JP3046582B2 - 水晶体皮膜穴あけ用ハンドピース - Google Patents

水晶体皮膜穴あけ用ハンドピース

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JP3046582B2
JP3046582B2 JP10275809A JP27580998A JP3046582B2 JP 3046582 B2 JP3046582 B2 JP 3046582B2 JP 10275809 A JP10275809 A JP 10275809A JP 27580998 A JP27580998 A JP 27580998A JP 3046582 B2 JP3046582 B2 JP 3046582B2
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幸夫 渡辺
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株式会社長田中央研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白内障等の手術に
おいて、水晶体の皮膜に穴をあけるのに使用して好適な
ハンドピースに関する。
【0002】
【従来の技術】白内障の手術方法として、水晶体を人工
のものに取り換える新しい方法が提案されているが、そ
の方法によると、水晶体皮膜に小さな穴(直径1mm程
度)をきれいにあける必要がある。
【0003】前記の新しい手術方法は、 1.角膜にメス等で小さな切り込みを入れる。 2.水晶体皮膜に、前述の小さな穴をあける。 3.その小さな穴から超音波振動しているチップを入
れ、水晶体をゲル状にし、これをバキューム等により吸
い出す。 4.人工の水晶体(液体)を入れ、終了。
【0004】上述のように、白内障の手術においては、
水晶体の皮膜に小さな穴をあけるが、その時に使用する
刃物(トレパンバー)は、図6(A)に1にて示すよう
に、円筒状(パイプ状)の刃物で、その先端部にテーパ
部1aをつけ、先端1bを刃としたもので、通常、トレ
パンバー(trepan bar)と言われているものである。し
かし、トレパンバー1を水晶体皮膜に押し付けて回転し
ただけでは、全周がきれいに切れるとは限らず、一部が
切れずに残ってしまうことが多い。これは、トレパンバ
ー1の刃部が傷ついたり、トレパンバーの回転速度が十
分に上がらないうちに切削を開始したり、皮膜に対して
刃先が直角に当たらない状態で切削を行うためと考えら
れる。
【0005】上述のごとき問題を解決するために、本出
願人は、先に、常時は、トレパンバーの刃部を外筒内に
後退させておき、外部からの衝撃等によって刃部に傷が
つかないようにし、更には、水晶体皮膜の表面に陰圧を
かけ、水晶体皮膜をトレパンバーの先端の刃物に吸い付
けてトレパンバーを回転するようにして、よりきれいな
穴をあけることができるようにした水晶体皮膜の穴あけ
装置について提案した(特願平9−143898号)。
【0006】図7は、本出願人が先に提案した水晶体皮
膜の穴あけ装置の一例を示す図で、図中、50はハンド
ピース、60は該ハンドピース50の動作を制御するコ
ントローラで、ハンドピース50は、動力部(モータ
部)51,ハンドピース部52,刃物部53,外筒部
2,トレパンバー1等から成り、動力部(モータ部)に
対する電源コード56,トレパンバー1内及び/又は外
筒2内を通して吸気するための吸気チューブ(シリコー
ンチューブ)57を通してコントローラ60に連結され
ている。
【0007】コントローラ60は、吸気チューブ57を
通してトレパンバー1内及び/又は外筒2内を吸気する
ためのバキューム装置,モータコード56を通してモー
タ部51内のモータを制御するための制御装置等を内蔵
しており、該モータは、操作用のフットスイッチ71及
び非常停止用のフットスイッチ72により制御されるよ
