JP3029912B2 - 脈拍数測定装置 - Google Patents

脈拍数測定装置

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JP3029912B2
JP3029912B2 JP4020465A JP2046592A JP3029912B2 JP 3029912 B2 JP3029912 B2 JP 3029912B2 JP 4020465 A JP4020465 A JP 4020465A JP 2046592 A JP2046592 A JP 2046592A JP 3029912 B2 JP3029912 B2 JP 3029912B2
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ロナルド・イー・ペルライン
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脈拍数を測定し且つ表示
することにより脈拍を監視する脈拍数測定装置に係り、
特にノイズおよびモーションアーチファクトを除去する
手段により精度の高い脈拍数を得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は高精度に脈拍数を測定し且つそ
の脈拍数を表示する装置であって、特に、複数の感圧セ
ンサ素子を有する脈拍数測定装置において、アーチファ
クトを検知し且つ除去する手段により脈拍数の測定精度
を高めることを目的とする。
【0003】この背景として、従来より脈拍数を測定す
る技術、およびパルスアーチファクトを除去する技術が
知られている。たとえば、米国特許第4,409,983 号に
は、平均処理回路および差動増幅器に連結された複数の
トランスジューサを有する脈拍数測定装置が記載されて
いる。この装置は、心拍動に伴う振動を示す信号からモ
ーションアーチファクトを除去するのに役立つものであ
る。また、米国特許第4,307,728 号、第4,202,350 号、
第4,667,680 号、第4,239,048 号、第4,181,134号、第
4,456,959 号においても、モーションアーチファクトを
除去する技術が提案されている。従来では、誤信号を減
らす手段として、ウィンドウイング(時間ゲート処理)
技術、平均処理技術、および自己相関アルゴリズムが使
用されている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】上記従来の脈拍数測定の技術
には、測定精度の低下を引き起こす要因が数多く存在す
る。
【0005】第1に、従来の技術の多くは、モーション
アーチファクトおよびノイズアーチファクトを除去する
ことが困難であり、特にセンサ素子を単一で用いる装置
において上記の弊害が顕著である(米国特許第4,202,35
0 号および第4,239,048 号参照)。このような装置はア
ーチファクトの混在した脈波信号とアーチファクト信号
とを区別して受け入れるための手段を有していない。こ
のためモーションアーチファクトなどのアーチファクト
信号に起因する測定誤差を補償するか或いは無くすため
の何らかの手段が必要とされるのである。この手段とし
て、ろ波技術或いはウィンドウイング技術などを利用し
た信号処理手段がしばしば適用されている。
【0006】センサ素子を複数用いた脈波センサによる
脈拍数測定の技術においても、誤信号が脈波信号として
判断されたり、真の脈波信号であっても検出されなかっ
たりすることもしばしばである。実際の脈拍数測定に際
してアーチファクトの発生が避けられない以上、脈拍数
測定に上記のような誤作動を補償する技術が適用されな
ければ、高い測定精度は得られない。
【0007】本発明は、トノメトリック法の原理に基づ
いて脈波を採取する脈波センサに関連する不都合を解消
するものである。本発明においては、脈波信号の処理お
よび脈拍数の計算の過程においてアルゴリズムを使用す
ることにより、脈拍数測定中に起こり得る信号に関連す
る誤作動が補償されるようになっている。
【0008】トノメトリック法の原理は例えば米国特許
第3,219,035 号、第4,799,491 号、および第4,802,488
号において述べられている。また、「医療装置、医療機
器辞典」第4巻(J.G.Webster,John Wiley,Sons 著、19
88年発行)の『Tonometry 、Arterial』の項など複数の
刊行物に記載されている。これらの引例はすべて動脈圧
の測定に適用されるトノメトリック法について論じられ
ている。
【0009】動脈圧の測定に際しては、上記引例の記載
に従って、トノメータセンサに好適な押圧力を付与する
ことにより動脈壁の一部を平坦とすることが望ましい。
脈拍数の測定に関しては、動脈壁を平坦とすることに重
要な意義は必ずしも認められず、動脈壁を平坦とするよ
り弱い押圧力が適用され得る。このため、血圧測定時に
比較して、被測定者の不快感が軽減される。
【0010】本発明は以上の事情を背景として、上述し
た従来の脈拍数測定の技術における不都合を解消するた
めに為されたものである。
【0011】本発明の第1の目的は、複数のセンサ素子
が配列されたセンサ素子アレイを使用したトノメトリッ
ク法による脈拍数測定のための装置において、その測定
精度を高めることにある。
【0012】本発明の第2の目的は、複数のセンサ素子
に対応する複数の脈波信号の各々から所定の加重値に基
づく上記脈波信号の加重平均値を差し引くことにより、
脈波信号からモーションアーチファクトを除去すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
めの、本発明の要旨とするところは、図13のクレーム
対応図に示されるように、複数のセンサ素子により構成
された単一のアレイを有するトノメータセンサを備え、
そのトノメータセンサから出力される複数種類の脈波信
号に基づいて精度の高い脈拍数を得るための脈拍数測定
装置であって、(a) 予め定められた加重係数に基づいて
前記複数種類の脈波信号の加重平均信号を算出する加重
平均信号算出手段と、(b) その加重平均信号算出手段に
より算出された加重平均信号を前記複数種類の脈波信号
の各々から差し引くことにより、上記複数種類の脈波信
号を補正する脈波信号補正手段と、(c) その脈波信号補
正手段により補正された補正脈波信号に基づいて脈拍数
を算出する脈拍数算出手段と、(d) その脈拍数算出手段
により算出された脈拍数を表示する表示手段と、を含む
ことにある。
【0014】
【作用】このようにすれば、加重平均信号算出手段によ
り予め定められた加重係数に基づいて算出された複数種
類の脈波信号の加重平均信号が、脈波信号補正手段によ
り上記複数種類の脈波信号の各々から差し引かれること
により複数種類の脈波信号が補正される。そして脈拍数
算出手段によりこの補正脈波信号に基づいて脈拍数が算
出されるとともに、表示手段により表示される。
【0015】
【発明の効果】歩みのような類の生体の動きに起因して
発生するモーションアーチファクトは複数のセンサ素子
のそれぞれに同程度の影響を及ぼす一方、動脈圧を正確
に反映した脈波信号は、動脈の直上か、或いはそれに極
めて近似して位置させられているセンサ素子のみに作用
する。それ故、モーションアーチファクトが複数のセン
サ素子に平等に作用した場合、そのモーションアーチフ
ァクトを正確に反映した前記複数種類の脈波信号の加重
平均信号が各脈波信号から差し引かれることにより、実
質的にモーションアーチファクトが除去された補正脈波
信号が得られる。従って、本脈拍数測定装置によれば、
上記補正脈波信号から脈拍数が算出されることにより、
モーションアーチファクト等のアーチファクトが好適に
補償されて脈拍数の高い信頼性が得られるのである。
