍程度の長さに形成されるものであ るから、初速度が速いものの、安定性が悪く、子供達の玩具としては必ずしも好 ましくはなかった。
【0011】 そこで、飛行安定性を良くするために、円錐状のノーズコーン103を厚手の もので、重く、かつ、シャープなコーン状として空気抵抗を少なくしている。こ のため、水ロケットの飛行は、水ロケットの噴射時から噴射を終了した時点まで 、ノーズコーン103を先頭とした飛行になっている。したがって、水ロケット が噴射を完了した後であっても、速度が速いことから、水ロケットが人または物 体に衝突した場合の安全性を考慮する必要があった。特に、PPフィルムまたは 厚紙等によって円錐状にノーズコーン103を形成すると、ノーズコーン103 の円錐状の中心軸方向に働く外力に強く、その破壊力を無視することができなか った。
【0012】 そこで、本考案は、安全で、安定した飛行を行うことができ、かつ、機体全体 を略水平方向とした状態で着地可能な水ロケットの提供を課題とするものである 。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる水ロケットは、使用形態の体積をその重量で割って算出した 使用形態の比重の小さい材料からなる胴体部と、前記胴体部よりも使用形態の比 重が大きく、かつ、緩衝性のある材料で、外周を略円錐状に形成し、前記胴体部 の一端に配設したノーズコーンと、加圧空気及び水を収容するペットボトルを装 着する空間を内側に形成した前記胴体部の他端に設けた容器装着部と、前記容器 装着部の外側に1枚以上のフィンを配設したフィン部とを具備し、前記ノーズコ ーン、胴体部、容器装着部の全長は、前記ペットボトルの長さの略3.5乃至7 倍とし、かつ、前記ノーズコーン、胴体部、容器装着部、フィン及び水を収容し ていないペットボトルを装着した全体の重心が、前記全長の略1/3から2/3 の範囲内に設定し、しかも、前記胴体部に配設したノーズコーンの内側と前記胴 体部との間に空間を形成したものである。
【0014】 ここで、前記胴体部は、胴体として独立したもの、他の部分と連続したものが あるが、本考案の概念は、胴体として独立したもの、他の部分と連続したものを 区別することなく、両者を含むもので、水ロケットの胴体として機能する部分を 意味し、しかも、使用形態の体積をその重量で割って算出した使用形態の比重の 小さい材料、即ち、合成樹脂材料、特殊コート紙、特殊繊維等からなるものであ る。
【0015】 また、前記ノーズコーンは、胴体として独立したもの、胴体と連続したものが あるが、本考案の概念は、胴体として独立したもの、胴体と連続したものを区別 することなく、両者を含むもので、水ロケットの胴体の頭部に位置し、ノーズコ ーンとして機能する部分を意味する。しかも、胴体部よりも使用形態の比重が大 きく、かつ、緩衝性のある材料で略円錐状に形成し、または、胴体部の一端に空 間を形成して一体化したものである。
【0016】 そして、前記容器装着部は、容器装着部として独立したもの、胴体と連続した ものとがあるが、本考案の概念は、容器装着部分として独立したもの、胴体と連 続したものを区別することなく、両者を含むもので、加圧空気及び水を収容する 圧力容器を装着する空間を内側に形成した胴体部の他端に位置するものである。
【0017】 更に、前記フィンは、容器装着部の外側に1枚以上を直接接着剤、テープで取 付けてもよいし、一体に成型してもよいし、または他の部材を用いて取付けても よい。
【0018】 更にまた、前記ノーズコーン、胴体部、容器装着部の全長とは、更に、そこか らフィン或いは圧力容器の一部が後方に突出するものもあるが、基本的に、水ロ ケットの本体ボデイを形成する前記ノーズコーン、胴体部、容器装着部の長さで ある。
【0019】 請求項2にかかる水ロケットは、前記使用形態の体積をその重量で割って算出 した使用形態の比重の小さい材料を、合成樹脂材料としたことを特徴とする請求 項1に記載の水ロケット。
【0020】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の水ロケットの具体的な実施の形態に基づいて説明する。
【0021】 図1は本考案の第1の実施の形態にかかる水ロケットの全体の正面図、また、 図2は本考案の第1の実施の形態にかかる水ロケットの縦断面図、図3は本考案 の第1の実施の形態にかかる水ロケットの平面図、図4は本考案の第1の実施の 形態にかかる水ロケットの底面図である。図5は本考案の第1の実施の形態にか かる水ロケットの使用状態の全体の要部断面を有する正面図、図6は本考案の第 1の実施の形態にかかる水ロケットが発射台から発射する初期状態の斜視図、図 7は本考案の第1の実施の形態にかかる水ロケットの飛行軌跡の説明図である。
【0022】 図において、合成樹脂フィルムまたは空気漏れしない特殊コート紙、特殊繊維 等を接合してなる胴体部1は、圧縮空気によって所定の形状に形成するバルーン からなり、水ロケットとしての使用状態の形状で比較的比重を小さくなるように 、薄手で軽量な材料を選択している。胴体部1の端部には空気バルブ2が配設さ れており、この空気バルブ2は浮輪等で公知の構造を有するものである。なお、 本考案を実施する場合の空気バルブ2は、胴体部1の端部に限られるものではな く、胴体部1の何れの位置でもよい。図1の上部に相当する胴体部1の空気バル ブ2を設けた端部側には、周囲に段部を有する小径突出部1aが形成されている 。胴体部1の小径突出部1a側の端部から全長の略1/10乃至1/5程度の長 さL2 に直径L1 の大径部4が形成されている。また、胴体部1の小径突出部1 a側の反対側の端部は、その先端部から長さL3 の長さの小径の接続部5が形成 されている。胴体部1の小径突出部1a側の端部から長さL2 までの間において 、小径突出部1a側の段部から直径L1 の大径部4までは、滑かな曲面により径 を大きくしており、また、大径部4から胴体部1の接続部5側の端部から長さL 3 に到達するまでの距離は、その径を滑かな曲面により徐々に小さくしている。
【0023】 胴体部1の小径突出部1aは、発泡性の合成樹脂または合成ゴムからなるノー ズコーン3の開口に装着され、両者を接合により一体化するものである。
【0024】 通常、ノーズコーン3は弾力性に富む発泡性の合成樹脂または合成ゴムで形成 され、所定の質量を得るものであり、かつ、緩衝性が得られる材料及び厚みで形 成されている。ノーズコーン3の開口の直径とその丸みを持った高さとの関係は 、1(直径)対1.5〜3(高さ)程度に設定される。ノーズコーン3の先端は 丸みを持たせ、大きな外力が加わったとき、容易に窪むことができ、弾性変形が 容易になっている。このノーズコーン3の先端の丸みは、大きな外力が加わった ときの弾性変形が容易になっていることから、水ロケットが衝突した場合の緩衝 材として機能し、その衝撃を緩和するとともに、水ロケットの速度エネルギをノ ーズコーン3の端部の弾性変形した面積に分布させることができる。
【0025】 また、胴体部1の小径突出部1aとノーズコーン3の内側とで空間Aを形成し 、空間A内に所定の重み材料、例えば、合成ゴム、合成樹脂、綿等の紐、繊維等 を詰め込むことにより、飛行の特性を実験することができる。また、パラシュー ト等を挿入しておくことにより、所定の高さでノーズコーン3を解放し、パラシ ュートを開かせることもできる。このとき、空気バルブ2は、パラシュートの取 付け部とすることができるから、胴体部1の小径突出部1aに端部に設けると都 合がよい。
【0026】 合成樹脂フィルムまたは空気漏れしない特殊コート紙、特殊繊維等等からなる 胴体部1の小径突出部1a側の端部から全長の略1/10乃至1/5程度の長さ L2 に直径L1 の大径部4は、ノーズコーン3の外周から滑かな曲面により連続 してその径を変化させており、ノーズコーン3と胴体部1の僅かな接合による接 続点を除いては外周に不連続点は発生していない。また、胴体部1の大径部4か ら接続部5側についても、その外周を滑かな曲面により連続して径を変化させて いる。大径部4から胴体部1のノーズコーン3側と接続部5側とでは、大径部4 からノーズコーン3側の傾度が接続部5側よりも大きくなっている。即ち、大径 部4からノーズコーン3側が接続部5側よりも変化が大きい。
