JP3041958B2 - 連続鋳造方法およびその装置 - Google Patents

連続鋳造方法およびその装置

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JP3041958B2
JP3041958B2 JP9515681A JP51568197A JP3041958B2 JP 3041958 B2 JP3041958 B2 JP 3041958B2 JP 9515681 A JP9515681 A JP 9515681A JP 51568197 A JP51568197 A JP 51568197A JP 3041958 B2 JP3041958 B2 JP 3041958B2
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一治 花崎
優和 小出
敏彦 村上
正彦 岡
誠治 熊倉
一男 岡村
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、鋳型から連続的に引き出した鋳片を圧下す
る連続鋳造方法およびその装置、特に未凝固の鋳片を圧
下して薄鋳片とする連続鋳造方法およびその装置に関す
る。
背景技術 薄板の代表的な製造方法として、連続鋳造により製造
された鋳片を、圧延工程で圧延・加工する方法が挙げら
れる。この方法では、鋳造後空冷された鋳片を熱間圧延
する際に、再加熱する必要があり、使用エネルギーのコ
ストの点で不利である。
近年、連続鋳造機から出てきた鋳片をそのまま圧延機
に供給する、熱延直結プロセスの開発が進められてお
り、特に、今日的課題として、熱延直結プロセスにおい
て粗圧延工程が省略可能な薄鋳片の連続鋳造技術を開発
することに努力が払われている。
薄鋳片の製造方法として、鋳型から連続的に引出した
鋳片を、未凝固相が中心部に残存している間に、複数の
圧下ロール対によって圧下しつつ更に冷却し、鋳片を連
続的に製造する方法がある。いわゆる未凝固圧下法であ
る。
この圧下ロール対による未凝固相をもった鋳片の圧下
について、特公平6−28790号公報には、鋳片の目標厚
みに応じてその厚みを徐々に厚くしたスペーサを、各圧
下ロール対のロール間隙に装入することによって圧下位
置を定め、鋳片の厚さがスペーサを装入したロール間隙
に等しくなるような圧下力を加える方法が開示されてい
る。また、特公平6−28789号公報には、鋳型から引き
出された未凝固鋳片がこのような圧下ロール対に達する
までに要した時間に応じて、各圧下ロール対の圧下力を
増大することによって、鋳片を一定の圧下量で鋳造する
方法が開示されている。
発明の開示 しかしながら、特公平6−28790号公報で開示された
従来の方法にあっては、鋳片の厚みを決定する圧下位置
をスペーサによって定めるため、鋳片の厚みを任意に設
定するには、対応する複数のスペーサを予め用意してお
き、鋳片の厚みを変更する都度、スペーサを交換しなけ
ればならず実用的でない。また、圧下反力については何
ら考慮されておらず、圧下反力によって鋳片の厚み誤差
が生じるという問題もあった。
一方、未凝固鋳片はその種類によって密度が異なり、
圧下反力が変化するが、特公平6−28789号公報で開示
された従来の方法にあっては、鋳型から引き出された未
凝固鋳片がこれらの圧下ロール対に達するまでに要した
時間に応じて圧下力が設定してあるため、圧下反力によ
って生じる鋳片の厚み誤差を十分防止し得ないという問
題があった。
また、いずれの方法においてもロール間隔を小さくす
る圧下方向の記述しかなく、ロール間隔を大きくする上
昇方向はまったく考慮されていない。未凝固圧下時に凝
固界面に生じるひずみの大きさは未凝固圧下量のみに依
存し圧下速度では変化しない。従って、内部割れを発生
させない未凝固圧下量の範囲では目標の未凝固圧下量に
まで圧下する過程において、いかに圧下速度が大きくと
も内部割れが発生することはない。しかし、未凝固圧下
開放、つまりロール間隔を大きくする上昇の場合には、
上昇速度がある値以上に大きい場合には、鋳片に内部割
れを発生させることがある。
本発明の目的は、任意の厚みの鋳片を高精度に製造す
ることができると共に、鋳片の中心部における不純物元
素の偏析を防止して均質な鋳片を製造できる連続鋳造方
法及びその実施に使用する装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、圧下方向の場合はもちろん、上
昇方向の場合にも内部割れのない寸法精度のすぐれた均
質な鋳片を製造できる連続鋳造方法および装置を提供す
ることである。
ここに、本発明は、鋳型から連続的に引き抜いた鋳片
を、タンデムに配置した複数の圧下装置に給送し、各圧
下装置に目標圧下位置又は目標圧力を与え、各圧下装置
においてそれぞれ与えた目標圧下位置又は目標圧力とな
るように前記鋳片を圧下して鋳片を連続鋳造する方法で
あって、前記複数の圧下装置の内、基準にする圧下装置
を変更可能に定め、この基準圧下装置を含みそれより上
流の各圧下装置に前記目標圧下位置を与え、前記基準圧
下装置より下流の各圧下装置に前記目標圧力を与えるこ
とを特徴とし、例えば圧下する場合は、鋳型厚みより鋳
片が薄くなる目標圧下位置とし、途中で鋳片厚みが変更
になり鋳片厚みが増加する場合(すなわち、圧下位置が
上昇する場合、以下単に「上昇する」という)は圧下し
た鋳片の厚みより、厚くかつ、鋳型厚みまでの目標圧下
位置とすることを特徴とする連続鋳造方法である。
別の面からは、本発明は、鋳型から連続的に引き抜い
た鋳片を、タンデムに配置した複数の圧下装置に給送
し、各圧下装置に目標圧下位置又は目標圧力を与え、与
えた目標圧下位置又は目標圧力となるように前記鋳片を
圧下して鋳片を連続鋳造する装置であって、前記複数の
圧下装置の内、基準にする圧下装置を変更可能に定める
基準圧下装置決定手段と、この基準圧下装置を含みそれ
より上流の各圧下装置に前記目標圧下位置を与える目標
圧下位置出力手段と、前記基準圧下装置より下流の各圧
下装置に前記目標圧力を与える目標圧力出力手段とを備
えており、圧下(鋳型厚より薄い鋳片を引く抜く)する
場合は、目標圧下位置出力手段により、鋳型厚より薄く
なる厚下位置を出力する手段と、上昇(鋳型厚より薄い
鋳片を引き抜く状態から鋳片を厚くする方向、つまり圧
下位置を開放する方向・・・単に開放ともいう)する場
合は、目標圧下位置出力手段により、前述の圧下位置よ
り上昇する圧下位置を出力する手段とを備えていること
を特徴とすることを特徴とする連続鋳造装置である。
このように本発明によれば、鋳型から連続的に引く抜
かれ、未凝固部の周囲を凝固部が取り囲む鋳片は、タン
デムに配置された複数の圧下装置に給送される。この鋳
片は、下流の圧下装置に向かうにつれて冷却されて未凝
固部が徐々に凝固部になり、凝固部の厚みが増大してい
く。そして、鋳片の凝固部の厚みが目標厚みになる位置
を計算(例:後述する(2)式)又は伝熱計算(例:後
述する図13)等によって定め、定めた鋳片の位置に最も
近い圧下装置を基準圧下装置とする。
ここで、圧下する場合は、基準圧下装置に、鋳片の鋳
型出側の厚みと目標厚みとの偏差に相当する目標圧下位
置を与えて圧下させ、基準圧下装置より上流の各圧下装
置に、基準圧下装置までの間に適当な傾きで鋳片を圧下
すべく、前記偏差に適宜比率を乗じた値を目標圧下位置
として与えて圧下させる。これによって、任意の目標厚
み(圧下位置)を設定し、設定した目標厚みになるよう