【0016】好適には、本脈拍数測定装置は、(e) 前記
複数種類の補正脈波信号の少なくとも一つにおいて予め
定められた期間内における自己相関度を示す自己相関値
を算出する自己相関値算出手段と、(f) その自己相関値
算出手段により算出された前記自己相関値が予め定めら
れた相関係数の範囲内であることを以て前記補正脈波信
号を有効と判定する自己相関判定手段とを、さらに含
む。
【0017】上記好適な脈拍数測定装置は、更に好適に
は、(g) 前記自己相関値算出手段および自己相関判定手
段を心臓収縮時点から所定期間後に作動させる自己相関
処理遅延手段をさらに含む。
【0018】好適には、本脈拍数測定装置は、(h) 前記
複数種類の補正脈波信号の少なくとも一つにおいて傾斜
値を算出する傾斜値算出手段と、(i) 前記傾斜値算出手
段により算出された前記傾斜値が予め定められたしきい
傾斜値を上回っていることを以て前記補正脈波信号を有
効と判定する傾斜判定手段とをさらに含む。
【0019】好適には、本脈拍数測定装置は、(j) 前記
複数種類の補正脈波信号の少なくとも一つにおいて心臓
収縮時点を検出する心臓収縮時点検出手段と、(k) その
心臓収縮時点検出手段により検出された心臓収縮時点の
時間間隔である心臓収縮周期を予め定められた基準周期
と比較するとともに、心臓収縮周期が基準周期を超えた
場合にはその心臓収縮周期を今回の心臓収縮周期と決定
し、心臓収縮周期が予め定められた範囲以下である場合
には、その心臓収縮周期と前回決定された心臓収縮周期
との合計値に基づいて今回の心臓収縮周期を決定する心
臓収縮周期決定手段とをさらに含む。
【0020】好適には、本脈拍数測定装置は、(l) 前記
複数種類の脈波信号の少なくとも一つにおいて、予め定
められた上限値を超えた脈波信号をアーチファクト信号
と判定してアーチファクト信号を除去する過大脈波信号
除去手段をさらに含む。
【0021】
【実施例】図1には、本発明の好適な一実施例である脈
拍数測定装置1が示されている。この脈拍数測定装置1
は、トノメータセンサ2と、信号処理機能および表示機
能を有する回路を収容するケース3とを備えている。ト
ノメータセンサ2はスプリング4を介してケース3と連
結されたジンバル部材9に取り付けられている。スプリ
ング4はセンサ位置調節部5を有しており、このセンサ
位置調節部5においてジンバル部材9がスプリング4と
連結されている。
【0022】図2は、図1の装置を更に詳しく示すもの
である。なお、図1に開示されたのと同じ構成部品につ
いては、これと同様の名称を使用するものとする。セン
サアダプタ12は図示しないピンがジンバル部材9の第
2回転軸心A2上を挿通させられることによりジンバル
部材9に回転可能に取り付けられ、トノメータセンサ2
は、そのセンサアダプタ12に固着されている。スプリ
ング装着パッド11は、図示しないピンがジンバル部材
9の第1回転軸心A1に沿って挿通されることによりジ
ンバル部材9に回転可能に取り付けられており、センサ
位置調節部5においてこのスプリング装着パッド11を
介してスプリング4とジンバル部材9とが連結されてい
る。トノメータセンサ2は可撓性のプリント基板である
フラットケーブル10によって図4に示されるケース3
内の回路と作動的に連結されている。
【0023】トノメータセンサ2は、圧力を感知する複
数のセンサ素子15により構成された単一のアレイであ
る。トノメータセンサの組み立てには、標準的な写真印
刷の製作技術が適用され得る。試験に基づく分析結果に
よれば、脈拍数測定において好適な測定精度を得るため
には3乃至6個程度のセンサ素子15が必要であるが、
本実施例の測定装置に関しては、単一のセンサ素子15
であっても従来以上の精度での測定が期待できる。脈拍
数測定装置1の上述しない構成部品については、以下の
説明において言及する。
【0024】図1に戻って、脈拍数測定装置1は、好適
には腕時計の如く生体の手首に装着される。脈拍数測定
装置1が生体の手首に装着された状態では、トノメータ
センサ2は橈骨動脈上に位置させられ、ケース3は手首
のトノメータセンサ2と反対側に巻回されて装着され
る。ケース3はスプリング4をその一端において片持状
に支持しており、装着バンド8が、そのたわみ部8aが
締められた状態で掛止具7により留められることによ
り、ケース3が生体の所定の位置に保持されるようにな
っている。装着バンド8はバンド保護部材6を有してお
り、これによりトノメータセンサ2、ジンバル部材9お
よびスプリング4と装着バンド8とが直接接触しないよ
うにされている。なお、バンド保護部材6にはその一部
が内側から切り欠かれることにより箱状部分が形成され
ており、この部分は、トノメータセンサ2、ジンバル部
材9およびスプリング4のいずれとも装着バンド8が接
触しない状態で、それらトノメータセンサ2、ジンバル
部材9およびスプリング4が嵌め入れられた状態とされ
るのに適した形状とされている。
【0025】トノメータセンサ2は、ケース3に片持状
に支持された細いスプリング4によって、そのスプリン
グ4が手首に巻回された状態とされることにより動脈上
に保持される。ジンバル部材9は一側面においてその底
辺がU字状を成しており、(図1および図2参照)この
ジンバル部材9を介してトノメータセンサ2はスプリン
グ4と連結されている。トノメータセンサ2はスプリン
グ4に支持されることによって、生体に装着されている
間手首に対して水平となるように位置させられる。ジン
バル部材9は、互いに直交する2本の回転軸心A1およ
びA2の各々の回りを約20度回転することが可能とな
っている。トノメータセンサ2およびジンバル部材9の
スプリング4上における位置は、スプリング4の一部で
あるセンサ位置調節部5により調節されるようになって
いる。
【0026】トノメータセンサ2の押圧力は、被測定者
に不快感を与えない範囲で橈骨動脈の一部を平坦とし得
る程度に調節される。最適押圧力は約100g乃至50
0gの範囲内であって、生体それぞれに異なる。トノメ
ータセンサ2からの脈波信号が信頼できるものとなるよ
うに、その押圧力が比較的高いことを望む被測定者もい
れば、手首が押圧力に対して敏感であるため、比較的低
い押圧力を要求する者もいる。
【0027】好適には、トノメータセンサ2の押圧力は
スプリング4の弾性力によってのみ調節されるが、その
場合、生体によって手首の大きさおよび形がさまざまで
あるため、生体毎に適当な形状のスプリング4を用意す
る必要がある。しかし通常は、図3の(a) 、(b) 、(c)
に示すように、形状の異なる3タイプのスプリング4
a、4b、4cで大部分の生体に対応し得る。図3の
(a) 乃至(c) のスプリング4a、4bおよび4cは標準
的な生体に適用し得る長さおよび曲度を備えている。な
お、スプリング4a、4bおよび4cは、その曲率半径
のみが異なる。
【0028】以下に、上述の脈拍数測定装置による脈拍
数測定について述べるが、これを理解するに当たり、ま
ず標準的な脈波波形の重要な特徴を説明する。
【0029】図11には標準脈波100が、その平均脈
圧102とともに示されている。この標準脈波100に
おいて最高脈圧を示す上ピーク点104は心臓収縮時点
を示し、また最低脈圧を示す下ピーク点106は心臓拡
張時点を示している。科学的な分析により、標準脈波1
00において最大傾斜角を有する点は下ピーク点106
から上ピーク点104に向かう昇圧区間108内であっ
て、上ピーク点104の直前に存在することが判明して
いる。ノッチ110は相当数の生体の脈波波形に存在す
る。
【0030】図12には反転脈波100’が示されてい
る。この反転脈波100’は、ケース3が動脈上に正常
に位置させられていても、センサ素子15自体が動脈上
の正常な位置から外れて配置された場合に発生する。こ
の場合、生体の脈動に伴う脈圧はケース3に直接作用す