【0027】 この小径突出部1a側の段部から直径L1 の大径部4までを滑かな曲面として 径を大きくし、大径部4から胴体部1の接続部5側の端部から長さL3 までを滑 かな曲面によって径を徐々に小さくしているのは、空気抵抗を小さくし、空気の 流れをその周面に均一に流すことにより、カルマン渦を殆ど発生しないようにし 、飛行時の安定性を良くするものである。
【0028】 そして、胴体部1の接続部5の長さL3 は、略同一直径で形成されており、胴 体部1の接続部5には、加圧空気及び水を収容する2個のペットボトル10a, 10bを装着する空間を内側に形成した容器装着部6に挿着されている。容器装 着部6は合成樹脂の押出成形品または両端を切断したブロー成型品として同一径 に形成されており、2個のペットボトル10a,10bが直列接続された状態で 収納できる長さに、接続部5の長さL3 を加算した長さとなっている。容器装着 部6の内径は、ペットボトル10a,10bの外周に略等しくなっている。この ため、容器装着部6の内径とペットボトル10a,10bの外周が密に接合し、 挿入のみによって周囲がペットボトル10a,10bと面接触し、容易に離脱し ないように挿着状態を維持することができる。
【0029】 胴体部1の接続部5の長さL3 は容器装着部6を挿入することにより、胴体部 1の弾性力によって、接着剤を使用することなく、両者間の接触抵抗で挿着状態 が維持できるようになっている。しかし、接着剤を使用し、分離不可能に一体化 することもできる。また、既に形成された容器装着部6の端部に、80〜90% の圧力を供給した状態で、胴体部1の接続部5を挿入し、更に、位置決めしなが ら胴体部1の空気圧を100%とすることにより、胴体部1の空気圧にのみよっ て両者を一体化することができる。
【0030】 容器装着部6の胴体部1の反対側には、容器装着部6の外周に合成樹脂板から なる4枚のフィン7が配設されている。4枚のフィン7は、本実施の形態の場合 、接着剤または接着テープによって接合されている。また、フィン7の枚数は必 ずしも4枚に限定されるものではなく、1枚以上であればよく、通常、その1枚 の面積は、50〜400cm2 程度に形成される。
【0031】 なお、本実施の形態のフィン部は、実質的に接合されたフィン7を意味する。 しかし、本考案を実施する場合には、射出成形によって容器装着部6の外周に 4枚のフィン7を一体に成形してもよいし、または、ブロー成型によって一体に 成形してもよい。特に、射出成形で形成する場合には、容器装着部6の外周に接 合する取付筒(リング)を形成し、その取付筒に、例えば、1枚、2枚、3枚、 4枚のフィン7を一体成形し、それを容器装着部6の外周に嵌込み一体化しても よい。特に、容器装着部6の外周に接合するリングに複数枚のフィン7を一体成 形し、それを容器装着部6と一体化するものでは、ノーズコーン3、胴体部1、 容器装着部6が同一で、取付筒に配設したフィン7の枚数及び形を任意に変更す ることにより、飛行特性等の実験が可能である。
【0032】 本実施の形態のノーズコーン3、胴体部1、容器装着部6の全長は、ペットボ トル10a,10bの1本の長さの略3.5乃至7倍としている。これは本考案 者等の実験によれば、ペットボトル10a,10bの1本装着の場合でペットボ トル10a,10bの1本の長さの略3.5乃至5倍、ペットボトル10a,1 0bの2本装着の場合でもペットボトル10a,10bの1本の長さの略3.5 乃至7倍が安定した飛行状態を維持でき、かつ、その推進能力に応じた速度、加 速度が得られることが明らかになった。
【0033】 特に、この実験は、主に、胴体部1のノーズコーン3側に外周を滑かとした大 径部4を形成した胴体部1を具備する水ロケットで行ったが、胴体部1を略均一 径とし、その外周を滑かな曲面により形成した水ロケットについても、飛行の安 定性が得られていることが確認された。特に、この実験は、胴体部1のノーズコ ーン3側に外周を滑かとした大径部4を形成した胴体部1を具備する水ロケット で行った場合には、ノーズコーン3側に外周を滑かとした大径部4付近の空気流 によって、上空の風の方向及び速度の正確な確認ができないが、風による影響が 少ないことが確認された。
【0034】 更に、本実施の形態の水ロケットは、ノーズコーン3、胴体部1、容器装着部 6、フィン7及び水を収容していないペットボトル10a,10bを装着した全 体の重心が、全長の略1/3から2/3の範囲内に設定している。
【0035】 即ち、ノーズコーン3、胴体部1、容器装着部6、フィン7及び水を収容して いないペットボトル10a,10bを装着した全体の重心が、本実施の形態の水 ロケットの中心にあるとき、打上げ直後の水ロケットの重心がその下部にあり、 水ロケットの全体長の向きによってその発射方向が決定される。打上げ後に水の 噴射を完了すると水ロケットの重心が、そのほぼ中心の全長の略1/3から2/ 3の範囲内に移動することから、水ロケットの速度の低下に伴なって水ロケット は水平方向に向きを変化させ、かつ、水ロケット自体の質量が小さいことから、 その水平飛行に入った直後に噴射による速度エネルギがなくなり、水ロケットは 水平方向を維持したまま重力により落下する。このとき、使用形態の体積をその 重量で割って算出した使用形態の比重の小さい材料からなる胴体部1と、加圧空 気及び水を収容するペットボトル10a,10bを装着する空間を内側に形成し た胴体部1の他端の容器装着部6は、使用形態の比重が小さいから、水ロケット の水平方向の全投影面積が空気抵抗となり、落下速度は急激に低速となる。
【0036】 本実施の形態の噴射完了後の水ロケットの重心は、その長さ方向の中心にある ことが原理的に理想の位置であるが、考案者等の実験によれば、全長の略1/3 から2/3の範囲内に重心を設定しておけば、水ロケットは多少のゆらぎを持つ ものの水平方向をほぼ維持したまま落下することが確認された。特に、水ロケッ ト自体の使用状態下の質量が小さいから、上空における空気抵抗の影響を受け、 全長の略1/3から2/3の範囲内に重心を設定すれば、水ロケットは水平方向 をほぼ維持したまま軟着陸させることができる。
【0037】 本実施の形態の水ロケットは、次のように、組立てることができる。
【0038】 まず、胴体部1と容器装着部6とが一体に接合されていない場合について説明 する。
【0039】 胴体部1の空気バルブ2から空気を供給して所定の空気圧(最適空気圧より8 0〜90%の空気圧)とし、その状態で胴体部1の接続部5の長さL3 を、容器 装着部6の内側に挿入する。そして、更に、胴体部1の接続部5の長さL3 を確 認しながら、かつ、胴体部1の接続部5の外表面に皺がでないようにして装着す る。
【0040】 次に、2本のペットボトル10a,10bを公知のコネクタ11で水及び空気 漏れがなく、機械的強度を持たせて機械的に連結する。連結した2本のペットボ トル10a,10bを容器装着部6の内部空間に所定の位置まで挿入する。この とき、容器装着部6に対するペットボトル10a,10bの挿入完了位置は、予 め、マーキングまたは凹凸等で指示しておく。したがって、容器装着部6に対し てペットボトル10a,10bの挿入が完了した時点で、容器装着部6の内面に 対するペットボトル10a,10bの外周面が面接触し、容易に離脱できなくな り装着が完了する。
【0041】 容器装着部6に挿着したペットボトル10a,10bの装着された反対側の内 側に、胴体部1の空気バルブ2から空気圧を供給して最適空気圧とする。これに よって、胴体部1の接続部5の長さL3 が容器装着部6に装着された状態を胴体 部1の空気圧と、両者間の接触抵抗によって維持される。
【0042】 その後、胴体部1の空気バルブ2を有する小径突出部1aには、発泡性の合成 ゴムからなるノーズコーン3の開口が被せられる。ノーズコーン3は弾力性に富 む発泡性の合成樹脂または合成ゴムで形成されているから、ノーズコーン3の開 口を小径突出部1aにあてがって回動すれば、ノーズコーン3を胴体部1の小径 突出部1aに取付け、両者を一体化することができる。
【0043】 更に、従来の水ロケットと同様に、容器装着部6に対して装着したペットボト ル10bに噴射ノズル8を螺合し、ペットボトル10a,10bの容積の1/3 程度の水を供給し、そして、噴射ノズル8に圧力供給弁55を接続し、それを後 述する発射台30に設置し、図示しないエアポンプによってペットボトル10a ,10bに空気圧を5〜9気圧程度となるように供給し、所定の圧力下で圧力供 給弁55を切離し、水ロケットを発射させる。
