JP3046007U - クランプ型漏れ電流計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低周波数の特定周波数電流値を極めて簡単、
且つ、正確に測定することができ、しかも、軽量で作業
性に優れたクランプ型漏れ電流計を安価に提供すること
を目的とする。 【解決手段】 低周波数の特定周波数電流値を測定表示
する回路を内蔵した電流計本体１と一体に、カレントト
ランスフォーマー１５を収納したクランプ２を開閉自在
に設けてクランプ型漏れ電流計を構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はクランプ型漏れ電流計に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、キュービクル等のフィールドにおける絶縁不良箇所の探査には、図４に 示すようにクランプ部３１内にカレントトランスフォーマーを収納した電流検出 器３０と、先端にワニ口グリップ３３等を取り付けた電圧入力用の長尺なリード 線３２を電流計本体３４に接続し、前記、電流検出器３０のクランプ部３１を対 象電路に挟み込んでＩg 電流を入力すると共に、リード線３２の先端に設けたワ ニ口グリップ３３等を電源電路に接続し、Ｉg 電流と電圧との同相成分をＩg r 電流として取り出し、これを表示するように構成されたＩg r 方式絶縁監視用探 査器が用いられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述のように構成された探査器においては、Ｉg 電流と電圧と の同相成分をＩg r 電流として表示しているために、電圧を入力するための長尺 なリード線３２を必要とするばかりでなく、キュービクル等のフィールドにおい て電圧を入力する箇所を選定してリード線３２を接続する作業を極めて面倒で、 しかも、Ｉg 電流と電圧との同相成分をＩg r 電流として検出しているために内 部回路が複雑で大型化するため安価に提供し得ないばかりでなく、キュービクル 等のフィールドや狭い場所での作業性が極めて悪く、さらには、周波数の異なる Ｉg r 方式絶縁監視装置には適応し得ない等の問題点があった。

【０００４】 本考案は上記問題点を鑑みなされたもので、キュービクル等のフィールドにお いて、低周波数の特定周波数電流値を極めて簡単、且つ、正確に測定することが でき、しかも、周波数の異なるＩg r 方式絶縁監視装置に適応し得るばかりでな く、軽量で作業性に優れたクランプ型漏れ電流計を安価に提供することを目的と する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、Ｉ₀ 電流値及びＩg 電流値を測定表示する回路を内蔵した電流計本 体１の先端部に、カレントトランスフォーマー１５を収納した開閉自在のクラン プ２を一体に設けると共に、前記クランプ２内に収納されたカレントトランスフ ォーマー１５と電流値表示部４との回路上に、カレントトランスフォーマー１５ により入力された電流を電圧に変換するシャント抵抗１６及び電流値切替スイッ チ５、前記シャント抵抗１６により変換された電圧を信号レベルまで増幅する増 幅器１７、フィルタスイッチ７、前記電流値切替スイッチ５と連動するＩ₀ ／Ｉ g 切替スイッチ８、ローパスフィルタ１８、５０Ｈ_Z 及び６０Ｈ_Z を除去するノ ッチフィルタ１９、複数の特定周波数電流を抽出する特定周波数フィルタ２０、 増幅器２１、電流値表示用のＲＭＳ・ＤＣコンバータ２２及びＡ／Ｄコンバータ ２３を設けて、Ｉ₀ 電流値及び抽出された特定周波数のＩg 電流値を測定するよ うにクランプ型漏れ電流計を構成し、従来の問題点を解消したものである。

【０００６】 而して、Ｉ₀ 電流値を検出するには、電流値切替スイッチ５をＩ₀ 電流側にセ ットする。電流値切替スイッチ５をＩ₀ 電流側にセットすることにより、該電流 値切替スイッチ５と連動するＩ₀ ／Ｉg 切替スイッチ８は自動的にＩ₀ 電流側に 切り替わる。なお、ローパスフィルタモードを測定する場合にはフィルタスイッ チ７をローパスフィルタ側に入れる。クランプ２を開きカレントトランスフォー マー１５を対象電路に挟み込む。カレントトランスフォーマー１５により入力さ れた電流はシャント抵抗１６により電圧に変換され増幅器１７により信号レベル まで増幅される。この信号が通常のＩ₀ 電流信号となりＲＭＳ・ＤＣコンバータ ２２、Ａ／Ｄコンバータ２３により数値変換され、電流値表示部４によりその数 値が表示される。

【０００７】 Ｉg 電流を検出するには、電流値切替スイッチ５を特定周波数レンジ（例えば ２５Ｈ_Z 、或いは、３０Ｈ_Z ）にセットすることにより、該電流値切替スイッチ ５と連動するＩ₀ ／Ｉg 切替スイッチ８は自動的にＩg 電流側に切り替わる。こ の状態において、クランプ２を開きカレントトランスフォーマー１５を対象電路 に挟み込む。カレントトランスフォーマー１５により入力された電流はシャント 抵抗１６により電圧に変換され増幅器１７により信号レベルまで増幅され、ロー パスフィルタ１８、ノッチフィルタ１９、プログラマブル分周器２２ａ及びスイ ッチトキャパシタフィルタ２２ｂからなる特定周波数フィルタ２０により、特定 周波数（例えば２５Ｈ_Z ）電流が抽出され、増幅器２１、ＲＭＳ・ＤＣコンバー タ２２、Ａ／Ｄコンバータ２３により数値変換され、電流値表示部４によりその 数値が表示される。