る一方、センサ素子15に作用する脈圧は小さくされ
る。その結果、脈波は採取されるものの、その波形は上
下に反転し、相対的に負の圧力を示すものとなるのであ
る。この反転脈波100’は、前記心臓収縮時点である
上ピーク点104に対応する下ピーク点104’、心臓
拡張時点である下ピーク点106に対応する上ピーク点
106’、上記昇圧区間108に対応する降圧区間10
8’、およびノッチ110’を有している。
【0031】脈拍数の計算はケース3内に収容された図
4に示される電子回路において、図5乃至図8図のフロ
ーチャートに従って遂行される。
【0032】まず、図4から明らかなように、本実施例
では、トノメータセンサ2の出力信号を処理することに
より脈拍数を算出する回路は、前置増幅器58、ハイパ
スフィルタ60、ローパスフィルタ62、増幅器64、
A/D変換器66、CPU68、RAM70、ROM7
2、I/Oインターフェース回路74および表示装置7
6により構成されている。なお、図4に示されるよう
に、前置増幅器58、フィルタ60および62、増幅器
64およびA/D変換器66には、トノメータセンサ2
を構成する複数のセンサ素子15からの複数の出力信号
がそれぞれ供給されるようになっている。
【0033】作動時において、トノメータセンサ2の複
数のセンサ素子15の出力信号に対応する複数の脈波信
号はすべて前置増幅器58に供給される。この前置増幅
器58では上記信号がフィルタ処理される前に増幅され
る。前置増幅器58の出力信号はハイパスフィルタ60
に供給されることにより、直流成分および極めて低い周
波数成分が除去される。ハイパスフィルタ60から出力
された信号はローパスフィルタ62に供給され、ここで
所定の高い周波数成分が除去される。すなわち、ハイパ
スフィルタ60およびローパスフィルタ62は、これら
が併用されることにより実質的にバンドパスフィルタと
して機能しているのである。この事実上のバンドパスフ
ィルタ60および62の好適な帯域は約0.1〜30Hz
である。上記フィルタ処理が施された脈波信号は、増幅
器64によりA/D変換器66に適合し得る水準まで増
幅され、A/D変換器66にてデジタル信号に変換され
た後、I/Oインターフェース回路74に供給される。
I/Oインターフェース回路74に供給された上記デジ
タル信号はCPU68によって読み出され、RAM70
に記憶される。
【0034】RAM70は複数のデータバッファにより
構成されており、複数のセンサ素子15からの複数の脈
波信号に対応する複数種類のデジタル信号を記憶する。
ROM72はCPUで利用される制御プログラムソフト
ウェアを保有する。CPU68はI/Oインターフェー
ス回路74を介してA/D変換器66からのデジタル信
号を入力し、この信号に基づいて算出した脈拍数を示す
信号を表示装置76に供給する。
【0035】以下、上記CPU68の作動を図5乃至図
8に示されるフローチャートに従って説明する。
【0036】被測定者により脈拍数測定装置が起動操作
されるか或いはリセット操作されると、初期化ルーチン
が実行されて保存データがリセットされる。また、図示
しないクロックが作動させられるとともに、そのクロッ
ク信号がCPU68に供給されることにより上記装置が
予め定められたサンプリング期間にわたって作動するよ
うにセットされる。
【0037】図5に示されるプログラムのうち、プログ
ラムセグメント1においては、サブステップ1aでは前
記クロックの作動が開始されたか否かが判断される。こ
の1aでクロックの作動が未だ開始されていないと判断
された場合には、再びこのサイクルが実行される。もし
クロックが作動していると判断された場合には、CPU
68の制御によりサブステップ1bが実行され、トノメ
ータセンサ2の複数のセンサ素子15からの複数種類の
脈波信号が読み込まれる。また複数のシステムタイマが
更新された後、プログラムセグメント2が実行される。
【0038】本発明の過大脈波信号除去手段に相当する
プログラムセグメント2においては、前記センサ素子1
5からの脈波信号の各々について、そのデータが予め定
められた上限値を超えるものか否かが判断される。実際
に得られたデータの示す値が上記上限値、すなわち予め
定められた最大振幅を超えるものである場合、そのデー
タは零にセットされる。また、セグメント2では、所定
のフラグが立てられることにより、次の5秒間のうちに
上記最大値を超えるデータのすべてが零とされる。この
ようにして、通常の脈波信号の振幅を超えた振幅の大き
な信号が排除されることにより、ノイズが除去される。
【0039】セグメント3では、上記脈波信号に差分処
理が施されることにより、差分処理信号が得られる。す
なわち本発明の加重平均信号算出手段に相当するサブス
テップ3aでは、プログラムセグメント2で零にセット
されていない各センサ素子15からの複数種類の脈波信
号がすべて平均化処理されることにより、所定の加重係
数に基づいた加重平均信号が算出される。平均化処理に
用いられる加重係数は好適には約1.0であるが、後述
するようにも変更され得る。次いで本発明の脈波信号補
正手段に相当するサブステップ3bでは、上記零以外の
複数種類の脈波信号の各々からこの加重平均信号がそれ
ぞれ差し引かれる。
【0040】このような差分処理アルゴリズムにより、
トノメータセンサ2により検出された各脈波信号からモ
ーションアーチファクトが除去される。このアルゴリズ
ムはセンサ素子15が複数使用される場合において適用
される。差分処理アルゴリズムは、複数種類の脈波信号
がモーションアーチファクトの影響を均一に受ける場合
に、モーションアーチファクトと動脈圧に対応する真の
脈波信号との識別に有効とされる。たとえば、歩みのよ
うな類の生体の動きに起因して発生するモーションアー
チファクトは、センサ素子15のそれぞれに同程度の影
響を及ぼす。一方、動脈圧を正確に反映した脈波信号
は、動脈の直上か、或いはそれに極めて近接して位置さ
せられているセンサ素子15のみに作用する。
【0041】差分処理アルゴリズムにおいては、複数の
センサ素子15に対応する複数種類の脈波信号の合計に
基づいて加重平均信号が決定される。モーションアーチ
ファクトが複数のセンサ素子15に均等に作用した場
合、その加重平均信号にはモーションアーチファクトが
正確に反映される。この加重平均信号が各脈波信号から
差し引かれることにより差分処理信号が得られる。(す
なわち、モーションアーチファクトを正確に反映した信
号が各脈波信号から差し引かれることにより、各脈波信
号が補正されるのである。)補正される前の脈波信号
は、それがモーションアーチファクト信号であるとも、
動脈圧を正確に反映した真の脈波信号にモーションアー
チファクトが付加された信号であるとも考えられる。図
9に、3つのセンサアレイについて、それらの信号に差
分処理アルゴリズムが適用された例を示す。なお、図9
に示された信号は、1クロックチックで得られたもので
ある。
【0042】上記差分処理アルゴリズムはこの大きなア
ルゴリズムの主要な構成要素のうちの一つである。この
大きなアルゴリズムでは、各処理信号の出力値は、複数
の未処理信号が重み付けされて合計された総計値に相当
する。たとえば、3つの未処理値が重み付けされ且つ以
下に示すように加算されることにより、処理値1が得ら
れる。
【0043】
【数1】
【0044】本発明として開示する技術範囲内であれば
セグメント3において数式1以外の処理が更に加えられ
ても差し支えなく、また前記加重係数も、基本的な差分
処理の技術に基づいた値であれば、差分処理アルゴリズ
ムにおいて通常使用される値(すなわち1.0)と異な
ってもよい。たとえば予め選択された単一のセンサ素子
15を基準とし、それからかなり離れて位置するセンサ
素子15の出力信号に負の大きな重み付け係数が適用さ
れたり、或いは基準とされるセンサ素子15に近いセン
