JP3045516B2 - 動的推論パターン生成システム - Google Patents

動的推論パターン生成システム

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JP3045516B2 JP2103754A JP10375490A JP3045516B2 JP 3045516 B2 JP3045516 B2 JP 3045516B2 JP 2103754 A JP2103754 A JP 2103754A JP 10375490 A JP10375490 A JP 10375490A JP 3045516 B2 JP3045516 B2 JP 3045516B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ファジイ推論システムであるパターン型推
論システムに用いる知識獲得のための動的な推論パター
ン生成システムに関する。
[従来の技術] ファジィ理論の応用は機器、プラントの制御から始ま
り十数年の間に家庭電気品や金融などにも応用されるよ
うになった。'89年通産省主導で設立された国際ファジ
ィ工学研究所の研究などから各種システムとの融合がさ
らに広がるものと期待される。制御理論では記号と数式
は別々に記述されるがファジィでは双方を少数のルール
で記述できる。また物理則以外に「心地よく」など人間
の感性を数量化できることからさらにファジィ応用が増
加している。
以上のファジィ化はルールに対してであるが今後応用
のレベルが進み多入力/多出力系に移行する際は状態空
間記述を必要とする。
本発明者らは、ファジィ推論システムであるパターン
型推論システムを先に提案した(特開平2−98738号公
報「知識コンパイル・パターン型推論システム」。これ
は状態空間モデル構築用ツールで多入力/多出力系の状
況変動の観測・予測を可能とし単体でも数千ルール以上
のリアルタイム診断系が構築できるものである。実用的
な問題解決システムには緻密な知識とモデルと現実世界
をシミュレートできる高速処理が必要となる。ファジィ
コントローラや動的状況観測系に使用できるよう上記パ
ターン型推論システムのパターンテーブル(高次ファジ
ィ関数行列)の処理は並列化して高速処理を可能とし
た。また関連の無い組合せがあれば部分行列化してさら
に空間の圧縮と処理高速化を可能とした。
ルール記述は容易でも高次の関数を作成することは容
易でなく知識獲得システムを必要とする。人間は高次の
ダイナミクスに追従できず、多くの情報組合せを判断す
ることも不得手であるので社会や制御のシステムあるい
は自然システムにおいて宣言的知識は問題の全貌を記述
できない。
知識を帰納的に獲得することは状況をつぶさに見渡し
て間違いのない判断を行う実用システム構築には必要で
ある。
知識応用のシステムを構築しようとすると、知識を記
述しこれを用いて推論する枠組と、そこに記述する知識
自体とが必要である。知識処理を実現するシステムがあ
っても、そこに有効な知識の記述がなされなければ、シ
ステムは有効に動作しない。
従って、知識処理を実際に実行する実行処理システム
とは別に、有効な知識を得るための知識獲得システムを
考える必要がある。
前述の本発明者らの「知識コンパイル・パターン型推
論システム」においては、実行処理システムとそれに適
合する知識獲得システムである知識コンパイルシステム
からなっている。以下に、その概要を説明する。
1)実行処理システム まず、知識を記述しこれを用いて推論を行なう機構に
ついて説明する。
パターン型推論システムの知識データベースはファジ
ィ関数を要素とする高次の関係行列を知識記述枠組とし
て持ち、推論形態としてはこの関係行列を用いて入力デ
ータの評価を行い出力を得るという形態を取るシステム
である。記述可能な知識としては、ファジィ関数行列の
他、入力データの特性を記述する正規化データ,入力デ
ータ間の重みを記述する入力フィルタ,推論実行を制御
する検索テーブルなどがある。また、推論形態として
は、単純な照合演算の他、積分モデルである状況モデル
なども利用可能である。
通常のファジィ関係行列では多入力/多出力系の状態
を定性的に記述し診断や結論付けが柔軟にできる。この
関係行列の要素は数値かメンバーシップ関数のラベルで
あるが、さらに時系列的なラベル配列を許すと高次推移
関数を軌跡とする分布が記述できる。時間推移から判断
ルールをダイナミックに変化させると多入力/多出力系
の状況変動を観測し予測することが可能となる。高次の
ファジイ関数を要素とするパターンテーブル方式は状態
空間モデルの記述を完全なものとする。同時にプロダク
ションシステムに比べてきわめて高速の処理をもたら
す。有用な問題解決システムには、緻密な知識、いくつ
もある問題の側面を捉えたモデルが必要であるが、現実
世界をシミュレートできる高速処理の機構も必要であ
る。
上記の様なパターン型推論システムの特性を考慮し
て、パターン型推論システムの知識記述であるパターン
テーブルを生成/変更することを目的とした知識獲得シ
ステムが本発明のシステムである。
2)コンパイル型知識獲得システム コンパイラ型の知識獲得システムとは、操作性の良い
環境で記述された知識から、実行処理システムがその目
的のために必要とするデータを抽出し、実行処理システ
ムが扱え、かつ効率良く実行可能なデータに変換する様
なシステムを意味する。丁度、高級言語で記述されたプ
ログラムをマシンコードに変換するいわゆるコンパイラ
と同様の位置付けとなる。
これは、記述された知識からデータに変換するので比
較的静的なシステムであり、変化する入力に応じてパタ
ーンデータを変えて行くというような動的なシステムで
はない。また、宣言された言語的な知識のみしか獲得で
きず、明示的に宣言されない非言語的な知識の獲得はで
きない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、対象などを観測して得られる動的な入力デ
