JP3030567B2 - ターボ機械装置 - Google Patents

ターボ機械装置

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JP3030567B2
JP3030567B2 JP5501739A JP50173993A JP3030567B2 JP 3030567 B2 JP3030567 B2 JP 3030567B2 JP 5501739 A JP5501739 A JP 5501739A JP 50173993 A JP50173993 A JP 50173993A JP 3030567 B2 JP3030567 B2 JP 3030567B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はターボ機械装置に関し、特に部分流量時運転
下において発生する右上がり揚程特性を防止、あるいは
その発生を小流量側に移動せしめターボ機構の不安定性
を改善するターボ機械装置に関するものである。
背景技術 第3図(a)及び(c)は従来のターボ機械の入口近
傍を示す断面図で、第3図(a)は前面側板の無いオー
プン羽根車を有する場合、第3図(c)は前面側板のあ
るクローズ羽根車を有する場合のターボ機械装置の羽根
車まわりを示している。第3図(b)及び(d)は、そ
れぞれの羽根車のC-C及びD-D断面図を示す。図示するよ
うに、ケーシング3の内部で羽根車1が回転軸2を中心
として回転することにより、流体が吸い込み口(図示せ
ず)からケーシング3内に吸い込まれ、吐き出し口(図
示せず)から吐き出されるようになっている。
従来のこの種のターボ機械では、翼面上やケーシング
上、或いはシュラウド上の不安定な高損失流体、即ち低
運動量流体が原因となって流れの大規模な剥離が発生
し、その結果部分流量域で第6図の破線9で示すような
右上がり勾配を持つ揚程曲線が生じる。こうした揚程曲
線の右上がり特性は失速現象とも呼ばれ、ターボ機械配
管系の自励振動であるサージングを誘起する恐れがあ
り、振動、騒音、装置破損の原因となるなどターボ機械
の安定運転上著しく不都合である。
こうした問題を改善する手段は、ターボ機械外部から
のエネルギー供給を伴わない受動的手段と外部からの何
らかのエネルギーを供給する能動的手段に大別できる。
受動的手段としては、ケーシング内壁にケーシングト
リートメントと呼ばれる溝を設ける手段や羽根車入口部
のケーシング内部に整流フィン付き環状流路を設ける手
段が知られている(日本機械学会関西支部第181回講習
会教材P45〜P56)が、部分流量時の改善効果を高めよう
とすると正規運転時の効率低下が過大となる欠点があ
る。
また、部分流量時に吐き出し側から入口側に向かって
流体をバイパスする手段が広く用いられているが、これ
はターボ機械内を流れる実質的な流量を増大する手段
で、必然的にターボ機械の揚程が大幅に低下し且つバイ
パスを通じて大量の流体が還流するため多くの動力が浪
費されるという欠点がある。
一方、従来の能動的手段は全て下記の4種類に大別で
きる。
(1)翼面上やケーシング上、或いはシュラウド上の低
運動量流体に外部からエネルギーを供給する手段、 (2)これら低運動量流体を除去する手段、 (3)ケーシング近傍の入口流れに羽根車回転方向の予
旋回を与えて翼の失速を防ぐ手段、 (4)失速前に現われる流れ場の微弱な不安定波動を打
ち消すような波動を外部から強制的に加える手段。
手段(1)の例としては、特開昭55-35173号公報に、
圧縮機のサージマージン拡大法として、羽根車のチップ
部位及び/又は翼間に、高圧側の流体の一部を導入し、
高速度噴流にして噴射する手段が示されている。噴流の
方向としては、半径方向、羽根車回転方向、羽根車反回
転方向のいずれの方向でも同等に効果的であるとしてい
る。この時の噴流の作用としては、翼面上の不安定な低
運動量流体にエネルギーを供給し、境界層の剥離を防止
することであるから、噴射方向については特に特定する
必要がない。
その外の公知例としては、特開昭45-14921号公報に、
遠心圧縮機の吐き出し側から高圧空気を取り出し、羽根
車後半部のケーシングに設けたノズルから噴出し、部分
流量時の運転を安定化する手段が示されている。ここで
の噴流の作用としては、羽根後方側(翼負圧面側)の低
圧部への圧力供給を行なうタービン効果と、羽根車出口
の有効流路幅をせばめるジェットフラップ効果がある。
従って噴流は羽根車回転方向の周方向速度成分を有し且
つケーシング壁面に直角方向の速度成分を有する必要が
ある。
手段(2)の例としては、特開昭39-13700号公報に、
軸流圧縮機の高圧段側から低圧段側へ流体を還流し、高
圧段側でケーシング壁に沿って存在する境界層内部の低
運動量流体を吸い取り流れを安定化する手段が開示され