に鋳片を圧下することができる。
また、基準圧下装置より下流の各圧下装置に対して
は、鋳片の種類に応じて予め設定した圧下反力、及び当
該圧下装置における鋳片の静鉄圧に基づいて算出した目
標圧力を与え、この目標圧力となるように鋳片を圧下さ
せる。静鉄圧は鋳片の密度及び当該圧下装置からメニス
カスまでの高さ等に基づいて算出され、圧下反力は前述
した如く、鋳片の種類に応じて設定してある。これによ
って、異なる種類の鋳片に対しても、圧下反力によって
生じる鋳片の厚み誤差を防止することができる。
このように、基準圧下装置を含みそれより上流の圧下
装置に目標圧下位置を与え、基準圧下装置より下流の圧
下装置に目標圧力を与えることによって、圧下位置制御
と圧力制御とを平行して実施し、任意の厚みの鋳片を圧
下反力による厚み誤差を防止して製造することが可能に
なる。
一方、鋳片厚みを増加させる場合は、圧下の場合の基
準圧下装置を、そのまま基準として、基準圧下層値によ
り圧下されて薄くなった現状の鋳片厚み、すなわちロー
ル間隔と目標厚みとの偏差に相当する目標圧下位置を与
えて上昇させ、基準圧下装置より上流の各圧下装置から
基準圧下装置までの間において適当な傾きで鋳片を圧下
すべく、前記偏差に適宜比率を乗じた値を目標圧下位置
として与えて上昇させる。これによって、任意の鋳片目
標厚み、つまりロール圧下位置を設定し、設定した目標
厚みになるように鋳片厚さを上昇させることができる。
また、基準圧下装置より下流の各圧下装置に対して
は、圧下の場合と同様にして、鋳片の種類に応じて予め
設定した圧下反力、および当該圧下装置における鋳片の
静鉄圧に基づいて算出した目標圧力を与える。
圧下、上昇のいずれの場合も、目標圧力は、静鉄圧よ
り所定の値だけ大きな値となるようモデルにより設定さ
れる。これにより、鋳片厚の増加中も静鉄圧により圧下
が開放されることなく、基準圧下装置の圧下位置に追従
して、かつ該目標圧力となるように鋳片を圧下させる。
静鉄圧は鋳片の密度および当該圧下装置からメニスカ
スまでの高さ等に基づいて算出され、圧下反力は前述し
た如く、鋳片の種類に応じて設定してある。これによっ
て、異なる種類の鋳片に対しても、圧下反力によって生
じる鋳片の厚み誤差を防止することができる。
このように、上昇の場合も基準圧下装置を含みそれに
より上流の圧下装置に目標圧下位置を与え、基準圧下装
置より下流の圧下装置に目標圧力を与えることによっ
て、圧下位置制御と圧力制御とを平行して実施し、任意
の厚みの鋳片を圧下反力による厚み誤差を防止して鋳造
することが可能になる。
圧下、上昇のいずれの場合にも、基準圧下装置の出側
の厚みを、厚み検出器の検出値又は基準圧下装置より1
つ下流の圧下装置における圧下位置から求め、その厚み
が目標厚みより薄い場合、鋳片の未凝固部の厚みが厚い
と判断し、当該基準圧下装置に代えて、それより1つ下
流の圧下装置を新たな基準圧下装置とする。また、基準
圧下装置の圧下位置を検出し、検出した圧下位置が、鋳
型から引き抜かれた鋳片の厚みと目標厚みとの差分に対
応する位置より大きい場合、鋳片の凝固部の厚みが厚い
と判断し、当該基準圧下装置に代えて、それより1つ上
流の圧下装置を新たな基準圧下装置とする。これによっ
て、基準圧下装置の位置を正確に定めることができる。
さらに、圧下、上昇のいずれの場合とも、基準圧下装
置を含みそれより上流の各圧下装置は、圧下位置検出器
の検出結果及び目標圧下位置の差分における符号の正負
によって、複動式の液圧シリンダへの加圧方向を求め
る。また、前記差分に相当する圧力を目標圧力として求
め、求めた目標圧力及び圧力計の検出結果に基づいて前
記圧力調節弁の開度を定める。そして、定めた開度にな
るように前記圧力調節弁を操作すると共に、求めた各圧
方向になるように前記切換弁を操作する。このように、
切換弁及び圧力調節弁を操作することによって、各圧下
装置の圧下位置を目標圧下位置に制御することができ
る。
また、基準圧下装置より下流の各圧下装置は、与えら
れた目標圧力及び圧力計の検出結果に基づいて前記圧力
調節弁の開度を求め、求めた開度になるように前記圧力
調節弁を操作することによって、圧力制御が行われる。
ところで、未凝固圧の開放の場合、つまり鋳片厚を増
加させる場合には鋳片の内部割れを防止することが必要
であり、そのような場合、本発明は、未凝固層を有する
鋳造中の鋳片をロール圧下帯において未凝固鋳片を圧下
して薄板鋳片を製造する未凝固圧下連続鋳造法におい
て、圧下位置を上昇させて鋳片を厚みを未凝固圧下開始
前の元の鋳片厚み以下の厚みに戻す際に、目標圧下位置
を与える最終ロールの間隔の上昇速度が下記式を満足す
るように圧下力を開放することを特徴とする未凝固圧下
連続鋳造法である。
ここで、VR :未凝固圧下ロールの上昇速度(mm/s) VC :鋳造速度(m/min) L :目標圧下位置を与える未凝固圧下ロー
ルから次のロールまでの間の最小ロールピッチ(mm) LS :目標圧下位置を与える未凝固圧下領域
の長さ(m) εcr:鋳造鋼種の内部割れ限界ひずみ(%) D :未凝固圧下ロール出側における最大凝
固部厚(mm) 図面の簡単な説明 図1は本発明に係る湾曲型スラブ連続鋳造機を示す模
式的説明図である。
図2は圧下装置の駆動制御系を示す模式的説明図であ
る。
図3は圧下ロール帯に給送された未凝固鋳片の状態を
示す模式的側断面図である。
図4は基準圧下ロールを含むそれより上流の圧下ロー
ルの制御ロジックを示すブロック図である。
図5は基準圧下ロールより下流の圧下ロールの制御ロ
ジックを示すブロック図である。
図6(a)、(b)、(c)は圧下反力・圧下位置制
御装置による目標圧下位置及び目標圧力の算出手順、並
びに基準圧下ロールの決定手順を示すフローチャートで
ある。
図7は、本発明において用いる未凝固圧下装置の一例
を模式的に示した説明図である。
図8は、圧下開放過程における鋳片と支持ロールとの
間に見られる隙間の発生の様子の説明図である。
図9は、圧下開放過程において生じた鋳片−ロール間
の隙間により生じるバルジング発生の形態の説明図であ
る。
図10は、圧下開放過程におけるバルジングの発生時
期、バルジング量の変化の様子を示す説明図である。
図11(a)〜(f)は、最大バルジングが発生する鋳
片部分が未凝固圧下セグメントを通過し、次のセグメン
トに至るまでの間にうける未凝固圧下開放ひずみを説明
する模式図である。
図12は、鋳造速度Vcならびに圧下開放速度VRと最大バ
ルジング量dbとの関係を示すグラフである。
図13(a)、(b)はそれぞれ凝固厚みを伝熱計算に
より計算した結果を示すグラフである。
図14は、基準圧下ロール位置における、時間経過に対
するスラブの凝固厚さ、未凝固厚さの変化を示すグラフ
である。
図15は、ロール位置制御におけるパターン変更シミュ
レーションの結果を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の実施態様を図面に基づいて具体的に説
明する。
図1は湾曲型スラブ連続鋳造機を示す模式的側面図で
あり、図中、溶湯が投入された取鍋Lはタンディッシュ
T上へ移送される。取鍋Lの底部にはスライディングノ
ズルSNが設けてあり、スライディングノズルSNが開動作
すると、取鍋Lの溶湯はタンディッシュT内へ流入し、
そこで一時貯留される。
タンディッシュTの底部にはフィードノズルFNが連結
してあり、フィードノズルFNは方形筒状の鋳型M内まで
