JP3041142U - ビール製造装置 - Google Patents

ビール製造装置

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JP3041142U JP1996010722U JP1072296U JP3041142U JP 3041142 U JP3041142 U JP 3041142U JP 1996010722 U JP1996010722 U JP 1996010722U JP 1072296 U JP1072296 U JP 1072296U JP 3041142 U JP3041142 U JP 3041142U
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 小型化され、カバー体の表面に各種の弁等
の突起物を実質的になくして破損部分が少なく、更に家
庭用冷蔵庫にも簡単に収容することができるビール製造
装置を提供する。 【解決手段】 容器本体7と、この容器本体7の口部7
aに着脱自在に設けた蓋体3と、前記容器本体7をを横
向きに収容するカバー体2とからなり、前記蓋体3はカ
バー体2の一方の側面端部2cに露出しており、この蓋
体3の上部位置に圧力調整弁4と炭酸ガス注入弁5を、
下部位置にビール取出しコック6をそれぞれ設け、更に
前記カバー体2は上下に二分されて前記容器本体7を取
り出し可能に結合しているビール製造装置。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、家庭等で少量のビールを醸造する際に使用する小型で家庭用冷蔵庫 にも収容できる、効率の良いビール製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、酒税法の改正に伴なって各地で地ビールの醸造が行なわれるようになっ ている。この地ビールは、ビールメーカが使用している醸造装置を小型化したも のであって、その製造量もかなり多いものである。 一方、10リッター程度の少量のビールを製造する家庭用ビール醸造装置が開 発され、販売されている。この醸造装置は、合成樹脂容器を上下に二つ割りにし て合面の周囲にフランジ部を形成し、このフランジ部の間に角形のパッキングを 介在させて締め付けて容器とするものである。
【0003】 そして容器の上部に内圧を調整するための圧力調整弁と、醸造したビールを排 出するために炭酸ガスを注入するための炭酸ガスボンベが一体に付属している炭 酸ガス注入弁とを設け、更に容器の下方に取出しコックを設けたものである。 そしてこの装置を使用してビールを製造する方法は次の通りである。 A)圧力調整弁を外してこの穴からモルトシロップとミネラルウオーターを所 定量注入する。そしてイースト菌を添加して前記圧力調整弁を元の場所に取付け る。
【0004】 B)前記のようにして原料の仕込みが終ったら、外部温度を19℃〜25℃の 範囲において約7日間保持する。この間に原料が醗酵してビールが醸造される。 この間に内圧が次第に高まるが、その圧力が規定値を越すと圧力調整弁が作動し てガスを放出して所定の圧力が保持される。 C)前記のようにして醗酵が終わったら、このビール製造装置を冷蔵庫内に入 れて約3日保持し、その後に飲用するのである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
前記ビール製造装置は小型の合成樹脂製の樽を横にして、中心軸で水平方向に 上下に二分し、合面にフランジ面を形成し、このフランジ面の間にゴム製のパッ キングを介在させて止め具で締め付けたものである。 しかし、この装置においては醸造中に作用する圧力を受ける面がかなり広い上 に、シールすべき断面が四角形であることから、パッキッグを正確に嵌合させる ことができず、特に角部シールが困難であり、醗酵工程において内圧が高まると パッキング部分より漏れが発生し易い。また、フランジの周囲を複数の固定具を 使用して固定することからフランジ面の全面に締め付け力を均一に与えることが できない上に、この締め付け操作が煩雑である。
【0006】 また、上部の容器の中心部の上方に直径の大きなネジ穴を形成し、これを利用 して圧力調整弁を取付けると共に、このネジ穴を利用して原料を供給するように しているので、このネジ穴は醸造装置の上方に開口していなければならない上に かなり大きな直径のものとせざるを得ない。 更に、上部の容器の中心部の上方に圧力調整弁を固定するので突出物が大きく 突出した形状となり、容器を収納する冷蔵庫に大きな空間と無駄容積を必要とす ることになる。この空間は大型の冷蔵庫でなければ確保することができないもの であり、一般家庭には不向きである。
【0007】 前記のように従来のビール製造装置は容器が大型となる上に、ビールが完成し た後に端面にあるボンベ取付座に加圧用の炭酸ガスボンベを装着してハンドルを 回してボンベの封止部を破って炭酸ガスを容器内に注入してビールを加圧した状 態で取出し栓よりビールを適宜排出することになるが、容器の側面に炭酸ガスボ ンベを固定しなければならないためにデザイン的に劣ることから、家庭醸造の雰 囲気を壊す欠点がある。
【0008】 本考案は、前記従来のビール製造装置の欠点を解消するために得られたもので あって、その第1の目的は、小型化され、通常の家庭用冷蔵庫にも簡単に収容す ることができるビール製造装置を提供することにある。 そして第2の目的は、各種の弁等の突出物を実質的になくして破損部分の少な い装置を提供することにある。
【0009】 更に第3の目的は、カバー体に容器本体を簡単に入れ、そして簡単に取り出す ことができるビール製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本考案に係るビール製造装置は次のように構成され ている。 A)本考案に係るビール製造装置の基本的な構成は、容器本体7と、この容器 本体7の口部7aに着脱自在に設けた蓋体3と、前記容器本体7を横向きに収容 するカバー体2とからなり、前記蓋体3はカバー体2の一方の側面端部2cに露 出しており、この蓋体3の上部位置に圧力調整弁4と炭酸ガス注入弁5を、下部 位置にビール取出しコック6をそれぞれ設け、更に前記カバー体2は上下に二分 されて前記容器本体7を取り出し可能に結合して構成されている。
