JP3050636U - 多極電気差込み型コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の接点保持体の欠点を除去し、簡単に製
造可能で、コンパクトな構成の、狭い組付け空間にも使
用可能な多極差込み型コネクタを提供する。 【解決手段】 差込み型コネクタ１１の接点保持体１３
が、第１下方部分１８を有する一体の上方部分１７と、
２つの継ぎ足し可能な第２下方部分１９とに分割されて
おり、これらの部分１７〜１９内に、接点部材２３の受
容室１４が、部分区域２１，２２として形成され、それ
によって、上方部分１７を第２下方部分１９に組付けた
後、受容室１４の部分区域２１，２２が互いに整合し移
行し合うようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、絶縁材製の接点保持体を有する電気差込み接続部の部材である多極 電気差込み型コネクタであって、接点保持体が、少なくとも２列に配置された、 接点部材用の受容室を有し、受容室内に接点部材がロック部材によって保持され ている形式のものに関する。この形式の差込み型コネクタはヨーロッパ特許公開 第０６６７６５２号明細書により公知である。

【０００２】

【従来の技術】

この形式の差込み型コネクタの場合、電気絶縁材料製の接点保持体内に、２列 受容室が設けられている。開放端部を有し接点保持体の前側から後側まで達して いる各受容室には、後側から、各１つの接点部材を使用位置まで挿入可能である 。接触区分が挿入方向で既に受容室前側から突出している接点部材の場合、接点 部材は、使用位置では、掛止肩を介して掛止アームのストッパに掛止される。

【０００３】 掛止アームは、接点保持体の一部をなし、挿入方向に対し横方向に後室内へた わみ可能に、接点室内へ突入している。接点部材は、１次ロックである掛止アー ムのところに掛止されることで、軸方向に位置固定される。

【０００４】 接点保持体内には、更に、挿入方向に対し横方向に延び、接点室と交差する縦 穴が設けられ、これら縦穴内へは、２次ロックである櫛状のロック部材が、更に 軸方向固定のため、接点部材の後方を掴みながら、挿入可能である。

【０００５】 アンダカットを有するように構成される接点保持体は、製造時、挿入方向に沿 ってだけでなく、挿入方向に対し横方向にも離型可能な射出成形金型を必要とす る。このことから、この種の接点保持体は、接点室を２列にしか構成できない欠 点を有することになり、そのために、多極差込み型コネクタの場合には、往々に して、例えば自動車のエンジン室等の狭い組付け空間にはもはや使用できない全 長に達することがある。

【０００６】

【考案の効果】

本考案による差込み型コネクタでは、接点保持体が、数部材から成り、かつ継 ぎ合わせ可能であり、接点保持体を継ぎ合わせた状態では、受容室が少なくとも ４列に配置されている点を特徴とし、既述の欠点が除去される利点を有している 。この目的のために、差込み型コネクタが、多部分から成る接点保持体を有して いる。それによって、個々の部材が射出成形によって簡単に製造でき、しかも簡 単に離型可能である。接点保持体の個々の部材をを継ぎ合わせることによって、 少なくとも４列配置の接点部材受容室が形成され、コンパクトな構成の多極電気 差込み型コネクタが実現される。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下で考案の一実施例を図面につき詳説する。

【０００８】 請求項２以下の各項には、本考案の実現に有利なこのほかの措置が記載されて いる。

【０００９】 図示の多極電気差込み型コネクタ１１は、分離可能な接続用の差込み電気接続 部の一部であり、付加的に略示しただけの対応プラグ１２を備えている。

【００１０】 差込み型コネクタ１１は、例えば射出成形により加工可能なプラスチックから 成る電気絶縁材料製の接点保持体１３を有している。接点保持体１３は、ほぼ直 方体形の長く延ばされた形状に構成され、内部には、差込み型コネクタ１１の極 数に対応する数の受容室１４が、６列に設けられている。これらの受容室１４が 、軸方向に、すなわち矢印１６と等方向に、接点保持体１３を貫通している。

【００１１】 接点保持体１３は、製造技術上の理由から、特に、プラスチック射出成形金型 から簡単に離型させるために、中央に配置された第１下方部分１８を有する一体 の接点保持体上方部分１７と、２つの外側の接点保持体下方部分１９とから成る ようにされ、下方部分１９は別個に製造され、一体の接点保持体部分１７，１８ と、詳細には図示されていない形式でモジュール式に結合されている。

【００１２】 接点保持体の第２下方部分１９は、あらかじめ前組立群として支持体２０、差 込み型コネクタ１１の例えばフロントプレート上に組付けておく。

【００１３】 受容室１４は、それぞれ第１部分区域２１と、第２部分区域２２とに分割され ている。接点保持体の上方部分１７内には、６列に互いに並列配置された受容室 １４のすべての第１部分区域２１が設けられている。

【００１４】 接点保持体の各下方部分１８，１９内には、それぞれ２列の受容室１４の第２ 部分区域２２が、接点保持体の第２下方部分１９と、接点保持体の部分１７，１ ８との結合後、配属された第１部分区域２１と、ずれなしに（ansatzlos）整合 するように設けられる。

【００１５】 接点保持体の各下方部分１８，１９内に、それぞれ２列だけの受容室１４を設 けるようにすることによって、これらの部分は、単に離型でき、かつ製造できる 。

【００１６】 各受容室１４内には、矢印１６の方向に各１つの接点部材２３を挿入可能であ る。見やすくするために、図には、接点部材２３は２個だけ示すに止めた。接点 部材のそれぞれは、内側に、一方では対応プラグ１２の接触部２５を受容する接 触区域２４を、他方では電気導体２８用の固定部２７を有している。