【0044】 次に、胴体部1と容器装着部6とが接合されて一体化されている場合について 説明する。
【0045】 胴体部1と容器装着部6は、製造の際に一体に接合する場合、または、前述の 初回の組立ての際に、胴体部1の空気バルブ2から空気を供給して所定の空気圧 (最適空気圧より80〜90%の空気圧)とし、その状態で胴体部1の接続部5 の周囲に接着剤を塗布し、容器装着部6に挿入し、そして、胴体部1の空気バル ブ2から空気圧を供給して最適空気圧とし、しばらくその状態で放置し、両者を 接着または粘着させ、一体化する場合がある。なお、この場合には、胴体部1の 接続部5の周囲と容器装着部6とは、接続部5の全面で接着されるよりも、両者 間に後述するリーク部分を残しておくのが望ましい。
【0046】 まず、胴体部1の空気バルブ2から空気を供給して所定の空気圧(最適空気圧 より80〜90%の空気圧)とする。
【0047】 2本のペットボトル10a,10bを公知のコネクタ11で水及び空気漏れが なく、機械的強度を持たせて機械的に連結する。連結した2本のペットボトル1 0a,10bを容器装着部6の内部に挿入する。このとき、容器装着部6の内面 及び胴体部1の接続部5の端面と挿入されるペットボトル10aの底面とで形成 される空間は、両者間で形成される空間(体積)が順次縮小されることにより、 内部圧力が上昇することになる。したがって、胴体部1の接続部5の周囲と容器 装着部6とが全面で接着されないで、リーク部分が残してあれば、そこから圧縮 空気が抜けることになる。また、それがない場合には、容器装着部6の内面とペ ットボトル10aの周面の間から、徐々に圧縮空気が排出されることになる。
【0048】 例えば、胴体部1の接続部5の周囲と容器装着部6とが全面で接着されている と、容器装着部6に対してペットボトル10a,10bの挿入が困難になる場合 がある。そこで、容器装着部6の内面と挿入されるペットボトル10a,10b の外周面との間に、両者間で形成される空間が縮小されても圧力が上昇しないよ うに空気抜き用の管材または木綿紐等を予めセットしておき、当該空間の空気を 逃してやると、挿入が容易になる。容器装着部6の内面に対してペットボトル1 0a,10bの挿入が完了した時点で、空気抜き用の管材または木綿紐等を引抜 くことにより装着が完了する。
【0049】 その後、胴体部1の空気バルブ2を有する小径突出部1aには、発泡性の合成 ゴムからなるノーズコーン3の開口が被せられる。ノーズコーン3は弾力性に富 む発泡性の合成樹脂または合成ゴムで形成されているから、ノーズコーン3の開 口を小径突出部1aにあてがって回動または押圧すれば、ノーズコーン3を胴体 部1の小径突出部1aに取付け、両者を一体化することができる。
【0050】 容器装着部6に対してペットボトル10a,10bの装着が完了すると、ペッ トボトル10bに噴射ノズル8を螺合する。更に、それを後述する発射台30に 設置し、従来の水ロケットと同様に、容器装着部6に対して装着したペットボト ル10bに噴射ノズル8を螺合し、ペットボトル10a及びペットボトル10b の容積の1/3程度の水を供給し、そして、噴射ノズル8に圧力供給弁9を接続 し、それを後述する発射台30に設置し、図示しないエアポンプによってペット ボトル10a及びペットボトル10bに空気圧を5〜9気圧程度となるように供 給し、所定の圧力下で圧力供給弁9を切離し、水ロケットを発射させる。
【0051】 ここで、本実施の形態の水ロケットに使用した発射台30について説明する。 まず、本実施の形態の水ロケットは、胴体部1及び容器装着部6に長さ50m m程度の筒体12を2箇所配設している。筒体12は取付帯11に一体に取付け られており、その取付帯11は胴体部1と容器装着部6に取付けられる。なお、 胴体部1及び容器装着部6に取付ける筒体12は、後述する金属棒からなるガイ ドレール32に沿って初期位置設定され、そこから特定の方向に発射できるよう に、2箇所以上でガイドレール32に沿った位置決めが行われればよい。
【0052】 なお、筒体12と取付帯11は、本実施の形態の水ロケットの発射角度を設定 する発射ガイド13を構成する。本考案を実施する場合の発射ガイド13は、水 ロケットの発射角度を特定できる構造であればよい。特に、本実施の形態の水ロ ケットの胴体部1及び容器装着部6の外周に発射ガイド13を有するので、それ を用いることにより、経験者でなくても、発射台30を使用して発射条件を良好 な状態に設定できる。また、構造が簡単でありながら、その安定性が高い効果が ある。
【0053】 本実施の形態の水ロケットの発射台30は、従来のように、所定の加重を有し ている台部31と、台部31に対して所定の角度にガイドレール32の角度を設 定する雲台部33を有している。ガイドレール32は複数の筒体12に挿通され 、水ロケットの発射角度を維持するものである。また、雲台部33は、ガイドレ ール32の角度を垂直から水平まで、垂直から水平までを仰角90度回動自在と し、かつ、その位置でボルト34のレバーによってロック及びロック解除自在と するものである。
【0054】 したがって、水ロケットの発射台30を設置し、ガイドレール32を雲台部3 3によって所定の発射角度位置に設定できる。そこに、水ロケットの胴体部1及 び容器装着部6に配設した2個の筒体12を通し、発射準備状態とする。ここで 、従来の水ロケットと同様に、容器装着部6に対して装着したペットボトル10 bに噴射ノズル8を螺合し、ペットボトル10a,10bの容積の1/3程度の 水を供給し、そして、噴射ノズル8に圧力供給弁9を接続し、それを後述する発 射台30に設置し、図示しないエアポンプによってペットボトル10a,10b に空気圧を5〜9気圧程度となるように供給し、所定の圧力下で圧力供給弁9を 切離し、水ロケットを発射させる。
【0055】 本実施の形態の水ロケットは、所定の圧力下で圧力供給弁9を切離したとき、 次のような飛行軌跡を描くことになる。
【0056】 図7は発射台30のガイドレール32を仰角75度に設置し、本実施の形態の 水ロケットを発射させた場合の軌跡である。
【0057】 水ロケットを発射台から発射させる(H1 )と、水ロケットは発射直後から加 速度を増し(H2 )、ガイドレール32の設定角度の仰角75度を維持して、最 上点に到達する概略80〜90%の高さまで略リニヤに飛行する。このとき、水 ロケットの長さを1個のペットボトル10aまたはペットボトル10bの長さの 略3.5乃至7倍としているから、重心がペットボトル10aまたはペットボト ル10bの長さの範囲にあり、かつ、ノーズコーン3及び胴体部1及び容器装着 部6の形態により、流体抵抗の影響を強く受けることなく、飛行の安定性が維持 され推進力によりリニアな飛行が可能となり、安定した飛行状態が維持できる。
【0058】 最上点に到達する直前からノーズコーン3の重みによる影響から、重力の影響 が大きくなり、飛行角度が徐々に水平に近くなり、略水平になったとき(H3 ) 、その飛行速度は略ゼロとなる。即ち、水ロケットのペットボトル10a,10 bから水を噴射終了した時点では、水ロケットの全質量mとその速度vとの積m ・vのmが小さくなり、仕事量は急激に低下し、最上点に到達したとき水平とな る。その後、水ロケットは重力によって自由落下(H3 〜H7 )するが、水ロケ ットの質量mが小さく、かつ、水平面に対する投影面積が大きいから、空気抵抗 の影響を受けて徐々に落下する。特に、水ロケット全体の重心が全長の略1/3 乃至2/3の範囲内に設定したものであるから、水ロケットは機首を略水平にし て降下することができる。水ロケットは地面に衝突することなく着地させること ができる。
【0059】 このように、本実施の形態の水ロケットは、使用形態の体積をその重量で割っ て算出した使用形態の比重の小さい材料からなる胴体部1と、胴体部1よりも使 用形態の比重が大きく、かつ、緩衝性のある材料で略円錐状に形成した胴体部1 の一端のノーズコーン3と、加圧空気及び水を収容するペットボトル10a,1 0bを装着する空間を内側に形成した胴体部1の他端の容器装着部6と、容器装 着部6の外側に4枚配設したフィン7とを具備し、ノーズコーン3、胴体部1、 容器装着部6の全長は、ペットボトル10a,10bの長さの略3.5乃至7倍 とし、かつ、ノーズコーン3、胴体部1、容器装着部6、フィン7及び水を収容 していないペットボトル10a,10bを装着した全体の重心が、全長の略1/ 3乃至2/3の範囲内に設定し、しかも、胴体部1に配設したノーズコーン3の 内側と胴体部1との間に空間Aを形成したものである。