ている。ここでは、低圧段にて還流流体が噴流として壁
面近傍の流体に運動量の供給を行なうことにより上記手
段(1)の作用も持たせている。
手段(3)の例としては、特開昭56-167813号公報
に、ターボチャージャのサージング防止装置として、羽
根入口部において回転接線方向に向いた開口部から空気
を吹き込む装置が開示されている。この吹き込む空気の
作用としては、流れに予旋回を与えて翼に対する流れの
迎え角を小さくして翼面上での剥離を防止することであ
る旨が記述されており、従って空気の吹き出し方向は、
羽根車の回転方向と同一で接線方向に特定される。この
手段では、より部分流量域まで失速を防止するには羽根
高さの比較的広い範囲において予旋回を与える必要があ
り、必然的に揚程の低下を伴うという欠点がある。
手段(4)の例としては、英国特許公告公報(UK Pat
ent Application GB 2191606A)に、流れ場の不安定な
変動波形を計測しつつ波動の振幅、位相、周波数等を分
析し、振動翼、振動壁、間欠噴流等をアクチュエータと
して使用して、上記不安定波動を打ち消すような波動を
流体に対して能動的に与え、旋回失速、サージング、圧
力脈動等を防止する手段が示されている。この手段で
は、失速やサージングの前兆現象である不安定波動の存
在を前提としており、こうした波動が存在しないターボ
機械には適用できないという欠点がある。
本特許出願の発明者がこの種のターボ機械に対し詳細
な研究を行なった結果、右上がり特性の発生(失速の発
生)を左右しているのは単に流体の損失の大きさではな
く、こうした高損失流体すなわち低運動量流体の羽根車
内部での分布状態に起因するという新事実が明らかにな
った。羽根車内部で発生した高損失流体は、羽根車内部
の2次流れによって翼面とケーシング間(あるいはシュ
ラウド間)のコーナー部に集積する。比較的強い流路渦
31が生じる斜流形のターボ機械では、上記高損失流体は
翼負圧面寄りのコーナー部33に集積するのに対し、流路
渦が弱く、これに対向する翼先端もれ渦30が支配的な軸
流形ターボ機械では翼圧力面側のコーナー部39に高損失
流体が集積しやすい{第3図(a),(b),(c),
(d)参照}。いずれのターボ機械においても、こうし
たコーナー領域で流れの大規模な剥離が生じて右上がり
特性の発生が誘起される。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、羽根車内
部の2次流れを制御することによって流路内での高損失
流体の分布状態だけを変化させ、上記コーナー部への高
損失流体の集積を抑制し、ターボ機械揚程曲線の右上が
り特性の発生を防止し、ひいてはサージングの発生をも
抑止することのできる上記公知例のものとは根本的に相
違するターボ機械装置を提供することを目的とする。
発明の開示 本発明は、第1図に示すようにケーシング3内を回転
する側板付きあるいは側板無し羽根車1を具備するター
ボ機械において、羽根車入口流れにほぼ直交し且つケー
シング3の内壁に沿って周方向に流れる環状流動層を形
成する手段(ノズル4)を設け、ターボ機械の揚程曲線
が右上がり不安定特性を示す流量範囲で不安定特性の発
生あるいはその前兆を検知し、前記環状流動層を連続的
または断続的に流れ場に形成し、羽根車内部の2次流れ
の制御を行なうことを特徴とする。
上記環状流動層は、ケーシング内壁面のごく近傍に限
定された環境領域内を、入口流れより早い速度で周方向
に流動する壁噴流層により構成されており、その入口流
れとの境界において流速が不連続的に変化し、入口流れ
の主流に対して実質的な影響を及すことのないことを特
徴とする。
また、環状流動層の旋回方向は、羽根車内部の流動状
態(2次流れパターン)に応じて、羽根車の回転方向α
と逆方向或いは同一方向とすることを特徴とする。
また、流れ場に上記環状流動層36を形成する具体的手
段としては、羽根車入口部のケーシング内壁よりも内側
に吹き出し口(ノズル4)を設け、ケーシング3の内壁
に沿って噴流を吹き出す手段を用い、入口流れ6と環状
流動層36との境界において渦層を発生させることを特徴
としている。
本発明は上記のように、ターボ機械の揚程曲線が右上
がり不安定特性を示す流量範囲近傍で、ケーシング内壁
面に沿って流れる環状流動層を形成する手段を設け、上
記2次流れのフローパターンを変化させ、上記コーナー
部への高損失流体の集積を抑制し、羽根車内部での大規
模な剥離の発生を抑止することにより揚程曲線の右上が
り特性を回避または改善し、ひいてはサージングの発生
を防止し全流量範囲で安定したターボ機械の運転を可能
にするものである。上記の点を更に詳述すると下記の通
りである。
本発明では環状流動層を形成する具体的手段として、
羽根車入口部において噴流を用い、入口流れと環状流動