【００１７】 接点部材２３の、中間に位置する基体２９の横には、掛止舌状片３１が突出し ている。掛止舌状片３１は、矢印１６の方向とは逆方向に傾斜し、接点部材２３ が完全に受容室１４内へ挿入された後、接点部材２３が逆方向に動いた場合には 、受容室１４の内側肩３２に突き当たり、軸方向の脱出防止手段として、接点部 材２３の１次ロック用のロック部材を形成している。

【００１８】 更に、接点部材２３が完全に受容室１４内へ挿入されると、櫛状又はプレート 状のロック部材のウエブ３３が、２次ロックの形式で、基体２９と固定部２７と の間に設けられた、先細の横断面を有するロック部３４のところに掛止される。

【００１９】 差込み接続部の内部シールのため、差込み型コネクタ１１には、接点保持体の 上方部分１７上に、それも受容室１４の区域に、ゴム製又はゲル状材料製シール 板３６が載置されている。このシール板３６は、蓋３８を取付けることで、加圧 板３７を介して導体２８に対し押圧可能である。

【００２０】 あるいは又、導体２８は、いわゆるベローズ状の単心シール（Einzeladerabdi chtung）によっても密封できる。この単心シールは、予圧により接点部材２３の 固定部２７に接触するように、矢印１６の方向に、受容室１４内の固定部２７の ところへ挿入する。

【００２１】 差込み接続部の外部シールのため、差込み型コネクタ１１には、接点保持体の 上方部分１７の外周部にシール部材３９が配着されている。シール部材３９は、 したがって、図では、接点保持体の第２下方部分１９から上方部分１７への移行 部上方に位置し、半径方向及び軸方向のシールリップ４１を有している。

【００２２】 差込み型コネクタに対応プラグ１２を終位置まで差込み、差込み接続部が閉じ られ、差込み型コネクタ１１と対応プラグ１２とが、図示されていない止め部材 によって固定されると、半径方向のシールリップ４１は、対応プラグ１２のスリ ーブ状カラー４２によって掴まれ、部分的に軸方向へ変向する。これによって、 密封差込み接続部が形成される。この接続部は、また弾性的なシール部材３９の ため、高い耐揺振性を特徴とする。

【００２３】 このように構成された差込み型コネクタ１１によって、コンパクトな構成で、 水や塵埃等の媒体に対し密封された多極差込み接続部、それも、ロックされた接 点部材と、製造技術的に簡単に製造可能な部材とを備えた接続部が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】多極電気差込み型コネクタに、対応プラグを付
加して示した断面図である。

【符号の説明】

１１ 差込み型コネクタ、 １３ 接点保持体、 １４
受容室、 １６ 矢印、 １７ 接点保持体の上方部
分、 １８，１９ 接点保持体の下方部分、２０ 支持
体、 ２１，２２ 受容室の部分区域、 ２３ 接点部
材、 ２４接触区間、 ２５ 接触部、 ２７ 固定
部、 ２８ 導体、 ３１ 掛止舌状片、 ３２ 内側
肩、 ３３ ウエブ、 ３４ ロック区域、 ３９ シ
ール部材、 ４１ シールリップ

【手続補正書】

【提出日】平成１０年２月９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項５

【補正方法】変更

【補正内容】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ハンネス カールハマー ドイツ連邦共和国 ルートヴィッヒスブル ク ズィーベンビュルガー シュトラーセ ６

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁材製の接点保持体（１３）を有する
   電気差込み接続部の部材である多極電気差込み型コネク
   タであって、接点保持体（１３）が、少なくとも２列に
   配置された、接点部材（２３）用の受容室（１４）を有
   し、受容室（１４）内に接点部材（２３）がロック部材
   （３１，３３）によって保持されている形式のものにお
   いて、 接点保持体（１３）が、数部材から成り、継ぎ合わせ可
   能であり、接点保持体（１３）を継ぎ合わせた状態で
   は、受容室（１４）が、少なくとも４列に配置されるこ
   とを特徴とする、差込み型コネクタ。
2. 【請求項２】 接点保持体（１３）が、少なくとも１つ
   の接点保持体上方部分（１７）と、少なくとも２つの接
   点保持体下方部分（１８，１９）とから成り、これらの
   上方及び下方の部分（１７〜１９）のうちの１つの部分
   内に、すべての受容室（１４）が、部分的に、それぞれ
   第１部分区域（２１）を形成している、請求項１記載の
   差込み型コネクタ。
3. 【請求項３】 前記上方及び下方の部分（１７〜１９）
   のうちの他の部分が、上方及び下方の部分（１７〜１
   ９）のうちの前記１つの部分と結合可能であるか、又は
   他の部分のうちの少なくとも１つが、前記１つの部分と
   結合されており、それぞれ１つの第２部分区域（２２）
   が受容室（１４）を補完している、請求項２記載の差込
   み型コネクタ。
4. 【請求項４】 前記上方及び下方の部分（１７〜１９）
   のうちの前記他の部分が、共通の保持体（２０）のとこ
   ろに保持されており、有利には、それぞれ２列の、受容
   室（１４）第２部分区域（２２）を有している、請求項
   ３記載の差込み型コネクタ。
5. 【請求項５】 前記上方及び下方の部分（１７〜１９）
   の１つの部分の周部にシール部材（３９）が配着されて
   いる、請求項１から４までのいずれか１項記載の差込み
   型コネクタ。
6. 【請求項６】 前記シール部材（３９）が半径方向シー
   ルであり、この半径方向シールが、差込み接続部の接続
   時には、差込み型コネクタ（１１）と接続可能な対応プ
   ラグ（１２）に周部を接触させる、請求項５記載の差込
   み型コネクタ。