JP3038184B2 - キャピラリ電気泳動による陰イオン、アミノ酸、糖類の分析方法及び装置 - Google Patents
キャピラリ電気泳動による陰イオン、アミノ酸、糖類の分析方法及び装置Info
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Description
動による陰イオン、アミノ酸、糖類の分析方法及び装置
に係り、特に、無機陰イオン、有機酸、アミノ酸及び糖
を一斉に分析することが可能な、キャピラリ電気泳動に
よる分析方法及び装置に関する。
機陰イオン、有機酸、アミノ酸、糖を測定する必要があ
る。
ンクロマトグラフィあるいはキャピラリ電気泳動を用い
て測定されている。例えばAdvances in Chromatogra
phyin 1982−Proceedings of the 18th Inter
national Symposium inTokyo(1982)pp.29
7−308には、イオンクロマトグラフィにより、pH
10で、F、Cl、N、P、Br、S等の無機陰イオン
を分析することが記載されている。又、Journal of C
hromatography ,546(1991)pp.445−45
8には、キャピラリ電気泳動により、pH8〜12で、
低分子量の無機/有機陰イオンを測定することが記載さ
れている。
ラフィあるいは高速液体クロマトグラフィあるいはキャ
ピラリ電気泳動を用いて測定されている。例えば、島津
評論Vol.49No.1・2(1992.7)59−6
4頁には、ポストカラムpH緩衝化電気伝導度検出法を
用いて、pH2〜3で、高速液体クロマトグラフィによ
り食品中の有機酸を分析することが記載されている。
又、Journal of Chromatography A,767(199
7)pp.223−230には、キャピラリ電気泳動を用
いて、pH5.6で無機陰イオンと有機酸を同時に測定
することが記載されている。
トグラフィを基本としたアミノ酸分析装置を用いて測定
されている。例えば、Journal of Chromatography,4
31(1988)pp271−284には、高速液体クロ
マトグラフィにより、pH8程度で、アミノ酸を誘導体
化し、分離した後、測定することが記載されている。
ラフィやキャピラリ電気泳動を用いて測定されている。
例えば、Analytical Biochemistry 140(198
4)pp.1−47には、高速液体クロマトグラフィを用
いて、pH6.8〜10.5で、単糖及びオリゴ糖を測
定することが記載されている。又、Bunseki Kagaku
Vol.32(1983)pp.E207−E210には、
高速液体クロマトグラフィを用いて、pH7.1で、糖
類を測定することが記載されている。又、Chromatogra
phia Vol.33、No .3/4(1992.2)に
は、キャピラリ電気泳動により、pH12.1で、糖類
を測定することが記載されている。又、Journal of C
hromatography A,680(1994)pp.187−2
00には、キャピラリ電気泳動及び高速液体クロマトグ
ラフィを用いて、pH12.2で、フルーツジュース中
の炭化水素を決定することが記載されている。
は、前記無機陰イオン、有機酸、アミノ酸及び糖類を測
定するためには、2種類以上の測定装置と3乃至4の測
定条件が必要であり、1つの測定装置で同時に測定する
ことはできなかった。従って、前記成分を全て測定する
場合には、多くの設備投資と大変な労力が必要であっ
た。
くなされたもので、現在頻繁に測定されている、塩化
物、硝酸、硫酸、燐酸等の無機陰イオン、ぎ酸、酢酸等
の有機酸、グリシン、アラニン等のアミノ酸、及び、フ
ラクトース、グルコース、シュークロース等の糖類を、
1つの測定条件で短時間に一斉分析可能とすることを課
題とする。
気泳動を用いて、pH11.0以上で、且つ、電気浸透
流を反転させる物質を含む泳動バッファを使用して、p
H11.0以上とすると共に、電気浸透流を反転するこ
とにより、前記課題を解決したものである。
オン性を示す。しかし、アミノ酸は、溶液のpHにより
陰イオン性と陽イオン性のいずれか一方を示す。分子内
の正、負の荷電がつり合い、全体として電荷が零(中
性)となる時のpH、即ち、等電点は、アミノ酸の場
合、図1に示す如く、pH2.8〜10.8(分析化学
データブック、日本化学会編参照)であり、pHが1
0.8以上であれば、全てのアミノ酸が陰イオン性を示
す。
(pKa値=12.03の例)に示すように、陰イオン
の割合が50%となるpKa値が、図3に示すように、
12〜14であるため、pH11以上の溶液中では、陰
イオン性を示す。更に、例えば、セチルトリメチルアン
モニウムヒドロキシド(CTAH)、セチルトリメチル
アンモニウムブロマイド(CTAB)、テトラデシルト
リメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリ
メチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩
を泳動バッファに添加することにより、電気浸透流を陽
極方向に反転させることができる。
浸透流を反転させる物質を含む泳動バッファを用いれ
ば、無機陰イオン、有機酸、アミノ酸、糖類が全て陰イ
