JP3039615B2 - 屠殺装置 - Google Patents

屠殺装置

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JP3039615B2
JP3039615B2 JP7304360A JP30436095A JP3039615B2 JP 3039615 B2 JP3039615 B2 JP 3039615B2 JP 7304360 A JP7304360 A JP 7304360A JP 30436095 A JP30436095 A JP 30436095A JP 3039615 B2 JP3039615 B2 JP 3039615B2
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    • A22BUTCHERING; MEAT TREATMENT; PROCESSING POULTRY OR FISH
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    • A22B3/00Slaughtering or stunning

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Processing Of Meat And Fish (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屠殺装置、特に食
肉用家畜または研究用動物を屠殺するための装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】動物、特に、家畜を食肉用に供する場
合、または動物から薬理標本を作成する場合などにおい
て、動物の屠殺は広く行われている。従来、屠殺は、直
接、人の手により行われていた。詳細には、牛、豚、馬
等の食肉用家畜の屠殺には、特殊な専用ピストルで家畜
の頭部を撃って倒した後または電気ショックで処理した
後、その動物の脳細胞を人の手で破壊し、脳死の状態に
し、その後、静脈を切断して血抜き、放血していた。
【0003】また、ラット、マウス、モルモット、うさ
ぎ等の研究用動物の場合、エーテル、クロロホルム等の
麻酔剤を含む薬剤を用いたり、または頸椎脱臼により処
理し、脳死させた後、血抜き、放血させる方法が採用さ
れていた。
【0004】しかし、これら従来の方法では、直接、人
の手で屠殺を行うため、動物に対する愛護の観点から、
屠殺作業に携わる者にとっては常に精神的苦痛を伴うも
のであった。
【0005】また、食肉用家畜の場合には、その処理に
は特殊の熟練が必要でピストルが外れると、家畜が暴れ
出し、時には暴走し、作業者に危害を加え、安全性に欠
けることがあった。ピストルが家畜に命中した場合にお
いても、動物の血が飛び散り、凄惨な状態となり、屠殺
処理場が非衛生的となる。さらに、ピストルで動物の頭
部を常に正確に狙うことは困難であり、正確性に欠ける
ことが多かった。さらにまた、従来から、屠殺から精肉
までの全工程を自動化または機械化したいという要請が
強かった。加えて、従来の方法により豚を屠殺した場
合、屠殺前における絶食のストレスまたは屠場でのスト
レス等により商品価値のない豚のムレ肉(PSE)が発
生し易いという欠点があった。
【0006】一方、研究用動物についての屠殺の場合に
は、前述の通り、エーテル、クロロホルム、麻酔剤等の
薬物を用いたり、頸椎脱臼等により処理していたのであ
るが、その処理は簡便でなかったり、短時間で動物の任
意の組織を破壊させるには不向きで、確実性、正確性が
十分ではなかった。また。薬剤を使用する場合には、作
業者がこれらの薬剤を誤って吸うこともあり、安全性に
も問題があった。
【0007】このような従来の屠殺方法は、動物に苦痛
を与えたり虐待性をもたらすことから、動物愛護の観点
からも適切な方法とはいえなかった。
【0008】屠殺の場合、結果的には動物を死に至らし
めるのであるが、死後、血抜き、放血する必要があるこ
とから、脳死の状態、すなわち、脳組織は破壊するが、
心臓は元の状態に維持することが重要となる。それは、
食肉用家畜の場合、死後、血抜き、放血しないと、食肉
用として使用できなくなるからであり、また研究用動物
の場合、死後、血抜き、放血しないと、解剖して、適切
な病理標本等を作成できないからである。このように、
屠殺する場合、動物を脳死の状態に至らしめることが必
要で、そのための方法を確立することが望まれていた。
【0009】また、従来の屠殺方法は、人の手で行うた
め、処理にかなりの長時間を要し、確実性、簡便性、安
