JP3057324B2 - 化学物質識別センサーシステム - Google Patents
化学物質識別センサーシステムInfo
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- JP3057324B2 JP3057324B2 JP2245074A JP24507490A JP3057324B2 JP 3057324 B2 JP3057324 B2 JP 3057324B2 JP 2245074 A JP2245074 A JP 2245074A JP 24507490 A JP24507490 A JP 24507490A JP 3057324 B2 JP3057324 B2 JP 3057324B2
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- Japan
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- sensor system
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- measuring device
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、食品、医薬、化学工業、環境測定分野に
おける匂い物質や苦み物質などの化学物質の計測、識別
を行う装置に関する。
おける匂い物質や苦み物質などの化学物質の計測、識別
を行う装置に関する。
〔発明の概要〕 この発明は感応膜被覆水晶振動子の共振周波数変化、
インピーダンス変化、および、感応膜の膜電位変化の相
対的変化率を指標とする化学物質識別センサーシステム
は、脂質膜を被覆した水晶振動子、電気的インピーダン
スおよび共振周波数測定装置、膜電位測定装置、記録装
置（または表示装置）から構成され、化学物質の計測と
識別を行う装置である。このうち、インピーダンスおよ
び共振周波数測定装置は、周波数走引型インピーダンス
アナライザーとコンピュータ、感応膜の膜電位測定装置
は、参照電極とエレクトロメータから構成される。水晶
振動子は、片面の電極のみが溶液に接するように耐水性
のセルで固定され、片面の電極が溶液から電気的に絶縁
される。測定に際しては、溶液中に露出される片面の電
極を感応膜で被覆し、参照電極とともに所定量の電解質
溶液が含まれるセル中に浸漬し、試料を添加し測定を行
う。
インピーダンス変化、および、感応膜の膜電位変化の相
対的変化率を指標とする化学物質識別センサーシステム
は、脂質膜を被覆した水晶振動子、電気的インピーダン
スおよび共振周波数測定装置、膜電位測定装置、記録装
置（または表示装置）から構成され、化学物質の計測と
識別を行う装置である。このうち、インピーダンスおよ
び共振周波数測定装置は、周波数走引型インピーダンス
アナライザーとコンピュータ、感応膜の膜電位測定装置
は、参照電極とエレクトロメータから構成される。水晶
振動子は、片面の電極のみが溶液に接するように耐水性
のセルで固定され、片面の電極が溶液から電気的に絶縁
される。測定に際しては、溶液中に露出される片面の電
極を感応膜で被覆し、参照電極とともに所定量の電解質
溶液が含まれるセル中に浸漬し、試料を添加し測定を行
う。
この測定装置は、電気的インピーダンス変化、共振周
波数変化、感応膜の膜電位変化を同時に測定することを
特徴とする。化学物質の識別のため感応膜被覆水晶振動
子の共振周波数変化、電気的インピーダンス変化、およ
び、感応膜の膜電位変化の相対的変化率を指標とした。
波数変化、感応膜の膜電位変化を同時に測定することを
特徴とする。化学物質の識別のため感応膜被覆水晶振動
子の共振周波数変化、電気的インピーダンス変化、およ
び、感応膜の膜電位変化の相対的変化率を指標とした。
この化学物質識別センサーシステムを用いることによ
って、これまでの水晶振動子センサーシステムで識別を
行うために多数の素子を必要としていたのに対して、よ
り少ないセンサー素子およびより少ない種類の感応膜で
匂い物質や苦み物質などの化学物質の識別を行うことが
可能になった。
って、これまでの水晶振動子センサーシステムで識別を
行うために多数の素子を必要としていたのに対して、よ
り少ないセンサー素子およびより少ない種類の感応膜で
匂い物質や苦み物質などの化学物質の識別を行うことが
可能になった。
従来、圧電素子特に水晶振動子を利用した匂い物質や
苦み物質の測定には、一般に発振回路と周波数カウンタ
ーによって、感応膜を被覆した水晶振動子の発振周波数
変化が測定されている。この場合、物質の識別を行うた
めには、複数の素子を用い、得られた結果についてパタ
ーン認識などの処理を行うのが一般的である。一方、発
明者らによって、水晶振動子による匂い物質の測定例と
して、気相中でインピーダンスアナライザーを用い、共
振周波数変化と電気的インピーダンス変化の同時測定が