延設してある。タンディッシュTに流入した溶湯はそこ
で一時貯溜され安定した流れとなってフィードノズルFN
から鋳型M内に導かれる。この溶湯は鋳型M内で冷却さ
れた周囲が凝固した未凝固鋳片となって鋳型Mから引き
抜かれる。鋳型Mの下方には、冷却水をスプレーするス
プレーロール帯SRが配してあり、スプレーロール帯SRに
よって未凝固鋳片が冷却(二次冷却)される。スプレー
ロール帯SRに続いて未凝固鋳片を水平に矯正すべく、複
数のグループロール帯GR1、GR2、GR3、GR4、GR5及びピ
ンチロール帯PIRが所定の曲率となるように配置してあ
り、水平に矯正された未凝固鋳片は圧下ロール帯PRTタ
ンデムに配置した複数の圧下ロールPR、PR、・・・によ
って圧下されつつ更に冷却され、鋳片が連続的に鋳造さ
れる。
各圧下ロールPR、PR、・・・には油圧シリンダ3、
3、・・・に備えられたピストン4、4、・・・のロッ
ド5、5、・・・が連結してあり、これら圧下ロールP
R、油圧シリンダ3及びピストン4によって1つの圧下
装置が構成されている。各圧下装置の圧下動作をそれぞ
れ制御する複数の圧下制御装置2、2、・・・には、圧
下反力・圧力位置制御装置1から目標圧力及び目標圧下
位置がそれぞれ与えられるようになっており、各圧下制
御装置2、2、・・・は、与えられた目標圧力及び目標
圧下位置になるようにピストン4、4、・・・の圧下位
置及び油圧シリンダ3、3、・・・内の圧力を制御す
る。
図2は圧下装置の駆動制御系を示す模式的説明図であ
る。圧下ロールPRは上ロール15及び下ロール16を備えて
いる。上ロール15上方には複動式の油圧シリンダ3、3
がピストン4、4のロッド5、5が下方になるように固
定してあり、ロッド5、5の下端は上ロール15の両端に
連結してある。かかる構成により上ロール15には油圧シ
リンダ3、3によって所要の圧下位置及び圧下力が与え
られ、圧下ロールPRは上、下ロール15、16の間隙を通過
する未凝固鋳片の鋳片Sを圧下する。
油圧シリンダ3には、油圧シリンダ3内のピストン4
で上下に分けられた2室内へ給送すべく送油管17、18の
一端がそれぞれ連結してある。送油管17の他端側は電動
式の圧力調節弁10を介して4ポート2位置切り換え型の
電磁式切換弁8の1ポートに接続してあり、給送管18の
他端は切換弁8の他ポートに接続してある。切換弁8の
残り2ポートの内の一方のポンプPを介して油タンク7
と接続しており、他方は直接に油タンク7と接続してい
る。前述した圧力調節弁10には減圧時に余分な油を油タ
ンク7へ戻すための配管19が連結してある。そして、切
換弁8を作動させることによって、油圧シリンダ3内の
2室の一方に給油し、ピストン4は上又は下に駆動し、
圧力調節弁10によって油圧シリンダ3内の油圧を調節す
る。
油圧シリンダ3には圧下位置検出器6が設けてあり、
圧下位置検出器6は検出した圧下位置を圧下制御装置2
に与える。また、送油管17の圧力調節弁10と油圧シリン
ダ3との間には圧力調節弁10で調節された油圧を検出す
る圧力計12が取り付けてあり、圧力計12の検出結果は圧
下制御装置2に与えられる。圧下制御装置2には前述し
た如く、圧下反力・圧下位置制御装置1(図1参照)か
ら目標圧力及び目標圧下位置がそれぞれ与えられてお
り、圧下制御装置2は圧力計12及び圧下位置検出器6の
検出結果が目標圧力及び目標圧下位置になるように開度
指令及び切換指令を圧力調節弁10及び切換弁8にそれぞ
れ与える。
以上の説明は一方の油圧シリンダ3についてである
が、他方の油圧シリンダ3についても同様である。以下
同じ。
圧下反力・圧下位置制御装置1は目標圧下力及び目標
圧下位置を次のように定める。
図3は圧下ロール帯PRTに給送された未凝固鋳片30の
状態を示す模式的側断面図である。圧下ロール帯PRTに
給送された未凝固鋳片30は外気によって冷却され、未凝
固鋳片の中心部に残存する未凝固部SGが徐々に減少する
と共に、未凝固部SGを取り囲む凝固部SSが増加して、最
終的に未凝固部SGが無い鋳片となる。
ここに、鋳片の目標厚みをTrefとすると、圧下反力・
圧下位置制御装置1は、圧下ロール帯PRTに備えられた
複数の圧下ロールPR、PR、・・・の内、未凝固鋳片にお
ける未凝固部SGより上側の凝固部SSの厚みT1と、未凝固
部SGより下側の凝固部SSの厚みT2との和(T1+T2)が目
標厚みTrefになる位置に最も近い圧下ロールPRを基準圧
下ロールPR0とすべく、次の(1)式及び(2)式に基
づいてそれを求める。
但し、Ti:凝固部厚 Ti=T1+T2 k :伝熱計算で求められる凝固係数(mm mi
n−1/2) Le:メニスカスから圧下位置までの距離(m) Vc:鋳造速度(m/min) 別の態様として、基準圧下ロールの位置算出は、伝熱
計算により推定してもよい。後述する図13の説明参照。
圧下の場合は、基準圧下ロールPR0が定まると、圧下
反力・圧力位置制御装置は、この基準圧下ロールPR0
圧下制御装置に、圧下ロール帯の入側の未凝固鋳片の厚
み(即ち、鋳型の幅)Tinと目標厚みTrefとの差分ΔT
=Tin−Trefとなる目標圧下位置を与える。
また、圧下反力・圧下位置制御装置は、基準圧下ロー
ルPR0より所定台数だけ上流の各圧下ロールPR-1、P
R-2、・・・の各圧下制御装置に、前述した差分ΔTに
所定の比率を乗じた目標圧下位置を与える。例えば、基
準圧下ロールPR0より2台上流の圧下ロールPR-1、PR-2
までを制御すると、圧下ロールPR-1の圧下制御装置には
1/3ΔTの圧下になる目標圧力及び目標圧下位置を与
え、圧下ロールPR-2の圧下制御装置には2/3ΔTになる
目標圧下位置を与える。
いま、1/3ΔT、2/3ΔT又はΔTをS0とすると、圧下
制御装置2はS0に基づいて次のような制御を行う。
図4は基準圧下ロールを含みそれより上流の圧下ロー
ルの制御ロジックを示すブロック図である。基準圧下ロ
ール及びそれより上流の圧下ロールを制御する各圧下制
御装置2の第1減算器21にS0が与えられる。第1減算器
21には圧下位置検出器6からそれが検出した圧下位置も
与えられており、第1減算器21はS0からこの検出した圧
下位置を減算した値を圧力指令生成部22に与える。ま
た、第1減算器21は減算結果を切換指令生成部25に与え
る。切換指令生成部25は、与えられた減算結果の正負符
号に基づいて、油圧シリンダ3に対する加圧方向を判断
して切換指令を生成し、それを切換弁8に与える。
前述した圧力指令生成部22は与えられた圧下位置の差
分に相当する圧力指令をPID演算によって求め、それを
第2減算器23に与える。第2減算器23には圧力計12から
圧力調節弁10によって圧力調節された油圧も与えられて
おり、第2減算器23は指定圧力と油圧との差分を開度指
令生成部24に与える。開度指令生成部24は与えられた差
分に相当する開度指令をPID演算によって求め、それを
圧力調節弁10に与えて開度を調整させ、圧下位置を制置
する。
一方、図1の圧下反力・圧下位置制御装置1は、図3
に示すように基準圧下ロールPR0より下流の各圧下ロー
ルPR1、PR2、・・・の圧下制御装置2、2、・・・に、
実質的に圧下反力α及び次の(3)の式に基づいて求め
られる目標圧力(Pi+α)をそれぞれ与える。なお、実
質的な圧下反力αは鋼種によって異なり、圧下反力・圧
下位置制御装置1には鋼種別にαの値が予め設定してあ
る。
Pi=(P0×S)/A ・・・(3) 但し、P0:静鉄圧 P0=ρgh 但し、ρ:溶湯の密度 g :重力加速度 h :タンディッシュの湯面から圧下位置までの高