全性において問題があるのみならず、任意の動物組織の
みを破壊させて処理するには不向きであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、屠
殺作業者の精神的苦痛を軽減し、作業者の安全性を確保
し、また、処理場の衛生状態を維持でき、屠殺処理を簡
便に行うことができ、確実性・正確性に優れ、短時間で
処理ができ、さらには、動物愛護の観点から、動物の苦
痛及び虐待を軽減させることができる動物の屠殺を実施
するための装置を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
により達成される。即ち、本発明は、マイクロ波を動物
の組織に照射し、そのエネルギーによって動物組織を破
壊させることを最も主要な特徴とする。
【0012】本発明者は、マイクロ波照射は人の治療に
もよく用いられていて、例えば、筋肉のほぐし、肩こり
軽減などの温熱治療、又は癌の治療などにも応用されて
いるが、いままで屠殺には用いられたことがなかったマ
イクロ波について、鋭意研究を続けた結果、本発明を完
成するに至ったものである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明をどのように実施す
るかについて、発明の実施の形態を、詳細に記載する。
【0014】本発明は、前述したように、マイクロ波を
動物の組織に照射し、そのエネルギーによって動物組織
を破壊させることを利用する屠殺装置に関する。
【0015】動物組織はおもにタンパク質、水分等の誘
電体で構成されているため、電磁波であるマイクロ波を
動物組織に照射すると、生体組織中の水の分子は分極状
態にあるため、電場の向きが激しく変動するのに共振
し、振動する摩擦熱で組織の温度が急上昇する。この加
熱方法は熱伝導によらないため、内部組織を短時間で加
熱することができる。例えば、ISM(Industrial Sci
entific Medical )周波数帯で割り当てられている2,
450MHzの周波数を用いれば、24億5千万回/秒
で分子が反転することとなり、摩擦熱が生じる。動物の
脳組織にマイクロ波を照射すると、その組織の温度の急
上昇により、脳死させることができる。本発明では、こ
の現象を利用して、マイクロ波を動物の組織に照射し、
そのエネルギーによって動物組織を破壊させるものであ
る。特に、本発明では、動物の頭部、中でも脳組織に照
射するのが好ましいが、脊椎または脊髄に照射しても効
果的である。
【0016】本発明の方法の対象となる動物は、人を除
く動物であり、特に哺乳動物に適用でき、中でも、食肉
用家畜及び研究用動物に適用するのが好ましい。食肉用
家畜としては、牛、豚、馬、鹿、鳥などが含まれ、研究
用動物としては、ラット、マウス、モルモット、うさ
ぎ、犬、猫などが含まれる。
【0017】屠殺の際、動物を脳死に至らしめるのに必
要な脳の温度上昇(ΔT)は、屠殺すべき動物によって
も異なるが、哺乳動物の有害体内温度が45℃以上であ
り、致死温度が約52℃であること、及び平均体温が約
37℃であることを考慮して、ΔT=約15℃である。
次に、脳死に至らしめるのに必要な処理時間としては、
屠殺すべき動物によっても異なるが、動物愛護の観点か
ら動物が苦痛を感じる時間は短い方が好ましいことか
ら、最長でも3秒までが好ましく、特に好ましくは0.
5秒〜1秒である。これらの点を考慮し、また、マイク
ロ波照射の加熱式が次の式(1)で表せることから、本
発明で動物を脳死に至らしめるために照射すべきマイク
ロ波の電力エネルギーを適宜決定することができる。
【0018】
【数1】 式中、P[W]は電力エネルギー、Cpは物質の比熱(ca
l/g・℃)、Mは物質の重量(g)、ΔTは上昇温度
(℃)、ηは効率で通常0.7〜0.8(70〜80
%)、そしてtは照射時間(秒)である。
【0019】従って、例えば、牛の脳(脳重:1,00
0g)の温度を15℃上昇させるのに必要なマイクロ波
の電力エネルギーは式(1)により求められ、生体組
織、例えば脳として固有の値を代入し、計算した場合、
およそ次のようになる。
【表1】照射時間(sec) 0.5 1 2 3 電力量(kW) 150 75 38 25 本発明においては、本発明者の研究によれば屠殺すべき
動物が食肉用家畜の場合には、マイクロ波の電力エネル
ギーは一般的には200W〜300kW、好ましくは7
50W〜225kWであり、照射時間は一般的には3〜
0.5秒、好ましくは1〜0.5秒である。
【0020】また、研究用動物の場合には、マイクロ波
の電力エネルギーは、一般的には20W〜45kWが好
ましく、また照射時間は一般的には3〜0.5秒、特に
