JP3033012B2

JP3033012B2 - 濃縮飲料遮断・自己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサー

Info

Publication number: JP3033012B2
Application number: JP18330895A
Authority: JP
Inventors: 一夫小出; 新次郎青木; 浩早川
Original assignee: 近畿コカ・コーラボトリング株式会社; 早川産機株式会社
Priority date: 1995-06-28
Filing date: 1995-06-28
Publication date: 2000-04-17
Anticipated expiration: 2015-04-17
Also published as: JPH0912095A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、広くは飲料ディスペン
サーに関するものであり、特にリターナブル容器に入っ
た濃縮飲用液を抽出するディスペンサーに関するもので
ある。就中、濃縮飲料遮断・自己洗浄型でポストミック
スでの飲料を抽出するディスペンサーで、その請求項３
と４の発明は１飲料抽出コックでマルチ飲料を選択して
抽出できるディスペンサーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の飲料ディスペンサーには、濃縮さ
れた飲料をその抽出時に希釈しながら出すものと、最初
から普通の濃度の飲料になっているものをそのまま出す
ものとがある。前者のポストミックスのディスペンサ
ー、すなわち濃縮飲料と希釈水または炭酸水を一定の比
率で混合させながら希釈飲料をそのディスペンサーから
抽出するものには、その飲料が１種類だけのものと、複
数種類あってその中から好みのものを選んで抽出できる
ものとがある。このうちの後者のものに、特願平−３５
６，５５９の発明がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】粘度が非常に高い濃縮
飲料用のポストミックスのディスペンサーは、その濃縮
飲料に粘りのため、その抽出後にその濃縮飲料がその注
ぎ口に付着する傾向がある。そこで、このポストミック
スのディスペンサーが頻繁に使用される箇所について
は、朝晩等の使用開始時と終了時にその注ぎ口を清掃す
るのみでよいが、その使用頻度の少ない所とか店等から
離れて設置される等の清掃しにくい箇所での使用におい
てはその注ぎ口が不衛生になりやすい。その上に、濃縮
飲料とその希釈水や炭酸水の放出時間が同時なので、そ
の濃縮飲料がそのパイプの注ぎ口ＯやバルブＶに付着し
たままになり、それが腐敗し易くなる。さらに、そのバ
ルブ等がその濃縮飲料のパイプの元にあって、その濃縮
飲料のパイプが開放されているものは、その濃縮飲料パ
イプ中の濃縮飲料が直接空気に触れる故に、腐敗の原因
となり衛生上問題となる。

【０００４】また、飲料が１種類だけのものは、そのバ
ルブ構造が図１に示す概略側面一部断面図のもののよう
に、バルブ部Ｖと注ぎ口Ｏが離れていても他の飲料の色
とか臭いがないため多少「たれ」がありバルブ部Ｖと注
ぎ口Ｏの通路部に雑菌の繁殖があっても、大きな問題に
はならなかった。しかし、２〜６種類と言う複数種類の
飲料を抽出する構造の場合には、図２に示す概略側面一
部断面図のようにバルブ部Ｖと注ぎ口Ｏが離れているた
め、例えば濃縮飲料（Ａ）を抽出しているときに、濃縮
飲料（Ｂ）の注ぎ口Ｏとバルブ部ＶのパイプＰのシロッ
プが希釈水または炭酸水または濃縮飲料（Ａ）のシブキ
などが流れ出てグラスＧに抽出されたものに濃縮飲料
（Ｂ）が少量混じる。濃縮飲料（Ａ）と（Ｂ）が同じ色
や同じ臭いであれば問題の対象となりにくいが、全く異
なる色とか臭いであるとすると少量の濃縮飲料（Ｂ）の
混合であっても直ちに問題となる。

【０００５】同時に、注ぎ口Ｏとバルブ部ＶのパイプＰ
は、希釈水などのシブキが混入するど濃縮飲料液が希釈
されて雑菌などが繁殖しやすい状況となる。そのため、
衛生上から問題ありと言われてきた。図１に示すもの
は、濃縮飲料１種と希釈水または炭酸水、または希釈水
と炭酸水の混合液を抽出するポストミックス飲料のコッ
クＣの液体の流路を示したものである。それらのパイプ
Ｐの注ぎ口Ｏの直下には、濃縮飲料と希釈水と炭酸水が
グラスＧに入る前によく混じるようにじょうご状のミキ
シングボールＭがついている。