サ素子15に正の大きな重み付け係数が適用されても、
適当な加重平均信号が得られて平均化処理は正常に行わ
れ得る。
【0045】図5に戻って、プログラムセングメント3
に続いてプログラムセグメント4が実行されることによ
り、差分処理信号に相関アルゴリズムに基づく処理が施
される。
【0046】相関アルゴリズムにより、連続する2拍の
心拍にほぼ対応するように予め決定された期間に採取さ
れた連続する2拍分の脈波波形に関して、1拍に対応す
る2つの脈波波形の間の類似度が定量的に算出される。
その原理として、人体における1拍の心拍と、これに続
く次の1拍の心拍にそれぞれ対応する各脈波波形は極め
て近似するものであることが挙げられる。相関アルゴリ
ズムでは現下の心拍に同期して発生する脈波の波形と、
その直前の心拍に同期して検出された脈波の波形とが比
較される。
【0047】相関アルゴリズムに基づく処理は本発明の
自己相関値算出手段および自己相関判定手段に対応する
サブステップ4aにおいて以下のように実行される。変
数ICORは、心臓収縮時点を検出するまでに費やされ
るクロック信号〔ティック(tick) 〕の数(すなわち経
過時間)を連続的に計測するカウンタとして使用され
る。処理開始に際し、ICORが1にセットされる。そ
してICORはクロックのティックの1ずつの増加に対
応して1ずつ増加させられる。(すわなち、時間データ
が1つずつ読み込まれるようになっている。)変数IC
ORが1にセットされた時、後に説明する変数DSUM
およびNSUMの2つが0にセットされる。心臓収縮時
点の検出処理が開始されてから実際に心臓収縮時点(と
推定されるもの)が検出されるまでの期間における、ト
ノメータセンサ2を構成する複数のセンサ素子15のう
ち予め決定された特定の単一のセンサ素子15からのデ
ータが、CORELAと称されるデータバッファに記憶
される。変数ICORはCORELAのポインタとして
使用される。すなわち、クロックのティックに対応する
ICORの時間計測が開始された後、換言すれば心臓収
縮時点の検出処理が開始された後、前記特定の単一のセ
ンサ素子15からのデータがICORをポインタとする
CORELAに記憶されるのである。
【0048】たとえば、予め特定された単一のセンサ素
子15からのデータのうち、前回の心拍に対応する脈波
信号のデータが上記COLERAに記憶される一方、最
新の心拍に対応する脈波信号のデータはCOLELBと
称されるCORELAとは別のデータバッファに記憶さ
れるものと仮定する。最新の心拍に同期して今回の心臓
収縮時点が検出されると、続いて相関係数CORが算出
される。前回の脈波および今回の脈波との相関係数は数
学的に数2に示すように定義される。
【0049】
【数2】
【0050】和分法に基づく上記数2において、“Σ”
は作動開始から心臓収縮時点を検出するまでに経過した
時間Jに対応するデータの総和である。今回の心拍に同
期した脈波波形が前回の心拍に同期した脈波波形と完全
に一致するものであるならば、CORELAはCORE
LBと一致し、相関係数CORは1で示される。また相
関係数CORが1とひどくかけ離れた数値であるなら
ば、前回の脈波と今回の脈波とは波形がほぼ一致するも
のとは言えず、少なくとも上記2つの脈波のうちの一方
はモーションアーチファクトに起因して歪められた波形
である。本プログラムにおいて脈拍数測定に有効な真の
脈波として認められ得る相関係数CORは約0.6〜
2.0の範囲内であって、この範囲外の相関係数を示す
波形は除去されるか或いは捨て置かれる。もちろん、こ
こに開示された技術の主旨を逸脱しない限りにおいて、
相関係数CORの真の脈波を判定する判定基準範囲は上
記以外の数値でもあり得る。
【0051】上述した相関係数に関する通例の数学的定
義としては、相関係数は前述のCORELAとCORE
LBによって例示されたような相関処理の対象となる2
つの波形において、各波形が形成されるのに費やされた
時間の長さが完全に一致する場合においてのみ適用され
る。換言すれば、前記数式2は、上記2つの波形に対応
する2拍の心拍の発生期間が等しい場合にのみ、数学的
な価値が認められるものである。本実施例においては、
このような数学的拘束力に捕らわれず、たとえ2拍の心
拍の発生期間が完全に等しいものでなくとも相関係数C
ORの算出は実施される。数式2は、それがたとえ数学
的に不正確となり得る状況下で使用されたとしても、モ
ーションアーチファクトを検出するのに大いに効果的な
ものであるという理由から、2つの波形の存在する時間
の長さが一致しない場合でも、有効に利用される。
【0052】好適には、前記データバッファとして挙げ
たCORELBは使用されず、代わりに数式2の分子の
移動加算値NSUM、および数式2の分母の移動加算値
DSUMが、各センサ素子15からのデータが得られた
時点でそれぞれ更新される。一例として、数式3に示す
BP(ELEMENT)は、変数ICORの示す所定時間におい
て予め特定された単一のセンサ素子15により検出され
た圧力であるとすると、上記更新処理は数3に示される
式10、式20、式30の順に行われる。
【0053】
【数3】 10 DSUM=DSUM+(BP(ELEMENT)×BP(ELEMENT)) 20 NSUM=NSUM+BP(ELEMENT)×CORELA(ICOR) 30 CORELA(ICOR)=BP(ELEMENT)
【000 】相関係数は、心臓収縮時点の検出に続い
て、数式4のように単純に算出される。
【0054】
【数4】COR=NSUM/DSUM
【0055】数式3における式20のCORELA(I
COR)には前回の心拍に伴う脈圧のデータがまだ含ま
れている。そこで次回の心拍に関連する計算処理のため
に、数式3の式30においてCORELAが更新される
ようになっている。数式2におけるCORELAおよび
CORELBの2つのデータバッファでの処理に代わる
このような移動加算値の使用は、コンピュータ処理が能
率的であり得且つ記憶装置が単純に構成され得るという
点で有効である。相関係数CORは数式2のように定義
されたが、ここに開示された技術の主旨を逸脱しない範
囲であれば数式2以外にも定義され得る。
【0056】図10に示す表には、例として、仮想のデ
ータに基づく適当な変数が記載されている。仮に変数I
CORが3を示した時が心臓収縮時点であると仮定する
と、(実際には心臓収縮時点を検出するに至るまでには
3をはるかに上回る数のデータが得られる程度の長い脈
波波形が形成される)相関係数CORは数式5に示され
るように算出される。
【0057】
【数5】 COR=NSUM/DSUM=3850/5325 = .723 L Feed
【0058】上記脈波信号は前記相関係数CORの判定
基準範囲0.6〜2.0に基づいて、脈拍数測定に有効
な真の脈波信号と判断される。
【0059】更に、相関係数CORの算出に関する他の
態様として、以下に示す数式6の定義が挙げられる。
【0060】
【数6】 COR=(CORELA(j)* CORELB(j) /(AMPA)×(AMPB)
【0061】但し、数式6のAMPA=sqrt(DS
UM)、AMPB=sqrt(DSUM’)(DSU
M’は前回の心拍に対応するDSUM)である。
【0062】上記のように定義された相関係数COR
は、今回の心拍と前回の心拍とに対応する2つの脈波信
号の間に生じる大きさの変化とは無関係なものとされて
いる。
【0063】サブステップ4aに続くサブステップ4b
では、心臓収縮時点から予め定められた標準期間内、た
とえば0.25秒程度のノッチが現れるまでの期間経過
したか否かが判断される。この判断が肯定された場合に
は、再びプログラムセグメント1が実行されることによ
り、更にセンサ素子15からの脈波信号が読み込まれて
累積される。また上記判断が否定された場合には、続い
