JP3036077B2 - 無機物と一緒の有機物を超臨界水下で酸化する方法および装置 - Google Patents

無機物と一緒の有機物を超臨界水下で酸化する方法および装置

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  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 化学廃棄物の処分は、処分場所に限界があること、自
然が汚染されること、並びに上記廃棄物を発生する企業
および自治体にとってかなりの財政負担になることか
ら、問題になって来ている。処理すべて廃棄物の大部分
は、応泥およびスラリーを含む水溶液であり、これらは
重量および体積の点で問題を提起し、従って輸送が高価
であると共に長期間に渡って貯蔵しておくことは困難で
ある。
汚泥および他の希釈水系廃棄物の如き廃棄物の通常の
処分方法には、埋め立て、深井戸注入および焼却が含ま
れる。埋め立ても深井戸注入も上記廃棄物を消失させる
ものではない。焼却はしばしば、比較的濃縮された水系
廃棄物に限定されていると共に、有害で部分酸化されて
いる反応生成物を放出する可能性がある。
水存在下における高温高圧で有機物と酵素を反応させ
ることによる廃棄物の酸化は、処分の一つの代替方法で
ある。かような方法のうちの1つはZimmermanの湿潤空
気酸化方法である。例えばWilhelmi他「湿式空気酸化−
焼却に対する代わるもの」、Chem.Eng.Prog.、75:46−5
2(1979)参照。このZimmerman法では、廃棄物、水およ
び空気を含んでいる2相供給混合物を空気コンプレッサ
ーと高圧ポンプで加圧した後、供給物/生成物熱交換器
の中で加熱する。次に、この加圧して加熱した供給混合
物を反応槽に通して、ここで酸素と反応させて廃棄物を
部分酸化するに充分な温度にする。この反応槽から流出
混合物を取り出した後、この流出物を冷却すると共にこ
れから得られる熱をその供給混合物に伝達するための熱
交換器に通す。この熱交換器は、「シエルとチユーブ
型」または「二重管型」どちらかの再生熱交換器であ
る。
有機物の酸化を行う別の方法は、水の超臨界条件下で
酸素と反応させることである。例えば、Thomason他「水
系廃棄物の超臨界水分解」、Hazardous Waste 1:453−4
67(1984)参照。この方法では、希釈水系廃棄物を向流
熱交換器の中で加熱した後、加圧空気と混合することで
供給混合物を生じさせる。次に、この供給混合物を酸化
装置に通し、ここで、有機物を、水の超臨界点を越える
温度と圧力下で酸化する。この供給物の中に存在してい
る可能性のある無機固体及び、上記酸化装置の中で固体
状沈澱物として生じ得る無機塩とを、高温度の下で分離
させる。1つの方法として、反応槽の流出液を受け取る
サイクロンの中で上記無機固体を除去することが教示さ
れている。例えば米国特許番号4,338,199参照。しかし
ながら、上記具体例では、反応槽およびサイクロンの壁
に固体が蓄積して詰まりが生じることが知られている。
例えば、MODAR,Inc.が契約NAS2−12176下での1987年5
月1日から1988年4月30日の期間に渡ってNASAへ提出し
た最終レポートである、「超臨界水下の酸化;重力の影
響を受けない固体分離」、さらには契約番号DE−FC07−
88ID12711の下で行われた研究に関するエネルギー省へ
の報告番号DOE/ID/12711−1の「廃棄物と低級燃料を燃
焼させるための産業用湿潤酸化システムの評価および開
発」参照。別の方法では、部分的に静止している環境を
与える大型反応容器が用いられており、ここでは、固体
粒子がこの容器の底に降下する(米国特許番号4,822,49
7)。この容器の底は超臨界温度以下に維持されてお
り、その結果として、いくらかの水が凝縮されると共
に、その沈降した塩のいくらかを溶解させることによっ
て、濃縮した塩水のプールが生じる。この熱い塩水溶液
を上記の容器反応槽の底からバルブを通して取り出す。
以上のシステムには以下のいくつかの問題が存在してい
る。(1)この反応容器の上部から下部への温度勾配が
熱損失となり、有効なエネルギーを回収の妨げとなって
いる;(2)この熱塩水は腐食性が非常に高く、上記塩
水をバルブを用いて減圧するのは問題が生じる;(3)
この容器反応槽内の流れパターンは有機物の完全な酸化
を保証するものではなく、その結果として、この容器反
応槽から出て来る流体流出物を更に酸化するための第二
段階反応槽が通常必要とされること、そして(4)上記
の塩水は更に、酸化されていないか或いは部分酸化され
ている生成物を含んでいる可能性があり、有害と見なさ
れる場合特別な処分が必要となり得る。無機固体を酸化
して除去することにより、流出混合物が生じ、これを供
給物/生成物熱交換器を通すことで、この流出混合物の
冷却を行うと共に熱をその供給混合物に伝達する。この
供給物/生成物熱交換器を出て来る流出物混合物を、高
圧および低圧の液体/蒸気分離装置に通すことができ
る。減圧弁の所か或は膨張タービン(expander turbin
e)を通して、この分離装置を出て来る液体および気体
流の減圧を行うことができる。
水存在下における上記従来の酸化方法に共通な問題
は、無機塩が存在していることであり、これが、廃棄物
を酸化している間に生じる固体が実質的な量になってい
る。このような塩類の多くは逆溶解性を示す、即ち温度
が高い程低い溶解性を示す。上記無機塩の例は硫酸カル
シウムであり、これは「硬水」に共通する成分である。
例えば水と約0.1重量%の硫酸カルシウムが入っている
溶液は、例えば、約85℃以上の温度で固体状α−無水石
膏を生じ、これがスケールとしてボイラーの伝熱面に蓄
積して来る、と言うのは、この伝熱面は近接する供給物
流体の温度よりも高いからである。逆溶解性を示す別の
無機塩は塩化ナトリウム(NaCl)である。例えば約200
気圧の圧力における塩化ナトリウムの溶解度は、例えば
400℃より低い温度における約50重量%から、400℃を越
える温度における約0.01重量%へと急速に低下する。通
常の無機塩類の水への溶解率は200℃における約20−30
重量%から300℃以上の温度における非常に小さい溶解
率へと低下する。かような無機塩類の例には、燐酸ナト
リウム(Na3PO4)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、硫酸ナ
トリウム(Na2SO4)および硫酸カリウム(K2SO4)が含
まれる。
上記従来技術の方法を用いた場合、無機塩類が大部分
の減圧手段、例えば減圧弁や上記膨張タービン等を通る
流れの障害になり得る可能性があることから、高温で反
応槽流出物の圧力を下げるのはしばし実行不可能であ
り、その結果、これらの無機塩類を最初にその流出物物
体からから分離する必要がある。更に、高温で無機塩類
が存在していると、非常に高い腐食性を示す塩水を生じ
る可能性もあり、このような条件に暴露された装置の有
効寿命を下げる可能性がある。また、反応槽または固体
/液体分離用装置から分離される熱塩水は、有害な副生
成物がそこに含まれている場合、有害物として分離分け
され得る。
加うるに、ある種の有機物を水中に溶解させて加熱す
ると、チャーを形成する。例えば米国特許番号4,113,44
6参照。チャーはしばしば、有機物の中に存在している
炭素に比較して水素が不足していることによって生じ、
これが、廃棄物の酸化で用いる熱交換器の熱伝達表面上
に蓄積し得る。
ある種の廃棄物の中に存在しており、反応物流体から
沈降し得る他の物質には、シリカ、アルミナ、並びに遷
移金属、重金属および希土類金属の酸化物および炭酸塩
が含まれる。供給流体の中に溶解している塩類として例
えば、有機リガンド、例えばエチレンジアミンテトラ酢
酸、またはアンモニアの如き無機錯化剤が存在している
場合、溶液から酸化物が生じて沈澱し得る。反応槽また
は冷却用熱交換器の中で金属と二酸化炭素が一緒になる
と、不溶性炭酸塩が生じ得る。これらの物質は通常、液
状の水および超臨界点以上の水の両方に不溶である。
無機塩類、チャーおよび金属含有固体は、装置の壁に
蓄積する可能性があり、このように、上記装置の処理能
力と有効寿命を制限し得る。反応システムの中に蓄積し
た堆積物およびスケールを除去するには、不溶塩類が長
期間存在して生成した堅いスケールを除去するために
は、装置を解体して洗浄する必要性が生じ得る。ある場
合には、無機酸を用いてスケールを溶解させることでそ
れの除去が行われてきた。その結果として生じる停止時
間は高価であると共に時間を必要とするものであり、そ
してまた連続的な化学処理を停止したり開始することは
色々な問題をもたらす可能性がある。更に、装置から堆
積物およびスケールを除去する目的で用いられる必要の
ある材料それ自身がしばしば非常に高い腐食性を示すこ
とで、上記装置を修復および取替える必要性が頻繁に生
じる。
従って、上述した問題に打ち勝つか或いは最小限にす
る、無機物存在下の水系流体中で有機物を酸化するため
の改良した方法および装置についての必要性が存在して
いる。
発明の要約 本発明は、入口から出口に至る内径が実質的に一定で
ある長く伸びた反応管内で有機物を酸化する方法および
装置に関する。
本発明の方法は、有機物、無機物、水および酸素源を
含んでいる加圧された反応混合物を生じさせることを含
んでおり、この加圧された反応混合物は、水の超臨界的
な圧力の下にある。この加圧された反応混合物を、前記
長く伸びた反応管内の反応混合物から固体状粒子の実質
的部分が沈降するのを防止するのに充分な速度で、その
長く伸びた反応管に通す。この反応混合物内の有機物の
実質的部分を酸化させるに充分な熱を、その長く伸びた
反応管内の加圧された反応混合物に与えて、この反応混
合物の温度を、少なくとも、水に関する超臨界温度にま
で上昇させる。上記長く伸びた反応管の出口部の所で、
その反応混合物を、この反応混合物内に気相と液相が生
じるのに充分な温度まで冷却させると、この液相には固
体状粒子が含まれる。この反応混合物を、この出口の所
でその長く伸びた反応管から排出させると、固体状粒
子、液体および気体を含む流出混合物が得られる。
前記の長く伸びた反応管装置には、以下のものが含ま
れる; 入口と出口があり、そして入口から出口に至るまで内
径が実質的に一定である長く伸びた反応管、 有機物、無機物、水および酸素源を含む加圧された反
応混合物を生じさせるための適切な手段、但し、この加
圧された反応混合物は、少なくとも、水に関して超臨界
的な圧力を有する、 この長く伸びた反応管内の反応混合物から固体状粒子
の実質的な部分が沈降するのを防止するのに充分な速度
で、その加圧された反応混合物をその長く伸びた反応管
に通すための手段、 その長く伸びた反応管の入口部において反応混合物内
