JP3054863U - 水洗便所のタンクの蓄圧止水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水洗便所のタンクの蓄圧止水装置の提供。 【解決手段】 副フロートを利用してメインフロートを
暫時制圧してそれを水の浮力に伴い上昇させないように
すると共に浮力をメインフロートに蓄積させるように
し、浮力が十分蓄積された時に突然副フロートによるメ
インフロートに対する制圧を解除させ、メインフロート
が十分な浮力を得た瞬間に上昇して出水及び止水弁に対
する十分な止水圧力を形成するようにしてあり、これに
より有効且つ迅速な瞬間止水の目的を達成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種の水洗便所のタンクの入水及び止水の制御装置に関し、特に、メ インフロート上方に設けられた副フロートにより、メインフロートが水の浮力を 受けて上昇する時に、メインフロートを制圧して、メインフロートが全て水中に 沈んで十分な浮力を得た時にメインフロートを開放し、速やかに上昇するメイン フロートの発生する圧力により、入水動作を完全に停止させて、迅速に止水を行 えるようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

水洗便所はその機能を執行するために大量の水を必要とし、その水は一般に、 タンクに貯められて、並びに一組の入水及び止水制御装置によりタンク内への入 水と止水が制御されている。伝統的な多くの水洗便所に配置されている入水及び 止水制御装置は図１に示されるようなものであり、タンク内底面に直立する入水 管１０、フロート１１、アーム１２、調整ヘッド１３及び止水弁１４を具えてい る。その中、フロート１１はタンク内の水面の高低により上下に移動し、並びに 連接するアーム１２によりてこ運動を発生し、調整ヘッド１３に止水弁１４に対 する下向きの制圧或いは上向きの開放を行わせ、これにより入水管１０よりタン ク内への入水を自動制御する目的が達成されている。このような形式の入水及び 止水制御装置では、フロート１１の浮力とアーム１２の長さにより止水弁１４に 対する比較的大きな止水圧力を得ていた。このため、大面積のフロート１１と比 較的長いアーム１２がこの入水及び止水制御装置の特徴であった。

【０００３】 図１の入水及び止水制御装置はフロート１１の浮力を利用してアーム１２にて こ運動を行わせることで、調整ヘッド１３に直接止水弁１４を制圧させて入水を 止める、いわゆる直接式止水方式であった。このような止水方式では止水圧力が アーム１２の長さとフロート１１によるために、タンクが大体積となるのを免れ なかった。止水圧力を長いアームと大きなフロートにより提供することによる弊 害を改善して、タンクの体積を小さくするために、もう一種の、いわゆる膜片式 止水制御構造が生まれた。膜片式止水制御構造の止水弁１４は、図２に示される ように、一つの、調整ヘッド１３と直接接触するプラグ１４０を有し、該プラグ １４０はバネ１４１中に嵌められ並びに上蓋１４２に開けられた気孔１４３の上 方に取り付けられ、気孔１４３の下方に、もう一つのばね１４４に付勢される膜 片１４５が設けられ、膜片１４５の中間に貫通針１４６が設けられている。この ような止水制御構造では、アーム１２で調整ヘッド１３を駆動して調整ヘッド１ ３にプラグ１４０を圧迫させてプラグ１４０に気孔１４３を閉じさせ、プラグ１ ４０と膜片１４５の間の気室１４７の発生する圧力により膜片１４３を圧迫して 膜片１４３の中間部に入水口１４８を閉じさせて、水を出水口１４９よりタンク へ流出させない。膜片式止水制御構造は圧力差を利用する方式で止水を進行して いるため、アーム１２とフロートがいずれもただの補助的な部品とされ、その長 さと体積の止水圧力に対する影響は大きくなく、このためアーム長さを適当に短 縮可能であった。フロート体積も有効に減少できる。フロートにアーム短縮を組 み合わせた後にはさらに図３に示されるような形態に改変可能である。図３中で は、フロート１１’は入水管１０の外壁を貫通し、それとアーム１２’は一つの 垂直なロッド１５により相互に連接し、フロート１１’は同様に水位の高低によ り昇降し、並びにロッド１５によりアーム１２’が駆動されて下向きの圧力を発 生して止水機能を達成するようにしてある。

