JP3051332B2 - 鉄道車両の模型試験方法および装置 - Google Patents

鉄道車両の模型試験方法および装置

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JP3051332B2
JP3051332B2 JP8049309A JP4930996A JP3051332B2 JP 3051332 B2 JP3051332 B2 JP 3051332B2 JP 8049309 A JP8049309 A JP 8049309A JP 4930996 A JP4930996 A JP 4930996A JP 3051332 B2 JP3051332 B2 JP 3051332B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両が軌道上
を走行する際に発生する流体力学的な現象を、模型を使
って試験するための鉄道車両の模型試験方法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、列車の高速化に伴い、流体力
学的な検討が不可欠になり、スケールモデルを利用した
風洞試験、コンピュータによる数値解析等が一般的に行
われている。しかしながら、鉄道車両の床下まわりの空
気の流れについては、鉄道車両と軌道との双方間の複雑
な形状を模擬し、かつ両者が相対的に移動するという状
況を、模型もしくは解析モデルで再現することが非常に
困難である。また空気中で模型車両を実際に走行させる
試験を行う場合、レイノルズ(Reynolds)数を等しくす
るという条件では、模型として実物よりも縮尺した分だ
け速度は増大させて、非常に高速で走行させないと、実
物と相似の現象を再現することができない。
【0003】図15は、特開平6−241949で、空
気中を走行する鉄道車両の模型試験を水中で行うことに
よって、比較的低速度で実物と相似の流れの場を再現す
る試験方法として開示されている構成を示す。この先行
技術では、乗物モデル1を、軌道モデル2が設置されて
いる静水槽3中の静水4内で走行させ、空気中で高速に
走行させる場合と相似の条件を比較的低速で実現するこ
とができる。
【0004】軌道モデル2は、軌道支持部材5に調整部
材6を介して取付けられる。軌道支持部材5は、取付片
7および保持部材8あるいは調整ねじ9を介して静水槽
3の側壁によって支持される。乗物モデル1は、吊下部
材10、ロードセル11、ピン継手12および取付部材
13を介して、静水槽3の上方を移動可能な移動体14
によって吊下げられる。移動体14は、車輪15によっ
て、静水槽3の側壁上に設けられるレール16上を走行
可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高速で走行する鉄道車
両について、スケールモデルを利用した風洞試験やコン
ピュータによる数値解析等によっては、車両の床下まわ
りの流れなどに対し、充分な検討や検証を行って形状や
構造を開発することができない。すなわち、従来の方法
で列車の床下流れを解析しようとすると、次のような問
題が生じる。
【0006】風洞試験 一般の風洞試験では、風の吹出口前の固定地面板の上に
車両の模型を置き、風を流すので、たとえ軌道を忠実に
模型化することができたとしても、車両と軌道との間に
相対運動をもたせることができない。したがって、正確
な車両の床下流れを再現することはできない。 移動地面板付風洞試験 の風洞試験において、固定地面板の代わりに地面板を
回転ベルト状として風洞と等速で動かすことによって、
床下部分の風の流れを再現しようとする方法であるけれ
ども、回転ベルトの性格上、レールやバラストといった
要素を含む軌道の形状を忠実に再現することはできず、
軌道面側での流速、圧力等の測定も困難である。また構
造上、長さに対する制約もあり、長編成列車の解析には
向かない。 空気中での模型走行試験 実物に忠実に列車の模型を作り、実際に模型列車を模型
軌道上に走らせて実物の状況を再現しよとする方法であ
るけれども、実物と相似の流れを再現するには、その縮
尺度に反比例した高速で模型を走らせる必要がある。た
とえば1/20模型ならば、20倍の速度にしなければ
ならない。したがって実物と相似の状況を再現すること
は、事実上不可能に近い。 数値解析による方法 現在のスーパコンピュータを使っても、列車や軌道の形
状を忠実に再現した解析モデルでの計算は不可能であ
り、かなり単純化した形状での計算しかできない。特
開平6−241949の試験方法 図15に示すように、軌道モデル2は、静水槽3の側壁
から延びる軌道支持部材5によって支持される構造であ
