JP3050783U - 根管治療具のマーキングゲージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のきめ細かな計測が可能であり、しかも
簡単かつ確実に計測ができる。 【解決手段】 耐熱合成樹脂製の置物８の上面を平坦面
９とし、リーマ、ファイル等の根管治療具１の針部１ａ
が挿入される孔10ａ，10ｂ，10ｃ…を、その上端をこの
平坦面９に開口し、また、その深さを針部１ａの先端か
ら根管長を決定するストッパー兼用のマーカー２の設定
予定位置までとしたものを、長さの異なる順に必要数並
べて設け、また、孔10ａ，10ｂ，10ｃ…の開口脇には孔
長を示す数値11を記載した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、歯科で使用するリーマー、ファイル等の根管治療用具に根管長を決 定するためストッパー兼用のマーカーを設定するマーキングゲージに関する。

【０００２】

【従来の技術】

根管治療用具１としてのリーマーやファイルは、図４にも示すが、周知のごと く針部１ａの根本につまみ用の合成樹脂製の柄１ｂを有するピン状の小さなもの である。

【０００３】 そして、このような根管治療用具１は必要根管長を設定するために、針部１ａ の途中にストッパー兼用のマーカー２を取り付けることが行なわれている。

【０００４】 このストッパー兼用のマーカー２は合成樹脂ラバーやスチールで鍔状のものと して作製され、中にはカラーチャート化され、厚みが数種類に分かれるものもあ る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来、ストッパー兼用のマーカー２はこれを設置するには図４に示すようにス ケール４を使用して、そのスケール目盛り４ａで針部１の先端からストッパー兼 用のマーカー２の位置までを計っている。

【０００６】 このような作業は衛生上の問題もあるので、例えば偏平皿状のケース３内にス ケール４を置いて計測をしているが、その長さ調整は０．５mm単位の細かなもの で極めて面倒な作業となる。

【０００７】 また、図５に示すように円柱体６に上端にフランジ５ａを有する内筒５を昇降 自在に設け、このフランジ５ａ根管治療用具１の針部１ａが貫通する穴７を設け ておき、穴７に針部１を貫通させてその先端を円柱体６の上面６ａに当接させる メジャリングゲージと称せられるものもある。

【０００８】 これはフランジ５ａの上面から円柱体６の上面６ａまでの距離を設定根管長と すれば、フランジ５ａの上面にストッパー兼用のマーカー２が来るようにするこ とで必然的に根管長を設定できるものである。なお、内筒５には目盛りが記載さ れている。

【０００９】 しかし、この図５に示すメジャリングゲージは一度に一つの根管長しか設定す ることができず、根管長の異なる場合はその都度内筒５を円柱体６に対して昇降 させ、フランジ５ａの位置を変えなければならない。

【００１０】 しかも、穴７に根管治療用具１の針部１を貫通させてその先端を円柱体６の上 面６ａに当接させる場合に穴７は針部１よりも径に余裕があるので根管治療用具 １の全体が斜めになるおそれもあり、それでは正確な計測ができない。

【００１１】 本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、複数のきめ細かな計測が可能で あり、しかも簡単かつ確実に計測ができる根管治療具のマーキングゲージを提供 することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するため、第１に、耐熱合成樹脂製の置物の上面を平 坦面とし、リーマ、ファイル等の根管治療具の針部が挿入される孔を、その上端 をこの平坦面に開口し、また、その深さを針部先端から根管長を決定するストッ パー兼用のマーカーの設定予定位置までとしたものを、長さの異なる順に必要数 並べて設け、また、孔の開口脇には孔長を示す数値を記載したこと、第２に、さ らに、耐熱合成樹脂製の置物は透明なものであり、リーマ、ファイル等の根管治 療具の針部が挿入されたことを側方から観取可能とすること、第３に、耐熱合成 樹脂製の置物は直方体形状で、上面を短冊状の平坦面としたこと、第４に、さら に置物の側面隅部にはスケール目盛りを記載したことを要旨とするものである。

