JP3057062U - 捕獲器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】猫や犬、ネズミその他の動物を捕獲する捕獲器
に関し、捕獲された際に捕獲された動物が驚くことがな
く、しかも複数の捕獲も可能な捕獲器を実現する。 【解決手段】捕獲箱１に被捕獲動物の進入できる程度の
開口２４が開けてあり、該開口２４を開閉する揺動扉４
の上端部の両側を水平の軸５、６によって該揺動扉４が
揺動可能に支持してあり、該揺動扉４が外側に揺動する
のを阻止するストッパー７、８を有している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、猫や犬、ネズミその他の動物を捕獲する捕獲器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

野良猫などのような動物を捕獲する装置が多数提案されているが、その殆どが 例えば実開昭５７−８９４８２号公報などに記載のように、動物が入って来たこ とを検出する検出手段と、この検出手段にワイヤーなどで連結された扉を有して おり、動物が入って来た際に扉が閉じる構造になっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このような検出手段と扉が連動する仕掛けの構造は、この仕掛けが 作動した際に、捕獲された動物がびっくりし、恐怖心が消えるまで長時間を要す る。したがって、動物愛護の観点からは、好ましくない。仕掛けの構造はいろい ろ提案されているが、全般的に構造が複雑である。

【０００４】また、仕掛けが一度作動すると、扉は閉じたままなため、１匹しか 捕獲できない、という欠点もある。したがって、複数捕獲する場合は、複数個の 捕獲器をセットしておく必要があり、コスト高となる。

【０００５】本考案の技術的課題は、このような問題に着目し、捕獲された際に 捕獲された動物が驚くことがなく、しかも複数の捕獲も可能な捕獲器を実現する ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項１は、捕獲 箱に被捕獲動物の進入できる程度の開口が開けてあり、該開口を開閉する揺動扉 の上端部の両側を水平の軸によって該揺動扉が揺動可能に支持してあり、該揺動 扉が外側に揺動するのを阻止するストッパーを有している捕獲器である。

【０００７】このように、被捕獲動物が進入する開口を開閉する揺動扉の上端部 が水平軸によって支持され、該揺動扉が揺動可能なため、被捕獲動物は該揺動扉 を押して捕獲箱の中に進入して捕獲される。また、該揺動扉が外側に揺動するの を阻止するストッパーを有しているため、一旦捕獲箱に進入すると、脱出するこ とはできず、確実に捕獲できる。

【０００８】このようにして捕獲された後でも、次の動物が揺動扉を押して進入 すると、その動物も捕獲できるため、複数の動物を捕獲できる。しかも、従来の 捕獲器のように特別の仕掛けを装備している構造と違って、捕獲箱に進入した被 捕獲動物が驚くことがなく、被捕獲動物に恐怖心を与えることがないので、動物 に優しい捕獲器となる。

【０００９】請求項２は、請求項１記載の捕獲箱の少なくとも片側に上下または 横方向にスライドできる引き戸を有しており、該引き戸に前記の開口と揺動扉が 設けられている捕獲器である。

【００１０】このように、スライド式の引き戸に前記のような開口と揺動扉が設 けられているため、動物が捕獲された後に、この引き戸を開けることによって、 被捕獲動物を脱出させたり、他の箱に移したりできる。

【００１１】請求項３は、請求項１または請求項２に記載の揺動扉の上端部の両 側に水平方向のピン孔をあけてあり、また前記開口の上部内側には、揺動扉両端 の前記ピン孔と同じ高さの位置に水平のピン孔を開けてあり、互いに対応する揺 動扉側のピン孔と開口側のピン孔とに渡ってピン軸を挿入してあり、しかも片方 のピン軸の端部とピン孔の底部との間に圧縮コイルスプリングが介在されている 捕獲器である。

【００１２】このように、前記揺動扉の上端部が水平方向のピンで揺動可能に支 持されているが、このピンの端部とピン孔の底部との間に圧縮コイルスプリング が介在されているので、揺動扉を取り付ける開口を分解したりしなくても、圧縮 コイルスプリングに抗してピンを押し込んだ状態で、該ピンを対応するピン孔に 挿入でき、簡素な構造となる。