うになっている。
【0008】コントローラ60は、吸気チューブ57を
通して吸引されてきた汚物(液体,個体)を吸気(エア
ー)より分離する気液分離器61,吸気(吸引)圧力調
整つまみ62,バキュー圧メータ63,非常用スイッチ
64,バキューム(吸気),トレパンバー回転,トレパ
ンバー(刃物)突出等の動作状態を表示するLED等の
表示灯65,タイマー設定つまみ66等を有し、例え
ば、フットスイッチ71を一度踏むと吸気オン、もう一
度踏むとトレパンバー回転、更にもう一度踏むとトレパ
ンバー(内筒)が外筒より突出し、穴あけ作業が可能に
なり、タイマーにより一定時間後に全てが停止する。
【0009】図8(A)は、図7に示したハンドピース
50の分解斜視図で、モータ部(動力部)51はトレパ
ンバー1を常時は外筒2内に後退させ、施術時、外筒2
から所定量(例えば、3mm)突出させるアクチュエー
タが内蔵されているアクチュエータ部51aを有し、該
アクチュエータ部51aによって作動桿51bが矢印A
方向に移動されるようになっている。
【0010】図8(B1),図8(B2)は、前記アクチ
ュエータの例を示す図で、図8(B 1)は、前記作動桿
51bの役割をする鉄芯51bと、コイル51dとを有
し、該コイル51dに電流を流すことによって鉄心(作
動桿)51bを矢印A方向に移動させるようにした例、
図8(B2)は、小型モータ51eを有し、作動桿51
bを該モータ51eによって回転されるねじ棒51fに
よって繰り出す(モータを逆転すると後退する)ように
した例であるが、これらは単に例にすぎず、周知の任意
の駆動手段を適用することができる。
【0011】図8(C)は、ハンドピース部52内の詳
細を説明するための要部概略構成図で、52aはモータ
部51内のモータによって回転される回転軸51cに連
結される回転軸、52bはモータ部51内のアクチュエ
ータによって矢印A方向に移動される作動桿51bに連
結された作動桿、52cは回転軸52aに連結され該回
転軸52aの回転をトレパンバーに伝達するための可動
回転軸で、回転軸52aと該可動回転軸52cは、回転
軸52aに設けられたピン52dと、可動回転軸52c
に設けられた受け孔52eによって連結されており、周
知のように、ピン52dにより回転軸52aの回転を可
動回転軸52cに伝達し、受け孔52eによって可動回
転軸52cを軸方向(A方向)に移動可能に連結してい
る。
【0012】この可動回転軸52cは、該可動回転軸5
2cを回転可能に支持しているベアリング52gごと可
動台52hに取り付けられており、この可動台52hが
作動桿52bにより矢印A方向に移動されるようになっ
ている。なお、52iは一端が前記可動回転軸52cに
連結され他端がトレパンバー1に連結される中継回転軸
である。斯様にして、トレパンバー1は、動力部51内
のモータによって回転され、アクチュエータによって軸
方向に移動される。
【0013】上述のように、本出願人が先に提案した水
晶体皮膜の穴あけ装置によると、トレパンバー1が外筒
2より突出する量を所定量(例えば、水晶体の厚みが約
4mmであるので、3mm位)に制御できるため、必要
以上にトレパンバーが水晶体に入り込むことがなく、安
全である。また、穴あけ作業時、トレパンバー1及び/
又は外筒2を通して吸気されるため、水晶体表面の皮膜
がトレパンバーの刃部に吸い寄せられ、該刃部を密着す
るため、きれいな穴をあけることができる。
【0014】図6(B)は、前述のトレパンバー1と外
筒2と水晶体皮膜80との関係を説明するための要部構
成図で、前述のように、本出願人が先に提案した水晶体
皮膜穴あけ装置は、外筒2の先端を皮膜80に当て、ト
レパンバー1内及び/又は該トレパンバー1と外筒2と
の間の間隙(すなわち、外筒2内)Gを通して矢印A方
向に吸気し、それによって、皮膜80を矢印B方向に吸
引して該皮膜80を突出させ、該皮膜80の表面に張力
