JP3044522U - ゴルフグローブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴルフクラブを素手に近い理想的な状態でグ
リップすることを可能とした新規なゴルフグローブを提
供する。 【構成】 手袋本体１２をなす縫製前の掌部片７を甲部
片１から分離独立させる。襠片１０，１１を中央部分で
縫着する必要のない一体素材を用いて構成する。甲部片
１と一体となった掌部側の小指片乃至中指片の下端縁９
に、掌部片７の上端縁８を合わせたとき、両端縁８，９
の間に空間Ｓが生ずるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はゴルフ用グローブの改良に関するものである。

【従来の技術】

【０００２】 従来のゴルフ用グローブの場合、手袋本体をなす縫製前の甲部片と掌部片とは 素材的に繋がっていて同一素材を用いて製造されるのが一般的であると共に、各 指片の間に位置する襠片は中央部分で分断されていて、当該襠片の端部同士を縫 着して完成品を得るようにしている。 また、従来のゴルフグローブの場合、甲部片と掌部片とがほぼ左右対称となる ようにして、手袋本体をなす縫製前の素材が裁断されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記したように、従来は甲部片と掌部片とがほぼ左右対称となるように素材が 裁断されていたため、完成品としての手袋本体を嵌めてゴルフクラブを握ったと き、掌部片側が内側に折り込まれるような状態となり、中指片、薬指片及び小指 片の付け根付近に掌部片の余剰部分が重なり合って、ゴルフクラブを握ったとき グリップに違和感を生じて正確なスイングの妨げになるという問題点があった。

【０００４】 また、従来は各指片の間に位置する襠片が中央部分で分断されており、当該襠 片の端部同士を縫着して完成品を得るようにしていたが、この場合、縫着部が各 指片の間に位置することとなって前記同様グリップの際に違和感を生ずるという 欠点があった。

【０００５】 さらに、ゴルフ用グローブの場合、クラブのグリップに頻繁に圧着される掌部 片側の方が、先に疲労し劣化が始まるため、甲部片側は未だ充分使用に耐え得る としても掌部片側が薄くなったり亀裂が生じたりすると全体としてゴルフグロー ブとして機能しなくなるという問題点がある。

【０００６】 そのため、従来は掌部片の内側又は外側に補強片を付設する等して掌部片の劣 化を遅らせるようにしていた。しかしながら、掌部片に補強片を積層させると、 その分だけ厚みが増し、素手の感覚が失われて確実なグリップが得られずミスシ ョットの原因にもなるという欠点がある。

【０００７】 そこで、本考案は前記した従来のゴルフグローブに伴う不具合点を解消し、縫 製前の掌部片を甲部片から分離独立させて、掌部片に甲部片とは違った強靱な素 材を用い得るようにすると共に、各指片の間に挿着する襠片を中央部分で縫着す る必要のない一体素材を用いるようになし、且つゴルフクラブを握ったとき、小 指片乃至中指片の下端付近の掌部片に極端な弛みが生じないようにして素手感覚 を現実のものとし正確なスイングを行えるようにしたゴルフグローブを提供する ことを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案の構成を詳述すれば、本考案は、手袋本体を なす縫製前の掌部片を甲部片から分離独立させ、掌部片の素材を甲部片の素材よ り摩擦等に対して強い抵抗力を示現する素材を用いることができるようにすると 共に、親指片を除いた各指片の間に挿着する襠片を中央部分で縫着する必要のな い一体素材を用いて構成し、且つ甲部片と一体となった掌部側の小指片乃至中指 片の下端縁に、前記独立した掌部片の上端縁を合わせたとき、当該下端縁と上端 縁との間に空間が生ずるようになし、甲部片、掌部片及び襠片をそれぞれ縫着し て完成させた手袋本体でゴルフクラブを握ったとき、小指片乃至中指片の下端付 近の掌部片に弛みがほとんど生じないようになしたことを特徴とするゴルフグロ ーブである。

【０００９】 本考案はこのように、手袋本体をなす縫製前の掌部片が甲部片から独立してい るので、掌部片の素材を甲部片より強靱な素材を用いることが可能となり、手袋 本体の耐久性をこれまでより格段に向上させることができる。また、各指片の間 に挿着する襠片を中央部分で縫着する必要のない一体素材を用いているので、各 指片の間に縫着部がくることによる不具合をなくすことができ、より自然に近い グリップを得ることができる。

【００１０】 さらに、グリップの際に掌部片側に弛みの生ずる余剰部分を予じめ取り除いて あるので、従来のように中指片、薬指片及び小指片の付け根付近に掌部片の余剰 部分が重なり合うようなことがなくなり、ゴルフクラブを素手に近い理想的な状 態で握ることが可能となる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係るゴルフグローブの具体的構成を図示の実施例に基づき詳細 に説明する。 図１は手袋本体をなす縫製前の裁断済ボディーの一例を示す平面図、図２は図 １に示す裁断済ボディーを用いて縫製した本考案ゴルフグローブの一例を示す斜 視図である。

【００１２】 図中１は手袋本体１２をなす縫製前の裁断済ボディーのうちの甲部片を示す。 当該甲部片１には親指片６を除いた甲部側の人指し指片２Ａ、中指片３Ａ、薬指 片４Ａ及び小指片５Ａのほか、掌部側の人指し指片２Ｂ、中指片３Ｂ、薬指片４ Ｂ及び小指片５Ｂが連設されているが、手のひら部に相当する掌部片は連設され ていない。

