JP3062106U - 開創部保持機能を有する創縁保護器具 - Google Patents

開創部保持機能を有する創縁保護器具

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JP3062106U
JP3062106U JP1999001445U JP144599U JP3062106U JP 3062106 U JP3062106 U JP 3062106U JP 1999001445 U JP1999001445 U JP 1999001445U JP 144599 U JP144599 U JP 144599U JP 3062106 U JP3062106 U JP 3062106U
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ring
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wound edge
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JP1999001445U
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勝 丸山
亨彦 玉井
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株式会社八光電機製作所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切開創への細菌等の侵入を防止するため、直
接切開創を被覆する創縁保護器具において、特に小切開
の手術に好適な、視認性確保に十分な開創保持効果及び
確実な創縁保護効果を兼ね揃え、更に切開創への装着及
び体腔内への挿入、取り出し容易で面倒な作業を必要と
しない、術中の破損のない開創部保持機能を有する創縁
保護器具を提供することを目的とした。 【構成】 同軸に対向配置した円形または楕円の2つの
リングを、筒状の弾性部材の両端部に、該端部を拡張さ
せた状態で、筒状部材が扁平な鼓型となるようにして取
り付けた形状、構造とし、該リングの少なくとも一方は
超弾性合金をリング全体あるいは芯材として用いて構成
する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、切開手術の際に切開創周辺のバクテリア等か ら切開部を保護する創縁保護器具に関し、より詳しくは、切開部を直接被覆して 装着し、該切開創を開いた状態に保持できる、特に小切開手術に好適な開創部保 持機能を有する創縁保護器具に関する。
【0002】
【従来の技術】 切開手術をおこなう際に、切開創への細菌や有害物質の侵入や バクテリアの集積を防ぐことは、感染防止等の観点から非常に重要で、従来から の対策として、術前の切開部周辺への消毒やドレープによる周囲へのカバーは当 然のことのとして、更に進んで切開創を直接被覆して覆ってしまおうとする創縁 保護器具が提案されている。これら従来の創縁保護器具としては、特公平5−3 7059のように、柔軟なシート状材料の筒状部材の一方の開口部に弾性体の輪 状部材を、他方の開口部に中空環状部材を取り付け、前記中空環状部材に流体を 注入、排出する手段を設けて構成し、該中空環状部材を切開創より体腔内に入れ 、流体を注入、膨張させ腹膜に固定し、筒状部材を切開創に被覆させる器具、ま たは、USパテント5524644のように、1組の弾力のあるOリングを柔軟 なスリーブの両端に取り付け、一方を切開創より体腔内に入れ腹膜に固定し、一 方のOリングで適当量スリーブを巻き付けることにより体表上に固定して、同時 に開創保持効果を高め、腹壁を挟みスリーブにより切開創に被覆させる器具、更 には、ドレープ91のほぼ中心に穴92を設けリング93を取り付け、四隅に接 着部94を設けて構成し、該リング93及ドレープ91を切開創より体腔内に入 れ、四隅を接着部94により固定して、ドレープ91により開創部を被覆する創 縁保護用のドレープ(図5参照)が提案、あるいは実用化されている。
【0003】 一方、開創部は自体閉じようとする力が働くため、手術中術部の視野を確保する ため、開創部をレトラクタにより開いた状態で保持する必要があり、従来、最も 簡易的な手段としてL型等に曲がった棒状のレトラクタ(鉗子)を開創部に掛け 、助手が常に引っ張って保持しているといったことが行われている。 また、助手を必要としない自己保持型のレトラクタとして、例えば、実開平6− 55607、特開平7−239727のように手術台に支柱を設け、支柱に取り 付けたアーム等によりレトラクタ部分を保持する装置や、例えば特開昭53−9 6291、特開平7−239727のように開創部周辺を環状部材で囲み該環状 部材にレトラクタに設けた係止手段により固定し保持する装置、あるいは例えば 、特開昭60−210247、特開平7−124170のような適当に折曲した 板状のレトラクタを鋼線を利用したり、手術台に接着することで保持する装置が 提案されている。 しかし、これらは、前述した創縁保護については考慮されておらず、創縁保護の ためには他の保護器具との併用の必要があり、本考案の適用する技術分野とはな らない。