ータを基に、実行処理システムがその目的のために必要
とするデータを抽出し、実行処理システムが扱え、かつ
効率良く実行可能なデータに変換するような推論パター
ン生成システムを提供することを目的とするものであ
る。
また、本発明は動的な入力データを解析し、知識処理
上有効なデータの組み合せや判定条件を抽出することの
できる推論パターン生成システムを提供することを目的
とするものである。
また、本発明は明示的に宣言されない非言語的な知識
の獲得をすることのできる推論パターン生成システムを
提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明による動的推論パターン生成システムは、基本
的には、入力された定量的な多次元データから多次元特
徴空間内の確率分布によって表現したデータヘ変換処理
する第1の処理手段(11)と、この第1の処理手段によ
って得られたデータからパターン型推論の実行に用いる
推論パターンデータを生成する第2の処理手段(12)と
を備えたものである。
本発明の一態様によれば、第1の処理手段は、多次元
特徴空間内の確率分布を、その多次元特徴空間を一定区
間ごとに分割した領域の各領域ごとに重み与えて成る多
次元重み行列として表現する処理を行うものである。な
お、一定区間ごとに分割した領域というのは第4図に示
すように連続的な多次元空間を量子化した際の各量子化
の単位の領域を意味するものである。
本発明の他の態様によれば、第1の処理手段は、入力
された定量的な多次元データの値に対応した多次元特徴
空間上の座標において、入力による効果を記述する多次
元の効果行列を多次元重み行列に加算する演算処理手段
(1102)を有する。(この加算処理による多次元重み行
列の変更方式を重み加算方式と呼ぶ) さらに、本発明の他の態様によれば、第1の処理手段
は、入力された多次元データの値に対応した多次元特徴
空間上の座標に向かって、多次元重み行列に記述された
確率分布を移動させる処理を行う演算処理手段(1102)
を有する。(この移動処理による多次元重み行列の変更
方式を重み移動方式と呼ぶ) さらに、本発明の他の態様によれば、第1の処理手段
は、多次元重み行列の表現において特定軸方向の重み合
計値を算出する手段(B,C)を有する。
さらに、本発明の他の態様によれば、第1の処理手段
は、入力された多次元データの履歴を記憶する入力履歴
記憶手段(13)と、前記演算処理手段(1102)へ入力す
る多次元データの値を入力履歴記憶手段に記憶された入
力データの履歴に基づき決定する前処理手段(1101)と
を有する。
また、本発明は、上述の第1の処理手段および第2の
処理手段からなる構成に加えて、さらに、第1の処理手
段により生成された多次元重み行列に対して、データ解
析による評価を行い、第2の処理手段に評価結果を出力
する第3の処理手段 (17)を設けた構成とすることができる。
[作用] 基本的な入力は、計測などによって取得される多次元
のデータ群で、基本的な出力は、パターン型推論システ
ムのパターンテーブル(高次ファジィ関数行列)であ
る。また、入力されたデータは基本的には、第1の処理
手段により確率分布と言う形に変換され、適宜の格納手
段で保有される。本発明は、確率分布を求めるようにし
たことにより、どのような計測入力があったたときどの
ような現象があるかというような、多次元の計測入力と
知識との対応を、確率として見ることにより、容易に把
握することができる。すなわち、知識獲得を効率化する
ことができる。
その確率分布としては、具体的態様においては多次元
の重み行列が用いられる。
多次元の重み行列とは基本的には各データを特徴軸と
する多次元空間で、入力されたデータなどを基に空間内
のデータの存在確率(例えば、入力された頻度)を重み
で表現したものである。多次元空間は一定の幅で量子化
されるため、この空間は多次元行列で表現でき、行列の
各要素は量子化された空間の重みとなる。このように量
子化したことにより、演算処理が容易となり処理の高速
化が実現できる。
入力データが与えられると、第1の処理手段(11)に
より多次元の重み行列が変更される。行列の変更方式に
は重み加算方式と重み移動方式の2種類がある。この入
力データによる重み行列変更は、言い替えれば、入力デ
ータによる知識改変と言うことができる。
第2の処理手段(12)において、こうして改変された
知識(=重み行列データ)から、実際に推論処理を行な
うために必要となるルールが抽出される。ルール抽出の
ための条件が入力されると重み行列のデータを参照し、
ルールをパターンテーブルの形で抽出し出力する。
上記の処理を繰り返すことで、動的に、状況に対応し
たルールが抽出されることとなる。言い替えれば、動的
な知識獲得が実現することとなる。
また、多次元重み行列の表現において特定軸方向の重
み合計値などを求めることにより、パターン生成機能の
処理を高速化することができる。
第1の処理手段(11)および第2の処理手段(12)に
加えて、第3の処理手段(17)設けた本発明の態様にお
いては、入出力の処理とは別に知的なデータ解析の機能
を付加することができる。
第3の処理手段(17)により、入力データ,あるいは
重み行列データを解析し、データ間の相関や主要因の分
析や、指定されたデータ群間の分離特性の評価などを行
ない、ヴィジュアル化する。これらの処理の結果に基づ
いて、対象とする処理が必要とするデータを絞り込んだ
り、ルールとして抽出すべき状況などを得るための指針
を得たりすることができる。言い替えれば、制御は勿
論、戦略情報システムなどのための動的データの解析が
実現可能となる。
[実施例] 第1の実施例 第1図は本発明の第1の実施例による動的推論パター
ン生成システムの基本的構成を示す図である。
この実施例のシステムは、大別して、入力処理部部11
と出力処理部12からなり、そのほか必要なデータを記憶
するために、入力履歴記憶部13、時間特性関数格納部1
4、多次元重み行列格納部15、および分布データ格納部1
6を備えている。
