JP3047410U - 野外炊食車用還流式炊飯器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 野外炊食車における大量の米糧の煮炊きを短
時間に、かつ特に内釜の四隅部（各コーナー部）におけ
る米飯の炊き上りを他の部分と均一状態においしく炊き
上げることができるようにしたことを目的とする。 【解決手段】 野外炊食車の生食用かまど本体に嵌入載
架する如く設けた外釜内に装填可能で、しかも前記外釜
との間および内釜同士の間に熱湯通路を形成するととも
に前記内釜の中仕切板との底部に多数の小孔と下スカー
ト部に多数の孔を設けてさらに前記内釜の上縁から下縁
にかけてそれぞれ内方に向け傾斜する周側壁および前記
周側壁の四隅にまたがる所要部位に所要数の小孔を設け
たことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、トラック若しくはトレーラー台上等に生食用かまど、副食用かまど 、調理器等を取付け、野外においてまたは目的地に向う走行中の時間を利用して 食糧の煮炊きができるようにした野外炊食車用還流式炊飯器に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば実公昭６３−４０１７４号公報のように大量の米糧を一挙にしか も沸騰した熱湯、煮汁を車体の振動により蓋体の周辺から飛散せしめて炊食作業 者に火傷を負わせたり、かまどの表面その他にこびり付けたりすることなく安全 に不必要な分だけかまど本体外流出させ、常に一定の安定した良好な状態で煮炊 きを行い、米飯をおいしく炊き上げることができる安全、衛生的にして、かつ爾 後の炊食作業、渚掃作業を容易に行えるようにした野外炊食車用還流武炊飯器は 公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記野外炊食車用炊飯器は内釜の周側壁およびその四隅部に、蒸気 、熱湯を還流するための小孔が全くなく、そのため米糧の煮炊きを行う際の蒸気 、熱湯の還流は、前記内釜を包む全域にわたる上、下方向のみに行われるもので あって前記周側壁および四隅部を貫通しての横方向への還流は全く行われず、そ の結果煮炊きに時間がかかるばかりでなく往々にして内釜の四隅部における米飯 の炊き上りが不均一となる等の問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決することを目的とし、かまど本体の底部中央にバーナ ーを設け、前記かまど本体に嵌入する如く外釜を載架し、その内方に下スカート 部を有する２個の内釜を互にその上縁の一辺を近づけ、両内釜間ならびに外釜と の間に比較的巾の挟い周囲熱湯通路を存して装填するとともに前記両内釜の周側 壁を上縁から下縁にかけてそれぞれ内方に向う傾斜壁となして両内釜間ならびに 前記外釜内壁との間に断面が細長略逆三角形状の熱湯通路を形成し、前記両内釜 の下スカート部全周にわたつて多数の孔を設けかつ前記内釜の中仕切板と底部に 多数の小孔を設けて前記内釜の口部周縁を折返して巻回縁部となすとともに該巻 回縁部に下端を回動自在に巻着して一対の把手取付板を倒立自在に取付け、さら に前記各把手取付板の各連結孔にそれぞれ一端を取付けた各自在継手の他端に杆 状把手の両端をそれぞれ遊動自在に取付けるとともに周縁を前記内釜の巻回縁部 上に重合可能の鍔状縁となし、かつ多数の小孔を設けた蓋板部を前記内釜の口部 内に嵌合可能に形成した網蓋を備え、前記かまど本体の蓋体の内面頂部に煮こぼ れ汁流入室を形成するとともに該煮こぼれ汁流入室の下面に複数個の煮こぼれ汁 流入孔ならびに該煮こぼれ汁流入孔の閉塞弁を設け、さらに前記煮こぼれ汁流入 室に一端を開口せる筒状の煮こぼれ汁流出樋の他端を前記蓋体の一側辺上面から 蓋体外に所要長さ垂下状に突設して開口するとともに前記かまど本体の一側壁外 面に蓋部と身部に分解可能に形成した筒状の煮こぼれ汁受流し樋を着脱自在に本 付け、該煮こぼれ汁受流し樋の上端開口部を前記かまど本体の上面に沿って水平 状に折曲し、前記蓋体に設けた煮こぼれ汁流出樋の垂下状開口部に嵌合接続し、 さらに前記内釜の周側壁および該周側壁の四隅にまたがる所要部住に所要数の小 孔を設けたことを特徴とする野外炊食車用還流式炊飯器。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下図１乃至図１４に基づいて本考案の実施の形態を説明する。 図１は本考案の縦断正面図、図２は熱湯（煮こぼれ汁）受流し系路を示した一 部切欠拡大正面図、図３は蓋体の平面図、図４は同一部切欠側面図、図５は閉塞 弁の一部切欠正面図、図６は煮こぼれ汁流出樋と煮こぼれ汁受流し樋の接続状態 を示す斜視図、図７は図６のＡ−Ａ断面図、図８はかまど本体の外観斜視図、図 ９は外釜に装填した場合の内釜の平面図、図１０は同一部切欠正面図、図１１は 同内釜の一部切欠正面図、図１２は同内釜の一部切欠側面図、図１３は同内釜の 斜視図、図１４はトレーラー台に取付た状態の一例を示す側面図である。