【００１３】請求項４は、請求項１、請求項２または請求項３に記載の捕獲箱の 側壁下部に水平方向に長い窓孔が開けてあり、しかも床板の床面と捕獲箱の外壁 面との間に段差がない構造となっており、捕獲箱の全部または一部がメラミン樹 脂合板で構成されている捕獲器である。

【００１４】猫などは嗅覚が発達しているので、一旦捕獲した後の捕獲器には他 の猫はなかなか進入しない。したがって、一旦捕獲した後は、十分に洗浄する必 要がある。請求項４は、捕獲箱の側壁下部に水平方向に長い窓孔が開けてあり、 しかも床板の床面と捕獲箱の外壁面との間に段差が無いので、床面の洗浄が容易 であり、しかも床面を洗浄した際の水を容易に窓孔から排出でき、水はけも良い 。また、捕獲箱がメラミン樹脂合板で構成されているので、洗浄しても直ちに乾 燥するし、被捕獲動物の匂いが残存するのも防げる。

【００１５】

【考案の実施の形態】

次に本考案による捕獲器が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明す る。図１は実施形態の捕獲器の全容を示す斜視図である。１は捕獲箱であり、四 角形をしている。図示の捕獲箱の場合は、正面側に上下方向の引き戸２を有し、 背面側に上下方向の引き戸３を有している。

【００１６】そして、正面側の引き戸２の下側に、被捕獲動物が進入できる開口 を開けてあり、この開口の中に、揺動扉４の上端が水平方向のピン（軸）５、６ で支持されている。この開口の両側には、揺動扉４が、内側には揺動して開ける が、外側には揺動できないように、ストッパー板７、８が設けてある。

【００１７】捕獲箱１の片方の側壁には、透明の合成樹脂板９を取り付けてあっ て、内部が見えるようになっている。この透明板９には、換気用の孔１０を開け てある。また、この透明板９の下側には、水平方向に長い窓孔１１を開けて、捕 獲箱内部の床板などの洗浄をし易いようにしている。この窓孔１１も換気用を兼 ねている。なお、透明板９としては、アクリル樹脂板などが適している。

【００１８】捕獲箱の天井板１２の中央には、取っ手１３を設けてある。この取 っ手１３は、水平のバー状をしており、その下側には、手を挿入し易いように、 凹部１４が形成されている。

【００１９】次に、この実施形態の捕獲器の各部の詳細を説明する。図２は平面 図であり、捕獲箱１の正面側の端部両側に、上下方向の凹溝Ｇ１、Ｇ２を形成し てあり、その中に、上下方向にスライドする引き戸２を挿入してある。この引き 戸２の表面に、揺動扉４が外側に揺動するのを阻止するストッパー板７、８が貼 りつけ固定されている。

【００２０】捕獲箱１の背面側の端部両側にも、上下方向の凹溝Ｇ３、Ｇ４を形 成し、その中に、上下方向にスライドする引き戸３を挿入してある。

【００２１】図３は図２におけるＡ−Ａ位置の断面図である。１２は天井板、１ ６は床板、１７は図１の透明板９とは反対側の側壁である。図の右側には、正面 側の引き戸２が配置されており、左側には、背面側の引き戸３が配設されている 。この捕獲箱の内部には、背部引き戸３寄りの位置に、餌箱１８を置いてある。 なお、餌箱１８には、滑り止めのゴム足１９が固定してあり、また捕獲箱の床板 １６の下側にも、滑り止めのゴム足２０が固定してある。

【００２２】正面側の引き戸２の下側には、被捕獲動物が入るための開口を開け てあり、その中に、揺動扉４を配設してある。すなわち、揺動扉４の上端が、引 き戸２の開口の上端に、ピン５、６によって支持されている。そして、引き戸２ には、ストッパー板７、８が固定してあるため、揺動扉４は、鎖線で示すように 、捕獲箱の内側には揺動できるが、外側に揺動不能となる。

【００２３】床板１６の床面１６ａは、捕獲箱の外壁面に達するまでに段差がな く、平坦になっている。そのため、引き戸２、３を引き上げ、かつ取り外した状 態で、捕獲箱の内部を洗浄した際に、洗浄水が円滑に排出され、水切れが良い。