【0011】 B)更にカバー体2は、上部カバー2aと下部カバー2bからなり、両カバー 2a,2bの合面に連結具8を設けて解放・閉止可能に構成されている。 C)容器本体7の口部7aを閉止する蓋体3を透明体で形成して内容物、即ち ビールの残量や状態を外部から観察できるように構成されている。 D)炭酸ガス注入弁5は、車両用車輪のチューブの空気注入栓を使用して小型 化と作動の確実性を与えている。
【0012】 E)ビール製造装置1は、容器本体7と、この容器本体7の口部7aに着脱自 在に設けた蓋体3と、前記容器本体7を横向きに収容するカバー体2とからなり 、前記蓋体3はカバー体2の一方の側面に露出しており、この蓋体3の上部位置 に少なくとも炭酸ガス注入弁5を設けており、前記注入弁5は、ガスボンベ31 を収容したガス注入装置30を連結すると炭酸ガスを自動的に注入可能に構成さ れている。
【0013】 F)炭酸ガス注入装置30は、炭酸ガスボンベ31を収容する部分と、この炭 酸ガスボンベ31を穿孔する部分30fと、この炭酸ガスボンベ31より排出し た炭酸ガスを保持する圧力室32eを有し、この圧力室32eを閉止している弁 機構32を押圧操作すると、前記圧力室32e内の炭酸ガスを排出して容器本体 7内に注入するように構成されている。
【0014】 G)炭酸ガス注入装置30は、円筒状の本体30aと、この本体30aの開口 部に螺合したノズル部30bと、このノズル部30bの一端に連結したガイド管 33と、このガイド管33の先端に出没可能に支持したノズル管33aと、前記 ノズル部30b内に設けた操作体30cと、この操作体30cに形成した圧力室 32eを閉止する弁機構32とを有し、前記ノズル管33aが後退すると弁機構 32を作動して圧力室32e内の炭酸ガスを、ガイド管33を通じてビール製造 装置1の容器本体7内に供給することができるように構成されている。
【0015】 後述するように、本考案に係るビール製造装置1は、外部に大きな突出物を突 出しないように構成しており、蓋体3の上部に圧力調整弁4と炭酸ガス注入弁5 を設け、更に下部にビール取出しコック6を設けている。しかし、これらの圧力 調整弁4と炭酸ガス注入弁5とは小さな構造物であり、実質的に突出物を形成し ていない。従って蓋体3より突出している部品はビール取出しコック6のみであ り、小さく纏まって構成されている。
【0016】 また、本考案のビール製造装置1は、容器本体7をカバー体2より取出すこと ができるので、その主要部分は容器本体7と蓋体3だけの装置を使用して少量の ビールを醸造することができ、しかも、この容器本体7は中型ないし大型冷蔵庫 内に収納することができることから、普通の家庭の設備で簡単にビールを醸造し 、必要な時間だけ保存することができるのである。
【0017】
【考案の実施の形態】
次に図面を参照して本考案の実施の形態を説明する。 図1は、本考案に係るビール製造装置1の要部を示す斜視図であって、樽形を したカバー体2の、一方の側壁を形成している蓋体3の上方位置に圧力調整弁4 と炭酸ガス注入弁5を設け、そして下方にビール取出しコック6を設けている。
【0018】 このカバー体2は図2に示すように、全体としてビール樽形をしており、図3 の平面図に示すように、胴体の一方を側板2d(底板)で閉止し、他方(蓋板側 )に窓を開口した形状に合成樹脂成型品によって成型している。このカバー体2 は上部カバー2aと下部カバー2bとに二分され、合面2hを図6に示すように 上下に凹凸状の嵌合できるように構成し、内面には図3に示すようにリブ2e, 2fを設けて後述する容器本体7の周囲を安定して把持できるようにしている。
【0019】 図3及び図6に示すように下部カバー2bの中間部に設けたリブ2f,2fの 上端部にマグネットキャッチ8aを有する連結具8を設け、図8に示すように上 部カバー側のリブ2f,2fの下端部に設けた磁性板8bを吸着して上部カバー 2aと下部カバー2bとを嵌合状態で連結できるようにしている。 また、図7に示すようにリブ2e,2fの中間部に凹部2gを形成して後述す る容器本体7の脚部7d,7d(図5)を嵌入把持して安定して支持できるよう にしてある。
【0020】 従って、下部カバー2bの内部に容器本体7を入れ、次いで上部カバー2aを この下部カバー2b上に覆うと、連結具8のマグネットキャッチ8aが磁性板8 bを吸着して両カバー2aと2bとが閉止することになる。 なお、図示していないが、両カバー2aと2bとの間に更に付加的に別の連結 具、例えばホック式等の確実に連結できる止め具を設け、これを閉止して持ち運 びの際にカバー体2が分離したり、脱落しないようにして安全を図るようにする こともできる。
【0021】 カバー体2の内部に図3に示すように容器本体7を収容するが、この容器本体 7は、ガラス製あるいは合成樹脂製の円筒状の容器であって、図4に示すように 底部7bを閉止し、一方に口部7aを開口し、そしてこの口部7aの部分の内面 にネジ7cを設けて蓋体3を螺合して閉止できるようにしている。 そして容器本体7の下部に図5及び図4に示すように2枚の脚部7d,7dを 長手方向に突出して形成して容器本体7を安定化すると共に、更に容器本体7の 下面を前記口部7a側が下がるように傾斜させて内容物の全部を排出できるよう に配慮している。
【0022】 蓋体3は、図3に示すように、カバー体2の閉止されていない部分2c(窓と して開口されている部分)側に位置してこれを閉止すると共に、図4に示すよう に容器本体7の口部7aを閉止するものであり、合成樹脂製あるいはガラス製の 透明な材料を使用し、この容器本体7の内部のビールの原料、あるいは得られた ビール等を外部から観察できるようにしている。そして前記口部7aとの合面に ゴム製のパッキング9を介在させて確実にシールするようにしてある。また、前 記蓋体3の周囲に凹凸3aを形成して着脱の操作を容易にしている。