り、側壁から充分な距離をとり、側壁に反射する波の影
響や、軌道支持部材5などの流れへの影響等を少なくす
る必要がある。
【0007】本発明の目的は、高速で走行する鉄道車両
と軌道とに関連して、鉄道車両走行に伴う流体力学的な
現象を容易にかつ正確に判断することができる鉄道車両
の模型試験方法と、模型試験走行用の軌道模型を水中に
高精度で設置することができる鉄道車両の模型試験装置
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水槽内に軌道
模型を設置し、軌道模型に沿って車両模型を走行させ、
車両模型の走行に伴って発生する現象を計測することに
よって、実物の鉄道車両が走行する際の流体力学的な現
象を試験する鉄道車両の模型試験方法において、車両模
型は水面の上方から水中に吊下げて支持し、軌道模型は
水槽の幅方向の中央で底面に立設される支持構造物の頂
部で、水面上から位置調整が可能なように設置されるこ
とを特徴とする鉄道車両の模型試験方法である。本発明
に従えば、車両模型を水面上から水中に吊下げて支持し
ながら、水槽の幅方向の中央で底面から立設される支持
構造物の頂部で支持される軌道模型に沿って走行させる
際に、水槽の壁面、底面および水面から充分に離れた状
態で、車両模型の走行時に発生する波や軌道模型の支持
構造物の影響を受けずに、走行に伴う現象の計測が可能
である。支持構造物の頂部の軌道模型の位置は、水面上
から調整することができる。これによって、軌道上の物
体に係る力が車両の形状によってどのように影響を受け
るかや、車両の構造や形状の違いが車両の床下の流れに
及ぼす影響などを、容易に判断することができる。
【0009】また本発明で前記流体力学的な現象は、軌
道模型上またはその近傍の物体にかかる力を無次元化し
た量F’、
【0010】
【数2】
【0011】によって示される相似条件に従ってシミュ
レートすることを特徴とする。 本発明に従えば、軌道模型上、またはその近傍の物体に
係る力を無次元化した量F’として、物体の完成力であ
る重力や浮力と流体力との比をとったフルード(Froud
e)数を、物体の密度ρ’および流体密度ρを用いて修
正した無次元化量を等しくすることによって、空気中と
水中とで相似的な状態を再現することができる。これに
よって、実物ではほとんどまれにしか発生しない現象で
ある列車風によって軌道の敷石などが移動する現象も、
水中では比較的低速度で確認することができる。
【0012】また本発明は、軌道模型上またはその近傍
に、前記無次元化した量F’によって示される相似条件
よりも、対象物の密度ρ’を小さく設定した物体をトレ
ーサとして配置し、対象物に対する流体力学的特性を促
進試験的にシミュレートすることを特徴とする。 本発明に従えば、無次元化した量F’によって示される
相似条件よりも、対象物の密度ρ’を小さく設定するこ
とによって、実際に起こり得る現象よりも、トレーサに
対して促進試験的に流体力学的な現象をシミュレートす
ることができる。
【0013】さらに本発明は、水槽内に軌道模型を設置
し、軌道模型に沿って車両模型を走行させ、車両模型の
走行に伴って発生する現象を計測することによって、実
物の鉄道車両が走行する際の流体力学的な現象を試験す
る鉄道車両の模型試験装置において、水槽の底面に、軌
道模型の延長方向に間隔をあけて立設される複数の橋脚
と、上面に軌道模型が敷設され、前記橋脚の頂部によっ
て支持される橋桁と、各橋脚と橋桁との位置関係を、水
面上から調整可能な複数の位置調整装置とを含むことを
特徴とする鉄道車両の模型試験装置である。 本発明に従えば、複数の橋脚と橋桁とは、軌道の下側に
配置され、水面上から相互の位置関係が調整可能である
ので、充分に広い水槽を用いて、水槽の水面の高さを変
えずに、正確に軌道模型を敷設し、鉄道車両模型を走行
させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態に
よる鉄道車両の模型試験装置の概略的な構成を示す。試
験すべき鉄道車両の実物を忠実に再現した車両模型21
は、実物を忠実に再現した軌道模型22に沿って曳航水
槽23内の静水24中を走行する。軌道模型22は、支
持構造物25上に敷設され、調整部材26を水面上から
調整することによって位置調整が可能である。車両模型
21は、昇降装置27から保持部材28、取付部材29
および吊下げ部材30を介して吊下げられる。車両模型
21が吊下げられる位置は、静水24の水面31、曳航
水槽23の壁面32および底面33から充分に離れた位
置とする。曳航水槽23の周辺には、曳引台車34の車
輪35が走行可能なレール36が敷設されている。