の有機物の実質的部分を酸化させるに充分な熱を、その
長く伸びた反応管内の加圧された反応混合物に加えるた
めの適切な手段、但し、この反応混合物の温度は、少な
くとも、水に関する超臨界温度にまで上昇する、 及び、その長く伸びた反応管の出口部において、気相
と液相を生じさせるに充分な温度までその反応混合物を
冷却するための適切な手段。
本発明は数多くの利点を有している。例えば、この反
応混合物が示す高い速度は、反応管内で粒状物が沈降す
るのを充分に少なくする。有機物と一緒に存在している
か或はこの反応管内で反応を行っている間に生じてくる
固体状無機塩類は、反応管の高温領域内で固体粒子とし
て沈殿した後、この反応混合物を温度を下げるにつれて
溶解する。その結果として、熱い流出流体から固体を分
離する必要性が充分に低下すると共にこの装置に詰まり
が生じる可能性を著しく軽減することができる。この装
置を洗浄する回数が有意に低下し、そしてまた処理停止
時間に関連したコストもかなり軽減される。更に、この
反応管にそれほどの損傷を与えることのない洗浄方法を
用いることができる。
図の簡単な説明 図1は、本発明の反応システムに関する1つの具体例
の図式的表示である。
図2は、異なる発熱量を有する反応混合物に関する、
反応管に沿った温度変化の例を説明する1連のプロット
である。
図3は、本発明に従う反応管の加熱および冷却を行う
ための異なる構造を説明する1連の図式的表示である。
図4は、反応管内の固体状粒子および流体流れのパタ
ーンを説明する1連の図である。
図5は、反応管内の固体状粒子輸送に関し、温度と共
に臨界速度が変化することを説明するプロットである。
図6は、液体内の粒子サイズに関する懸濁流れの最小
質量流量変化を説明するプロットである。
図7は、図1に説明した反応システムの反応管を洗浄
するための、ワイヤーブラシを含む洗浄システムの図式
的表示である。
図8は、図1に説明した反応システムの反応管を洗浄
するための、洗浄システムの具体例の図式的表示であ
る。
図9は、反応管の別の具体例を説明する図式的表示で
ある。
図10は、本発明の反応管のその他の具体例の図式的表
示である。
図11は、本発明の方法および装置で生じる流出混合物
から固体を分離するための装置に関する1つの具体例の
図式的表示である。
図12は、外部の熱伝達流体を再循環させるためのルー
プをもつ反応管、この反応混合物からの蒸気と二酸化炭
素回収、並びに本発明の方法および装置で生じる流出混
合物から回収される酸素の再利用を組み込んだ反応シス
テムに関する1つの具体例の図式的表示である。
発明の詳細な記述 本発明の方法および装置に関する上記特徴および他の
詳細を、添付図を参照してここにより詳細に記述すると
共に請求の範囲に記す。本発明の特定の具体例はあくま
で例として示すものであり本発明を限定するものでない
と理解されるであろう。本発明の主な特徴は、本発明の
範囲から逸脱することなく種々の具体例の中で用いられ
得る。
図1に示す反応システム10には反応管12が含まれてい
る。反応管12には、入口14、入口部16、出口部18および
出口20が備わっている。反応管12の内径はその長さ全体
に渡って実質的に一定である。反応管12は長く伸びた反
応管である。反応管12の内壁は、好適には、入口14から
出口20に向かって連続した滑らかな表面である。
有機物、無機物および水を混合した後、約218気圧以
上の絶対圧力にまで加圧することによって、供給混合物
を生じさせる。次に、この供給混合物に酸素を導入する
ことで反応混合物を生じさせる。この反応混合物を反応
管12に向かわせる。この反応混合物を反応管12内で加熱
することにより、この反応混合物内の有機物の実質的部
分を酸化させることで、この有機物から低分子量の生成
物を生じさせる。この供給混合物から運び込まれそして
また有機物の酸化を行っている間に生じて来る固体状の
無機塩を、この反応混合物を出口部18の所で冷却するこ
とによって、その反応混合物の中に溶解させる。反応管
12から流出物混合物を排出させた後、気相、液相および
固相成分に分離させ、これらの成分を集めて減圧する。
入口部16の所で反応管12に電流を通すことにより、こ
の反応混合物の加熱を行う。この電流は、電熱線24、26
で反応管12に連結している電源22によって生じる。反応
管12による電気抵抗により、この反応混合物を入口部16
の所で加熱するに充分な熱が発生し、これが、この反応
混合物の温度を水の超臨界温度にまで上昇させる貢献を
している。好ましくは、この反応混合物の温度を約250
℃以上の温度にまで上昇させる。反応管12内の水および
酸素と該反応混合物との発熱反応によって生じる熱もま
た、水の超臨界的温度にまでその反応混合物内の温度を
上昇させる貢献をしていると理解されるべきである。
酸化を行っている間に反応管12の内部から熱が損失す
るのを小さくする目的で、反応管12を断熱材28で断熱し
てもよい。この有機物の酸化を行った後、適切な伝熱流
体を用いて、反応管12の出口部16の所でこの反応混合物
の冷却を行う。適切な伝熱流体の例には水などが含まれ
る。冷却用ジャケット30には、冷却材入口32と冷却材出
口34が備わっている。熱伝達流体を、伝熱流体源36から
ライン37および冷却材入口32を通して冷却用ジャケット
30に導いた後、冷却用ジャケット30から冷却材出口34を
通してライン39によって排出させる。
加圧された反応混合物を生じさせる手段には、加圧さ
れた供給混合物を生じさせた後、加圧された酸素源をそ
の加圧された供給混合物に導入することが含まれてい
る。この反応供給物には少なくとも1種の有機物、少な
くとも1種の無機物が含まれ、反応管の入口のところで
液相を連続的にするのに充分な量に水の量を調節するこ
とによって、該供給混合物を生じさせる。有機物および
無機物は、例えば下水処理プラントから生じる生の活性
汚泥、パルプ、紙、薬剤、食品、清涼飲料水および化学
品の製造施設から生じる汚泥、或は軍用廃棄物、例えば
化学兵器剤、爆発物、ロケット推進剤または放射性物質
などがあげられる。
有機物、無機物および同伴する水を、廃棄物ライン44
を通して供給タンク42に導入する。この供給混合物のpH
は、適切な手段(示されていない)を用いて約6から約
10の間に中和されていてもよい。また反応管内でのスケ
ールの生成を抑制するために供給混合物をスケール抑制
磁石に暴露してもよい。さらに反応管内でのスケールの
生成を抑制するために供給混合物にスケール抑制成分を
加えてもよい。水は、水ライン46を通して、廃棄物ライ
ン44から送り込まれる物質と一緒に混合するための供給
タンク42の中に導入され、所望の発熱量を有する供給混
合物を得ることができる。適切な発熱量の例は、1グラ
ム当たり約300から約2000Btu/ポンドカロリー(約169〜
1111kcal/kg)の範囲内である。二者択一的に、充分に
希釈されている水系材料を、水の添加なしに供給タンク
42の中に入れることができる。供給タンク42内の供給混
合物を、再循環用ポンプ48および再循環ライン50を通し
て再循環させることができる。この供給混合物の少なく
とも一部を再循環ライン50から分流した後、供給ポンプ
52を用いて加圧することにより、約218気圧以上の絶対
圧力にする。加圧された供給混合物を、供給用ポンプ52
により、供給ライン54を通して反応管12の入口部14の所
に向かわせる。反応管12を通る反応混合物の流量は、供
給用ポンプ52の運転を調節する供給コントローラー56に
よって制御され得る。酸素源58からの酸素の流れを酸素
用ライン60を通してブースターコンプレッサー62に向か
わせることによって、酸素を供給混合物に導入する。こ
の酸素源は、例えば圧縮された空気であってもよい。次
に、ブースターコンプレッサー62を用いて酸素を加圧し
た後、酸素供給ライン64を通して酸素コントローラー66
を備えた酸素供給ライン68に向かわせた後、供給ライン
54の所で供給混合物に導入する。酸素供給ライン64の所
にある酸素アキュムレーター70は、反応管12の供給物へ
の酸素供給制御を容易にし得る。好適には、酸素アキュ
ムレーター70内の圧力は、反応管12の入口14の所で反応
混合物が示す圧力よりも約100psi約7kg/cm2)高い。
酸素と供給混合物とを混合することによって、その加
圧された供給混合物からその反応混合物を生じさせる。
しかしながら、反応管12の入口部16に沿ったいずれかの
地点において(示されていない)前記酸素を供給混合物
に送り込んでもよい。この供給混合物は、酸素を導入し
てその反応混合物を生じさせる時点で、加熱されていな
いか或いは部分的に加熱されていてもよい。しかしなが
ら、酸素供給ライン68の好適な位置は、図1に示す如き
供給ライン54の所であり、それにより、この供給混合物
が反応管12に導入されるに先立って酸素と供給混合物と
が混合される。
前記の加圧された反応混合物を、反応管12の入口14と
出口20の間に生じる圧力差によって反応管12内に通す。
入口14の所の圧力は、供給ポンプ52と酸素ブースターコ
ンプレッサー62によって材料を供給することで生じる。
出口20の所の圧力は、反応管12の中で発生した気体が反
応管12から出てその後の減圧時の速度で調節される。
反応管12の入口部16の所で、その加圧された反応混合
物を、この反応混合物内の有機物の実質的部分の酸化を
生じさせるに充分な熱を加える手段には、例えば電源22
が発生する電流による反応管12の直接通電オーム熱が含
まれる。その他の加熱に適切な手段は、例えば加熱用ジ
ャケットおよび熱伝導流体(示されていない)などを用
いることも可能である。入口部16内でこの反応混合物を
加熱することにより、反応混合物の温度を上昇し、反応
混合物の酸化速度も上昇する。それによって、この有機
物が反応管12内で実質的に酸化される。
酸化を行った後、出口部18内に導入される反応混合物
は、均一な流体相として、酸素(O2)、二酸化炭素(CO
2)、窒素(N2)および水を含んでいる可能性がある。
金属酸化物、金属炭酸塩、並びに高温、即ち約300℃以
上の温度で水にほとんど不溶な無機塩類の如き固体もま
た、その有機物の酸化を行った後の反応混合物内に含ま
れている可能性がある。
次に、反応混合物を冷却して流出物混合物を生じさせ
る。この反応混合物を出口部18の所で冷却する手段に
は、伝熱流体および冷却用ジャケット30(これには伝熱
流体が導かれている)が含まれる。この伝熱流体を冷却
用入口32を通して冷却用ジャケット30に導入した後、冷
却用出口34を通して冷却用ジャケット30から排出させ
る。それによって反応混合物が冷却されることにより、
この反応混合物が、気相と液状液体相を含んでいる流出
物混合物を生じ得る。
反応混合物が冷却されるにつれて、反応混合物内の固
体状無機塩類の実質的部分が、出口部18の所で、反応混