好ましくは、1〜0.5秒である。特にマイクロ波の電
力エネルギーについては、例えばモルモット、うさぎ、
犬、猫の場合、一般的には380W〜45kW,好まし
くは1.5kW〜34kWであり、また、例えばラッ
ト、マウスのような小型動物の場合には、一般的には2
0〜600W、好ましくは75〜450Wである。
【0021】本発明においては、マイクロ波の電力エネ
ルギー及び照射時間は、屠殺しようとする動物に応じ
て、上記に述べた範囲内において適宜決定することがで
きる。マイクロ波の電力エネルギーが上限を超える場合
は動物組織に過度の損傷を与えてしまい、動物愛護の観
点から望ましくなく、下限を下回る場合は動物を脳死の
状態にすることができないからである。
【0022】また、屠殺すべき動物により脳の大きさ及
びマイクロ波照射ターゲット部位が異なることから、本
発明において、最も効率よく屠殺するためには、使用周
波数を考慮する必要がある。効率よく動物のターゲット
部位へマイクロ波を照射する場合、マイクロ波の動物組
織に対する浸透深度、加熱効率、電波の収束性の面から
使用する周波数を選択する。マイクロ波の浸透深度は、
周波数と次の関係式(2)が成立することから、屠殺す
べき動物の大きさに応じて使用する周波数を適当に選択
することにより適宜調節することができる。
【0023】
【数2】 式中、L[m]は浸透半減深度であり、fはマイクロ波周
波数(Hz)、εは比誘電率、tanδ は誘電体損失角であ
る。
【0024】一般に、周波数が低くなると、浸透深度が
深められる。理論的には、式(2)から、浸透深度は単
純にL[m]の浸透半減深度の2倍として考えると、使用
周波数が2450MHzの場合、約1.5cm、周波数
が915MHzの場合、約3.7cmとなる。本発明に
おいては、本発明者の研究の結果、浸透深度として、食
肉用家畜の場合、少なくとも5cm、研究用動物の場
合、例えばラット、マウスの場合少なくとも3mm、例
えばモルモット、うさぎ、犬、猫の場合、少なくとも2
cmが必要であることが分かった。以上のことから、動
物を脳死に至らす場合、浸透深度、電波の収束性を考え
ると、研究用動物のように小型動物の場合には2450
MHzの周波数が、また食肉用家畜のように大型動物の
場合には915MHzが適切である。また、周波数とし
て適宜50〜915MHz帯を使用してもよい。
【0025】なお、本発明に関し、「屠殺」とは、牛、
豚のみならず、上記で列挙した食肉用家畜、研究用動物
をも対象とするものであると理解すべきである。
【0026】本発明の動物を屠殺するための装置は、マ
イクロ波を照射するためのマイクロ波照射手段およびマ
イクロ波を動物の所定の部分へ正確に照射するためのタ
ーゲット手段から構成される。
【0027】本発明の実施の形態について、図面を用い
て、さらに詳細に説明する。
【0028】図1は本発明の屠殺のための装置の一態様
を示す。この装置は、特に、食肉用家畜の屠殺に好適で
ある。本実施態様において、マイクロ波照射手段は、マ
イクロ波を照射するためのパラボラ型アンテナ1、アン
テナを制御して動物のターゲット部位に照準を定めるた
めのアンテナ駆動部2、電力のモニタリングを行うため
のパワーモニター3、マイクロ波を発生させるためのマ
グネトロン発振器4、及び照射したマイクロ波の反射波
に対するマグネトロン発振器を保護するためアイソレー
タ5からなる。一方、ターゲット手段は動物6の動きを
監視すると共にマイクロ波照射ターゲット部位7を捉え
るための電荷結合素子カメラ8により捕捉された動物
の、マイクロ波を照射すべきターゲット部位7の画像情
報を取り込みアンテナの位置決めをするためのコントロ
ール部9よりなる。このコントロール部9は電荷結合素
子カメラにより捕捉されたターゲット部位の画像情報を
受け取り正確なマイクロ波照射角度及びターゲット部位
を決めるため画像解析を行うコンピュータ解析手段、画
像解析によりアンテナの位置を割り出してそのデータを
受け取り、マイクロ波照射アンテナを制御するアンテナ
駆動制御手段、動物の種類の特定及び屠殺しようとする
動物の確認を行いターゲット部位を割り出すため動物の
映像パターンをコンピュータ内に登録されたパターンと
比較照合するための登録データ照合手段、データ集計・
記録手段よりなる。なお、符号10は電源部、11は補
助電源部を示す。また、本実施態様によれば、屠殺する
動物を固定する手段を設けるのが好ましい。動物固定手
段は、例えば、屠殺室内に設けられたシャッター型開閉
ケージ12よりなり、屠殺室13内に導かれた動物の頭
部を固定することができるようになっている。
【0029】動物6は導入路14により屠殺室13内の