行われている。また、この他の方法として匂いや苦み物
質の吸着による感応膜の膜電位変化も匂い物質や苦み物
質の測定に適用されている。
苦み物質の測定には、一般に発振回路と周波数カウンタ
ーによって、感応膜を被覆した水晶振動子の発振周波数
変化が測定されている。この場合、物質の識別を行うた
めには、複数の素子を用い、得られた結果についてパタ
ーン認識などの処理を行うのが一般的である。一方、発
明者らによって、水晶振動子による匂い物質の測定例と
して、気相中でインピーダンスアナライザーを用い、共
振周波数変化と電気的インピーダンス変化の同時測定が
行われている。また、この他の方法として匂いや苦み物
質の吸着による感応膜の膜電位変化も匂い物質や苦み物
質の測定に適用されている。
従来の水晶振動子を利用した匂い物質の測定方法で
は、１回の測定で得られる情報が少ないため匂いや苦み
物質の識別を行うためには多数のセンサー素子および異
なる感応膜を用いる必要があった。本発明は同時に３つ
のパラメータについて測定ができるため、より少ないセ
ンサー素子で匂いや苦み物質の識別を可能にするシステ
ムを提供することを目的とするものである。
は、１回の測定で得られる情報が少ないため匂いや苦み
物質の識別を行うためには多数のセンサー素子および異
なる感応膜を用いる必要があった。本発明は同時に３つ
のパラメータについて測定ができるため、より少ないセ
ンサー素子で匂いや苦み物質の識別を可能にするシステ
ムを提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明では水晶振動子
のインピーダンス変化、共振周波数変化、感応膜の膜電
位変化を同時に測定するようにした。そして具体的な各
種匂いや物質や苦み物質の識別方法として共振周波数変
化、インピーダンス変化、および膜電位変化の相対的変
化率を求め、２次元座標上で比較するようにした。
のインピーダンス変化、共振周波数変化、感応膜の膜電
位変化を同時に測定するようにした。そして具体的な各
種匂いや物質や苦み物質の識別方法として共振周波数変
化、インピーダンス変化、および膜電位変化の相対的変
化率を求め、２次元座標上で比較するようにした。
匂い物質や苦み物質が感応膜を被覆した水晶振動子の
表面に吸着すると、水晶振動子の共振周波数が変化する
が、この変化とともに膜の密度変化あるいは粘度変化を
反映する共振抵抗も変化することが既に本発明者らによ
って開示されている（H.Muramatsu et al.,Anal.Chem.,
60（1988）2142;Anal.Chim.Acta,225（1989）399）。一
方、匂い物質や苦み物質の吸着により膜電位変化が生じ
ることも知られている（K.Kurihara et al.,Biochemist
ry,27（1988）1239）。
表面に吸着すると、水晶振動子の共振周波数が変化する
が、この変化とともに膜の密度変化あるいは粘度変化を
反映する共振抵抗も変化することが既に本発明者らによ
って開示されている（H.Muramatsu et al.,Anal.Chem.,
60（1988）2142;Anal.Chim.Acta,225（1989）399）。一
方、匂い物質や苦み物質の吸着により膜電位変化が生じ
ることも知られている（K.Kurihara et al.,Biochemist
ry,27（1988）1239）。
ここで、匂い物質や苦み物質の種類によって、膜の構
造変化や膜表面の電荷密度の変化への寄与が異なること
から、吸着する匂いや苦み物質によって共振抵抗変化、
共振周波数変化、膜電位変化が異なり、さらに、共振周
波数変化、共振抵抗変化、および、膜電位変化の相対的
変化率は異なるものとなる。従って、これらの指標を利
用することによって、匂い物質や苦み物質識別が可能と
なる。
造変化や膜表面の電荷密度の変化への寄与が異なること
から、吸着する匂いや苦み物質によって共振抵抗変化、
共振周波数変化、膜電位変化が異なり、さらに、共振周
波数変化、共振抵抗変化、および、膜電位変化の相対的
変化率は異なるものとなる。従って、これらの指標を利
用することによって、匂い物質や苦み物質識別が可能と
なる。
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第１図は、本発明の化学物質識別センサーシステムの模
式図を示したものである。脂質膜を被覆した水晶振動子
１は、水晶振動子の電気的インピーダンスおよび共振周
波数測定装置３に接続されている一方、参照電極２とと
もにエレクトロメータ４に接続されている。装置３と４
は記録装置（または表示装置）５に接続されている。感
応膜を被覆した片面の電極のみが溶液に接するようにし
た水晶振動子１と参照電極２は所定量の電解質溶液が含
まれるセル６中に浸けられている。また、水晶振動子１
と電気的インピーダンスおよび共振周波数測定装置３の
間にコンデンサ７を入れ、電位測定装置４との間に直流
電流が流れないようにした。