【0023】 図9は炭酸ガス注入弁5を、図10はこの注入弁5の弁体13をそれぞれ示す もので、蓋体3を貫通してネジ管10を設け、パッキング11とナット12によ って固定している。このネジ管10には凹溝10aが形成してあり、この凹溝1 0aに弁体13の凸条13gを嵌合させながら挿入して図9の状態で両ネジナッ ト14を前記ネジ管10に螺合し、更にこのナット14に外カバー15を螺合し ている。なお、この外カバー15は一種の装飾体を形成している。
【0024】 前記弁体13は図10に示すように、本体13aの開口端部のテーパー面13 e(弁座部)にシリコンゴム製のパッキング13bを持つ弁軸13cを挿入し、 この弁軸13cの先端に設けた頭部13dと本体13aの中間部との間にスプリ ング13fを作用させて前記パッキング13bを弁座部に押圧接触するようにし てある。また、本体13aの外周部両側に凸条13gをヒレ状に突出し、この凸 条13gを両ネジナット14によって押圧してネジ管10の一端に固定できるよ うになっている。なお、この弁体13は自転車あるいは自動車のタイヤの空気弁 を利用すると好都合である。
【0025】 図11は圧力調整弁4(安全弁)を示しており、この圧力調整弁4は円筒状の 鍔付きの本体17を、パッキング18を介して蓋体3にナット19で固定してい る。この本体17の内部にはパッキング20を挿入し、押さえ板21を先端に持 つ弁軸22を挿入し、この弁軸22の周囲にコイルバネ23を配置し、前記本体 17の端部のネジ部にキャップ24を螺合して前記押さえ板21に所定の押圧力 を与えている。
【0026】 従ってこの圧力調整弁4は、キャップ24を操作してコイルバネ23の弾性力 を変え、押さえ板21によるパッキング20を押圧する力を適宜変更して容器本 体7の内圧を調整することができるようになっている。なお、この内圧は醗酵に よって発生する炭酸ガス又は、容器本体7内に注入される炭酸ガスによって与え られるもので、この容器本体7に収容されているビールを排出する際の押出し圧 力となる。
【0027】 ビールの醸造が完了して、このビールを排出する際に、ビール製造装置1の容 器本体7内に炭酸ガスを注入しようとする時は、図12に示すように本考案のビ ール製造装置1に適合するように製作した注入装置30内に炭酸ガスボンベ31 を装填する。 この注入装置30は、本体30aの先端の開口部にノズル部30bを螺合して おり、このノズル部30b内に操作体30cを挿入し、Oリング30dを介して ナット30eで固定しており、ノズル部30bを本体30aに対して螺合するこ とによって前記操作体30cの先端に設けた針部30fで炭酸ガスボンベ31の 薄板部31aに押圧して小さな穴をあけるようになっている。
【0028】 図12に示すように、操作体30cには弁機構32を有しており、この弁機構 32は操作体30cとの間にパッキングを介して支持した本体32aの中央部に 操作棒32bを挿入し、この操作棒32bの外周に設けたスプリング32cによ って弁体32dを、前記本体32aの端部に形成してある弁座に押圧して圧力室 32e内をシールして炭酸ガスボンベ31内のガスがこの圧力室32e内に封止 されるようになっている。
【0029】 また、ノズル部30bの先端にパッキング33dを介してガイド管33を螺合 しており、これの内部にはノズル管33a,操作棒33b,スプリング33cを 内蔵し、前記ノズル管33aが容器本体7の蓋体3に設けた炭酸ガス注入弁5に 押圧されてガイド管33内に押込まれると、操作棒33bが後退し、この操作棒 32bと共に弁体32dを移動(後退)させて炭酸ガスボンベ31より排出され て圧力室32e内に充填されている炭酸ガスを、前記ノズル管33aを通じて容 器本体7内に噴出充填するようになっている。
【0030】 図12は注入装置30内に炭酸ガスボンベ31を収容している状態を示してい るが、炭酸ガスボンベ又はガスボンベ31の口部を閉止してある薄板31aに穴 をあけていない状態を示しており、この状態より本体30aの先端に螺合してあ るノズル部30bを螺合して押込むと、操作体30cの後部に形成してある針部 30fで前記薄板31aに小さな穴をあけて炭酸ガスを操作体30cに形成した 圧力室32e内に導入するようになっている。
【0031】 前記のように構成したビール製造装置1を使用する方法について説明すると、 (仕込み工程) イ)図1〜4に示す状態のカバー体2の上部カバー2aを開放して容器本体7 を取り出し、これの口部7aに螺合されている蓋体3を取り外して口部7aを大 きく開口し、必要に応じて消毒する。
【0032】 ロ)そしてビールのモルトシロップと水を規定量供給し、更にイースト菌を添 加し、次いで容器本体7の口部7aを蓋体3で閉止して仕込みを完了する。 このようにして仕込みが終った容器本体7を外部温度が19℃から25℃の範 囲において、約10日間その状態を保持して醗酵させる。 この醗酵工程において発生する炭酸ガスによって、容器本体7の内圧が規定値 より高まると圧力調整弁4が作動してガスを放出する。
【0033】 ハ)醗酵が終了すると、容器本体7を冷蔵庫に入れて約5日間、熟成する。醗 酵の完了は、ガスが出なくなって表面に浮いた泡や菌が容器本体7の底に、オリ となって沈澱する状態を蓋体3を通じて観察することによって判断することがで きる。 ニ)前記のように醗酵と熟成が完了すると目的とするビールが製造できたこと になるので、この容器本体7を表面装飾部材である樽形をしているカバー体2内 に収容する。