【０００６】図２に示すものは、飲料２〜６種と希釈水
または炭酸水または希釈水と炭酸水の混合液を抽出する
ためのポストミックスコックＣでの液体の流路を示した
ものである。これも注ぎ口Ｏには、じょうご状のミキシ
ングボールＭがついている。上記の図１と図２のもの
は、現状の市場に出回っているポストミックス用の抽出
バルブＶを使用したものであるが、シロップ（濃縮飲
料）のシブキにより他のシロップの滴下混合で臭いとか
色とかで問題が発生したり、パイプＰの注ぎ口Ｏとかバ
ルブ部Ｖが雑菌に汚染されやすいと言う衛生上の欠陥が
指摘されている。しかし、改善された代替品がないため
に今日迄使用されてきている。

【０００７】それゆえに、ここで解決したい点は、在来
のコックＣはこれに使用するソレノイドの形状が大きす
ぎ且つドットプリンターの様に異なる角度から弁体を上
下させることが困難であったことから、コックＣの注ぎ
口Ｏとバルブ部Ｖが離れていた。したがって、それにと
もなって発生する種々のトラブルを防ぐことが必要であ
った。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明にかかる濃縮飲料
遮断・自己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサ
ーは以上の問題点に鑑みて、炭酸水と希釈水の放出の停
止遅延手段が設けられ、上記の飲料原料パイプから放出
される炭酸水と希釈水の放出の停止を上記の飲料原料パ
イプから放出される濃縮飲料の放出の停止よりも遅延さ
せ、さらにその希釈水パイプと炭酸水パイプの注ぎ口
が、上記のミキシングボールの内壁の周辺に設けられ且
つその内壁に沿って放出される方向に向いたものとし
た。また他の希釈水パイプと炭酸水パイプの注ぎ口は濃
縮飲料パイプの注ぎ口に希釈水と炭酸水がそれぞれに放
出される方向に向いたものとした。さらに、それられの
注ぎ口Ｏとバルブ部Ｖを接近させたもので、飲料の滴下
とか汚染が全く起きぬ構造としたものである。そして、
ソレノイドの小型化とドットプリンターの技術を応用し
てコンタミネーションを防ぎ、液だれを防ぐものとし
た。

【０００９】また、その請求項３と４の発明は、上記の
構成の他に、濃縮飲料パイプを複数にしたものである。

【００１０】以下に、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自
己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーの具体
的な構成を詳細に記載する。最初に、本発明の請求項１
に記載の発明の構成を説明する。これは、濃縮飲料使用
の飲料抽出ディスペンサーにおいて、その飲料抽出コッ
クが以下のごとくになっているものである。まず、飲料
抽出コックのハウジングがある。つぎに、ミキシングボ
ールと１セットの飲料原料パイプと１セットのソレノイ
ドと１セットのバルブがある。このミキシングボール
は、上記の飲料抽出コックのハウジングに設けられてい
る。上記の１セットの飲料原料パイプと１セットのソレ
ノイドと１セットのバルブは、上記の飲料抽出コックの
ハウジング内に設けられたものである。プッシュボタン
等から成る１セットの抽出制御手段がある。この抽出制
御手段は、上記の１セットのソレノイドのそれぞれをそ
れぞれに制御するものである。最後に、炭酸水と希釈水
の放出の停止遅延手段がある。この放出の停止遅延手段
は、上記の飲料原料パイプから放出される炭酸水と希釈
水の放出の停止を上記の飲料原料パイプから放出される
濃縮飲料の放出の停止よりも遅延させるものである。

【００１１】上記の１セットのバルブのそれぞれは、上
記の１セットの飲料原料パイプの先端の注ぎ口にそれぞ
れに設けられたものである。上記の１セットのソレノイ
ドのそれぞれは、上記の１セットのバルブをそれぞれに
制御するものである。上記の１セットの飲料原料パイプ
は、希釈水パイプと炭酸水パイプと飲料原液用の濃縮飲
料パイプより成っている。また、上記のミキシングボー
ルは、上記の１セットの飲料原料パイプの全ての注ぎ口
を受けるように設けられていて、これらの注ぎ口から抽
出される液体の全てをここでミックスするものである。

【００１２】また、上記の希釈水パイプと炭酸水パイプ
の注ぎ口は、上記のミキシングボールの内壁の周辺に設
けられ且つその内壁に沿って希釈水と炭酸水が放出され
る方向に、そして他方の希釈水パイプと炭酸水パイプの
注ぎ口は濃縮飲料パイプの注ぎ口に希釈水と炭酸水がそ
れぞれに放出される方向に向いたものである。