てプログラムセグメント5が実行される。
【0064】図11に示されるように、反転していない
標準の脈波波形100には、心臓収縮時点に対応する上
ピーク点104を頂点としてそこから下に垂れ下がるよ
うな降圧傾斜が、比較的広範囲にわたって存在する。ま
たこれに関連して、一定区間において極小圧力を示すノ
ッチ110も明らかに確認される。このような特徴か
ら、プログラム処理の過程で標準脈波100であるにも
関わらず反転波形100’(すなわち比較的広範囲の降
圧傾斜を有し、一定区間において最小値を示す部分を含
む波形)であると誤って判断される場合がある。これと
同様の問題は反転脈波100’においても発生し得る。
すなわち図12に示されるような、心臓収縮時点に続い
て現れるノッチ110’を有する反転脈波100’が、
新たに発生した標準脈波100であると誤って判断され
る場合がある。プログラムとしては上記標準脈波100
および反転脈波100’の両者に対する正確な処理が要
求される。この要求に応じ得る最良の方法は、通常心臓
収縮時点が検出された後に行われる脈波波形の相関処理
の開始を遅延させることである。しかし、この方法は相
関アルゴリズムに関していくつかの弊害を伴う。という
のは、相関アルゴリズムは、相関アルゴリズムが適用さ
れ得る形状まで脈波波形が形成された区間の完了に応答
して直ちに実行されるのがもっとも効果的だからであ
る。上記不都合を考慮した折衷的な解決方法は、サブス
テップ4bにおいて心臓収縮時点が検出されてから次の
心臓収縮時点の検出処理が開始されるまでの間に所定の
遅延期間を設け、この遅延期間を過ぎてからプログラム
セグメント5が実行される前までの期間に相関処理を開
始し且つ完了させることである。
【0065】このように、本実施例では、上記本発明の
自己相関処理遅延手段に相当するサブステップ4bにお
いて、センサ素子15と動脈との位置関係が好適に設定
されないことにより、あるいはセンサ素子15がずれて
生体との位置関係が変化することにより発生する反転脈
波100’が好適に処理されるようになっているため、
正の圧力波形しか正確に処理され得ない従来の脈波検出
装置に比較して脈拍数測定装置の装着に関するさまざま
な制約、および/または被測定者へ不快感を与えること
が好適に解消される。上記従来の脈拍数測定装置は、脈
波を採取すべき動脈上の好適な位置に正確に配置され且
つ比較的強く保持されることが要求され、その際、脈拍
数測定装置の装着に関するさまざまな制約、および/ま
たは被測定者へ不快感を与えることが避けられなかった
のである。
【0066】プログラムセグメント4に続いて実行され
るプログラムセグメント5では、脈波信号のうち、最低
値および最高値を示すデータを有する信号が累積して記
憶される。図5に示されるように、サブステップ5aで
は、最新の脈波信号のデータが前回の脈波信号のデータ
と比較されることにより、前記予め決定された特定のセ
ンサ素子15の脈波信号が経時的に増加したか、減少し
たか、或いは等しいかが判断される。上記脈波信号が経
時的に増加したと判断された場合には、サブステップ5
eにおいてフラグDOWNHILLの内容がFalse
とされる。一方減少したと判断された場合には、サブス
テップ5bにおいてフラグDOWNHILLの内容はT
rueとされる。増加したと判断された脈波信号はサブ
ステップ5e、5fおよび5gにおいて処理され、減少
したと判断された信号はサブステップ5b、5cおよび
5dにおいて処理される。そしてプログラムはセグメン
ト6に移行する。
【0067】図6において、本発明の傾斜値算出手段に
相当するサブステップ6aでは、前記特定のセンサ素子
15に対応する脈波信号の傾斜値が算出される。続いて
本発明の傾斜判定手段に相当するサブステップ6bにお
いてサブステップ6aで求められた傾斜値が予め定めら
れたしきい傾斜値を上回ったか否かが判断されることに
より、前回の心臓収縮時点(それが真のものか否かは明
らかでないが)が検出されてから後既に予め定められた
しきい傾斜値を上回る傾斜を有する脈波信号が発生した
か否かが判断される。前回の心臓収縮時点が検出されて
から既に上記しきい傾斜値を超える傾斜の脈波信号が発
生したと判断された場合には、次の最大絶対傾斜値を検
出することにより次の心臓収縮時点を検出するためのサ
ブステップ6e〜6iが実行される。サブステップ6e
で、心臓収縮時点が、標準脈波においては極大値を示す
上ピーク点104、反転脈波においては極小値を示す下
ピーク点104’として検出された場合には、サブステ
ップ6gが実行されて最大絶対傾斜値の65%に相当す
る値が記憶され、これが次の信号のしきい傾斜値として
使用される。上記上ピーク点104または下ピーク点1
04’が検出されない場合には、図8のセグメント13
が実行された後、プログラムセグメント1に戻る。サブ
ステップ6bにおいて前回の心臓収縮時点の検出後にお
いて未だしきい傾斜値を上回る脈波信号が発生していな
いと判断された場合には、サブステップ6j〜6pが実
行されることにより、今回の心臓収縮時点の検出期間と
して予め設定されたサンプリング期間内にしきい傾斜値
を超える傾斜値を有する脈波信号が発生したか否かが判
断される。サブステップ6mでは、今回の傾斜の絶対値
がしきい傾斜値より大きいか否かが判断される。今回の
傾斜の絶対値がしきい傾斜値より大きいと判断された場
合にはサブステップ6oが実行されて、正である場合に
は標準脈波100を示す内容に、しきい傾斜値より大き
いと判断された傾斜値が負である場合には反転脈波10
0’を示す内容に、フラグがセットされる。続いてサブ
ステップ6pおよびプログラムセグメント13が実行さ
れた後、プログラムはセグメント1に戻って更にデータ
が蓄積される。
【0068】プログラムセグメント6において本発明の
心臓収縮時点検出手段に相当するサブステップ6eおよ
び6fにより心臓収縮時点とされるもの(これが真のも
のか否かは確かでない)が検出された場合、続くプログ
ラムセグメント7において複数のセンサ素子15のうち
最大振幅の脈波信号と、その最大脈波信号を出力したセ
ンサ素子15とが特定される。脈波信号の振幅は、1つ
のセンサ素子15において、1拍の心拍に同期してその
センサ素子15から出力された脈波信号のうちの最大値
(極大値)と最小値(極小値)との差に基づいて測定さ
れる。図7のサブステップ7aでは、複数のセンサ素子
15に対応する複数の脈波信号の中から、最大振幅を有
する脈波信号とこれに対応するセンサ素子15とが特定
される。サブステップ7bでは、複数の脈波信号の中か
ら正の最大振幅を示す脈波信号とこれに対応するセンサ
素子15とが特定される。サブステップ7cでは、1拍
毎の心拍において最も大きな振幅を示した脈波信号に対
応するインデックスが順次記憶されることにより、最新
の心拍を含む連続した過去5拍分の心拍にわたって最大
振幅を示す脈波信号を出力したセンサ素子15が信頼し
得る事実上のセンサ素子15(アクティブ素子)として
選定される。
【0069】プログラムセグメント8は、1拍分の脈波
の発生期間内に含まれる2つのトリガ(極大値)を検査
するプログラムであり、本発明の心臓収縮周期決定手段
に相当する。まずサブステップ8aおよび8cでは、前
回の心臓収縮時点から今回の心臓収縮時点までの心臓収
縮周期が、予め求められた平均心臓収縮周期のプラスマ
イナス30%の範囲内であるか否かが判断される。この
判断が肯定された場合には、幾つかのステップが省略さ
れてサブステップ8eが直ちに実行され、上記心臓収縮
周期がRAM70に記憶される。心臓収縮周期が平均心
臓収縮周期のマイナス30%以下の場合には、サブステ
ップ8bが実行されて、現在から逆上った過去15秒間
に脈拍数測定に有効な真の脈波信号が検出されたか否か
が判断される。真の脈波信号が検出されていない場合に