層との境界において渦層を発生させている。この時、噴
流がケーシング内壁面から離れる方向に噴出されると、
後述するように噴流層の両側に相異なる2種類の回転方
向を有する渦層が発生し、いずれか一方の渦層は悪影響
のある2次流れを助長するため、これを確実に回避し流
動層がケーシング内壁面に沿って形成されるように、ノ
ズル吹き出し口はケーシング内壁面よりも内側に設け、
噴流を壁面に沿って吹き出すことを特徴とする。
不安定な流れに対するエネルギー供給を用いる上記能
動的手段(1)の改善効果は、噴流により流れ場に供給
される総エネルギー(噴流の運動エネルギー×噴流流
量)に依存し、噴流速度の3乗に比例すると考えられ
る。
これに対して本発明は渦層の導入により改善を計るも
ので、その効果は渦層の強さ、即ち後述するように噴流
速度の1乗に比例することが実験的に確認されており、
上記能動的手段(1)の作用とは明確な差異が認められ
る。
また、本発明は上記渦層を最も効果的に作り出すため
に、噴流は入口流れにほぼ直交し且つケーシング内壁に
沿って周方向に吹き出すなど、噴流の吹き出し方向が特
定される点において上記能動的手段(1)と異なる。
公知例の中には、第20図に例示するようなケーシング
3を貫通するノズル41を使用し、ケーシング3の内壁面
に対してある角度(ε)をもって噴流を吹き込む図面が
記載されているものがある。この場合噴流は、第20図に
示すようにケーシング内壁面から離れる方向に吹き出さ
れる。
本発明では後述するように、羽根車内部の2次流れの
フローパターンに応じて、ケーシング3の内壁に沿って
羽根車1の回転方向或いは反回転方向に流れる流動層を
形成し{第1図(b)}、その速度の不連続面において
第16図に示すように特定の回転方向を有する渦層を発生
させる。これに対し、第20図に示す公知例の噴流におい
ては、羽根車回転方向と反回転方向の渦層42,43が噴流
の両側面において同時に発生するため、いずれか一方の
渦層は必然的に流れ場を悪化させる二次流れを助長する
ように作用し、本発明のような効果は期待できない。
また、第20図のようなケーシング3の内壁面に沿わな
い噴流は、入口流れ6を乱し、さらに羽根入口部の翼に
対する流れの迎え角を増大せしめ流れの剥離を誘起する
こともあるなど、上記公知例の手段によれば性能が逆に
悪化する場合がある。
能動的手段(2)では、低運動量流体自体を取り除く
のに対し、本発明はその流路内での分布だけを制御して
いる。
能動的手段(3)では入口流れに羽根車回転方向の予
旋回を与える。しかしがら、本発明では、強い流路渦を
生じる斜流形のターボ機械に対しては、羽根車回転方向
と逆方向に旋回する環状流動層を形成し、羽根車反回転
方向の渦層を発生させなければ右上がり特性を改善する
ことができない。
本発明において試みに羽根車回転方向に流れる環状流
動層を形成し羽根車回転方向成分を有する渦層を導入し
たところ、右上がり特性や失速特性が大幅に悪化した。
一方、流路渦が弱い軸流形のターボ機械においては、
斜流形とは逆方向に旋回する環状流動層を形成し、羽根
車回転方向の渦層を発生させなければ右上がり特性が改
善されない。従って、本発明では羽根車内部の流動状態
に応じて反回転方向或いは回転方向に流れる環状流動層
を形成することが要点で、羽根車回転方向の予旋回を特
定する従来の能動的手段と際立った差異がある。
また、本発明では、ケーシング内壁に沿ってごく薄い
環状流動層を形成すれば十分な効果が得られるので、従
来手段のように予旋回に起因する揚程低下を生じること
はない。
また、能動的手段(4)では、先に述べたように不安
定波動の存在を前提としているのに対して、本発明では
こうした波動の存在を必要としない。一般的なターボ機
械では、右上がり特性や失速発生の前兆現象としての変
動波形を有さない場合が多いが、こうした場合にも本発
明は有効であるという特徴をもっている。
上記のように本発明は上記従来技術で述べた能動的手
段(1)乃至(4)のいずれの技術的思想とも明確に異
なった第5番目の能動的手段である。また、本発明も他
の能動的手段と同様、正規運転時でのターボ機械効率を
損なうことなく部分流量時での特性を改善できるという
特色を有しており、従来の受動的手段よりも優れてい
る。
従来の斜流形ターボ機械において、羽根車1内部では
第3図(b)及び(d)に示すような現象が生じてい
る。即ち、第3図(b)の側板無しのオープン羽根車で
は、羽根車1の先端とケーシング3の隙間を通る翼先端
漏れ渦30は、羽根圧力面から負圧面へと向かう流路渦31
と干渉し、羽根車1内部の高損失流体はこれらの干渉域
32に集積する。流量が減少するにつれ羽根車1の羽根先
端とケーシング3の隙間を通り上流側へ逆流する隙間流
れ7が強まり、これと入口流れ6との干渉によりケーシ
ング3上の入口境界層(高損失領域)の厚さが増大し、