【０００８】 従って、その取り扱いが極めて簡単で、しかも、Ｉ₀ 電流値やＩg 電流値の測 定が確実、且つ、正確に行える。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面により説明する。図１は本考案の一実施の形 態を示す正面図、図２は側面図、図３は内部回路を示すブロック図である。

【００１０】 図１及び図２において１は電流計本体、２は電流計本体１の先端部に設けられ た開閉自在のクランプで、該クランプ２内には後述するカレントトランスフォー マー１５が収納されている。３はクランプ開閉レバー、４は電流値表示部、５は ロータリースイッチ等からなる電流値切替スイッチで、該電流値切替スイッチ５ は通常のＩ₀ 電流値のフルスケースを切り替える。該電流値切替スイッチ５は、 後述するシャント抵抗１６の抵抗値及びＩ₀ ／Ｉg 切替スイッチ８の切り替えを 兼ねるものである。６は電源スイッチ、７はフィルタスイッチで、該フィルタス イッチ７はＩ₀ 電流においてローパスフィルタモードを測定する際に使用する。 １０は１００Ｖ／２００Ｖ切替スイッチで、該スイッチ１０は対象電路の電圧に より１００Ｖ側又は２００Ｖ側に切り替える。例えば、１００Ｖ電路であれば１ ００Ｖ側に入れることにより電流値は１００Ｖ電路に応じた数値として後述する 増幅器２１により換算される。１１は後述するＡ／Ｄコンバータと接続したデー タホールドスイッチ、１２は記録計出力部で、この記録形出力部１２は長時間に 亘りＩ₀ 電流値、Ｉg 電流値をアナログモニターする際に使用するものである。 １３はＤＣ入力端子、１４は乾電池収納室である。

【００１１】 図３において１５はカレントトランスフォーマーで、このカレントトランスフ ォーマー１５は前述した電流計本体１に開閉自在に設けられたクランプ２内に収 納されている。１６はシャント抵抗で、該シャント抵抗１６によりカレントトラ ンスフォーマー１５から入力された電流は電圧に変換される。１７は増幅器で、 該増幅器１７によりシャント抵抗１６により変換された電圧は通常のＩ₀ 電流信 号レベルまで増幅される。１８は１３０Ｈ_Z ローパスフィルタ、１９は５５Ｈ_Z ツインＴフィルタ１９ａ及び１９ｂからなるノッチフィルタで、該ノッチフィル タ１９により５０Ｈ_Z 、６０Ｈ_Z は除去される。２０は特定周波数フィルタで、 該特定周波数フィルタ２０はプログラマブル分周器２０ａ及びスイッチトキャパ シタフィルタ２０ｂにより構成され、電流値切替スイッチ５により設定した特定 周波数電流を抽出する。例えば、電流値切替スイッチ５を２５Ｈ_Z にセットした 場合には、２５Ｈ_Z の特定周波数電流を抽出し、３０Ｈ_Z にセットした場合には ３０Ｈ_Z の特定周波数電流を抽出する。９は電流値切替スイッチ５の特定周波数 レンジ接点である。２１は増幅器で、該増幅器２１は電流値を１００Ｖ、２００ Ｖ電路に応じて換算するためのものである。８はＩ₀ ／Ｉg 切替スイッチで、該 Ｉ₀ ／Ｉg 切替スイッチ８は電流値切替スイッチ５と連動し、該電流値切替スイ ッチ５をＩ₀ 電流側にセットし、または、特定周波数Ｉg レンジ側にセットする ことにより自動的にＩ₀ 電流側、Ｉg 電流側に切り替わる。２２、２３は電流値 表示用のＲＭＳ・ＤＣコンバータ及びＡ／Ｄコンバータである。

【００１２】 上述のように構成した本考案のクランプ型漏れ電流計を用いてＩ₀ 電流を測定 するには、電源スイッチ６をＯＮにし、電流値切替スイッチ５をＩ₀ 電流側にセ ットすることにより、該電流値切替スイッチ５と連動するＩ₀ ／Ｉg 切替スイッ チ８は自動的にＩ₀ 電流側に切り替わる。なお、ローパスフィルタモードを測定 する場合にはフィルタスイッチ７をローパスフィルタ側に入れる。

【００１３】 次いで、クランプ開閉レバー３によりクランプ２を開き、該クランプ２内に収 納されたカレントトランスフォーマー１５を対象電路に挟み込む。

【００１４】 カレントトランスフォーマー１５により入力された電流は、シャント抵抗１６ により電圧に変換され、増幅器１７により信号レベルまで増幅される。この信号 が通常のＩ₀ 電流信号となり、ローパスフィルタモードを選択した場合にはフィ ルタスイッチ７、Ｉ₀ ／Ｉg 切替スイッチ８を通りＲＭＳ・ＤＣコンバータ２２ 及びＡ／Ｄコンバータ２３により電流値変換され、電流値表示部４に検出された Ｉ₀ 電流値が表示される。