【0060】 したがって、発射直後は、全体の重心がペットボトル10a,10bにあり、 その上部のノーズコーン3、胴体部1、容器装着部6の方向性によって流体抵抗 の最小な状態が確保され、安定した発射及び飛行を行い、その後、ペットボトル 10a,10bからの噴出力がなくなると、重心位置が上昇し、かつ、重力の影 響及び全体の質量が小さいことから、機首を下げて急激に減速し、ノーズコーン 3、胴体部1、容器装着部6の全長が略水平方向を向いた状態で全長方向の推進 力がなくなり、水ロケットはノーズコーン3、胴体部1、容器装着部6の全長が 略水平方向を向いた状態で重力落下に入る。このとき、全体の質量が小さく、そ の空気抵抗を受ける面積が広いことから、空気抵抗の影響を大きく受け、落下速 度が遅くなる。故に、安定した飛行を行うことができ、かつ、全体を略水平方向 とした状態で着地可能となる。
【0061】 特に、本実施の形態の水ロケットの胴体部1は、使用形態の体積、即ち、空気 圧を供給して使用できる状態に膨脹させたときの体積をその重量で割って算出し た使用形態の比重の小さい材料から形成すれば、軽量となり、打上げの負荷が小 さくなる。また、ノーズコーン3は、発射時及び落下時の水ロケットの全体のバ ランスを得るものであるから、胴体部1よりも使用形態の比重が大きく、かつ、 緩衝性のある材料で略円錐状に形成して胴体部1の一端に設けるものであればよ い。そして、容器装着部6は、胴体部1のノーズコーン3を取付ける反対側に設 けたものであり、加圧空気及び水を収容するペットボトル10a,10bを装着 する空間を内側に形成した胴体部1のノーズコーン3を取付ける反対側に設けた ものである。更に、フィン7は、容器装着部6の外側に1枚以上配設するもので あり、容器装着部6の外側に直接接着等により、または筒状の部材を介して間接 的に取付けるものである。
【0062】 また、ノーズコーン3、胴体部1、容器装着部4の全長は、1個のペットボト ル10a,10bの長さの略3.5乃至7倍とすることにより、飛行の安定性を 得、かつ、ノーズコーン3、胴体部1、容器装着部4、フィン7及び水を収容し ていないペットボトル10a,10bを装着した全体の重心が、全長の略1/3 から2/3の範囲内に設定したものであるから、常に、図7に示すように、水ロ ケットは発射直後から加速度を増し、ガイドレール32の設定角度を維持して、 最上点に到達する概略80〜90%の高さまでリニヤに飛行し、最上点に到達す る直前でノーズコーン3のバランスから、重力の影響により、飛行角度が徐々に 水平に近くなり、略水平になったとき、その飛行速度は略ゼロとなる。そして、 水ロケットのペットボトル10a,10bから水を噴射終了した時点では、仕事 量は急激に低下し、かつ、最上点に到達したとき水平向きとなる。その後、水ロ ケットは重力によって自由落下するが、水ロケットの質量mが小さく、かつ、水 平面に対する投影面積が大きいから、空気抵抗の影響を受けて徐々に落下する。 特に、水ロケット全体の重心が、全長の略1/3から2/3の範囲内に設定した ものであるから、水ロケットは機首を略水平にして降下することができる。水ロ ケットは地面に衝突することなく着地させ回収することができる。
【0063】 したがって、発射直後は、全体の重心がペットボトル10a,10bにあり、 その上部のノーズコーン3、胴体部1、容器装着部6の方向性によって流体抵抗 の最小な状態が確保され、安定した発射及び飛行を行い、その後、ペットボトル 10a,10bからの噴出力がなくなると、重心位置が上昇し、かつ、重力の影 響及び全体の質量が小さいことから、機首を下げて急激に減速し、ノーズコーン 3、胴体部1、容器装着部6の全長が略水平方向を向いた状態で全長方向の推進 力がなくなり、水ロケットはノーズコーン3、胴体部1、容器装着部6の全長が 略水平方向を向いた状態で重力落下に入る。このとき、全体の質量が小さく、そ の空気抵抗を受ける面積が広いことから、空気抵抗の影響を大きく受け、落下速 度が遅くなる。故に、安定した飛行を行うことができ、かつ、全体を略水平方向 とした状態で着地可能となる。
【0064】 更に、発泡性の合成樹脂または合成ゴムからなるノーズコーン3は、弾力性に 富む発泡性の合成樹脂または合成ゴムで形成され、所定の質量を得るものであり 、かつ、緩衝性が得られる材料及び厚みで形成されており、かつ、ノーズコーン 3の先端は丸みを持たせたものであるから、喩え発射初期の噴射時に衝突し、大 きな外力が加わったときでも、空間A側に容易に窪むことができ、弾性変形する ことができる。このノーズコーン3の先端の丸みは、大きな外力が加わったとき の弾性変形が容易になっていることから、衝突した場合の緩衝材として機能し、 その衝撃を緩和するとともに、水ロケットの速度エネルギをノーズコーン3の端 部の弾性変形した面積に分布させることができる。故に、発射直後に予期しない 衝突が発生しても、その影響力が緩和されるから安全性が高くなる。
【0065】 本実施の形態においては、胴体部1と容器装着部6は、別体として形成し、両 者を一体化するものであるから、胴体部1と容器装着部6の材料を任意に選択で き、しかも、胴体部1と容器装着部6の接続、即ち、胴体部1の接続部5の長さ L3 の変化によってペットボトルの数の変更及び全体長の変化による飛行特性を 実験することができる。特に、容器装着部6はペットボトル10a,10bを堅 固に保持する必要性があるから、比較的形状を維持し易い材料を選択できる。な お、分離及び組付け自在としたものにあっては、搬送時に分離することにより、 小形化が容易である。また、胴体部1の接続部5の距離の変化によってペットボ トル10a,10bの数の変更及び全体長の変化による飛行特性を実験すること ができる。
【0066】 本実施の形態においては、水ロケットの容器装着部6に装着するペットボトル 10a,10bは2個としたものであるが、水ロケットの容器装着部6に装着す るペットボトル10a,10bを1個とすることもできる。特に、1個または2 個としたものでは、水ロケットの重量と噴射能力との関係で、慣れない人にとっ ても、飛行条件を良好な状態に設定できる。
【0067】 本実施の形態においては、水ロケットの胴体部1及び容器装着部6の外周に発 射ガイド13を具備するものである。したがって、水ロケットの胴体部1及び容 器装着部6の外周に発射ガイド13を有するので、それを用いることにより、経 験者でなくても、簡単な発射台を使用して発射条件を良好な状態に設定できる。 ところで、上記実施の形態の胴体部1には、そのノーズコーン3側に外周を滑 かとした大径部4を形成したものであるが、本考案を実施する場合には、第1の 実施の形態のノーズコーン3、側胴体部1、容器装着部6を一体に形成すること ができる。
【0068】 図8は本考案の第2の実施の形態にかかる水ロケットの使用状態の全体の要部 断面を有する正面図である。なお、本考案の実施の形態で説明するのは、第1の 実施の形態との比較において相違する構造のみである。また、図中、第1の実施 の形態と同一符号及び記号は第1の実施の形態の構成部分と同一または相当する 構成部分を示すものであるので、その説明を省略する。
【0069】 図8において、第1の実施の形態の胴体部1、容器装着部6、ノーズコーン3 の機能部をまとめてなる本体部20は、第1の実施の形態の胴体部1に相当する 位置領域、即ち、胴体部22と、容器装着部に相当する位置領域に相当する容器 装着部23を同一径で一体成形し、ノーズコーン21をその先端を丸めた所定の 円錐状として、ブロー成型によって一体に形成したものである。
【0070】 このノーズコーン21には、ノーズコーン21を下にし、本体部20の開口を 上にした状態で、その内側に弾性に富む材料の液体または固形化した発泡性の合 成樹脂または合成ゴムを挿入し、先端内側に接合して一体化したノーズマス24 を有している。
【0071】 即ち、本実施の形態のノーズコーン21は、胴体部を含む本体部20同一材料 で形成しているから、その材料よりも使用形態の比重が大きく、かつ、緩衝性を 持たせるため略円錐状に形成した胴体部の一端に設けたノーズ部分にノーズマス 24を設けることにより、本体部20の胴体部よりも使用形態の比重が大きく、 かつ、緩衝性のある材料で外周を略円錐状に形成し、胴体部の一端に設けている 。