を与えた後、トレパンバー1を回転しながら矢印C方向
に前進させて皮膜80を切開するものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、本出願
人が先に提案した水晶体の皮膜に穴をあける装置は、水
晶体の皮膜に陰圧を印加して該皮膜に張力を与えた状態
でトレパンバーを回転・前進させて該皮膜に穴をあける
ようにしたものであるが、トレパンバー1の先端(刃
先)が皮膜80に当たる時に、皮膜80がトレパンバー
1の刃先の切り込み方向に対して傾斜しており、しかも
皮膜80の突出が軸中心に完全に対称であることは少な
く、そのため、トレパンバー1の刃先が皮膜80に当た
るタイミングが場所によって異なり、つまり、トレパン
バー1の刃先全体が必ずしも同時に皮膜80に当たると
は限らず、きれいな穴をあけることができない場合があ
った。
【0016】しかも、トレパンバー内及び/又は外筒内
を陰圧に保持した状態で該トレパンバーを回転及び前後
進させるため、その構造が複雑で、これらの機能をハン
ドピース内にコンパクトに納めることは困難であった。
【0017】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、水晶体の皮膜にきれいな穴をあけることが
でき、そのための全機構がコンパクトに組み込まれる水
晶体皮膜の穴あけ用ハンドピースを提供することを目的
としてなされたものである。
【0018】請求項1の発明は、回転軸と、該回転軸を
回転するための第1のモータと、該第1のモータと前記
回転軸とを一体的に前後動させるための第2のモータ
と、前記回転軸の先端に着脱自在に装着されるトレパン
バーと、該トレパンバーが挿通される第1の固定外筒と
該第1の固定外筒の外側に該第1の固定外筒に対して所
定の間隙をもって配設された第2の固定外筒とからなる
2重管と、前記トレパンバー内及び/又は前記2重管の
前記第1の固定外筒と第2の固定外筒の間の前記間隙に
陰圧を印加するための陰圧印加手段とを有し、穴あけ作
業時は前記第2のモータにより前記第1のモータと一体
の回転軸を前進させて前記トレパンバーの先端を前記
重管より突出させ、常時は前記第2のモータにより前記
第1のモータと一体の回転軸を後退させて前記トレパン
バーの先端を前記2重管内に収容していることを特徴と
したものである。
【0019】請求項2の発明は、は、mシリンダ部,該
シリンダ内を軸方向に移動可能なピストン部材を有する
回転軸と、前記ピストン部材の先端に着脱自在に装着さ
れるトレパンバーと、該トレパンバーが挿通される第1
固定外筒と該第1の固定外筒の外側に該第1の固定外
筒に対して所定の間隙をもって配設された第2の固定外
筒とからなる2重管と、前記トレパンバー内及び/又は
前記2重管の前記第1の固定外筒と第2の固定外筒の間
の前記間隙に陰圧を印加する手段と、前記ピストン部材
を後退位置にして前記トレパンバーの先端が前記2重管
内に収容された位置にするための力を前記ピストン部材
に印加するためのばね部材と、前記シリンダ内において
前記ピストン部材の後端面に加圧空気を印加するための
手段とを有し、該ピストンの後端面に前記加圧空気が印
加された時に該ピストン部材を前記ばね部材に抗して前
進させ前記トレパンバーの先端を前記2重管の先端より
突出させるようにしたことを特徴としたものである。
【0020】請求項3の発明は、トレパンバー内に挿通
されるセンターパイプが貫通される回転軸と、該回転軸
を回転する回転駆動手段と、前記回転軸を前進・後退動
させる往復駆動手段と、前記トレパンバーが挿通される
固定外筒と、前記トレパンバーと外筒との間の間隙及び
前記センターパイプ内に陰圧を供給する手段とを有する
ことを特徴としたものである。
【0021】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記トレパンバーの先端は、常時は、前記外筒内に