さ(m) S :ロール・鋳片接触面積 S=rp×{W−(T1+T2)} 但し、rp:ロールピッチ W :鋳片幅 A :シリンダ断面積 図5は、基準圧下ロールPR0より下流の圧下ロールの
制御ロジックを示すブロック図である。圧下反力・圧下
位置制御装置1は、鋼種別にαの値が予め設定してある
αテーブル32を備えており、目標圧力算出部31はαテー
ブル32から該当鋼種のαを読み込むと共に、前述した
(3)式に基づいて目標圧力(Pi+α)を算出し、それ
を基準圧下ロールより下流の圧下ロールを制御する圧下
制御装置2の減算器26に与える。減算器26には圧力計12
から、次の(4)式で求まる圧下力fで圧下している油
圧シリンダ3へ供給している油圧も与えられており、減
算器26は目標圧力(Pi+α)と圧力計12が検出した油圧
との差分を開度指令生成部27に与える。
f=(Pi+α)×A ・・・(4) 開度指令生成部27は与えられた差分に相当する指令開
度を生成し、それを圧力調節弁10に与えて開度を調整し
て油圧シリンダ3による圧下力を制御する。これによっ
て、圧下反力に応じた圧下力が鋳片に加えられ、目標厚
みの鋳片が高精度に製造される。
一方、基準圧下ロールPR0の位置は、前述した如く計
算により決定しているため誤差を含んでおり、そのよう
な誤差は未凝固部の厚みがΔTより大きい場合、又は未
凝固部の厚みがΔTより小さい場合が発生する。そこ
で、圧下反力・圧下位置制御装置は、次のようにして基
準圧下ロールPR0の位置を変更する。
図3において基準圧下ロールPR0より1つ下流の圧下
ロールPR1に設けた圧下位置検出器6(図2参照)の検
出結果から、この圧下ロールPR1に備えられた上、下ロ
ール間の距離を求め、それを基準圧下ロールPR0の出側
厚みToutとし、Tout<Trefのとき、即ち未凝固部の厚み
がΔTより大きいと判断すると、圧下反力・圧下位置制
御装置1は、基準圧下ロールPR0の位置を一つ下流に変
更する。そして、圧下反力・圧下位置制御装置1は前同
様にToutを求め、Tref−Tout=0となるまで基準圧下ロ
ールPR0の位置の変更を繰り返す。
また、未凝固部の厚みがΔTより小さい場合、基準圧
下ロールPR0における実績圧下位置はΔT−αとなり、
大きな圧下反力が生じるため、圧下反力・圧下位置制御
装置1は、基準圧下ロールPR0に設けた圧下位置検出装
置6の検出結果に基づいて、実績圧下位置がΔT−αに
なったとき、基準圧下ロールPR0の位置を一つ上流に変
更する。そして、圧下反力・圧下位置制御装置1は、実
績圧下位置がΔTとなるまで基準圧下ロールPR0の位置
の変更を繰り返す。
基準圧下ロールPR0の位置が変更されると、圧下反力
・圧下位置制御位置1は、変更後の基準圧下ロールPR0
より上流の圧下ロールPR-1、PR-2、・・・及び下流の圧
下ロールPR1、PR2、・・・の圧下制御装置2、2、・・
・へ、前同様にして求めた圧下になる目標圧力及び目標
圧下位置を与える。
基準圧下ロール判定ロジックは図6(a)〜(c)の
S1〜S12のステップを経て行うロール位置検出結果に基
づく方法と圧下反力により判定する方法がある。
図6(a)〜(c)は、圧下反力・圧下位置制御装置
1による目標圧力及び目標圧下位置の算出手順、並びに
基準圧下ロールの決定手順を示すフローチャートであ
る。
圧下反力・圧下位置制御装置1には鋳片の目標厚みT
refが与えられており、未凝固鋳片における凝固部Ss
厚み(T1+T2)が目標厚みTrefになるように、圧下ロー
ル帯PRTから基準圧下ロールPR0を前述の(1)式及び
(2)式に基づいて定める(ステップS1)。
また、圧下反力・圧下位置制御装置1には鋼種別に実
質的な圧下反力αが設定されており、圧下反力・圧下位
置制御装置1は当該鋼種のαを選択する(ステップS
2)。基準圧下ロールPR0の位置が求まると、圧下反力・
圧下位置制御装置1は、圧下ロール帯PRTの入側の未凝
固鋳片の厚みTinと目標厚みTrefとの差分ΔT=Tin−T
refを算出し(ステップS3)、ΔTになる目標圧下位置
を基準圧下ロールPR0の圧下制御装置2、2に与える
(ステップS4)。また、圧下反力・圧下位置制御装置1
は、基準圧下ロールPR0より2台上流の各圧下ロールPR
-1、PR-2の圧下制御装置2、2それぞれに、前述した差
分ΔTに1/3、2/3を乗じた圧下になる目標圧下位置1/3
ΔT、2/3ΔTを与える(ステップS3、4)。
更に、圧下反力・圧下位置制御装置1は、選択したα
及び前述の(3)式に基づいて目標圧力(Pi+α)を算
出し(ステップS5)、それぞれ基準圧下ロールPR0より
下流の各圧下ロールPR1、PR2、・・・の圧下制御装置
2、2、・・・にそれぞれ与える(ステップS6)。
また、圧下反力・圧下位置制御装置1は、基準圧下ロ
ールPR0及び基準圧下ロールPR0より下流の圧下ロールPR
1にそれぞれ設けた圧下位置検出器6、6の検出結果を
それぞれ読み込み(ステップS7)、圧下ロールPR1に設
けた圧下位置検出器6の検出結果から求められる上、下
ロール間の距離を、基準圧下ロールPR0の出側厚みTout
とする(ステップS8)。そして、圧下反力・圧下位置制
御装置1は、Tout≧Trefであるか否かを判断し(ステッ
プS9)、Tout≧Trefでないと判断すると、圧下反力・圧
下位置制御装置1は、基準圧下ロールPR0の位置を一つ
下流に変更し(ステップS10)でステップS3に戻り(図
6(a)参照)、ステップS9でTout≧Trefと判断される
まで基準圧下ロールPR0の位置の変更を繰り返す。
また、ステップS9でTout≧Trefと判断されると、圧下
反力・圧下位置制御装置1は、基準圧下ロールPR0に設
けた圧下位置検出装置6の検出結果に基づいて、実績圧
下位置がΔTであるか否かを判断し(ステップS11)、
ΔTでない場合、ΔT−αになったタイミングで基準圧
下ロールPR0の位置を一つ上流に変更する(ステップS1
2)。そして、ステップS3に戻り、ステップS11で実績圧
下位置がΔTと判断させるまで、圧下反力・圧下位置制
御装置1は基準圧下ロールPR0の位置の変更を繰り返
す。
あるいは、図6(c)に示すように、基準圧下ロール
の圧下反力が設定圧力(P0〜P00)より大きくなってい
ると判断される場合は(P0<)、基準圧下ロールの位置
が不適と判断し一つ上流のロールを基準圧下ロールとす
る。P0〜P00の設定の範囲内の圧下反力であれば、基準
圧下ロールは最適であると判断する。設定の圧力の範囲
以下でかつ、圧下が完了しているとすれば、基準圧下ロ
ールの位置は不適と判定して一つ下流のロールを基準圧
下ロールとする。
以上説明した場合はいずれも鋳片厚みを圧下する場合
であるが、一旦圧下した鋳片厚みを今度は厚くしたい場
合、または元の鋳片厚みにまで戻したい場合、つまり鋳
片厚みが上昇する場合には、圧下の時の目標厚Tout1か
ら上昇の目標値Tout2へ圧下位置を上昇させる必要があ
る。ここに、Tout2≦Tinとなる値である。
かかる場合には、基準圧下ロールPR0は、圧下の場合
に決定されたPR0をそのまま基準圧下ロールとして、圧
下反力の圧下位置制御装置は、この基準圧下ロールPR0
の圧下制御装置に、現状の凝固シェル厚みTout1と上昇
させる目標厚みTout2との差分、ΔT2=Tout2−Tout1と
なる分、圧下位置を上昇させればよい。