【００１３】 ７は甲部片１から分離独立させた掌部片であり、当該掌部片７は前記甲部片１ の素材より摩擦等に対して強い抵抗力を示現する素材を用いるものである。 なお、掌部片７の上端縁８と、甲部片１と一体となった掌部側の中指片３Ｂ乃 至小指片５Ｂの下端縁９とを合わせたとき、両端縁８，９の間に空間Ｓが生ずる ように、掌部片７の上端縁８は少し内方に湾曲状に切り欠いてある（図１）。

【００１４】 １０は小指片と薬指片の間に挿着する襠片、１１は人指し指片と中指片及び中 指片と薬指片の間に挿着する襠片であり、両襠片１０，１１とも中央部分が分断 されておらず、同一素材にて一体的に構成されている。

【００１５】 従来のゴルフグローブでは、裁断済ボディーの段階において、甲部片１と掌部 片７とは構造的に繋がっていて、当然ながら同一素材を用いて製造されていた。 本考案では、このうち各指片を除いた掌部片７の部分のみを、各指片と繋がった 甲部片１から分離独立させ、掌部片７を、甲部片１とは違った強靱な素材を用い ることができるようにしたものである。

【００１６】 また、掌部片７の上端縁８と、甲部片１と一体となった掌部側の中指片３Ｂ乃 至小指片５Ｂの下端縁９との間に空間Ｓが生ずるように、掌部片７の上端縁８は 少し内方に向け湾曲状に切り欠いてあるので、上端縁８と下端縁９を縫着すると 、完成した手袋本体１２の掌部側は、空間Ｓの分だけ短尺となり、掌部側に少し 引っ張られた状態となる（図２）。

【００１７】 このように、本考案においてはグリップの際に掌部片側に弛みの生ずる余剰部 分を予じめ取り除いてあるので、これまでのように中指片、薬指片及び小指片の 付け根付近に掌部片の余剰部分が重なり合うようなことがなくなり、ゴルフクラ ブを素手に近い状態でグリップすることが可能となる。

【００１８】 なお、前記したように、襠片１０，１１は共に、中央部分が分断されていない ので、縫合の際に縫着部が各指片の間にあらわれるようなことがなく、グリップ の際に違和感を生ずることがない。

【００１９】 本考案ゴルフグローブは以上のように、手袋本体１２をなす縫製前の掌部片７ を甲部片１から分離独立させ、掌部片７の素材を甲部片１の素材より摩擦等に対 して強い抵抗力を示現する素材を用いることができるようにすると共に、親指片 ６を除いた各指片の間に挿着する襠片１０，１１を中央部分で縫着する必要のな い一体素材を用いて構成し、且つ甲部片１と一体となった掌部側の小指片乃至中 指片の下端縁９に、前記独立した掌部片７の上端縁８を合わせたとき、当該下端 縁９と上端縁８との間に空間Ｓが生ずるようになし、甲部片１、掌部片７及び襠 片１０，１１をそれぞれ縫着して完成させた手袋本体１２でゴルフクラブを握っ たとき、小指片乃至中指片の下端付近の掌部片７に弛みがほとんど生じないよう になしたものである。

【００２０】

【考案の効果】

従って、本考案によれば、手袋本体の耐久性をこれまでより格段に向上させる ことができると共に、各指片の間に挿着する襠片を中央部分で縫着する必要のな い一体素材を用いているので、各指片の間に縫着部がくることによる不具合を解 消することができ、より自然に近いグリップを得ることができる。

【００２１】 さらに、グリップの際に掌部片側に弛みの生ずる余剰部分を予じめ取り除いて あるので、従来のように中指片、薬指片及び小指片の付け根付近に掌部片の余剰 部分が重なり合うようなことがなくなり、ゴルフクラブを素手に近い理想的な状 態でグリップすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】手袋本体をなす縫製前の裁断済ボディーの一例
を示す平面図である。

【図２】図１に示す裁断済ボディーを用いて縫製した本
考案ゴルフグローブの一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１：甲部片 ２Ａ：人指し指片 ３Ａ：中指片 ４Ａ：薬指片 ５Ａ：小指片 ２Ｂ：人指し指
片 ３Ｂ：中指片 ４Ｂ：薬指片 ５Ｂ：小指片 ６：親指片 ７：掌部片 ８：上端縁 ９：下端縁 １０：襠片 １１：襠片 １２：手袋本体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 手袋本体をなす縫製前の掌部片を甲部片
   から分離独立させ、掌部片の素材を甲部片の素材より摩
   擦等に対して強い抵抗力を示現する素材を用いることが
   できるようにすると共に、親指片を除いた各指片の間に
   挿着する襠片を中央部分で縫着する必要のない一体素材
   を用いて構成し、且つ甲部片と一体となった掌部側の小
   指片乃至中指片の下端縁に、前記独立した掌部片の上端
   縁を合わせたとき、当該下端縁と上端縁との間に空間が
   生ずるようになし、甲部片、掌部片及び襠片をそれぞれ
   縫着して完成させた手袋本体でゴルフクラブを握ったと
   き、小指片乃至中指片の下端付近の掌部片に弛みがほと
   んど生じないようになしたことを特徴とするゴルフグロ
   ーブ。