この結果流路渦31が発達する。
第4図及び第5図は、この時の状況を3次元粘性流れ
の数値解析によりシミュレートした結果を示す図で、羽
根車1の羽根先端とケーシング3間の隙間流れ7がケー
シング3の近傍で逆流7'を引き起こし(第4図参照)、
このためケーシング3上の境界層(高損失領域)が同領
域で急速に発達している様子が第5図において観察でき
る(第5図のB部分参照)。なお、第4図においてLEは
羽根前線を示す。こうした隙間流れ7は流量が減少し翼
の表裏間の圧力差が増大するにつれ強くなり、その結果
発達する流路渦31の作用で高損失流体32は翼負圧面とケ
ーシング3間のコーナー部33へと移動し、大規模なコー
ナー剥離を生じやすいフローパターンとなる。
第3図(d)の側板付きのクローズ羽根車では、流路
渦31に対抗する翼先端漏れ渦30が存在しないため、シュ
ラウド35上の高損失流体はもともと翼負圧面とシュラウ
ド35間のコーナー部33に位置しており、オープン羽根車
の場合よりも大流量において大規模なコーナー剥離を生
じやすいフローパターンとなっている。
一方、従来の軸流形ターボ機械においては、第19図に
示すような現象が生じている。即ち、軸流形ターボ機械
では流れが主として回転軸にほぼ並行して流れるため、
コリオリカの作用が弱く、流路渦31の強さは斜流形にお
けるよりも著しく小さくなっている。
これに対して、流量の減少と共に、翼先端漏れ渦30の
強さは増大するので、この結果、高損失流体32は翼圧力
面とケーシング3間のコーナー部39へと移動し、ここに
おいて大規模なコーナー剥離を生じやすいフローパター
ンとなっている。
以上のように、右上り特性の発生は、単に流体損失の
大きさではなく、こうした高損失流体が流路内のどの部
位に集積しているかどうかというフローパターンと密接
に関係がある。
ターボ機械羽根車1内のコーナー部33で第3図
(a),(c)或いは第19図(a)のAに示すような大
規模なコーナー剥離が生じると、揚程曲線は第6図の破
線9で示すような右上がり特性を示し、ターボ機械の安
定運転上著しく不都合となる。
そこで本発明は、斜流形ターボ機械においては、羽根
車1の回転方向と逆方向に流れる環状流動層をケーシン
グ3の内壁に沿って形成し、入口流れ6と環状流動層の
境界に羽根車反回転方向の渦層を発生させる手段を設け
ることにより、羽根車回転方向の流路渦31の発達を抑制
し、高損失流体をコーナー部33から離れた位置に集積さ
せ、大規模なコーナー剥離の発生を抑制する作用を実現
する。
側板無しの斜流形オープン羽根車の場合には、本発明
により導入された渦層は羽根車1と逆回転方向の翼先端
漏れ渦30を助長するため、流路渦と翼先端漏れ渦の干渉
領域32に集積する高損失流体はコーナー部33から一層離
れた位置へ移動し、コーナー剥離の発生をより効果的に
抑止できる。
軸流形ターボ機械においては、羽根車1の回転方向と
同一方向に流れる環状流動層をケーシング3の内壁に沿
って形成し、入口流れ6と環状流動層36の境界に羽根車
回転方向の渦層を発生させる手段を設けることにより、
羽根車回転方向の流路渦31の発達を助長し、翼先端漏れ
渦30を抑制し、高損失流体をコーナー部39から離れた位
置に集積させ、大規模なコーナー剥離の発生を抑制する
作用を実現する。
また、本発明では渦層を導入する具体的手段として、
羽根車1の入口部において噴流を用いて環状流動層を形
成する。第16図は流れ場への渦層の導入機構を説明する
図で、吸い込み口側から見た時の羽根車入口部ケーシン
グ付近の環状流動層の拡大図である。
一例として流入流れが紙面に直角で、羽根車1の回転
方向と逆方向に吹き込まれた噴流5が流入流れと直交す
る環状流動層36を形成する場合を示している。この時、
環状流動層36の境界面38では速度が不連続的に変化し、
いわゆる渦層が形成される。この境界面38部分に存在す
る渦の強さを評価するために、境界の長さdxの部分を取
り囲む閉曲線Cについて循環dΓを周積分し、単位長さ
当たりの渦の強さγを求めると次式のようになる。
γ=dΓ/dx=(1/dx)Vdc=Vje ここに、速度Vjeは環状流動層36内の流速で、噴流の減
衰のため吹き出し直後の噴流5の速度Vjよりも遅くなっ
ている。
羽根車上流に案内翼や吸い込みケーシングが存在する
場合には、羽根車入口流れは周方向速度成分を有して羽
根車に流入する。この時入口流れ6と環状流動層36との
境界面に発生する渦度の強さは、入口流れ6に直角方向
の噴流5の速度成分に比例する。
従って、発生する渦強さを最大にするには、環状流動
層36が入口流れ6にほぼ直交するように形成する必要が
ある。入口流れ6が周方向速度成分を有する場合には、
本発明により形成されるケーシング内壁面に沿う流動層
はリング状にならず、スパイラル状になるが、薄い流動
層がケーシング内壁面に沿って形成され渦層を生じる効