合物の液相の中に溶解し得る。上記無機塩類には、例え
ば硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、燐酸ナトリウム、
炭酸ナトリムウ、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムな
どが含まれ得る。
反応管12の出口20の所における流出物混合物は、3相
の組み合わせである。第一相は気相であり、典型的には
主要構成要素として、二酸化炭酸(CO2)、未反応の酸
素(O2)、そしてもし酸化剤として空気を用いる場合、
窒素(N2)が含まれている。この気相には少量の、例え
ば一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(N2O)などが含
まれ得る。第二相は液相であり、一般的に二酸化炭素と
無機塩類を含む水である。第三相は固体相であり、固体
状粒子であって、これらには例えば酸化物、炭酸塩、そ
して水に不溶な他の無機物が含まれ得る。
この流出物混合物は、出口20から排出され、ライン69
を通して気相/液相分離装置72に向かう。気相/液相分
離装置72には上部74および下部76が備わっている。気相
/液相分離装置72の中で、流出物混合物の気相および液
相の分離が生じる。次に、気相を、気相/液相分離装置
72の上部74の所に配置されている気体出口78からフロー
コントロールバルブ80を通すことにより、この流出物混
合物の気相の減圧を行って水の臨界圧力以下にする。フ
ローコントロールバルブ80は圧力コントローラー82で制
御されている。次に、この減された気相は、放出配管84
を通って反応システム10から出る。
流出物混合物が有する液相および固体状粒子は、気相
/液相分離装置72の下部76の所に配置されている底出口
86を通って反応システム10から出て、適切な減圧手段、
例えば背圧調節装置またはフローコントロールバルブ
(示されていない)などに向かう。気相/液相分離装置
72から排出され液相は、蒸発または逆浸透などによる通
常手段を用いた処理によって、溶解している無機塩類を
除去する。
気相/液相分離装置72内に残存している固体は沈降し
て、底出口86の所で集められる。上記固体には、遷移金
属、重金属、希土類金属の酸化物および金属炭酸塩、並
びに不溶無機塩類が含まれ得る。気相/液相分離装置72
内で集められた固体は、定期的に、固体取り出しライン
100およびバルブ102を通して反応システム10から取り出
される。好適には、図11に説明し以下に記述する如き適
切なシステムを用い、減圧する前の液体から固体状粒子
を分離する。
反応システム10を構成する材料は、反応混合物および
流出物混合物に接触させることができる適切な材料で作
られている。反応管12を除く、反応システム10に適切な
材料の例には、ステンレス鋼などが含まれる。反応管12
を作るに適切な材料の例には、インコネル625、ハステ
ロイC−276などが含まれる。
反応管12内で到達する最大温度は、入口14から始まる
反応管12に沿ったエネルギーバランスから決定される。
反応混合物が反応管12のいずれかの部分を通って通過す
る時の反応混合物の温度変化は、反応管12のその部分に
おける正味の熱発生速度の関数である。反応管の部分い
ずれかにおける正味の熱発生速度を下記の如く定義す
る: 正味の熱発生速度=熱導入速度−熱損失速度+反応によ
る熱放出速度。入口部16の少なくとも一部を加熱する。
この入口部16の加熱された部分全体に渡る、反応混合物
への熱導入速度は、熱損失速度よりも大きい。このよう
に、この正味の熱発生速度が正であると、この反応混合
物の温度は上昇する。この反応混合物の温度が100℃未
満の場合、反応による熱放出速度は通常無視出来る程で
あり、その正味の熱発生速度は、その熱導入速度におお
よそ等しい。250℃以上では、反応による熱放出速度
は、典型的に、温度上昇速度に効果的に効いている。
加熱を停止すると、この反応混合物からその周辺への
熱損失はある値であるので、反応による熱放出速度が熱
損失速度を越える場合、この反応混合物の温度は上昇し
続ける。他方、もしこの反応による熱放出速度が、熱損
失速度より小さい場合、反応混合物の温度は低下する。
有機物を15重量%以上含んでいる反応混合物では、その
反応速度が、反応管12の加熱された部分から出たあと更
にこの反応混合物の温度を上昇させるに充分であるため
には、その加熱された部分の部における温度は少なくと
も250℃あるが一般的な条件である。
反応管12内で到達する最大温度は、つまり、反応管12
の加熱および冷却部分の反応管12の構造、入口部16の中
に導入される熱量、並びにこの反応混合物の反応による
発熱量に依存している。図1に示す如き反応管12の構造
では、電熱線24、26と冷却用ジャケット30の間にある反
応管12の一部は、加熱されていないで断熱されている。
その構造に関して、図2は、図1に示す反応管12をその
反応混合物が通る時の、種々の発熱量を有する反応混合
物に関する温度変化を説明する1連の模式図である。例
えば、図2Aに示す曲線は、約800Btu/ポンド(約444kcal
/kg)という中間的な発熱量を有する反応混合物に関す
る温度変化を表している。図2Bに示す曲線は、図2Aに示
す温度変化を有している反応混合物の時と同じシステム
10で同じ条件で反応させた。約1500Btu/ポンド(約833k
cal/kg)の発熱量を有する反応混合物に関する温度変化
を表している。図2Cに示す曲線は、図2Aおよび2Bに示す
温度変化を有する反応混合物の時と同じシステムで同じ
条件で反応させた、約200Btu/ポンド(約111kcal/kg)
の発熱量を有する反応混合物に関する温度変化を表して
いる。
図2Aに示すように、この反応混合物を入口部16の加熱
部分で300℃に加熱すると,最大温度である約600℃に到
達し、この時点で、この有機物の約95%から約99%が酸
化された。この反応混合物内の有機物は、出口部18の所
で更に一層酸化される。しかしながら、この反応混合物
からの熱損失速度が、反応による熱発生速度を越える場
合、この反応混合物の温度降下が生じる。
図2Bで分かるように、約1500Btu/ポンドの発熱量を有
する反応混合物は、より高いピーク温度:約800℃に到
達する。図2Bにおけるピーク温度はまた、図2Aのそれよ
りも迅速に到達する、と言うのは、図2Bの曲線で表す反
応混合物内の有機物濃度は、図2Aの曲線で指す反応混合
物のそれよりも高いからである。図2Bで表す曲線の反応
混合物内の有機物濃度の方が高いことから、この反応混
合物の反応速度は図2Aの曲線で表される反応混合物より
も速くなる。
図2Cの曲線は、入口部16の加熱部分内で約300℃の温
度にまで加熱された時でも、約374℃以上の温度にまで
到達させるに充分な発熱量を有していない、反応混合物
の温度変化を表している。このような場合、Zimmerman
の湿式空気酸化方法で見いだされるように、この酸化度
は一度に80%を越えない。例えばWilhelmi他、上記引用
文中参照。
図2に示すように、反応混合物の発熱量、並びに入口
部16の所で加熱される熱量とによって、反応管12内で到
達し得る反応混合物の最大温度を決定される。安全に用
いられ得る最大温度は、この反応管材料が示す引張り強
度によって決定される。例えば、反応管12の構造材料に
ハステロイC−276(これは優れた耐腐食性を示す)が
使われている場合、好適な最大温度は約550℃未満であ
る。別の具体例において、反応管12の材料にインコネル
625(これは良好な耐腐食性を示す)が含まれている場
合、好適な最大運転温度は約650℃未満である。約1500B
tu/ポンド(278kcal/kg)の発熱量を有する反応混合物
は、約2Bに示す如く、インコネル625に推奨されている
最大温度を越える。このように高い発熱量を有する反応
混合物の場合、向流接触冷却装置形式が一般に望まし
い。図3Aは、このような2つ他の向流接触冷却装置形式
を図式的に示している。例えば、図3Aにおいて、冷却用
ジャケット30の前にある反応混合物の流路に沿った反応
管12のある地点にジャケット94を配置する。ジャケット
94には入口96と出口98が備わっている。臨界圧力以上
で、水の如き適切な冷却剤を、この反応混合物が流れる
方向に対して向流方向で、水源から入口96を通って反応
管12に沿って流す。この水を熱交換器94内で蒸気に変え
ることができる。次に、液体または蒸気のどちらかであ
るその水を、出口98を通って熱交換器94から排出させ
る。熱交換器94は、反応混合物からの熱損失率をより高
くすることを可能にするものであり、それによって、こ
の反応混合物の最大温度が約600℃未満に保持される。
比較的希釈された反応混合物(これらは、約300Btu/
ポンド(約167kcal/kg)未満の如き低い発熱量を有して
いる)の場合、この反応混合物に有機物を加えることで
この反応の発熱量を上昇させることができる。燃料添加
を避けるための他の反応装置として望ましい例がある。
例えば、図3Bに示す反応装置を用いることで、300Btu/
ポンド(約167kcal/kg)以下の発熱量を有する混合物を
処理することができる。この具体例において、電熱線10
6、108を用い、電熱線24、26と冷却用ジャケット30の間
の流路に沿って、電力源104を反応管12につなげる。電
流は、電力源104から反応管12を通って流れることによ
り、この反応混合物内の有機物の実質的部分を酸化させ
るに充分な温度にまでその反応混合物を加熱する。
反応管12を通る該反応混合物の流速を、反応管12内の
固定状粒子の実質的部分が沈降するのを防止するのに充
分な速度に維持する。図4は、4種の異なる速度で反応
管12を通って流れる固体粒子のパターンを説明するもの
である。流体が流れる方向を矢印102で示す。例えば、
図4Aで分かるように、比較的低い流体速度では、反応混
合物103から粒子が沈降することで、反応管12の中に静
止床105が生じる。より高い速度では、図4Bおよび4C
(ここでは、固体状粒子の速度は、この反応混合物の残
りのそれよりも有意に低い)で見られるように、固体の
床はスライディング床107または跳躍床109になる。反応
管12を通る時の反応混合物の速度が更に上昇するにつれ
て、この固体粒子はその反応混合物流体の中に懸濁し、
図4Dに見られるように、おおよそこの反応混合物の速度
でこのパイプの中を流れる。
各種の流れの開始に相当する速度を、その種類の流れ
に関する「臨界速度」と呼ぶ。これらの臨界速度は、粒
子サイズ、粒子速度、粒子濃度、パイプ直径、並びに液
相の流体力学特性(例えば密度および粘度)の複雑な関
数である。図4に示す各種流れパターンの臨界速度に関
する相関関係は公開されている。例えば、Thomas,A.D.
