JP3035543B1 - 電気温灸器 - Google Patents

電気温灸器

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JP3035543B1
JP3035543B1 JP11127996A JP12799699A JP3035543B1 JP 3035543 B1 JP3035543 B1 JP 3035543B1 JP 11127996 A JP11127996 A JP 11127996A JP 12799699 A JP12799699 A JP 12799699A JP 3035543 B1 JP3035543 B1 JP 3035543B1
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満義 三浦
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満義 三浦
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Abstract

【要約】 【課題】 鍼術は国際的な研究が拡大し普及もしている
一方、灸術は普及が進まず国際性に乏しかった。原因
は、もぐさを皮膚の表面で燃焼させることが野蛮な行為
とみなされ、ときとして皮膚に醜い瘢痕が残ることと考
えられる。 【解決手段】 断熱性を備えた筐体1内の開口部を塞ぐ
台座2を備え、筐体1内に熱量調整充填材6及び保護固
定部材5を周囲に配したヒータ3を配置し、ヒータ3及
び台座2を貫通する内筒7内に中心伝熱体8を挿入し、
植物繊維を固めたチップ4を台座2の中央から中心伝熱
体8に取り外し自在に繋げた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気温灸器に関
するもので、従来のもぐさを燃焼させる灸に代わって手
軽に用いることができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】古代の文明がひとつの頂点に達した時
期、約2000年前アジアの一部で鍼灸治療術が始めら
れた。その中の灸術とは、よもぎの葉から作られるもぐ
さを燃焼させ、またはこれに代わる物質を用いて、身体
表面の一定部位に温熱的刺激を与え、これによって起こ
る効果的な生体反応を利用し、生活機能の変調を矯正
し、保健及び疾病の予防又は治療に応用する施術である
と定義されている。
【0003】灸術の治療効果は、鍼灸院にて治療にあた
っている発明者も驚くもので、特に慢性疾患には素晴ら
しい効果が発揮される。慢性疾患の内から一例として、
現代の日本やアメリカに多いとされる膝痛についていえ
ば、西洋医学では、鎮痛剤投与がほとんどである。しか
し、鎮痛剤は消化器、特に胃に障害を引き起こすことが
経験的に知られ、薬害とも指摘され、結果的には副作用
を引き起こすことで治療とはいえないのではないかとさ
えいわれている。これに対して灸術では副作用を起こす
ことは皆無である。普通、灸師がなすときは、人体が熱
いと感じてから終わるまでに約52秒(米粒サイズ)で
あり、原料のよもぎの葉から造られる植物繊維のもぐさ
は温熱的刺激を与えるのに好適である。なお、原料のよ
もぎの葉から造られる植物繊維のもぐさが燃焼すること
で発生する、もぐさに含まれる揮発性精油成分チネオー
ルなどの薬草成分が、暖められた皮膚表面から何らかの
作用を及ぼすものと考えられている。しかし、灸の施術
は熟練した灸師(国家資格)でも、ときとして患者に不
快感を与えたり、灸を据える皮膚に水泡が発生すること
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】古来、鍼と灸は関連性
ある治療法であるが、鍼術は国際的な研究が拡大し普及
もしているが、灸術は普及が進まず国際性に乏しい。そ
の原因としては、もぐさを皮膚の表面で燃焼させること
が野蛮な行為とみなされ、かつ、ときとして皮膚に醜い
瘢痕が残ることが嫌われると考えられる。現代の日本で
も、欧米諸国においてもこれらの点が普及の妨げとなっ