【0034】 そして飲用の際に、図12及び図13に示すように炭酸ガス注入弁5に、炭酸 ガス注入装置30を使用してガスボンベ31より炭酸ガスを注入し、容器本体7 内を所定の圧力とする。そして必要に応じてビール取出しコック6を操作してビ ールを取出し、飲用する。 なお、ビールの醸造が完了して飲用する際に、炭酸ガスを醸造装置内に充填し て内圧を高めて排出するのは前記の通りであるが、この炭酸ガスを充填する前に 炭酸ガス注入弁5又は圧力調整弁4を操作してビールの上部に溜まっている空気 等を排出する。その後に所定の炭酸ガスを注入することによって、ビールの酸化 に伴う味の劣化を防止することができる。
【0035】 また、第2の手法として容器本体7内の空気は醗酵過程で自然に発生した炭酸 ガスより比重が軽く上部に浮いているが、弁体13の外部より細いピンで頭部1 3d(図10)を、ほんの一瞬押圧するとパッキング13bが弁座13eから離 れるので、容器本体7内の空気が外へ追い出され、前記と同様にビールの酸化に よる味の劣化を防止することができる。
【0036】
【考案の効果】
A)請求項1の考案により、容器本体7の一方の側面に口部7aを開口し、こ れを蓋体3で閉止するので、醸造工程においてはこの容器本体7のみを冷蔵庫内 に収容することができる。従って、一般家庭においても少量のビールを製造する ことができる。
【0037】 また、容器本体7の口部7aを大きく開口した状態で仕込みを行うために、こ の操作が極めて簡単でモルトシロップや水の漏れなどのロスを発生しない。 更に、この容器本体7の蓋体3に圧力調整弁4と炭酸ガス注入弁5とビール取 出しコック6とを設けているので、これを樽形をしているカバー体2で覆うだけ で装飾的な見栄えを良くしてパーテイ等のテーブル上に置くことができる。
【0038】 また、このカバー体2は外観が樽形で、大きな突出物がないことから、著しく コンパクトで、取扱い性が良く、更にビールの酸化による味の劣化を防止するこ とができる。 B)請求項2の考案により、カバー体2を簡単に開放し、閉止できるので、容 器本体7の取出し、収納操作を簡単に行うことができる。
【0039】 C)請求項3の考案により、カバー体2の側面に蓋体3を配置し、この蓋体3 を透明にすることができるために、ビールの醗酵状態やビールの消費状態を確認 することができ、特に家庭において興味を持ってビールを製造し、消費すること ができる。 D)請求項4の考案により、自転車あるいは自動車用の空気注入弁を使用する ことによって確実な炭酸ガス注入弁を提供することができる。
【0040】 E)請求項5の考案により、炭酸ガス注入弁5に小型の炭酸ガスボンベより炭 酸ガスを簡単に供給することができる。 F)請求項6及び7の考案により、小型で、確実に作動し、しかも安全な炭酸 ガス注入装置を提供することができる。
【提出日】平成9年3月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、家庭等で少量のビールを醸造する際に使用する小型で家庭用冷蔵庫 にも収容できる、効率の良いビール製造装置と、このビール製造装置に炭酸ガス を充填する際に使用する炭酸ガス注入装置 に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、酒税法の改正に伴なって各地で地ビールの醸造が行なわれるようになっ ている。この地ビールは、ビールメーカが使用している醸造装置を小型化したも のであって、その製造量もかなり多いものである。 一方、10リッター程度の少量のビールを製造する家庭用ビール醸造装置が開 発され、販売されている。この醸造装置は、合成樹脂容器を上下に二つ割りにし て合面の周囲にフランジ部を形成し、このフランジ部の間に角形のパッキングを 介在させて締め付けて容器とするものである。
【0003】 そして容器の上部に内圧を調整するための圧力調整弁と、醸造したビールを排 出するために炭酸ガスを注入するための炭酸ガスボンベが一体に付属している炭 酸ガス注入弁とを設け、更に容器の下方に取出しコックを設けたものである。 そしてこの装置を使用してビールを製造する方法は次の通りである。 A)圧力調整弁を外してこの穴からモルトシロップとミネラルウオーターを所 定量注入する。そしてイースト菌を添加して前記圧力調整弁を元の場所に取付け る。
【0004】 B)前記のようにして原料の仕込みが終ったら、外部温度を19℃〜25℃の 範囲において約7日間保持する。この間に原料が醗酵してビールが醸造される。 この間に内圧が次第に高まるが、その圧力が規定値を越すと圧力調整弁が作動し てガスを放出して所定の圧力が保持される。 C)前記のようにして醗酵が終わったら、このビール製造装置を冷蔵庫内に入 れて約3日保持し、その後に飲用するのである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
前記ビール製造装置は小型の合成樹脂製の樽を横にして、中心軸で水平方向に 上下に二分し、合面にフランジ面を形成し、このフランジ面の間にゴム製のパッ キングを介在させて止め具で締め付けたものである。 しかし、この装置においては醸造中に作用する圧力を受ける面がかなり広い上 に、シールすべき断面が四角形であることから、パッキッグを正確に嵌合させる ことができず、特に角部シールが困難であり、醗酵工程において内圧が高まると パッキング部分より漏れが発生し易い。また、フランジの周囲を複数の固定具を 使用して固定することからフランジ面の全面に締め付け力を均一に与えることが できない上に、この締め付け操作が煩雑である。
【0006】 また、上部の容器の中心部の上方に直径の大きなネジ穴を形成し、これを利用 して圧力調整弁を取付けると共に、このネジ穴を利用して原料を供給するように しているので、このネジ穴は醸造装置の上方に開口していなければならない上に かなり大きな直径のものとせざるを得ない。 更に、上部の容器の中心部の上方に圧力調整弁を固定するので突出物が大きく 突出した形状となり、容器を収納する冷蔵庫に大きな空間と無駄容積を必要とす ることになる。この空間は大型の冷蔵庫でなければ確保することができないもの であり、一般家庭には不向きである。
