JP3043997B2 - 原子炉用照射キャプセル - Google Patents

原子炉用照射キャプセル

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JP3043997B2
JP3043997B2 JP9013770A JP1377097A JP3043997B2 JP 3043997 B2 JP3043997 B2 JP 3043997B2 JP 9013770 A JP9013770 A JP 9013770A JP 1377097 A JP1377097 A JP 1377097A JP 3043997 B2 JP3043997 B2 JP 3043997B2
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哲徳 安
政敏 揃
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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速炉、軽水炉、
重水炉、ガス炉、大学、メーカ等が所有する研究炉等の
原子炉炉心で発生するガンマ線照射によるガンマ発熱を
利用して照射試料を一定温度に保って材料照射試験を行
う技術に係り、特にガンマ発熱分布の異なる位置での照
射試料の軸方向温度の平坦化を図るようにした照射キャ
プセル及びその温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、照射試験用集合体に組み込み、原
子炉内で高温状態を保ちつつ材料の照射試験を行う場
合、炉心で発生するガンマ線によって材料が発熱するガ
ンマ発熱を利用し、照射試料を一定温度に保つためにキ
ャプセルに収納する方法が行われているが、キャプセル
内にガスギャップ部を設けることによって照射試料を所
定の温度に設定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原子炉
を用いて照射する場合、ガンマ発熱の分布が軸方向に変
化している環境下では、キャプセルに装填された照射試
料は軸方向で温度差が生じてしまう。照射試料に温度差
が生じると、材料の受ける照射効果は温度に敏感に反応
するため試験結果やデータの信頼性が低下することにな
るため、これを均一化する必要がある。また、原子炉の
出力上昇中、出力降下中に受ける低温照射の影響による
試験データの信頼性低下を回避するため、原子炉の出力
に影響されず照射試料を任意の温度に保つ必要がある。
【0004】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、照射試料の温度を均一化するとともに、任意の温度
に保持し、照射試験データの精度、信頼性を向上させる
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、各照射場にお
けるガンマ発熱分布に応じ、巻付けピッチを変えた電気
ヒータを照射キャプセルに組み込み、電気ヒータの出力
を随時調整することと合わせて、電気ヒータ巻付け領域
内の発熱分布を変え、原子炉の運転中における温度変化
の影響を受けることなく、かつ、ガンマ発熱分布の影響
を受けることなく、試料全体を均一温度にして照射でき
るようにしたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。高速実験炉「常陽」においては、高速炉用
の材料開発の一環として原子炉内での中性子照射環境下
において、中性子が材料に与える影響を調べるための材
料照射試験が行われている。材料が受ける照射効果は一
般的に温度の変動に敏感に影響することが知られている
ため、照射試験においてもこの影響を避けるべく一定温
度に保った状態での照射が要求される。
【0007】原子炉内で高温状態を保ちつつ材料の照射
試験を行う場合、炉心で発生するガンマ線を照射するこ
とによって材料が発熱するガンマ発熱を利用し、照射試
料を一定温度に保つためにキャプセルに収納する方法に
おいては、キャプセル内にガスギャップ部を設けること
によって所定の温度に設定するようにしている。しか
し、高速炉のようにガンマ発熱の分布が軸方向に変化し
ている環境下では、キャプセルに装填された照射試料の
軸方向でガンマ発熱分布に応じた温度差が生じやすくな
り、照射温度を均一化することが難しい。
【0008】まず、本発明の電気ヒータ付きキャプセル
の概略構造を示す図1により説明する。なお、図1
(a)は縦断面図、図1(b)は図1(a)のA−A矢
視断面図である。キャプセルは、内筒管(1)、外筒管
(2)からなる二重壁円筒容器で、その間はガスギャッ
プ層(3)とし、上下にガス室(4)、(5)を形成し
て栓をし、上下のガス室(4)、(5)は、例えば、ア