果には変わりがない。
本発明の効果は、発生する渦層の強さ、即ち上記のよ
うに噴流速度の1乗に比例するが、この点を後述の実施
例での実験結果を用いて確認した結果を下記に示す。渦
層の効果は噴流の幅に応じて増大し、また流動層が入口
流れ6に直交しない場合にはその程度に応じ効果が減少
する。この点を考慮し、渦層による効果の評価パラメー
タとしてΓを次式で定義する。
Γ=(B・γ・sinβ)/(L・Ult) ここに、Bは噴流幅、βは噴流が羽根車回転軸と成す
角度であり、Γを無次元量にするための代表長さとして
長さL、代表速度として羽根入口チップの周速度Ultを
用いた。
種々の噴流角度、噴流幅、ノズルの本数、噴流速度な
どにおける実験を実施し、測定された右上がり揚程特性
発生の限界流量とその時の噴流の評価パラメータΓとの
関係を整理した結果を第21図に示す。
この図から明らかなように、噴流による改善効果はパ
ラメータΓによって評価でき、噴流速度の1乗に比例す
ることが理解できる。この事実が示すように、本発明は
渦層の導入により右上がり揚程特性の改善を実現するも
ので、従来技術のエネルギー供給(この場合の効果は噴
流速度の3乗に比例)或いは運動量交換による予旋回
(この効果は噴流速度の2乗に比例)によるものとは根
本的に相違するものである。
以上のように、こうした速度の境界面38には渦が敷き
詰められて渦層37が形成され、本発明の効果は発生する
渦層の強さ、即ち環状流動層内の速度Vjeに比例する。
第17図はこうして流れ場に導入された渦34と羽根車内
部流れとの関係を斜流形オープン羽根車の場合について
3次元的に表現したものである。
渦層37によって導入された渦34は主流によって羽根車
1内に運ばれ、同一回転方向成分を有する翼先端漏れ渦
30と干渉してこれを助長し、逆回転方向成分を有する流
路渦31と干渉してこれを抑制する効果をもたらし、結果
的に両者の干渉領域32に集積する高損失流体をコーナー
部33から離れた位置へと移動せしめる。
揚程特性の安定化に必要な最小限の噴流の速度Vjは、
第21図に示す右上がり揚程特性発生の限界流量とその時
の噴流の評価パラメータΓとの関係を整理した結果から
算出することが可能である。第15図に示す揚程曲線によ
れば、ポンプの安定化を要する範囲(第15図の23)の幅
は流量比にして0.03である。従って、噴流の無い時(Γ
=0)の限界流量比をさらに0.03低下させるのに必要な
評価パラメータΓの値をデータのバラツキを考慮した上
で第21図から読み取りΓ=0.5を得る。本例では噴流幅
B=5mm、代表長さL=2.45mm、噴流が羽根回転軸と成
す角度β=90度(反回転方向)であるので、これらを評
価パラメータΓの定義式に代入すれば、 γ/Ult=Vje/Ult=0.245 となる。これは環状流動層36内の流速で、噴流の減衰を
考慮すれば必要なノズル出口での噴出速度は上記環状流
動層36の速度Vjeの約2倍であり、Vj/Ult=0.5を得る。
軸流形ターボ機械においては、羽根車回転方向に流れ
る環状流動層を形成し、羽根車回転方向の渦層を発生さ
せ、翼先端漏れ渦30と干渉せしめてこれを抑制し、流路
渦31と干渉せしめてこれを助長する効果をもたらし、結
果的に高損失流体をコーナー部39から離れた位置へと移
動せしめる。
以上のように、渦層37の導入は羽根車1内部の2次流
れのフローパターンを変化させコーナー剥離を抑制し、
ひいてはターボ機械の右上がり特性を解消あるいは改善
し、且つサージングを抑止する働きを行なうことは先に
記述した通りである。
図面の簡単な説明 第1図は本発明のターボ機械装置の入り口近傍を示す
断面図で、第1図(a)子午断面図、第図1(b)E-E
断面図である。
第2図は第1図におけるケーシング近くの流面の展開
図である。
第3図は従来のターボ機械における入り口近傍の流れ
を示す図で、図3(a)は断面図、図3(b)はC-C断
面図、図3(c)は断面図、図3(d)はD-D断面図で
ある。
第4図は第3図に示す場合の3次元粘性流れの数値解
析によりシュミレートした結果を示す図である。
第5図は第3図に示す場合の3次元粘性流れの数値解
析によりシュミレートした結果を示す図である。
第6図はターボ機械の揚程曲線(揚程−流量)を示す
図である。
第7図はポンプ配管系にサージングが発生している状
況下で、ある一定時間噴流を吹き出した場合の結果を示
す図である。
第8図は本発明のターボ機械装置に用いるノズルの形
状を示す図で、図8(a)は側断面図、図8(b)は正
面図、図8(c)はノズル頭部の平断面図である。
第9図は本発明のターボ機械装置における噴流の吹き
出し制御の例を示す図である。
第10図は本発明のターボ機械装置における噴流の吹き
出し制御の例を示す図である。
第11図は本発明のターボ機械装置の構成例を示す図で
