JP3055644U - プリント用ショートベスト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肌に直接又は上着の上からでも容易に着脱衣
でき、個体識別を可能にするプリントが容易なベストを
提供する。 【解決手段】 着衣時に腰まで至らない程度に丈が短い
前身８及び後身９を肩部11のみ縫着した展開生地の両脇
部２,２にボタン３、ホック、面ファスナー、紐又はベ
ルトを単一又は選択的に設けてこの脇部２を着脱自在に
してなり、この展開生地の前身８又は後身９に文字、マ
ーク又はデザインをプリント可能としたプリント用ショ
ートベスト１である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、肌に直接又は上着の上からも着脱衣が容易で、後付けデザインによ り個体識別機能を付加できるプリント用ショートベストに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のベストには、特定の目的に合わせて機能性を追求したものや、上着との コーディネイトを重視したものがある。例えば、機能性重視のベストには防寒用 や釣り用がある。防寒用ベストは生地を厚くしたり、保温用裏地に断熱性を備え た表地を使ったり、表地と裏地との間に断熱材を介装するなどしている。また、 釣り用ベストでは、小物が収納できるポケットを多数設け、全体として造りを頑 丈にしている。コーディネイト重視のベストには、三つ揃い用ベストや制服用ベ ストがある。三つ揃い用ベストは、前開きにしてボタン締めをし、前身にポケッ トを設けるものが多い。制服用ベストも、前身にポケットを設けたり、脇部の一 方のみをファスナーで開くようにし、頭から被って着衣するものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のベストは上述のように、機能性重視又はコーディネイト重視であり、完 結したひとつの衣服となっている。そのため、袖のないベストといえども表地と 裏地とを有し、高価なものであった。また、三つ揃い用ベスト等では、前身に対 してシームと呼ぶ絞りを形成し、着衣時に前身が身体の線に沿うなどの工夫がな されている。このため、左右に分かれた前身をボタン等で閉じると密着感が形成 されるのであるが、こうした構造のため、従来のベストは着脱衣が容易ではなか った。こうした問題は、ベストが袖のない上着(釣り用ベスト、制服用ベスト)で あるとか、上着に対して内側に着衣し、上着の動きを妨げない中着(防寒用ベス ト、三つ揃い用ベスト)として捉えられていたことに起因する。

【０００４】 制服用ベストの中には、学校又は企業毎の差別化を図るため、前身に着色やデ ザインを施したり、簡易なマークを取り付けたものがある。しかし、従来のベス トは衣服として完成されていたために、こうした着色やデザイン、簡易なマーク は縫製前に決定され、後で自由に変更できるものではない。個体識別の機能を果 たすものとして、競技の順位やチーム別、団体行動(特に労働運動)時に使用する ゼッケンがある。こうしたゼッケンは、着色、デザイン又は簡易な印字を施した 布切れに紐を取り付け、頭から被って個体識別の指標とするものであるが、ベス トのように見栄えがよくない。

【０００５】 そこで、例えば上着の上からでも容易に着脱衣でき、個体識別を可能にする着 色、デザイン又は印字も可能でありながら、ゼッケンよりも従来のベストに近い 見栄えのよさを兼ね備え、かつ個体識別の指標としての文字、マーク又はデザイ ンのプリント加工が容易となる新たなベストを提供すべく、検討した。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

検討の結果作り上げたものが、着衣時に腰まで至らない程度に丈が短い前身及 び後身を肩部のみ縫着した展開生地の両脇部にボタン、ホック、面ファスナー、 紐又はベルトを単一又は選択的に設けてこの脇部を着脱自在にしてなり、この展 開生地の前身又は後身に文字、マーク又はデザインをプリント可能としたプリン ト用ショートベストである。前身又は後身の生地に限定はないが、大量使用を前 提とした場合等は、廉価な金巾、ポプリン等が好ましい。また、表地及び裏地の 区別をなくして１枚生地で前身及び後身を作ってもよい。