後退されており、前記陰圧が印加された時に前進して前
記外筒の先端より突出することを特徴としたものであ
る。
【0022】請求項5の発明は、請求項3又は4の発明
において、前記回転軸は、シリンダ部材とピストン部材
から成り、該ピストン部材には前記トレパンバー内に挿
通されたセンターパイプが貫通され、かつ該ピストンは
ばね部材及び形状記憶合金ばねによって常時は後退した
位置に維持され、前記形状記憶合金ばねが加熱されて前
記ピストン部材が前進した位置に移動されることを特徴
としたものである。
【0023】請求項6の発明は、請求項3乃至5のいず
れかの発明において、前記シリンダの外周部にロータ磁
石を有し、該ロータ磁石と一体の前記回転軸をハンドピ
ース本体に設けられたステータコイルによって生成され
る回転磁界によって回転するようにしたことを特徴とし
たものである。
【0024】請求項7の発明は、請求項3又は4の発明
において、前記回転軸はシリンダ部材とピストン部材と
から成り、該ピストン部材には前記トレパンバー内に挿
通されたセンターパイプが貫通されかつ該ピストン部材
はばね部材によって常時は後退した位置に維持され、該
ピストン部材と前記シリンダの間において前記ピストン
部材に加えられた陰圧によって該ピストン部材が前進し
た位置に移動されることを特徴としたものである。
【0025】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、前記回転軸に対して偏心した位置に前記回転軸を回
転させるための駆動用回転軸を前記回転軸と平行に有
し、該駆動用回転軸の回転を前記トレパンバーを一体に
有する回転軸に伝達するようにしたことを特徴としたも
のである。
【0026】
【発明の実施の形態】図1(A)〜図1(C)は、それ
ぞれ本発明による水晶体皮膜穴あけ用ハンドピースに適
用可能な、つまり、水晶体皮膜に張力を印加するための
構成例を示す図であるが、本発明は、当然に、図6
(B)に示した構成を有するハンドピースにも適用可能
である(ただし、図6(B)の動作原理については既に
説明したので、ここでの再度の説明は省略する)。
【0027】図1(A)〜図1(C)において、1はト
レパンバー、2は外筒、3は外筒2の外側に該外筒2に
対して所定の間隙Gをもって同軸的に配設された外筒で
あり、該外筒2と3により2重管を構成している。ま
た、図1(C)に示す4はトレパンバー1内に配設され
た内筒(センターパイプ)であり、前述のように、トレ
パンバー1は、矢印A及びB方向に移動可能であり、外
筒2,3及び内筒4は固定されている。
【0028】図1(A)に示した例は、外筒2と3の間
の間隙Gを通して吸引するようにしたもので、このよう
にすると、図1(A)に示すように、皮膜80は間隙G
部で吸引され、外筒2の前面では平に張られ、この平ら
に張られた皮膜80にトレパンバー1の先端部(刃部)
が当たるので、すなわち、トレパンバー1の刃先が同時
にしかも平らな面に当たるので、よりきれいな穴を確実
にあけることができる。
【0029】図1(B)に示した例は、図1(A)に示
した例に加えて、更に、トレパンバー1内を通しても吸
引するようにしたもので、このようにすると、トレパン
バー1の先端部の皮膜80は、図1(A)に示した場合
よりも更に強い力で外筒2の前面に張られるので(ただ
し、外筒2内に多少出っ張る)、皮膜80の表面がより
滑らかになり、よりきれいに穴をあけることができる。
【0030】図1(C)に示した例は、トレパンバー1
内に、内筒4を設け、この内筒4内及び外筒2と3の間
の間隙Gを通して吸引するようにしたもので、このよう
にすると、皮膜80は、図示のように、外筒2と内筒4
との間で平に張られ、この平らに張られた部分にトレパ
ンバー1の刃先が当たるので、皮膜80によりきれいに
かつ確実に穴をあけることができる。
【0031】図2は、図1(A)に示した構造のトレパ