著「スラリーの水平チュブレント(Tubulent)パイプ流
れに関する堆積速度の予測」、Int.J.Multiphase Flo
w、第5巻、1979、113−129頁;Bragg,G.M.およびKwan,
M.Y.M.著「水平ダクト内の粉じん輸送速度の予測」、Pn
eumotransport、Fourth International Conference on
the Pneumatic Transport of Solids in Pipes、1987年
6月26−28、C2−16頁からC2−26頁;Davies,J.T.著「水
平パイプ内の固体を懸濁状態に維持する臨界速度の計
算」、Chemical Engineering Science、42巻、No.7、19
87、1667−1670頁参照。例として、上記引用文献から利
用可能な方程式を用いることで、パイプの内径が0.264
インチ(約0.67cm)であり、粒子直径が20ミクロンであ
り、その密度が2.7グラム/cm3であり、そして液状流体
内の濃度が約1重量%である時の、臨界速度の各々を計
算した。有機物が9重量%であり、無機物が1重量%で
あり、水が90重量%であり、そして酸素の量が化学量論
的量の20%過剰であるところの、混合物に関する流体特
性を算定した。これらの流体特性を、250気圧における2
5から600℃の温度の関数として算定した。この計算した
臨界速度を、温度の関数として図5に示す。懸濁流れに
関する臨界速度のプロットである曲線110は、それぞれ
スライディングもしくは跳躍流れに関する臨界速度のプ
ロットである曲線112および114よりも高いことが注目さ
れる。
また図5に示す曲線116は、曲線110、112および114で
表す流体に類似した反応混合物に関する速度のプロット
である。この反応混合物は約830g/分の供給物流量を示
す。この反応混合物の速度は、流体密度の逆数として、
この反応管に沿って変化する。曲線116の速度変化は最
小質量流量に相当しており、これに関する実際の速度
は、固体粒子直径が約20ミクロンでありその密度が約2.
7g/cm3である場合、この反応管内の如何なる所でも、固
体粒子の懸濁流に関する臨界速度と同じであるか或はそ
れ以上である。曲線116に関する実際の速度は約0.37か
ら約5.5メートル/秒(または約1から17フィート/
秒)で変化することが注目される。
図6に示す曲線111は、内径が0.264インチ(約0.67c
m)の管に関する最小質量流量の変化を、2.7g/cm3の粒
子密度における粒子の直径の関数として示すものであ
る。図6に示す種類のプロットをガイドとして用いるこ
とで、与えられた反応混合物の質量流量および与えられ
供給物内の最大粒子サイズにおける、パイプの直径を決
定する。この臨界速度の相関関係および反応混合物特性
の算定が不正確であることを考慮して、この最小値より
も少なくとも20%高い設計速度が好ましい。反応管12内
で粒子が成長すると予測される場合、より高い安全係数
を用いるべきである。例として、固体状のロケット用噴
射剤は、約2.7g/cm3の密度で20ミクロンのアルミニウム
粒子を含んでいる。アルミニウムを1重量%含んでいる
噴射剤スラリーの処理では、約1リットル/分の供給物
質量流量において、内径が約0.264インチのパイプを用
いることができる。
臨界懸濁流の基準を満足させるようにパイプ直径を選
択した後、(1)それぞれ入口部16および出口部18の所
で反応混合物を加熱および冷却するに適当な表面積、お
よび(2)目標とする酸化を達成するに充分な滞留時間
を与える反応管の長さを選択する。典型的には、ピーク
温度が約550ら約650℃の範囲である場合、有機炭素を約
99%から約99.9999%の範囲で酸化させるには約5から
約10分間の範囲の滞留時間で充分である。ここで用いる
言葉「滞留時間」は、反応管12の入口14の所の反応混合
物が示す体積流量で、この反応管12の体積を割った値と
して定義される。固体状のロケット用噴射剤に関する前
の例で、滞留時間を7分にするには、入って来る流量が
約1リットル/分であると仮定すると、約7リミットの
体積を有する反応管が必要となる。直径が0.264インチ
(約0.67cm)の反応管では、従って、約200メートル、
即ち650フィートの長さが必要となる。
特定の無機塩類を含んいる水溶液を加熱する場合、そ
の加熱面にスケールが蓄積し得る。加うるに、ある種の
有機物を水中で加熱する場合、チャーを生じる可能性が
あり、そしてこのチャーは、反応管12に沿ってその上に
堆積し得る。
反応管12の中に蓄積する固体を除去するための固体除
去システム120を図7に示す。固体除去システム120に
は、ブラシ122(これの拡大図を図7Aを示す)が含まれ
ており、ブラシ122を反応管12の長さ方向に沿って向か
わせることにより、反応管12に沿って蓄積する固体を定
期的に除去する。適切なブラシの例は、熱交換装置に使
われているワイヤーブラシであり、例えばW.S.A.,Inc.
から商業的に入手可能なワイヤーブラシなどである。ブ
ラシ122を用いることで反応管12から除去され得る固体
には、例えばスケール、チャー、金属酸化物、金属炭酸
塩および他の不溶金属塩、並びに溶解しない有機塩類な
どが含まれ得る。特に好ましい具体例において、反応管
12内の固体状堆積物が充分に硬化してスケールとなるの
を実質的に防止するのに充分な程頻繁にブラシ処置を行
う。除去すべき固体の種類に応じて、ブラシ処置の好適
な間隔(頻度)は、第15分から約20時間の間の範囲であ
る。
頻繁なブラシ処置が必要な場合、反応管12を通る反応
混合物の流れが休止することでこうむる停止時間を最小
限にしてこのブラシ処置操作を行うのが望ましい。この
目的で、反応システム10の休止時間をほとんどとること
なく反応管12の洗浄を行う「オンライン洗浄方法」を考
案した。この「オンライン洗浄方法」では、固体除去シ
ステム120のブラシ122は、反応システム10内で反応混合
物の酸化を継続しつつ、反応管12の中を移動する。
図7に示す固体除去システム120は、反応管12をオン
ライン洗浄するに適切なシステムの例である。加圧され
た供給混合物を、供給ポンプ52により、供給タンク42か
らライン54、ライン132、バルブ128、ライン134を通し
て、反応管12の入口14の所にある継手136の中に向かわ
せる。加圧された酸素を、酸素ブースターコンプレッサ
ー62により、酸素源58からライン60を通って継手136に
向かわせ、ここで、反応混合物を生じさせる。反応管12
から出て来る流出物は、出口20の所で、継手138を通過
した後、ライン140、バルブ130、ライン142およびライ
ン33を通って気相/液相分離装置72に向かう。
投入装置144は継手136に連なっている。投入装置144
には、エンドキャップ148が備わっている継手146が含ま
れている。ライン150を継手146と継手136の間に位置さ
せ、そしてバルブ152をライン150の先に位置させる。ラ
イン154はライン54と継手146の間を伸びている。バルブ
156をライン154の所に位置させる。
回収装置158は継手138から伸びている。回収装置158
には、エンドキャップ162が備わっている継手160が含ま
れている。ライン164を継手138と継手160の間に位置さ
せる。バルブ166をライン164の所に位置させる。ライン
168は継手160とライン33の間を伸びている。バルブ170
をライン168に位置させる。
バルブ152とバルブ156を閉じながら、エンドキャップ
148を取り外して、ブラシ122を継手146によりライン150
の中に挿入する。次に、エンドキャップ148を再び継手1
46の上に挿入する。バルブ156、バルブ152、バルブ166
およびバルブ170を開けた後、バルブ128とバルブ130を
閉じることでブラシ処置を開始する。このようにして、
供給材料の流れを、ライン154、投入装置144、そして回
収装置158およびライン168に切り換える。
この切換えを行っている間、ブラシ122は、その供給
混合物と一緒に反応管12の中に運ばれ、ここで、反応混
合物と一緒にブラシ122を反応管12の中を通してその後
押し出される。通過する反応混合物の流れは、ブラシ12
2を反応管12の中に運び込んでその中を通すのに充分な
力をブラシ122に与える。ブラシ122は、反応管12の壁上
に堆積物が存在していない場合は摩擦抵抗が極めて小さ
く、そして堆積物量が増加するに従い摩擦抵抗が大きく
なるように設計されている。この摩擦抵抗が、ブラシ12
2の働きを遅らせるので、この反応槽の壁上に堆積物が
存在していると、ブラシの速度は該反応混合物の速度よ
りも低くなる。
頻繁にブラシ処置することにより、反応管12を通る反
応混合物の速度とブラシ122の速度がほぼ等しくなり得
る。それにより、ブラシ122の動きの伴って運ばれる固
体は、懸濁液によって反応管12を通して運ばれる固体と
同様の温度、時間履歴をたどる。このように、ブラシ12
2によって運ばれる固体は、反応管12内のスケールとし
て硬化することなく、充分な酸化を受けることができ
る。
次に、ブラシ122は、継手138、ライン164を通り、継
手160で止まる。。流出混合物はこの同じ経路に沿って
流下し、継手160から出てライン168を通って気相/液相
分離装置72に向かう。
ブラシ処置が終了した時点で、バルブ128とバルブ130
を開けると共に、バルブ156、152、166および170を閉じ
ることによって、この反応流路を再びもとの流路に切り
換える。次に、エンドキャップ162を取り外すことによ
り、ブラシ122を継手160から取り出す。その後、エンド
キャップ162を再び継手160に取り付ける。好適には、継
手146から継手160に向かう、固体除去システム120が有
する全ての継手、ラインおよびバルブは、反応管12とお
およそ同じ内径を有しており、その結果として、ブラシ
122格別な障害なしに反応管12に入ったあと出ることが
できる。
ブラシ122の挿入および取り出しは、エンドキャップ1