は上述のサブステップ8eが実行される。15秒間に真
の脈波信号が検出されていると判断された場合には、続
いてサブステップ8cおよび2トリガアルゴリズム処理
が実行される。
【0070】2トリガアルゴリズムは、2つの有効なト
リガの間に発生する不要なトリガを処理するためのもの
である。この名称は、1拍の脈波信号に関連して1つの
トリガよりも2つのトリガが発生し易い事実に基づいて
いる。
【0071】2トリガアルゴリズムは、連続する2つの
心臓収縮時点を結ぶ期間に相当する心臓収縮周期のう
ち、最新の心臓収縮周期(本プログラムでは、この最新
の心臓収縮周期を変数SYSTIMと称する)と、後述
する加重平均脈拍数に基づいて予め決定された平均心臓
収縮周期を核とする所定の基準周期範囲とを比較するも
のである。2トリガアルゴリズムでは最新の心臓収縮周
期と前回の心臓収縮周期(いずれも脈拍数測定に有効な
真の脈波信号に基づく有効な周期か否かは不明である
が)の両者が順次記憶される。本プログラムでは、前回
の心臓収縮周期を変数SYS1と称する。
【0072】プログラムセグメント8の処理に従えば、
最新の心臓収縮周期が前記予め決定された平均心臓収縮
周期の70%を超えている場合には、以下セグメント8
におて何の処理も加えられず2トリガアルゴリズムも実
施されない。平均心臓収縮周期の70%以下であると判
断された場合には、現在から逆上った15秒以内に脈拍
数測定に有効な真の脈波信号が検出されたか否かが判断
される。この判断が否定された場合には、2トリガアル
ゴリズム処理は行われず、次の処理に移る。
【0073】過去15秒以内に真の脈波信号が検出され
たと判断された場合には、今回の心臓収縮周期と前回の
心臓収縮周期の合計値が平均心臓収縮周期と比較され
る。この合計値が平均心臓収縮周期の130%を下回る
場合には変数SYSTIMがSYSTIM+SYS1に
更新される。
【0074】このように、本実施例では、プログラムセ
グメント8において2アルゴリズムが実施されるように
なっているため、ノッチに起因する脈拍数の誤測定が好
適に補償されて脈拍数の測定精度の低下が好適に防止さ
れ得る。従来では、脈波信号にノッチが存在する場合、
心拍の一周期の間に昇圧期および降圧期がそれぞれ二回
ずつ確認されることとなり、これら2回の昇圧期および
降圧期に関連して、一拍の脈拍が誤って2拍と判断され
る場合があり、このような不正確な判断が脈拍数の測定
精度を大幅に低下させる要因となっていたのである。
【0075】2トリガアルゴリズムでは、突起状の波形
として現れる短期間のノイズ信号またはモーションアー
チファクトの混入により実際の心臓収縮周期が前回の心
臓収縮周期および今回の心臓収縮周期として2分割され
た場合でも、この状態が補償されるようになっている。
今回の心臓収縮周期が補償され、この補償心臓収縮周期
が次回に発生すると予想される心拍に対して前回の心臓
収縮周期とされる。2トリガアルゴリズムは、1拍の心
拍に対して3以上のトリガも処理することが可能な原理
である。
【0076】本実施例における2トリガアルゴリズムは
加重平均脈拍数のみに関与するものであって、前述した
相関アルゴリズムには何ら作用しない。しかし本発明の
他の好適な実施例によれば、以下に示す条件が満たされ
た上で、2トリガアルゴリズムと相関アルゴリズムとが
相互に関連しつつ信号処理が実行され得る。
【0077】1.加重平均脈拍数に基づいて予め決定さ
れた異常に短い期間内にトリガが発生した場合には、変
数ICORはリセットされない。 2.前記ノッチに隣り合う上り傾斜部分において本来存
在しないはずのトリガが発生することを防止するため、
心臓収縮時点が検出された後に実施されるトリガの検出
処理の開始が遅延される。この遅延期間において、相関
処理、すなわち、前述したアレイCORERA、変数N
SUM、DSUMおよびICORがクロックの計測に関
連してそれぞれ更新されるという処理操作は引き続き実
行される。
【0078】2トリガアルゴリズムの実行に際して重要
な点は、その使用を制限することにある。特に、脈拍数
測定に有効な真の脈波が検出されたから15秒以上経過
した後には2トリガアルゴリズムに関連する処理が実行
されないようになっている。また、本実施例のプログラ
ムの開始に当たっても使用すべきではない。脈拍数測定
に有効な真の脈波が一旦検出されると、2トリガアルゴ
リズムは真の脈波の検出の助けとなるように作用する。
そして真の脈波が検出されてから15秒経過後に2トリ
ガアルゴリズム処理が中止されることにより、実際には
存在しないはずの脈波の“発生”が抑制される。加重平
均脈拍数は強いノイズおよびアーチファクトが発生して
いる期間においてずれを生じる傾向がある。存在するは
ずのない複数のパルスの合計発生時間がたとえば15秒
以上である場合、脈拍数のずれの可能性は実際の脈拍数
の50%にも及ぶ場合がある。この時、まだ2トリガア
ルゴリズムの処理が有効とされているなら、実際の脈拍
数の50%にも及ぶずれは防止され得る。2トリガアル
ゴリズムの原理に基づいて、1/2 トリガアルゴリズム、
1/3トリガアルゴリズムなども実施するのが賢明であ
る。上記1/2 トリガアルゴリズム、 1/3トリガアルゴリ
ズムは、存在すべきトリガが採取されない場合にこれを
補償するためのアルゴリズムである。
【0079】続いてプログラムはセグメント9に移る。
このセグメント9では、心臓収縮周期が、生理学に基づ
いて予め定められた範囲内、すなわち脈拍数に換算して
約35〜225ビート/分(BPM)に相当する範囲内
であるか否かが判断される。心臓収縮周期が上記範囲内
でない場合には、プログラムセグメント14が実行さ
れ、このうちサブステップ14aにおいて現在から逆上
る30秒間に脈拍数測定に有効な真の脈波が検出された
か否か判断される。この真の脈波が検出された場合に
は、プログラムセグメント13が実行された後セグメン
ト1に戻る。真の脈波が検出されていない場合には、サ
ブステップ14bにおいて表示装置76が空白(blank)
の状態とされた後セグメント13が実行され、続いてセ
グメント1に戻る。セグメント9aにおいて心臓収縮周
期が上記予め定められた範囲内であると判断された場合
には、プログラムはセグメント10に移る。
【0080】セグメント10では、加重平均脈拍数が算
出されるとともに、この加重平均脈拍数が予め定められ
た範囲内であるか否かが判断される。
【0081】サブステップ10では、加重平均脈拍数が
数式7により求められる。
【0082】
【数7】 APRt =APRt-1 ×(1−C)+(PRt )×C
【0083】数式7のうち、APRt は今回の平均脈拍
数、APRt-1 は前回の平均脈拍数、PRt は今回の脈
拍数、Cは今回の加重係数であって前回の処理過程にお
けるプログラムセグメント10で算出された前回の加重
係数を下回る値である。
【0084】サブステップ10bでは、今回の加重平均
脈拍数が予め定められた約0.8P〜1.3Pの範囲内
であるか否かが判断される。ここで上記Pは前回の加重
平均脈拍数に相当する。今回の加重平均脈拍数が上記範
囲内である場合には、プログラムはサブステップ10c
に移り、加重係数Cが0.1以上の予め定められた割合
だけ小さくされ、その小さくされた加重係数が新たな加
重係数Cとして記憶される。そしてプログラムはセグメ
ント11に移る。サブステップ10bにおいて、今回の
加重平均脈拍数が0.8P〜1.3Pの範囲内でないと
判断された場合には、サブステップ10dが実行される
ことにより加重係数Cが0.5以下の予め定められた割
合だけ大きくされ、その大きくされた新たな加重係数が
記憶される。そしてステップ10eでアーチファクトフ
ラグが立てられた後、プログラムセグメント14におい
て前述した処理が実行される。
【0085】図8に移って、プログラムセグメント11