ケージ内に導かれ頭部をシャッター型開閉ケージ12に
より実質的に固定する。動物の様子を電荷結合素子8に
より監視するとともに動物のマイクロ波を照射すべきタ
ーゲット部位7を捕捉し、その画像情報をコントロール
部9のコンピュータ解析手段に送り画像解析を行う。ア
ンテナ1の正確な位置を割り出して、そのデータをアン
テナ駆動部2に伝達し動物の頭部の小さな動きに常に連
動するように作動し、マイクロ波照射の準備態勢を取っ
ている。一方、画像に所定の動物が映っているかをも映
像パターンをコンピュータにフィードバックし、コンピ
ュータ内に登録されたパターンと比較照合する。マイク
ロ波は、コンピュータにフィードバックされた映像パタ
ーンとコンピュータ内に登録されたパターンとが適合し
た場合にのみ、照射されるようになっている。これによ
り、動物は的確に確実に、瞬時に処理できるので、動物
への苦痛や虐待を軽減させることができる。
【0030】本実施態様による場合、図2の符号7で示
すようにマイクロ波は動物の頭部、特に額を前方から照
射するのが好ましい。
【0031】また、本発明においては、マイクロ波の誤
照射を防止するために、ケージ内の重量及び赤外線セン
サー等の補助安全機構を設けることが好ましい。また、
屠殺室13は、周囲にマイクロ波の漏洩防止用シャッタ
ーを設け、作業者に対する安全性を高めることが望まし
い。
【0032】図3には、本発明の屠殺装置についての他
の実施態様を示す。本実施態様においても、マイクロ波
照射手段及びターゲット手段からなる。マイクロ波照射
手段は、マイクロ波を動物に向けるためのアプリケータ
21、アプリケータ21の一方の端部に設けた、マイク
ロ波を照射するための出力アンテナ22、アプリケータ
21の他方の端部と同軸ケーブル23により接続された
マイクロ波照射装置本体24からなる。マイクロ波照射
装置本体は交流・直流変換手段、マイクロ波を発振する
ためのマイクロ波発振器、マイクロ波の反射波からマイ
クロ波発振器を保護するためのアイソレータ、コントロ
ールユニットからなる。アプリケータ21は動物の種
類、大きさ、形状の違いに応じて適合できるように交換
可能に構成されており、図示したようなペンタイプのも
のが好ましい。アプリケータ21には、屠殺の意志決定
がなされた後マイクロ波照射の実施するための手元スイ
ッチ28が所定の位置に設けられている。
【0033】一方、ターゲット手段は、アプリケータ2
1の先端部に設けられた、図4または図5に示すような
構成のキャップ部材31または流体袋部材41である。
このキャップ部材31または流体袋部材41は、屠殺す
べき動物の頭部によく密着できるよう構成されており、
マイクロ波が動物の頭部の所定ターゲット部位に照射で
きるようになっている。また、このキャップ部材31ま
たは流体袋部材41は、動物との密着性を高めることが
できるので、照射したマイクロ波が漏洩するのを防止で
きるという作用をも兼ね備えている。キャップ部材は、
良好な密着性を確保するためにゴムまたはプラスチック
から作られているのが好ましく、特に好ましいのは、ゴ
ム製のキャップ部材である。流体袋部材は、照射すべき
マイクロ波が透過できるプラスチック製であるのが好ま
しく、充填剤、例えば、流動性のある粉体としてポリテ
トラフルオロエチレン、ポリエチレン等のようなマイク
ロ波の損失係数の小さい物質が封入されていて動物の頭
部によく密着できるように構成されている。キャップ部
材は、図4に示すように、接点スイッチ32及びスペー
サ・スプリング33を介してアプリケータ21に装着さ
れている。接点スイッチ32は作業者に対する安全機構
として作用する。スペーサ・リング33は接点スイッチ
を密着させない状態ではOFFにしておくための間を開
けるためのスプリングで、安全機構のひとつとして作用
する。
【0034】また、同様に、流体袋部材も、図5に示す
ように、接点スイッチ32及びスペーサ・スプリング3
3を介してアプリケータ21に装着されている。また、
この接点スイッチ32も作業者に対する安全機構として
作用する。
【0035】また、図3に示すように、同軸ケーブルに
よりアプリケータ21に接続されたマイクロ波照射装置
本体24は、電源スイッチ25、マイクロ波照射時の出
力エネルギーを制御するためのデイスプレー出力コント
ロールパネル26及び足ペタルスイッチ27からなる。
【0036】本実施態様の屠殺装置においては、作業者
の手作業により動物を固定する必要があり、また、屠殺
操作自体も手作業でなされる。そのため、この実施態様
の装置においては確実で安全性の高い操作性が求められ
ることから、作業者の屠殺の意志の確認から屠殺決行ま