ルゴンガス、ヘリウムガス、或いはアルゴンガスとヘリ
ウムガスの混合ガスを封入し、ガンマ発熱した熱が照射
キャプセルの軸方向(上下方向)に逃げるの防止し、内
部に複数の照射試料(6)をヒータ取付け管(7)に入
れて収納した構造となっている。このような構造のキャ
プセルであることから、照射試料を収納し、ナトリウム
を流動した室の周囲はガス空間で覆われていることにな
る。
【0009】ヒータ取付け管(7)は、キャプセルと一
体化している心棒(8)に差し込まれ、ヒータ(13)
をコイル状に巻付けるとともに、内部に照射試料
(6)、照射試料を支えるバスケット(7a)、熱電対
(10)を収納するため円筒構造をしている。もちろ
ん、円筒状に限らず、断面六角形状や四角形状等でもよ
い。その上端部には、ヒータ取付管(7)の固定および
照射試料(6)のヒータ取付管(7)からの飛び出し抑
制のため、「刀のツバ」形状部品を貫通ピンで止めたス
トッパー(9)が設けられている。また、キャプセルの
温度を計測するため、心棒(8)を切り抜いて熱電対
(10)が埋め込まれている。上下のガス室(4)、
(5)には、それぞれナトリウム入口管(11)、ナト
リウム出口管(12)が貫通していて、試料部集合体内
を流れるナトリウムの一部が照射試料を収納した空間
(図1(b)における領域A)内を通して流れるように
してある。
【0010】キャプセル内の照射試料を任意の温度に制
御するための電気ヒータ(13)はヒータ取付管(7)
の外面に、ピッチを変え、コイル状に巻付けられてい
る。電気ヒータをコイル状に巻き付ける場合、電気ヒー
タ同志の接触による局所加熱を避けるため、後述するよ
うにコイルを密に巻き付ける照射試料上部および下部付
近の電気ヒータ間にダミーワイヤ(14)を入れ、電気
ヒータ同士の接触を防止している。
【0011】ところで、原子炉内では、ガンマ発熱によ
り照射試料を含むキャプセル全体が発熱し、キャプセル
外側のナトリウムにより冷却される。照射試料(6)で
発生した熱は、照射試料(6)から内筒管(1)へと伝
わり、さらに、ガスキャプ層(3)および外筒管(2)
を介してキャプセル外側のナトリウムへと伝えられて冷
却される。
【0012】このような形態のキャプセルにおいて、図
2に示すように、原子炉内のガンマ発熱の分布が照射試
料軸方向に変化している環境下では、キャプセルに装填
された照射試料の軸方向で温度差が生じることになり、
従来では照射温度を均一化することが困難であった。
【0013】これらに対処するために、各照射場におけ
るガンマ発熱分布に応じ、巻付けピッチを変えた(照射
試料中央部付近(15)を粗く、照射試料上部付近(1
6)および下部付近(17)を密に巻き付ける)電気ヒ
ータの出力を随時調整することにより、原子炉の運転中
における温度変化の影響を受けることなく、かつ、ガン
マ発熱分布の影響を受けることなく、照射試料全体を均
一温度にして照射することが可能である。
【0014】また、別の手段として、電気ヒータの巻付
けピッチを均一にし、電気ヒータの巻付け領域内の発熱
分布(電気ヒータ素線の局所的な固有抵抗値を変える)
をガンマ発熱分布に応じて変えることにより、原子炉の
運転中における温度変化の影響を受けることなく、か
つ、ガンマ発熱分布の影響を受けることなく、照射試料
全体を均一温度にして照射することが可能である。
【0015】このようにして、本発明のキャプセルを用
いた照射装置では、原子炉の出力変化(出力上昇中、出
力降下中)の外乱(温度変化)に対しても、照射試料の
温度を任意の温度に保って照射試験を実施できるという
優れた特徴を有している。
【0016】図3、図4に本発明と従来例との比較結果
を示す。従来型の温度制御では、図4に示すように、原
子炉の出力(20)に追随して照射試料温度(18)が
変化し、出力100%では目標温度(19)になるよう
に一定に制御されているが、出力(20)の上昇時およ
び降下時には、放射線照射によるガンマ発熱の増減に伴
い照射試料温度(18)もこれに追随して段階的に変化
してしまっている。また、ガンマ発熱分布の影響で軸方
向において温度差が生じてしまうことになる。
【0017】これに対して本発明では、図3に示すよう
に、電気ヒーターの加熱制御により原子炉の出力上昇前
(21)に照射試料温度(18)を目標温度(19)に
まで上昇し、原子炉の出力上昇と共に電気ヒータの出力
を減少させて目標温度を維持し、原子炉の出力降下時に
は逆に電気ヒータの出力を上昇しつつ、目標温度を維持
し、原子炉の出力が0%(22)になってから照射試料
を冷却することで、放射線照射によるガンマ発熱の増減
による照射試料への影響を受けずに、照射試料温度を目
標温度にて一定に制御することができるようになる。ま
た、軸方向に対しても電気ヒータの出力調整によりガン