また、圧下反力・圧下位置制御装置は、基準圧下ロー
ルPR0より所定台数だけ上流の各圧下ロールPR-1、PR-2,
・・・の各圧下制御装置に、前述した差分ΔT2に所定の
比率を乗じた分だけ、圧下位置を上昇させた目標圧下位
置を与える。例えば、基準圧下ロールPR0より2台上流
の圧下ロールPR-1、PR-2までを制御するとすると、圧下
ロールPR-1の圧下制御装置には1/3ΔT2の上昇となる目
標圧力および目標圧下位置を与え、圧下ロールPR-2の圧
下制御装置には2/3ΔT2の上昇となる目標圧下位置を与
える。
したがって、1/3ΔT2、2/3ΔT2またはΔT2をS0と考え
ることによって、圧下制御装置2は、S0に基づいて例え
ば図4で示される基準圧下ロールを含みそれより上流の
圧下ロールの制御ロジックによって制御すればよい。ま
た、基準圧下ロールPR0より下流の各圧下ロールPRiの圧
下反力制御ならびに基準圧下ロール修正ロジックも圧下
の場合と同様に行えばよい。
なお、上述した発明の実施の形態では圧下装置を油圧
系にしてあるが、本発明はこれに限らず、油に代えて他
の溶媒にしてもよいことはいうまでもない。
また、例として圧下装置をシリンダ駆動したが、スク
リュージャッキ等も適用できる。
ここに、鋳片を未凝固圧下する手段については種々の
ものがあり、これまでの説明では各ロールが個別的に独
立して圧下反力・圧下位置制御される場合を例にとって
きたが、、圧下装置が安価であり精度や装置の保持容易
性にも優れる手段としては、図7に示すように、圧下ロ
ール帯PRTにおいて鋳片支持ロール40を配置したセグメ
ントフレームの片側を鋳片方向に移動可能なフレーム4
1、もう片側を固定フレーム42とし、移動フレーム41を
油圧装置43によって傾斜させることにより圧下する装置
がある。図示例の場合にはR1〜R5のロールを2つの油圧
装置で圧下制御するのである。
ところで、本発明にかかる未凝固圧下や未凝固圧下の
開放を行った場合、未凝固圧下のときには鋳片内質の劣
化が生じないにも関わらず、同じ速度で未凝固圧下を開
放したときには鋳片内質が劣化することがある。
すなわち、未凝固圧下時に凝固界面に生じるひずみの
大きさは未凝固圧下量のみ依存し圧下速度では変化しな
い。従って、内部割れを発生させない未凝固圧下量の範
囲では目標の凝固圧下量にまで圧下する過程において、
いかに圧下速度が大きくとも内部割れが発生することは
ない。しかし、未凝固圧下開放、つまり上昇の場合に
は、上昇速度がある値以上に大きい場合には、以下の機
構によって新たなひずみが発生し、鋳片に内部割れを発
生させることがある。
例えば、図7に示すように、各圧下ロールをセグメン
ト化した装置を使用した場合を例にとって説明すると、
図8において未凝固圧下開放時には移動フレーム41に配
置されたロールは鋳片SBから遠ざかる方向に移動され
る。時刻t(i)においてロールjに位置した鋳片が時
刻t(i+1)においてロールj+1の位置に移動する
とき、時刻t(i+1)でのロールj+1におけるロー
ル間隔(移動フレーム41の側のロールと固定フレーム42
の側のロールの表面間の最短距離)G(j+1,i+1)
が、時刻t(i)における鋳片厚み、すなわち時刻t
(i)におけるロールjのロール間隔G(j,i)よりも
大きければ、ロールj+1において鋳片とロールとの間
に隙間45が生じる。
この隙間45はまず初めに未凝固圧下セグメントの出側
ロールで生じ、その後さらに上流側のロールへと発生範
囲が広がっていく。
図9は圧下開放過程における鋳片の形状を示すもの
で、図中、鋳片の凝固部S5はその内部の未凝固部Ssから
静圧を受けているために、鋳片支持ロールPRの位置にお
いて上記隙間を埋めるように、バルジング変形46が発生
する。このバルジング変形46を通常のロール間バルジン
グ変形と区別し、以後、単にバルジング変形と呼ぶ。ま
たこのバルジング変形量は、ロール間隔と幅端部での鋳
片厚みの差(db)として定義できる。
図10は、上記のバルジング変形について、図7に示し
たように5本の支持ロールを有する未凝固圧下セグメン
トで圧下開放を行った場合の、未凝固圧下セグメントの
出側におけるバルジング変形を示す。バルジング変形は
圧下開放の後半に生じ、未凝固圧下開放の終了時に最大
値を取る。未凝固圧下の開放が完了した時点とは、未凝
固圧下量が0となり、未凝固圧下セグメント出側のロー
ル間隔が目標の厚みに到達した時点であり、図10では圧
下開放開始から50秒経過した時点である。この後も、幅
端部の鋳片厚みが目標厚み(図10では90mm)に達するま
ではバルジング変形は残存する。なお、バルジング変形
が出始めてから最大値に達するまでの鋳造長さは、未凝
固圧下セグメントの長さLsに等しい。最大値から再びバ
ルジング変形が消失するまでの鋳造長さも同様にLsに等
しい。
さらに図10から以下のことがわかる。バルジング変形
は未凝固圧下セグメントの出側ロール(図10の場合図7
の第5ロール、R5)においてロールと鋳片の間に隙間が
発生する時点(図10の05点)から生じる。バルジング変
形が最大値に至るまでの間に、ロール4(R4)、ロール
3(R3)、ロール2(R2)において順次隙間が発生し
(図10の04、03、02の各点)、バルジング変形が増加す
る。最大バルジング変形の発生後、ロール2(R2)から
ロール5(R5)まで、順次、ロール間隔=鋳片幅端部厚
みとなって隙間が消失していく(図10のC2、C3、C4、C5
の各点)。
次に、未凝固圧下セグメント出側にて最大バルジング
変形を生じる鋳片部分に着目し、この部分が未凝固圧下
セグメントを通過するときの鋳片の変形について図11に
示す。図11において着目部分を斜線で示した。なお、図
11は未凝固圧下セグメントのパスラインをそのまま示し
たものではなく、バルジングとバルジング部の圧下の発
生を説明するために、鋳片幅中央部の凝固シェルと支持
ロールとの位置関係を相対的に示したものである。
バルジング変形の発生から最大値に至るまでの鋳造長
さは未凝固圧下セグメントの長さに等しいので、着目鋳
片部分47が未凝固圧下セグメント入側にあった時の鋳片
とロールとの接触状態は図11(a)における状態であ
る。すなわち、図10の05点に相当し、第5ロール(R5
に隙間が生じ始める時点である。着目部分47が第2ロー
ル(K2)にある場合は図11(b)に示すように、図10の
04点にほぼ相当し、第5ロール(R5)では隙間によるバ
ルジングが生じており、第4のロール(R4)でバルジン
グが発生し始める時点である。同様に着目部分47が第3
ロール(R3)、第4ロール(R4)、第5ロール(R5)に
位置したときの状態は図10の03、04、開放終了の各点に
相当し、図11(b)〜図11(e)に示す状態である。
図11からわかるように、着目部分47が未凝固圧下セグ
メント内の第3ロール(R3)に至るまでは第1〜第3ロ
ール直下で鋳片とロール間の隙間が発生しないのでこれ
によるバルジング変形は発生しない。第3ロール(R3
直下に到達した時点では、第4ロール(R4)で隙間によ
るバルジング変形が生じているために、第3ロール
(R3)直下の凝固界面には鋳造方向の引張りひずみεbm
3(曲げによりシェル内側に引張作用が働く)を生じ
る。このεbmをバルジング型ミスアライメントひずみと
呼ぶことにする。着目部分47が第4ロール(R4)に到達
した時点では、第5ロール(R5)でさらにバルジング変
形が発生しているためにバルジング型ミスアライメント
ひずみεbm4が更に加わる。