【0015】曳航水槽23としては、船型試験に用いら
れる曳航水槽を流用することができる。曳航水槽23で
は、曳引台車34が走行するレール36の上下、左右の
直線精度を最善に保つことが必須の条件である。レール
36の直線精度は、曳航水槽23の水位を所定の水位と
した上で調整されている。水位を大きく変化させた場合
は、曳航水槽23の周囲の土圧と水槽内の水圧とのバラ
ンスが崩れ、水槽本体に変形を生じ、したがってレール
36の直線精度も損なわれてしまって、曳航水槽23に
とっては重大な問題を生じてしまう。このため、船型試
験用の曳航水槽23を流用して、軌道模型22を静水2
4中に敷設する場合は、水位を下げて作業を容易にする
方法をとることができない。
【0016】図2および図3は、図1の試験装置を用い
て試験を行う状態を示す。図2は概略的な正面断面図、
図3は右側面図をそれぞれ示す。軌道模型22を曳航水
槽23の底面33上で支える支持構造物25は、橋脚4
0と橋桁41とから構成される。曳航水槽23の幅W1
は、たとえば13mであり、橋脚40が設置される位置
は、その中央と壁面32との間隔W2が6.5mの位置
である。静水24の水面31の底面33からの高さH1
は6.5mであり、軌道模型22の底面33からの高さ
H2は5.5mである。軌道模型22の延長方向に沿っ
て配置される橋脚40相互間の間隔L1は、たとえば4
mである。吊下部材30が水面31に接する部分には波
押え板42が装着される。曳引台車34からは、軌道模
型21の走行状態を撮影するための水中撮影装置43が
吊下げ可能である。また曳航水槽23の側壁からも水中
撮影装置44によって、走行状態を撮影可能である。水
中撮影装置44は、壁面32に固定される観測台45に
よって軌道模型22が敷設されている曳航水槽23の中
央寄りの位置まで接近させることができる。水中撮影装
置43,44にはビデオカメラや照明ランプなどが収納
されており、その形状は、水中の流れに影響を与えない
ような流線形に形成される。観測台45は、水面31の
上方に配置し、水面31に形成される波がかからないよ
うにして、車両模型21の走行状態に影響を与えないよ
うにしておく。
【0017】図4は、図1〜図3の試験装置によって計
測した測定データの一例を示す。測定データは、軌道中
心圧力、軌道中心流速、軌道側寄圧力、軌道側寄流速を
それぞれ示す。横軸は時間変化を示す。軌道中心圧力で
は、車両模型21が通過する際の先頭部と最後部とで圧
力が上昇することが判る。軌道中心流速では、先頭部通
過後徐々に流速が増大することが判る。軌道側寄り圧力
では、先頭部通過の際の圧力変動が大きいことが判る。
軌道側寄り流速では、先頭部通過時と中間から後半にか
けて増大することが判る。
【0018】図5および図6は、図1に示す調整部材2
6に関連する構成を示す。図5は部分的な正面断面図、
図6は部分的な平面図をそれぞれ示す。橋脚40の天板
50上には、L形ガイド51が固定される。L形ガイド
51の直交する側面に、左右調整用偏心カム52および
前後調整用偏心カム53がそれぞれ当接する。左右調整
用偏心カム53の軸は、橋桁41に装着される。橋桁4
1と天板50との間には、フリーベアリング54、ジャ
ッキボルト55およびアンカーボルト56も配置され
る。
【0019】図7は、フリーベアリング54の構成を示
す。図7(a)に斜視図で示すように、フリーベアリン
グ54はホルダ60によってベアリング球61を保持
し、天板50上で橋桁41が平面移動可能な状態で支持
する。
【0020】図8は、波押え板42の作用を示す。図8
(a)は簡略化した正面断面図を示し、図8(b)は簡
略化した平面図を示し、図8(c)は簡略化した斜視図
を示す。波押え板42は、底面65が水面31よりも下
になるように吊下部材30に装着され、側方の傾斜面6
6によって水面31を掬って脇に排除し、枠内では水面
が乱れることがないので下方の水中を目視することがで
きる効果がある。
【0021】図9および図10は、図5および図6に示
すジャッキボルト55およびアンカーボルト56の作用
をそれぞれ示す。図9に示すジャッキボルト55は、橋
桁41に螺合しており、先端で橋脚40の天板50を押
圧する。長いロッドの付いた工具70で、水面31上か
らジャッキボルト55の頭部を回すことによって、橋桁
41と天板50との間隔を調整することができる。図1
0に示すアンカーボルトは、天板50に基端部が溶接さ
れており、たとえば24mm程度の径を有する。アンカ
ーボルト56の先端は、橋桁41に設けられる比較的大
きめの開口を抜けて突出し、先端の穴に10mm程度の
直径のガイド棒71を挿入することができる。図10