【０００４】 伝統的な水洗便所のタンクの入水及び止水制御装置は長いアームと大きなフロ ートを使用した直接式止水方式から短いアームと小さいフロートを利用した膜片 式止水方式に進化し、全体体積が有効に縮減されたことで、細長型タンクの単体 （ｏｎｅ ｐｉｅｃｅ）トイレの製造に便利となった。膜片式止水構造の誕生は トイレのタンクの体積過大の問題を解決したが、もう一つ、直接式止水式のタン クにも、膜片式止水式のタンクにもある未解決の問題があった。即ち、入水及び 止水構造がフロートの水面上で発生する浮力を利用しており、水位の上下に伴う その上下移動により入水管の入水及び非入水を制御しているが、この過程で、い ずれの入水及び止水構造でも、そのフロートが水中に没する体積は全体体積の１ ／３に過ぎず、この現象はフロートの浮力に対する運用率が僅かに３割に過ぎな いことを示しており、このような低い浮力はアームによる伝動を受けた後に発生 する下向きの止水圧力においても十分とはいえない。このため現在ある各種のト イレのタンクにおいて、フロートが最高の水平面にすでにあり、入水管もすでに 入水停止しているのに、その後の数分間も水面が上昇を続けるという現象が良く 見られる。この現象を分析して分かることは、実際にはフロートの浮力に対する 利用率は低く、そのために有効な止水圧力を発生して止水弁を封じることができ ず、このため入水動作が滴流状で持続的に進行することである。このようなタン ク内での滴流現象の発生は、入水及び止水構造の機能不良を示すだけでなく、騒 音をもたらした。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

現在ある水洗便所のタンクの入水及び止水構造は体積過大の弊害を有していな くとも、いずれの形式のものであっても滴流現象を発生した。このためこれらの 欠点を有していない入水及び止水構造が必要であった。本考案では、一種の快速 止水機能を有する水洗便所のタンクの止水構造を提供することを課題とし、それ は膜片式止水構造を基礎としてそれを改良したものとする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、メインフロート２が入水管１０の外管壁上に穿設され、メ インフロート２の一つの底部凸耳２０が一つの垂直のロッド１５を挟持し、該ロ ッド１５の上端が一つのアーム１２’の端部に挟持され、該アーム１２’のもう 一端が入水管１０上部の止水弁に連接している水洗便所のタンクの止水装置にお いて、 メインフロート２の上部に一つの階段形の凹所２１が設けられ、メインフロー ト２を設置した部分より上方の入水管１０の管壁に一つの突出するピン４が設け られ、ピン４に一つの横凸棒が設けられ、別に一つの副フロート３が一つのフロ ーティングブロック３０と該フローティングブロック３０の側部に連接するブロ ックアーム３１で組成され、該ブロックアーム３１の上端に一つのＣ形クランプ ３１０が形成されて、それと反対の底端に一つの円形凸点３１１が形成され、ブ ロックアーム３１のＣ形クランプ３１０が入水管１０の外管壁上に突出する一つ のピン４を回転自在に挟持し、これにより副フロート３が入水管１０の外管壁の メインフロート２より上方に取り付けられてており、 以上の構成からなる水洗便所のタンクの蓄圧止水装置としている。

【０００７】 請求項２の考案は、メインフロート２の上部の凹所が任意の形状とされた、請 求項１に記載の水洗便所のタンクの蓄圧止水装置としている。

【０００８】 請求項３の考案は、副フロート３がピン４を軸心として時計回りと逆時計回り に揺動可能とされたことを特徴とする、請求項１に記載の水洗便所のタンクの蓄 圧止水装置としている。

【０００９】 請求項４の考案は、副フロート３がピン４を軸心として時計回りに揺動した時 、副フロート３のブロックアーム３１のＣ形クランプ３１０の下端とピン４の横 凸棒が相互に接触して揺動が停止するようにしてあることを特徴とする、請求項 １に記載の水洗便所のタンクの蓄圧止水装置としている。

【００１０】 請求項５の考案は、副フロート３が揺動停止した時にフローティングブロック ３０が水平状態を呈するようにしてあることを特徴とする、請求項１に記載の水 洗便所のタンクの蓄圧止水装置としている。