48と162を適切なバルブと機械装置、例えば砲身の中に
弾丸を装填する目的で用いられている弾倉などの如き装
置に置き換えることによって自動的に行うことができ
る。
上述したオンライン洗浄方法を用いてブラシ装置を行
うことができない場合、「オフライン洗浄方法」を用い
て定期的に洗浄を行うことが可能であり、ここでは、反
応管12を通る供給混合物および酸素の流れを一時的に停
止させる。その後、適切なブラシを反応管12に通す。
例えば、ブラシ処置中に排出される有機物の酸化度
が、非洗浄時の反応管12から排出される流出物の酸化度
よりも明らかに低い場合、反応管をオフライン洗浄する
のが好適である。上記固体の酸化が比較的不完全な場合
の条件の例には、例えば反応管12の温度が洗浄中に低下
した場合、酸素の流れが停止した場合、そしてブラシ12
2が反応混合物の流速よりもかなり高い速度で固体を反
応管12を通して押し出した場合などが含まれる。このよ
うな条件下では、ブラシ処置で除去された固体、例えば
充分に酸化されていない場合有害なものもあるので非洗
浄時に非出される流出混合物とを混合しないことが一般
に推奨される。
オフライン洗浄の1つの具体例において、ブラシ122
を、反応混合物の流れとは反対の方向に、反応管12を通
して動かすことができる。例えば、図8に示す固体除去
システム172を用いることで、ブラシ122を用いたオフラ
イン洗浄を行うことができる。
洗浄と洗浄の間、バルブ152、166を閉じ、そしてライ
ン60に配置されているバルブ174を開ける。オフライン
洗浄方法を開始した時点で、バルブ128、130および174
を閉じる。ブラシ122をライン164の中に配置するに先立
って、反応管12を通して継手160から継手146に向かって
高速で水を流すことにより、反応管12のフラッシュ洗浄
を行う。1つの具体例において、バルブ176、166および
152を開けることによって、水を運転圧力で反応管12に
向かわせる。水を、高圧ポンプ182により、水源178から
ライン180そしてバルブ176を通って投入装置158そして
反応管12に向かわせる。回収装置144、ライン184を通し
て捕集容器186に水を通すことにより、反応管12から固
体をフラッシュ洗浄する。
フラッシュ洗浄した後、反応管12の中に残存している
固体堆積物の少なくとも一部を、その後ブラシ処置で除
去することができる。バルブ166と176を閉じ、そして継
手160からキャップ162を取り外す。ブラシ122を継手160
の中に挿入し、そしてエンドキャップを継手160に戻
す。次に、バルブ166と176を再び開け、そしてブラシ12
2を、水の流れにより、投入装置158および反応管12を通
して、回収装置144の所の継手146に向かわせる。ブラシ
処置で除去された固体は捕集用容器186の中に集める
が、この捕集用容器には、フラッシュ洗浄およびブラシ
処置を行っている間の反応管12の中に所望圧力を維持す
る背圧調節装置188が備わっている。
多量の固体堆積物を除去する目的で非常に大きな推進
力を必要とする場合、反応管12のそれよりもかなり高い
圧力の空気と水を容器190に満たした後、容器190と継手
160の間を繋ぐライン194に配置されているバルブ192を
開けることにより、ブラシ122を比較的速い速度で反応
管12に向かわせることができる。バルブ192を開けるこ
とにより、バルブ192を通る空気が膨張して、容器190内
の水をバルブ192を通して押し出す。それによって、ラ
イン164の中に配置されているブラシ122が、適切な速度
で反応管12の中を清掃する。適切な速度の例は、1秒当
たり約10から約100フィートの間の速度である。
ブラシ122の剛毛を作るに適切な材料の例には、例え
ばインコネル625、ハステロイC−276、ステンレス鋼ま
たはナイロンで作られているものが含まれる。オンライ
ン洗浄方法を用いる場合、ブラシ122全体を、反応管12
で用いたのと同じ材料で製作すれば、反応システム10の
運動温度でブラシ122が損傷することがないので好まし
い。オフライン洗浄方法を用いる場合、堅い固体堆積物
を除去するのに適当な摩擦を与える剛毛材料を選択すべ
きである。
他の手段、例えば高速洗浄スプレー材などを用いて、
反応管12から固体を除去することも可能である。この洗
浄用スプレーは、例えばその流出混合物から分離した気
体または液体などを含む材料であるか、或は超臨界条件
下の他の何らかの適切な材料であってもよい。この洗浄
用スプレー材は、反応管12の中を定期的に移動するノズ
ル(示されていない)によって吹き付けられる。流体単
独か或は流体の中の細かく分散している固体ノズルで噴
射することにより、反応管12の中に蓄積している固体を
除去することができる。ブラシ、スプレーまたは他の手
段による固体の除去は、定期的、即ちおおよそ8時間の
運転毎に行われる。それによって、例えば硫酸ナトリウ
ムおよび硫酸カルシウムを含む堅くなったスケールの生
成が実質的に低下する。
図9に示す本発明の別の具体例において、入口部16と
出口部18が本質的に平行隣接して位置しているところ
の、入口部16と出口部18によって限定される伝熱ゾーン
196を形成させるように、反応管12の寸法設定をして配
置することができる。伝熱用構成要素197は入口部16と
出口部18の近傍に設ける。伝熱用構成要素197は、出口
部18を冷却しそして入口部16を加熱するための熱を出口
部18から入口部16に伝導する。伝熱用構成要素197を作
るに適切な材料の例は、亜鉛の如き金属である。熱を、
出口部18から、伝熱ゾーン196の所にある入口部16に伝
導させる。それによって、出口部18の所で該反応混合物
から伝導される熱により、この反応混合物が少なくとも
部分的に加熱される。出口部18の反応混合物は、出口部
18から入口部16に伝熱される熱によって冷却され選る。
反応管12を熱的に絶縁して熱損失を低くすることができ
る。反応管12は、反応混合物か或は洗浄用スプレーが示
す高い流速によって固体の堆積を実質的に減少させる目
的で、それの内径の少なくとも約20倍の曲率半径を有し
ていてもよい。
図10に示す本発明の更に別の具体例において、反応管
12の真っすぐな部分198、200と共にこの真っすぐな部分
198、200の間に配置されている湾曲した部分202を有す
るように、反応管12を配置することも可能である。好ま
しくは、湾曲した部分202の曲率半径は、反応管12の内
径の少なくとも20倍である。あるいは、反応管12は、湾
曲した部分を2カ所以上有していてもよい。
ジャケット204、206をそれぞれ入口部16と出口部18の
所に配置する。熱媒体を、ライン208の所に配置されて
いるポンプ212により、ライン208、210を通じてジャケ
ット204、206の間で再循環させる。それによって、熱
は、出口部18から入口部16に伝達されることで、出口部
18の所で反応混合物が冷却されると共に、入口部16の所
でこの反応混合物が加熱される。反応管12を通る反応混
合物が流れる方向とは逆の方向で、熱媒体をジャケット
204、206中を流す。あるいは、この反応混合物の流れに
対する並流で、この熱媒体を熱交換器204、206に流すこ
とができる。ジャケット204、206の間で反応管12の回り
に断熱材214を巻くことで、該反応混合物からの熱損失
を低くする。
適切な熱媒体の例には、水、シリコン油、或はシリコ
ン10の運転温度で実質的に安定な何らかの適切な熱媒体
が含まれる。好適には、この熱媒体は、反応管12内の等
しい圧力を有する水である。
反応管12から排出される流出混合物の固体と液体と気
体の混合物を、図11に示す分離システム220の中で分離
させることができる。分離システムは、減圧をするに先
立って、気体状、液体状および固体状の流出成分を個々
の流れに分離させることを可能にするものである。この
得られる固体状、液体状及び気体状流出流れを、次に、
独立して減圧することにより、多相の流出混合物を同時
に減圧することを回避することができる。この流出混合
物を、適切な反応管(示されていない)からプロセスラ
イン222を通して気体/液体分離装置224に導く。この流
出混合物内の気体を、気体/液体分離装置224の中で液
体および固体から分離して、気体排出ライン226を通し
て気体/液体分離装置224から排出させた後、バルブ228
の所で減圧して、本質的に大気圧にする。Y字継手230
は、気体/液体分離装置224からの固体および液体を、
2つのアーム232、234のどちらか一方およびそれぞれに
通じるフィルター236または238を通して導き、その流出
物混合物内の液体から固体を分離すると共に、これらの
固体と液体を集める。Y字継手230のアーム232、234
は、Y字継手230内で固体による閉塞が生じることな
く、流路に沿って固体を導くように寸法設定されている
と共に配置されている。更に、どちらかのアーム(その
アームが使用されていない間)の中で沈降する固体は、
そのアームとフィルターの間に流体を流した時に、(Y
字継手230)から排出することができる。
気体/液体分離装置224から出て来る流出物は、2つ
のプロセス流路のどちらかに導かれる。第一流路には、
フィルター236およびフィルター用ハウジング240と共
に、液体および固体流出物をフィルター236に向かわせ
てそこから出させることに関連したラインが備わってい
る。第二流路には、フィルター238、フィルター用ハウ
ジング242、および液体および固体流出物をフィルター2
38に向かわせてそこから出させることに関連したライン
が備わっている。ハウジング240、242内のフィルター23
6、238によって、溶解した無機塩類を含む水溶液から成
る液体を、金属酸化物、金属炭酸塩および不溶無機塩類
を含む固体を分離する。フィルター236、238は、焼結し
た多孔質金属で作られていてもよい。フィルター236、2
38の焼結した金属は、約0.1ミクロンと同じか或はそれ
以上の孔サイズを有していてもよい。
第一流路に関して、気体/液体分離装置224からの固