また、このシステムが内部で記憶するデータとして主
要なものは、入力データバッファ13に格納される履歴デ
ータ,時間特性関数格納部14の時間特性関数、多次元重
み行列格納部15に格納される多次元重み行列、分布デー
タ格納部16に格納される分布データなどがある。
システムに外部から入力されるデータは、計測データ
などの入力データの他、どのように分析して欲しいかを
示す分析条件,どのようなパターンを欲しいかを示す出
力条件などの指定がある。また、外部に出力されるデー
タは、パターンテーブル,入力データ項目の重要度を記
述するフィルタデータの他、マンマシンインタフェース
(MMI)出力としての特徴空間表示などがある。
以下、本実施例のシステムの各部の機能や処理手法に
ついて説明する。
入力処理部11は、前処理部1101および多次元重み行列
生成・更新部1102を有している。前処理部1101は入力さ
れるデータを入力履歴記憶部13に格納したり、入力履歴
データによる入力データの持つ特性や時間特性関数等を
考慮した入力処理を施して、入力データを多次元重み行
列生成・更新部1102に与えるものである。多次元重み行
列生成・更新部1102は、入力データによる重み行列の操
作の処理を行なう。
前処理部1101においては、連続的に入力されるデータ
を入力履歴記憶部13に転送し、入力履歴の保存をする。
入力履歴記憶部13は連続した一定回数の入力データを保
持するリングバッファとして構成することができる。異
常な入力データの影響を緩和するために、リングバッフ
ァに格納された一定数のデータの平均値をとって多次元
重み行列生成・更新部1102へ入力する。なお、より新し
いデータの影響を強くし古いデータの影響を弱くすると
いったある種の忘却の特性を持たせるように処理するこ
ともできる。この場合には、時間特性関数格納部14に予
め格納してある第7図に示すような時間特性関数を利用
して履歴データの古いものほど重みを小さくし、新しい
データになるに連れて重みを大きくした加重平均データ
生成し、これを多次元重み行列生成・更新部1102への入
力データとする。なお、第7図に示す時間特性関数は、
継続的な知識改変に加えて、新しいデータ(時刻t1以
降)の影響を強く反映させる形の入力合成を行うという
時間に対する特性を記述するものである。
重み行列の操作方式として、本実施例では、2つの形
態すなわちそれぞれ本発明に特有な重み加算方式および
重み移動方式のいずれかを用いる。
重み加算方式は、入力データに対応した空間に文字通
り重みを加算することにより、重み行列を操作する方式
である。操作する範囲や加算する重み量は、特徴空間の
空間の特性などによって与えられる効果行列や、指定さ
れる効果量Eなどによって制御される。その処理概要
は、まず多次元の入力データD1、効果量Eを入力する。
次に、重み行列上の入力データD1に対応する座標を中心
に、効果行列(重み)を効果量Eで定まる強さで加算す
る。出力処理部12の正規化処理用に、加算時に重み総量
We、各軸の各軸座標に対応する重み総量にも加算する。
第3図(a)〜(C)は、重み加算方式の処理の過程を
説明するための図で、上部の曲線は、データ入力(+印
は入力を表す)による重み行列の変化を示している。ま
た、同図の下部の曲線は、この重み行列から指定の条件
(P1軸に平行で、P2=三角印)で抽出される分布関数を
示す。同一条件の分布関数(ルール)も、データ入力に
よって動的に変化することが示されている。
第2図は重み加算方式の処理フローを示す図である。
この処理フロー図により処理手順を詳細に説明する。
(ステップ201) 多次元の入力データDi、効果量Eを入力する。多次元
の入力データDiとしては、例えば火災報知システムにお
いて、ビル内外の各部に配置されたセンサによって刻々
と検出される室内温度、外気温度、塵埃量、ガス洩れ量
等の対象の状況を表すデータや、火災報知器のスイッチ
のオン、オフ等の前記状況の種類を表すデータなどがあ
る。効果量Eは入力により多次元重み行列にどの程度の
影響を及ぼさせるかを決定する値であり、入力の特性を
考慮して予め決定されているものである。効果行列に効
果量Eを乗じたものが重み加算値となる。効果行列は、
多次元重み行列に対応させて多次元重み行列格納部15に
記憶されている。対象空間の特性(パラメータ間の線形
相関など)が予測される場合には、知識獲得の収束性を
向上させるために効果行列に対象空間の特性を反映させ
ることも可能である。
(ステップ202) 多次元の入力データDiを量子化し、量子化入力座標Zi
を求める。量子化入力座標とは多次元特徴空間の各軸の
入力値を量子化し、座標値を順に割り当てたものであ
る。例えば、ある軸P1が制御入力値(電圧V)であると
し、0.2Vステップで量子化したとすれば、制御入力値と
量子化入力座標値(P1軸)とは、一例として次のように
なる。
(ステップ203) 効果行列の先頭要素のアドレスを、効果行列要素ポイ
ンタPeにセットする。なお、効果行列は第5図(a)あ
いは(b)に示すように入力座標点に対応する点Hを中
心として一定の範囲(この例では3×3の範囲)に分散
した重みの行列からなっている。この行列内の重みは、
この効果行列を適用する多次元重み行列の特性を考慮し
て決定される。すなわち、対象空間の特性(パラメータ
間の線形相関など)が予測される場合には、知識獲得の
収束性を向上させるために効果行列に対象空間の特性を
反映させる。第5図(a)の効果行列Dは第4図の多次
元重み行列AのPl,P2間の相関が右上がりの方向に延び
る形の特性であるため、左下から右上への対角線の重み
を大きくしている。第5図(b)の効果行列Fは中心か
ら周辺に向って重みの値が小さくなるようにした一様な
分散を持ったものである。
(ステップ204) 以下のステップ205〜211の処理を、効果行列要素ポイ
ンタPeの指す要素が、効果行列の最後の要素になるまで
繰り返す。ステップ204では最後の要素になったか否か
を判定する。