本発明においては、目標圧下位置を与える未凝固圧下
セグメントよりも下流のセグメントでは鋳片厚みを保持
するために溶鋼静圧力相当の力で、以下のセグメントフ
レームを挟み込む必要がある。このため、図9に示した
バルジング変形をした鋳片が、未凝固圧下セグメントに
続く一般のセグメントに到達した時点で、セグメントの
加圧力によってバルジング変形がつぶされ、鋳片形状は
再び矩形に戻る。この圧下によって図11(e)に示すよ
うに着目部分47の鋳片の凝固界面には、さらに鋳造方向
のひずみεsmが加わる。以後、このひずみをセグメント
段差型圧下ひずみ(略して段差型圧下ひずみ)と呼ぶ。
この段差型圧下ひずみは未強固圧下セグメントの次のセ
グメントの入側ロール48で生じる。
バルジング型ミスアライメントひずみと段差型圧下ひ
ずみの合計がある限界を超えると内部割れが発生する。
これらのひずみはバルジング量に比例するので、最大バ
ルジング発生部においてひずみも最大となる。最大バル
ジング量は開放速度、すなわちロール上昇速度に比例
し、鋳造速度に反比例する。従って内部割れの発生を防
ぐためには、任意の鋳造速度の下でこれらのひずみの合
計が内部割れの限界未満に収まるように最大バルジング
量、すなわち圧下開放速度を制御すればよい。
以下、圧下開放速度を定量的に表すために、圧下開放
速度とは未強固圧下セグメント出側ロールの上昇速度を
指すものとする。未凝固圧下セグメント出側ロール直下
における最大バルジング変形量db(mm)を種々の鋳造速
度Vc(m/min)ならびに圧下開放速度VR(mm/s)で調査
した結果、図12に示す結果を得た。この結果から以下の
関係が導かれる。
db=18×VR×LS/LC ・・・(5) ここで、LSは未凝固圧下セグメントの出側ロールと入
側ロールとの間隔、すなわち、未凝固圧下セグメントの
長さ(m)である。式(5)からわかるように未凝固圧
下セグメント出側における最大バルジング量dbは圧下開
放量の影響は受けず、圧下開放速度や鋳造速度、セグメ
ント長さによってのみ変化する。バルジング量dbが最大
となるのは、図10に示したように圧下開放期間の中間で
あり、最大のdbが生じた鋳片部分に着目すると、図11に
示したように第3ロールと第4ロールでバルジング型ミ
スアライメントひずみを受け、未凝固圧下セグメントの
次のロールで段差型圧下ひずみを受ける。
本発明者らが実施した有限要素法解析によると、バル
ジング型ミスアライメントひずみは また、段差型圧下ひずみは と表される。
ここで、Dは凝固部の厚み(mm)、δはバルジング
量、Lはロールピッチである。図11に示した例では着目
部分47がバルジング型ミスアライメントひずみを受ける
箇所は第3ロール(R3)と第4ロール(R4)であった。
これは未凝固圧下セグメント内に5個のロールがあるた
めである。ロールの本数が異なる場合には、着目部分47
がバルジング型ミスアライメントひずみを受けるロール
の番号は当然変わるが、ひずみを受ける位置は重要では
ない。なぜならば、内部割れは凝固シェルの凝固界面側
に形成される脆性域(通常固相率で0.8〜0.99にある領
域)に加わるひずみが限界値を超えた時に発生し、ひず
みが繰り返し作用する場合にはその合計値が限界値を越
えたときに発生する。最大バルジング量は着目部分が個
々のロールでバルジングした変形量の総和になってお
り、バルジング型ミスアライメントひずみはバルジング
量に比例する。従って、バルジングが発生した個々のロ
ールにおいてバルジング型ミスアライメントひずみを計
算し、これらを合計した値と、最大バルジング量を一度
に与えて計算したひずみの値とは等しくなるからであ
る。従って、未凝固圧下開放に起因して発生するひずみ
(これを未凝固圧下開放ひずみεと表すことにする)
は、式(6)および(7)のδに最大バルジング量dbを
用いて計算したひずみの合計であり、 と表すことができる。従って、内部割れの発生を防止す
るためには、未凝固圧下開放ひずみ未凝固圧下開放以外
の原因で発生するひずみ(例えば、ロール間バルジング
ひずみや熱応力によるひずみ、ロールの熱膨張に起因す
るロール曲がりによる圧下ひずみなど)の合計を限界値
未満に抑えればよい。後者の未凝固圧下開放以外の原因
で発生するひずみは、通常の連続鋳造においても必ず発
生するひずみである。このひずみを便宜上、既存ひずみ
と呼ぶことにする。この既存ひずみの大きさは、マシン
の構成や操業条件などによって変わる。しかし、未凝固
圧下によって内部割れを発生させないように、また、未
凝固圧下を行わない定常鋳造時においても、突発的なマ
シンの不備などに起因する内部割れを発生させないよう
に、既存ひずみが内部割れの限界ひずみ(鋼種によって
異なる)の高々50%未満(安全率1.4以上)になるよう
にマシンは経験的に設計されている。従って、未凝固圧
下開放ひずみ(ε)を内部割れ限界ひずみの50%未満
に抑えれば、未凝固圧下開放による内部割れを確実に防
止することができる。
すなわち、対象とする鋼種の内部割れ限界ひずみ(こ
の値は例えば「材料とプロセス」Vol.1(1988),p.1229
記載の方法で測定することができる)をεcrとすると、
内部割れを発生させないための条件は式(8)より、 ここで、VR :未凝固圧下領域出側ロールの上昇速度
(mm/s) VC :鋳造速度(m/min) L :目標圧下位置を与える未凝固圧下ロー
ルから次のロールまでの間の最小ロールピッチ(mm) LS :目標圧下位置を与える未凝固圧下領域
の長さ(m) εcr:鋳造鋼種の内部割れ限界ひずみ(%) D :未凝固圧下ロール出側における最大凝
固部厚(mm) と表すことができる。ここで、ロールピッチL(mm)は
目標圧下位置を与える未凝固圧下領域内で異なる値を有
する場合には、未凝固圧下領域のメニスカスに最も近い
ロールから目標圧力を与える最初のロールに至るまでの
最小ロールピッチを用いれば安全設計が可能である。ま
た、凝固部厚みは目標圧下位置を与える未凝固圧下領域
でわずかに増加するが、この領域の出側における凝固部
厚みを用いれば十分である。凝固部厚は凝固計算あるい
は実測に基づいて与えても良いし、これらの結果から凝
固係数Kを決定し、 なる経験式を用いて与えることもできる。ここでLeはメ
ニスカスからの距離(m)であるが、メニスカスから目
標圧下位置を与える未凝固圧下領域の最終ロールまでの
距離を用いれば、安全設計を行うことができる。なお、
上記の方法は未凝固圧下量にはよらないので、圧下量の
少ない場合(例えば軽圧下など)の開放においても有効
である。
なお、以上の鋳片厚み上昇時の内部割れの防止は複数
ロールをセグメント化した場合を例にとって説明してい
るが、上昇速度の上限はセグメント化していないロール
対の場合にも同様にして決定することができる。
未凝固圧下連続鋳造では、鋳造厚みが薄いため、最終
凝固位置が圧下開放後に比べてメニスカスに近いので、
鋳造速度を増加して生産速度を向上させる利点を有して
いる。この時、開放後にもその鋳造速度を継続すると、
最終凝固位置が装置外にはみ出してしまい、装置外でバ
ルジングして鋳片内質や形状の著しい悪化が生じる。従
って、本発明においては鋳造速度は、圧下開放後の最終
凝固位置が装置外にはみ出さない範囲で決定する必要が
ある。
実施例1 本例では、未凝固圧下操業に際しての圧下ロールの制
御が操業条件変動に対して容易に行われることを具体的
に示す。
まず、未凝固圧を行わない場合について、凝固の進行