【0072】 また、本考案を実施する場合には、射出成形によって容器装着部23の外周に 挿着する取付筒71及びその周囲に形成した4枚のフィン72を一体に射出成型 し、または、押出成型したものを所定の形状に端部成型してもよい。取付筒71 及びその周囲に形成した1枚以上のフィン72によって本実施の形態のフィン部 70を構成している。故に、容器装着部23の外側に1枚以上フィン72が取付 筒71を介して配設されていることになる。特に、射出成形で形成する場合には 、本体部20の外周に接合する筒状の取付筒71を形成し、その取付筒71に、 例えば、1枚、2枚、3枚、4枚のフィン72を一体成形し、それを本体部20 のノーズコーン21側から嵌込み一体化したものである。本体部20の外周に接 合する取付筒71に複数枚のフィン72を一体成形し、それを本体部20と一体 化するものでは、ノーズコーン3、胴体部1、容器装着部6が同一で、取付筒7 1に配設したフィン72の枚数及び形を任意に変更することにより、飛行特性等 の実験が可能である。
【0073】 したがって、本実施の形態の本体部20は、第1の実施の形態の胴体部1に相 当する使用形態の体積をその重量で割って算出した使用形態の比重の小さい材料 からなる胴体部22、第1の実施の形態の容器装着部6に相当する加圧空気及び 水を収容するペットボトル10a,10bを装着する空間を内側に形成した胴体 部22の他端に形成した容器装着部23、胴体部22よりも使用形態の比重が大 きく、かつ、緩衝性のある材料で略円錐状に形成した胴体部22の一端に形成し たノーズコーン21を有している。
【0074】 本実施の形態のノーズマス24によって、本体部20、フィン部70及び水を 収容していないペットボトル10a,10bを装着した全体の重心が、全長の略 1/3から2/3の範囲内になるようにその重量が決定されている。
【0075】 本体部50には、ペットボトル10a,10bを挿入したとき、所定の位置よ りもノーズコーン21側に移動しないように、ストッパー部25が設けられてい る。ストッパー部25は全周が所定の間隔をおいて内側に凸の断面形状となって おり、ペットボトル10a,10bを挿入したとき、ストッパー部25の抵抗に より、その位置からノーズコーン21側にはペットボトル10aの底面が挿入で きないようにしている。しかし、所定の間隔をおいて内側に凸の断面形状となっ ているから、ペットボトル10a,10bを挿入の際の圧縮空気をそこから排出 することができる。
【0076】 考案者等は第1の実施の形態の胴体部1のノーズコーン3に外周を滑かな曲面 とした大径部4を形成した胴体部1を有する水ロケットと、第2の実施の形態の 本体部20を略均一径とした水ロケットによって比較実験したが、第2の実施の 形態によれば、第1の実施の形態よりも飛行時に上空の風の影響を受け易いが、 ほぼ同様の飛行特性が得られた。
【0077】 また、ノーズコーン21は、所定の質量を得るものであり、かつ、緩衝性が得 られる材料及び厚みで形成されており、かつ、ノーズコーン21の先端は丸みを 持たせたものであるから、大きな外力が加わったとき、空間B側に容易に窪むこ とができ、弾性変形が容易になっている。このノーズコーン21の先端の丸みは 、大きな外力が加わったときの弾性変形が容易になっていることから、衝突した 場合の緩衝材として機能し、その衝撃を緩和するとともに、水ロケットの速度エ ネルギをノーズコーン21の端部の弾性変形した面積に分布させることができる 。故に、発射直後に衝突が発生しても、その影響力が緩和されるから安全性が高 くなる。
【0078】 そして、この実施の形態の水ロケットは、ノーズコーン21、胴体部22、容 器装着部23をブロー成型で本体部20として一体成型するものであるから、見 栄えが良く、軽量化できる。また、バルーンと違い損傷による空気漏れに気を付 ける必要性がない。
【0079】 上記第1の実施の形態では、胴体部1をバルーンで形成し、第2の実施の形態 ではブロー成型で形成したが、発泡性の合成樹脂で形成することもできる。
【0080】 図9は本考案の第3の実施の形態にかかる水ロケットの使用状態の全体の要部 断面を有する正面図である。なお、本考案の実施の形態で説明するのは、前記各 実施の形態との比較において相違する構造のみである。また、図中、前記実施の 形態と同一符号及び記号は前記実施の形態の構成部分と同一または相当する構成 部分を示すものであるので、その説明を省略する。
【0081】 図9において、本実施の形態の胴体部42は、所定の金型に発泡性合成樹脂を 流し込み、成形したものである。特に、好ましくは、外表面に発泡密度を高くし たスキン層を形成するようにすると、見栄え及び肌触りが良くなり、機械的強度 も強くなる。胴体部42の端部側には、発泡性の合成ゴムからなるノーズコーン 41の開口に配設した充填阻止板43まで充填され、発泡成型により一体化され ている。本実施の形態のノーズコーン41は、胴体部42を成型する充填された 発泡性合成樹脂の端部に配置された充填阻止板43との間に空間Cが形成されて いる。
【0082】 即ち、ノーズコーン41の開口に充填阻止板43を挿着した状態で、胴体部4 2を成型する前に、発泡性の合成ゴムからなるノーズコーン41を金型にセット しておき、両者を発泡により一体化するものである。通常、ノーズコーン41は 弾力性に富む発泡性の合成樹脂または合成ゴムで形成され、所定の質量を得るも のであり、かつ、緩衝性が得られる材料及び厚みで形成されている。ノーズコー ン41の開口の直径とその丸みを有する高さとの関係は1(直径)対1.5〜3 (高さ)程度に設定される。ノーズコーン41の先端は丸みを持たせ、大きな外 力が加わったとき、容易に窪むことができ、弾性変形が容易になっている。ノー ズコーン41の内側が空間Cになっていることから、容易に変形することができ 、ノーズコーン41の特性のみで決定される。このノーズコーン41の先端の丸 み及び大きな外力が加わったときの弾性変形が容易になっていることにより、衝 突した場合の緩衝材として機能し、その衝撃を緩和するとともに、水ロケットの 速度エネルギをノーズコーン41の端部の弾性変形した面積に分布させることが できる。また、ノーズコーン41の開口側には、端面T字状の環状のリブ41a が形成されていて、発泡成型される胴体部42との一体化を堅固なものとしてい る。
【0083】 なお、胴体部42のノーズコーン41側の端部から全長の略1/5程度の長さ L5 に直径L1 の大径部44が形成されて、また、胴体部42の反対側の端部は 、その先端部から長さL3 の長さの小径の接続部45が形成されている。胴体部 41の端部から長さL5 までの間において、ノーズコーン41の先端から直径L 1 の大径部44までは、滑かな曲面により径を大きくしており、また、大径部4 4から、胴体部42の接続部45側の端部から長さL3 までは、滑かな曲面によ りに径を徐々に小さくしている。
【0084】 また、本実施の形態のフィン部は、実質的にフィン7を意味する。
【0085】 第3の実施の形態の水ロケットは、使用形態の体積をその重量で割って算出し た使用形態の比重の小さい材料からなる胴体部42と、胴体部42よりも使用形 態の比重が大きく、かつ、緩衝性のある材料で略円錐状に形成した胴体部42の 一端のノーズコーン41と、加圧空気及び水を収容するペットボトル10a,1 0bを装着する空間を内側に形成した胴体部42の他端の容器装着部46と、容 器装着部46の外側に1枚以上配設したフィン7とを具備し、ノーズコーン41 、胴体部42、容器装着部46の全長は、ペットボトル10a,10bの長さの 略3.5乃至7倍とし、かつ、ノーズコーン41、胴体部42、容器装着部46 、フィン7及び水を収容していないペットボトル10a,10bを装着した全体 の重心が、全長の略1/3から2/3の範囲内に設定したものである。
【0086】 この実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の飛行特性が得られた。な お、本実施の形態と同様に、胴体部42が同一径のものも製作したが、第2の実 施の形態と同一飛行特性であった。