での各段階に安全機構を設けるのが好ましい。
【0037】本実施態様においては、電源スイッチ2
5、接点スイッチ32、足ペタルスイッチ27、手元ス
イッチ28が安全機構として設けられている。本実施態
様における操作手順は次の通りである。 (1)第一段階:作業者の屠殺意志の確認の後、電源ス
イッチ25をいれる。 (2)第二段階:屠殺すべき動物にアプリケータを押し
付け、密着用キャップまたは流体袋部材の接点スイッチ
32をいれる。 (3)第三段階:屠殺動作の確認の後、足ペタルスイッ
チ27をいれる。 (4)最終段階:作業者の屠殺意志の決定及び屠殺決行
の際に、手元スイッチ28をいれる。
【0038】このように、屠殺に至るまでの安全機構を
数段に設けることによって、マイクロ波が誤照射される
のを防止することができる。また、これら全てのスイッ
チを入れてもマイクロ波の連続照射を避け、連続照射に
よる被照射動物の過剰な破損を回避する回路を設けるこ
とが好ましい。また、マイクロ波の照射時間を一定の短
い時間に設定した場合には、動物の種類及び重量とによ
り出力エネルギーが異なってくるので、出力エネルギー
をどの程度に設定すべきか決定することが必要になる。
この場合、例えば、脳死の状態に動物を処理するための
出力エネルギーと動物の種類及び重量との関係を同一の
電源部のデイスプレー出力コントロールパネル26上に
一応の目安として併表したコントローラにすると便利で
ある。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の屠
殺装置を使用することにより、動物の前処理を必要とせ
ず、簡便で瞬時に屠殺を行うことができるので動物への
苦痛及び虐待性を軽減させることができる。また、遠隔
操作ができ、間接的に屠殺することができる。これらに
より、作業者の精神的苦痛を和らげることができ、動物
愛護の点でも優れている。
【0040】また、本発明は、従来法とは異なり、特殊
なピストルを用いたり、薬物又は電気ショックを使用す
るものではないことから、作業者に対する安全性が高
く、図3の実施態様の場合には、安全機構を多段に設け
て作業者の安全性を向上させている。
【0041】また、最小のエネルギーで最大の効果が期
待でき、環境への汚染もない。従って、本発明は屠殺処
理をクリーンな状態で衛生的に行うことができる。
【0042】さらに、食肉用家畜の屠殺処理に関して
は、従来全て人の手で行われていたのであるが、本発明
により、全ての工程を機械化できる全自動化ライン構築
への道が開かれたことは画期的である。また、本発明は
前述のように、瞬時に屠殺を行うことができ、動物への
苦痛及び虐待性を軽減させることができることから、豚
に対して強いストレスを与えることもなく、商品価値の
ない豚のムレ肉(PSE)の発生を著しく減少させるこ
とが期待される。豚のムレ肉の発生を完全に解消すべく
研究が盛んな現在、これに対する本発明がもつ意義は大
きい。
【0043】特に、本発明では、マイクロ波を利用する
が、これにより、次のごとき優れた技術的効果を奏する
ことができる。
【0044】(1)動物組織に対するマイクロ波の照射
は電磁波エネルギーを直接利用するため、エネルギー効
率が極めて高く、従って、加熱効率が極めて高い。 (2)マイクロ波の直進性が高く、任意の動物組織への
加熱破壊を正確に行うことができ、照射範囲を動物の所
定の範囲に限定できるので、他の組織への損傷が少なく
てすむ。 (3)マイクロ波照射時におけるマイクロ波の外部への
漏洩を防止し易い。また、マイクロ波はクリーンなエネ
ルギーであるから、安全、かつ衛生的に作業を行うこと
ができる。 (4)マイクロ波の照射範囲を限定でき、波長の選択や
位相制御によりマイクロ波の浸透深度を変化させやすい
など、コントロール性に優れ、装置を設置するためのス
ペースが小さくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屠殺装置の第一の実施態様を示す説明
図である。
【図2】マイクロ波を照射すべき動物の箇所を示す説明
図である。
【図3】本発明の屠殺装置の第二の実施態様を示す説明
図である。
【図4】図3の屠殺装置に使用されるキャップ部材を示
す説明図である。
【図5】図3の屠殺装置に使用される流体袋部材を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 アンテナ駆動部 3 パワーモニター 4 マグネトロン発振器 5 アイソレータ 6 動物 7 マイクロ波照射ターゲット部位 8 電荷結合素子カメラ 9 コントロール部 11 補助電源部 12 シャッター型開閉ゲージ 21 アプリケータ 22 出力アンテナ 24 マイクロ波照射装置本体 25 電源スイッチ 27 足ペタルスイッチ 28 手元スイッチ 31 キャップ部材 32 接点スイッチ 33 スペーサ・スプリング 41 流体袋部材