【００１３】つぎに、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自
己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーの請求
項２に記載の発明の構成を説明する。これは、以下の点
以外は上記の請求項１の発明の構成と同一である。それ
ゆえに、上記の請求項１の発明の構成の説明の全文をこ
こに引用して、以下の構成の説明をこれに追加する。す
なわち、その差異は、炭酸水拡散放液手段があることで
ある。この炭酸水拡散放液手段は、上記の１セットの飲
料原料パイプの内の炭酸水パイプの注ぎ口を受けるよう
に設けられたものである。

【００１４】さらに、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自
己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーの請求
項３に記載の発明の構成を説明する。これは、以下の点
以外は上記の請求項１の発明の構成と同一である。それ
ゆえに、上記の請求項３の発明の構成の説明の全文をこ
こに引用して、以下の構成の説明をこれに追加する。す
なわち、その濃縮飲料パイプは、複数種類特に２〜６種
類の飲料原液用の複数のパイプより成っている。

【００１５】最後に、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自
己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーの請求
項４に記載の発明の構成を説明する。これは、以下の点
以外は上記の請求項３の発明の構成と同一である。それ
ゆえに、上記の請求項３の発明の構成の説明の全文をこ
こに引用して、以下の構成の説明をこれに追加する。す
なわち、その差異は、炭酸水拡散放液手段があることで
ある。この炭酸水拡散放液手段は、上記の１セットの飲
料原料パイプの内の炭酸水パイプの注ぎ口を受けるよう
に設けられたものである。

【００１６】

【作用】本発明にかかる濃縮飲料遮断・自己洗浄型ポス
トミックス飲料抽出ディスペンサーは、以上のごとくに
構成したゆえに以下のごとき作用が生じた。最初に、本
発明の請求項１に記載の発明の作用を説明する。これ
は、濃縮飲料使用の飲料抽出ディスペンサーにおいて、
その飲料抽出コックが以下のごとくに働くものである。
まず、ミキシングボールとそれぞれ１セットづつの飲料
原料パイプとソレノイドとバルブが上記の飲料抽出コッ
クのハウジングに設けられ、１セットのプッシュボタン
等から成る抽出制御手段が上記の１セットのソレノイド
のそれぞれをそれぞれに制御する。

【００１７】上記の１セットのバルブのそれぞれは、上
記の１セットの飲料原料パイプの先端の注ぎ口にそれぞ
れに設けられていて、それぞれを開閉する。一方、上記
の１セットのソレノイドのそれぞれは、上記の１セット
のバルブのそれぞれをそれぞれに制御する。さらに、上
記の１セットの飲料原料パイプを構成する希釈水パイプ
と炭酸水パイプと濃縮飲料パイプの全ての注ぎ口は、上
記のミキシングボールが受けるように設けられていて、
これらの注ぎ口から抽出される液体の全てをここでミッ
クスする。

【００１８】最後に、放出の停止遅延手段が、上記の飲
料原料パイプから放出される炭酸水と希釈水の放出の停
止を、上記の飲料原料パイプから放出される濃縮飲料の
放出の停止よりも遅延させ、上記の希釈水パイプと炭酸
水パイプの注ぎ口が、上記のミキシングボールの内壁の
周辺に設けられ且つその内壁に沿って希釈水と炭酸水が
放出される方向に、そして他方の希釈水パイプと炭酸水
パイプの注ぎ口は濃縮飲料パイプの注ぎ口に向かってに
希釈水と炭酸水がそれぞれに放出される。

【００１９】つぎに、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自
己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーの請求
項２に記載の発明の作用を説明する。これは、以下の点
以外は上記の請求項１の発明の作用と同一ゆえに、上記
の請求項１の発明の作用の説明の全文をここに引用し、
以下の作用の説明をこれに追加する。すなわち、炭酸水
拡散放液手段が、上記の１セットの飲料原料パイプの内
の炭酸水パイプの注ぎ口を受けるように設けられてい
て、それらのパイプの注ぎ口から放出された炭酸水をミ
キシングボール内の全体に拡散させる。

【００２０】つぎに、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自
己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーの請求
項３に記載の発明の作用を説明する。これは、以下の点
以外は上記の請求項１の発明の作用と同一ゆえに、上記
の請求項１の発明の作用の説明の全文をここに引用し、
以下の作用の説明をこれに追加する。すなわち、濃縮飲
料パイプが複数種類特に２〜６種類の飲料原液用の複数
のパイプより成り、複数の飲料原液を任意に供給する。
そして、上記の１セットのバルブのそれぞれは、上記の
１セットの飲料原料パイプのそれぞれの注ぎ口にそれぞ
れに設けられていて、これらの注ぎ口のところでそれぞ
れを開閉する。