ある。
第12図は本発明のターボ機械装置の構成例を示す図で
ある。
第13図はターボ機械の羽根車の入口部に設けるノズル
の本数とその効果を示す図である。
第14図は噴流の吹き出し方向とその効果を示す図であ
る。
第15図は揚程曲線の落ちこみが著しい例を示す図であ
る。
第16図はターボ機械の流れ場への渦層の導入機構を説
明するための図である。
第17図はターボ機械の流れ場に導入された渦と羽根車
内部流れとの関係をオープン羽根車の場合について3次
元的に表現した図である。
第18図は図3(b)(C-C断面)に相当する位置にお
いて粘性流れ解析によりシュミレートした羽根車流路内
の渦強さの分布を示した図である。
第19図は従来のターボ機械の現象を示す図で、第19図
(a)子午断面図、第19図(b)はE-E断面図である。
第20図は従来のターボ機械の噴流例を示す図である。
第21図は限界流量と評価パラメータΓの関係を示す図
である。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明を斜流形のポンプ装置に適用した場合の
実施例を図面に基づいて説明する。第1図は本発明のポ
ンプ装置の入り口近傍を示す断面図であり、第2図は第
1図におけるケーシング近くの流面の展開図で、羽根車
回転方向と逆方向に流れる環状流動層をケーシングに沿
って形成する手段としてノズルから水噴流を吹き込む方
法を用いる場合を示している。以下にこの実施例につい
て詳細に説明する。
本ポンプ装置は図示するように、ポンプ入口部のケー
シング3の近傍にノズル4を設け、該ノズル4を通じて
高圧力源から噴流5をケーシング3の近傍から羽根車1
の回転方向αと逆方向にケーシング3の内面に沿って吹
き込む。ケーシングに沿う噴流は速度の不連続面(第16
図の38)を生じ、この結果回転方向αと逆方向の回転成
分を持つ渦層が発生する。
このようにして導入した渦(第17図の34)は、第3図
(b)或いは(d)の流路渦31と逆方向の回転成分を持
っており、流路渦31を抑制し高損失流体32のコーナー部
33への移動を抑制する効果を持つ。これにより、第3図
(a)或いは(c)のAに示すような大規模のコーナー
剥離の発生(羽根車の失速)を防止することができる。
この結果、第6図の実線10に示す如く右上がり特性の発
生を回避することが可能になる。
このように、第6図の不安定領域9を本発明により安
定化することにより、全流量範囲で安定したポンプ特性
を達成することができる。
また、第7図はポンプ配管系にサージングがすでに発
生している状況下で、ある一定時間だけノズル4から噴
流5(ジェット噴射)を吹き込んだ結果を示している。
図示するように、吐き出し圧力が時間とともに大きく変
動しているサージング下の不安定な運転状態11において
も、サージング状態から脱し、安定した運転12に復帰さ
せることが可能である。
第8図はノズル4の形状例を示す図で、第8図(a)
は側断面図、第8図(b)は正面図、第8図(c)はノ
ズル頭部の平断面図である。
ケーシング3の内面にノズル4の頭部が突出すること
により流れが乱されないようにするために、ノズル頭部
4aは半球状に丸められている。高圧力源13から供給され
た高圧流体は、ケーシング内面に沿う方向に扁平なノズ
ル出口4bから、羽根車1の回転方向αと逆方向の速度成
分を持って、ケーシング3の内面に沿う方向βに吹き出
される。この際用いるノズル4の形状は同図に示すごと
く扇状とし、噴流5が先広がりとなって吹き出すように
する事により効果を高める事が可能である。
なお、第8図(a)において、14はノズル4とケーシ
ング3の間の気密を保つためのOリングである。こうし
たノズルから吹き出された噴流は、下流に向かうにつれ
て周囲の流体と混合拡散し広がってゆく。その広がり角
度は片側で約6度であり(Trentacoste,N.and Sforza,
P.M.,1966.An experimental investigation of three-d
imensional free mixing in incompressible turbulent
free jets.Rep.81,Department of Aerospace Engineer
ing,Polytechnic Institute of Brooklyn,New Yor
k.)、従って噴流の吹き出し方向が壁面に沿う方向から
6度程度下方にむく場合でも、噴流はケーシング内壁に
再付着し内壁に沿う流動層を形成すると考えられ、第20
図に示すような大幅な悪影響は生じない。
一方、噴流を逆にケーシング内壁向かって吹き込む場
合には、噴流は内壁面に衝突した後、壁面に沿って流れ
る流動層を形成するので、噴流が周囲に四散して流動層
が形成されないほどの大きな角度を持って吹き込まない
限り大きな悪影響は生じない。従って、噴流は厳密にケ