【００２４】図４は、図２におけるＢ−Ｂ位置の断面図であり、捕獲箱１の片方 の側壁２１に、換気孔１０の開いている透明板９を取り付けてある。そして、こ の透明板９の下側には、水平方向に長い窓孔１１を開けてある。床板１６の床面 １６ａは、窓孔１１の下端まで延びている。したがって、床板の床面１６ａと捕 獲箱の外壁面との間には段差が存在しない。

【００２５】そのため、捕獲箱の床面１６ａなどを洗浄した際に、洗浄水が窓孔 １１から円滑に排出でき、水切れも良い。なお、この窓孔１１は、透明板９の換 気孔１０と同様に、換気の作用と、捕獲器内の餌の匂いが外部に抜けるようにす る作用も兼ねている。

【００２６】図５は揺動扉の取り付け位置を示す部分断面正面図である。揺動扉 ４の上端両側に水平方向のピン（軸）孔２２、２３を開けてある。一方、引き戸 ２にあけた開口２４の内側には、揺動扉４の上部両端のピン孔２２、２３と同じ 高さの位置に、ピン孔２５、２６を開けてある。

【００２７】そして、図の左側のピン孔２２と２５にわたってピン５を挿入して ある。また、図の右側のピン孔２３と２６にわたってピン６を挿入してある。さ らに、図の右側のピン６の左端と、ピン孔２３の内端との間には、圧縮コイルス プリング２７を内蔵してある。

【００２８】そのため、揺動扉４を引き戸２の開口２４の中に、揺動可能に取り 付けることが可能となる。すなわち、図の左側のピン５をピン孔２２、２５に挿 入した状態で、図の右側のピン孔２３に圧縮コイルスプリング２７を挿入し、そ の上からピン６を挿入し、しかもピン６を押し込んで、圧縮コイルスプリング２ ７を圧縮した状態で、揺動扉４を開口２４の中に位置合わせし、ピン６がピン孔 ２６と一致した時点で、ピン６を開放すると、ピン６の右半分が圧縮コイルスプ リング２７のバネ力によって、引き戸２側のピン孔２６に嵌入し、揺動扉４の上 端両側が揺動可能に支持される。

【００２９】このような圧縮コイルスプリング２７を内蔵した構造にしない場合 は、引き戸２を開口２４の位置で２分割し、左右のピン５、６をピン孔に挿入し た状態で、分割部を合わせて接合することになり、構造も製造も複雑になる。こ れに対し、本考案の場合は、一枚板の引き戸２の開口２４中に、揺動扉４の上端 両側を容易にピン５、６で支持できる。

【００３０】図示実施形態において、捕獲箱１を構成する天井板１２や床板１６ 、左右の側壁２１、１７、前後の引き戸２、３、揺動扉４、餌箱１８などは１枚 板のように図示されているが、実際には木材からなる骨組の表裏両面にメラミン 樹脂合板を貼り合わせた構成になっている。

【００３１】したがって、このように給水性の無いメラミン樹脂合板を使用して いるので、前に捕獲された被捕獲動物の匂い消しや糞尿を洗浄するために、中和 剤を用いたり、水をかけたりしても、短時間に乾燥し、しかも被捕獲動物の匂い がしみ込んだりすることもない。

【００３２】また、表裏両面のメラミン樹脂合板は薄いので、天井板１２の内面 側のメラミン樹脂合板１２ｉのみを残すことによって、取っ手１３の下側の凹部 １４を容易に形成できる。また、揺動扉４が外側に揺動しないように、薄いスト ッパー板７、８を貼り合わせてあるが、このストッパー板７、８の領域のみ、引 き戸２の外側のメラミン樹脂合板を残しておけば、ストッパー板７、８が外側に 突出するのを防止でき、仕上がりがすっきりする。

【００３３】なお、開口２４側から内部の様子や餌箱１８などが見えるように、 揺動扉４を透明にするのもよい。例えば、透明のアクリル板の上端に軸孔２２、 ２３を形成して、ピン５、６を挿入する。餌の匂いが通過し易いように、窓孔を 開けるのもよい。

【００３４】図示の引き戸２、３は、上下方向にスライドする構造になっている が、横方向にスライドする構造でもよい。

【００３５】

【考案の効果】

請求項１の構造によると、被捕獲動物が進入する開口を開閉する揺動扉の上端 部が水平軸によって支持され、該揺動扉が揺動可能なため、被捕獲動物は該揺動 扉を押して捕獲箱の中に進入して捕獲される。また、該揺動扉が外側に揺動する のを阻止するストッパーを有しているため、一旦捕獲箱に進入すると、脱出する ことはできず、確実に捕獲できる。