(ステップ205) 効果行列要素ポインタPeの指す効果行列要素の値に効
果量Eを乗じ、加算重みWaを求める。
(ステップ206) 効果行列Dの中心H(第5図(a))を多次元重み行
列Aの量子化入力座標Ziに重ねた際に、効果行列要素ポ
インタPeの指す要素に対応する重み行列要素のアドレス
を重み行列要素ポインタPwにセットする。すなわち、こ
のステップでは、効果行列の要素のアドレスとこれに対
応する加算すべき多次元効果行列Aの要素のアドレスと
を求めることになる。
(ステップ207) 加算重みWaを、重み行列要素ポインタPwの指す要素に
加算する。
第6図の重み行列Aの中央の太い線で囲った部分は、
第5図(a)の加算重み行列の中心Hが第4図の入力量
子化座標Zhに重なるようにした場合の重み加算後の重み
示したものである。加算後の全体の多次元重み行列は第
6図のようになる。
(ステップ208) 次に、各軸方向の重みの合計の演算を行うため、重み
行列要素ポインタPWの指す要素の座標を、重み行列座標
ZWにセットする。重み行列要素ポインタPWにはアドレス
がセットされているので、このアドレスを座標値に換算
する。
(ステップ209) 加算重みWaを、重み行列のi軸用重み合計用配列の、
重み行列座標Zwのi軸の座標に対応する要素に加算す
る。この処理を、i=0から重み行列の次元数−1ま
で、iを1ずつ増加しながら繰り返す。すなわち、第6
図の例で説明すると、P1軸方向の軸合計用配列CにP1軸
方向の軸合計値を格納し、P2軸方向の軸合計用配列Bに
P2軸方向の軸合計値を格納する。その合計値を多次元重
み行列が更新される度に行う。例えば、入カデータのあ
った重み行列要素の更新を行ったときは、重み行列要素
のアドレスからP1軸座標およびP2軸座標を求め(ステッ
プ208で前述のように求める)、P1軸座標で軸合計用配
列Bの要素の指定を行うと共にP2軸座標で軸合計用配列
Cの要素の指定を行い、各配列要素に対応する軸合計値
を格納する。このような合計値をここで計算しておくの
は、後で出力処理部で正規化を行うときに必要となり、
正規化の都度多次元重み行列から軸合計を計算すると、
多次元重み行列が更新されたときに更新された部分もそ
うでない部分もすべて計算しなければならないからであ
る。
(ステップ210) 加算重みWaを、重み行列の総量Wtに加算する。
重み行列の総量とは、重み行列の各要素の重みの総和
である。この重み行列の総量Wtも出力処理部12で必要と
なるデータである。
(ステップ211) 効果行列要素ポインタPeを1要素分シフトし、前述し
たステップ204へ移る。
ステップ204の判定により重み加算方式の終了したと
きは、更新されたた多次元重み行列、軸合計値、重み総
量は多次元重み行列格納部15に格納されている。
重み移動方式は、入カデータに対応した空間上の点に
向かって、現在空間上に存在する重みを移動させる方式
である。操作する範囲や移動量は、指定される効果量な
どによって制御される。重み加算方式が初期データを必
要としない(全く重みが無い状態からでも処理が開始で
きる)のに対して、重み移動方式では初期データを必要
とする。利点としては、重み加算方式と比較して第10図
に示すような多峰性の分布関数を発生させることを抑制
し易いことが挙げられる。
その重み移動方式の処理概要は、まず多次元の入カデ
ータDi、移動の強さを表す効果量Eを入力する。次に、
入カデータDiに最も近い重みの山脈の尾根の座標(ピー
ク座標)Ppおよびその座標での標準偏差(ピーク座標標
準偏差)Spを求める。そして、重み行列の各要素の重み
を、入力データDiに対応する座標に向け、効果量E、入
カデータDiから各要素の距離Dix、ピーク座標Ppから各
要素までの距離Dpx、ピーク座標標準偏差Spで定まる強
さで移動する。第9図にデータ入力(+印)があったと
きの重み移動方式による重み行列の変化を示す。図中の
矢印は移動ベクトルを示している。
第8図は重み加算方式の処理フローを示す図である。
この処理フロー図により処理手順を詳細に説明する。
(ステップ801) 多次元の入カデータDiおよび効果量Eを入力する。
(ステップ802) 多次元の入カデータDiを量子化し、量子化入力座標Zi
を求める。
(ステップ803) 重み行列上の重み分布を山脈と見なし、量子化入力座
標Ziに最も近い尾根の座標(ピーク座標Zp)を求める。
(ステップ804) ピーク座標Zpにおける重み分布の標準偏差であるピー
ク座標標準偏差Spを求める。
すなわち、ピーク座標標準偏差Spは、ピーク座標Zp
おける軸j方向の重みの標準偏差をSpj、重み空間の軸
(次元)数をNaとすると、 で表され、さらにSpjは、軸j以外の軸の座標値を固定
し、軸jの座標を0〜級数まで変化させ、 軸jの座標をk、 座標値kの要素の重みをWpjk、 軸jの級数をNrjとすると、 で表される。
(ステップ805) 量子化入力座標Ziとピーク座標Zpから、入力ピーク座
標間距離Dipを求める。
すなわち、Dipは、軸jを0から重み空間の軸(次
元)数まで変化させ、 Ziにおける軸jの座標値Zij, Zpにおける軸jの座標値Zpj, 重み空間の軸(次元)数をNaとすると、 により算出することができる。
(ステップ806) 重み行列の先頭の要素のアドレスを、重み行列要素ポ
インタPwにセットする。
(ステップ807) 以下のステップ809〜812の処理を、重み行列要素ポイ
ンタPwの指す要素が、重み行列の最後の要素になるまで
縁り返す。ステップ207では最後の要素になったか否か
を判定する。
(ステップ808) 重み行列要素ポインタPwの指す要素の座標を、移動元
座標Zxにセットする。
(ステップ810) 入力点の座標と移動元座標間の距離Dix、入力点の座
標とピーク座標間の距離距離Dip、ピーク座標標準偏差S
p、効果量Eから、移動先座標Zmを求める。
移動先座標Zmの各軸(軸j)の座標Zmjは、 Ziにおける軸jの座標値をZij、 Zxにおける軸jの座標値をZxj、 移動係数Kmとすると、 Zmj=Km・Zij+(1―Km)Zxj ……(4) で表され、さらにKmは、 で表される。
