JP3058852U - 家畜処理排水蒸散装置 - Google Patents

家畜処理排水蒸散装置

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JP3058852U
JP3058852U JP1998009112U JP911298U JP3058852U JP 3058852 U JP3058852 U JP 3058852U JP 1998009112 U JP1998009112 U JP 1998009112U JP 911298 U JP911298 U JP 911298U JP 3058852 U JP3058852 U JP 3058852U
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treatment
treated wastewater
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公子 間渕
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Shizuoka Prefecture
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Shizuoka Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱手段を必要としないため、装置自体を簡
易に製造することができる結果、その製作費用を低額化
することができるとともに装置自体の維持管理もしやす
く、小規模な一般農家でも容易に使用することが可能な
家畜処理排水蒸散装置を提供すること。 【解決手段】 所要数の竹枝を切妻屋根状に配置した蒸
散部とこの蒸散部の棟の上方に設置した処理排水散水手
段とからなる家畜処理排水蒸散装置である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は家畜処理排水蒸散装置に関し、一般農家において家畜処理排水(「 家畜汚水を一般河川に放流できるように処理した排水」以下同じ)の完全処理を 行う際に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保全の対する社会的関心が高まるとともに家畜処理排水の放流に関 する厳しさも増す傾向にある。今後は、積極的に処理排水量の削減、あるいは農 場内での完全処理を行い、環境に関する負荷を軽減していく必要がある。処理排 水量を削減する方法の一つとして処理排水を空気中へ蒸散させる方法があり、従 来より、様々な蒸散処理技術が開発されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来における蒸散処理装置にあっては、家畜処理排水を 加熱手段等によって空気中へ蒸散させていたため、装置自体の規模が大きくなる とともにその製作に多大な費用を要し、更に、維持管理が難しくなる結果、小規 模な一般農家では使用しにくいという不都合を有した。
【0004】 この考案の課題はこれらの不都合を解消することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、この考案に係る家畜処理排水蒸散装置においては 、所要数の竹枝を切妻屋根状に配置した蒸散部とこの蒸散部の棟の上方に設置し た処理排水散水手段とからなるため、処理排水は、前記処理排水散水手段によっ て、表面積の大きい蒸散部に降りかけられ、この蒸散部をつたって流下しながら 、乾いた空気に接触することができるものである。
【0006】 なお、前記蒸散部と前記処理排水散水手段との間に衝散板を配置すれば、処理 排水散水手段から散水された処理排水が一旦この衝散板に衝突し周囲に飛散する ため、当該処理排水を前記蒸散部に一層均一に降りかけることが可能である。
【0007】 なお、前記衝散板における前記蒸散部の傾斜方向側にそれぞれ飛散防止部材を 設置すれば、前記衝散板によって飛散した水滴が当該装置の周囲に飛散するのを 防止することができる。
【0008】 なお、前記蒸散部の下方に集水シートを設置すれば、蒸散部において蒸散しな いで流下した処理排水を一か所に集め、再度、前記蒸散部に降りかけるにあたっ て、前記処理排水散水手段に当該処理排水を供給しやすいものである。
【0009】 なお、前記蒸散部における切妻屋根状に配置された竹枝の鉛直線に対する角度 を40°以内にすれば、竹枝から滴り落ちることなく竹枝を伝って流下すること ができるため、蒸散効果は一層向上する。