【0004】 また、特開昭56−136538には開創部接触タイプのレトラクトとして、膨 張可能な凹断面を有する可撓性閉ループ部材、あるいは上下2つの膨張部を有す る閉ループ部材を開創部を挟むように膨張させて、凹部あるいは上下2つの膨張 部の間で開創部を被覆した状態でループ部材の張力により開創部を拡開して保持 する外科牽引子が提案されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】 しかし、従来の切開創を直接被覆する創縁保 護器具についてみると、特公平5−37059のものでは、中空環状部材への流 体の注入により切開創を挟み筒状部材が切開創に接触被覆することで創縁保護の 効果はある程度期待できるが、中空環状部材に流体を注入しただけでは材質的な 強度がないため、切開創が閉じようとする力に抗して十分な形状保持が期待でき ず、筒状部材の張力による開創保持効果については期待できない。また、切開創 への取り付け及び取り外しに流体注入、排出の必要があるため装着作業が面倒で 、更に手術器具には先端が鋭利なものが多いため術中の手術器具の中空環状部材 への接触による破損で継続しての使用が不可能になるといった可能性も否定でき ない。 また、US55246のものでは、Oリングにより腹壁を挟み、スリーブにより 切開創を接触被覆し、スリーブをOリングに巻き付けることによりスリーブの張 力が増すことで、創縁保護効果、開創保持効果ともにある程度期待できるが、体 腔内でOリングにより腹膜を保持するためには、該Oリングは切開創やスリーブ と比較しかなり大きい外径と、腹膜と接触する部分のかなりの幅が必要となり、 切開創への挿入や取り出しがやりにくくなるといった問題が生じ、これは本考案 が最も適用となる小切開手術に於いては特に顕著となると考えられる。また切開 創の小さい場合は対応して小さな器具にする必要があり、この事は腹膜保持のた めある程度の大きさを必要とするとした前記問題点と相反することになり、小切 開手術においては更に使用を難しくしている。更に、スリーブを巻き付けるとい った作業が必要で装着が面倒であるといった問題もある。 更に、創縁保護用のドレープではドレープが切開創に密着しないために確実なシ ールとはならず、細菌の侵入、バクテリアの集積の可能性を残し、また開創保持 効果については考慮されていないため他の開創保持手段を併用する必要がある。
【0006】 一方、特開昭56−136538の開創部接触タイプのレトラクタでは、閉ルー プ部材にかなりの強度がないと閉ループ部材の十分な張力を得られず形状保持で きず、結果、前述したように切開創が閉じようとする力に抗して十分な開創保持 効果が期待できないといった問題を生じ、また、閉ループ部材の体表部への接触 部が小さいため創縁保護効果には十分期待できない。更に、前述した中空環状部 材と同様に、流体の注入、排出が必要となり装着を面倒なものとし、また、術中 の手術器具の閉ループ部材への接触による破損で継続しての使用が不可能になる といった可能性も否定できない。
【0007】 また、近年の外科的手術は低侵襲性を標榜し、切開手術に於いても極力小さな切 開で済ませるための、小切開手術が望まれ、対応して手術器具あるいは周辺器具 も適用可能なものが必要となり、本考案の分野における開創保持器具、創縁保護 器具においても適用するものが求められるが、前記した従来の器具では特に考慮 されたものはない。
【0008】 以上の問題点に鑑み、本考案は特に小切開の手術に好適な、視認性確保に十分な 開創保持効果及び確実な創縁保護効果を兼ね揃えた保護器具であり、更に切開創 への装着及び体腔内への挿入、取り出し容易で面倒な作業を必要としない、術中 の破損のない開創部保持機能を有する創縁保護器具を提供することを目的とした 。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本考案の開創部保持機能を有する創縁保護器具 は、同軸に対向配置した2つのリングを、筒状の弾性部材の両端部に、該端部を 拡張させた状態で、筒状部材が扁平な鼓型となるようにして取り付けた形状、構 造とし、使用時体腔内に挿入する側のみ、あるいは両側のリングにはTi−Ni 系、Au−Cd系、Cu−Al−Ni系、Cu−Au−Zn系、Ni−Al系合 金等の超弾性合金をリング全体あるいは芯材として用い、筒状部材にはシリコン 樹脂、塩化ビニル樹脂等の毒性のない弾性を有する樹脂を用いて構成した。
【0010】 また、前記リングは楕円形状であることが好ましい。
【0011】
【作用】 本考案によれば、リングに超弾性合金を用いたことにより、通常の金 属や他の材料を使用したリングのように大きく変形させると曲げ癖がつき完全に 復元しないといったことや、前述の弾性部材に流体を注入したもののように形状 保持が確実とはいえず、結果筒状部材への張力が低下、更に筒状部材の腹壁への 張力が低下して開創保持効果が低下したり、開創部への密着性が低下し創縁保護 効果が低下するといった問題が生ずることがなく、リング形状が復元することに よりリングによる筒状部材への十分な張力が生じることで、筒状部材による切開 創への十分な張力が発現することによる開創保持効果、及び密着性の発現による 創縁保護効果を得ることができる。 また、このリングを大きく変形させても形状が確実に復元可能となる作用のため 、実施例にて説明するリングをハイヒール状に大きく変形させた状態で体腔内に 挿入あるいは取り出しするような、リングをかなり潰した状態にしての挿入をも 可能とし、このことは小切開手術に於いては特に有用となる。すなわち、小さな 切開創であっても相対的に大きなリングを挿入可能となるため、更に筒状部材へ の張力が高められ、開創部との密着性が高められることで、結果、開創保持効果 及び創縁保護効果を高めることができる。