(ステップ811) 移動元座標Zxの重みを、移動先座標Zmに移動する。
(ステップ812) 重み行列要素ポインタPwを1要素分シフトし、前述し
たステップ807へ移る。
ステップ807の判定により重み加算方式の終了したと
きは、得られた多次元重み行列は多次元重み行列格納部
15に格納されている。
以上のようにして、入力処理部11においては、入カデ
ータが与えられたとき、重み加算方式あるいは重み移動
方式等の重みの変更処理により、本発明の知識表現形態
である重み行列の生成・変更がなされる。
出力処理部12は、概略的にいえば、重み行列からの特
定軸に対する分布データの取得を行なう。
また、この分布データ(後述する第2の実施例の場合
には解析部から得られた分布データや分離特性評価デー
タも)を基に、パターン型推論システムが処理可能な高
次ファジィ関数行列の要素となる関数のパラメータ,入
カフィルタデータなどの比較パターンを生成する。
分布データからのファジィ関数生成においては、様々
な出力条件指定が可能である。例えば、第10図に示すよ
うに分布関数にピークが2つある場合には、ファジィ関
数を2つ生成する、指定された条件に応じて片方のピー
クに注目して1つのファジィ関数を生成するなどの処理
を選択することが可能である。
そして出力処理部12構成は、多次元重み行列から分布
関数データを求める分布データ取得処理部1201と、分布
関数からメンバーシップ関数のパラメータを抽出しパタ
ーンデータを生成するパターンデータ生成部1202を備え
ている。
第11図は重み行列から分布データを取得する処理のフ
ローを示す図である。また、第12図はその処理を説明す
るための重み行列と分布データの一例を示す図である。
(ステップ111) 分布データを取り出す軸AXと、その他の軸上での座標
値diを出力データ条件指定として外部からパターンデー
タ生成部1202に与える。第12図の例ではAXがP1軸であ
り、その他の軸がP2軸である。そして、他の軸P2軸上で
の座標値座標値diとしては、例えばDi=(2.1,5.5)を
含む行を指定したいときは、di=5.5を指定する。
(ステップ112) 座標値diを内部処理のため、量子化座標値Ziに変換す
る。第12図の例において、例えば座標値di=5,5のとき
量子化座標値Zi=5に変換される。
(ステップ113) 分布データの出力先のポインタPvを初期化する。
(ステップ114) 出力データ指定として定義された他の軸上での量子化
座標値Ziによって重み行列要素ポインタPwをセットす
る。第12図の場合、ポインタPwには座標(1,5)に対応
する多次元重み行列格納部15のアドレスをセットする。
(ステップ115) 正規化を行うか否かの判定をする。
(ステップ116) 正規化を行わない場合、重み行列要素ポインタPwと分
布データ出力先ポインタPvをそれぞれシフトしながら、
重み行列要素ポインタPwに格納されているデータを分布
データ出力先ポインタPvにセットする。第12図の例で
は、多次元重み行列の座標(1,5),(2,5),(3,5)
・・・の重み行列要素の値を非正規化分布データ用配列
Fの1番左の要素、左から2番目の要素、左から3番目
の要素・・・というように順次にセットする。
(ステップ117) 正規化を行う場合、軸AXと量子化座標値Ziによって重
み合計用配列BのポインタZwをセットする。重み行列は
前述のように入力処理部11で予め求められ、重み行列格
納部15に既に格納されているものである。
(ステップ118) 正規化を行う場合、重み行列要素ポインタPw,分布デ
ータ出力先ポインタPv,重み合計用配列のポインタZw
それぞれシフトしながら、重み行列要素ポインタPwに格
納されているデータをZwで割った値を分布データ出力先
ポインタPvにセットする。
(ステップ119) ステップ116の処理、あるいは、正規化が必要な場合
のステップ117〜118の処理を、軸AXの量子化数分繰り返
す。第12図の例において非正規化分布データ用配列F、
正規化分布用配列Gにはそれぞれ得られた分布データの
例が示されている。
次に、パターンデータ生成部1202について説明する。
第13図は分布データからメンバーシップ関数のパラメ
ータを抽出する処理すなわち比較パターンデータの生成
処理のフローを示す図である。また、第14図〜第17図は
その処理の過程を説明するための図である。
(ステップ131) カットオフレベルGcを出力条件指定として外部から入
力することができる。このカットオフレベルGcが指定さ
れた場合には、量子化座標値Ziをシフトしながら、次式
で分布データGiを操作する。
Gi=Gi−Gc …(6) 第14図は座標値Z縦軸を重みGとした分布データに、
カットオフレベルとしてGC=2を設定したことを示して
いる。第15図は、Gi=Gi−Gcの操作を施した後の分布デ
ータを示すものである。このようなカットオフレベルを
設定するのはカットオフレベル以下で生ずる微小なノイ
ズ成分を除去するためである。
(ステップ132) ステップ131の処理が軸AXの量子化数分(n回)終っ
たかを判定し、終っていなければステップ132の処理に
移り、終っていればステップ133に進む。
(ステップ133) 分布データの平均値正規化座標値Zmを次式により求め
る。
このZmの式は、第15図に示す山形の分布データの面積
の重心のZ軸座標を計算するものである。
(ステップ134) 第16図に示すように、Zmからマイナス側、プラス側そ
れぞれ独立に標準偏差値Si,Srを求める。
(ステップ135) マイナス側標準偏差値Siの1倍の正規化座標値ZL1、 マイナス側標準偏差値Siの3倍の正規化座標値ZL2、 プラス側標準偏差値Srの1倍の正規化座標値ZR1、 プラス側標準偏差値Srの3倍の正規化座標値ZR2、 をそれぞれ求める。なお、上記の倍率は出力条件指定と
して外部から与える。第16図にこれらの正規化座標値が