ンバー1及び外筒2,3を具備したハンドピース
(A1)或いは図6(B)に示したトレパンバー1及び
外筒2を具備したハンドピース(A2)の要部構成を説
明するための断面図で、図中、10はハンドピースで
(バキュームホース,電源コードは省略してある)、該
ハンドピース10内には、前述のトレパンバー1を前進
・後退動させるためのトレパンバー移動用モータ11及
び該トレパンバー1を回転させるためのトレパンバー回
転用モータ16が収納されており、前述のように、外筒
2と3の間を吸引して外筒2及び3の先端に皮膜を密着
させ、その状態で、これらモータ11及び16により、
トレパンバー1を前進及び回転させ、皮膜に穴をあける
ようにしている。
【0032】次に、モータ11によってトレパンバー1
を前進・後退させ、モータ16によって回転させる機構
について説明する。モータ11の回転は、該モータ11
の回転軸に連結されたボルト13(送りネジ)に伝達さ
れるが、このボルト13はモータ16に取り付けられて
いるナット14と螺合している。また、モータ11から
は回転止め用のバー12が突出しており、このバー12
の先端部がモータ16側に設けられた凹部15に係合す
るようになっており、従って、モータ11を回転してボ
ルト13を回転させると、モータ16に取付けられてい
るナット14が、モータ11の回転方向によって前進或
いは後退する。一方、モータ16の回転はベアリング1
8によって、該モータ16と一体構成の可動体17に対
して回転自在に支持された回転軸19に伝達され、該回
転軸19の先端部に設けられたOリング20にトレパン
バー1の端部が挿通,固定されるようになっている。
【0033】従って、モータ11を回転させると、該モ
ータ11の回転方向によって、モータ16及び回転軸1
9が可動体17と共に前進又は後退し、従って、トレパ
ンバー1も前進又は後退し、モータ16を回転させるこ
とにより、トレパンバー1が回転し、それによって、前
述のように、該トレパンバー1を回転及び前進させるこ
とにより皮膜に穴をあけることができる。
【0034】トレパンバー1は、図1(A)に示したよ
うに、外筒2内に回転自在に挿通されており、外筒2と
3の間には間隙Gが設けられ、この間隙Gを通して皮膜
80表面に陰圧が加えられるようになっている。図2に
おいて、A部は前記間隙Gに陰圧をかける機構を示す
が、該A部の構造をより詳細に示すために、図2におい
て、A1にて拡大して示してある。
【0035】図2において、21は前記外筒2と3の間
の間隙Gに陰圧を供給するための陰圧供給口で、該陰圧
供給口21に、図示しないバキューム装置からのバキュ
ームチューブが接続されるようになっている。バキュー
ム供給口21から供給された陰圧は、外筒3に設けられ
た開口3aを通して該外筒3と外筒2との間の間隙Gに
伝達される。外筒3と2との間の間隙Gは、開口21よ
り後方(回転軸19側)では盲リング5により支持さ
れ、開口21より前方(先端側)では通孔を有するリン
グ6によって支持され、これにより、外筒3と2とが同
軸に支持され、開口21より印加された陰圧が外筒3と
2の先端部間隙に加わり、図1(A)に示したようにし
て、水晶体の皮膜80を間隙G方向に吸引する。
【0036】なお、図2には、図1(A)に示した水晶
体皮膜吸引機能を有する水晶体皮膜穴あけ用ハンドピー
スについて説明したが、該ハンドピースは、図6(B)
にした水晶体皮膜吸引機能を有するハンドピースにも適
用可能であり、その場合には、前述の外筒3は不要であ
り、図2中にA2にて拡大して示すように、外筒2に開
口2aを設け、該開口2aを通して外筒2内に陰圧を印
加することにより、外筒2とトレパンバー1との間の間
隙に陰圧を与えることができ、更に、該外筒2の前記開
口2aに対向した位置において、トレパンバー1の周囲
に多数の小孔を設けることによって、該トレパンバー1
内にも陰圧を印加することができる。
【0037】図3は、本発明による水晶体皮膜穴あけ用