では、セグメント10からの脈波信号が予め定められた
しきいノイズを上回っているか否かが判断される。この
予め定められたしきいノイズの値はたとえば0.025
ボルトであって、センサ素子15の出力信号の約0.7
mmHgに相当する。脈波信号が上記予め定められたしきい
ノイズの値より小さいと判断された場合には、サブステ
ップ11bでアーチファクトフラグが立てられた後プロ
グラムセグメント14が実行される。脈波信号の振幅が
しきいノイズの値を上回っていると判断された場合には
セグメント12が実行される。
【0086】プログラムセグメント12において、サブ
ステップ12aでは相関係数CORが数式8に従って算
出される。なお、数式8のNSUMおよびDSUMはと
もにプログラムセグメント4において算出された値であ
る。
【0087】
【数8】COR=NSUM/DSUM
【0088】サブステップ12bでは、相関係数COR
が予め定められた範囲、たとえば0.6〜2.0の範囲
内であるか否かが判断される。相関係数CORが上記範
囲内でないと判断された場合には、サブステップ12c
においてアーチファクトフラグが立てられた後、プログ
ラムセグメント14が実行される。相関係数CORが上
記範囲内であると判断された場合には、プログラムセグ
メント13が実行される。
【0089】プログラムセグメント13では、脈拍数が
算出され且つ表示される。サブステップ13aでは、表
示すべき脈拍数、すなわち脈拍数測定に有効な真の脈波
信号に基づく加重平均脈拍数が表示脈拍数として算出さ
れる。表示脈拍数はプログラムセグメント10において
算出された加重平均脈拍数と同一ではなく、表示脈拍数
は真の脈波の検出に関連してのみ更新される。真の脈波
が検出されると、表示脈拍数が数式9に従って算出され
る。
【0090】
【数9】DPRt =(1−D)×(DPRt-1 )+
(D)×(PRt
【0091】数式9において、DPRt は更新内容に相
当する最新の表示脈拍数、DPRt-1 は前回の表示脈拍
数、PRt は最新の脈拍数、Dは定数である。なお、好
適には、定数Dは予め定められた値であって約0.2で
ある。
【0092】サブステップ13bでは、心臓収縮時点が
検出されてから相関処理を開始するまでの遅延期間が1
拍の心拍期間の0.25倍にセットされ、続くサブステ
ップ13cでは心臓収縮時点検出タイマがリセットされ
る。続くサブステップ13dでは表示装置76の内容が
更新される。そしてプログラムはセグメント1に戻り、
脈拍数測定のためのプログラムが繰り返し実行される。
すなわち、サブステップ13aが本発明の脈波数算出手
段を、サブステップ13dが表示装置76とともに本発
明の表示手段をそれぞれ構成しているのである。
【0093】上述のように、本実施例の脈拍数測定装置
においては、プログラムセグメント3におけるサブステ
ップ3aにおいて、複数のセンサ素子15に対応する前
記複数種類の脈波信号から予め定められた加重係数に基
づいて算出された加重平均信号が、サブステップ3bに
おいて上記複数種類の脈波信号の各々から差し引かれる
ことにより複数種類の脈波信号が補正される。そしてプ
ログラムセグメント13aにおいてこの補正脈波信号に
基づいて脈拍数が算出されるとともに、プログラムセグ
メント13dにおいてその脈拍数が表示装置76に表示
される。それ故、本実施例の装置によれば、モーション
アーチファクトを正確に反映した前記複数種類の脈波信
号の加重平均信号が各脈波信号から差し引かれることに
より得られた、実質的にモーションアーチファクトが除
去された補正脈波信号から脈拍数が算出されるため、モ
ーションアーチファクト等のアーチファクトが好適に補
償されて脈拍数の高い信頼性が得られるのである。
【0094】更に、本実施例ではモーションアーチファ
クトを除去する手段として、複数のアルゴリズムが組み
合わされて使用されているため、複数の異なったモーシ
ョンアーチファクトが同時に発生する、という現象や、
その他にも信号処理の精度を得る手段が一つでは対処不
能な現象が発生した場合でも精度の高い脈拍を得ること
が可能となっている。なお、本実施例において開示した
複数のアルゴリズムのうちの少なくとも1つが実施され
ることにより、脈拍数の測定精度に関して一応の効果が
得られる。
【0095】当業者であれば本発明における上記以外の
他の実施態様も明らかとし得る。たとえば、本実施例で
は脈波数測定装置を開示したが、図1乃至図4に示され
た装置は血圧或いは呼吸数など心肺機能に関するパラメ
ータを測定する装置としても適用され得る。本実施例の
脈拍数測定装置はモーションアーチファクトおよびノイ
ズアーチファクトが除去或いは補償されるという効果を
有することを特徴とするものであり、これと同等の効果
は脈圧あるいは脈波の検出機能を有する測定装置に享受
される。本実施例の脈拍数測定装置を基礎とし、ROM
72に記憶されたプログラムを変更することにより、心
臓または肺に関するパラメータを測定する測定装置を複
数得ることができるのである。
【0096】また、図5乃至図8に示されたプログラム
セグメントは、追加或いはその一部の変更が許容され
る。たとえば、本実施例では2トリガアルゴリズムのみ
が実施されていたが、前述したように1/2トリガアル
ゴリズム或いは1/3トリガアルゴリズムが付加的に実
行されても良い。
【0097】また、プログラムセグメント10において
使用された定数(加重係数)Cは他の値であっても構わ
ない。加重平均脈拍数の算出過程において使用される加
重係数Cを決定するアルゴリズムは、本実施例として開
示したもの以外にも複数存在する。但し、本実施例の加
重係数アルゴリズムおよび以下に示す他の加重係数アル
ゴリズムのすべてに関し、加重係数Cは約10%〜50
%の範囲内に限定される。(すなわち、最新の脈拍数は
加重平均脈拍数により平均化されるが、その際約10%
〜50%の範囲内に限定された重みが最新の脈拍数に付
与される。)たとえば、第1のアルゴリズムは、加重係
数CはK/(心拍数)で与えられる。このように設定さ
れた加重係数Cは心拍数と反比例の関係にある。1分間
当たりの脈拍数を60とした場合、比例定数Kは加重係
数Cが50%となるように設定される。第2のアルゴリ
ズムは、C=f(信頼度;Belief)で与えられる。この
アルゴリズムでは、加重平均脈拍数を核とする所定の基
準脈拍数範囲に最新の脈拍数が含まれる場合、加重係数
Cは45%に設定され、最新の脈拍数が上記基準脈拍数
の範囲を超えている場合、加重係数Cは15%に設定さ
れる。すなわち、第2のアルゴリズムでは、最新の脈拍
数の確度を示す信頼度が高い場合には加重係数Cは大き
い値とされ、信頼度が低い場合には加重係数Cは低い値
とされる。好適には、上記基準脈拍数範囲は加重平均脈
波数の20%以下の値乃至30%以上の値の範囲とされ
る。第3のアルゴリズムはC=kX(DISTIM)で
与えられる。このアルゴリズムでは、加重係数Cは脈拍
数測定に有効な真の脈波が検出されてからの経過時間D
ISTIMに比例する。比例定数kは、前回の有効な真
の脈波の検出から15秒程度経過した場合に加重係数C
が約50%となるように設定される。
【0098】当業者であれば、本発明は、本発明の技術
範囲において本実施例に更に別の特徴が付加されること
により、循環機能を健全にするために有効に利用され得
ることが容易に理解されよう。循環機能を健全にするた
めには、たとえば脈拍数を予め定められた最低水準以上
に引き上げるとともに、この状態を予め定められた最低
期間維持することが効果的である。表示される脈拍数が
上記最低水準として予め設定された運動脈拍数を下回っ
た場合にこれを報知する報知手段を設けることは、当業
者にとって容易なことである。また、このような特徴に
加え、実際に行われた全循環機能運動状態を示すため
に、脈拍数を経時的に示す表示手段が付加されてもよ