【0007】 前記のように従来のビール製造装置は容器が大型となる上に、ビールが完成し た後に端面にあるボンベ取付座に加圧用の炭酸ガスボンベを装着してハンドルを 回してボンベの封止部を破って炭酸ガスを容器内に注入してビールを加圧した状 態で取出し栓よりビールを適宜排出することになるが、容器の側面に炭酸ガスボ ンベを固定しなければならないためにデザイン的に劣ることから、家庭醸造の雰 囲気を壊す欠点がある。
【0008】 本考案は、前記従来のビール製造装置の欠点を解消するために得られたもので あって、その第1の目的は、小型化され、通常の家庭用冷蔵庫にも簡単に収容す ることができるビール製造装置を提供することにある。 そして第2の目的は、各種の弁等の突出物を実質的になくして破損部分の少な い装置を提供することにある。
【0009】 更に第3の目的は、カバー体内に容器本体を簡単に挿入し、そして簡単に取り 出すことができるビール製造装置を提供することにある。 更に第4の目的は、前記ビール製造装置の容器本体内に炭酸ガス注入弁を介し て炭酸ガスを注入することができる炭酸ガス注入装置を提供することにある。 なお、ビールの醸造を完了したならば、そのビールを収容している容器本体内 に炭酸ガスを注入しなければビールを勢い良く排出することができないものであ り、この炭酸ガスは簡単な装置で注入できるものが必要である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本考案に係るビール製造装置は次のように構成され ている。 A)本考案に係るビール製造装置の基本的な構成は、容器本体7と、この容器 本体7の口部7aに着脱自在に設けた蓋体3と、前記容器本体7を横向きに収容 するカバー体2とからなり、前記蓋体3はカバー体2の一方の側面端部2cに露 出しており、この蓋体3の上部位置に圧力調整弁4と、炭酸ガスを前記本体7内 に注入する 炭酸ガス注入弁5を設けると共に下部位置にビール取出しコック6を け、更に前記カバー体2は上下に二分されて前記容器本体7を取り出し可能に 結合して構成されている。
【0011】 B)更にカバー体2は、上部カバー2aと下部カバー2bからなり、両カバー 2a,2bの合面に連結具8を設けて解放・閉止可能に構成されている。 C)容器本体7の口部7aを閉止する蓋体3を透明体で形成して内容物、即ち ビールの残量や状態を外部から観察できるように構成されている。 D)前記蓋体3に設けた炭酸ガス注入弁5は、車両用車輪のチューブの空気注 入栓を使用して小型化と作動の確実性を与えている。
【0012】 E)ビール製造装置1は、容器本体7と、この容器本体7の口部7aに着脱自 在に設けた蓋体3と、前記容器本体7を横向きに収容するカバー体2とからなり 、前記蓋体3はカバー体2の一方の側面に露出しており、この蓋体3の上部位置 に少なくとも炭酸ガスを前記容器本体7内に注入する炭酸ガス注入弁5を設けて おり、前記注入弁5は、ガスボンベ31を収容したガス注入装置30を連結することによって 炭酸ガスを自動的に注入可能に構成されている。
【0013】 F)本考案の前記ビール製造装置1に炭酸ガスを注入するための炭酸ガス注入 装置30は、炭酸ガスボンベ31を収容する部分と、この炭酸ガスボンベ31を 穿孔する部分30fと、この炭酸ガスボンベ31より排出した炭酸ガスを保持す る圧力室32eを有し、この圧力室32eを閉止している弁機構32を蓋体3に 設けた炭酸ガス注入弁5に当接して 押圧操作すると、前記圧力室32e内の炭酸 ガスを排出して炭酸ガス注入弁5を介して容器本体7内に注入してこの容器本体 7内の圧力を上昇させるように 構成されている。
【0014】 G)本考案の前記ビール製造装置1に炭酸ガスを注入するための炭酸ガス注入 装置30は、円筒状の本体30aと、この本体30aの開口部に螺合したノズル 部30bと、このノズル部30bの一端に連結したガイド管33と、このガイド 管33の先端に出没可能に支持したノズル管33aと、前記ノズル部30b内に 設けた操作体30cと、この操作体30cに形成した圧力室32eを閉止する弁 機構32とを有し、前記ノズル管33aを前記蓋体3に設けた前記炭酸ガス注入 弁5に当接してこのノズル管33a が後退すると、弁機構32を作動して圧力室 32e内の炭酸ガスを、ガイド管33を通じてビール製造装置1の容器本体7内 に供給することができるように構成されている。
【0015】 後述するように、本考案に係るビール製造装置1は、外部に大きな突出物を突 出しないように構成しており、蓋体3の上部に圧力調整弁4と炭酸ガス注入弁5 を設け、更に下部にビール取出しコック6を設けている。しかし、これらの圧力 調整弁4と炭酸ガス注入弁5とは小さな構造物であり、実質的に突出物を形成し ていない。従って蓋体3より突出している部品はビール取出しコック6のみであ り、小さく纏まって構成されている。
【0016】 また、本考案のビール製造装置1は、容器本体7をカバー体2より取出すこと ができるので、その主要部分は容器本体7と蓋体3だけの装置を使用して少量の ビールを醸造することができ、しかも、この容器本体7は中型ないし大型冷蔵庫 内に収納することができることから、普通の家庭の設備で簡単にビールを醸造し 、必要な時間だけ保存することができるのである。
【0017】
【考案の実施の形態】
次に図面を参照して本考案の実施の形態を説明する。 図1は、本考案に係るビール製造装置1の要部を示す斜視図であって、樽形を したカバー体2の、一方の側壁を形成している蓋体3の上方位置に圧力調整弁4 と炭酸ガス注入弁5を設け、そして下方にビール取出しコック6を設けている。
【0018】 このカバー体2は図2に示すように、全体としてビール樽形をしており、図3 の平面図に示すように、胴体の一方を側板2d(底板)で閉止し、他方(蓋板側 )に窓を開口した形状に合成樹脂成型品によって成型している。このカバー体2 は上部カバー2aと下部カバー2bとに二分され、合面2hを図6に示すように 上下に凹凸状の嵌合できるように構成し、内面には図3に示すようにリブ2e, 2fを設けて後述する容器本体7の周囲を安定して把持できるようにしている。