ハンドピースの他の実施例を説明するための要部断面構
成図で、本発明では、図2に示した発明で使用した前進
・後退用のモータ11を省略し、それに代わって、回転
軸19の先端部をシリンダ19a,ピストン19bにて
構成にし、このピストン19bの先端に、図1(A)或
いは図6(B)に示した構成の水晶体皮膜吸引機能を付
加するようにしたものである。すなわち、図3におい
て、25はピストン19bを後退した位置に維持してお
くためのばね部材で、該ばね部材25によってピストン
19bは常時は後退された位置にあり、従って、トレパ
ンバー1の先端は外筒2内に収容されている状態にあ
る。
【0038】ここで、穴あけ作業時に、圧力供給口26
より加圧空気を供給すると、該加圧空気は通路26aを
通してシリンダ19a内に供給され、ピストン19bの
後端部を矢印A方向に押し、これにより、トレパンバー
1の先端部を外筒2の先端より前方に突出させることが
でき、また、モータ16の回転によって、水晶体の皮膜
に穴をあけることができる。この時、同時に、陰圧供給
口27,28に図示しないバキューム装置より陰圧を供
給すると、陰圧供給口27より外筒2内に、陰圧供給口
28よりトレパンバー1内に陰圧を供給することができ
る。なお、この場合、外筒が図1(A)に示した2重管
構造のものであっても、外筒3と2の間の間隙及び外筒
2内には陰圧供給口27より陰圧を供給し、トレパンバ
ー1内には陰圧供給口28より陰圧を供給することがで
きる。勿論、この場合の陰圧供給機構を図2に示した陰
圧供給機構に置き換えることは可能であり、逆に、この
図3に示した陰圧供給機構を図2に示した陰圧供給機構
に置き換えてもよいことは容易に理解できよう。
【0039】図4は、本発明による水晶体皮膜穴あけ用
ハンドピースの他の実施例を示す図で、このハンドピー
スは、図3に示したハンドピースにおけるモータ16に
代わって、ハンドピース本体10側に設けられた回転磁
界発生用のステータコイル30と、回転軸19の外周面
に設けられたロータ磁石31を用いて、回転軸19を回
転するようにするとともに、該回転軸19を、図3に示
した実施例と同様に、シリンダ部19aとピストン部1
9bとにより構成し、該ピストン部19bをシリンダ部
19aに対して前進・後退動させるようにしたものであ
る。
【0040】而して、図4に示した実施例においては、
センターパイプ(内筒)4は回転軸19(ピストン19
b)を貫通してかつハンドピース本体側に固定されて配
設されており、従って、このセンターパイプ4内を通し
て、図1(C)に示した内筒4の前面に陰圧を供給する
ことが可能であり、このハンドピースを使用する時は、
陰圧供給口21及びセンターパイプ4の後部開口を使用
することにより図1(A)〜図1(C)及び図6(B)
に示した全ての陰圧供給機能に対応させることができ
る。ピストン19bはばね32を形状記憶合金33によ
り、常時は、トレパンバー1の先端が外筒2内に収納さ
れた位置にあり、回転軸19が回転する時は、形状記憶
合金ばね33を、例えば、図示しないヒータコイルによ
り加熱することにより徐々に伸長させてピストン19b
を前進させ、それによって、トレパンバー1の先端が外
筒2より突出するようにしている。
【0041】図5は、本発明による水晶体皮膜穴あけ用
ハンドピースの他の実施例を説明するための要部構成図
で、この実施例は、図示しないモータによって回転され
る回転軸40を回転軸19に対して偏心して平行に有
し、該回転軸40の回転を回転伝達機構(例えば、ベル
ト)41を介して回転軸19に伝達するようにし、該回
転軸19のピストン軸19bを、前述のように、前進・
後退動させるようにしたものである。図5において、3
5はピストン19bを、常時は、後退位置に維持してい
るばね部材で、この時は、トレパンバー1の先端は、外
筒2の中に収容されているが、陰圧供給口36より図示