示されている。
(ステップ136) 正規化中心値Cs=ZL1+ZR1 正規化曖昧度Vas=(ZR1−ZL1)/2 正規化左分散値Vis=Cs−ZL2 正規化右分散値Vrs=ZR2−Cs をそれぞれ求める。第17図にはこれらの値を図示してい
る。
(ステップ137) 正規化中心値Cs、正規化曖昧度Vas、正規化左分散値V
is、正規化右分散値Vrをそれぞれ逆正規化して、中心値
Cs、曖昧度Va、左分散値Vi、右分散値Vrを求める。
これらの値を比較パターンデータとして出力する。
第2の実施例 第18図は、本発明の第2の実施例の構成を示すもので
ある。この第2の実施例は、第1の実施例の構成に解析
部17を付加した構成とした点に特徴がある。同図におい
て第1の実施例と対応する要素には、同一の符号を付け
ている。
第1の実施例に対し付加された部分を中心に、第2の
実施例を説明する。
入力処理部11には、解析部17で用いる解析データを作
成するための解析データテーブル作成部1103を設ける。
解析部12では、解析データテーブル格納部17中に格納
されている解析データテーブルのデータに対するデータ
解析を行なう。
システムに外部から入力されるデータは、計測データ
などの入カデータの他、どのように分析して欲しいかを
示す分析条件,どのようなパターンを欲しいかを示す出
力条件などの指定がある。また、外部に出力されるデー
タは、パターンテーブル,入力データ項目の重要度を記
述するフィルタデータの他、マンマシンインタフェース
出力としての特徴空間表示などがある。
解析部12は、第18図に示すように、重み行列を解析デ
ータテーブルに変換する処理を行う行列・テーブル変換
部1701と、解析データテーブル作成部1103で作成され、
あるいは行列テーブル変換部1701で作成された解析デー
タを格納する1702と、解析データテーブルのデータを指
定された分析条件に従って分析する分析部1703と、分析
部1703の処理で得られた主成分や直接の入カデータを軸
とする解析のための特徴空間(分析空間)を生成する分
析空間生成部1704と、この生成された空間内で指定グル
ープ間の分離特性の評価や、分離のための分布関数を取
得する分離特性評価部1705を備えている。
解析部17で用いる解析データテーブルは、解析データ
テーブル格納部1702中にあり、入力された実データや実
データを正規化したデータの他、データのグループ化を
行なうためのグループIDなどを保有する。
この解析データテーブルは、システムが指定したフォ
ーマットのファイルとして解析データテーブル作成部11
03で作成される。ファイル内で入力データはグループ毎
に分類されており、グループ内のそれぞれのデータには
パラメータ数分のデータが保存されている。
ファイルフォーマットは次のの通りである。
このテーブルより例えば、データグループFFFFFFFFの
パラメータ1,2,3に関する主成分分析が可能である。
データファイルには、アスキー形式、バイナリー形式
のものが用意されており、それぞれのファイル形式に対
し読み込み、書き込みが可能である。
解析データテーブルは行列・テーブル変換部1701にお
いて、多次元重み行列を変換して作成することもでき
る。
分析部1703は、本実施例ではデータ解析手法の1つと
しての主成分分析法によりデータの分析を行う。分析部
1703は、主成分分析法の場合、主成分分析テーブル、主
成分分析実行部、分析結果テーブルを備えている。
主成分分析の目的は、複数の観測量の中にいくつの有
意で独立な変量(要因)が潜んでいるかを明らかにし、
多くの観測量を小数の有意で独立な変量(主成分)で記
述することに有る。この解析結果によって、対象を記述
する状態空間モデルの変量を絞り込むことができ、知識
改変/推論実行などの処理効率を向上させることが可能
となる。
なお、多変量解析の手法としては、他にクラスター分
析,多次元尺度法(MDS)などがあるが、最も処理負荷
が小さいことなどを考慮した場合、本実施例のように主
成分分析を用いるのが望ましい。
分析部1703における主成分分析機能について説明す
る。
主成分分析テーブル 主成分分析の実行単位は主成分分析テーブルにより管
理されている。
よってユーザは、主成分分析を実行するにあたり、こ
の主成分分析テーブルを予め作成する必要がある。その
主成分分折テーブルは解析データテーブル作成部1103ま
たは行列・テーブル変換部1701により作成する。作成さ
れる主成分分析テーブルには、システム側で(すなわ
ち、解析データテーブル作成部1103または行列・テーブ
ル変換部1701において)、テーブルidを付ける。ユーザ
はこのid番号によりデータ分析処理を行なう。
主成分分析テーブル内のデータ構造は以下の通りであ
る。
(1)入力パラメータ総数 (2)入カデータグループ総数 (3)入カデータ先頭ポインタ (4)パラメータ平均値先頭ポインタ (5)パラメータ標準偏差先頭ポインタ (6)パラメータ間相関行列先頭ポインタ (7)固有値先頭ポインタ (8)固有ベクトル先頭ポインタ 主成分分析テーブル作成時にユーザは、分析の対象と
する入力データのデータグループとパラメータを選択す
る。
主成分分析の実行 主成分分析の実行は、テーブルid番号を指定すること
により、作成した主成分分析テーブル毎に実行され、分
析結果がテーブルに保存される。
主成分分析の実行処理は次の手順により行われる。
(1)各パラメータの平均と標準偏差を求め、データを
標準化する。これにより各パラメータは、平均0.0、分
散1.0になる。
(2)パラメータ同士の相関行列を作成する。一般に相
関行列とは、観測量同士の相関係数書き並べたもので、
「観測量の数」×「観測量の数」の対象行列である。観
測量が標準化されていると相関係数は、2種類の観測量
の積を足し合わせ、データ数で割ることにより算出でき
る。
(3)相関行列の固有値と固有ベクトルをヤコビ法など
により求める。固有値の大きいものから、第1主成分、
第2主成分、・・・と呼び、固有値が基準値(例えば1.