【００１１】

【考案の実施の形態】

本考案では、入水管の外壁上のメインフロートの上方に一つの副フロートを設 けて、該副フロートに一つのブロックアームを設け、該ブロックアームの一端の 孔に入水管上の一つのピンを挿入し、副フロートがこのピンを軸心として逆時計 回り或いは時計回りに揺動できるようにしてある。以上の構成により、タンク内 の水位が入水管より引き込まれた水量の増加により上昇すると、メインフロート も水位の上昇に従い入水管外壁に沿って上昇する。メインフロートが上昇する時 、その上部が上方の副フロートのブロックアームにより押さえられ、メインフロ ートが浮力により上昇できないため、浮力がメインフロートに蓄積される。水位 の持続的な上昇につれて水の浮力が副フロートの底部に作用し、副フロートがピ ンを軸心として逆時計回りに回転し、並びにそのブロックアーム底端の円形凸点 が徐々にメインフロート上部より離脱し、ブロックアームの円形凸点が完全にメ インフロートの上部を離脱すると、メインフロートが蓄積された十分な浮力によ り迅速に上昇し並びにロッドによりアームを駆動して比較的大きな圧力作用を止 水弁に及ぼし、入水管銅素を迅速に停止させる。本考案は以上の副フロートの、 タンク内水位上昇時のメインフロートに対する暫時制圧により、メインフロート を十分に水中に没入させることで、一般のフロートが１／３しか水中に没入して いないことによる弊害を改善している。全てが水中に没入したメインフロートは 制圧解除された時に全体積の浮力を発生することができ並びにこの浮力により止 水弁に対して強大な圧力を発生できるため、止水弁に迅速に入水停止の動作を行 わせることができる。こうして従来の入水及び止水構造のフロートが全部水中に 没入しないことから十分な浮力を発生して止水弁を制圧することができず、その ために入水動作が持続して滴流が発生するという問題を解決することができる。

【００１２】

【実施例】

図４から図７を参照されたい。本考案の外観は図３のものと類似しており、そ のメインフロート２は入水管１０の外管壁上に穿設され、メインフロート２の一 つの底部凸耳２０が一つの垂直のロッド１５の端部近くのＴ形ネック１５０を挟 持しており、ロッド１５の別端のＴ形ネック１５１は一つのアーム１２’により 挟持されている。アーム１２’の別端は入水管１０の上端に回転自在に連接し、 並びに下向きに一つの止水弁（図には表示せず）に連接している。またメインフ ロートの上面に、正面視で階段形を呈する凹所２１が設けられている。副フロー ト３はメインフロート２の上方に設けられ、一つのフローティングブロック３０ とフローティングブロック３０の一側に設けられたブロックアーム３１で組成さ れ、該ブロックアーム３１の上端に一つのＣ形クランプ３１０が形成されて、そ れと反対の底端に一つの円形凸点３１１が形成され、ブロックアーム３１のＣ形 クランプ３１０が入水管１０の外管壁上に突出する一つのピン４を挟持し、これ により副フロート３が入水管１０の外管壁に取り付けられている。副フロート３ が未だ浮力作用を受けない時にそのフローティングブロック３０が自身の重力に よりピン４を軸心として時計回りに回転し、この回転はブロックアーム３１のＣ 形クランプ３１０下端とピン４の一つの横凸棒４０が相互に当接する時に停止し 、並びにフローティングブロック３０の底面が回転して水平位置となり、このと き、タンク内の水は低水位となり、メインフロート２はロッド１５とアーム１２ ’の引張りを受けてそれ以上下に移動しない。同時に副フロート３もメインフロ ートに制限されてそれ以上時計回りに回転しない。

【００１３】 図８から図９を参照されたい。本考案がタンク中に取り付けられて、本考案が タンク中に取り付けられて、タンクの水位が低水位５０である時、アーム１２’ が下垂し並びにロッド１５とロッド１５と嵌合するメインフロート２を駆動して 最低点い至らしめ、副フロート３がピン４を軸心としてフローティングブロック ３０の重さにより時計回りに回転し、この回転は副フロート３のブロックアーム のＣ形クランプ３１０の下端とピン４の横凸棒４０が相互に接触して停止する（ 図８中、Ａの如し）。入水管１０より水がタンク内に注入されて水位が漸次上昇 すると、伝統的なタンクの入水及び止水構造では、フロートが総体積の１／３だ け水中に没入した時に浮力が発生し、並びにフロートが水位に伴い移動した。本 考案では、水位５１がメインフロートの総体積の１／２に達すると、メインフロ ート２が慣性により入水管１０の外管に沿って上に移動するが、ただしこの移動 は副フロート３底端の円形凸点３１１がメインフロート２の階段形の凹所２１の 上面に突き当たってメインフロート２が水の浮力の感受する状態で、静止して不 動の状態を維持する（図８中、Ｂ参照）。図９中、Ａに示されるように、水位５ ２が持続的に上昇して副フロート３の１／３が水中に没入すると、副フロート３ はピン４を枢軸として上向きに逆時計回りに揺動する。さらに、図９のＢに示さ れるように、副フロート３が持続して上昇する水位の提供する水の浮力の補助を 受けて、ピン４を枢軸として最大仰角を呈するまで逆時計回りの回転を行う。水 の浮力が持続的に副フロート３に作用し並びにそれにピン４を枢軸とする逆時計 方向のトルクを発生させ、最後に、副フロート３完全な逆時計回転を行い、並び にその底端の円形凸点３１１がメインフロート２の階段形の凹所２１上面を離脱 する。これと同時に、メインフロート２が副フロート３による制圧を解除され、 その蓄積した浮力により迅速に上昇し、並びにこの上昇動作によりロッド１５、 アーム１２’を駆動して出水及び止水弁（図には表示せず）に対して強大な圧力 を発生させる。これにより出水弁は瞬間的に入水を停止し、並びに最終高度の水 位５３を維持する。図９のＢには満水状態が示される。タンク内の水が釈放され て使用される時、副フロート３は水位の下降に伴いメインフロート２を最低点に 落とした後に、さらに時計回りに回転して水平状態に至り、並びにそのブロック アーム３１の底端の円形凸点３１１がメインフロート２の階段形の凹所２１の上 面に係合する（図８のＡ）。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は上述の実施例に示されるように、副フロートを利用してメインフロー トを暫時制圧してそれを水の浮力に伴い上昇させないようにすると共に浮力をメ インフロートに蓄積させるようにし、浮力が十分蓄積された時に突然副フロート によるメインフロートに対する制圧を解除させ、メインフロートが十分な浮力を 得た瞬間に上昇して出水及び止水弁に対する十分な止水圧力を形成するようにし てあり、これにより有効且つ迅速な瞬間止水の目的を達成している。本考案の止 水構造は伝統的な水洗便所のタンクの止水構造における迅速な止水が不能である 問題と、そのために滴流を発生して騒音を発生するという問題を解決している。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の水洗便所のタンクの入水及び止水構造の
取付け表示図である。