【0087】 図10は本考案の第2の実施の形態の変形例である第4の実施の形態にかかる 水ロケットの使用状態の全体の要部断面を有する正面図である。なお、本考案の 実施の形態で説明するのは、前記各実施の形態との比較において相違する構造の みである。また、図中、前記実施の形態と同一符号及び記号は前記実施の形態の 構成部分と同一または相当する構成部分を示すものであるので、その説明を省略 する。
【0088】 図10において、図9の第3の実施の形態と同様、第3の実施の形態の胴体部 42、容器装着部46の機能部からなる胴体容器装着部60は、胴体部61と容 器装着部66をブロー成型によって一体に成形したものである。胴体容器装着部 60は、ブロー成型によって第1の実施の形態の胴体部1、容器装着部6を一体 に形成したもので、使用形態の体積をその重量で割って算出した使用形態の比重 の小さい材料からなる胴体部61、加圧空気及び水を収容するペットボトル10 a,10bを装着する空間Dを内側に形成した胴体部61の他端の容器装着部6 6の機能部から形成され、水ロケットとしての使用状態の形状で比較的比重を小 さくなるように、材料を選択して形成したものである。
【0089】 図10の上部に相当する胴体容器装着部60の端部側には、周囲に嵌合凹部6 2aを有する小径突出部62が形成されている。胴体容器装着部60の小径突出 部62側の端部から全長の1/10乃至1/5程度の長さL2 に直径L1 の大径 部64が形成され、また、胴体部61の小径突出部62側の反対側の端部は、容 器装着部66の機能を有し、1個のペットボトル10aが装着される。胴体部6 1の小径突出部62側の端部から長さL2 までの間において、小径突出部62側 の段部から直径L1 の大径部64までは、滑かな曲面により径を大きくしており 、また、大径部64から、胴体部61の容器装着部66側までは、滑かな曲面に より径を徐々に小さくしている。
【0090】 胴体容器装着部60の小径突出部62は、発泡性の合成ゴムからなるノーズコ ーン63の開口が装着され、両者をノーズコーン63の弾性力により一体化する ものである。このとき、小径突出部62の嵌合凹部62aは、ノーズコーン63 に形成した環状突起63aがその弾性によって挿着され、容易に離脱できないよ うになっている。胴体部61の小径突出部62とノーズコーン63の内側とで空 間Dを形成し、空間D内に前述した所定の重み材料を詰め込むことにより、飛行 の特性を実験することができる。
【0091】 通常、ノーズコーン63は弾力性に富む発泡性の合成樹脂または合成ゴムで形 成され、所定の質量を得るものであり、かつ、緩衝性が得られる材料及び厚みで 形成されている。ノーズコーン63の開口の直径と丸みを持った高さとの関係は 1(直径)対1.5〜3(高さ)程度に設定される。ノーズコーン63の先端は 丸みを持たせ、大きな外力が加わったとき、容易に窪むことができ、弾性変形が 容易になっている。このノーズコーン63の先端の丸み及び大きな外力が加わっ たときの弾性変形が容易になっていることにより、衝突した場合の緩衝材として 機能し、その衝撃を緩和するとともに、水ロケットの速度エネルギをノーズコー ン63の端部の弾性変形した面積に分布させることができる。特に、ノーズコー ン63の内側が空間Dになっていることから、容易に変形することができ、ノー ズコーン63の特性のみで決定される。故に、発射直後に衝突が発生しても、そ の影響力が緩和されるから安全性が高くなる。
【0092】 ブロー成型した胴体容器装着部60の小径突出部62側の端部から全長の1/ 10乃至1/5程度の長さL2 に形成した直径L1 の大径部64は、ノーズコー ン63の外周から滑かな曲面により連続してその径を変化させており、ノーズコ ーン63と胴体部61の僅かな接合による接続点を除いては外周に不連続な点は 発生していない。また、胴体容器装着部60の大径部64から容器装着部66側 についても、その外周を滑かな曲面により連続して径を変化させている。大径部 64から胴体容器装着部60のノーズコーン63側と容器装着部66側とでは、 大径部64からノーズコーン63側の傾度が大きくなっている。
【0093】 この小径突出部61側の段部から直径L1 の大径部64までを滑かな曲面によ り径を大きくし、大径部64から胴体容器装着部60の他方の端部までを滑かな 曲面により径を徐々に小さくしているのは、空気抵抗を小さくし、空気の流れを その周面に均一に流すことにより、カルマン渦をなくし、飛行時の安定性を良く するものである。
【0094】 そして、胴体容器装着部60の小径突出部62の反対側の端部は、加圧空気及 び水を収容する1個のペットボトル10aを装着する空間を内側に形成している 。胴体容器装着部60には、ペットボトル10aを挿入したとき、所定の位置よ りもノーズコーン63側に移動しないように、ストッパー部65が設けられてい る。ストッパー部65は全周が所定の間隔をおいて内側に凸の断面形状となって おり、ペットボトル10aを挿入したとき、ストッパー部65の抵抗により、そ の位置からノーズコーン63側にはペットボトル10aの底面が挿入できないよ うにしている。ペットボトル10aを挿入の際の圧縮空気は、胴体容器装着部6 0のストッパー部65よりも小径突出部62a側の空気排出孔67から排出する ことができる。通常、空気排出孔67は封止栓68で封緘しているが、ペットボ トル10aの挿入時には封止栓68を外して挿入する。
【0095】 また、胴体容器装着部60のペットボトル10aの装着側の端部の外周には、 環状の取付筒81が容器装着部66側から挿着され、接着剤または胴体容器装着 部60の外面と取付筒81の内面の凹凸により固着されている。
【0096】 取付筒81は、図11の第4の実施の形態にかかる水ロケットで使用したフィ ン部80の要部斜視図に示すように、環状の筒体となっており、その周囲にフィ ン82を挿入する8本の対称性を持った挿着溝83が形成されている。この8本 の対称性を持った挿着溝83には、上方から8枚の各フィン82が挿脱自在にな っている。通常、4枚のフィン82が上平面からみて略十字状に挿着された状態 で使用される。しかし、フィン82の機能を実験する場合には、1枚から8枚ま でのフィン82を任意に挿着して飛行実験を行うことができる。
【0097】 また、この取付筒81は、胴体容器装着部60を、図8に示す第2の実施の形 態の同一径からなる本体部20とした場合には、本体部20の上下2段に取付筒 81を配設し、複数の水ロケットの本体部20相互を並列接続する接続手段とし ても使用できる。
【0098】 なお、上記各実施の形態では、第1の実施の形態のノーズコーン3、胴体部1 と容器装着部6とフィン7を任意に一体化することについて説明したが、更に、 第1の実施の形態のノーズコーン3、胴体部1、容器装着部6、フィン7を任意 に縦割りに二分割して一体に射出成型等で形成したものを、接合して一体に形成 することもできる。
【0099】 第4の実施の形態の水ロケットは、使用形態の体積をその重量で割って算出し た使用形態の比重の小さい材料からなる胴体部61と、胴体部61よりも使用形 態の比重が大きく、かつ、緩衝性のある材料で、外周を略円錐状に形成した胴体 部61の一端に設けたノーズコーン63と、加圧空気及び水を収容するペットボ トル10aを装着する空間を内側に形成した胴体部61の他端に設けた容器装着 部66と、容器装着部66の外側に1枚以上のフィン82を配設したフィン部8 0とを具備し、ノーズコーン63、胴体部61、容器装着部66の全長は、ペッ トボトル10aの長さの略3.5乃至7倍とし、かつ、ノーズコーン63、胴体 部61、容器装着部66、フィン部80及び水を収容していないペットボトル1 0aを装着した全体の重心が、全長の略1/3から2/3の範囲内に設定し、し かも、胴体部61に配設したノーズコーン63の内側と胴体部61の小径突出部 62aとの間に空間Dを形成したものである。
【0100】 この実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の飛行特性が得られた。な お、本実施の形態と同様に、胴体部61が同一径のものも製作したが、第2の実 施の形態と同一飛行特性であった。
【0101】 図12は本考案の第1の実施の形態の変形例である第5の実施の形態にかかる 水ロケットの使用状態の全体の要部断面を有する正面図、図13は本考案の第5 の実施の形態にかかる水ロケットの使用状態の全体の斜視図である。なお、本考 案の実施の形態で説明するのは、前記各実施の形態との比較において相違する構 造のみである。また、図中、前記実施の形態と同一符号及び記号は前記実施の形 態の構成部分と同一または相当する構成部分を示すものであるので、その説明を 省略する。