ていると思われる。また、温灸の定義に、もぐさそのも
の或いは温灸器を用いたり、その他のものを用いて生体
に温熱効果を及ぼすものであるとされる。隔物灸も一般
的な温灸の効果はあるが、これは鍼灸治療の基本的な施
術である穴(つぼ、ある点、経絡)への刺激による治療
とは似て非なるもので、熱が広い領域に拡散することか
ら効果的な治療とはならなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、灸
術の基本であるある一点(つぼ)を刺激することで治療
効果を高めるものの、皮膚表面で火を燃焼させることな
く、時間、温度の調節ができるようにした電気温灸器を
提供すべく開発したものである。そして、請求項1の発
明の要旨とするのは、断熱性を備えた筐体内の開口部を
塞ぐ台座を備え、筐体内にヒータを配置し、このヒータ
を貫通する内筒内に中心伝熱体を挿入し、植物繊維を固
めたチップに埋設した止めねじを中心伝熱体にねじ込み
伝熱するようにしたことを特徴とするものである。請求
項2の発明は、請求項1記載の電気温灸器において、筐
体内のヒータの周囲に保護固定部材を配し、筐体との間
に熱量調整充填材を被うようにし、内筒はヒータ、保護
固定部材及び熱量調整充填材を貫通するようにしたもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面に示すこの発明の実施
の形態に即してその内容を説明する。図1は、この発明
に係る電気温灸器Kで、概略、有底筒状の断熱性を備え
た筐体1内の開口部を塞ぐ台座2を備え、筐体1内にセ
ラミックヒータなどのヒータ3を配置し、ヒータ3によ
る熱を、台座2に取り外し自在にしたよもぎなどの植物
繊維を固めたチップ4に伝熱し、このチップ4を皮膚に
押し当てるようにしたものである。
【0007】さらに詳細に説明すれば、筐体1内のヒー
タ3の周囲に石膏などからなる保護固定部材5を配し、
筐体1との間に耐熱性コンクリートからなる熱量調整充
填材6を被うようにし、ヒータ3、保護固定部材5及び
熱量調整充填材6を貫通する内筒7内に、棒状の中心伝
熱体8を挿入し、内筒7と中心伝熱体8を固定ピン9で
外れないようにしてある。中心伝熱体8の先端には雌ね
じ8aを切るようにしてある。台座2は中央に内筒7及
び中心伝熱体8を受け入れる貫通穴2aを設けてあり、
この貫通穴2aの表面側にはチップ4を嵌め込む凹部2
bを備える。チップ4には止めねじ41を埋設して雄ね
じを露出させるようにしてあり、止めねじ41の雄ねじ
41aを中心伝熱体8の雌ねじ8aにねじ込んで止める
ようにしている。筐体1内は内部枠11及び上蓋12に
より被覆するようにしてあり、内部枠11に上蓋12を
被せるようにしてある。上蓋12には電気コネクタ10
をナット10aにて止めるようにしてある。
【0008】この電気温灸器Kを組み立てるには、ま
ず、台座2の中心に内筒7を立て、保護固定部材5に埋
設されたヒータ3を内筒7の回りに配置し、台座2の周
囲に内部枠11を固定し、内部枠11と保護固定部材5
の間に熱量調整充填材6を流し込み固定する。次いで、
上蓋12の電気コネクタ10に電線を繋いで、上蓋12
を内部枠11に被せて固定し、さらに筐体1を被せるよ
うにして完成するのである。
【0009】図2は複数の電気温灸器K〜を一の商用電
源に接続する場合の配線図である。夫々の電気温灸器K
は、温度コントロール用の抵抗器R、個別の電気温灸器
KのスイッチS及び表示ランプLを介して並列に接続し
てある。複数の電気温灸器K全体としての制御を図るた
めに、メインスイッチMS、自由に時間の設定が可能な
タイマースイッチT、安全ヒューズH、手元スイッチS
1および一回の作動時間が10分となるように設定した
タイマー内蔵のリレースイッチRSを介在させている。
なお、リレースイッチRSにより何らかの異変で過電流
が流れた時には電源を切り安全性を保つことができる。
これらにより皮膚への接触温度が40度を越えないよう
にすると共に、低温火傷や水泡の発生を防ぐようにして
いるのである。すなわち、タイマースイッチTの設定を
10分以上としてもリレースイッチRSにより10分で