フロントページの続き (56)参考文献 米国特許3973290(US,A) Fleischwirtschaf t,Vol.69[6](1989)p.1030 −1032 Life Sci.,Vol.29[7 ](1981)p.643−653 Neurochem Int.,Vo l.12[1](1988)p.47−52 Jpn.J.Pharmacol., Vol.55[1](1991)p.121−128 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A22B 3/00,3/06 H05C 1/00 - 3/00 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波を屠殺すべき食肉用家畜に照
    射するためのマイクロ波照射手段と、該マイクロ波照射
    手段から照射されるマイクロ波を食肉用家畜の所定部分
    へ照射させるためのターゲット手段とからなり、該マイ
    クロ波照射手段がマイクロ波を発振させるためのマグネ
    トロン発振器、マイクロ波を照射するためのアンテナ及
    び該アンテナを制御して食肉用家畜のターゲット部位に
    照準を定めるためのアンテナ駆動部からなり、該ターゲ
    ット手段が食肉用家畜の動きを監視すると共にマイクロ
    波照射ターゲット部位を捉えるための電荷結合素子カメ
    ラ及び該電荷結合素子カメラにより捕捉された食肉用家
    畜のマイクロ波を照射すべきターゲット部位の画像情報
    を取り込みアンテナの位置決めをするためのコントロー
    ル部からなり、該マイクロ波照射手段からマイクロ波
    を、該ターゲット手段のコントロール部により位置決め
    された該アンテナから、遠隔操作により、屠殺すべき食
    肉用家畜の脳組織に照射し脳死せしめることを特徴とす
    る屠殺装置。
  2. 【請求項2】 屠殺する食肉用家畜の頭部を固定するた
    めの動物固定手段をさらに設けた請求項1記載の屠殺装
    置。
  3. 【請求項3】 食肉用家畜が牛、豚、馬、鹿又は鳥であ
    る請求項1又は2記載の屠殺装置。
  4. 【請求項4】 該マイクロ波照射手段が、マイクロ波を
    電力エネルギー200W〜300kWで3〜0.5秒照
    射するよう設定されている請求項1、2又は3記載の屠
    殺装置。
  5. 【請求項5】 マイクロ波を屠殺すべき研究用動物に照
    射するためのマイクロ波照射手段と、該マイクロ波照射
    手段から照射されるマイクロ波を研究用動物の所定部分
    へ照射するためのターゲット手段とからなり、該マイク
    ロ波照射手段がマイクロ波を発振するためのマイクロ波
    発振器を含むマイクロ波照射装置、マイクロ波を動物に
    向けるためのアプリケータ及びマイクロ波を照射するた
    めの出力アンテナからなり、該ターゲット手段がアプリ
    ケータの先端部に設けられた、動物の頭部に密着し得る
    キャップ部材または流体袋部材からなり、該マイクロ波
    照射手段からマイクロ波を、該キャップ部材又は流体袋
    部材を通じて該出力アンテナから、屠殺すべき研究用動
    物の脳組織に照射し脳死せしめることを特徴とする屠殺
    装置。
  6. 【請求項6】 該キャップ部材がゴム又はプラスチック
    製である請求項5記載の屠殺装置。
  7. 【請求項7】 該流体袋部材がプラスチック製でありポ
    リテトラフルオロエチレン又はポリエチレンが封入され
    ている請求項5記載の屠殺装置。
  8. 【請求項8】 該マイクロ波照射装置には電源スイッチ
    及び足ペダルスイッチが設けられ、アプリケータには手
    元スイッチが設けられ、該キャップ部材又は流体袋部材
    には接点スイッチが設けられている請求項5〜7のいず
    れかに記載の屠殺装置。
  9. 【請求項9】 該研究用動物が、ラット、マウス、モル
    モット、うさぎ、犬又は猫である請求項5の屠殺装置。
  10. 【請求項10】 該マイクロ波照射手段が、マイクロ波
    を電力エネルギー20W〜45kWで3〜0.5秒照射
    するよう設定されている請求項5又は9記載の屠殺装
    置。
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