(a)に示すように、水面51上からガイド棒71をア
ンカーボルト56の先端に挿入した状態で、押え板72
およびナット73を案内し、図9(b)に示すように、
水面51上からナット73を工具70によって締付ける
ことができる。このようにして、ジャッキボルト55に
よって橋桁41と天板50との間隔を調整した後、アン
カーボルト56のナット73で、調整した間隔を固定す
ることができる。天板50と橋桁41との間の水平方向
の位置調整を行う際には、ナット73を緩めジャッキボ
ルト55も緩めておくことによって、水平方向に対する
調整を行うことができる。
【0022】図11は、図5および図6に示す左右調整
用偏心カム52および前後調整用偏心カム53の調整方
法を示す。図11(a)に示すように、工具75によっ
て左右調整用偏心カム52または前後調整用偏心カム5
3を角変位させると、L形ガイド51への当接面の軸に
対する距離が変わり、L形ガイド51に対して橋桁41
の水平位置を変化させることができる。図5および図6
に示すように、左右調整用偏心カム52および前後調整
用偏心カム53は、軌道模型22の両側に設けられてい
るので、両側を交互に調整して左右方向の位置合わせと
前後方向の位置合わせとを行うことができる。工具75
の先端には、ピン76が立設され、凹所77が形成され
ている。凹所77には、左右調整用偏心カム52または
前後調整用偏心カム53の軸が収容可能である。ピン7
6は、図11(b)に示すように、左右調整用偏心カム
52または前後調整用偏心カム53に設けられている穴
78に挿入して、回転駆動力を伝達するために使用す
る。工具75の先端は、長いロッド79に装着されてい
るので、水面31上から容易に左右調整用偏心カム52
や前後調整用偏心カム53の調整を行うことができる。
【0023】図12は、軌道模型22の敷設用の曳引台
車34の概略的な構成を示す。図12(a)は側面図、
図12(b)は正面断面図をそれぞれ示す。曳引台車3
4内には、計測レール80が設けられ、図13および図
14に示すように、測深/位置測定器81を高精度で走
行させることができる。測深/位置測定器81からは、
鉛直下方にガイドピン82が吊下げられ、その先端で軌
道模型22の表面に接触する。曳引台車34は、レール
36上を一定距離だけ走行する毎に停止し、計測レール
80の調整を精密に行った後で、測深/位置測定器81
による軌道模型22の調整を行う。上下調整と固定と
は、ジャッキボルト55およびアンカーボルト56を用
いて行う。左右調整および前後調整は、左右調整用偏心
カム52および前後調整用偏心カム53を用いて行う。
【0024】次に、図5および図6に示すような軌道模
型22を曳航水槽23中に敷設する方法を説明する。
【0025】(1)曳引台車34に橋脚40を搭載し、
所定位置まで運び、曳航水槽23の底面33に立てる。
これを繰返し、所定の距離L1をおいて、全ての橋脚4
0を設置する。このとき、曳引台車34内の計測レール
80上に搭載している測深/位置測定器81によって、
橋脚40間の距離を所定値に大略的に合わせ、同時に水
槽中心線に対する方位も大略的に合わせておく。橋脚4
0は3本脚としておき、曳航水槽23の底面33に全て
の脚が接地し、がたつきが生じないようにする。橋脚4
0の天板50上には、橋桁41の固定用のアンカーボル
ト56と位置調整用のL形ガイド51とが取付けてあ
る。
【0026】(2)設置した橋脚40の天板50上に橋
桁41を運んで乗せる。橋桁41の上面には、予め車両
走行用の模型レールと枕木とから成る軌道模型22が取
付けられている。また橋桁41の水平位置の調整のた
め、左右調整用偏心カム52および前後調整用偏心カム
53が取付けてある。また矩形の天板50上の位置の徴
調整を容易にするため、フリーベアリング54が一組と
なって、各四角に取付けてある。さらに各四角には、上
下位置および姿勢調整用のジャッキボルト55が2本ず
つ取付けられ、またアンカーボルト56用の2つの開口
が設けられている。橋桁41は、橋脚40の天板50上
のアンカーボルト56が橋桁41のアンカーボルト用開
口の略中央部に突出す位置に搭載する。このときジャッ
キボルト55を充分に上方まで引上げておくことによっ
て、橋桁41は四角のフリーベアリング54によって、
天板50上に乗る状態となる。
【0027】(3)曳引台車34の計測レール80上に
搭載した測深/位置測定器81のガイドピン82を計測
レール80の中央にセットしておき、次のような操作を
行う。
【0028】偏心カム用の工具75を使用し、左右調
整用偏心カム52を微少回転させ、上面のレール間中央
位置マークがガイドピン82の位置となるように位置調