【００１３】 請求項１記載の本考案によれば、リーマ、ファイル等の根管治療具の針部を合 成樹脂製の置物の上面の平坦面に開口する孔内に差し入れれば、針部の先端が孔 の底に当たり、孔内にある針部の長さが必要とする根管長であることになるので 、平坦面に当たる位置にストッパー兼用のマーカーを設定すればよい。そして、 針部は孔に沿ってガイドされて必ず直立するので斜めになって計測誤差が生じる おそれもない。

【００１４】 さらに、孔は長さの異なる順に必要数並べて設け、また、孔の開口脇には孔長 を示す数値を記載してあるので、この数値をもとに必要とする根管長の孔を選定 して使用すればよく、決めの細かい計測ができる。一方、合成樹脂製の置物であ るので、これを机等の上に自由に置くことが出来、移動その他も便利である。

【００１５】 また、耐熱合成樹脂製の置物であるので、これを例えばオートクレーブと称せ られる自動高圧蒸気滅菌器に入れて、孔内を消毒することも可能である。

【００１６】 請求項２記載の本考案によれば、前記作用に加えて、耐熱合成樹脂製の置物は これを透明なものとして根管治療具の針部が挿入されたことを側方から観取可能 としたので針部の先端が孔の底に完全に当接しているか否かを目で見て知ること もでき、より一層確実な計測が可能となる。

【００１７】 請求項３記載の本考案によれば、前記作用に加えて、合成樹脂製の置物は直方 体形状であり、上面を短冊状の平坦面としたので、いわゆるブックタイプのもの として、より場所を取らないコンパクトなものとなる。

【００１８】 請求項４記載の本考案によれば、前記作用に加えて、置物の側面隅部にはスケ ール目盛りを記載したので、このスケール目盛りを使用して根管長の確認も可能 である。

【００１９】

【考案の実施の形態】

以下、図面について本考案の実施の形態を詳細に説明する。図１は本考案の根 管治療具のマーキングゲージの１実施形態を示す斜視図、図２は同上平面図、図 ３は同上正面図である。

【００２０】 図中８は合成樹脂製の置物であり、この置物８は本実施形態では直方体形状で 、上面を短冊状（長四角形）の平坦面９であるブックタイプのものとした。

【００２１】 この置物８を形成する合成樹脂はアクリル、その他の耐熱性のものであり、し かも、透明（半透明を含む）なものとする。

【００２２】 リーマ、ファイル等の根管治療具１の針部１ａが挿入される小径の孔10ａ，10 ｂ，10ｃ…を、前記置物８の平坦面９に開口させ、また、その深さを針部先端か ら根管長を決定するものとしてストッパー兼用のマーカー２の設定予定位置まで としたものを必要数並べて設けた。この小径の孔10ａ，10ｂ，10ｃ…の先端底は 置物８の内部で閉塞する。

【００２３】 前記のごとく置物８を形成する耐熱性合成樹脂は透明としたので、この小径の 孔10ａ，10ｂ，10ｃ…は根管治療具１の針部１ａが挿入されることが側方から観 取可能となる。

【００２４】 また、本実施形態では小径の孔10ａ，10ｂ，10ｃ…は長さの異なる順に前記短 冊状（長四角形）の平坦面９に長さ方向に沿って並べて設け、また、孔10ａ，10 ｂ，10ｃ…の開口脇には孔長を示す数値11（本実施形態の場合は10mm〜20mmまで を0.5 mm刻み）を記載した。

【００２５】 さらに、置物８の側面隅部にはスケール目盛り12をその零開始目盛りは置物８ の側面端淵に位置するようにしても記載し、この置物８の側面隅部をメジャーと して使用できるようにした。

【００２６】 このようにして置物８を机等の上に置き、予め針部１ａの大体のところにスト ッパー兼用のマーカー２を仮設定した根管治療具１をその針部１ａを小径の孔10 ａ，10ｂ，10ｃ…のうちの必要とする根管長の孔にその先端が孔底に当接するま で挿入し、孔の開口部にストッパー兼用のマーカー２を移動する。

【００２７】 このようにすれば、ストッパー兼用のマーカー２より先の針部１ａの長さは孔 の深さ（長さ）と同じになり、必要とする根管長がここに設定できる。

【００２８】 また、置物８の側面隅部のスケール目盛り12を使用して確認を取ってもよい。

【００２９】 なお、置物８は前記実施形態では直方体形状としたが、これに限定されるもの でなく、図示は省略するが、円形、多角形（円柱体、多角形柱体）その他いずれ を問わない。また、置物８の上面はその一部のみを平坦面９としたものでもよく 、平坦面９であれば段差があってもよい。