【００２１】最後に、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自
己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーの請求
項４に記載の発明の作用を説明する。これは、以下の点
以外は上記の請求項３の発明の作用と同一ゆえに、上記
の請求項３の発明の作用の説明の全文をここに引用し、
以下の作用の説明をこれに追加する。すなわち、炭酸水
拡散放液手段が、上記の１セットの飲料原料パイプの内
の炭酸水パイプの注ぎ口を受けるように設けられてい
て、それらのパイプの注ぎ口から放出された炭酸水をミ
キシングボール内の全体に拡散させる。

【００２２】

【実施例】以下に、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自己
洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーをその一
実施例を用いて添付の図面と共に詳細に述べる。図３
は、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自己洗浄型ポストミ
ックス飲料抽出ディスペンサーの請求項１の発明の一実
施例の飲料抽出コック部分の概略の一部省略側面断面図
を示したもので、前方の希釈水パイプを省略したもので
ある。図４は、図３のものの飲料抽出コック部分の底面
図である。図５は、本発明にかかる濃縮飲料遮断・自己
洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーの別の請
求項の発明の一実施例の飲料抽出コック部分の概略側面
一部断面図を示したものである。図７は、図６のものの
グラス以外の部分を飲料抽出コックのハウジングに収納
した状態を示した概略側面断面図である。図８は、図７
のものの各パイプの配置を表した底面図である。

【００２３】これはまず、濃縮飲料使用の飲料抽出ディ
スペンサーＤ（図１０参照）において、その飲料抽出コ
ックＣ（図３，４参照）が以下のごとくになっているも
のである。これはまず、飲料抽出コックＣのハウジング
Ｈがある。つぎに、ミキシングボールＭと、１セットの
飲料原料パイプＰと、１セットのソレノイドＳと、１セ
ットのバルブＶがある。このミキシングボールＭは、上
記の飲料抽出コックＣのハウジングＨに設けられてい
る。そして、上記のそれぞれ１セットの飲料原料パイプ
Ｐと１セットのソレノイドＳと１セットのバルブＶは、
上記の飲料抽出コックＣのハウジングＨ内に設けられた
ものである。さらに、１セットのプッシュボタンＢから
成る抽出制御手段がある。この１セットのプッシュボタ
ンＢは、上記の１セットのソレノイドＳのそれぞれをそ
れぞれに制御し、飲料原料を飲料水で希釈するかあるい
は炭酸水で希釈する等してその飲料抽出コックＣから任
意の飲料を抽出させるものである。

【００２４】そして、上記の１セットのバルブＶのそれ
ぞれは、図示のごとくに上記の１セットの飲料原料パイ
プＰの先端の注ぎ口にそれぞれ設けられている。なお、
請求項３と４の発明の実施例においては、上記の１セッ
トのバルブＶのそれぞれは、上記の１セットの飲料原料
パイプＰのそれぞれの注ぎ口Ｏにそれぞれに設けられた
ものである。そして、これらのバルブＶは、それらの注
ぎ口Ｏの内外のどちらに設けてもよい。一方、請求項１
と２の発明の実施例においては、上記の１セットのバル
ブＶのそれぞれは、上記の１セットの飲料原料パイプＰ
のそれぞれの注ぎ口Ｏにそれぞれに設けられたものでな
くてもよい（図１や図２に示すごとくにそれらの飲料原
料パイプＰの途中とか付け根あるいは付け根にに近い箇
所に設けてもよい）が、それらの注ぎ口Ｏの箇所に設け
た方がより衛生的である。

【００２５】そして、上記の１セットのソレノイドＳの
それぞれは、上記のプッシュボタンＢの制御により上記
の１セットのバルブＶのそれぞれの開閉をそれぞれに制
御するものである。さらに、上記の１セットの飲料原料
パイプＰは、請求項１と２の発明の実施例においては、
希釈水パイプＷＰと炭酸水パイプＣＰと１種類の濃縮飲
料を扱うのみの１本の濃縮飲料パイプＮＰより成したも
のである。しかして、請求項３と４の各発明の実施例に
おいてはこの濃縮飲料パイプＮＰは、複数種類特に２〜
６種類の飲料原液供給用の複数の濃縮飲料パイプＮＰよ
り成したものである。また、上記のミキシングボールＭ
は、上記の１セットの飲料原料パイプＰの全ての注ぎ口
Ｏの直下に設けられていて、これらの注ぎ口Ｏから抽出
される液体の全てをミックスするものである。斯様にし
て、グラスＧに希釈した飲料を注ぐのである。

