JP3033663B2 - 多次元極微小変位計測方法とその装置 - Google Patents

多次元極微小変位計測方法とその装置

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JP3033663B2 JP6111612A JP11161294A JP3033663B2 JP 3033663 B2 JP3033663 B2 JP 3033663B2 JP 6111612 A JP6111612 A JP 6111612A JP 11161294 A JP11161294 A JP 11161294A JP 3033663 B2 JP3033663 B2 JP 3033663B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多次元極微小変位計
測方法とそのための装置に関するものである。さらに詳
しくは、この発明は、生物工学、マイクロエレクトロニ
クス、マイクロマシン等の諸分野において有用な、ナノ
メートル領域の極微小変位を高精度に計測することので
きる、新しい多次元の極微小変位計測方法とそのための
顕微鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年の生物工学やマイクロエ
レクトロニクスの進展は顕著であって、ミクロ世界の現
象の解明とその人為的応用への検討が精力的に進められ
てきている。このような領域での研究は、不可避的にナ
ノメートルレベルでの高精度な計測技術の確立を必要と
している。
【0003】従来、ナノメートル領域での極微小変位を
計測するための方法としては、2光分割センサーや4光
分割センサーを用いる方法が知られており、その方式に
は、 .光てこ方式(原子間力顕微鏡方式) .顕微鏡を用いた方式 とがある。
【0004】前者の光てこ方式は、レーザー光を被計測
物、たとえばカンチレバー表面で反射させ、被計測物の
表面が傾くと反射光の向きが変化することから、この変
化を2分割光センサーで計測し、上下方向のたわみ、あ
るいは横方向のたわみを各々の変位として観察する。こ
の場合、2分割光センサーのダイオードの2つの部分に
入射した光量をI1,I2とすると、その差I1−I2
を電気的に増幅することにより、つまり図6に示したよ
うにして、変位計測を行う。
【0005】後者の顕微鏡を用いた方式は、たとえば図
7に示したように、ハロゲンランプまたはレーザー光に
よる照明(ア)を行い、コンデンサーレンズ(イ)を介
して被測定微小物体からなる試料(ウ)に光照射すると
ともに、その光軸上において対物レンズ(エ)、接眼レ
ンズまたは撮影レンズ(オ)並びに2分割または4分割
光センサー(カ)からなる結像系によって変位を測定す
るものである。
【0006】この方式では、分割光センサー(カ)上に
微小物体である試料(ウ)の像を結像させ、この像の動
きを分割光センサー(カ)の出力の差として計測するこ
とを特徴としている。たとえば1次元計測の時には2分
割光センサーを、2次元計測の時には4分割光センサー
を使用する。すなわち、1次元計測では、図8(a)に
示したように、微小物体の変位方向xについて、I1
2 より求めることができ、図8(b)のx,yの2次
元計測では、次式 x=(I1 +I4 )−(I2 +I3 ) y=(I1 +I2 )−(I3 +I4 ) により変位を求めることができる。
【0007】これらの従来の方法は、とりあえずの微小
変位の計測を可能とするものであるが、いずれの方式に
もナノメートル計測のための高精度化の点では問題があ
った。それと言うのも、.光てこ方式の原子間顕微鏡
に用いられている方式では、.顕微鏡方式に比べて光
学系が簡単であるが、被計測物には、レーザー光を平面
で反射できなければならないという制約があり、この制
約によって、特定の微小物体の微小変位計測にしか応用
できないという欠点がある。
【0008】また、.顕微鏡方式の場合には、3次元
微小変位同時計測は不可能であって、しかも2次元微小
変位同時計測の場合にも特定の方向に限られるという制
約がある。たとえば、顕微鏡を使用するこの方式では、
結像面内の2次元に限られ、結像面に垂直な方向(つま
り光軸に平行な方向)を含んだ2次元計測は不可能であ
る。
【0009】そこでこの発明は、以上の通りの従来技術
の欠点を解消し、従来は不可能であった3次元や2次元
の微小変位の同時計測を高精度に可能とする、ナノメー
トルレベルでの新しい多次元極微小変位計測方法とその
ための顕微鏡装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、照明用レンズを介して試料に光
照射するとともに、光軸から傾いた斜め方向の複数の位
置に対物レンズを近接配置させた複数の結像系を構成す
ることを特徴とする多次元極微小変位計測方法を提供す
る。
【0011】また、この発明は、上記の結像系の構成を
特徴とする顕微鏡装置をも提供する。
【0012】
【作用】上記の通りのナノメートル計測を可能とするこ
の発明の方法および装置については、たとえば図1の構
成として例示することができる。この図1に示したよう
に、照明用レンズ(1)としてのコンデンサーレンズあ
るいは対物レンズを通じてハロゲンランプ、レーザー等
による光(2)を試料(3)に対して照射する。そし
て、光軸から傾いた斜め方向の複数の位置に対物レンズ
(4)、撮影レンズ(5)もしくは接眼レンズ、分割光
センサー(6)からなる複数の結像系を配設する。
【0013】この際の照明用レンズ(1)としては、そ
の開き角の大きなものを用いることが好ましい。この開
き角の大きなレンズの使用によって、試料(3)を広い
角度範囲にわたって光照射することができるため、試料
(3)の上側で斜め方向に結像させることが可能とな
る。より具体的には、開口数1.2程度の高開き角のコ
ンデンサーレンズもしくは対物レンズが例示される。
【0014】対物レンズ(4)については、超長作動距
離、たとえば10mm程度の作動距離を有し、かつ、立
体的に隣り合った対物レンズとぶつからない程度の形状
と間隔で配置できるようにする。この対物レンズ(4)
は、その倍率は20倍以上とするのが好ましい。また、