【0019】 図3及び図6に示すように下部カバー2bの中間部に設けたリブ2f,2fの 上端部にマグネットキャッチ8aを有する連結具8を設け、図8に示すように上 部カバー側のリブ2f,2fの下端部に設けた磁性板8bを吸着して上部カバー 2aと下部カバー2bとを嵌合状態で連結できるようにしている。 また、図7に示すようにリブ2e,2fの中間部に凹部2gを形成して後述す る容器本体7の脚部7d,7d(図5)を嵌入把持して安定して支持できるよう にしてある。
【0020】 従って、下部カバー2bの内部に容器本体7を入れ、次いで上部カバー2aを この下部カバー2b上に覆うと、連結具8のマグネットキャッチ8aが磁性板8 bを吸着して両カバー2aと2bとが閉止することになる。 なお、図示していないが、両カバー2aと2bとの間に更に付加的に別の連結 具、例えばホック式等の確実に連結できる止め具を設け、これを閉止して持ち運 びの際にカバー体2が分離したり、脱落しないようにして安全を図るようにする こともできる。
【0021】 カバー体2の内部に図3に示すように容器本体7を収容するが、この容器本体 7は、ガラス製あるいは合成樹脂製の円筒状の容器であって、図4に示すように 底部7bを閉止し、一方に口部7aを開口し、そしてこの口部7aの部分の内面 にネジ7cを設けて蓋体3を螺合して閉止できるようにしている。 そして容器本体7の下部に図5及び図4に示すように2枚の脚部7d,7dを 長手方向に突出して形成して容器本体7を安定化すると共に、更に容器本体7の 下面を前記口部7a側が下がるように傾斜させて内容物の全部を排出できるよう に配慮している。
【0022】 蓋体3は、図3に示すように、カバー体2の閉止されていない部分2c(窓と して開口されている部分)側に位置してこれを閉止すると共に、図4に示すよう に容器本体7の口部7aを閉止するものであり、合成樹脂製あるいはガラス製の 透明な材料を使用し、この容器本体7の内部のビールの原料、あるいは得られた ビール等を外部から観察できるようにしている。そして前記口部7aとの合面に ゴム製のパッキング9を介在させて確実にシールするようにしてある。また、前 記蓋体3の周囲に凹凸3aを形成して着脱の操作を容易にしている。
【0023】 図9は、前記ビール製造装置1の容器本体7内に炭酸ガスを注入してこの容器 本体7内をガス加圧するための 炭酸ガス注入弁5を、図10はこの注入弁5の弁 体13をそれぞれ示すもので、蓋体3を貫通してネジ管10を設け、パッキング 11とナット12によって固定している。このネジ管10には凹溝10aが形成 してあり、この凹溝10aに弁体13の凸条13gを嵌合させながら挿入して図 9の状態で両ネジナット14を前記ネジ管10に螺合し、更にこのナット14に 外カバー15を螺合している。なお、この外カバー15は一種の装飾体を形成し ている。
【0024】 前記弁体13は図10に示すように、本体13aの開口端部のテーパー面13 e(弁座部)にシリコンゴム製のパッキング13bを持つ弁軸13cを挿入し、 この弁軸13cの先端に設けた頭部13dと本体13aの中間部との間にスプリ ング13fを作用させて前記パッキング13bを弁座部に押圧接触するようにし てある。また、本体13aの外周部両側に凸条13gをヒレ状に突出し、この凸 条13gを両ネジナット14によって押圧してネジ管10の一端に固定できるよ うになっている。なお、この弁体13は自転車あるいは自動車のタイヤの空気弁 を利用すると好都合である。
【0025】 図11は圧力調整弁4(安全弁)を示しており、この圧力調整弁4は円筒状の 鍔付きの本体17を、パッキング18を介して蓋体3にナット19で固定してい る。この本体17の内部にはパッキング20を挿入し、押さえ板21を先端に持 つ弁軸22を挿入し、この弁軸22の周囲にコイルバネ23を配置し、前記本体 17の端部のネジ部にキャップ24を螺合して前記押さえ板21に所定の押圧力 を与えている。
【0026】 従ってこの圧力調整弁4は、キャップ24を操作してコイルバネ23の弾性力 を変え、押さえ板21によるパッキング20を押圧する力を適宜変更して容器本 体7の内圧を調整することができるようになっている。なお、この内圧は醗酵に よって発生する炭酸ガス又は、容器本体7内に注入される炭酸ガスによって与え られるもので、この容器本体7に収容されているビールを排出する際の押出し圧 力となる。
【0027】 ビールの醸造が完了して、このビールを排出する際に、ビール製造装置1の容 器本体7内に炭酸ガスを注入しようとする時は、図12に示すように本考案のビ ール製造装置1に適合するように製作した注入装置30内に炭酸ガスボンベ31 を装填する。 この注入装置30は、本体30aの先端の開口部にノズル部30bを螺合して おり、このノズル部30b内に操作体30cを挿入し、Oリング30dを介して ナット30eで固定しており、ノズル部30bを本体30aに対して螺合するこ とによって前記操作体30cの先端に設けた針部30fで炭酸ガスボンベ31の 薄板部31aに押圧して小さな穴をあけるようになっている。
【0028】 図12に示すように、操作体30cには弁機構32を有しており、この弁機構 32は操作体30cとの間にパッキングを介して支持した本体32aの中央部に 操作棒32bを挿入し、この操作棒32bの外周に設けたスプリング32cによ って弁体32dを、前記本体32aの端部に形成してある弁座に押圧して圧力室 32e内をシールして炭酸ガスボンベ31内のガスがこの圧力室32e内に封止 されるようになっている。