体および液体の流れは、Y字継手230、バルブ244を通っ
てフィルター用ハウジング240に入る。フィルター236を
通る流出物混合物内の液体および硫酸カルシウム、塩化
ナトリウム、燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナ
トリウムおよび硫酸カリウムなどの溶解している無機物
は、その後、フィルター用ハウジング240から排出バル
ブ246、ライン248、フローコントロールバルブ249そし
て液体状流出物ライン250を通って、液状流出物捕集タ
ンク252に導かれる。フィルター236上に集められること
によって、不溶無機塩類、遷移金属、重金属、希土類金
属、金属酸化物および金属炭酸塩を含む固体が液体流出
物から分離されて除去され得る。
ハウジング240内では、フィルター236上に固体が集め
られるにつれて、フィルター236の圧力損失が増大す
る。ライン254およびライン258を通じて、差圧変換器25
6により、フィルター236の圧力損失を測定する。差圧変
換器256によって測定される差圧が約200psiを越えた場
合、該流出混合物からの固体および液体の流れをフィル
ター238に切り換える必要がある。バルブ260とバルブ29
6を開けバルブ244と246を閉じることによって、固体と
液体の流れを第一流路から第二流路に切り換える。この
流出混合物の流れをその第二流路内のフィルター238に
切り換えた後、次の操作の準備をするために、フィルタ
ー236上のフィルターケーキを除去することができる。
いくつかの手段を用いてフィルター236から固体を除
去することができる。バルブ244、246、270および268を
閉じて、フィルター用ハウジング240およびそれの内容
物を加圧下で系から遮断する。バルブ302と286を閉じそ
してバルブ268及び272を開けて、フィルター236上の固
体状ケーキの減圧を迅速に行うことができる。ハウジン
グ240内の液体の中に溶解していた二酸化炭素が、減圧
中に気体の形態でその液体から発生して、液体と気体の
混合物を生じる。このような液体と気体の混合物がフィ
ルター236を通して急激に逆流することで、フィルター2
36からその固体状ケーキが剥離される。この剥離した固
体は、その液体と気体の混合物とともにハウジング240
から出てバルブ268、バルブ272、ライン274を通り捕集
容器276に入り、フィルターの再生洗浄が終了する。
フィルター236から固体を除去するに好適な方法は下
記の通りである。バルブ244とバルブ246を閉じて、流出
物混合物内の固体および流体の流れからフィルター236
を分離する。次に、バルブ262、圧力解放ライン264およ
びバルブ266を通じて、フィルター236内の液体圧力を解
放する。フィルター236の減圧を行った後、バルブ262を
閉じる。バルブ268、バルブ270およびバルブ272を開け
てフィルター236からの液体と固体をフラッシュ洗浄
し、バルブ272およびライン274を通じて固体捕集タンク
276に向かわせる。約200psigの圧力の空気を、空気供給
源278からバルブ280、バルブ282、バルブ270そしてフィ
ルター236を通して導くことにより、フィルター236から
その固体を吹き飛ばすか或は押し出す。空気を用いて固
体をフィルター236から吹き飛ばした後、バルブ280を閉
じると共にバルブ284を開けて、空気の排気を行うと共
にハウジング240の減圧を行う。
次に、バルブ286を開けて、そのフィルター用ハウジ
ングのフラッシュ洗浄で集められた液体流出物を、洗い
流す洗浄液供給器288からライン290そしてハウジング24
0を通して導くことにより、フィルター236からスラリー
固体を分離してハウジング240内に集める。ハウジング2
40内の固体は、その洗い流し用液体の中に分散して、バ
ルブ268を通って排出された後、固体排出バルブ272とラ
イン274を通って、固体捕集タンク276の中に集められ
る。固体の大部分が排出されるまでハウジグ240のフラ
ッシュ洗浄を繰り返すことができる。
フラッシュ洗浄を行った後、ハウジング240を、洗浄
液供給器288からの液体を満たす。次に、バルブ284とバ
ルブ286を閉じた後、バルブ270を閉じる。次に、バルブ
282とバルブ268を閉じる。その後、バルブ292とバルブ2
72を開けて酸素アキュムレーター294からの酸素を第一
流路を向かわせることにより、そのハウジングを加圧す
る。この第一流路内がシステム圧力に到達した時点で、
バルブ292を閉じる。その後、バルブ272を閉じる。次
に、バルブ244と246を開けそしてバルブ260と296を閉じ
ることにより、気相/液相分離装置224からの液体流出
物および固体の流れをハウジング242から切り換えてハ
ウジング240に向かわせることができる。液状流出物を
フィルター236を通じて該分離装置システムから排出さ
せた後、液状流出物捕集タンク252の所で集める。
第一流路に関して上述したのと同じ方法を用いて、第
二流路のフラッシュ洗浄する。フィルター238内の液体
圧力を、バルブ298、ライン300および264そしてバルブ2
66を通じて解放する。次に、バルブ298を閉じそしてバ
ルブ272、302および304を開けることで、フィルター238
からの液体および固体をライン274を通してフラッシュ
洗浄する。次に、フィルター236で行ったのと同じ方式
で、空気を用い、フィルター238から固体を吹き飛ば
す。次に、空気の流れを確保し、そして洗浄液供給器28
8からの液体流出物をハウジング242に向かわせること
で、フィルター238から分離された固体のスラリー化を
行う。ハウジング242内の液体流出物とスラリー化した
固体を、バルブ302、バルブ272そしてライン274を通し
て導くことにより、固体捕集タンク276の中に集める。
必要に応じてハウジング242のフラッシュ洗浄を繰り返
すことにより、集められた固体をハウジング242とフィ
ルター238から除去する。
次に、流出物の洗浄液供給器288からの流出物でハウ
ジング242を満たした後、第一流路で行ったのと同様に
酸素アキュムレーター294で加圧する。これで、この第
二流路は、第一流路からの流出物混合物を受け入れる準
備ができており、そして反応システム10の連続運転を行
う目的で第一流路のフラッシュ洗浄と切り換えのサイク
ルを繰り返す。
本発明の方法を用いることで、1ポンド当たり約400B
tu(約222kcal/kg)以上の発熱量を有する水系廃棄物か
らエネルギーを蒸気の形態で回収することができる。さ
らに、この反応混合物内の有機物の酸化で生じる二酸化
炭素を独立して回収することができる。例えば、この反
応混合物を生じさせるための酸素源として液体酸素を用
いる場合、流出物混合物の気体状成分からこの液体酸素
への伝熱により、この気体状成分から二酸化炭素を回収
することが可能である。
図12に示す1つの具体例において、反応システム10に
は回収システム310が含まれている。この回収システム
には、反応システム10内で生じた流出混合物から熱エネ
ルギーと二酸化炭素を回収する手段が備わっている。反
応システム10の運転を行っている間、廃棄物は、ライン
44を通って供給物貯蔵タンク42に向かった後、ポンプ48
によりライン50を通って再循環する。ポンプ48からの流
れの一部は分流されて高圧ポンプ52に入った後、ライン
54を通って反応管12に行く。酸素を含んでいる気体を、
アキュムレーター68からライン60を通って向かわせた
後、ライン54を通って入ってくる供給物と一緒にして、
反応混合物を生じさせる。次に、この反応混合物は入口
14の所で反応管12に入る。
反応管12の入口部16と出口部18の所にそれぞれジャケ
ット312、314が配置されている。熱交換器の所の熱媒体
で反応管12の一部が加熱または冷却されないようにジャ
ケット312、314を離れた位置に配置することができる。
反応管12の回りに断熱材316を配置する。
外部伝熱手段には、熱媒体、加熱ジャケット312、冷
却ジャケット314、加熱再循環ライン318、冷却再循環ラ
イン320および再循環用ポンプ322が含まれる。該反応混
合物からの熱を出口部18の所の熱媒体に伝達することに
より、冷却ジャケット314内の熱媒体を加熱する。次
に、この熱媒体を冷却出口324を通して冷却ジャケット3
14から取り出した後、加熱循環ライン318を通して導
き、加熱入口326を通して加熱ジャケット312に入らせ
る。入口部16の所の熱媒体から該反応混合物に熱を伝達
することにより、この反応混合物の加熱を行う。それに
よって、その熱媒体が冷却され、加熱出口328の所で排
出された後、冷却再循環ライン320および再循環ポンプ3
22をに導かれることで、冷却入口330を通って冷却ジャ
ケット314に戻る。そして、出口部18の所でその反応混
合物を冷却する。この反応混合物を加熱するために、出
口部18で回収されるエネルギー以上の追加的エネルギー
が必要とされる場合は、適切な手段、例えば加熱再循環
ライン318に配置されている電源332を用いた直接通電加
熱などにより、加熱再循環ライン318を加熱することが
できる。システム10の運転仕上げを行っている間、入口
部16の所でその反応混合物を加熱する目的で電源332を
用いることも可能である。
ジャケット314を通過した反応混合物は、エネルギー
の回収に関してかなりの可能性を有している。供給混合
物が約700Btu/ポンド(約398kcal/kg)の発熱量を有し
ている場合、出口20の所で反応管から排出される反応混
合物は典型的には約340℃の温度である。このような場
合、反応管12の出口部分に追加的にジャケット334を配
置し、加圧された水を入口336を通してジャケット334の
中に導くことにより、蒸気を発生させることができる。
ジャケット334内のその加圧された水から蒸気が発生す
る。この蒸気は、出口338を通ってジャケット334から排
出される。
該流出物混合物をジャケット334内で冷却する。この