【０００７】 本考案のプリント用ショートベストは、展開生地を貫頭衣のように頭から被っ て、両脇部に設けたボタン、ホック又は面ファスナーをとめたり、紐又はベルト を結ぶことにより、従来のベストのように見栄えのよい衣服となる。前身及び後 身の丈が着衣時に腰まで至らない程度に短いことで、着衣時にベストが身体に密 着しても腰を圧迫せず、腰から上の上半身の動きに追随する衣服とすることがで きる。前身と後身の丈の長さは異なってもよい。前身及び後身の丈の短さは、フ ァッション的に「臍だしルック」を構成することもできる。また、前身及び後身を それぞれ表地及び裏地の区別のない１枚生地とすると薄くなり、たとえ上着の上 から着衣しても、動きやすさを妨げない。

【０００８】 脇部を着脱自在にするボタン、ホック、面ファスナー、紐又はベルトは、前身 及び後身に対して２〜４段程度に分けて配するのがよい。ボタン、ホックは着衣 したプリント用ショートベストの密着性を実現し、面ファスナー、紐又はベルト は脇部におけるサイズ調節の機能を果たす。例えば、３段に上からボタン、ボタ ン、そして紐又はベルトと配し、ボタンはとめることで密着性を出し、紐又はベ ルトでサイズ調節するなどの組合せを示すことができる。紐又はベルトによるサ イズ調節の機能は、着衣時の密着感をよくして見栄えのよさを高めたり、逆にゆ とりを与えて動きやすさを高める働きを有する。

【０００９】 展開生地を構成する前身及び後身にそれぞれ同色又は異色の単色生地(白色の ほか色に限定はない)を用いることで、従来のベストのように前開きすることが なくなり、前面又は背面全域にわたって個体識別をなすための文字、マーク又は デザインをプリントしやすくなる。本考案のプリント用ショートベストは、脇部 を外して脱衣した状態で、展開生地を前身から後身にかけて平面的に展開し、前 身から後身にかけて一度に文字、マーク又はデザインを簡単にプリントすること ができる。ゼッケンに比べて文字、マーク又はデザインを施す範囲が広く、一度 に前身及び後身へプリントできるので、デザイン性に優れ、文字、マーク又はデ ザインの視認性も高く、個体識別機能が高い。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態について、図を参照しながら説明する。図１は本考案 のプリント用ショートベスト１を着衣する状態を表した斜視図、図２は同プリン ト用ショートベスト１の脇部２をボタン３でとめた状態を表した一部側面図、図 ３は脇部２をホック４でとめた状態を表した別例の一部側面図、図４は脇部２を 紐５で結んだ状態を表した別例の一部側面図、図５は脇部２を面ファスナー６で とめた状態を表した別例の一部側面図で、図６は脇部２を上２段をボタン３でと め、下１段をベルト７で絞った状態を表した一部側面図である。

【００１１】 本考案のプリント用ショートベスト１は、図１に見られるように、前身８及び 後身９が、それぞれ着衣時に腰まで至らない程度に丈が短い展開生地からなり、 首穴10を残して肩部11のみを縫着してできている。着衣前には、前身８から後身 ９にわたって展開生地を平面上に展開できる点に特徴がある、使用者は、頭12を 首穴10に通して展開生地を被り、両脇部２,２を後述するボタン３等によりとめ て着衣する。従来のベストとは異なって、腕13を肩口14に通して羽織る必要がな く、簡単に着脱衣でき、しかも前身８及び後身９の丈が短いために、たとえ身体 に密着しても動きやすさが損なわれないようになっている。

【００１２】 両脇部２,２の着脱手段は、既知の様々なものを利用できる。代表的な例とし て、例えば図１及び図２に見られるようなボタン３がある。本例では、各脇部２ に略等間隔で３段のボタン３を設け、使用者がプリント用ショートベスト１を被 った後に改めてとめるようになっている。また、ボタンに代えて、図３に見られ るように、ホック４を４段に設けてもよい。ボタンやホックは位置固定であり、 脇部の調節ができない。そこで、図４に見られるように、脇部２を紐５で結んだ り、また図５に見られるように面ファスナー６を脇部２に設けてもよい。更に、 図６に見られるように、ボタン３とベルト７とを併用し、ボタン３で身体への密 着性を確保し、ベルト７によって絞りを作って腰に対するサイズ調整を図るよう にしてもよい。