撮影レンズ(接眼レンズ)(5)については、その倍率
をたとえば7倍程度とすることができる。そして、分割
光センサー(6)としては、3次元計測の時は4分割セ
ンサーを、2次元計測の時は2分割センサーを用いる。
【0015】以上の例示的な具体構成によって、分割光
センサー(6)上には、たとえば被計測微小物体の像が
拡大率100倍以上で結像することになる。従来の技術
常識からは、この発明のように斜め方向に結像させるこ
とは全く考慮され得なかった。その理由としては、以下
のことが考えられていた。 a.光軸からはずすと収差が取りずらい。
【0016】b.被写界深度の関係で、試料を全範囲に
わたって焦点を合わすことができない。しかしながら、
光軸から外すと収差が取りづらいとの点については、こ
の発明の装置では、収差は球面収差と色収差のみが問題
となるが、斜め方向の結像とこの収差と何ら関係ない。
【0017】また、被写界深度の関係で、試料の全範囲
に渡って焦点を合わすことができないとの点について
は、ナノメートル計測では、数百ナノメートル以下の範
囲の変位しか計測しないので、たとえば図2に示すよう
にこの発明の方法、装置では、この問題も関係のないも
のである。すなわち、結像系1および結像系2で焦点の
合う領域はその深さ(d1 )(d 2 )が、対物レンズ
(4)の開口数、拡大率によるが、約数μm〜10μm
であって、焦点の問題は全くない。
【0018】これらの点は、従来の常識からは予期し得
ないものである。いずれにしてもこの発明では、照射用
レンズが高い開き角を有すれば、広い角度範囲にわたっ
て試料を照射するので、斜め方向へも、光軸方向とほと
んど同量の光が到達する。したがって、斜め方向へ試料
を結像させることが可能である。結像系からは、光分割
センサーでの光強度の差としてその変位量が求められ
る。すなわち、図3に例示したように、y方向が紙面に
垂直な向きであるとすると、I1 −I2 からs方向の変
位が求まり、I1 ′−I2 ′よりt方向の変位が求ま
る。
【0019】そして光分割センサー(6)からは、次式
【0020】
【数1】
【0021】によりs,tが求められ、そして、変位
x,z方向の成分は、次式
【0022】
【数2】
【0023】として求まる。4分割光センサーを使用し
た時は、y方向の変位はそのまま計測されることにな
る。そこで、以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明について説明する。
【0024】
【実施例】以下の構成からなる顕微鏡装置を用いて、直
径約1μmの微小ガラス針を上下方向に振動させ、その
極微小変位を計測した。 ・照明レンズ NA1.25、100倍の油浸対物レンズをコンデンサ
ーとして使用。
【0025】・照明光源 安定化電源を用い、100Wハロゲンランプによる照明
を行った。 ・対物レンズ 作動距離10.5mm、NA0.40、20倍 光センサーからは差動アンプを介して出力させた。
【0026】図4は、微小ガラス針の上下方向振動に使
用したピエゾ素子に加えた電圧とその時の換算された変
位を示したものである。これによると、振幅(山と谷の
間の電圧差)を長さに換算したものとして、 0.195V×10倍×47nm/V=92nm の値が得られる。
【0027】図5は、45°斜め方向で微小ガラス針の
振動を計測した結果を示したものである。即ち、上下方
向に92nm振動させて、282mVの出力が得られ
た。このため、次のように、 282mV/92nm=3.1mV/nm 出力グラフの線幅からもわかるように、分解能は5mV
より良い。との結果が得られる。すなわち、この発明で
の上下方向の分解能は、1.5nmより良いことにな
る。
【0028】もちろん、照射強度を強くすることによ
り、さらに10倍分解能を上げることができる。また、
横方向(x方向)は、z方向と対称であるので同じ結果
を与える。また、ここでは、片側の結像系の結果のみ示
してあるが、前記数2の関係式を用いれば、xz方向の
変位を求めることができることも明らかである。
【0029】もちろん、この発明は、以上の例に限られ
ることはない。そして、細部において様々な態様が可能
であることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、ナノメートル計測が多次元での極微小変位につい
て可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の構成を例示した図である。
【図2】焦点領域の深さを説明した図である。
【図3】座標変換について説明した図である。
【図4】実施例の入力について示した図である。
【図5】実施例の出力について示した図である。
【図6】従来の光てこ方式による方法について説明した
図である。
【図7】顕微鏡方式による方法を説明した図である。
【図8】従来の光分割センサーの利用について説明した
図である。
【符号の説明】
1 照明レンズ 2 光 3 試料 4 対物レンズ 5 撮影レンズ 6 光分割センサー

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明用レンズを介して試料に光照射する
    とともに、光軸から傾いた斜め方向の複数の位置に対物
    レンズを近接配置させた複数の結像系を構成することを
    特徴とする多次元極微小変位計測方法。
  2. 【請求項2】 対物レンズは超長作動距離を有する請求
    項1の計測方法。
  3. 【請求項3】 結像系の合焦点領域の深さを約10μm
    以下とする請求項1または2の計測方法。
  4. 【請求項4】 照明用レンズと、対物レンズを配置した
    複数の結像系とを備えた顕微鏡装置であって、複数の結
    像系は、光軸から傾いた斜め方向の複数の位置に対物レ
    ンズを近接させて配置されていることを特徴とする多次
    元極微小変位計測用の顕微鏡装置。
  5. 【請求項5】 対物レンズは超長作動距離を有する請求
    項4の顕微鏡装置。
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