い。この場合、予め定められた期間心拍数が引き上げら
れた状態に維持された後に作動するような警報手段が備
えられ得る。
【0099】また、本発明は、表示される脈拍数が予め
定められた値を超えた場合に作動するような警報手段が
備えられることにより、循環器系の機能障害を有する患
者にも有効に適用され得る。
【0100】当業者であれば、上記以外にも以上の記載
から本発明の部分的変更を種々認めることができよう。
このように、本明細書には実施例の一部が開示されてい
るに過ぎないが、本発明は上記以外にも本発明の精神を
逸脱しない限りにおいて多数の変更が加えられ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であって、ケースに接続され
た脈拍数測定用センサを有する脈拍数測装置を示す概略
図である。
【図2】ジンバル部材に保持されたトノメータセンサの
斜視図である。
【図3】図2のトノメータセンサのスプリングの曲度を
示す図であって、aは曲度の小さい場合、bは中程度、
cは曲度の大きい場合である。
【図4】本発明の好適な一実施例である脈拍数測定装置
における脈拍数測定処理回路のブロック線図である。
【図5】図4の作動を説明するフローチャートの一部で
ある。
【図6】図4の作動を説明するフローチャートの一部で
ある。
【図7】図4の作動を説明するフローチャートの一部で
ある。
【図8】図4の作動を説明するフローチャートの一部で
ある。
【図9】図5において、未処理信号が差分処理アルゴリ
ズムによって処理された結果を示す図表である。
【図10】図5において使用される相関アルゴリズムを
示す図表である。
【図11】標準脈波波形を示す図である。
【図12】反転脈波波形を示す図である。
【図13】本発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
1:脈拍数測定装置 2:トノメータセンサ 15:センサ素子 68:CPU 76:表示装置(表示手段) プログラムセグメント2:過大脈波信号除去手段 サブステップ3a:加重平均信号算出手段 サブステップ3b:脈波信号補正手段 サブステップ4a:自己相関値算出手段、自己相関判定
手段 サブステップ4b:自己相関処理遅延手段 サブステップ6a:傾斜値算出手段 サブステップ6b:傾斜判定手段 サブステップ6e、6f:心臓収縮時点検出手段 プログラムセグメント8:心臓収縮周期決定手段 プログラムセグメント13a:脈拍数算出手段 プログラムセグメント13d:表示手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーヴン・ティー・ホウムズ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94306 パロ・アルト メイベル・ウェ イ 4144 (72)発明者 トマス・ピー・ロウ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94062 ウッドサイド スカイウッド・ ウェイ 60 (72)発明者 ルードルフ・エルブレクト アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94022 ロス・アルトス ファーンダ ン・アヴェニュ 1888 (72)発明者 フィリップ・アール・ジューク・ザ・サ ード アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94028 メンロウ・パーク ディアナ・ ドライヴ 1150 (72)発明者 ロナルド・イー・ペルライン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94028 メンロウ・パーク ロウブレイ ズ・アヴェニュ・ナンバー3 689−ビ ー(番地なし) (72)発明者 ヴィクター・ティー・ニュートン・ジュ ニア アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94025 メンロウ・パーク ウェイヴァ リー・ストリート・ナンバー4 307 (56)参考文献 特開 昭59−131327(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/00 - 5/03

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセンサ素子により構成された単一
    のアレイを有するトノメータセンサを備え、該トノメー
    タセンサから出力される複数種類の脈波信号に基づいて
    精度の高い脈拍数を得るための脈拍数測定装置であっ
    て、 予め定められた加重係数に基づいて前記複数種類の脈波
    信号の加重平均信号を算出する加重平均信号算出手段
    と、 該加重平均信号算出手段により算出された加重平均信号
    を前記複数種類の脈波信号の各々から差し引くことによ
    り、該複数種類の脈波信号を補正する脈波信号補正手段
    と、 該脈波信号補正手段により補正された補正脈波信号に基
    づいて脈拍数を算出する脈拍数算出手段と、 該脈拍数算出手段により算出された脈拍数を表示する表
    示手段と、 を含むことを特徴とする脈拍数測定装置。
  2. 【請求項2】 前記脈拍数測定装置が、 前記複数種類の補正脈波信号の少なくとも一つにおいて
    予め定められた期間内における自己相関度を示す自己相
    関値を算出する自己相関値算出手段と、 該自己相関値算出手段により算出された前記自己相関値
    が予め定められた相関係数の範囲内であることを以て前
    記補正脈波信号を有効と判定する自己相関判定手段と、 をさらに含む請求項1に記載の脈拍数測定装置。
  3. 【請求項3】 前記脈拍数測定装置が、 前記複数種類の補正脈波信号の少なくとも一つにおいて
    傾斜値を算出する傾斜値算出手段と、 前記傾斜値算出手段により算出された前記傾斜値が予め
    定められたしきい傾斜値を上回っていることを以て前記
    補正脈波信号を有効と判定する傾斜判定手段と、 をさらに含む請求項1および2のいずれか一つに記載の
    脈拍数測定装置。
  4. 【請求項4】 前記脈拍数測定装置が、 前記複数種類の補正脈波信号の少なくとも一つにおいて
    心臓収縮時点を検出する心臓収縮時点検出手段と、 該心臓収縮時点検出手段により検出された心臓収縮時点
    の時間間隔である心臓収縮周期を予め定められた基準周
    期と比較するとともに、該心臓収縮周期が該基準周期を
    超えた場合には該心臓収縮周期を今回の心臓収縮周期と
    決定し、該心臓収縮周期が予め定められた範囲以下であ
    る場合には、該心臓収縮周期と前回決定された心臓収縮
    周期との合計値に基づいて今回の心臓収縮周期を決定す
    る心臓収縮周期決定手段と、 をさらに含む請求項1乃至3のいずれか一つに記載の脈
    拍数測定装置。
  5. 【請求項5】 前記脈拍数測定装置が、前記複数種類の
    脈波信号の少なくとも一つにおいて、予め定められた上
    限値を超えた脈波信号をアーチファクト信号と判定して
    該アーチファクト信号を除去する過大脈波信号除去手段
    をさらに含む請求項1乃至4のいずれか一つに記載の脈
    拍数測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項2の脈波数測定装置が、前記自己
    相関値算出手段および自己相関判定手段を心臓収縮時点
    から所定期間後に作動させる自己相関処理遅延手段をさ
    らに含む請求項2に記載の脈拍数測定装置。
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