【００２６】ここで、タイマーＴ等からなる炭酸水と希
釈水の放出の停止遅延手段がある。このタイマーＴは、
上記の飲料原料パイプＰから放出される炭酸水と希釈水
の放出の停止を、上記の飲料原料パイプＰから放出され
る濃縮飲料の放出の停止よりも遅延させることによっ
て、その濃縮飲料を洗い流すものである。また、上記の
希釈水パイプＷＰと炭酸水パイプＣＰの注ぎ口Ｏは、上
記のミキシングボールＭの内壁の周辺に設けられもので
あって、且つ図４に記すごとくにその内壁に沿って希釈
水と炭酸水がそれぞれに放出される方向に向けられてい
る。この様子を、図３に希釈水パイプＷＰの注ぎ口Ｏが
手前に向いて開口している状態で示した。さらに、他に
も希釈水パイプＷＰと炭酸水パイプＣＰがあり、それら
の注ぎ口Ｏは、濃縮飲料パイプの注ぎ口に希釈水と炭酸
水がそれぞれに放出される方向に向いている。

【００２７】そして、その濃縮飲料パイプＮＰの注ぎ口
Ｏは、上記のミキシングボールＭの中程に位置されてい
る。この濃縮飲料パイプＮＰの注ぎ口Ｏは、上記のミキ
シングボールＭの中程に位置されなくてもよい。なお、
図３と図４で示した矢印が、希釈水と炭酸水の放出方向
を示している。また、図３と４はその濃縮飲料パイプＮ
Ｐが１本のみしかあらわしていないが、その請求項３と
４の場合にはこれを復数にしてみればよい。

【００２８】これにより、濃縮飲料の抽出時間より、希
釈水とか炭酸水の抽出時間を長くなるので、濃縮飲料の
抽出が完了したのちもその濃縮飲料パイプＮＰの注ぎ口
Ｏを希釈水とか炭酸水を洗浄を兼ねて約０．０１〜０．
５秒長く抽出させることになる。このように、希釈水と
か炭酸水の抽出時間を長くすることにより、その濃縮飲
料パイプＮＰの注ぎ口ＯとかバルブＶの内部に付着また
は飛散した濃縮飲料の微細な飛沫なども全て洗い流すこ
とになる。それで、その濃縮飲料パイプＮＰの注ぎ口Ｏ
やバルブＶの部分を常に清潔に保つと同時に、濃縮飲料
の臭、色などが極微量でもその濃縮飲料パイプＮＰの注
ぎ口ＯやバルブＶの内部に残存して、次の濃縮飲料へ悪
影響を及ぼすことのないようにする。

【００２９】また、濃縮飲料と希釈水との混合をよくす
るためと、濃縮飲料と炭酸水が混合したときに炭酸水に
含まれる炭酸ガスが遊離しにくい様に、炭酸水パイプＣ
Ｐと希釈水パイプＷＰの注ぎ口Ｏをその濃縮飲料パイプ
ＮＰの注ぎ口Ｏの円周の接線方向に配置することにす
る。これにより二液が整流となりつつ混合し、炭酸ガス
の分離を少なくすることが可能となる。さらに、この炭
酸ガスパイプＣＰの注ぎ口Ｏの形状をラッパ状にテーパ
ーをつけて広げ、その中心にその広がり状態に会わせた
もので１〜２まわり程度小さな円錐状のコーンを設ける
とその炭酸水の放出がやわらかくなり、その炭酸ガスの
分離が少なくなる。

【００３０】そして、請求項２と４の発明の実施例にお
いては図７に示すごとくに、希釈水や炭酸水の拡散放液
手段ＳＰをその希釈水パイプＷＰや炭酸水パイプＣＰの
それぞれの注ぎ口Ｏの直下に設け、図７の点線矢印で示
すように、放出される希釈水や炭酸水をそのミキシング
ボールＭ内に拡散させて、ミキシングボールＭ内の飲料
原液を流すようにするとよい。同様にして、図７と８に
示すごとくに、上記の希釈水パイプＷＰの注ぎ口Ｏを複
数にし、希釈水が渦巻状に拡散放出されるようにして飲
料原液を流すようにするとよい。さらに、上記の１セッ
トの飲料原料パイプＰの内の希釈水パイプＷＰと炭酸水
パイプＣＰの注ぎ口Ｏをさらに増やし、その効率を上げ
るとよい。