【0010】
【考案の実施の形態】
図1は本考案に係る家畜処理排水蒸散装置の正面図、図2は同平面図、図3は 図1におけるIII-III 線断面図、図4は右側面図、図5は処理排水散水手段と衝 散板との関係を示した斜視図である。
【0011】 図1〜図4において、Mは家畜処理排水蒸散装置であり、地盤C上に設置され ている。10はこの家畜処理排水蒸散装置Mの支持部材であり、前記地盤C上に設 置されている。この支持部材10は、一対の支柱11,11 を所定角度(鉛直線に対し て約40°以内)に交差した状態で固定したものを適宜間隔で並設し横桟12,12, …で連結固定したものであり、所謂、切妻屋根状に形成されている。なお、前記 支柱11の上端は交差点から互いに反対方向に突出し、突出端部13,13 を形成して いる。また、14,14,…は補助部材であり、前記一対の突出端部13,13 を連結して その構造強度を確保している。
【0012】 20,20,…は孟宗竹の竹枝であり約20本づづ束ねられた状態で、前記支持部材 10の斜面に隙間無く載置されている(合計約7,900 本)。前記支持部材10とこの 竹枝20,20,…によって、この考案の「蒸散部」が構成される。
【0013】 21は散水管(この考案の「散水手段」に相当する)であり、前記支持部材10の 上方においてこの支持部材10の棟に沿って配置されている。この散水管21は所要 数の透孔22,22,…を有し、この透孔22,22,…を介して処理排水を散水する(図5 を参照のこと)。
【0014】 23は衝散板であり、前記支持部材10の棟に沿ってこの支持部材10に水平状に設 置されている。この衝散板23に前記散水管21から散水された処理排水が衝突し、 四方に飛散した後、前記竹枝20,20,…に均一に散布される。散布された処理排水 は前記竹枝20,20,…を流下しながら、太陽光線を浴び乾いた空気(風)に接触す ることにより空気中に蒸散される。
【0015】 25,25 は飛散防止ネット(この考案の「飛散防止部材」に相当する)であり、 前記支持柱11の突出端部13,13,…に前記棟(支持部材10の)に沿って張設されて いる。この飛散防止ネット25,25 は前記衝散板23によって飛散した処理排水が当 該装置M外に及ぶのを防止している。
【0016】 次に、30は貯留槽であり、前記地盤Cに穿設されている。この貯留槽30は蒸散 される処理排水Wを収容するものである。31は送水管であり、一端が前記貯留槽 30、他端が前記散水管21に繋がれている。この送水管31は水中ポンプ32の作動に よって前記貯留槽30の処理排水を前記散水管21に送水する。なお、33は前記貯水 槽30内に設置されたフロートセンサであり、前記貯水槽30の処理排水Wが一定量 以下になると前記水中ポンプ32の作動を停止させるためのものである。
【0017】 なお、40は集水シートであり、前記支持部材10の下方における前記地盤Cに敷 設されている。この集水シート40は緩やかな傾斜状であり、蒸散されずに前記竹 枝20,20,…を流下した余剰の処理排水を集め、前記貯水槽30に導くものである。 貯留槽30へ戻ってきた処理排水は一定量以上溜まると前記フロートセンサ33の作 動によって自動的に水中ポンプ32が作動し、前記散水管21への処理排水Wの供給 が開始される。
【0018】 次に、この装置の作動を説明する。 まず、前記貯水槽30に処理排水Wを一定量以上(フロートセンサ33が水中ポン プ32を作動させることができる水量以上)供給する。水中ポンプ32のメインスイ ッチ(図示せず)をONにして前記水中ポンプ32を作動させる。すると、貯水槽 30内の処理排水Wが前記送水管31を介して前記散水管21に送られ、散水管21の透 孔22,22,…から散水される。散水された処理排水Wは前記衝散板21に衝突し、四 方に飛散した後、前記竹枝20,20,…に均一に散布される。散布された処理排水W は前記竹枝20,20,…を流下しながら、太陽光線を浴び乾いた空気に接触すること により空気中に蒸散される。そして、前記貯水槽30内の処理排水Wの量が一定量 以下になると前記フロートセンサ33が作動して水中ポンプ32の作動を停止し、前 記散水管21への処理排水Wの供給を停止する。
【0019】 一方、蒸散されずに前記竹枝20,20,…を流下した余剰の処理排水Wは集水シー ト40を介して前記貯水槽30に集められる。なお、貯留槽30へ戻ってきた処理排水 Wが一定量以上溜まると前記フロートセンサ33の作動によって自動的に水中ポン プ32が作動し、前記散水管21への処理排水Wの供給が開始される。