0)以上のものを意味があると見なし、それ以下のもの
はノイズ成分と見なす。
主成分分析結果 主成分分析の実行により得られた分析結果データとし
て以下のデータを解析データテーブルにある前記ポイン
タ等により指示される分析結果テーブルに保存する。
(1)各パラメータの平均値 (2)各パラメータの標準偏差 (3)パラメータ間の相関行列 (4)固有値 (5)固有ベクトル 各分析結果データの参照は、テーブル毎に抽出して行
うことが可能である。
また、各主成分に対するデータグループ毎の主成分値
の抽出が可能である。
解析結果はディスプレイに表示して、ユーザに知らせ
ることができる。
分析部による主成分が得られたら、次に主成分空間で
の分離特性評価を行うために、次の処理を行う。
主成分空間の作成 分析空間生成部1704において、主成分空間が作成され
る。すなわち、主成分分析結果が保存されたテーブルか
ら主成分を複数個指定すること(ユーザが指定)によ
り、それらを軸とした主成分空間が作成される。更に、
形成された主成分空間ヘプロットするデータグループを
指定し(ユーザが指定)、主成分空間上ヘデータを配置
する処理を行う。処理の結果は多次元重み行列格納部15
に格納する。
第19図はデータグループAとデータグループBのデー
タを主成分軸P1,P2からなる空間にプロットした図を示
すものである。
分離特性評価機能 分離特性評価部1705で実行する分離特性の評価機能と
して以下の3つの機能を用意している。
(1)グループ間分離率の抽出 主成分空間上にプロットされた2つのデータグループ
間の分離率を算出する。
2)データグループ内の分散状況 主成分空間上にプロットされたデータグループの、空
間上における分散情報を抽出する。
3)近似グループの調査 主成分空間上にいくつかのデータグループを予めプロ
ットし、調査座標として与えた座標が何れのデータグル
ープに近似しているかを調査する。
パターン型推論システムとの対応 主成分空間上にプロットされた2つのデータグループ
を、分離性の高い軸を探索することにより、分離する。
分離されたデータグループはそれぞれパターンデータ化
される。
データグループ間の分離は上記のグループ間分離率か
ら分離性を評価し、各データグループの中心を通る軸に
より分離する。
例として、グループA,Bに分けられた、P1,P2という2
つの変量(特徴軸)からなるデータを分離するための分
布データ取得の手順を説明する。
第19図に示すようにデータを、P1,P2からなる特徴空
間に配置する。これに対してA,Bの2つのグループに分
離するために最も適した境界線P2'を線形判別関数によ
り求める。
このP2'に直行するP1'軸にデータを写像し、P1'軸上
でのデータの存在確率を示す分布関数を得る。第20図は
この分布関数を基に、分離特性を評価したり、A,Bに分
離するためのルールを取得する処理が可能となる。
行列演算部では、重み行列内/間の演算を行なう。
以下に、主要な処理を列挙する。
・重み行列問の全体/部分での加減算などの行列間演算 ・ある重み行列の全体/部分を他の重み行列に代入 ・重み行列の全体/部分に対する値の代入 ・重み行列の重み最大値を指定の値にする正規化 ・重み行列の重みの全体量を指定の値にする正規化 ・重み行列の全体/部分に対する指定値による四則演算 第21図に示すように、以上に詳述した第1および第2
の実施例の推論パターン生成システム2101は、パターン
型推論システム2102結合され複合システムを構成する。
すなわち、推論パターン生成システム2101より生成され
た推論パターン(高次ファジイ関数、フイルタデータ)
はパターン型推論システム2102へ出力され、推論の実行
がなされる。パターン型推論実行システム2102は、本発
明者等の発明になる特願昭63−25143号「知識コンパイ
ル・パターン型推論システム」の出願明細書中に開示さ
れたものを用いることができる。
第3の実施例 本発明のシステムをファジィ適応システムヘ適用した
具体的な実施例について第22図により説明する。このシ
ステムは、従来の(既存の)制御システム本体に本発明
のパターン生成システムを有する推論システムを付加し
た構成を持っている。
制御対象が複雑で、かつ悪条件にさらされた場合にフ
ァジィ適応学習制御機能の有効性が顕著となる。
第21図に本実施例の構成を示す。対象はプラントで、
非線形的離散的な要因が多く制御指令と制御結果との相
関が取れないという問題があるものとする。基本特性は
設計条件として織り込み済みでありファジィ適応化以前
に既にコンピュータ線形制御系が実施されている。プラ
ントの動作特性の一部が不明であること、途中バッチ作
業が割込みその度にプラントがニュートラル(停止)状
態に戻り、制御傾向に連続性が無い(離散性)こと、か
つ加工対象が不均一に変化する(非線形性)ことなど、
多くの問題点があるものとする。このような制御対象は
実験データもなければ経験的知識も人毎にばらばらであ
ることが多く参考程度にしかならない。制御系に加えら
れる影響を外乱といい、この外乱をどの程度までキャン
セルできるかが制御系の能力評価となる。制御系の外乱
は未知と既知の部分に分かれ、既知の外乱情報を判断の
指標に取り込むことにより未知の外乱の状況をある程度
推定できる。
ここでの判断可能な既知の外乱は作業モード切替など
作業バッチである。また未知の外乱はプラント自身の特
性の一部、加工対象の変化、バッチ作業の影響などであ
る。
本実施例は次のような構成からなっている。
a)動作指数測定部221(第1図の入力処理部に対応) 計測系から制御結果などの動作指数が入手される。未
知の外乱を含む離散制御系では、動作指数の確定的な平
均化処理を行うと真の動作特性を見失うことが多く、確
率的に処理する必要がある。
このため計測は数次元の特徴空間の確率分布として処
理される。
b)比較部(第18図の行列演算部18および分布データ取
得処理部1201に対応) 特徴軸は意味の異なる指標の集まりであるが、動作指
標の表す状況はすべて誤差距離に還元できる。このよう
に一意的に評価できる場合には忘却関数による減算が意
味を持つ。忘却関数処理では観測できた部分の近辺にも
影響を与える分布イフェクト機能を持ち、さらに新規の
観測部分だけにパターンが引きずられないような時系列
上と空間上の母集団管理機能を持つ。
c)適応機構部224(第1図の出力処理部12のパターン
データ生成部1202に対応) 適応機構部224は多次元重み行列から有意な定量則を
得るための正規化機能を有している。学習の途中で重み
行列が多峰性関数となる場合がある。適応機構部224で
は多峰性取扱いルールによりいずれが有意であるかを判
断する。適応化は普通パラメータ変更を行うが、本シス
テムでは分布図からメンバーシップ関数の集合全体を変
更し、ルールレベルの更新を行う。
d)制御則変更部225(パターン型推論システム) 新たなファジィメンバーシップ関数が伝連されると制
御サイクルに合わせてリアルタイム処理の内容が変更さ
れる。
制御系には一意的に決定できない動作指標もあるが、
そのような場合の知識獲得には、特徴空間の非線形分
布から意味を持つパターンを自動的にマッチングし切り
出すか、ビジュアル化して人間の視認による判断を行
う。本実施例のシステムはその双方の方式をとることが
できる。ビジュアル化のために表示部226を有する。
本実施例のシステムは特徴空間の次元の制限が無いた
め、パーソナルコンピュータ(PC)でもエンジニアリン
グワークステーション(EWS)でもその能力なりの処理
が可能である。例えば最初に過去の蓄積データから特徴
の相関を「知的データ解析機能」で解析して特徴軸を絞