【００３１】しかして、上記のバルブＶは、ＢＩＢ飲料
（飲料入りの袋が段ボール箱に収納されている飲料）の
ような無菌充填をして、腐敗し易い飲料液ではなく、例
えばコカコーラ、スプライト、ハイシー、（すべて商
標）など３ガロンまたは５ガロン等のリターナブル容器
に入った濃縮飲料を抽出するものである。なお、上記の
ソレノイドＳとバルブ部Ｖとは、ワープロのドットプリ
ンターなどに使用されているワイヤーと同類のものを使
用し、シール面ＳＬは今日使用されているテフロンなど
を使用する。そして、圧力は、希釈水と炭酸水は約７ｋ
ｇ／ｃｍ^２位で、６種類の飲料（Ａ）〜（Ｆ）は、約３
ｋｇ／ｃｍ^２位である。さらに、上述したごとくに、希
釈水または炭酸水は外周部から抽出させ、飲料（Ａ）〜
（Ｆ）は中心部から抽出させミキシングボールＭで混合
する方法が一般的である。

【００３２】なお、以上に説明の実施例と図面は、各種
の組合せが可能であって、それらの個々の具体的な実施
例は敢えて説明するまでもない。

【００３３】

【発明の効果】本発明にかかる濃縮飲料遮断・自己洗浄
型ポストミックス飲料抽出ディスペンサーは以上のごと
くになしたゆえに、以下のごとき多大な効果が生じた。
すなわち、濃縮飲料の抽出が完了したのちも濃縮飲料パ
イプの注ぎ口やバルブ部全体を希釈水とか炭酸水で洗浄
できるようになった。したがって、濃縮飲料パイプのバ
ルブや注ぎ口の残存濃縮飲料を除去しそこでの腐敗を防
げた。また、濃縮飲料パイプのバルブは、その濃縮飲料
パイプの先端の注ぎ口に設けられている故に、その濃縮
飲料パイプ内の濃縮飲料は空気に触れることがない。し
たがって、その濃縮飲料の腐敗が防げると言う非常に大
きな効果が生じた。

【００３４】また、請求項２と４の発明においては、拡
散放液手段が希釈水や炭酸水をそのミキシングボールの
中に拡散するので、そのミキシングボール内の濃縮飲料
を洗い流すと同時にそのミキシング効果が一段と上がっ
た。

【００３５】その上に、請求項３と４の発明において
は、以下のごとくの効果が生じた。すなわち、バルブ内
部に付着または飛散した濃縮飲料の微細な飛沫なども全
て洗い流すことにより、バルブ部分を常に清潔に保つと
同時に、濃縮飲料の臭、色などが極微量でもバルブ内部
に残存し、次の濃縮飲料へ悪影響を及ぼさぬようにする
ことができた。さらに、希釈水または炭酸水の出口を水
出口接線方向に配置することにより二液が整流となりつ
つ混合し、炭酸ガスの分離を少なくすることが可能であ
る。

【００３６】そして、複数のパイプの注ぎ口とバルブ部
が一体化され、水とか炭酸水とか飲料（Ａ）の抽出中に
他種類の飲料（Ｂ）の滴が滴下したり、他のパイプの注
ぎ口を汚染したりすることが全くなくなっている。さら
には、従来の飲料ディスペンサーでは、図９に示す正面
図のごとくに飲料の種類分だけの飲料抽出コックＣを用
意しなければならなかった。これに対して、本願発明に
おいては、マルチ飲料バルブを使用することにより、飲
料の種類分だけの飲料抽出コックＣを用意する必要はな
い。したがって、図１０に示す正面図のごとくに、１台
の飲料ディスペンサーには１個の飲料抽出コックＣを用
意するだけで済む。そのため、飲料ディスペンサーの幅
を小型化することが出来るので設置面積を大きくとらな
いものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の単独飲料ポストミックス飲料抽出ディス
ペンサーの一実施例の飲料抽出コック部分の概略側面一
部断面図を示したものである。

【図２】従来のマルチ飲料バルブポストミックス飲料抽
出ディスペンサーの一実施例の飲料抽出コック部分の概
略側面一部断面図を示したものである。

【図３】本発明にかかる濃縮飲料遮断・自己洗浄型ポス
トミックス飲料抽出ディスペンサーの請求項１の発明の
一実施例の概略の飲料抽出コック部分の一部省略側面断
面図をグラスと共に示したものであって、前方の希釈水
パイプを省略したものである。