しないバキューム装置により、陰圧が供給されると、ピ
ストン19bが前進し、それによって、トレパンバー1
の先端が外筒2より突出し、前述のごとくして、水晶体
の皮膜に穴をあけることができる。
【0042】而して、この実施例においても、センター
パイプ4は、回転軸19(ピストン19a)を貫通して
延長してかつハンドピース本体側に固定されており、図
4に示した実施例と同様、該センターパイプ4内、及
び、陰圧供給口21を通して、水晶体の皮膜に陰圧を供
給することができ、図1(A)〜図1(C)及び図6
(B)に示した全ての形態の陰圧供給機構に対応するこ
とができる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、水晶体の皮膜に陰圧を与えて該皮膜を外筒の
前面に張る手段と、該陰圧によって張られた水晶体皮膜
に向けてトレパンバーを前進させる手段と、常時は、該
トレパンバーの先端部を外筒内に収納しておく手段と、
該トレパンバーを回転させる手段とをハンドピース内に
効果的に組み込むことができ、しかも、トレパンバー,
外筒,内筒を着脱自在に取り付けることができ、従っ
て、使い捨て可能にして、より衛生的な白内障の治療が
可能な水晶体皮膜穴あけ用ハンドピースを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による水晶体皮膜穴あけ用ハンドピー
スに適用される水晶体皮膜穴あけの機構例(水晶体皮膜
の表面に陰圧を供給するための構成例)を説明するため
の図である。
【図2】 本発明による水晶体皮膜穴あけ用ハンドピー
スの一実施例を説明するための要部構成図である。
【図3】 本発明による水晶体皮膜穴あけ用ハンドピー
スの他の実施例を説明するための要部構成図である。
【図4】 本発明による水晶体皮膜穴あけ用ハンドピー
スの他の実施例を説明するための要部構成図である。
【図5】 本発明による水晶体皮膜穴あけ用ハンドピー
スの更に他の実施例を説明するための要部構成図であ
る。
【図6】 トレパンバーの一例及びその使用例を説明す
るための図である。
【図7】 本出願人が先に提案した皮膜穴あけ装置の全
体構成を示す図である。
【図8】 本出願人が先に提案した皮膜穴あけ装置のハ
ンドピース部の詳細を説明するための図である。
【符号の説明】
1…トレパンバー、2,3…外筒、4…内筒(センター
パイプ)、10…ハンドピース、11…トレパンバー移
動用モータ、12…回転止め用のバー、13…ボルト、
14…ナット、16…トレパンバー回転用モータ、17
…可動体、18…ベアリング、19…回転軸、19a…
シリンダ部、19b…ピストン部、20…Oリング、2
1…バキューム供給口、22,23…Oリング、25…
ばね、26…加圧空気供給口、27,28…陰圧供給
口、30…ステータコイル、31…ロータ磁石、32…
ばね、33…形状記憶ばね、35…ばね、36…陰圧供
給口、40…回転軸、41…回転伝達機構。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、該回転軸を回転するための第
    1のモータと、該第1のモータと前記回転軸とを一体的
    に前後動させるための第2のモータと、前記回転軸の先
    端に着脱自在に装着されるトレパンバーと、該トレパン
    バーが挿通される第1の固定外筒と該第1の固定外筒の
    外側に該第1の固定外筒に対して所定の間隙をもって配
    設された第2の固定外筒とからなる2重管と、前記トレ
    パンバー内及び/又は前記2重管の前記第1の固定外筒
    と第2の固定外筒の間の前記間隙に陰圧を印加するため
    の陰圧印加手段とを有し、穴あけ作業時は前記第2のモ
    ータにより前記第1のモータと一体の回転軸を前進させ
    て前記トレパンバーの先端を前記2重管より突出させ、
    常時は前記第2のモータにより前記第1のモータと一体