【0102】 図12及び図13において、特に、第1の実施の形態との相違点は、第1の実 施の形態の胴体部90の接続部95の長さL3 よりも、本実施の形態の接続部9 5の長さL10の方が長くなっており、更に、水ロケットの全体長の略重心位置付 近に収容部91が形成されている。この収容部91には、カメラ99等が積載可 能な容積となっており、胴体部90の空気圧を上げることによりカメラ99等の 容器装着部96側の面を除き、他の面を弾圧することになる。それによって、カ メラ99は収容部91に保持される。カメラ99のレンズ側には容器装着部91 が位置するので、本実施の形態においては、容器装着部91の材料としては無色 透明な材料の使用が好ましい。しかし、容器装着部91のカメラ99のレンズに 対応する位置を挿通孔または挿通しない程度の透過孔を設けてもよい。
【0103】 胴体部90の小径突出部92は、発泡性の合成ゴムからなるノーズコーン93 の開口が装着され、両者をノーズコーン93の弾性力により一体化するものであ る。このとき、小径突出部92の嵌合凹部92aは、ノーズコーン93に形成し た環状突起93aがその弾性によって挿着され、容易に離脱できないようになっ ている。胴体部90の小径突出部92とノーズコーン93の内側とで空間Eを形 成し、空間E内に前述した所定の重み材料を詰め込むことにより、飛行特性を実 験することができる。
【0104】 図12の上部に相当する胴体部90の端部側には、周囲に嵌合凹部92aを有 する小径突出部92が形成されている。胴体部90の小径突出部92側の端部か ら全長の1/10乃至1/5程度の長さL2 に直径L1 の大径部64が形成され 、また、胴体部90の小径突出部92側の反対側の端部は、容器装着部91の機 能を有し、1個のペットボトル10aが装着される。胴体部90の小径突出部9 2側の端部から長さL2 までの間において、小径突出部92側の段部から直径L 1 の大径部94までは、滑かな曲面により径を大きくしており、また、大径部9 4から、胴体部90の容器装着部96側までは、滑かな曲面により径を徐々に小 さくしている。
【0105】 この小径突出部92側の段部から直径L1 の大径部94までを滑かな曲面によ り径を大きくし、大径部94から胴体部90の接続部95側の端部から長さL10 までを滑かな曲面により径を徐々に小さくしているのは、空気抵抗を小さくし、 空気の流れをその周面に均一に流すことにより、カルマン渦を殆ど発生しないよ うにし、飛行時の安定性を良くするものである。
【0106】 そして、胴体部90の接続部95の長さL10は、若干テーパー状になっており 、胴体部90の接続部95には、加圧空気及び水を収容する2個のペットボトル 10a,10bを装着する空間Eを内側に形成した容器装着部96に挿着されて いる。容器装着部96は合成樹脂の押出成形品または両端を切断したブロー成型 品として同一径に形成されており、2個のペットボトル10a,10bが直列接 続された状態で収納できる長さに、接続部65の長さL10を加算した長さとなっ ている。容器装着部96の内径は、ペットボトル10a,10bの外周に略等し くなっている。このため、容器装着部96の内径とペットボトル10a,10b の外周が密に接合し、挿入のみによって周囲がペットボトル10a,10bと面 接触し、容易に離脱しないように挿着状態を維持することができる。
【0107】 胴体部90の接続部95の長さL10は容器装着部96を挿入することにより、 胴体部90の弾性力によって、接着剤を使用することなく、両者間の接触抵抗で 挿着状態が維持できるようになっている。即ち、既に形成さた容器装着部96の 端部に、80〜90%の圧力を供給した状態で、胴体部90の接続部95を挿入 し、更に、位置決めしながら胴体部90の空気圧を100%とすることにより、 胴体部90の空気圧にのみよって両者を一体化することができる。しかも、収容 部91に配置するカメラ99等を胴体部90の空気圧により収容部91に保持す ることができる。
【0108】 なお、この実施の形態のフィン部は、実質的にフィン7のみを意味する。
【0109】 第5の実施の形態の水ロケットは、使用形態の体積をその重量で割って算出し た使用形態の比重の小さい材料からなる胴体部90と、胴体部90よりも使用形 態の比重が大きく、かつ、緩衝性のある材料で略円錐状に形成した胴体部90の 一端のノーズコーン93と、加圧空気及び水を収容するペットボトル10a,1 0bを装着する空間を内側に形成した胴体部90の他端の容器装着部96と、容 器装着部96の外側に1枚以上配設したフィン7とを具備し、ノーズコーン93 、胴体部90、容器装着部96の全長は、ペットボトル10a,10bの長さの 略3.5乃至7倍とし、かつ、ノーズコーン93、胴体部90、容器装着部96 、フィン7及び水を収容していないペットボトル10a,10bを装着した全体 の重心が、全長の略1/3から2/3の範囲内に設定したものである。
【0110】 この実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の飛行特性が得られた。ま た、発射直後は、喩え、カメラ99を搭載していても、全体の重心がペットボト ル10a,10bで決定され、その上部のノーズコーン93、胴体部90、容器 装着部96の方向性によって流体抵抗の最小な状態が確保され、安定した発射及 び飛行を行い、その後、ペットボトル10a,10bからの噴出力がなくなると 、重心位置が上昇し、しかも、カメラ99が全長の略1/3から2/3の範囲内 の収容部91に収容されているから、重心位置が略中心位置となり、かつ、重力 の影響及び全体の質量が小さいことから、機首を下げて急激に減速し、ノーズコ ーン93、胴体部90、容器装着部96の全長が略水平方向を向いた状態で全長 方向の推進力がなくなり、水ロケットはノーズコーン96、胴体部90、容器装 着部96の全長が略水平方向を向いた状態で重力落下に入る。このとき、全体の 質量が小さく、その空気抵抗を受ける面積が広いことから、空気抵抗の影響を大 きく受け、落下速度が遅くなる。殊に、空気抵抗の影響を大きく受け、落下速度 が遅く、胴体部90の長さ方向に対する垂直断面でみても、カメラ99の配置が 一方に偏っているから、カメラ99のレンズ側が地表方向を向き、高所撮影が可 能となり、しかも、落下速度が遅いから複数枚の写真をリモコンまたはセルフで 連続撮影することができる。
【0111】 通常、ノーズコーン93は弾力性に富む発泡性の合成樹脂または合成ゴムで形 成され、所定の質量を得るものであり、かつ、緩衝性が得られる材料及び厚みで 形成されている。ノーズコーン93の開口の直径と丸みを持った高さとの関係は 1(直径)対1.5〜3(高さ)程度に設定される。ノーズコーン93の先端は 丸みを持たせ、大きな外力が加わったとき、容易に窪むことができ、弾性変形が 容易になっている。このノーズコーン93の先端の丸み及び大きな外力が加わっ たときの弾性変形が容易になっていることにより、衝突した場合の緩衝材として 機能し、その衝撃を緩和するとともに、水ロケットの速度エネルギをノーズコー ン93の端部の弾性変形した面積に分布させることができる。特に、ノーズコー ン93の内側が空間Eになっていることから、容易に変形することができ、ノー ズコーン93の特性のみで決定される。故に、発射直後に衝突が発生しても、そ の影響力が緩和されるから安全性が高くなる。また、カメラ99を搭載していて も衝突のショックがカメラ99に直接伝わることがない。
【0112】 故に、カメラ99を搭載していても、安定した飛行を行うことができ、かつ、 全体を略水平方向とした状態で着地可能となる。
【0113】 ところで、上記各実施の形態の胴体部は、胴体として独立したもの、他の部分 と連続したものとがあるが、本考案の概念は、胴体として独立したもの、他の部 分と連続したものを区別することなく、両者を含むもので、胴体として機能する 部分を意味し、しかも、使用形態の体積をその重量で割って算出した使用形態の 比重の小さい材料、即ち、合成樹脂材料、特殊コート紙、特殊繊維、軽量金属等 からなるものであり、結果的に、軽量で気密性がある材料であればよい。