整を行う。また前後調整用偏心カム53によって、アン
カーボルト56用開口とアンカーボルト56との位置関
係を調整する。偏心カム軸は橋桁41に取付けられてお
り、その回転によって、橋脚40に固定されたL形ガイ
ド51を押し、その反力で橋桁41が左右または前後に
移動する。 水平面内の位置調整後、上下位置/傾斜の調整を行
う。これにはジャッキボルト55を用いる。測深/位置
調整測定器81の2本のガイドピン82を用いて、左右
のレール深度を測定し、専用スパナである工具70を用
いて四角のジャッキボルト55を所定の一様深度となる
ように調整する。このときフリーベアリング54が天板
50から若干浮上がった状態となるように調整する。高
さ位置の調整が終わると、アンカーボルト55の先端の
穴にガイド棒71を差込み、このガイド棒71に、押え
板72とナット73とを通して、水上からこれらをアン
カーボルト56に落とし込み、ナット73を専用のスパ
ナである工具70で締付ける。このようにして橋桁41
を天板50に固定することができる。各四角に、2本ず
つのアンカーボルト56とジャッキボルト55とを交差
する位置に設けるのは、各ボルトの締込みによって軌道
面に捩れが生ずるのを避けるためである。 最初の橋桁41の設置が終わると、順次第2、第3の
橋桁41を前段の橋桁41との接続部に留意しながら設
置する。 全橋桁41の設置後、曳引台車34を移動させなが
ら、測深/位置測定器81によって、深度と直進度とを
計測し、再度徴調整を行って軌道模型22の敷設を完了
する。
【0029】以上説明したような試験装置を用いれば、
空気中で軌道面上の物体が列車風によって動くかどうか
の目安を、次の第1式に示すような修正フルード数を用
いて試験することができる。
【0030】
【数3】
【0031】代表長さLは現象を最も支配していると考
えられる寸法であり、軌道の近傍に配置される石などを
対象物とする場合は、その直径などを用いる。軌道上の
バラストなどの物体を考えると、空気中での模型試験で
は、模型の走行速度をよほど速くするか、物体の比重を
小さくしないとF’数が小さくなりすぎて物体が動か
ず、水中試験では、逆に実物以上に物体が飛び易くなっ
てしまう。実物では列車風による物体の飛散は非常にま
れな現象であるので、同じF’数ではほとんど物体は動
かない。水中での模型走行試験では、速度が遅くても適
当な比重の材料を選択することによって、物体の動きを
確認することが可能である。すなわち比重を実際よりも
小さくするトレーサを用いることによって、高速鉄道車
両の通過に伴う極めてまれな流体力学的現象について促
進試験的な確認を行うことができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、鉄道車両
の模型の走行時に発生する波や軌道模型の支持構造物の
影響を受けずに、軌道模型に沿って車両模型を走行させ
ることができるので、水中で精度のよい測定を容易に行
うことができる。
【0033】また本発明によれば、無次元化量F’を使
用して、物体の完成力と流体力との比を等しくした条件
で、空気中の模型試験では非常に高速にしないと観測で
きないような現象を、容易に観測し試験することができ
る。
【0034】また本発明によれば、対象物の密度ρ’を
小さくすることに設定することによって、実際には非常
にまれにしか発生しない現象を促進試験的にシミュレー
トすることができる。
【0035】さらに本発明によれば、充分に大きな水槽
中で、軌道模型を底面に立設される橋脚と橋脚上に設置
される橋桁によって下方から支持し、橋脚と橋桁との間
の位置関係は水面上から調整可能であるので、車両模型
の走行試験を行う際の水面の条件と同一条件で水を抜か
ずに軌道模型を容易に敷設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の概略的な構成を示す正
面断面図である。
【図2】図1の実施形態を用いて試験を行う際の状態を
示す正面断面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図1の実施形態による試験結果の一例を示すグ
ラフである。
【図5】図1の調整部材26に関連する構成を示す部分
的な正面断面図である。
【図6】図1の調整部材26に関連する構成を示す部分
的な平面図である。
【図7】図5および図6に示されるフリーベアリング5
4の形状を示す斜視図および断面図である。
【図8】図5および図6に示す波押え板42の形状およ
び作用を示す簡略化した正面断面図、平面図および斜視
図である。
【図9】図5および図6のジャッキボルト55の作用を