【0029】 また、ノズル部30bの先端にパッキング33dを介してガイド管33を螺合 しており、これの内部にはノズル管33a,操作棒33b,スプリング33cを 内蔵し、前記ノズル管33aが容器本体7の蓋体3に設けた炭酸ガス注入弁5に 押圧されてガイド管33内に押込まれると、操作棒33bが後退し、この操作棒 32bと共に弁体32dを移動(後退)させて炭酸ガスボンベ31より排出され て圧力室32e内に充填されている炭酸ガスを、前記ノズル管33aを通じて容 器本体7内に噴出充填するようになっている。
【0030】 図12は注入装置30内に炭酸ガスボンベ31を収容している状態を示してい るが、炭酸ガスボンベ又はガスボンベ31の口部を閉止してある薄板31aに穴 をあけていない状態を示しており、この状態より本体30aの先端に螺合してあ るノズル部30bを螺合して押込むと、操作体30cの後部に形成してある針部 30fで前記薄板31aに小さな穴をあけて炭酸ガスを操作体30cに形成した 圧力室32e内に導入するようになっている。
【0031】 前記のように構成したビール製造装置1を使用する方法について説明すると、 (仕込み工程) イ)図1〜4に示す状態のカバー体2の上部カバー2aを開放して容器本体7 を取り出し、これの口部7aに螺合されている蓋体3を取り外して口部7aを大 きく開口し、必要に応じて消毒する。
【0032】 ロ)そしてビールのモルトシロップと水を規定量供給し、更にイースト菌を添 加し、次いで容器本体7の口部7aを蓋体3で閉止して仕込みを完了する。 このようにして仕込みが終った容器本体7を外部温度が19℃から25℃の範 囲において、約10日間その状態を保持して醗酵させる。 この醗酵工程において発生する炭酸ガスによって、容器本体7の内圧が規定値 より高まると圧力調整弁4が作動してガスを放出する。
【0033】 ハ)醗酵が終了すると、容器本体7を冷蔵庫に入れて約5日間、熟成する。醗 酵の完了は、ガスが出なくなって表面に浮いた泡や菌が容器本体7の底に、オリ となって沈澱する状態を蓋体3を通じて観察することによって判断することがで きる。 ニ)前記のように醗酵と熟成が完了すると目的とするビールが製造できたこと になるので、この容器本体7を表面装飾部材である樽形をしているカバー体2内 に収容する。
【0034】 そして飲用の際に、図12及び図13に示すように容器本体7の開口部に設け た蓋体3に取付けた 炭酸ガス注入弁5に、炭酸ガス注入装置30を使用してガス ボンベ31より炭酸ガスを注入し、容器本体7内を所定の圧力とする。そして必 要に応じてビール取出しコック6を操作してビールを取出し、飲用する。 なお、ビールの醸造が完了して飲用する際に、炭酸ガスを醸造装置内に充填し て内圧を高めて排出するのは前記の通りであるが、この炭酸ガスを充填する前に 炭酸ガス注入弁5又は圧力調整弁4を操作してビールの上部に溜まっている空気 等を排出する。その後に所定の炭酸ガスを注入することによって、ビールの酸化 に伴う味の劣化を防止することができる。
【0035】 また、第2の手法として容器本体7内の空気は醗酵過程で自然に発生した炭酸 ガスより比重が軽く上部に浮いているが、弁体13の外部より細いピンで頭部1 3d(図10)を、ほんの一瞬押圧するとパッキング13bが弁座13eから離 れるので、容器本体7内の空気が外へ追い出され、前記と同様にビールの酸化に よる味の劣化を防止することができる。
【0036】
【考案の効果】
A)請求項1の考案により、容器本体7の一方の側面に口部7aを開口し、こ れを蓋体3で閉止するので、醸造工程においてはこの容器本体7のみを冷蔵庫内 に収容することができる。従って、一般家庭においても少量のビールを製造する ことができる。
【0037】 また、容器本体7の口部7aを大きく開口した状態で仕込みを行うために、こ の操作が極めて簡単でモルトシロップや水の漏れなどのロスを発生しない。 更に、この容器本体7の蓋体3に圧力調整弁4と炭酸ガス注入弁5とビール取 出しコック6とを設けているので、これを樽形をしているカバー体2で覆うだけ で装飾的な見栄えを良くしてパーテイ等のテーブル上に置くことができる。
【0038】 また、このカバー体2は外観が樽形で、大きな突出物がないことから、著しく コンパクトで、取扱い性が良く、更にビールの酸化による味の劣化を防止するこ とができる。 B)請求項2の考案により、カバー体2を簡単に開放し、閉止できるので、容 器本体7の取出し、収納操作を簡単に行うことができる。
【0039】 C)請求項3の考案により、カバー体2の側面に蓋体3を配置し、この蓋体3 を透明にすることができるために、ビールの醗酵状態やビールの消費状態を確認 することができ、特に家庭において興味を持ってビールを製造し、消費すること ができる。 D)請求項4の考案により、自転車あるいは自動車用の空気注入弁を使用する ことによって確実な炭酸ガス注入弁を提供することができる。
【0040】 E)請求項5の考案により、容器本体7の口部7a閉止している蓋体3に設け 炭酸ガス注入弁5に小型の炭酸ガスボンベより炭酸ガスを簡単に供給して容 器本体7の内部をガス加圧して製造したビールを簡単に排出する ことができる。 F)請求項6及び7の考案により、蓋体3に設けた炭酸ガス注入弁5に当接さ せるだけで、 確実に作動し、小型でしかも安全な炭酸ガス注入装置30を提供す ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るビール製造装置の一例を示す斜視
図である。
【図2】カバー体の正面図である。
【図3】カバー体とその内部に収容した容器本体とを示
す断面図である。
【図4】容器本体を一部切開して示す正面図である。
【図5】容器本体の側面図である。
【図6】カバー体の内部構造を示す斜視図である。
【図7】カバー体の内部構造を示す斜視図である。
【図8】カバー体の接合部を示す正面図である。
【図9】炭酸ガス注入弁の横断面図である。
【図10】炭酸ガス注入弁に使用される弁体の一部を切
開して示す横断面図である。
【図11】圧力調整弁の横断面図である。
【図12】炭酸ガス注入弁と炭酸ガス注入装置の詳細を
示す断面図である。