を計算によりシミュレーションした。シミュレーション
モデルは、スラブ厚みの1/2についての1次元モデルを
使用した。
鋳型の厚み(鋳型内の鋳片厚み)は90mmとし、鋳型内
の湯面レベルからの鋳片の距離と凝固厚み、温度との関
係を図13(a)および(b)に示す。これにより、鋳片
の凝固部の厚みが目標厚みになる圧下ロール位置(基準
位置)を決めることができる。
冷却水温度等の冷却条件が相違すると、同一ロール位
置においても、凝固厚みが変化する。このシミュレーシ
ョンにおいては、厚みの1/2についての結果を示してい
るので、凝固厚み=45mmの場合が完全凝固である。
ここで、厚み90mmのスラブを厚さ60mmにまで圧下す
る、すなわち30mmの圧下を行う場合につき述べる。
図13(a)では、鋳型内メニスカス位置から7mの位置
まで凝固厚さが片側で30mm、すなわち凝固厚さは両側全
体で60mmとなっていることから、未凝固層厚さは90mm−
60mm=30mmである。
従って、メニスカスから7mの位置のロールによりその
まま圧下すれば、未凝固厚さ30mmの部分が潰れて凝固層
同士が圧着し、60mmの厚さの凝固層厚さを有するスラブ
ができることとなる。すなわち、圧下量は30mmとなる。
よって、このような場合は、7mの位置の基準圧下ロール
よりも上流側の圧下ロールについてはロール圧下位置制
御を行い、7mの位置より下流の圧下ロールについては、
圧力すなわち圧下反力制御を行えばよい。
同様にして、図13(b)では、メニスカスから6mの位
置において凝固厚さが片側で30mm、すなわち、全体で60
mmとなっていることから、6mの位置の基準圧下ロールよ
りも上流側の圧下ロールについては圧下位置制御を行
い、6mよりも下流の圧下ロールについては圧下反力制御
を行えばよい。
以上のように、図13(a)の場合と図13(b)の場合
とでは、未凝固厚さと圧下量とが等しくなるロール位置
が異なるため、ロールの設定圧下条件を変更する必要が
ある。
しかしながら、スペーサにより機械的に圧下を停止さ
せるストッパー方式により一定反力で圧下するか、また
は固定パターンで圧下する従来方式では、そのような条
件変動に対して次のような問題が残る。
すなわち、目標圧下装置の圧下ロール位置での未凝固
厚が薄い場合には、圧下しても圧下後の目標スラブ厚さ
に対して、凝固厚さが厚くなり過ぎてしまうという点で
ある。
本発明では、自動位置制御(APC)による、目標圧下
ロール位置で未凝固層が残ってしまうと、偏析が低減で
きないので、目標圧下ロール位置での未凝固部厚さがほ
とんど0となることが望ましい。
次に、図13に示した伝熱計算または(2)式による設
定値上で未凝固厚さが30mmとなる位置での圧下開始から
完了までの動作と、未凝固厚さおよび凝固厚さの推移に
ついてのシミュレーション結果を図14に示す。
図中、APCによるロール位置の最適なのは、ケースB0
の場合であり、凝固厚B0および未凝固厚▲▼であ
り、APCを行うロールの最初の位置(a)で圧下量と未
凝固厚がほぼ等しく、圧下完了時(b)、つまり基準圧
下装置のロール位置で未凝固部厚さが0(ゼロ)とな
る。従ってそれより下流のロールを圧下反力制御しても
スラブ厚さは変化せずスラブ厚さは目標値の60mm厚とな
る。
ケースAの場合はロール位置が不適である。すなわ
ち、APCによるロールの位置制御を行う最初の位置
(a)で、未凝固厚さが小さく、凝固厚さが大である。
従って、ロール圧下量が30mmに達せず、下流側でロール
を圧下反力制御してもスラブ厚さはケースAとして示さ
れるとおり目標値の60mmよりも大のままとなってしま
う。
ケースB1の場合もロール位置が不適である。すなわ
ち、APCによるロール位置制御を行う最初の位置(a)
で凝固厚さが小さい場合であって、ロール圧下量が30mm
に達した時にまだ未凝固部が残存する。下流を圧下反力
制御しなければ、ケースB1として示されるとおり、目標
スラブ厚さ60mmは達成できるが、未凝固層は冷却により
凝固するので、中心偏析は低減しない。
また、下流を圧化反力制御すればスラブ厚みはケース
B2と示される場合のように60mm以下となってしまう。
図15は、ロール位置制御(APC)におけるパターン変
更シミュレーションの例を示すもので、APCによるロー
ル位置制御を行う最終のロールについて時間と圧下位置
および圧下圧力の推移を示す。
圧下反力は(Pi+α)である。ここで、Piは(3)式
により求め、30kg/cm2で推移した。この圧下反力(Pi+
α)は、ロール圧下が最終に近づいた時点で急激に上昇
するが、この場合、本発明者らの別途実験により得られ
た結果、32kg/cm2において、下流側ロールを圧下反力制
御とした。
i)図15にみられるように、目標圧下位置に到達する以
前に、圧下反力が急上昇する場合は、凝固厚さが厚過ぎ
るため、このまま下流側ロールと反力制御しても、スラ
ブ厚さは目標値よりも厚過ぎとなってしまう。
したがって、ロール位置制御(APC)パターンを上流
側にシフト(位置制御パターンを急勾配化)し、それ以
降の下流側を反力制御した。
ii)逆に、目標圧下位置に到達しても圧下反力が急上昇
しない場合は、凝固厚さが薄過ぎるため、ロール位置制
御パターンを下流側にシフト(位置制御パターンと緩勾
配化)し、それ以降の下流側を反力制御した。
なお、これらのロールの圧下位置制御および圧下反力
制御は図4、図5の制御方法により実施した。
このような本発明の実施により、鋳片厚さの高精度化
と中心偏析の低減が実現された。
実施例2 鋳片厚み90mm、鋳型スラブ幅1000mm、湾曲半径3.5m、
垂直部長さ1.6m、機長13mの垂直曲げ型マシンのローラ
エプロン帯内(メニスカスから2.9〜3.86m)において表
1に示す鋼種を鍛造し、図8に示した未凝固圧化セグメ
ントを用いて20mmの未凝固圧下を実施した状態から圧下
力を開放して再び90mmのスラブとする鋳造に本発明の方
法を適用した。この連鋳機において、Lsは760mmであっ
た。また、未凝固圧下セグメントの鋳造方向中間部から
次の一般セグメント入り側までのロールピッチは190〜1
95mmであり、本発明の実施において式(9)におけるL
は190mmを用いた。
表2に本発明の方法を用いた場合の結果を、比較例と
ともに示す。表2において、本発明のものにおけるVcは
それぞれの鋼種を厚み90mmで鋳造するときの定常鋳造速
度であり、未凝固圧下鋳造中はこの鋳造速度よりも20〜
30%速い速度で鋳造を行った。圧下開放は内部割れは、
鋳造後の鋳片の幅中央部を切断し、その切断面をSプリ
ントおよびデンドライトエッチングした試料より、発生
の有無を評価した。
なお、本発明の方法の適用に当たっては、凝固シェル
厚は予め実測により十分な精度を確認した凝固計算によ
り与えた。
本発明の方法を用いた場合には内部割れの発生は皆無
であるのに対し、式(10)を満足しないVRで未凝固圧下
開放を行った場合には、非定常テーパスラブの長さを本
発明の場合よりも若干短縮できるが、内部割れが発生し
ている。またNo.11の比較例では、未凝固圧下開放速度
は式(10)を満足するが、未凝固圧下開放時の鋳造速度
が開放後の鋳片厚み90mmでの定常鋳造速度よりも大きい
ために、最終凝固位置がマシン外に出、このために機外
バルジングが生じて内部割れが発生している。
産業上の利用の可能性 本発明によれば、圧下位置及び圧下反力を制御するこ
とができるため、任意の厚みの鋳片を圧下方向でも、上