示す正面断面図である。
【図10】図5および図6のアンカーボルト56の作用
を示す正面断面図である。
【図11】図5および図6の左右調整用偏心カム52の
作用を示す正面断面図および平面図である。
【図12】図1に示す曳引台車34の簡略化した側面図
および正面断面図である。
【図13】図12の曳引台車34を用いる軌道模型22
の敷設後の試験状態を示す側面図である。
【図14】軌道模型22の敷設後の試験状態を示す正面
断面図である。
【図15】先行技術の構成を示す正面断面図である。
【符号の説明】
21 車両模型 22 軌道模型 23 曳航水槽 24 静水 25 支持構造物 26 調整部材 30 吊下部材 31 水面 32 壁面 33 底面 34 曳引台車 36 レール 40 橋脚 41 橋桁 42 波押え板 43,44 水中撮影装置 50 天板 51 L形ガイド 52 左右調整用偏心カム 53 前後調整用偏心カム 54 フリーベアリング 55 ジャッキボルト 56 アンカーボルト 70,75 工具 71 ガイド棒 72 押え板 73 ナット 80 計測レール 81 測深/位置測定器 82 ガイドピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 茂 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4 号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 水上 企市 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4 号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 石塚 理 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番 18号 川崎重工業株式会社 兵庫工場内 (72)発明者 根間 清 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (56)参考文献 特開 平6−241949(JP,A) 特開 平6−160246(JP,A) 特開 平7−239285(JP,A) 特開 平9−196808(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 9/00 - 10/00 G01M 17/00 - 17/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水槽内に軌道模型を設置し、軌道模型に
    沿って車両模型を走行させ、車両模型の走行に伴って発
    生する現象を計測することによって、実物の鉄道車両が
    走行する際の流体力学的な現象を試験する鉄道車両の模
    型試験方法において、 車両模型は水面の上方から水中に吊下げて支持し、軌道
    模型は水槽の幅方向の中央で底面に立設される支持構造
    物の頂部で、水面上から位置調整が可能なように設置さ
    れることを特徴とする鉄道車両の模型試験方法。
  2. 【請求項2】 前記流体力学的な現象は、軌道模型上ま
    たはその近傍の物体にかかる力を無次元化した量F’、 【数1】 によって示される相似条件に従ってシミュレートするこ
    とを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の模型試験方
    法。
  3. 【請求項3】 軌道模型上またはその近傍に、前記無次
    元化した量F’によって示される相似条件よりも、対象
    物の密度ρ’を小さく設定した物体をトレーサとして配
    置し、対象物に対する流体力学的特性を促進試験的にシ
    ミュレートすることを特徴とする請求項2記載の鉄道車
    両の模型試験方法。
  4. 【請求項4】 水槽内に軌道模型を設置し、軌道模型に
    沿って車両模型を走行させ、車両模型の走行に伴って発
    生する現象を計測することによって、実物の鉄道車両が
    走行する際の流体力学的な現象を試験する鉄道車両の模
    型試験装置において、 水槽の底面に、軌道模型の延長方向に間隔をあけて立設
    される複数の橋脚と、上面に軌道模型が敷設され、前記
    橋脚の頂部によって支持される橋桁と、 各橋脚と橋桁との位置関係を、水面上から調整可能な複
    数の位置調整装置とを含むことを特徴とする鉄道車両の
    模型試験装置。
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