冷却された流出物混合物には気体状、液体状および固体
状成分が含まれており、そしてこれをライン340を通し
て気相/液相分離装置72に向かわせる。これらの気相、
液相および固相成分が気相/液相分離装置72の中で分離
する。典型的には、気相成分の大部分は酸素と二酸化炭
素である。この気相成分を、気相/液相分離装置72から
ライン342を通して熱交換器346に導く。二酸化炭素が豊
富な液相と酸素が豊富な気相を含んでいる混合物が生じ
る温度にまで、この気相成分を冷却する。この気相成分
を冷却する温度は、典型的には約−30から約−50℃の範
囲である。次に、この混合物をバルブ348を通して向か
わせることにより、この混合物の減圧を行う。それによ
ってこの混合物の圧力は約200から約400psiの範囲にま
で低下し、そしてこれを次に、ライン350を通して、上
部354と下部356が備わっている気体/液体分離装置352
に導く。その酸素が豊富な気相と二酸化炭素が豊富な液
相とを、気相/液相分離装置352の中で分離させる。こ
の酸素が豊富な気相を、上部354の所で出口358を通して
気相/液相分離装置352から出させた後、ライン360の所
に配置されているポンプ362により、ライン360を通して
反応管12に戻す。その二酸化炭素が豊富な液相は、下部
356の所で出口364を通して気相/液相分離装置352から
出させた後、ライン366を通して二酸化炭素貯蔵容器368
に向かわせる。
気相/液相分離装置72内の流出混合物の液体および固
体成分の少なくとも一部を、出口86およびライン370を
通して、固相/液相分離システム220(これに関しては
上述した図11を参照)に排出させる。反応管12および気
相/液相分離装置72内の反応混合物とおおよそ同じ圧力
をまだ有している、固相/液相分離システム220から排
出される液体はバルブ249で減圧することにより、約50
から約100psigの範囲の圧力となり、二酸化炭素が豊富
な気相と液相とを含だ混合物が生じる。
この混合物を、バルブ249からライン372を通して、上
部376と下部378が備わっている気相/液相分離装置374
に向かわせる。二酸化炭素が豊富な相と液相を気相/液
相分離装置374の中で分離させた後、この二酸化炭素が
豊富な気相を気相/液相分離装置374から出口380を通し
て排出される。次に、この二酸化炭素が豊富な相をライ
ン382を通して向かわせ、ライン382の所に配置されてい
るコンプレッサー384で加圧することにより、約200から
約400psigの範囲の圧力にする。次に、この圧縮した二
酸化炭素が豊富な気相を熱交換器386内で冷却すること
で約35℃の温度にした後、熱交換器388に流すことによ
り、熱交換器388内でその二酸化炭素が豊富な気相を凝
縮させることで二酸化炭素が豊富な液相を生じさせる。
次に、この二酸化炭素が豊富な液相を二酸化炭素貯蔵容
器368に流す。
気相/液相分離装置374内の液相を、気相/液相分離
装置374から下部378の所の出口390を通して排出させ
る。次に、この液相の圧力をバルブ392で下げ、おおよ
そ大気圧にする。減圧することにより、残存している二
酸化炭素が豊富な気相と液相を含んでいる混合物が生じ
る。この混合物をライン391を通して、上部396と下部39
8が備わっている気相/液相分離装置394に向かわせる。
この混合物の気相と液相が気相/液相分離装置394の中
で分離する。この気相を上部396の所にある出口400を通
して大気に放出させる。その液相は、下部398の所にあ
る出口402を通して気相/液相分離装置394から排出させ
る。
貯蔵容器404からの酸素をコンプレッサーポンプ406で
加圧して、約200から約400psigの範囲の圧力にした後、
コンプレッサーポンプ406により、ライン408そして熱交
換器346および388を通して向かわせ、そしてライン360
内の酵素が豊富な気相と混合する。この一緒にした酸素
気体流を、次に、コンプレッサー362で加圧した後、ラ
イン60を通して反応管12に導入する目的でアキュムレー
ター68の中に貯蔵する。
以下に示す実施例を用いてここに本発明を更に詳しく
特異的に記述する。全ての部およびパーセントは特に明
記されていない限り重量である。
実施例I 図1に示す如く反応システムを組み立てた。この反応
槽には、インコイル625製1/8インチ(約0.318cm)のス
ケジュール40のパイプで製作した。この反応管の長さは
約40フィート(約1219cm)であり、突き合わせ溶接とね
じ込み継手によって反応管の内径が実質的に一定となる
ように組み立てた。供給混合物および流出混合物を含む
流体は、この反応管の入口及び出口では常温であった。
下水活性汚泥を約40mL/分の割合でこの反応システム
に供給した。表Iに、生汚泥の成分と本発明を方法およ
び装置で処理した後の生成物の成分を最高反応温度別に
示す。実験条件は、実験A、実験Bおよび実験Cの3種
類であり、それらの運転条件を表Iに示す。実験A、実
験Bおよび実験Cに関する反応管内の最大反応温度はそ
れぞれ363℃、390℃および463℃であった。この生汚泥
のpHは約7であった。これらの3種の実験全てにおい
て、流出物の水溶液が示すpHは約8であった。
その生汚泥と、該反応管から搬出される反応混合物に
関する。表Iに挙げる試験の分析結果を、成分のミリグ
ラム単位、例えば生汚泥1リットル当たりか或は反応混
合物1リットル当たりの、全有機炭素(以後「TOC」)
含有量として示す。
表Iから分かるように、全ての実験において、その生
汚泥に関する濃度に比較して、流出混合物の水溶液に含
まれているTOC量が実質的に減少していると共に窒素含
有量も実質的に減少していた。更に、その生汚泥のTOC
含有量および窒素含有量と比較したTOC減少率および窒
素減少率もまた、最高反応温度の上昇につれて有意に増
大した。
実施例II 核兵器の製造中に発生する如き低レベルの放射能を示
す廃棄物を含んでいる混合物を調製して、実施例Iに記
述する反応システムに供給した。表IIは、受け入れ原
料、中和した後、供給混合物を生じさせる目的で希釈し
た後の、各混合物の成分およびそれらの重量%構成、そ
してこの反応システムから排出される処理後の流出混合
物の水溶液および固体状成分の表である。
表IIで見られるように、アルカリ塩類はほとんどがそ
の水相流出物に溶解している一方、他の金属塩類は固体
状流出物として実質的に除去されていた。この反応シス
テムを用いることで硝酸および有機化合物は実質的に分
解していた。
実施例III 固体含有量が7.2%のパルプミル汚泥のサンプルをベ
ンチスケールのインライン湿式粉砕装置を用いて歯の間
隔が粗いものから中程度のもので粉砕した。次に、この
汚泥サンプルを脱イオン水で希釈した後、その乳化装置
の歯の間隔の細かいもので均一にした。乳化後の汚泥サ
ンプルの粒子サイズは100ミクロン未満であった。次
に、これらの汚泥サンプルを水中で希釈して3.7重量%
にした。
次に、これらの汚泥サンプルを個々に、図1に示しそ
して実施例IおよびIIに記述した反応システムに供給し
た。各汚泥サンプルを3700psiに加圧してその反応管に
供給した。その乳化したパルプミル汚泥を用い、該反応
システムを通す実験を2回行った。第3の実験は2,3,7,
8−テトラクロロジベンゾダイオキシン(以後「TCDD」
と略記する)についてであり、脱イオンの水の中に1.7
%(体積%)のメチルエチルケトン、TCDD含有量が0.5p
pmの供給溶液を調整して行った。この3種の実験に関す
る実験条件を以下の表IIIに挙げる。
最初の2つの実験に関する試験結果を以下の表IVに示
す。
全固体の痕跡元素の濃度を汚泥1キログラム当たりの
元素のミリグラム単位(即ち湿潤を基準)で示し、これ
は重量ppmに相当している。TCDDとTCDFの濃度を、汚泥
1グラム当たりのピコグラム単位(湿潤を基準)で示
し、これはpptに相当している。主要、少量および痕跡
元素の分析値を乾燥を基準にして表す。
第一実験および第二実験の汚泥の固形物含有量はそれ
ぞれ3.6重量%および4.4重量%である。3種の主要元素
である炭素、水素および酸素は、汚泥固形物の70重量%
以上を占めている。12種の少量元素は、この汚泥固形物
の追加的5%を占めており、そして13種の痕跡元素が汚
泥固形物の約0.5%を占めている。この汚泥固形物の残
りの25%の中には、試験しなかった約80種の元素が含ま
れていると見られる。気体状流出物に関するガスクロ分
析を行った結果、酸素と二酸化炭素のみが存在している
ことが示された。
反応システムに送り込んだ有機物に関する分解効率
(deutruction efficiency)は、この反応システムに導
入した汚泥サンプル中の炭素、水素または酸素の量を反
応システムによって生じて来る固形物状流出物と水系流
出物のサンプルの中で検出されるものと比較した。表IV
から分かるように、両方のパルプミル汚泥サンプルに関
する炭素の分解効率は99%以上であった。両方のパルプ
ミル汚泥サンプルに関する酸素と水素の分解効率は97%
以上であった。
これらの汚泥サンプルの有機ハロゲン化物、TCDDおよ
び2,3,7,8−テトラクロロベンゾフラン(以後「TCD
F」)に関する分解効率の計算も行った。TCDDおよびTCD
Fに関する分解効率を表IVに示す。両方の汚泥サンプル
に関する合計した有機ハロゲン化物分解効率は99.94%
であった。
ダイオキシン溶液に関する2,3,7,8−TCDDおよびまた
は有機炭素の分解効率もまた、供給状態および水系と固
形物状流出物を基にして計算した。このTCDDの分解効率
は99.99995%であった。
パルプミル汚泥サンプルの固形物状流出物を弱酸に浸
した後その抽出液を回収して、例えば酸性雨水によって
浸み出す可能性のある汚染物質に関する分析を行った。
分析した汚染物質の濃度を以下の表Vに挙げる。
表V 汚染物質 流出物1リットル当たりのミリグラム ひ素 < 5. ベンゼン 370. ベンゾ(a)ピレン < 2.5 フタル酸ビス(2−エチルヘキシル) 25.