【図２】従来の水洗便所のタンクの膜片式入水及び止水
構造の縦断面図である。

【図３】従来の水洗便所のタンクの膜片式入水及び止水
構造の取付け表示図である。

【図４】本考案の正面図である。

【図５】本考案の右側面図である。

【図６】本考案の平面図である。

【図７】図４のＡ部拡大図である。

【図８】本考案の動作表示図である。

【図９】本考案の動作表示図である。

【符号の説明】

２ メインフロート １０ 入水管 １５ ロッド １５０ Ｔ形ネック １５１ Ｔ形ネック １２’ アーム ３ 副フロート ３０ フローティングブロック ３１ ブロックアーム ３１０ Ｃ形クランプ ３１１ 円形凸点 ４ ピン ４０ 横凸棒 ５０ 低水位 ５１ 水位 ５２ 水位 ５３ 水位 ２１ 階段形の凹所

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メインフロート２が入水管１０の外管壁
   上に穿設され、メインフロート２の一つの底部凸耳２０
   が一つの垂直のロッド１５を挟持し、該ロッド１５の上
   端が一つのアーム１２’の端部に挟持され、該アーム１
   ２’のもう一端が入水管１０上部の止水弁に連接してい
   る水洗便所のタンクの止水装置において、 メインフロート２の上部に一つの階段形の凹所２１が設
   けられ、メインフロート２を設置した部分より上方の入
   水管１０の管壁に一つの突出するピン４が設けられ、ピ
   ン４に一つの横凸棒が設けられ、別に一つの副フロート
   ３が一つのフローティングブロック３０と該フローティ
   ングブロック３０の側部に連接するブロックアーム３１
   で組成され、該ブロックアーム３１の上端に一つのＣ形
   クランプ３１０が形成されて、それと反対の底端に一つ
   の円形凸点３１１が形成され、ブロックアーム３１のＣ
   形クランプ３１０が入水管１０の外管壁上に突出する一
   つのピン４を回転自在に挟持し、これにより副フロート
   ３が入水管１０の外管壁のメインフロート２より上方に
   取り付けられてており、 以上の構成からなる水洗便所のタンクの蓄圧止水装置。
2. 【請求項２】 メインフロート２の上部の凹所が任意の
   形状とされた、請求項１に記載の水洗便所のタンクの蓄
   圧止水装置。
3. 【請求項３】 副フロート３がピン４を軸心として時計
   回りと逆時計回りに揺動可能とされたことを特徴とす
   る、請求項１に記載の水洗便所のタンクの蓄圧止水装
   置。
4. 【請求項４】 副フロート３がピン４を軸心として時計
   回りに揺動した時、副フロート３のブロックアーム３１
   のＣ形クランプ３１０の下端とピン４の横凸棒が相互に
   接触して揺動が停止するようにしてあることを特徴とす
   る、請求項１に記載の水洗便所のタンクの蓄圧止水装
   置。
5. 【請求項５】 副フロート３が揺動停止した時にフロー
   ティングブロック３０が水平状態を呈するようにしてあ
   ることを特徴とする、請求項１に記載の水洗便所のタン
   クの蓄圧止水装置。