ーシング内壁面に平行に吹き出す必要はなく、内壁面に
ほぼ沿うように吹き出せば、本発明に記述した効果がえ
られる。
第9図及び第10図は噴流5の吹き出し制御の例を示す
図である。図示するように、噴流5は第9図に示すよう
に、サージングCが発生したら連続的に吹き出すのが最
も簡便な運転方法である。これに対して、図10に示すよ
うにポンプの不安定特性を引き起こす羽根車1の失速
(大規模な剥離)やサージング現象の前兆Dを感知した
とき(あるいはこれらの発生が検知されたとき)、一定
時間だけ噴流5を吹き出し不安定特性を回避し、再び同
様の不安定特性の前兆Dが検知されるまでは噴流5を吹
き出さないといった、断続的な制御を行なう事により消
費されるエネルギーを最小にとどめる事も可能である。
不安定特性の前兆Dを感知する方法としては、ケーシ
ング3やその他のポンプ流路面上またはノズル4の内部
の圧力センサ、流体音または機械の異常音、機械の振
動、流路内の速度の変化を利用する方法がある。
第11図及び第12図は本発明のターボ機械装置の構成例
を示す図である。第11図においては、ノズル4にはブー
スターポンプ17と電磁バルブ18を介して外部流量源19
(例えば水道水)から流体が供給される。ケーシング3
上の圧力センサー15からの信号をデータ処理器16にて解
析し、不安定特性の発生が予知された場合にはブースタ
ーポンプ17や電磁バルブ18を制御する事により、断続的
又は連続的に噴流を吹き込む。
第12図においては、流量源をポンプの吐き出し部から
取り、ブースターポンプ17の代わりにポンプ自身の吐き
出し圧力を用いる実施例を示す。この実施例は、ポンプ
吐き出し部から流れをバイパスする従来の方法と一見類
似している。
従来のバイパス法では実質的な運転流量を増大するこ
とにより不安定特性を回避しており、必然的にポンプ揚
程が大幅に低下する不具合を生じる。これに対して本発
明の場合必要とする噴流の総流量はポンプの吐き出し流
量の1%程度であり、ポンプ揚程も低下することは無い
等、従来の大量に吐き出し流れをバイパスする方法とは
根本的に作用が異なっている。
また、本発明の場合、従来のバイパスにより不安定を
回避する方法に比べ、格段に少ないエネルギー消費によ
りポンプの安定化が実現できる。
また、第11図や第12図の例では圧力センサ15を用いて
いるが、このような圧力センサ15を用いなくても、あら
かじめ実測した揚程特性(例えば第15図を参照)をデー
タ処理器16のメモリーに記憶させておけば、流量をモニ
ターすることにより制御が必要となる第15図の23の範囲
でポンプが運転される場合に限り噴流を連続的に吹き込
むことができポンプの安定化が実現できる。
第13図はターボ機械の羽根車1の入口部に設けるノズ
ルの本数とその効果を示す図である。この実験の場合、
吸い込み口(内径250mm)の周囲に等配に12個のバルブ
付のノズルを配設し、バルブを開閉することによりノズ
ル本数が異なったときの右上がり特性発生流量を測定し
ている。ノズル本数を増すことにより、右上がり特性が
発生する限界流量が低流量側に移動しており、噴流の効
果が高まる。本実験の場合、ノズル本数は6本以上あれ
ば、本発明の効果に変化はない。
第14図は噴流の吹き出し方向とその効果を示す図であ
る。噴流角度が軸方向から測って0度から180度の範
囲、即ち噴流が羽根車の回転方向と逆の速度成分を持っ
て吹き込まれる場合にのみ効果が有り、特に90度即ち反
回転方向に吹き出すときに最大の効果が得られることが
わかる。
第16図に関連して上記「作用」において説明したよう
に、最も効果的に羽根車回転方向と反対の回転成分を有
する渦層を流れ場に導入しうる噴流の方向は流入流れに
直交する方向である。本実施例では、入口流れは軸方向
から流入しており、従って第14図では噴流角度90度にお
いて最大の効果が得られた。
第18図は第3図のC-C段面に相当する位置において、
粘性流れ解析によりシミュレートした羽根車流路内の渦
強さの分布を示したもので、羽根車と同一方向の回転成
分を持つ渦の強さが実線の等高線、羽根車と反対方向の
回転成分を持つ渦の強さが一点鎖線の等高線で表示され
ている。
第18図(a)は従来の羽根車の場合で、第18図(b)
が羽根車入口においてケーシング3近傍において噴流の
吹き出しにより環状流動層を形成した場合である。同一
の渦強さを持つ流路渦31の領域がハッチングで示されて
おり、第16図で示す機構によって羽根車と反対方向の回
転成分を有する渦層を導入することによって、流路渦31
の強さが著しく抑制されていることが確認できる。
上記のように本実施例によれば、流路渦31の発達が抑
制され、コーナー部33における大規模な流れの剥離が回
避でき、この結果第6図に示すようにポンプの部分流量
運転時に生じる右上がり揚程特性9は完全に解消し、す