オン性を持つため、キャピラリ電気泳動を用いると、全
て陽極方向に移動するので、一斉分析が可能となる。
は、紫外(UV)吸収をほとんど持たないため、UV吸
収を持つ陰イオン性物質を泳動バッファに使用し、間接
吸光度法を用いて検出を行うのが望ましい。間接吸光度
法は、図4に示すような泳動バッファのUV吸収のた
め、検出器のバックグラウンドが一定になっているが、
UV吸収を持たない物質を通過すると、吸光度が低くな
り、図5に示す如く、負のピークとなる。この負のピー
クの信号を反転させ、正のピークとして、図6に示す如
く、例えば測定波長350nm、参照波長275nmの
間接吸光度法により検出することができる。
−ピリジンジカルボン酸(PDC)、フタル酸、ソルビ
ン酸、ピロメリット酸、安息香酸等の陰イオン性物質と
して、例えば0.1mM〜500mMの濃度で使用する
ことができる。特にPDCは、ベースラインの安定性、
ピークの分離、再現性に優れている。
ば0.1mM〜5mMの濃度で使用することができる。
陰イオン、有機酸及びアミノ酸を一斉に分析することが
できる。
有機酸及び糖類を一斉に分析することができる。
気浸透流を反転させる物質を含む泳動バッファを使用し
て、アミノ酸を分析することができる。
施形態を詳細に説明する。
による陰イオン、アミノ酸、糖類の分析装置の全体構成
を示す。
ャピラリ10と、試料容器8中の試料6と共に、該キャ
ピラリ10の中に導入され、試料を分離するためのバッ
ファ12(陰極側)、13(陽極側)と、前記キャピラ
リ10両端の、例えば白金電極16(陰極側)、17
(陽極側)に、例えば5〜30kVの高電圧を印加する
高圧電源14と、前記キャピラリ10の外壁(例えばポ
リイミド)を剥がして形成された検出用セル11と、間
接吸光度法による測定が可能なUVダイオードアレイ検
出器20とを含んで構成されている。
8に示す如く、該試料容器8に蓋9をして密閉し、試料
容器内を加圧することによって、陽極側のバッファ12
に注入される。
外径350μm、全長80.5cm、検出用セル11ま
での有効長72cmのフューズドシリカキャピラリを用
い、バッファ12、13としては、pH12.1の20
mM2.6−ピリジンジカルボン酸及び0.5mMセチ
ルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(CTAH)を
用いた。印加電圧は、−20kV、キャピラリ10の温
度は30℃で測定した。試料は、図8に示したような加
圧法を用いて、50mbarで10秒間注入した。検出
には、UVダイオードアレイ検出器20を用いて、測定
波長350nm、参照波長275nmの間接吸光度法を
用いた。
ン(臭酸イオンBr- 、塩素イオンCl- 、亜硝酸イオ
ンNO2 - 、硝酸イオンNO3 - 、硫酸イオンSO4
- 、フッ素イオンF- 、燐酸イオンPO4 3-)と、8
種類の有機酸(蟻酸Formate、酢酸Acetate、n−プロ
ピオン酸n−Propionate 、n−酪酸n−Butyrate 、
n−ペンタン酸n−Pentanoate 、n−ヘキサン酸n−
Hexanoate、n−ヘプタン酸n−Heptanoate 、n−オ
クタン酸n−Octanoate)及び4種類の糖(果糖Fruct
ose 、ブドウ糖Glucose、乳糖Lactose、蔗糖Sucros
e)の標準液の測定例を図9の上段に示す。又、同一条
件で測定した蛋白質構成アミノ酸17成分の測定結果を
図9の下段に示す。有機酸と一部のアミノ酸は重なる可
能性はあるが、本発明の測定方法を用いることで、無機
陰イオン、有機酸、アミノ酸、糖類を一斉分析すること
が可能になる。
に示す。横軸の時間のずれに関する相対標準偏差RSD
(CV値とも称する)は、6回の繰り返し測定に関して
0.1〜0.4%、面積のずれに関する相対標準偏差R
SDは、同じく0.6〜4.3%の範囲であり、良好な
再現性が得られることが確認できた。
ッファに添加して、電気浸透流を陽極方向に反転して測
定していたが、添加する4級アンモニウム塩の種類はC
TAHに限定されず、セチルトリメチルアンモニウムブ
ロマイド(CTAB)等を用いることも可能である。
有機酸、アミノ酸及び糖類の分析例を図11に示す。8
分から10分にかけてのいくつかのピークは同定してい
ないが、アミノ酸のピークである。
してUVダイオードアレイ検出器を用いていたが、検出
器の種類はこれに限定されない。測定波長や参照波長
も、実施例に限定されない。キャピラリの種類も、フュ
ーズドシリカキャピラリに限定されない。バッファもP
DCとCTAHの組合せに限定されず、フタル酸等の他
のUV吸収を持つ物質と、4級アンモニウム塩等の電気
浸透流を反転させる物質の組合せを用いることも可能で
ある。
れまで不可能であった無機陰イオン、有機酸、アミノ
酸、糖類の一斉分析が可能になる。従って、食品やめっ
き液中のこれらの成分が、同時に短時間で分析できるよ
うになる。
電点を示す線図
の、泳動バッファのUV吸収を示す線図
の負のピークを示す線図
よる陰イオン、アミノ酸、糖類の分析装置の全体構成を
示す断面図
入方向を示す断面図
8種類の有機酸及び4種類の糖標準液、及び、蛋白構成
アミノ酸17成分の測定結果を示す線図
機陰イオン、有機酸、アミノ酸及び糖類の分析例を示す
線図
Claims (10)
- 【請求項1】キャピラリ電気泳動を用いて、pH11.
