JP3051471U

JP3051471U - 成形品落下装置

Info

Publication number: JP3051471U
Application number: JP1997010729U
Authority: JP
Inventors: 俊衛数間
Original assignee: 東洋工学株式会社
Priority date: 1997-12-05
Filing date: 1997-12-05
Publication date: 1998-08-25
Anticipated expiration: 2003-12-05

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】射出成形されたプラスチック製品に帯電して
いる静電気を除去し、金型から回収容器内に確実に落下
させる成形品落下装置を提供すること。【解決手段】成形品落下装置２は、支持軸４と、支持
軸回りに回転する腕部６と、腕部上を移動する２台の伸
縮アーム部１０、１２等からなっている。腕部は、金型
の開閉に合わせて約９０°回動する。伸縮アーム部は、
腕部の長手方向に沿って前後に移動し、また上下方向に
伸縮する可動アーム２０、２２を下部に備える。伸縮ア
ーム部１０又は１２の可動アーム２０又は２２の先端に
は、それぞれ、空気吹出器３又は把持具１４が取り付け
てある。空気吹出器は、案内板３２の上方に空気導入部
３４が設けてあり、複数の孔３６からコロナ放電器３８
でイオン化された高圧空気が下向きに噴出し、孔からの
高圧空気が後方に散乱しないようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、射出成形した成形製品を金型から回収容器内等に落下させるための装置に関し、特に成形製品に帯電している静電気を除去し、成形製品を円滑に落下させる成形品落下装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

射出成形機を用いて比較的小さな製品を製造した場合は、金型を開くことにより、成形した製品を金型から自由に落下させて下部に配置した回収容器等にて回収していた。又、成形製品に付いていたランナ等は取出機を用いてつかみ、金型外へ取り出していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、成形した製品が樹脂の薄物である場合や一個の重量が小さい場合には、製品に帯びた静電気の影響を受け、製品が金型や金型の周囲に付着したり、製品同士が静電気により吸着してしまうことがあった。このように、小型軽量の樹脂製品は、静電気の影響を受けやすく成形後金型を開いてもそのまま金型から下方に落下することは少なく、静電気によって周囲に吸い寄せられたり飛ばされたり、又、製品同士が絡み合ったりして回収等の後処理が難しいという問題があった。

【０００４】また、成形品が金型に残った状態で次の成形工程に進行すると、成形品が金型の間に挟まれ、金型が破損してしまうことがある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では、金型を開いて射出成形製品を金型から取り出すに際して、成形製品の金型からの落下を確実にし、その取扱いを容易にすることを目的とする。

【０００６】そこで、本考案では、高圧電圧でイオン化させた空気を射出成形された製品に上方から吹き付け、下側に飛ばすとともに製品に帯電している静電気を中和させて、金型やその周辺に静電気によって付着等させず、回収容器内に落下させる。

【０００７】具体的には、ほぼ垂直な案内板の上部に吹出口を設け、この吹出口からイオン化空気を案内板に沿って下向きに吹き出させ、射出成形後開いた金型の間に案内板を成形製品の前面に駆動手段等を用いて配置させて成形製品に向けてイオン化空気を吹き付けることとする。吹き付けるイオン化空気は成形製品が帯電している静電気の極性と逆の極性にイオン化してあることから、成形製品の静電気は確実に中和され、成形製品は電気的にゼロの状態となる。したがって、成形製品が、その成形製品に帯電している静電気によって吸い付いたり、又、他のものに吸いつけられたりすることがなく、成形製品が射出成形後に金型から円滑に落下し、成形製品の回収、取扱等の後処理が容易となる。また、成形品が金型間に挟まれることを防止し、金型の破損を防止できる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図１及び図２に成形品落下装置２を示す。

【０００９】図１に示すように成形品落下装置２は、台１１上に固定された支持軸４と、支持軸４回りに回転する腕部６と、腕部６上を移動する２台の伸縮アーム部１０、１２、及びこれらを制御する制御装置（図示せず）等からなっている。

【００１０】腕部６は、支持軸４の回りに回動自在に取り付けられており、制御装置によって金型４２（図４参照）の開閉に合わせて約９０°自在に回動する。伸縮アーム部１０及び１２は、上下方向に伸縮する可動アーム２０、２２を下部に備え、腕部６の長手方向に沿って制御装置によって前後に移動する。この二台の伸縮アームの内、腕部６の先方に設けられている伸縮アーム部１０の可動アーム２０の先端には空気吹出器３が取り付けてあり、後方に設けられている伸縮アーム部１２の可動アーム２２の先端には把持具１４が取り付けてある。