【００１３】 図７は会社のCIマーク15をプリントした本考案のプリント用ショートベスト１ の着衣時を表した斜視図、図８は同プリント用ショートベスト１を製作する際の プリント方法を表した斜視図であり、図９はゼッケン番号16をプリントした本考 案のプリント用ショートベスト１の着衣時を表した斜視図である。本考案のプリ ント用ショートベスト１は、図７又は図９に見られるように、前身８又は後身９ に文字、マーク又はデザインをプリントすることで、個体識別機能を発揮する。

【００１４】 例えば、図７に見られるように、会社のCIマーク15を前身８にプリントしたプ リント用ショートベスト１を社員全員が着用することで、各社員の服装を問わず 、統一的な制服としての外観を作りだす。すなわち、図７のプリント用ショート ベスト１は、着用者が会社の人間であることの識別機能を発揮する。このCIマー ク15のプリントは簡単であり、図８に見られるように、着衣前に平面上に展開生 地を拡げ、CIマーク15を刻設した版17を用いて通常の紙同様にプリントする。こ のため、この前身８又は後身９に対するプリントは、服飾の専門家でなくても可 能であり、本例の場合、会社は無地又は単色のプリント用ショートベスト１を購 入し、自らプリントを施して社員にCIマークプリント済ベストを配給できる。

【００１５】 また、このようにプリントが簡単なことから、図９に見られるように、大量使 用を前提とするゼッケンの代用として本考案のプリント用ショートベスト１を用 いることができる。従来のゼッケンとは異なり、プリント範囲が広いために、ゼ ッケン番号16のほかの識別記号(例えば学校内競技であれば学年やクラス、一般 競技であれば所属団体や会社等)を付加しても視認性に優れる。図９ではライン1 8を加えている。こうした個体識別を果たすための大量使用が前提となる場合、 本考案のプリント用ショートベストの素材としては、廉価な生地、例えば金巾、 ポプリン等が好ましい。構成が簡単なことと相俟って、より安くプリント用ショ ートベストを作ることができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案により、肌に直接又は上着の上からでも着脱衣が容易で、個体識別可能 なゼッケンに代わるプリント用ショートベストの提供が実現される。構成が簡単 な上、１枚生地であり、その生地も廉価なものが使用可能であるため、単価を極 めて安くあげることができる。また、プリントが専門家でなくても容易にできる ため、例えば会社がプリント前のプリント用ショートベストを一括購入し、自身 達で自らのCIマーク等をプリントすることができる。これにより、生産側は大量 生産の効果を得ることができ、顧客側は個体識別可能なオリジナリティの高いベ ストを手にすることができるようになるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のプリント用ショートベストを着衣する
状態を表した斜視図である。

【図２】同プリント用ショートベストの脇部をボタンで
とめた状態を表した一部側面図である。

【図３】脇部をホックでとめた状態を表した別例の一部
側面図である。

【図４】脇部を紐で結んだ状態を表した別例の一部側面
図である。

【図５】脇部を面ファスナーでとめた状態を表した別例
の一部側面図である。

【図６】脇部を上２段をボタンでとめ、下１段をベルト
で絞った状態を表した一部側面図である。

【図７】CIマークをプリントした本考案のプリント用シ
ョートベストの着衣時を表した斜視図である。

【図８】同プリント用ショートベストを製作する際のプ
リント方法を表した斜視図である。

【図９】ゼッケン番号をプリントした本考案のプリント
用ショートベストの着衣時を表した斜視図である。

【符号の説明】

１ プリント用ショートベスト ２ 脇部 ３ ボタン ４ ホック ５ 紐 ６ 面ファスナー ７ ベルト ８ 前身 ９ 後身 10 首穴 11 肩部 12 頭 13 腕 14 肩口 15 CIマーク 16 ゼッケン番号 17 版 18 ライン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 着衣時に腰まで至らない程度に丈が短い
   前身及び後身を肩部のみ縫着した展開生地の両脇部にボ
   タン、ホック、面ファスナー、紐又はベルトを単一又は
   選択的に設けて該脇部を着脱自在にしてなり、該展開生
   地の前身又は後身に文字、マーク又はデザインをプリン
   ト可能としたことを特徴とするプリント用ショートベス
   ト。