【０００６】 図１乃至図２において、１はかまど本体であって、その底部中央にバーナー２ が設置され、上側部に排気孔３が設けられている。４は取手５を有する蓋体であ って固定クランプ６により外釜７の上縁を押圧密閉するようになっている。外釜 ７は、図１示の如く前記かまど本体１内に嵌入載架され、その内部には下スカー ト部９を有する２個の内釜８，８が互にその上縁の一辺を近づけ、両内釜８，８ 間ならびに外釜７との間に比較的巾の狭い周囲熱湯通路１０を存して装填される ようになっている。前記内釜８，８の周側部８ａは上縁から下縁にかけてそれぞ れ内方に向う傾斜壁となっていて、前記外釜７に装填された両内釜８，８間なら びに前記外釜内壁７ａとの間に断面が細長略逆三角形状の熱湯通路１１が形成さ れる。

【０００７】 前記下スカート部９には全周にわたって多数の孔１２…が設けられ前記周囲熱 湯通路１０、細長略逆三角形状の熱湯通路１１および下スカート部９にかこまれ た内釜８の底部分はすべて互に連通するようになっている。なおまた内釜８の周 側壁８ａおよび前記周側壁８ａの四隅にまたがる所要部位には図１０〜１３示の ように所要数の小孔３０、また中仕切板１３と底部１４には多数の小孔１５，１ ６を穿ち、上部には同じく多数の小孔１７を蓋板部１８′に穿った網蓋１８を覆 せ、各内釜８，８を包囲する全城にわたって蒸気、熱湯の還流が行われるように なっている。なお、３１は量目指示線を示すものである。

【０００８】 ８ｂは前記内釜８の口部周縁を折返して形成した巻回縁部、８ｃは前記巻回縁 部８ｂに下端を回動自在に巻着して倒立自在に取付けられた一対の把手取付板、 ８ｄは該把手取付板８ｃに設けられた連結孔、８ｅは自在継手であって、両端に 連結環部８ｆを有する。８ｇは杆状把手であって、金属杆をもって略山形状に折 曲されその頂部には金属線にて蔓巻状に形成した握持体８ｈがとりつけられてい る。１８ａは前記網蓋１８の周縁に形成された鍔状縁であって、前記内釜８の巻 回縁部８ｂ上に重合可能に形成されている。なお蓋板部１８′は前記内釜８の口 部内に嵌合可能に前記鍔状縁１８ａより一段凹まされた状態に形成されている。 １８ｂは前記中仕切板１３の小孔１５および前記網蓋１８の小孔１７に貫通取つ けられた撮み環である。なお把手取付板８ｃは図１１示の如く上半分を内方へ屈 曲することにより、蓋押えの効果をより高めることも可能であり、自在継手８ｅ は単なる環体としてもよい。またかまど本体１、外釜７、内釜８は略長方形状の ものを示したが、その形状はこれに限定されるものではなく、またバーナー２に 代え他の燃焼器、加熱器等を用いることも可能である。

