JP3044295B2 - 水稲種子の生産方法 - Google Patents

水稲種子の生産方法

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JP3044295B2
JP3044295B2 JP9206410A JP20641097A JP3044295B2 JP 3044295 B2 JP3044295 B2 JP 3044295B2 JP 9206410 A JP9206410 A JP 9206410A JP 20641097 A JP20641097 A JP 20641097A JP 3044295 B2 JP3044295 B2 JP 3044295B2
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rice
seedling establishment
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嘉隆 原
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農林水産省北陸農業試験場長
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  • Cultivation Of Plants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栽培したときに初
期生育が速く苗立ちに優れる種子を生産する水稲種子の
生産方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水稲において、これまで播種後の高い苗
立ちを確保するためには、収穫後の種子に対して処理す
る技術、または収穫した種子の品質劣化を遅らせて発芽
能力の低下を防止する技術等があったが、種子の苗立ち
能力そのものを向上させる技術はなかった。また、種子
の窒素含有量を上げるための施肥管理は行われておら
ず、特に採種用の栽培では登熟を良くするように食糧用
の栽培よりも窒素施肥量を減らすため、一般に播種種子
の窒素含有量は低い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
播種後の高い苗立ちを確保するために収穫後に種子を加
工する手間が必要であった。また、そのような加工なし
では、低温や還元等の不良環境下で十分な苗立ちが得ら
れずに水稲の生育が不良となることがあった。本発明
は、これらの問題点を解決することを目的になされたも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、採種用水稲の栽培時に窒素を多量に供給
して種子の窒素含有量を通常よりも高めることで、栽培
したときに初期生育が速く苗立ちに優れる種子を生産す
るようにしたことを特徴としている。
【0005】
【作用】上記の手段により種子採取のための水稲栽培時
に窒素含有量を高め、その種子を播種することで、初期
生育の促進及び苗立ち等の向上が期待される。即ち、初
期生育が速いために、障害に弱い芽生えの期間が短く、
特に低温や還元等の水稲種子の発芽・苗立ちに不良な環
境下では、従来に比べて障害を受けにくくなる。このた
め、特に水稲直播栽培の安定化に寄与すると期待され
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
及び表を参照して具体的に説明する。肥料の施用量を変
えて水稲(品種名=どんとこい)を栽培し、生産方法の
異なる4種類の種子を収穫した。用いた窒素肥料は、生
育初期用の緩効性肥料(LP30)と遅効性肥料(LP
SS100)を1:1で混合したものである。得られた
種子を播種して栽培したところ、窒素を多く供給して生
産した種子では初期生育が速く、苗立率が高くなった。
【0007】図1において、(a)は土壌表面下1cm
に水稲乾籾を播種した試験である。(b)は土壌表面に
播種した試験である。(a)、(b)共に、左側が窒素
を前年20gN/m2 施肥して生産した種子、右側が
窒素を施肥せず(0gN/m2 )に生産した種子をい
ずれも同数だけ播種したときの幼植物の様子を図示し
た。土壌表面下1cm(a)では、20gN/m2 施
肥栽培の種子を用いた区の苗立ち率(生き残った幼植物
の割合)が無窒素栽培(0gN/m2 )の種子を用い
た区に比べて有意に多かった。土壌表面(b)では苗立
ち率に若干の差が見られたに過ぎないが、その生育は窒
素20Ng/m2 施肥栽培区の方が速かった。
【0008】図2は、生産履歴の異なる催芽水稲種子を
土壌表面下1cmに播種した試験である。4/22に播
種し、圃場における苗立ちを経時的に観察した。凡例は
それぞれの播種種子の生産時における窒素施肥水準を示
している。苗立ちは第3葉が第2葉と同じ高さまで伸び
たときに確定するとした。苗立ち率は前年の窒素施肥量
が多い種子ほど、著しく高くなった。この結果、前年の
窒素施肥水準の違いが苗立ちに大きく影響すると考えら
れた。
【0009】
【表2】
【0010】表1は、窒素施肥4水準で前年に生産した
水稲種子を土壌表面下1cmに播種したときの苗立ち率
とその玄米中の窒素含有率及び千粒重を示している。嫌
気的で土壌表面に比べて環境の厳しい土壌表面下1cm
で播種した場合の苗立ち率は、種子生産時の窒素施肥水
準の違いで大きな差が見られた。用いた種子間の玄米千
粒重にはほとんど差がないため、この差は窒素含有量の
違いを反映していると考えられる。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように本発明の水稲種子の
生産方法は、種子を採取する水稲栽培時に窒素施用量を
多くして窒素含有量が高くなる種子を生産することを目
的とした水稲の栽培方法である。採種用の水稲栽培時に
窒素を多量に供給して種子の窒素含有量を通常より高め
ることで、初期生育が速く苗立ち等の初期生育特性に優
れた種子が生産できる。その結果、従来のように採取後
の種子加工などの手間なしでの苗立ちの向上が期待で
き、また、機械播種しやすい催芽の浅い状態での播種が
可能となる。また、初期生育が速いため、障害に弱い芽
生えの栽培期間が短くなり障害を受けにくくなる。この
結果、高い苗立ち率が確保できるために、水稲直播栽培
の安定化とその普及に寄与すると期待される。さらに、
初期生育が速いため、移植栽培においてもこの栽培法に
よって採種した種子を用いることで、育苗施設等での出
芽器による加温の時間が少なくて済むので、設備の回転
率向上や電力節約等の経済的な効果が見込める。
【図面の簡単な説明】
【図1】採種栽培時の窒素施肥条件と播種方法を変えて
栽培した幼植物の苗立ちの違いを示す図である。
【図2】採種栽培時の窒素施肥条件を変えて生産した種
子間における苗立ちの違いを経時的に示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採種用水稲の栽培時に窒素を多量に供給
    して種子の窒素含有量を通常よりも高めることで、栽培
    したときに初期生育が速く苗立ちに優れる種子を生産す
    るようにしたことを特徴とする水稲種子の生産方法。
JP9206410A 1997-07-31 1997-07-31 水稲種子の生産方法 Expired - Lifetime JP3044295B2 (ja)

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