0以上で、且つ、電気浸透流を反転させる物質を含む泳
動バッファを使用し、無機陰イオン、有機酸、アミノ
酸、糖類を分析することを特徴とする、キャピラリ電気
泳動による陰イオン、アミノ酸、糖類の分析方法。 - 【請求項2】請求項1において、前記泳動バッファが、
更に、UV吸収を持つ物質を含み、pH11.0以上の
塩基性条件下で、間接吸光度法を用いて、無機陰イオ
ン、有機酸、アミノ酸、糖類を一斉に分析することを特
徴とする、キャピラリ電気泳動による陰イオン、アミノ
酸、糖類の分析方法。 - 【請求項3】請求項2において、前記UV吸収を持つ物
質が、2.6−ピリジンジカルボン酸、フタル酸、ソル
ビン酸、ピロメリット酸、安息香酸等の陰イオン性物質
であることを特徴とする、キャピラリ電気泳動による陰
イオン、アミノ酸、糖類の分析方法。 - 【請求項4】請求項3において、前記UV吸収を持つ物
質を、0.1mM〜500mMの濃度で使用することを
特徴とする、キャピラリ電気泳動による陰イオン、アミ
ノ酸、糖類の分析方法。 - 【請求項5】請求項1又は2において、前記電気浸透流
を反転させる物質が、セチルトリメチルアンモニウムヒ
ドロキシド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラデシトリメチルアンモニウムブロマイド等の
4級アンモニウム塩であることを特徴とする、キャピラ
リ電気泳動による陰イオン、アミノ酸、糖類の分析方
法。 - 【請求項6】請求項5において、前記電気浸透流を反転
させる物質を、0.1mM〜5mMの濃度で使用するこ
とを特徴とする、キャピラリ電気泳動による陰イオン、
アミノ酸、糖類の分析方法。 - 【請求項7】請求項1に記載の方法を用いて、無機陰イ
オン、有機酸及びアミノ酸を一斉に分析することを特徴
とする、キャピラリ電気泳動による陰イオン、アミノ
酸、糖類の分析方法。 - 【請求項8】請求項1に記載の方法を用いて、無機陰イ
オン、有機酸及び糖類を一斉に分析することを特徴とす
る、キャピラリ電気泳動による陰イオン、アミノ酸、糖
類の分析方法。 - 【請求項9】キャピラリ電気泳動を用いて、pH10.
0以上で、且つ、電気浸透流を反転させる物質を含む泳
動バッファを使用し、アミノ酸を分析することを特徴と
する、キャピラリ電気泳動による陰イオン、アミノ酸、
糖類の分析方法。 - 【請求項10】p11.0以上で、且つ、電気浸透流を
反転させる物質及びUV吸収を持つ物質を含む泳動バッ
ファと、 該泳動バッファに注入された試料を分離するキャピラリ
と、 該キャピラリ出側で、分離された前記試料を分析するた
めの間接吸光度測定手段とを備え、 無機陰イオン、有機酸、アミノ酸及び糖類を分析可能な
ことを特徴とする、キャピラリ電気泳動による陰イオ
ン、アミノ酸、糖類の分析装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10145244A JP3038184B2 (ja) | 1998-05-27 | 1998-05-27 | キャピラリ電気泳動による陰イオン、アミノ酸、糖類の分析方法及び装置 |
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JP10145244A Expired - Fee Related JP3038184B2 (ja) | 1998-05-27 | 1998-05-27 | キャピラリ電気泳動による陰イオン、アミノ酸、糖類の分析方法及び装置 |
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Families Citing this family (3)
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CN100337113C (zh) * | 2004-04-30 | 2007-09-12 | 首都师范大学 | 小麦高分子量谷蛋白亚基的酸性毛细管电泳鉴定方法 |
JP5158747B2 (ja) * | 2007-01-12 | 2013-03-06 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 除血球機能を統合した電気泳動チップを用いた一酸化窒素最終代謝物の分析法 |
EP2144057B1 (en) * | 2007-04-27 | 2019-04-10 | ARKRAY, Inc. | Method for analyzing a sample containing glycosylated hemoglobin and glucose |
-
1998
- 1998-05-27 JP JP10145244A patent/JP3038184B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
「キャピラリー電気泳動」、横河アナリティカルシステムズ、1994年4月15日、初版発行、7〜50頁 |
J.Chromatogr.A,680(1994)p.187−200 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11337524A (ja) | 1999-12-10 |
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