【０００９】 １９は蓋体４の内面頂部に形成された２重壁構造からなる煮こぼれ汁流入室で あって、図２示の如く該室１９の下側壁面１９ａには複数の煮こぼれ汁流入孔２ ０と該流入孔２０の閉塞弁（安全弁）２１が設けられている。なお前記閉塞弁２ １は自重またはバネ２２等により常時下方に下がり前記流入孔２０を閉塞するよ うになっているが、下方から熱湯、蒸気等が噴き上ると上方に押し上げられ、前 記流入孔２０から余分の熱湯、蒸気を蓋体内面頂部の煮こぼれ汁流入室１９内に 流入せしめるようになっている。２３は前記煮こぼれ汁流入室１９に一端（流入 側端）を開口した筒状の煮こぼれ汁流出樋であって、その他端（流出側端）は前 記蓋体４の一側辺上面に突出し、さらに下方に向け所要長さ垂下状に突設開口さ れている。２４は筒状の煮こぼれ汁受流し樋であって、図６〜７示の如く長手方 向に沿って身部２４ａと蓋部２４ｂに分解可能に形成されており、身部２４ａは かまど本体１の一側壁外面にネジ、鋲等の取付具２５により着脱自在に一体に取 付けられおり、身部２４ａはかまど本体１の一側壁外面にネジ、鋲等の取付具２ ５により着脱自在に一体に取付けられている。２７は前記煮こぼれ汁受流し樋２ ４の上端開口部であつて、かまど本体１の上面に沿って水平状に折曲されており 、前記蓋体４に設けた煮こぼれ汁流出樋２３の垂下状開口部２３ａの下部に嵌合 接続されるように形成されている。２８はトレーラーである。

【００１０】 本考案は上記構成からなるものであって、米糧の炊きを行うに際しては、米 、水を図１示の如く仕込み、図９示の如く内釜８の把手取付板８ｃを網蓋１８上 に倒して前記網蓋１８を押えるようにするとともに杆状把手８ｇ、自在継手８ｅ を前記網蓋１８上に載置せしめ、バーナー２に点火すると、水はやがて沸騰し、 水中に無数の蒸気泡が生じ、そして膨脹により水かさが増えると同時に底部に蒸 気がたまり、その圧力で蒸気泡のため比重の軽くなった熱湯を外釜７と内釜８， ８間の各熱湯通路１０，１１から押しあげ、米の上に降りそそぐものである。そ して前記降りそそがれた熱湯は米粒の間を通り、多数の小孔１５を穿った仕切板 １３と同じく多数の小孔１６を穿った底部１４を通って下スカート部９に戻り、 また押しあげられてゆくものである。また、この時前記熱湯の一部は内釜８の周 側壁８ａおよび前記用側壁８ａの四隅にまたがる所要部位に設けた所要数の小孔 ３０によって横方向にも還流が行われるものである。このように熱湯が循環して ゆくうちに、米は飯へと変化してゆき、最後に熱湯はなくなり、炊飯が完了する ものである。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、走行中の時間を利用して米糧の煮炊きができることは勿論の こと沸騰した熱湯（煮汁）、蒸気のうち煮炊きに必要以外の余分なものは蓋体の 内面頂部に設けた閉塞弁付きの煮こぼれ流入室から蓋体の一側辺上面に突出して 設けた煮こぼれ流出樋を通してかまど本体外へ排出し、常に一定の安定した状態 で煮炊きができ、かつまた米粒が炊き上つた後は、直ちに前記杆状把手を持って 内釜を配食缶となし、任意の場所に簡単に持運んで熱い米飯を迅達に供給するこ とができ、野外での非常時や、災害の炊き出し等にきわめて好適なるものである ことは勿論のことであるが、特に本発明においては内釜用側壁および前記用側部 の四隅にまたがる所要部位に所要数の小孔を設けることによって、蒸気および熱 湯の還流を内釜の上、下方向のみばかりでなく、横方向へも行い得るようにした 結果、米糧の煮炊き時間を従来に比して短時間に、しかも従来解決し得なかった 炊き上り状態の均一化、即ち内釜の四隅部（各コーナー部）における米飯の炊き 上りを他の部分と均一状態においしく炊き上げることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の縦断正面図である。