【００１１】空気吹出器３は、図３に示すように、案内板３２の上方に空気導入部３４が設けてあり、空気導入部３４は図示しない送風機に接続されている。空気導入部３４の下方には複数の孔３６があいており、送風機からの高圧空気がこの孔からほぼ下向きに噴出する。噴出される空気は、十分な風量と風速を備え、噴出される空気が当たるだけでも、成形品を金型より落下させる効果を有する。案内板３２は、左右両側を屈曲させて立ち上げてあり、孔３６からの高圧空気を後方に散乱しないようにして、上方から下方に案内する。又、空気導入部３４の内部にはコロナ放電器３８が設置されている。コロナ放電器３８は、コロナ放電を起こし、通過する空気にイオンを付与し、イオン空気を生じさせる。コロナ放電器３８によってイオン化されるイオン空気の極性は、金型４２による成形製品が射出成形によって帯びる静電気の極性と逆の極性とする。

【００１２】次に、成形品落下装置２の作用について説明する。

【００１３】成形品落下装置２は、金型の近傍に台１１を固定して設置してあり、通常、空気吹出器３等は金型４２と干渉しない位置に移動している。金型４２による成形作業が開始され、成形製品が成形されて金型４２が開かれると、腕部６と伸縮アーム１０、１２を駆動して図４に示すように開いた金型４２の間に空気吹出器３と把持具１４を配置する。

【００１４】すなわち、腕部６が支持軸４の回りを９０度回転し、金型４２の上部に空気吹出器３と把持具１４を移動させ、次に伸縮アーム１０、および１２が作動して空気吹出器３と把持具１４を開いた金型４２の間に降ろす。そして、更に、空気吹出器３と把持具１４の間隔を左右に広げ、それぞれ金型４２の双方に近づける。

【００１５】空気吹出器３は、空気導入部３４を成形製品がある金型４２の側に向けて配置してあり、送風器から空気導入部３４に空気が送り込まれ、又コロナ放電器３８が作動して、孔３６からイオン空気が吹き出される。孔３６から吹き出されたイオン化空気は、案内板３に沿って下方に流れるとともに金型４２に貼り付いている成形製品に吹き当てられ、成形製品が帯電している静電気は中和され、静電気による吸着力が解消され、金型４２から成形製品は離れ、そして、案内板３２に沿って流れる空気流によって下方に運ばれる。

【００１６】したがって、成形製品に静電気が帯電している場合であっても、空気吹出器３から吹き出されるイオン化空気によって成形製品、及びその周辺に帯電している静電気が中和され、成形製品は静電気の影響を受けることなく吹出空気によって回収容器４４内に自然に落下する。一方、把持具１４は金型４２からランナをつかみ取り出し、他の回収箱等に収容する。

【００１７】成形製品の落下が終了したなら、伸縮アーム１０と伸縮アーム１２が作動して空気吹出器３と把持具１４を金型４２の間から引き上げる。空気吹出器３と把持具１４が引き上げられたら腕部６が回転し、金型４２と干渉しない元の位置に復帰する。

【００１８】そして、金型４２は密着し射出成形を再び行う。このようにして次の射出成形がなされたなら、上記説明したと同様に成形品落下装置２が作動して、成形品を回収容器４４内に落下させる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案の成形品落下装置によれば、射出成形された成形製品に向けて成形製品が帯びている極性と逆の極性のイオン化空気を下向きに所望の箇所に向けて吹き付けることから、静電気を中和でき、静電気による付着、吸着が防止でき、成形後の成形品の落下を円滑にし、成形の後成形製品の後処理を容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる成形品落下装置を示す図であ
る。

【図２】本考案にかかる成形品落下装置を示す斜視図で
ある。

【図３】空気吹出器を示す正面図である。

【図４】本考案にかかる成形品落下装置の使用状態を示
す図である。

【符号の説明】

２成形品落下装置３空気吹出部４支持軸６腕部１１台１０、１２伸縮アーム１４把持具２０、２２可動アーム３２案内板３４空気導入部３６孔３８放電器４２金型４４回収容器

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【手続補正書】

【提出日】平成１０年３月５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項３

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】イオン化した空気を吹き出す空気吹出手
段と、射出成形用の金型の開放動作に合わせて作動し、該金型
の成形製品に前記イオン化した空気を当てるように開放
された該金型間に前記空気吹出手段を移動させる駆動手
段とからなることを特徴とする成形品落下装置。
【請求項２】ほぼ垂直な支持軸上に水平方向に取り付
けられた腕部と、前記腕部の長手方向に沿って前後動自在に設けられ、上
下方向に伸縮アームを有する伸縮部と、前記伸縮アームの下端に取り付けられ、下方に延びる案
内部材と、該案内部材の上部に備えられ下方に向けて空
気を吹き出す吹出口と、前記空気吹出口への空気通路内
に備えられイオン化された空気を前記金型での成形製品
に吹き出す空気吹出手段とからなることを特徴とする成
形品落下装置。
【請求項３】前記腕部が回動可能で、かつ該腕部にラ
ンナ取出手段を備えたことを特徴とする請求項１又は２
に記載の成形品落下装置。
【請求項４】イオン発生手段を前記案内部材の上部に
設けたことを特徴とする請求項２又は３に記載の成形品
落下装置。