昇方向でも高精度に鋳造することができると共に、鋳片
の中心部における不純物元素の偏析を防止して均質な鋳
片が製造できる。また、後工程である熱間圧延で要求さ
れる厚みに応じた鋳片を製造することにより、熱間圧延
装置の負荷が低減され、生産性が向上する。
また、基準圧下装置の位置が補正されるため、設定し
た目標厚みの鋳片が高精度で製造される。
そして、サーボ系の高価な装置を用いることなく圧下
位置及び圧下力を制御することができ、装置コストが低
い等、本発明は優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊倉 誠治 茨城県鹿嶋市宮下2−10−15 グリーン ヒルズKASHIMA (72)発明者 岡村 一男 兵庫県西宮市高座町12番10号703 (56)参考文献 特開 平1−205861(JP,A) 特開 平1−271047(JP,A) 特開 昭48−36593(JP,A) 特開 平2−303661(JP,A) 特開 昭62−130759(JP,A) 特開 平4−75754(JP,A) 特開 昭62−270257(JP,A) 特開 平6−246412(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/20 B22D 11/128 350

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型から連続的に引き抜いた鋳片を、タン
    デムに配置した複数の圧下装置に給送し、各圧下装置に
    目標圧下位置又は目標圧力を与え、各圧下装置において
    それぞれ与えた目標圧下位置又は目標圧力となるように
    前記鋳片を未凝固圧下して鋳片を連続鋳造する方法であ
    って、 前記複数の圧下装置のうち基準にする基準圧下装置を変
    更可能に定め、この基準圧下装置を含みそれより上流の
    各圧下装置に前記目標圧下位置を与え、前記基準圧下装
    置より下流の各圧下装置に前記目標圧力を与えることを
    特徴とする未凝固圧下連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】鋳型から連続的に引き抜かれた鋳片から、
    前記複数の圧下装置のすべてに目標圧下位置又は目標圧
    力を与えられることにより、圧下方法および上昇方向の
    厚みの鋳片を引き抜くことが可能な請求の範囲第1項記
    載の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】前記基準圧下装置の出側の鋳片の厚み及び
    基準圧下装置の圧下位置を検出し、その検出結果に基づ
    いて、前記基準圧下装置を変更する請求の範囲第1項記
    載の連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】前記目標圧下位置は、前記鋳片の鋳型出側
    の厚みと前記鋳片の目標厚みとの偏差に基づいて算出す
    る請求の範囲第1項記載の連続鋳造方法。
  5. 【請求項5】前記目標圧力は、前記鋳片の種類に応じて
    予め設定した圧下反力及び当該圧下装置における鋳片の
    静鉄圧に基づいて算出する請求の範囲第1項記載の連続
    鋳造方法。
  6. 【請求項6】前記圧下装置は複動式の液圧シリンダと、
    該液圧シリンダへの加圧を調節する圧力調節弁と、前記
    液圧シリンダへの加圧方向を切り換える切換弁と、圧下
    位置を検出する圧下位置検出器と、そして加えられた圧
    力を検出する圧力計とを備え、 圧下する場合も、上昇する場合も、前記基準圧下装置を
    含みそれより上流の各圧下装置は、圧下位置検出器の検
    出結果及び与えられた目標圧下位置に基づいて目標圧力
    及び加圧方向を求め、求めた目標圧力及び圧力計の検出
    結果に基づいて前記圧力調節弁の開度を定め、定めた開
    度になるように前記圧力調節弁を操作すると共に、求め
    た加圧方向になるように前記切換弁を操作し、 前記基準圧下装置より下流の各圧下装置は、与えられた
    目標圧力及び圧力計の検出結果に基づいて前記圧力調節
    弁の開度を定め、定めた開度になるように前記圧力調節
    弁を操作する、 ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の連続鋳造方
    法。
  7. 【請求項7】未凝固層を有する鋳造中の鋳片をロール圧
    下帯において未凝固鋳片を圧下して薄板鋳片を製造する
    未凝固圧下連続鋳造法において、圧下力を開放して鋳片
    の厚みを未凝固圧下開始前の元の鋳片厚み以下の厚みに
    戻す際に、目標圧下位置を与える最終ロールの間隔の上
    昇速度が下記式を満足するように圧下力を開放すること
    を特徴とする請求の範囲第1項記載の未凝固圧下連続鋳
    造法。 ここで、VR :未凝固圧下ロールの上昇速度(mm/s) VC :鋳造速度(m/min) L :目標圧下位置を与える未凝固圧下ロールから次のロ
    ールまでの間の最小ロールピッチ(mm) LS :目標圧下位置を与える未凝固圧下領域の長さ
    (m) εcr:鋳造鋼種の内部割れ限界ひずみ(%) D :未凝固圧下ロール出側における最大凝固部厚(mm)
  8. 【請求項8】前記圧下装置が一対の圧下ロールから構成
    される請求の範囲第1項ないし第7項のいずれかに記載
    の連続鋳造方法。
  9. 【請求項9】前記圧下装置がセグメント化された複数の
    ロール対から構成される請求の範囲第1項ないし第7項
    のいずれかに記載の連続鋳造方法。
  10. 【請求項10】鋳型から連続的に引き抜いた鋳片を、タ
    ンデムに配置した複数の圧下装置に給送し、各圧下装置
    に目標圧下位置又は目標圧力を与え、与えた目標圧下位
    置又は目標圧力となるように前記鋳片を圧下して鋳片を
    連続鋳造する装置であって、 前記複数の圧下装置の内、基準にする圧下装置を変更可
    能に定める基準圧下装置決定手段と、 この基準圧下装置を含みそれより上流の各圧下装置に前
    記目標圧下位置を与える目標圧下位置出力手段と、 前記基準圧下装置より下流の各圧下装置に前記目標圧力
    を与える目標圧力出力手段と 圧下して鋳型厚より薄い鋳片を引き抜く場合は、目標圧
    下位置出力手段により鋳型厚より薄くなる圧下位置を出
    力する手段と、 上昇して鋳型厚より薄い鋳片を引き抜く状態から鋳片を
    厚くする場合は、目標圧下位置出力手段により前述の圧
    下位置より上昇する圧下位置を出力する手段と、を備え
    ていることを特徴とする未凝固圧下連続鋳造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115070002A (zh) * 2022-06-09 2022-09-20 安阳钢铁股份有限公司 一种连铸坯宽度的精确控制的方法
CN115229149A (zh) * 2022-06-24 2022-10-25 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 一种基于压下过程结晶器液位波动的连铸坯坯壳/液芯厚度与凝固终点确定方法

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