【００３０】 さらに、孔10ａ，10ｂ，10ｃ…はこれを複数列に並べてもよく、その深さも前 記実施形態の10mm〜20mmまでを0.5 mm刻みとした場合以外に、20mm〜30mmまでを 0.5 mm刻みとした場合などもある。

【００３１】

【考案の効果】

以上述べたように本考案の根管治療具のマーキングゲージは、合成樹脂製の置 物であるので、これを机等の上に自由に置くことが出来、移動その他も便利であ り、必要とする根管長に対応する孔を長さの異なる順に必要数並べて設け、また 、孔の開口脇には孔長を示す数値を記載してあるので、この数値をもとに必要と する根管長の孔を選定して使用すればよく、複数のきめ細かな計測が可能であり 、しかも針部は孔に沿ってガイドされて必ず直立するので斜めになって計測誤差 が生じるおそれもなく簡単かつ確実に計測ができる使い勝手のよいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の根管治療具のマーキングゲージの１
実施形態を示す斜視図である。

【図２】 本考案の根管治療具のマーキングゲージの１
実施形態を示す平面図である。

【図３】 本考案の根管治療具のマーキングゲージの１
実施形態を示す正面図である。

【図４】 従来例を示す斜視図である。

【図５】 他の従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…根管治療具 １ａ…針部 １ｂ…柄 ２…ストッパー
兼用のマーカー ３…ケース ４…スケール ４ａ…スケール目盛り ５…内筒 ５ａ…フランジ ６…円柱体 ６ａ…上面 ７…穴 ８…置物 ９…平坦面 10ａ，10ｂ，10ｃ……孔 11…孔長を示す
数値 12…スケール目盛り

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 耐熱合成樹脂製の置物の上面を平坦面と
   し、リーマ、ファイル等の根管治療具の針部が挿入され
   る孔を、その上端をこの平坦面に開口し、また、その深
   さを針部先端から根管長を決定するストッパー兼用のマ
   ーカーの設定予定位置までとしたものを、長さの異なる
   順に必要数並べて設け、また、孔の開口脇には孔長を示
   す数値を記載したことを特徴とする根管治療具のマーキ
   ングゲージ。
2. 【請求項２】 透明な耐熱合成樹脂製の置物の上面を平
   坦面とし、リーマ、ファイル等の根管治療具の針部が挿
   入され、また、挿入されたことを側方から観取可能とし
   た孔を、その上端をこの平坦面に開口し、また、その深
   さを針部先端から根管長を決定するストッパー兼用のマ
   ーカーの設定予定位置までとしたものを、長さの異なる
   順に必要数並べて設け、また、孔の開口脇には孔長を示
   す数値を記載したことを特徴とする根管治療具のマーキ
   ングゲージ。
3. 【請求項３】 透明な耐熱合成樹脂製の直方体形状の置
   物の上面を短冊状の平坦面とし、リーマ、ファイル等の
   根管治療具の針部が挿入され、また、挿入されたことを
   側方から観取可能とした孔を、その上端をこの平坦面に
   開口し、また、その深さを針部先端から根管長を決定す
   るストッパー兼用のマーカーの設定予定位置までとした
   ものを、長さの異なる順に必要数並べて設け、また、孔
   の開口脇には孔長を示す数値を記載したことを特徴とす
   る根管治療具のマーキングゲージ。
4. 【請求項４】 透明な耐熱合成樹脂製の直方体形状の置
   物の上面を短冊状の平坦面とし、リーマ、ファイル等の
   根管治療具の針部が挿入され、また、挿入されたことを
   側方から観取可能とした孔を、その上端をこの平坦面に
   開口し、また、その深さを針部先端から根管長を決定す
   るストッパー兼用のマーカーの設定予定位置までとした
   ものを、長さの異なる順に必要数並べて設け、また、孔
   の開口脇には孔長を示す数値を記載し、さらに置物の側
   面隅部にはスケール目盛りを記載したことを特徴とする
   根管治療具のマーキングゲージ。