り込み、その後PCによるリアルタイム適応学習を行うな
ども十分可能である。運転中の大型の機器やプラントに
適応システムを付加する場合、試験的に制御指令を振ら
すことは困難でかつ危険である。このため安全への配慮
から制御則のチューニング順序は 初期値(仮想分布)入力 測定データバッチチューニング リアルタイム計測チューニング(オープンループ) 適応学習・制御(完全クローズドループ) と段階を経ながら知識獲得が検証が可能となるように
計画できる。ファジィ適応制御システムではルール仮説
性の許容幅が大きい。このため適応学習制御システムの
構築が短期間にかつ安全に実施できる。
[発明の効果] 本発明によれば、第1の処理手段(入力処理部11)に
より計測入力データが確率分布と言う形に変換されよう
にしたことにより、どのような計測入力があったたとき
どのような現象があるかというような、多次元の計測入
力と知識との対応を、容易に把握することができ、知識
獲得を効率化することができる。
本発明によれば、その確率分布として多次元の重み行
列を用いた態様においては、多次元空間は一定の幅で量
子化されるので、演算処理が容易となり処理の高速化が
実現できる。
第3の処理手段(解析部17)により、入カデータ,あ
るいは重み行列データを解析し、データ間の相関や主要
因の分析や、指定されたデータ群間の分離特性の評価な
どを行ない、ヴィジュアル化することができる。これら
の処理の結果に基づいて、対象とする処理が必要とする
データを絞り込んだり、ルールとして抽出すべき状況な
どを得るための指針を得たりすることができる。従っ
て、制御は勿論、戦略情報システムなどのための動的デ
ータの解析が実現可能となる。
これらによって、本発明は、従来、人間が宣言的に記
述する場合が多かった知識データを、システムが能動的
に取得することが可能となる。
また、動的な知識獲得とこれによる推論実行によっ
て、適応学習可能なシステムが構築可能となり、より自
律的な知識処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例による動的推論パターン生成シ
ステムの基本的構成を示す図である。 第2図は重み加重方式の処理を示すフロー図である。 第3図(a)〜(C)は、重み加算方式の処理の過程を
説明するための図である。 第4図は多次元重み行列の例を示す図である。 第5図(a)および(b)は効果行列の例を示す図であ
る。 第6図は多次元重み行列に効果行列を加算する動作を説
明するための図である。 第7図は時間関数の一例を示す図である。 第8図は重み移動方式の処理を示すフロー図である。 第9図(a)〜(C)は、重み移動方式の処理の過程を
説明するための図である。 第10図は多峰性の分布関数の例を示す図である。 第11図は重み行列から分布データを取得する処理のフロ
ーを示す図である。 第12図は第11図の処理を説明するための重み行列と分布
データの一例を示す図である。 第13図は分布データからメンバーシップ関数のパラメー
タを抽出する処理すなわち比較パターンデータの生成処
理のフローを示す図である。 第14図〜第17図はメンバーシップ関数のパラメータを抽
出する処理の過程を説明するための図である。 第18図は、本発明の第2の実施例の構成を示す図であ
る。 第19図はデータグループAとデータグループBのデータ
を主成分軸P1,P2からなる空間にプロットした図であ
る。 第20図はグループA,Bごとの、P1軸上に写像されるデー
タ数を表現した分布関数を示す図である。 第21図は本発明の動的パターン生成システムとパターン
型推論システムを用いた複合システムの構成例を示す図
である。 第22図は本発明の第3の実施例の構成を示す図である。 11…入力処理部、1101…前処理部、1102…多次元重み行
列生成・更新部、1103…解析データテーブル作成部、12
…出力処理部、1201…分布データ取得部、1202…パター
ンデータ生成部、13…入力履歴記憶部、14…時間特性関
数格納部、15…多次元重み行列格納部、16…分布データ
格納部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀川 隆治 東京都渋谷区神南1丁目15番8号 兼仲 ビル4階 株式会社アドイン研究所内 (56)参考文献 「1989年度人工知能全国大会(第3 回)論文集」(1989−7) 「第5回ファジィシステムシンポジウ ム論文集」(1989−6)P.449−454 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 9/44 G05B 13/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された多次元データから定量的な多次
    元特徴空間内の確率分布によって表現したデータへ変換
    処理する第1の処理手段と、 第1の処理手段によって得られたデータからパターン型
    推論の実行に用いる推論パターンデータを生成する第2
    の処理手段と を備えたことを特徴とする動的推論パターン生成システ
    ム。
  2. 【請求項2】第1の処理手段は、多次元特徴空間内の確
    率分布を、その多次元特徴空間を一定区間ごとに分割し
    た領域の各領域ごとに重み与えて成る多次元重み行列と
    して表現する処理を行うものであることを特徴とする請
    求項(1)記載の動的推論パターン生成システム。
  3. 【請求項3】第1の処理手段は、入力された多次元デー
    タの値に対応した多次元特徴空間上の座標において、入
    力による効果を記述する多次元の効果行列を多次元重み
    行列に加算する演算処理手段を有することを特徴とする
    請求項(2)記載の動的推論パターン生成システム。
  4. 【請求項4】第1の処理手段は、入力された多次元デー
    タの値に対応した多次元特徴空間上の座標に向かって、
    多次元重み行列に記述された確率分布を移動させる処理
    を行う演算処理手段を有することを特徴とする請求項
    (2)記載の動的推論パターン生成システム。
  5. 【請求項5】第1の処理手段は、多次元重み行列の表現
    において特定軸方向の重み合計値を算出する手段を有す
    ることを特徴とする請求項(2)記載の動的推論パター
    ン生成システム。
  6. 【請求項6】第1の処理手段は、 入力された多次元データの履歴を記憶する入力履歴記憶
    手段と、 前記演算処理手段へ入力する多次元データの値を入力履
    歴記憶手段に記憶された入力データの履歴に基づき決定
    する前処理手段と を具備することを特徴とする請求項(3)または(4)
    記載の動的推論パターン生成システム。
  7. 【請求項7】入力された定量的な多次元データから、多
    次元特徴空間内の一定区間ごとに分割した領域の各領域
    ごとに重み与えて成る多次元重み行列として表現したデ
    ータに変換処理する第1の処理手段と、 第1の処理手段によって得られた多次元重み行列および
    第3の処理手段からの評価結果を基にパターン型推論の
    実行に用いる推論パターンデータを生成する第2の処理
    手段と、 第1の処理手段により生成された多次元重み行列に対し
    て、データ解析による評価を行い、第2の処理手段に評
    価結果を出力する第3の処理手段と を備えたことを特徴とする動的推論パターン生成システ
    ム。
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