マ発熱分布の影響を受けることなく、照射試料全体を均
一温度にすることができる。
【0018】また、キャプセルに設置した熱電対によ
り、照射試験中のキャプセル温度を常時オンラインで計
測することができ、温度履暦を明らかにできるという点
も優れた特徴である。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば以下のよう
な効果を達成することができる。 原子炉の出力上昇中、出力降下中においても、照射試
料を目的とする温度に保持して照射することが可能とな
り、低温照射の影響を回避することができるため照射試
験データの精度を向上させることができる。
【0020】原子炉を用いて照射する場合に、ガンマ
発熱分布の影響を受けることなく、照射試料の温度を均
一化した状態で照射することができるため、照射試験デ
ータの精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の照射キャプセルを説明するための図
である。
【図2】 原子炉内のガンマ発熱分布を示す図である。
【図3】 本発明の温度制御を説明する図である。
【図4】 従来の温度制御を説明する図である。
【符号の説明】
(1)…内筒管、(2)…外筒管、(3)…ガスギャッ
プ層、(4)、(5)…ガス室、(6)…照射試料、
(7)…ヒータ取付け管、(7a)…バスケット、
(8)…心棒、(9)…ストッパー、(10)…熱電
対、(11)…Na入口管、12…Na出口管、(1
3)…ヒータ、(14)…ダミーワイヤ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−59091(JP,A) 実開 平6−10896(JP,U) 特公 昭48−41520(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 23/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴部が内筒管と外筒管との二重壁からな
    り、冷却材が流入・流出する内筒管内に照射試料を収納
    し、内筒管と外筒管との間にガスギャップ部が形成さ
    れ、照射試験用集合体に組み込まれる照射キャプセルに
    おいて、 原子炉内のガンマ発熱分布が小さい箇所は密に、大きい
    箇所は粗になるように巻付けピッチを変えた温度調整用
    の電気ヒータを内筒管内に組み込んで軸方向温度分布を
    均一化するとともに、所定の照射試料温度に設定するた
    めに前記電気ヒータは、原子炉の出力上昇前は加熱制御
    され、原子炉出力上昇とともに照射試料温度の上昇を抑
    えるため電気ヒータ出力が減少するように制御され、原
    子炉出力降下時には照射試料温度の低下を抑えるため電
    気ヒータ出力が上昇するように制御されることを特徴と
    する原子炉用照射キャプセル。
  2. 【請求項2】 胴部が内筒管と外筒管との二重壁からな
    り、冷却材が流入・流出する内筒管内に照射試料を収納
    し、内筒管と外筒管との間にガスギャップ部が形成さ
    れ、照射試験用集合体に組み込まれる照射キャプセルに
    おいて、 原子炉内のガンマ発熱分布が小さい箇所は高く、大きい
    箇所は低くなるように長さ方向における局所的な固有抵
    抗値を変えた温度調整用の電気ヒータを内筒管内に組み
    込んで軸方向温度分布を均一化するとともに、所定の照
    射試料温度に設定するために前記電気ヒータは、原子炉
    の出力上昇前は加熱制御され、原子炉出力上昇とともに
    照射試料温度の上昇を抑えるため電気ヒータ出力が減少
    するように制御され、原子炉出力降下時には照射試料温
    度の低下を抑えるため電気ヒータ出力が上昇するように
    制御されることを特徴とする原子炉用照射キャプセル。
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KR101125924B1 (ko) 2009-05-06 2012-03-21 한국수력원자력 주식회사 소듐 냉각 고속로의 모의 노심 가열장치
CN102890972B (zh) * 2012-09-29 2015-04-29 中国原子能科学研究院 对开式试验堆辐照装置
FR3016726B1 (fr) * 2014-01-22 2016-03-04 Commissariat Energie Atomique Dispositif pour l'irradiation d'echantillons dans le cœur ou en peripherie du cœur d'un reacteur
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