【００３６】このようにして捕獲された後でも、次の動物が揺動扉を押して進入 すると、その動物も捕獲できるため、複数の動物を捕獲できる。しかも、従来の 捕獲器のように特別の仕掛けを装備している構造と違って、捕獲箱に進入した被 捕獲動物が驚くことがなく、被捕獲動物に恐怖心を与えることがないので、動物 に優しい捕獲器となる。

【００３７】請求項２によると、スライド式の引き戸に前記のような開口と揺動 扉が設けられているため、動物が捕獲された後に、この引き戸を開けることによ って、被捕獲動物を脱出させたり、他の箱などに移したりできる。

【００３８】請求項３によると、前記揺動扉の上端部が水平方向のピンで揺動可 能に支持されているが、このピンの端部とピン孔の底部との間に圧縮コイルスプ リングが介在されているので、揺動扉を取り付ける開口を分解したりしなくても 、圧縮コイルスプリングに抗してピンを押し込んだ状態で、該ピンを対応するピ ン孔に挿入でき、簡素な構造となる。

【００３９】請求項４によると、捕獲箱の側壁下部に水平方向に長い窓孔が開け てあり、しかも床板の床面と捕獲箱の外壁面との間に段差が無いので、床板の洗 浄が容易であり、床面上の水が容易に窓孔から排出でき、水切れが良い。また、 捕獲箱がメラミン樹脂合板で構成されているので、洗浄しても直ちに乾燥するし 、被捕獲動物の匂いが残存するのも防げる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案による捕獲器の実施形態の全容を示す
斜視図である。

【図２】 図１の捕獲器の平面図である。

【図３】 図１におけるＡ−Ａ位置の断面図である。

【図４】 図１におけるＢ−Ｂ位置の断面図である。

【図５】 揺動扉の取り付け位置を示す部分断面正面図
である。

【符号の説明】

１ 捕獲箱 ２、３ 引き戸 ４ 揺動扉 ５、６ ピン（ピン軸） ７、８ ストッパー板 ９ 透明の合成樹脂板 １０ 換気孔 １１ 窓孔 １２ 天井板 １３ 取っ手 １４ 凹部 Ｇ１、Ｇ２、Ｇ３、Ｇ４ 凹溝 １６ 床板 １６ａ 床面 １７ 側壁 １８ 餌箱 １９、２０ ゴム足 ２２、２３ ピン孔（軸孔） ２４ 開口 ２５、２６ ピン孔（軸孔） ２７ 圧縮コイルスプリング

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 捕獲箱に被捕獲動物の進入できる程度の
   開口が開けてあり、該開口を開閉する揺動扉の上端部の
   両側を水平の軸によって該揺動扉が揺動可能に支持して
   あり、該揺動扉が外側に揺動するのを阻止するストッパ
   ーを有していることを特徴とする捕獲器。
2. 【請求項２】 前記捕獲箱の少なくとも片側に上下また
   は横方向にスライドできる引き戸を有しており、該引き
   戸に前記の開口と揺動扉が設けられていることを特徴と
   する請求項１記載の捕獲器。
3. 【請求項３】 前記揺動扉の上端部の両側に水平方向の
   ピン孔をあけてあり、また前記開口の上部内側には、揺
   動扉両端の前記ピン孔と同じ高さの位置に水平のピン孔
   を開けてあり、互いに対応する揺動扉側のピン孔と開口
   側のピン孔とに渡ってピン軸を挿入してあり、しかも片
   方のピン軸の端部とピン孔の底部との間に圧縮コイルス
   プリングが介在されていることを特徴とする請求項１ま
   たは請求項２に記載の捕獲器。
4. 【請求項４】 前記捕獲箱の側壁下部に水平方向に長い
   窓孔が開けてあり、しかも床板の床面と捕獲箱の外壁面
   との間に段差がない構造となっており、捕獲箱の全部ま
   たは一部がメラミン樹脂合板で構成されていることを特
   徴とする請求項１、請求項２または請求項３に記載の捕
   獲器。