【図２】湯（煮こぼれ汁）受流し系路を示した一部切欠
拡大正面図である。

【図３】蓋体の平面図である。

【図４】同一部切欠側面図である。

【図５】閉塞弁の一部切欠側面図である。

【図６】煮こぼれ流出樋と煮こぼれ受流樋の接続状態を
示す斜視図である。

【図７】図６のＡ−Ａ断面図である。

【図８】かまど本体の外観斜視図である。

【図９】外釜に装填した場合の内釜の平面図である

【図１０】同一部切欠正面図である。

【図１１】同内釜の一部切欠正面図である。

【図１２】同内釜の一部切欠側面図である。

【図１３】同内釜の斜視図である。

【図１４】トレーラー台に取付けた状態の一例を示す側
面図である。

【符号の説明】

１ かまど本体 ２ バーナー ３ 排気孔 ４ 蓋体 ５ 取手 ６ 固定クランプ ７ 外釜 ７ａ 外釜内壁 ８，８ 内釜 ８ａ 周側壁 ８ｂ 巻回縁部 ８ｃ 把手取付板 ８ｄ 連結孔 ８ｅ 自在継手 ８ｆ 連結環部 ８ｇ 杆状把手 ８ｈ 握持体 ９ 下スカート部 １０ 周囲熱湯通路 １１ 熱湯通路 １２ 孔 １３ 中仕切板 １４ 底部 １５，１６，１７，３０小孔 １８ 網蓋 １９ 煮こぼれ汁流入室 １９ａ 下側壁面 ２０ 煮こぼれ汁流入孔 ２１ 閉塞弁 ２２ バネ ２３ 煮こぼれ汁流出樋 ２３ａ 垂下状開口部 ２４ 煮こぼれ汁受流し樋 ２４ａ 身部 ２４ｂ 蓋部 ２５，２６ 取付具 ２７ 上端開口部 ２８ トレーラー ３１ 量目指示線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 松井 智則 東京都千代田区岩本町１丁目８番３号 伸 誠商事株式会社内 (72)考案者 石橋 利泰 東京都千代田区岩本町１丁目８番３号 伸 誠商事株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 かまど本体の底部中央にバーナーを設
   け、前記かまど本体に嵌入する如く外釜を載架し、その
   内方に下スカート部を有する２個の内釜を互にその上縁
   の一辺を近づけ、両内釜間ならびに外釜との間に比較的
   巾の狭い周囲熱湯通路を存して装填するとともに前記両
   内釜の周側壁を上縁から下縁にかけてそれぞれ内方に向
   う傾斜壁となして両内釜間ならびに前記外釜内壁との間
   に断面が細長略逆三角形状の熱湯通路を形成し、前記両
   内釜の下スカート部全周にわたつて多数の孔を設けかつ
   前記内釜の中仕切板と底部に多数の小孔を設けて前記内
   釜の口部周縁を折返して巻回縁部となすとともに該巻回
   縁部に下端を回動自在に巻着して一対の把手取付板を倒
   立自在に取付け、さらに前記各把手取付板の各連結孔に
   それぞれ一端を取付けた各自在継手の他端に杆状把手の
   両端をそれぞれ遊動自在に取付けるとともに周縁を前記
   内釜の巻回縁部上に重合可能の鍔状縁となし、かつ多数
   の小孔を設けた蓋板部を前記内釜の口部内に嵌合可能に
   形成した網蓋を備え、前記かまど本体の蓋体の内面頂部
   に煮こぼれ汁流入室を形成するとともに該煮こぼれ汁流
   入室の下面に複数個の煮こぼれ汁流入孔ならびに該煮こ
   ぼれ汁流入孔の閉塞弁を設け、さらに前記煮こぼれ汁流
   入室に一端を開口せる筒状の煮こぼれ汁流出樋の他端を
   前記蓋体の一側辺上面から蓋体外に所要長さ垂下状に突
   設して開口するとともに前記かまど本体の一側壁外面に
   蓋部と身部に分解可能に形成した筒状の煮こぼれ汁受流
   し樋を着脱自在に取付け、該煮こぼれ汁受流し樋の上端
   開口部を前記かまど本体の上面に沿って水平状に折曲
   し、前記蓋体に設けた煮こぼれ汁流出樋の垂下状開口部
   に嵌合接続し、さらに前記内釜の周側壁および該周側壁
   の四隅にまたがる所要部位に所要数の小孔を設けたこと
   を特徴とする野外炊食車用還流式炊飯器。