【００１５】 また、特定周波数Ｉg レンジを選択する場合には、電流値切替スイッチ５を特 定周波数レンジ（例えば２５Ｈ_Z 、或いは、３０Ｈ_Z ）にセットする。該電流値 切替スイッチ５を特定周波数レンジにセットすることによりＩ₀ ／Ｉｇ切替スイ ッチ８は自動的にＩg 電流側にセットされる。

【００１６】 次いで、クランプ開閉レバー３によりクランプ２を開き、該クランプ２内に収 納されたカレントトランスフォーマー１５を対象電路に挟み込む。

【００１７】 カレントトランスフォーマー１５により入力された電流は、シャント抵抗１６ により電圧に変換され、増幅器１７により信号レベルまで増幅される。この信号 は１３０Ｈ_Z ローパスフィルタ１８、５０Ｈ_Z 及び６０Ｈ_Z 除去用ノッチフィル タ１９、特定周波数フィルタ２０と流れ特定周波数電流が抽出される。この特定 周波数電流は増幅器２１により１００Ｖ、２００Ｖ電路に応じて換算され、換算 された特定周波数電流はＲＭＳ・ＤＣコンバータ２２及びＡ／Ｄコンバータ２３ により特定周波数電流値に変換され、電流値表示部４に表示される。

【００１８】 従って、クランプ２を対象電路に挟み込むだけの極めて簡単な作業で、Ｉ₀ 電 流値は勿論のこと、特定周波数電流を抽出しそのＩg 電流値を正確に測定するこ とができるので、周波数の異なるＩg r 方式絶縁監視装置に適応でき、しかも、 構造が簡単で、且つ、軽量なことから取り扱いが容易で、キュービクル等のフィ ールドや狭い場所での作業性を著しく向上させ得る。

【００１９】 また、長時間の電流値の記録を必要とする際には、記録計出力部１２にアナロ グモニターを接続することで、極めて簡単に電流値の記録を得ることができる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案によれば上述のように、Ｉ₀ 電流値は勿論のこと、特定周波数電流を抽 出しそのＩg 電流値を正確に測定できるので、周波数の異なるＩg r 方式絶縁監 視装置に適応することができるばかりでなく、構造が簡単で軽量なことからキュ ービクル等のフィールドや狭い場所での作業性に優れたクランプ型漏れ電流計を 安価に提供し得る等の優れた実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施の形態を示す正面図。

【図２】本考案の側面図。

【図３】本考案の内部回路を示すブロック図。

【図４】従来のＩg r 方式絶縁監視用探査器を示す説明
図。

【符号の説明】

１ 電流計本体 ２ クランプ ４ 電流値表示部 ５ 電流値切替スイッチ ７ フィルタスイッチ ８ Ｉ₀ ／Ｉg 切替スイッチ １５ カレントトランスフォーマー １６ シャント抵抗 １７ 増幅器 １８ ローパスフィルタ １９ ノッチフィルタ ２０ 特定周波数フィルタ ２１ 増幅器 ２２ ＲＭＳ・ＤＣコンバータ ２３ Ａ／Ｄコンバータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０１Ｒ 31/02 Ｇ０１Ｒ 15/02 Ｆ Ｈ０１Ｆ 38/28 Ｈ０１Ｆ 40/06

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｉ₀ 電流値、Ｉg 電流値を測定表示する
   回路を内蔵した電流計本体（１）の先端部に、カレント
   トランスフォーマー（１５）を収納した開閉自在のクラ
   ンプ（２）を一体に設けたことを特徴とするクランプ型
   漏れ電流計。
2. 【請求項２】 クランプ（２）に収納したカレントトラ
   ンスフォーマー（１５）と、電流計本体（１）に設けた
   電流値表示部（４）との回路上に、カレントトランスフ
   ォーマー（１５）により入力された電流を電圧に変換す
   るシャント抵抗（１６）、電流値切替スイッチ（５）、
   前記シャント抵抗（１６）により変換された電圧を信号
   レベルまで増幅する増幅器（１７）、フィルタスイッチ
   （７）、前記電流値切替スイッチ（５）と連動するＩ₀
   ／Ｉg 切替スイッチ（８）、ローパスフィルタ（１
   ８）、５０Ｈ_Z 及び６０Ｈ_Z を除去するノッチフィルタ
   （１９）、複数の特定周波数電流を抽出する特定周波数
   フィルタ（２０）、増幅器（２１）、電流値表示用のＲ
   ＭＳ・ＤＣコンバータ（２２）及びＡ／Ｄコンバータ
   （２３）を設け、Ｉ₀ 電流値及び抽出された特定周波数
   のＩg 電流値を測定することを特徴とする請求項１記載
   のクランプ型漏れ電流計。