【図４】図３のものの飲料抽出コック部分の底面図であ
る。

【図５】本発明に関連の単独飲料のポストミックス飲料
抽出ディスペンサーの一実施例の飲料抽出コック部分の
概略側面一部断面図を示したものである。

【図６】本発明にかかる濃縮飲料遮断・自己洗浄型ポス
トミックス飲料抽出ディスペンサーの一実施例の飲料抽
出コック部分の概略側面一部断面図を示したものであ
る。

【図７】図６のもののグラス以外の部分を飲料抽出コッ
クのハウジングに収納した状態を示した概略側面断面図
である。

【図８】図７のものの各パイプの配置を表した底面図で
ある。

【図９】マルチ飲料バルブを使用しない場合の飲料ディ
スペンサーの正面図を示したものである。

【図１０】マルチ飲料バルブを使用した場合の飲料ディ
スペンサーの一実施例の正面図を示したものである。

【符号の説明】

ＢプッシュボタンＣ飲料抽出コックＤ飲料抽出ディスペンサーＨ飲料抽出コックのハウジングＭミキシングボールＯ注ぎ口Ｐ飲料原料パイプＳソレノイドＶバルブＣＰ炭酸水パイプＮＰ濃縮飲料パイプＳＰ拡散放液手段ＷＰ希釈水パイプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者早川浩東京都千代田区神田東松下町11番地早川産機株式会社内 (56)参考文献特開昭62−271892（ＪＰ，Ａ) 特開昭59−93692（ＪＰ，Ａ) 特開昭59−93694（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B67D 1/00 B67D 1/04 B67D 1/07