【0114】 また、上記各実施の形態のノーズコーンは、胴体として独立したもの、胴体と 連続したものとがあるが、本考案の概念は、胴体として独立したもの、胴体と連 続したものを区別することなく、両者を含むもので、所定の重みのノーズとして 機能する部分を意味し、しかも、胴体部よりも使用形態の比重が大きく、かつ、 緩衝性のある材料で略円錐状に形成し、または、胴体部の一端に一体に形成した もの、または別体で形成して胴体部に配設したものである。このノーズコーンは 、結果的に、他の部材と共に胴体部よりも重量を大きくできればよい。
【0115】 そして、上記各実施の形態の容器装着部は、容器装着部として独立したもの、 胴体と連続したものとがあるが、本考案の概念は、容器装着部分として独立した もの、胴体と連続したものを区別することなく、両者を含むもので、加圧空気及 び水を収容するペットボトルを装着する空間を内側に形成した胴体部の他端に位 置するものである。
【0116】 更に、上記各実施の形態のフィンは、容器装着部の外側に1枚以上を直接接着 剤、テープで取付けてもよいし、一体に成型してもよいし、または他の部材を用 いて取付けてもよい。
【0117】 なお、本考案を実施する場合の水ロケットは、全体の重心が全長の略1/3か ら2/3の範囲内に設定したものであるが、本考案を実施した水ロケットは、実 験等により、全体の重心が全長の頭部の略1/5以下にし、ノーズコーン側から 着地させることもできる。
【0118】
【考案の効果】
以上説明したように、請求項1の水ロケットは、使用形態の体積をその重量で 割って算出した使用形態の比重の小さい材料からなる胴体部と、前記胴体部より も使用形態の比重が大きく、かつ、緩衝性のある材料で、外周を略円錐状に形成 し、前記胴体部の一端に配設したノーズコーンと、加圧空気及び水を収容するペ ットボトルを装着する空間を内側に形成した前記胴体部の他端に設けた容器装着 部と、前記容器装着部の外側に1枚以上のフィンを配設したフィン部とを具備し 、前記ノーズコーン、胴体部、容器装着部の全長は、前記ペットボトルの長さの 略3.5乃至7倍とし、かつ、前記ノーズコーン、胴体部、容器装着部、フィン 及び水を収容していないペットボトルを装着した全体の重心が、前記全長の略1 /3から2/3の範囲内に設定し、しかも、前記胴体部に配設したノーズコーン の内側と前記胴体部との間に空間を形成したものである。
【0119】 したがって、発射直後は、全体の重心が水を入れたペットボトルにあり、その 上部のノーズコーン、胴体部、容器装着部の方向性によって流体抵抗の最小な状 態が確保され、安定した発射及び飛行を行い、その後、ペットボトルからの噴出 力が低下するに伴ない重心位置が上部に移行し、かつ、この状態下における水ロ ケットの重力の影響及び全体の質量が小さいことから、機首を下げて急激に減速 し、ノーズコーン、胴体部、容器装着部の全長が略水平方向を向いた状態で全長 方向の推進力がなくなり、水ロケットはノーズコーン、胴体部、容器装着部の全 長が略水平方向を向いた状態で重力落下に入る。このとき、全体の質量が小さく 、その空気抵抗を受ける面積が広いことから、空気抵抗の影響を大きく受け、落 下速度が遅くなる。故に、安定した飛行を行うことができ、かつ、全体を略水平 方向とした状態で着地可能となる。また、ノーズコーンの内部が空間になってい るから、ノーズコンの弾性力を十分に使用することができる。
【0120】 特に、ノーズコーンは弾力性に富む発泡性の合成樹脂または合成ゴムで形成さ れ、所定の質量を得るものであり、かつ、緩衝性が得られる材料及び厚みで形成 されているから、ノーズコーンの先端は大きな外力が加わったとき、容易に窪む ことができ、弾性変形が容易になっていることから、衝突した場合の緩衝材とし て機能し、その衝撃を緩和するとともに、水ロケットの速度エネルギをノーズコ ーンの端部の弾性変形した面積に分布させることができる。故に、予期しない衝 突が発生しても、速度エネルギが集中して加わらないから安全性が高い。
【0121】 よって、安全で、安定した飛行を行うことができ、かつ、全体を略水平方向と した状態で着地可能な水ロケットが得られる。
【0122】 請求項2にかかる水ロケットの使用形態の体積をその重量で割って算出した使 用形態の比重の小さい材料は、合成樹脂材料としたものであるから、請求項1の 効果に加えて廉価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本考案の第1の実施の形態にかかる水
ロケットの全体の正面図である。
【図2】 図2は本考案の第1の実施の形態にかかる水
ロケットの縦断面図である。
【図3】 図3は本考案の第1の実施の形態にかかる水
ロケットの平面図である。
【図4】 図4は本考案の第1の実施の形態にかかる水
ロケットの底面図である。
【図5】 図5は本考案の第1の実施の形態にかかる水
ロケットの使用状態の全体の要部断面を有する正面図で
ある。
【図6】 図6は本考案の第1の実施の形態にかかる水
ロケットが発射台から発射する初期状態の斜視図であ
る。
【図7】 図7は本考案の第1の実施の形態にかかる水
ロケットの飛行軌跡の説明図である。
【図8】 図8は本考案の第2の実施の形態にかかる水
ロケットの使用状態の全体の要部断面を有する正面図で
ある。
【図9】 図9は本考案の第3の実施の形態にかかる水
ロケットの使用状態の全体の要部断面を有する正面図で
ある。
【図10】 図10は本考案の第4の実施の形態にかか
る水ロケットの使用状態の全体の要部断面を有する正面
図である。
【図11】 図11は本考案の図10の第4の実施の形
態にかかる水ロケットで使用したフィン取付体の一部分
解斜視図である。
【図12】 図12は本考案の第1の実施の形態の変形
例である第5の実施の形態にかかる水ロケットの使用状
態の全体の要部断面を有する正面図である。
【図13】 図13は本考案の第5の実施の形態にかか
る水ロケットの使用状態の全体の斜視図である。
【図14】 図14は従来の1段のペットボトルを内蔵
した水ロケットを示す全体説明図である。
【図15】 図15は従来の2段のペットボトルを内蔵
した水ロケットを示す全体説明図である。
【符号の説明】
1 胴体部、3 ノーズコーン、5 接続部、6 容器
装着部、7 フィン、10a,10b ペットボトル、
11 取付帯、12 筒体、13 発射ガイド、20
本体部、21 ノーズコーン、22 胴体部、23 容
器装着部、24ノーズマス、41 ノーズコーン、42
胴体部、45 接続部、46 容器装着部、60 胴
体容器装着部、61 胴体部、63 ノーズコーン、6
6 容器装着部、80 フィン部、81 取付筒、82
フィン、90 胴体部、95接続部、96 容器装着
部、A,B,C,D,E 空間

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用形態の体積をその重量で割って算出
    した使用形態の比重の小さい材料からなる胴体部と、 前記胴体部よりも使用形態の比重が大きく、かつ、緩衝
    性のある材料で、外周を略円錐状に形成し、前記胴体部
    の一端に設けたノーズコーンと、 加圧空気及び水を収容するペットボトルを装着する空間
    を内側に形成した前記胴体部の他端に設けた容器装着部
    と、 前記容器装着部の外側に1枚以上のフィンを配設したフ
    ィン部とを具備し、 前記ノーズコーン、胴体部、容器装着部の全長は、前記
    ペットボトルの長さの略3.5乃至7倍とし、かつ、前
    記ノーズコーン、胴体部、容器装着部、フィン及び水を
    収容していないペットボトルを装着した全体の重心が、
    前記全長の略1/3から2/3の範囲内に設定し、しか
    も、前記胴体部に配設したノーズコーンの内側と前記胴
    体部との間に空間を形成したことを特徴とする水ロケッ
    ト。
  2. 【請求項2】 前記使用形態の体積をその重量で割って
    算出した使用形態の比重の小さい材料は、合成樹脂材料
    としたことを特徴とする請求項1に記載の水ロケット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001140746A (ja) * 1999-11-17 2001-05-22 Meishin Denki Kk ウォーターロケットと該ウォーターロケットの発射台

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