【0020】 この蒸散装置Mは、雨天にも対応できるように、当該装置Mの上部を透明ピニ ールハウスHで覆い、さらに、無風の際にも効率よく蒸散できるように、当該装 置Mの前方に大型扇風機24を設置して、乾燥風を前記支持部材10、ひいては、前 記竹枝20,20,…の下方に送風することもできる。
【0021】 この装置Mで、蒸散試験を行ったところ、日中8時間稼働で、設置面積(約3 5m2 )あたり最高855リットル、最低432リットル、平均644リットル 蒸散処理することができた。
【0022】
【考案の効果】
この考案に係る家畜処理排水蒸散装置は、所要数の竹枝を切妻屋根状に配置し た蒸散部とこの蒸散部の棟の上方に設置した処理排水散水手段とからなるため、 処理排水は、前記処理排水散水手段によって、表面積の大きい蒸散部に降りかけ られ、この蒸散部をつたって流下しながら、乾いた空気に接触することができる ものである。
【0023】 よって、この装置を使用すれば、加熱手段を必要としないため、装置自体を簡 易に製造することができる結果、その製作費用を低額化することができるととも に装置自体の維持管理もしやすく、小規模な一般農家でも容易に使用することが できるものである。
【0024】 なお、前記蒸散部と前記処理排水散水手段との間に衝散板を配置すれば、処理 排水散水手段から流下した処理排水が一旦この衝散板に衝突し周囲に飛散するた め、当該処理排水を前記蒸散部に一層均一に降りかけることが可能である。
【0025】 なお、前記衝散板における前記蒸散部の傾斜方向側にそれぞれ飛散防止部材を 設置すれば、前記衝散板によって飛散した水滴が当該装置の周囲に飛散するのを 防止することができる。
【0026】 なお、前記蒸散部の下方に集水シートを設置すれば、蒸散部において蒸散しな いで流下した処理排水を一か所に集め、再度、前記蒸散部に降りかけるにあたっ て、前記処理排水散水手段に当該処理排水を供給しやすいものである。
【0027】 なお、前記蒸散部における切妻屋根状に配置された竹枝の鉛直線に対する角度 を40°以内にすれば、竹枝から滴り落ちることなく竹枝を伝って流下すること ができるため、蒸散効果は一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る家畜処理排水蒸散装置の正面図で
ある。
【図2】同平面図である。
【図3】図1におけるIII-III 線断面図である。
【図4】右側面図である。
【図5】処理排水散水手段と衝散板との関係を示した斜
視図である。
【符号の説明】
M … 家畜処理排水蒸散装置 10 … 支持部材 20 … 竹枝(蒸散部) 21 … 散水管(処理排水散水手段) 23 … 衝散板 25 … 飛散防止ネット(飛散防止部材) 40 … 集水シート

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所要数の竹枝を切妻屋根状に配置した蒸
    散部とこの蒸散部の棟の上方に設置した処理排水散水手
    段とからなる家畜処理排水蒸散装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の家畜処理排水蒸散装置におい
    て、前記蒸散部と前記処理排水散水手段との間に衝散板
    を配置したことを特徴とする家畜処理排水蒸散装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の家畜処理排水蒸散装置におい
    て、前記衝散板における前記蒸散部の傾斜方向側にそれ
    ぞれ飛散防止部材を設置したことを特徴とする家畜排水
    蒸散装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の家畜排水蒸散装置において、
    前記蒸散部の下方に集水シートを設置したことを特徴と
    する家畜処理排水蒸散装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の家畜処理排水蒸散装置におい
    て、前記蒸散部における切妻屋根状に配置された竹枝の
    鉛直線に対する角度が40°以内であることを特徴とす
    る家畜処理排水蒸散装置。
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