第１図は、本発明の化学物質識別センサーシステムの模
式図を示したものである。脂質膜を被覆した水晶振動子
１は、水晶振動子の電気的インピーダンスおよび共振周
波数測定装置３に接続されている一方、参照電極２とと
もにエレクトロメータ４に接続されている。装置３と４
は記録装置（または表示装置）５に接続されている。感
応膜を被覆した片面の電極のみが溶液に接するようにし
た水晶振動子１と参照電極２は所定量の電解質溶液が含
まれるセル６中に浸けられている。また、水晶振動子１
と電気的インピーダンスおよび共振周波数測定装置３の
間にコンデンサ７を入れ、電位測定装置４との間に直流
電流が流れないようにした。
匂い物質や苦み物質の測定は脂質膜を被覆した水晶振
動子を電解質溶液中につけ、共振周波数、共振抵抗、膜
電位のベースラインが安定していることを確認した後、
匂い物質や苦み物質のエタノール溶液を注入することに
より行った。参照電極は銀塩化銀電極を用い、電解質溶
液は20mlの0.1MKCl溶液を使用し、測定温度は25℃にコ
ントロールした。感応膜としてはジオクタデシルジメチ
ルアンモニウムとポリスチレンスルホナトからなるポリ
イオンコンプレックス型二分子膜ラメラ層固定化フィル
ムを使用した。
動子を電解質溶液中につけ、共振周波数、共振抵抗、膜
電位のベースラインが安定していることを確認した後、
匂い物質や苦み物質のエタノール溶液を注入することに
より行った。参照電極は銀塩化銀電極を用い、電解質溶
液は20mlの0.1MKCl溶液を使用し、測定温度は25℃にコ
ントロールした。感応膜としてはジオクタデシルジメチ
ルアンモニウムとポリスチレンスルホナトからなるポリ
イオンコンプレックス型二分子膜ラメラ層固定化フィル
ムを使用した。
第２図、第３図、第４図には代表的な匂い物質である
β−ヨノンのエタノール溶液（１％）を50μずつ４回
（図中矢印A,B,C,D）注入した時の脂質膜被覆水晶振動
子の共振周波数（第２図）、共振抵抗（第３図）および
膜電位（第４図）の経時変化を示した。β−ヨノンに対
して３つのパラメータがそれぞれ変化することが認めら
れた。
β−ヨノンのエタノール溶液（１％）を50μずつ４回
（図中矢印A,B,C,D）注入した時の脂質膜被覆水晶振動
子の共振周波数（第２図）、共振抵抗（第３図）および
膜電位（第４図）の経時変化を示した。β−ヨノンに対
して３つのパラメータがそれぞれ変化することが認めら
れた。
第５図は各種匂い物質についての識別能の評価を示し
たものである。β−ヨノン、シトラール、１−オクタノ
ールなどの匂い物質について、共振抵抗変化と共振周波
数変化の比、および、膜電位変化と共振周波数変化の比
を求めたところ、異なる匂い物質に対して、これらの値
が大きく異なることがわかる。この結果を２次元グラフ
上にプロットしたものが第６図である。２次元グラフ上
にプロットして比較することによって匂い物質の識別を
容易に行うことができた。さらに、混合物についても２
次元グラフ上にプロットし、あらかじめ得られた純物質
の位置から成分を推定することも可能である。
たものである。β−ヨノン、シトラール、１−オクタノ
ールなどの匂い物質について、共振抵抗変化と共振周波
数変化の比、および、膜電位変化と共振周波数変化の比
を求めたところ、異なる匂い物質に対して、これらの値
が大きく異なることがわかる。この結果を２次元グラフ
上にプロットしたものが第６図である。２次元グラフ上
にプロットして比較することによって匂い物質の識別を
容易に行うことができた。さらに、混合物についても２
次元グラフ上にプロットし、あらかじめ得られた純物質
の位置から成分を推定することも可能である。
〔発明の効果〕 本発明の化学物質識別システムを匂い物質や苦み物質
の識別に適用する場合、１回の測定において複数の情報
を得ることができるため、従来の方法より少ない数の素
子で匂い物質や苦み物質の識別を行うことが可能となる
とともに、従来の識別法に対して簡便に識別が可能にな
った。
の識別に適用する場合、１回の測定において複数の情報
を得ることができるため、従来の方法より少ない数の素
子で匂い物質や苦み物質の識別を行うことが可能となる
とともに、従来の識別法に対して簡便に識別が可能にな
った。
第１図は本発明の化学物質識別センサーシステムの模式
図、第２図、第３図および第４図は代表的な匂い物質で
あるβ−ヨノンについて、本発明の化学物質識別センサ
ーシステムで測定した結果を示したものであり、第２図
は共振周波数変化、第３図は共振抵抗変化、第４図は膜
電位変化を示した図、第５図は各種匂い物質についての
識別能の評価結果を表す図、第６図は第５図の結果を２
次元グラフの上にプロットした図である。
図、第２図、第３図および第４図は代表的な匂い物質で
あるβ−ヨノンについて、本発明の化学物質識別センサ
ーシステムで測定した結果を示したものであり、第２図
は共振周波数変化、第３図は共振抵抗変化、第４図は膜
電位変化を示した図、第５図は各種匂い物質についての