    の回転軸を後退させて前記トレパンバーの先端を前記2
    重管内に収容していることを特徴とする水晶体皮膜穴あ
    け用ハンドピース。
  2. 【請求項2】 シリンダ部,該シリンダ内を軸方向に移
    動可能なピストン部材を有する回転軸と、前記ピストン
    部材の先端に着脱自在に装着されるトレパンバーと、該
    トレパンバーが挿通される第1の固定外筒と該第1の固
    定外筒の外側に該第1の固定外筒に対して所定の間隙を
    もって配設された第2の固定外筒とからなる2重管と、
    前記トレパンバー内及び/又は前記2重管の前記第1の
    固定外筒と第2の固定外筒の間の前記間隙に陰圧を印加
    する手段と、前記ピストン部材を後退位置にして前記ト
    レパンバーの先端が前記2重管内に収容された位置にす
    るための力を前記ピストン部材に印加するためのばね部
    材と、前記シリンダ内において前記ピストン部材の後端
    面に加圧空気を印加するための手段とを有し、該ピスト
    ンの後端面に前記加圧空気が印加された時に該ピストン
    部材を前記ばね部材に抗して前進させ前記トレパンバー
    の先端を前記2重管の先端より突出させるようにしたこ
    とを特徴とする水晶体皮膜穴あけ用ハンドピース。
  3. 【請求項3】 トレパンバー内に挿通されるセンターパ
    イプが貫通される回転軸と、該回転軸を回転する回転駆
    動手段と、前記回転軸を前進・後退動させる往復駆動手
    段と、前記トレパンバーが挿通される固定外筒と、前記
    トレパンバーと外筒との間の間隙及び前記センターパイ
    プ内に陰圧を供給する手段とを有することを特徴とする
    水晶体皮膜穴あけ用ハンドピース。
  4. 【請求項4】 前記トレパンバーの先端は、常時は、前
    記外筒内に後退されており、前記陰圧が印加された時に
    前進して前記外筒の先端より突出することを特徴とする
    請求項3に記載の水晶体皮膜穴あけ用ハンドピース。
  5. 【請求項5】 前記回転軸は、シリンダ部材とピストン
    部材から成り、該ピストン部材には前記トレパンバー内
    に挿通されたセンターパイプが貫通され、かつ該ピスト
    ンはばね部材及び形状記憶合金ばねによって常時は後退
    した位置に維持され、前記形状記憶合金ばねが加熱され
    て前記ピストン部材が前進した位置に移動されることを
    特徴とする請求項3又は4に記載の水晶体皮膜穴あけ用
    ハンドピース。
  6. 【請求項6】 前記シリンダの外周部にロータ磁石を有
    し、該ロータ磁石と一体の前記回転軸をハンドピース本
    体に設けられたステータコイルによって生成される回転
    磁界によって回転するようにしたことを特徴とする請求
    5に記載の水晶体皮膜穴あけ用ハンドピース。
  7. 【請求項7】 前記回転軸はシリンダ部材とピストン部
    材とから成り、該ピストン部材には前記トレパンバー内
    に挿通されたセンターパイプが貫通されかつ該ピストン
    部材はばね部材によって常時は後退した位置に維持さ
    れ、該ピストン部材と前記シリンダの間において前記ピ
    ストン部材に加えられた陰圧によって該ピストン部材が
    前進した位置に移動されることを特徴とする請求項3又
    は4に記載に記載の水晶体皮膜穴あけ用ハンドピース。
  8. 【請求項8】 前記回転軸に対して偏心した位置に前記
    回転軸を回転させるための駆動用回転軸を前記回転軸と
    平行に有し、該駆動用回転軸の回転を前記トレパンバー
    を一体に有する回転軸に伝達するようにしたことを特徴
    とする請求項7に記載の水晶体皮膜穴あけ用ハンドピー
    ス。
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