電源を切り温度の上昇を抑えると共に、患者の付近に手
元スイッチS1を置くことで、患者自身が熱いと感じた
ところで電源が切れるようにしてある。
【0010】複数の電気温灸器Kを接続した試作機をも
って、一年間来院した全ての患者に使用した(ほぼ80
0名)。なお、チップ4を皮膚に当てがうのには絆創膏
を用いた。鍼灸治療院を訪ねる患者は多種多様である
が、大別すると、筋肉痛、腕、脚、腰などの間接痛、自
律神経失調症などの体調不良、その他喘息、痔等の個別
の疾患であった。基本的な治療手段として来院した全て
の疾患の患者に使用することで、全般的な治療効果が向
上した。特に優れた効果を発揮したのは自律神経失調
症、腰痛、背部痛、膝痛等であった。
【0011】試作機でタイマースイッチTを11分後に
切れるように設定してチップ4の外気中での表面温度は
次の表1の通りであった。
【0012】
【表1】
【0013】温度分布のグラフは図3に示す通りであ
る。実際の施術の際は、タオルケット等で施術している
部位を覆うので外気の影響は受けず、体温もあるので1
1分後には大半の人間が熱いと感じた。人により体温が
異なり、熱いと感じる温度にも差違があるからか、施術
の際に問題のない設定時間は8〜10分であることが経
験的にわかった。
【0014】
【発明の効果】請求項1の発明は、ヒータによる熱で植
物繊維を固めたチップを燃焼させるのではなく、伝熱す
ることで温灸効果が上がるもので、従来の灸普及の妨げ
となっている欠点を悉く解消でき、しかも電熱チップが
直接皮膚に接触するため、温熱効果と薬草の薬効が従来
の灸と同様得られることになる。加えて、ヒータ内蔵と
してあるので必要なつぼ治療点にどこでもいくつでも付
けられるのである。加えて、ヒータを貫通する内筒及び
内筒内に中心伝熱体を挿入し、チップに埋設した止めね
じを中心伝熱体にねじ込み伝熱するようにしたので、ヒ
ータの熱が間接的にチップに伝わるので急激な温度上昇
が避けられ柔らかな熱をチップに伝えることになるので
ある。請求項2の発明は、筐体内のヒータの周囲に保護
固定部材を配し、筐体との間に熱量調節充填材を被うよ
うにし、内筒はヒータ、保護固定部材及び熱量調整充填
材を貫通するようにしたので、熱量調整充填剤をもって
内筒への熱伝達を遅くすることで温度が下げられ、さら
に内筒を介在させることで間接的にチップに熱を伝える
ようにしたので、突き刺すような熱ではなく柔らかい熱
となり気持ちの良い状態での治療が可能となる。また、
電気式としたので、抵抗器、タイマー、そしてコントロ
ールボックスの中にタイマー付きリレースイッチを組み
温度管理を図ることで、簡単皮膚に火傷、水泡など
ができないような構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電気温灸器の要部断面図であ
る。
【図2】この発明に係る電気温灸器Kの配線図である。
【図3】スイッチを投入してから55分後までのもぐさ
のチップの表面温度の分布を表すグラフである。
【符号の説明】
K 電気温灸器 1 筐体 11 内部枠 12 上蓋 2 台座 3 ヒータ 4 チップ 41 止めねじ 5 保護固定部材 6 熱量調整充填材 7 内筒 8 中心伝熱体 8a 雌ねじ 9 固定ピン 10 電気コネクタ 10a ナット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱性を備えた筐体内の開口部を塞ぐ台
    座を備え、筐体内にヒータを配置し、このヒータを貫通
    する内筒内に中心伝熱体を挿入し、植物繊維を固めたチ
    ップに埋設した止めねじを中心伝熱体にねじ込み伝熱す
    るようにしたことを特徴とする電気温灸器。
  2. 【請求項2】 請求項記載の電気温灸器において、筐
    体内のヒータの周囲に保護固定部材を配し、筐体との間
    に熱量調整充填材を被うようにし、内筒はヒータ、保護
    固定部材及び熱量調整充填材を貫通するようにしたこと
    を特徴とするもの。
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