識別能の評価結果を表す図、第６図は第５図の結果を２
次元グラフの上にプロットした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−228538（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−222248（ＪＰ，Ａ) ＢＩＯ ＩＮＤＵＳＴＲＹ，ＶＯＬ. ７，ＮＯ．７，（平成２年７月１日発 行），Ｐ．517−527 (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G01N 27/00 - 27/49 G01N 5/02 G01N 27/416 ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ)
Claims (5)
- 【請求項１】感応膜被覆水晶振動子の共振周波数変化、
電気的インピーダンス変化、及び感応膜の膜電位変化の
相対的変化率を指標として、化学物質の識別を行うセン
サーシステムにおいて、 少なくとも、感応膜被覆水晶振動子、インピーダンス及
び共振周波数測定装置、電位測定装置を有し、水晶振動
子とインピーダンス及び共振周波数測定装置の間にコン
デンサを入れ、電位測定装置との間に直流電流が流れな
いように構成したことを特徴とする化学物質識別センサ
ーシステム。 - 【請求項２】前記インピーダンス及び共振周波数測定装
置が、周波数掃引型インピーダンスアナライザとコンピ
ュータより構成される請求項１記載の化学物質識別セン
サーシステム。 - 【請求項３】前記電位測定装置が、電解質溶液中に露出
された水晶振動子の電極、参照電極を有するセルとエレ
クトロメータによって構成される請求項１記載の化学物
質識別センサーシステム。 - 【請求項４】前記水晶振動子が、ATカット水晶振動子で
ある請求項１記載の化学物質識別センサーシステム。 - 【請求項５】前記感応膜が、天然脂質または合成脂質の
脂質膜形成化合物と高分子膜である請求項１記載の化学
物質識別センサーシステム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2245074A JP3057324B2 (ja) | 1990-09-13 | 1990-09-13 | 化学物質識別センサーシステム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2245074A JP3057324B2 (ja) | 1990-09-13 | 1990-09-13 | 化学物質識別センサーシステム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04121651A JPH04121651A (ja) | 1992-04-22 |
| JP3057324B2 true JP3057324B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=17128210
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2245074A Expired - Fee Related JP3057324B2 (ja) | 1990-09-13 | 1990-09-13 | 化学物質識別センサーシステム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3057324B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB0614261D0 (en) * | 2006-07-18 | 2006-08-30 | Univ Sussex The | Electric Potential Sensor |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2816550B2 (ja) * | 1987-03-11 | 1998-10-27 | 相互薬工株式会社 | 苦味または匂い物質の検出方法 |
| JP2764109B2 (ja) * | 1989-03-02 | 1998-06-11 | セイコーインスツルメンツ株式会社 | ガス識別センサーシステム |
-
1990
- 1990-09-13 JP JP2245074A patent/JP3057324B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| ＢＩＯ ＩＮＤＵＳＴＲＹ，ＶＯＬ．７，ＮＯ．７，（平成２年７月１日発行），Ｐ．５１７−５２７ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04121651A (ja) | 1992-04-22 |
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