【0012】 また、リング形状を楕円形とすることにより、筒状部材も楕円形状に形成されれ 、開創部へ装着した際の開創保持状態での形状も楕円形状となるため、切開創の 自然な形状により近いものとなり、更に密着性が向上し創縁保護効果を得ること ができる。
【0013】
【実施例】 以下、本考案の実施例を図面を参考にしながら詳細に説明する。
【0014】 図1は本考案の実施例全体の構成図を示し、図2は一部断面図を示す。 本実施例の創縁保護器具は、2つの円形のリング1を、端部を拡張した状態の弾 性筒状部材2のそれぞれ相対する端部に接着し、全体として扁平な鼓状の形状と して構成する。該リング1の外径及び筒状部材2の外径は、切開創の大きさによ り適宜選択されるが、本実施例においてはリング1外径120mmに対し、筒状 部材2外径70mmとした。尚、本考案の適用を考慮すると、筒状部材2の外径 は、リング1の外径の40乃至80%程度とすることが望ましい。 各部の構成を更に詳細に説明すると、リング1は、芯材に前述した作用を発現す るTi−Ni系の超弾性合金3の線材を円形として用い、該超弾性合金3の端部 によるリング1の破損防止のため、超弾性合金3にポリアミド/ポリウレタン樹 脂よりなる保護チューブ4を被せ、更に該保護チューブに、後記する筒状部材と の接着適合性を考慮してシリコン樹脂チューブよりなるリング1を被せて構成す る。尚、本実施例ではリング1の断面外径は5mmとした。 筒状部材2は、毒性のない弾性を有する材料としてシリコン樹脂のチューブを用 いた。尚、該シリコンチューブの膜厚は使用状況での開創保持作用及び強度を考 慮して0.5mm、長さは手術部の腹膜(20乃至40mm程度)の厚さを考慮 して80mmのチューブを用いた。 上記、リング1を筒状部材2の両端に、端部を拡張した状態に保ちながら接着に より取り付けて本考案の開創部保持機能を有する創縁保護器具構成した。
【0015】 図3は本考案の別の実施例で、リング1の形状を前述した作用が発現するように 楕円形状としたものを示し、リング形状及び対応して変わる各部の寸法を除き前 記と同様な構成とする。
【0016】 図4は本考案に好適な挿入及び取り出し方法を示す模式図で、下リング12(体 腔内挿入側リング)を押しつぶしハイヒール形状とし、上リング11より半分程 度出るまで引き上げ、筒状部材2で該ハイヒール形状を維持するように保持させ て挿入の準備とする。切開後、該ハイヒール状の下リング12を切開創よりゆっ くり押し込んで挿入して装着される。取り出す際も切開創より手を挿入して下リ ング12を前記同様な形状として引き上げることで取り出しできる。
【0017】
【考案の効果】 本考案によれば、前述した構成及び作用により、非常に簡単な 形状、構造で、他の開創保持器具を必要とせずに目的の視認性確保に十分な開創 保持効果及び確実に切開創を覆って細菌の侵入等を防止する創縁保護効果を兼ね 揃えた創縁保護器具を提供することができる。また切開創への装着及び体腔内へ の挿入、取り出しが容易で、面倒な作業を必要としない、更に術中の破損のない 創縁保護器具を提供することにより術中手技を簡素化、容易化することができる 。
【0018】 また、前述の作用により特に小切開手術に好適で、リングを楕円形とした作用に より体に無理のない形状で開創保持でき、併せて患者の体に負荷の少ない創縁保 護器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の実施例を示す上面図及び正面図
【図2】 本考案の実施例のリングを含む断面図
【図3】 本考案の別の実施例を示す上面図
【図4】 本考案の体腔内への挿入、取り出し方法を示
す模式図
【図5】 従来の創縁保護用ドレープを示す概略図
【符号の説明】
1. リング 11.上リング 12.下リング 2. 筒状部材 3. 超弾性合金 4. 保護チューブ 91.ドレープ 92.穴 93.リング 94.接着部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手術中切開孔に装着する創縁保護具にお
    いて、同軸に対向配置した2つのリングを、筒状の弾性
    部材の両端部に、該端部を拡張させた状態で取り付け鼓
    型とした構造を有し、該リングの少なくとも一方は超弾
    性合金を用いることを特徴とした開創部保持機能を有す
    る創縁保護器具。
  2. 【請求項2】 前記リングが楕円形状である請求項1の
    開創部保持機能を有する創縁保護器具。
JP1999001445U 1999-03-11 1999-03-11 開創部保持機能を有する創縁保護器具 Expired - Lifetime JP3062106U (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008056662A1 (en) * 2006-11-06 2008-05-15 Kurume University Eyelids opening device with drape
JP2010540034A (ja) * 2007-09-24 2010-12-24 エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド 楕円形開創器
WO2019078519A1 (ko) * 2017-10-16 2019-04-25 서울대학교산학협력단 수술용 보호용구

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