【図13】炭酸ガス注入弁と注入装置を連結した状態を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 ビール製造装置 2 カバー体 3 蓋体 4 圧力調整弁 5 炭酸ガス注入弁 6 ビ
ール取出しコック 7 容器本体 7a 口部 7b 底部
7c ネジ 7d 脚部 8 連結具 8a マグネットキ
ャッチ 8b 磁性板 10 ネジ管 11 パッキン
グ 12 ナット 13 弁体 13a 本体 13b パッキング
13c 弁軸 13d 頭部 13e テーパー面 13f ス
プリング 14 両ネジナット 15 外カバー 17
本体 18 パッキング 19 ナット 20 パッ
キング 21 押え板 22 弁軸 30 炭酸ガス注
入装置 30a 本体 30b ノズル部 30c 操
作体 30d Oリング 30e ナット 30f
針部 32 弁機構 32a 本体 32b 操作棒 32c スプリング 32d 弁体 32e
圧力室 33 ガイド管 33a ノズル管 33b
操作棒
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月20日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 ビール製造装置
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るビール製造装置の一例を示す斜視
図である。
【図2】カバー体の側面図である。
【図3】カバー体とその内部に収容した容器本体とを示
断面図である。
【図4】容器本体を一部切開して示す側面図である。
【図5】容器本体の正面図である。
【図6】カバー体の内部の接合部を拡大して示す斜視図
である。
【図7】カバー体の内部の一部の構造を示す斜視図であ
る。
【図8】カバー体の接合部の構造を示す正面図である。
【図9】炭酸ガス注入弁を拡大して示す側断面図であ
る。
【図10】炭酸ガス注入弁に使用される弁体の一部を切
開して示す横断面図である。
【図11】圧力調整弁の横断面図である。
【図12】炭酸ガス注入弁と炭酸ガス注入装置の詳細を
示す断面図である。
【図13】炭酸ガス注入弁と注入装置を連結した状態を
示す断面図である。
【符号の説明】 1 ビール製造装置 2 カバー体 3 蓋体 4 圧力調整弁 5 炭酸ガス注入弁 6 ビール
取出しコック 7 容器本体 7a 口部 7b 底部 7c
ネジ 7d 脚部 8 連結具 8a マグネットキャッ
チ 8b 磁性板 10 ネジ管 11 パッキング
12 ナット 13 弁体 13a 本体 13b パッキング
13c 弁軸 13d 頭部 13e テーパー面 13f ス
プリング 14 両ネジナット 15 外カバー 17
本体 18 パッキング 19 ナット 20 パッキ
ング 21 押え板 22 弁軸 30 炭酸ガス注
入装置 30a 本体 30b ノズル部 30c 操
作体 30d Oリング 30e ナット 30f
針部 32 弁機構 32a 本体 32b 操作棒 32c スプリング 32d 弁体 32e
圧力室 33 ガイド管 33a ノズル管 33b
操作棒

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体7と、この容器本体7の口部7
    aに着脱自在に設けた蓋体3と、前記容器本体7を横向
    きに収容するカバー体2とからなり、前記蓋体3はカバ
    ー体2の一方の側面端部2cに露出しており、この蓋体
    3の上部位置に圧力調整弁4と炭酸ガス注入弁5を、下
    部位置にビール取出しコック6をそれぞれ設け、更に前
    記カバー体2は上下に二分されて前記容器本体7を取り
    出し可能に結合しているビール製造装置。
  2. 【請求項2】 カバー体2は上部カバー2aと下部カバ
    ー2bからなり、両カバー2a,2bの合面に連結具8
    を設けて連結・解放自在に形成した請求項1記載のビー
    ル製造装置。
  3. 【請求項3】 蓋体3は透明体である請求項1記載のビ
    ール製造装置。
  4. 【請求項4】 炭酸ガス注入弁5は車両用車輪のチュー
    ブの空気注入栓である請求項1記載のビール製造装置。
  5. 【請求項5】 容器本体7と、この容器本体7の口部7
    aに着脱自在に設けた蓋体3と、前記容器本体7を横向
    きに収容するカバー体2とからなり、前記蓋体3はカバ
    ー体2の一方の側面に露出しており、この蓋体3の上部
    位置に少なくとも炭酸ガス注入弁5を設けており、前記
    注入弁5は、ガスボンベ31を収容したガス注入装置3
    0を連結すると、炭酸ガスを自動的に注入可能に構成し
    たビール製造装置。
  6. 【請求項6】 炭酸ガスボンベ31を収容する部分と、
    この炭酸ガスボンベ31を穿孔する部分30fと、この
    炭酸ガスボンベ31より排出した炭酸ガスを保持する圧
    力室32eを有し、この圧力室32eを閉止している弁
    体を押圧操作すると前記圧力室32e内の炭酸ガスを排
    出するように構成した炭酸ガス注入装置。
  7. 【請求項7】 ガス注入装置30の本体30aと、この
    本体30aに螺合したノズル部30bと、このノズル部
    30bに連結したガイド管33と、このガイド管33の
    先端に出没可能に設けたノズル管33aと、前記ノズル
    部30b内に設けた操作体30cと、この操作体30c
    に形成した圧力室32eを閉止する弁機構32とを有
    し、前記ノズル管33aが後退すると弁機構32を作動
    させて圧力室32e内の炭酸ガスを、ガイド管33を通
    じてビール製造装置1の容器本体7内に供給することが
    できるように構成した炭酸ガス注入装置。
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