べての流量範囲においてポンプをサージングに陥らせる
事なく安定に運転することが可能となる。
揚程曲線の落ちこみが著しい第15図の20に示すような
場合には、右上がり部を完全に解消するに致らず、噴流
を吹き込むことにより不安定特性の発生する限界流量は
21に示すように低流量側へ移動する。ここにおいてポン
プは再び不安定特性を示す可能性があるが、この時点で
噴流の吹き出しを中止すればポンプ特性は本来安定な揚
程特性曲線上の点22に示す点に移行するので、ポンプは
サージングに陥ることはない。従って、噴流による安定
化が要求される領域は、本来の揚程特性が右上がりを示
す第15図の23に示す流量範囲に限られる。
また、本発明によって第15図の23で示す領域を安定化
したポンプは、全流量範囲において安定な特性を有する
事になり、サージングフリーなポンプ配管システムの構
成が可能となる。
なお、上記実施例では斜流ポンプを例に説明したが、
本発明は斜流ポンプに限定されるものではなく、軸流形
を含むターボ機械一般に適用できることは当然である。
以上説明したように本発明によれば、流体噴出手段か
ら当該ターボ機械の設計点流量の数%以下の流体を噴出
し、該噴出流体により、主流速度の流体噴出方向成分と
比較し著しく早い流速でケーシング内周に沿って流れ且
つ該主流に対して実質的な影響を与えることがない流動
層を形成するから、流動層と主流との境界に渦層を形成
することにより羽根車内部の2次流れを制御でき、ター
ボ機械揚程曲線の右上がり特性を回避又は改善し、ひい
てはサージングの発生を防止し全流量範囲で安定したタ
ーボ機械の運転を可能にすることができるという優れた
効果が得られる。
産業上の利用可能性 以上のように本発明は、ターボ機械の揚程曲線が右上
がり不安定特性を示す流量範囲近傍で、ケーシング内に
沿って流れる環状流動層を形成する手段を設け、2次流
れのフローパターンを変化させ、コーナー部への高損失
流体の集積を抑制し、羽根車内部の大規模剥離の発生を
抑止することによりターボ機械揚程曲線の右上がり特性
の発生を防止し、ひいてはサージングの発生をも抑止す
ることができるターボ機械装置を提供できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−118596(JP,A) 特公 昭32−3493(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 15/00 - 15/02 F04B 49/00 - 51/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング内を回転する側板付き或いは側
    板なし羽根車を具備するターボ機械において、 前記羽根車入口先端近傍で且つケーシング内壁面に沿っ
    て羽根車の回転方向と同一方向又は逆方向に当該ターボ
    機械の設計点流量の数%以下の流体を羽根車入口流れよ
    り速い速度で噴出する流体噴出手段を設け、 該流体噴出手段から噴出された噴出流体により、入口流
    れに略直行する方向でケーシング内周に沿って流れ且つ
    該主流に対して実質的な影響を与えない流動層をケーシ
    ング内壁面のごく近傍に形成することを特徴とするター
    ボ機械装置。
  2. 【請求項2】前記流体噴出手段は、羽根車入口部のケー
    シングに、ケーシング内壁よりも内側に開口部を有する
    吹き出し口を有し、該吹き出し口から噴出する流体の主
    たる速度成分がケーシング内壁面に沿う方向であるノズ
    ルを二個以上設けた構成であることを特徴とする請求の
    範囲第1項記載のターボ機械装置。
  3. 【請求項3】前記流体噴出手段から噴出する流体は、当
    該ターボ機械装置の吐き出し部又は外部の高圧力源から
    導いた流体であることを特徴とする請求の範囲第1項又
    は第2項記載のターボ機械装置。
  4. 【請求項4】ターボ機械の揚程曲線が右上がり不安定特
    性を示す流量範囲近傍において、前記流体噴出手段から
    流体を連続的又は断続的に噴出し、前記環状の流動層を
    連続的又は断続的に形成することを特徴とする請求の範
    囲第1項乃至第3項のいずれか1つに記載のターボ機械
    装置。
  5. 【請求項5】ターボ機械装置のケーシング上或いは流路
    内部のその他の部分にセンサーを配置し、揚程曲線の右
    上がり不安定特性の発生の前兆現象を検知し、前記流体
    噴出手段を制御して前記環状の流動層の形成及び停止を
    制御する手段を設けた請求の範囲第1項乃至第4項のい
    ずれか1つに記載のターボ機械装置。
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