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】濃縮飲料使用の飲料抽出ディスペンサーに
おいて、飲料抽出コックのハウジング、該飲料抽出コッ
クのハウジングに設けられたミキシングボール、上記の
飲料抽出コックのハウジング内に設けられた１セットの
飲料原料パイプと１セットのソレノイドと１セットのバ
ルブ、上記の１セットのソレノイドをそれぞれに制御す
る１セットの抽出制御手段、上記の飲料原料パイプから
放出される炭酸水と希釈水の放出の停止を上記の飲料原
料パイプから放出される濃縮飲料の放出の停止よりも遅
延させる放出の停止遅延手段、より構成される飲料抽出
コックを有することを特徴とした濃縮飲料遮断・自己洗
浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサー。上記の１
セットのバルブのそれぞれは、上記の１セットの飲料原
料パイプの先端の注ぎ口にそれぞれに設けられたもので
ある。上記の１セットのソレノイドのそれぞれは、上記
の１セットのバルブをそれぞれに制御するものである。
上記の１セットの飲料原料パイプは、希釈水パイプと炭
酸水パイプと飲料原液用の濃縮飲料パイプより成ってい
る。上記のミキシングボールは、上記の１セットの飲料
原料パイプの全ての注ぎ口を受けるように設けられてい
て、これらの注ぎ口から抽出される液体（含む粘液、以
下同じ）の全てをミックスするものである。上記の希釈
水パイプと炭酸水パイプの注ぎ口は、上記のミキシング
ボールの内壁の周辺に設けられ且つその内壁に沿って希
釈水と炭酸水が放出される方向に、そして他方の希釈水
パイプと炭酸水パイプの注ぎ口は濃縮飲料パイプの注ぎ
口に希釈水と炭酸水がそれぞれに放出される方向に向い
たものである。
【請求項２】濃縮飲料使用の飲料抽出ディスペンサーに
おいて、飲料抽出コックのハウジング、該飲料抽出コッ
クのハウジングに設けられたミキシングボール、この請
求項の上記の飲料抽出コックのハウジング内に設けられ
た１セットの飲料原料パイプと１セットのソレノイドと
１セットのバルブ、この請求項の上記の１セットのソレ
ノイドをそれぞれに制御する１セットの抽出制御手段、
この請求項の上記の１セットの飲料原料パイプの内の炭
酸水パイプの注ぎ口を受けるように設けられた炭酸水拡
散放液手段、この請求項の上記の飲料原料パイプから放
出される炭酸水と希釈水の放出の停止をこの請求項の上
記の飲料原料パイプから放出される濃縮飲料の放出の停
止よりも遅延させる放出の停止遅延手段、より構成され
る飲料抽出コックを有することを特徴とした濃縮飲料遮
断・自己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサ
ー。この請求項の上記の１セットのバルブのそれぞれ
は、この請求項の上記の１セットの飲料原料パイプの先
端の注ぎ口にそれぞれに設けられたものである。この請
求項の上記の１セットのソレノイドのそれぞれは、この
請求項の上記の１セットのバルブをそれぞれに制御する
ものである。この請求項の上記の１セットの飲料原料パ
イプは、希釈水パイプと炭酸水パイプと飲料原液用の濃
縮飲料パイプより成っている。この請求項の上記のミキ
シングボールは、この請求項の上記の１セットの飲料原
料パイプの全ての注ぎ口を受けるように設けられてい
て、これらの注ぎ口から抽出される液体の全てをミック
スするものである。この請求項の上記の希釈水パイプと
炭酸水パイプの注ぎ口は、この請求項の上記のミキシン
グボールの内壁の周辺に設けられ且つその内壁に沿って
希釈水と炭酸水が放出される方向に、そして他方の希釈
水パイプと炭酸水パイプの注ぎ口は濃縮飲料パイプの注
ぎ口に希釈水と炭酸水がそれぞれに放出される方向に向
いたものである。
【請求項３】濃縮飲料使用の飲料抽出ディスペンサーに
おいて、飲料抽出コックのハウジング、該飲料抽出コッ
クのハウジングに設けられたミキシングボール、この請
求項の上記の飲料抽出コックのハウジング内に設けられ
た１セットの飲料原料パイプと１セットのソレノイドと
１セットのバルブ、この請求項の上記の１セットのソレ
ノイドをそれぞれに制御する１セットの抽出制御手段、
この請求項の上記の飲料原料パイプから放出される炭酸
水と希釈水の放出の停止をこの請求項の上記の飲料原料
パイプから放出される濃縮飲料の放出の停止よりも遅延
させる放出の停止遅延手段、より構成される飲料抽出コ
ックを有することを特徴とした濃縮飲料遮断・自己洗浄
型ポストミックス飲料抽出ディスペンサー。この請求項
の上記の１セットのバルブのそれぞれは、この請求項の
上記の１セットの飲料原料パイプのそれぞれの注ぎ口に
それぞれに設けられたものである。この請求項の上記の
１セットのバルブのそれぞれは、この請求項の上記の１
セットの飲料原料パイプのそれぞれの注ぎ口にそれぞれ
に設けられたものである。そして、この請求項の上記の
１セットのソレノイドのそれぞれは、この請求項の上記
の１セットのバルブをそれぞれに制御するものである。
この請求項の上記の１セットの飲料原料パイプは、希釈
水パイプと炭酸水パイプと複数種類特に２〜６種類の飲
料原液用の複数の濃縮飲料パイプより成っている。この
請求項の上記のミキシングボールは、この請求項の上記
の１セットの飲料原料パイプの全ての注ぎ口を受けるよ
うに設けられていて、これらの注ぎ口から抽出される液
体の全てをミックスするものである。この請求項の上記
の希釈水パイプと炭酸水パイプの注ぎ口は、この請求項
の上記のミキシングボールの内壁の周辺に設けられ且つ
その内壁に沿って希釈水と炭酸水が放出される方向に、
そして他方の希釈水パイプと炭酸水パイプの注ぎ口は濃
縮飲料パイプの注ぎ口に希釈水と炭酸水がそれぞれに放
出される方向に向いたものである。
【請求項４】濃縮飲料使用の飲料抽出ディスペンサーに
おいて、飲料抽出コックのハウジング、該飲料抽出コッ
クのハウジングに設けられたミキシングボール、この請
求項の上記の飲料抽出コックのハウジング内に設けられ
た１セットの飲料原料パイプと１セットのソレノイドと
１セットのバルブ、この請求項の上記の１セットのソレ
ノイドをそれぞれに制御する１セットの抽出制御手段、
この請求項の上記の１セットの飲料原料パイプの内の炭
酸水パイプの注ぎ口を受けるように設けられた炭酸水拡
散放液手段、この請求項の上記の飲料原料パイプから放
出される炭酸水と希釈水の放出の停止をこの請求項の上
記の飲料原料パイプから放出される濃縮飲料の放出の停
止よりも遅延させる放出の停止遅延手段、より構成され
る飲料抽出コックを有することを特徴とした濃縮飲料遮
断・自己洗浄型ポストミックス飲料抽出ディスペンサ
ー。この請求項の上記の１セットのバルブのそれぞれ
は、この請求項の上記の１セットの飲料原料パイプのそ
れぞれの注ぎ口にそれぞれに設けられたものである。そ
して、この請求項の上記の１セットのソレノイドのそれ
ぞれは、この請求項の上記の１セットのバルブをそれぞ
れに制御するものである。この請求項の上記の１セット
の飲料原料パイプは、希釈水パイプと炭酸水パイプと複
数種類特に２〜６種類の飲料原液用の複数の濃縮飲料パ
イプより成っている。この請求項の上記のミキシングボ
ールは、この請求項の上記の１セットの飲料原料パイプ
の全ての注ぎ口を受けるように設けられていて、これら
の注ぎ口から抽出される液体の全てをミックスするもの
である。この請求項の上記の希釈水パイプと炭酸水パイ
プの注ぎ口は、この請求項の上記のミキシングボールの
内壁の周辺に設けられ且つその内壁に沿って希釈水と炭
酸水が放出される方向に、そして他方の希釈水パイプと
炭酸水パイプの注ぎ口は濃縮飲料パイプの注ぎ口に希釈
水と炭酸水がそれぞれに放出される方向に向いたもので
ある。