JP3044396U - 人工呼吸装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】無呼吸あるいは呼吸困難な患者の呼気を排出
し、かわって酸素または新鮮な空気を機械的に患者に供
給する装置の提供。 【解決手段】ピストン空気室１の頭部に４個所の開口部
を設ける。呼気吸入の開口部、呼気排出の開口部、酸素
または空気吸入の開口部、酸素または空気を患者へ供給
する開口部である。それぞれに弁を取り付る。これらの
弁はピストンの往復運動に同期して、順次その１個のみ
開の状態になるよう制御器１０を仕組む。すなわちピス
トン空気室１が呼気を吸入、その呼気を排出、酸素また
は空気を吸入、酸素または空気を患者に供給する働きを
機械的に繰り返すことによって人工呼吸の機能を果たす
仕組みである。呼気を吸入する開口部、酸素または空気
を供給する開口部はゴムチユーブ７とマスクを経て患者
の肺につながっている。酸素または空気は開口部からピ
ストン空気室１に供給される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 ［産業上の利用分野］ この考案は装置のピストン空気室と人工呼吸を要する人（以下、患者という）の 口に取り付けたマスクとをゴムチューブで結び、ピストンの往復運動と弁の働き によって、まずはじめに患者の呼気を肺から排出し、次に新鮮な空気をピストン 空気室、ゴムチューブ、マスクを経て患者の肺に供給する作業を繰り返すことに よって機械的に人工呼吸の機能をおこなうものである。

【０００２】 ［従来の技術］ 従来よりの人工呼吸法には多くの施法があるがいずれの方法も技術の習得と熟練 を備えた人がはじめて救急実務として活用することが可能で、平素から緊急事態 に対応し慣れていない一般の人には著しく難しく、効果的に施法することは期待 しにくかった。

【０００３】 ［考案が解決しようとする課題点］ 人工呼吸を要する事態は救急であり、とっさに的確な処置が要求されるが余程の 技能と精神力をもった人でなければ役に立たないことが多かった。 さらに人工 呼吸と同時に心臓マッサージも必要とする場合も多く、この場合現場に単独人し かいないときでは救急に対処できない事態となった。 本装置はこのような技術 的、精神的な課題を軽減し、また対応人数の問題も同時に軽減して解決するもの である。

【０００４】 ［課題を解決するための手段］ 本考案はこれらの課題を次の方法で解決したものである。 それを説明すると、 （１）ピストン空気室１のピストン２に定期的に反復する往復運動を伝える駆 動装置９を取り付ける。 ピストン空気室１の頭部には４個所開口部を 設けてある。 すなわち、ピストン空気室１と患者の口にとりつけたマ スクとを結ぶゴムチューブ７を取り付けてある開口部１と開口部２、ピ ストン空気室１と酸素ボンベ８を結ぶゴムチューブを取り付けてある開 口部３、排気口である開口部４である。 開口部１、開口部２、開口部 ３、開口部４にはそれぞれ弁が取り付けてある。 これらの４個の弁は 丁度、内燃機関の吸入、圧縮、爆発、排気のピストン運動の４ステップ の弁と同じ要領で定期的に順次、１個の弁が開くと他の弁が閉じるよう に弁制御器１０によって制御される。 （２）ピストン空気室のピストンの往復運動を中心に説明すると 吸入ステップ ピストン２が下がるに従って、開口部１から患者 の呼気を空気室に吸入する。他の開口部の弁は閉。 ［図２参照］ 排出ステップ 次にピストン２が上がるに従って、吸入した呼気 を開口部４から排出する。他の開口部の弁は閉。 ［図３参照］ 酸素吸入ステップ 次にピストン２が下がるに従って、別にセットし てある酸素ボンベ８からゴムチューブ７を経て開口 部３から酸素を吸入する。他の開口部の弁は閉。 ［図４参照］ 酸素供給ステップ 次にピストン２が上がるに従って、開口部２から 患者の口部マスクとを結ぶゴムューブ７を経て患者 に酸素を供給する。他の開口部の弁は閉。 ［図５参照］ （３）これらの吸入、排出、酸素吸入、酸素供給の４ステップを標準的には毎 分、成人で１２回、小児で１５回程度を繰り返させ人工呼吸の機能をさ せる。

【０００５】 ［作用］ 本考案は単純な構造であり操作も簡単であるから救急の事態に、不慣れな人でも 確実に人工呼吸の目的を達成することができる。 酸素を使用して人工呼吸の効 果を顕著に高めることにもなる。 また心臓マッサージなど平行して実施せねば ならない他の救急作業への対応にも負担を軽減するものである。

【０００６】 ［実施例］ 本考案は （１）蛇腹式の伸縮式空気室を使用したもの。 （３）また、酸素ボンベが空になった場合、あるいは最初から酸素ボンベを 使わず空気のままでも機能を失わず利用できる。

【０００７】 ［考案の効果］ 本考案は人工呼吸が必要な救急事態において平易に自信を持って効果的な人工呼 吸を施すことを可能にし、呼吸が止まった患者を可及的に速やかにまた酸素を使 うことによって従来の人工呼吸に比し、より一層効果的に無酸素状態から患者を 救出することを可能とするものである。また簡単な構造の装置であるため一般の 使用に普及が容易であると思われる。その結果、従来では人工呼吸を受けられず に落命していたであろう救急患者を救命し、あるいは命をとりとめたとしても発 生しがちな後遺症の程度を極力小さくできる可能性と機会を多く生むことになる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】 は本考案の装置全体の概念図である。

【図２】 吸入ステップの概念図である。

【図３】 排出ステップの概念図である。

【図４】 酸素吸入ステップの概念図である。

【図５】 酸素供給ステップの概念図である。

【符合の説明】

１はピストン空気室 ２はピストン ３は開口部１ ４は開口部２ ５は開口部３ ６は開口部４ ７はゴムチューブ ８は酸素ボンベ ９は駆動装置 １０は弁制御器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】空気室に取り付けた往復運動するピストン
   と弁の働きによって患者から呼気を繰り返し排出し、新
   鮮な空気を供給しつづける人工呼吸装置