カドミウム 10. クロルダン(Chlordane) < 0.25 銅 140. DDT/DDE/DDD(全体) < 7.5 鉛 80. ランダン(Lindane) < 0.25 水銀 < 5. ニッケル <50. 多塩素化ビフェニル < 2.5 トキサフェン(Toxaphene) < 0.25 トリクロロエタン < 1.9 水系流出物に関する、塩素(塩化物イオンとして、窒
素(アンモニアとして)、ナトリウムおよび硫黄(硫酸
塩としての)全体濃度は、約0.1重量%であった。
メチルエチルケトン中のTCDD溶液の試験結果に関す
る、その流出物中のTCDD濃度は、流出物1リットル当た
り264ピコグラムであった。これは99.9999%以上の分解
効率に相当していた。全有機炭素分解効率は約99.9%で
あり、これは、2つの汚泥サンプルに関して得られた値
に一致していた。
実施例IV 図1に示しそして上の実施例I、IIおよびIIIに記述
した反応システムに、化学兵器剤に近い化学式をもつ物
質を供給した。化学兵器剤である「HD」、「GB」および
「VX」に近い化学式をもつ物質を選択した。これらの化
学兵器剤に関する化学式およびそれらの相当する近似物
質を以下の表VIに挙げる。
この反応システムの条件および各実験に関する分解効
率を以下の表VIIに挙げる。
部分的には、実際の薬剤に類似した化学結合を基本に
してこれらの近似物質を選択した。1連の分解試験とし
て、ここでは、HD、GBおよびVXの近似物質を該反応シス
テムに供給した。各実験においては、これらの3種の化
学剤それぞれに対して選択した2つの近似物質を同じ量
混合して供給物を作った。
例えば、実験1では、その供給物は、1%の1,5−ジ
クロロペンタンと1%のエチル−2−ヒドロキシエチル
スルフィドを含有する。各々の供給混合物に、通常の界
面活性剤であるTriton X 100を0.15重量%含有させた。
この界面活性剤を用いることで上記代用品を水中に溶解
させた。さらに、実験11の供給混合物には、この供給物
の発熱量を上昇させてこの反応システム内の反応温度を
650℃に近付ける目的で、メチルエチルケトンを3重量
%含有させた。
各実験に関する近似物質の分解効率を計算した。表VI
Iに示すように、全ての実験における近似物質の分解効
率は99.96%を越えていた。実験3、4、5、8、9、1
0および11における分割効率は99.999%を越えていた。
フロントページの続き (73)特許権者 999999999 日本碍子株式会社 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 (72)発明者 モデル,マイケル アメリカ合衆国マサチユセツツ州02138 ケンブリツジ・フレツシユポンドプレイ ス23 (72)発明者 クハリツチ,エバン・エフ アメリカ合衆国マサチユセツツ州01746 ホリストン・トレイシーリンロード23 (72)発明者 ルーニイ,マイケル・アール アメリカ合衆国マサチユセツツ州01568 アツプトン・スクールストリート16 (56)参考文献 特公 平1−38532(JP,B2) 特表 平3−503858(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 11/00 - 11/20 B01J 3/00 C02F 1/72 - 1/78 G21F 9/00 - 9/36 B09B 1/00 - 5/00 WPI/L(QUESTEL)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)水の超臨界圧力を有している、有機
    物、無機物、水および酸素源を含んでいる加圧された反
    応混合物を生じさせ、 b)この加圧された反応混合物を、長く伸びた反応管内
    の反応混合物から固体状粒子の実質的部分が沈降しない
    ために充分な速度で、その長く伸びた反応管に通し、 c)この反応混合物内の有機物の実質的部分を酸化させ
    るに充分な熱を、その長く伸びた反応管内の加圧された
    反応混合物に加え、この反応混合物の温度が、少なくと
    も、水の超臨界温度にまで上昇しており、 d)上記長く伸びた反応管の出口部の所で、その反応混
    合物を、反応混合物内に気相と固体状粒子が含まれてい
    る液相を生じさせるに充分な温度まで冷却し、そして e)この反応混合物を、その長く伸びた反応管出口から
    排出させることで、固体状粒子、液体および気体を含ん
    でいる流出混合物を生じさせる、 段階を含む、長く伸びた反応管の入口から出口にわたっ
    て実質的に一定の内径を有している長く伸びた反応管内
    で、無機物を含む有機物を水の存在下で酸化する方法。
  2. 【請求項2】反応混合物の中に元から存在しておりそし
    てその上昇した反応温度において長く伸びた反応管内の
    溶液から析出した、無機塩類を溶解させるに充分な温度
    にまで、該反応混合物を、上記長く伸びた反応管の出口
    部の所で冷却する段階を更に含んでいる請求の範囲1の
    方法。
  3. 【請求項3】長く伸びた反応管壁を通してその出口部の
    所で該反応混合物から熱を取り出し、そしてこの熱の少
    なくとも一部を、この長く伸びた反応管の入口部に伝達
    する段階を更に含んでいる請求の範囲2の方法。
  4. 【請求項4】長く伸びた反応管にブラシを通すことによ
    り、この長く伸びた反応管から固体状粒子およびスケー
    ルの実質的部分を除去する段階を更に含んでいる請求の
    範囲3の方法。
  5. 【請求項5】長く伸びた反応管にスプレーを通すことに
    より、この長く伸びた反応管内の固体状粒子およびスケ
    ール量を有意に減少させる段階を更に含んでいる請求の
    範囲3の方法。
  6. 【請求項6】a)長く伸びた反応管から排出される流出
    混合物を気相/液相分離装置に通すことにより、この排
    出された反応混合物の気相と液相を分離させ、 b)この気相から分離された液相をフィルターに通すこ
    とにより、この液相から固体状粒子を実質的に分離さ
    せ、 c)この分離した気相および液相の減圧を連続的に行
    い、そして d)フィルターの減圧を定期的に行うことで、このフィ
    ルター上に集められた固体状粒子を除去する、 段階を更に含む、請求の範囲3の方法。
  7. 【請求項7】長く伸びた反応管に反応混合物を通すに先
    立って、該反応混合物と水とを加減する段階を更に含ん
    でおり、ここで、この反応管の入口の所で液相を連続相
    にするに充分な量でその水が存在している、請求の範囲
    1の方法。
  8. 【請求項8】長く伸びた反応管に反応混合物を通すに先
    立って、この反応混合物をスケール抑制磁石に暴露する
    段階を更に含んでおり、ここで、このスケール抑制磁石
    がその長く伸びた反応管内で生成するスケールの量を有
    意に下げる、請求の範囲7の方法。
  9. 【請求項9】長く伸びた反応管に反応混合物を通すに先
    立って、この反応混合物とスケール抑制成分とを一緒に
    する段階を更に含んでおり、ここで、このスケール抑制
    成分が、その長く伸びた反応管内で生じるスケールの生
    成率を有意に下げるに充分な量で存在している、請求の
    範囲7の方法。
  10. 【請求項10】上記反応混合物を上記長く伸びた反応管
    の出口部の所でおおよそ周囲温度にまで冷却する請求の
    範囲1の方法。
  11. 【請求項11】a)入口と出口が備わっており、そして
    この入口から出口にわたって内径が実質的に一定であ
    る、長く伸びた反応管、 b)水の超臨界圧力を有している、有機物、無機物、水
    および酸素源を含んでいる加圧された反応混合物を生じ
    させる手段、 c)この長く伸びた反応管内の反応混合物から固体状粒
    子の実質的部分が沈降しないための充分な速度で、上記
    加圧された反応混合物を上記長く伸びた反応管に通すた
    めの手段、 d)この反応混合物内の有機物の実質的部分を酸化させ
    るに充分な熱を、その長く伸びた反応管内の加圧された
    反応混合物に加え、この反応混合物の温度を、少なくと
    も、水の超臨界温度にまで上昇させるための手段、 e)この長く伸びた反応管の出口部の所で、気相と液相
    を生じさせるに充分な温度にまでその反応混合物を冷却
    するための手段、 を含んでいる、無機物を含む有機物を水の存在下で酸化
    する装置。
  12. 【請求項12】長く伸びた反応管の出口部の所で反応混
    合物からの熱を伝達し、そしてそこから取り出された熱
    を、上記長く伸びた反応管の入口部の所でこの反応混合
    物に伝達することで、この長く伸びた反応管の入口部の
    所でこの反応混合物を加熱する、外部熱伝達手段を更に
    含んでいる請求の範囲11の装置。
  13. 【請求項13】反応混合物を加熱および冷却するための
    手段が、 i)該入口部の所に配置されている二重管式熱交換器、 ii)該出口部の所の二重管式熱交換器、 iii)該二重管式熱交換器内に配置されている熱媒体、
    および iv)上記二重管式熱交換器と二重管式熱交換器の間で該
    熱媒体を再循環させるための手段、 を含んでいる請求の範囲12の装置。
  14. 【請求項14】長く伸びた反応管が湾曲しており、この
    長く伸びた反応管の内径の少なくとも約20倍の曲率半径
    を有している請求の範囲13の装置。
  15. 【請求項15】長く伸びた反応管が実質的に真っすぐな
    部分と湾曲した部分を有しており、この湾曲した部分
    が、この長く伸びた反応管の内径の少なくとも20倍の曲
    率半径を有している請求の範囲13の装置。
  16. 【請求項16】長く伸びた反応管が実質的に真っすぐで
    ある請求の範囲13の装置。
  17. 【請求項17】長く伸びた反応管を洗浄する手段が更に
    含まれている請求の範囲16の装置。
  18. 【請求項18】長く伸びた反応管を洗浄する手段がブラ
    シを含んでいる請求の範囲17の装置。
  19. 【請求項19】長く伸びた反応管を洗浄する手段が更に
    高圧スプレーを含んでいる請求の範囲18の装置。
  20. 【請求項20】長く伸びた反応管から該流出混合物を排
    出させた後、上記流出混合物から固体を分離するため
    の、固相/液相分離装置が更に含まれている請求の範囲
    19の装置。
  21. 【請求項21】気相/液相分離装置からの固体と液体を
    受け取り、そして該長く伸びた反応管からの流出混合物
    を続けて受け取りながら該気相/液相分離装置からの固
    体と液体が流れる方向を変更させるための、Y字継手が
    更に含まれている請求の範囲20の装置。
  22. 【請求項22】固相/液相分離装置に、流出混合物の減
    圧を行うに先立って上記流出混合物から固体粒子を実質
    的に分離するための、フィルターが備わっている請求の
    範囲21の装置。
  23. 【請求項23】長く伸びた反応管が約200から約3000フ
    ィート(約61mから約914m)の範囲の長さを有する請求
    の範囲22の装置。
  24. 【請求項24】該長く伸びた反応管がインコネル625を
    含んでいる請求の範囲23の装置。
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