JP3029901U - 容 器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】容器本体の少なくとも一部分に蛇腹部を形成し
て、この蛇腹部による伸縮可能構成（伸縮許容構造）に
て容積を任意に可変すべく構成することで、空の容器の
搬送、保管、回収時にコンパクト化を図ることができ、
かつコンパクトに縮小した状態から元の状態に復元する
ことができ、また内容物が収納された時にはその減分量
に対応して容器の容積を復元可能に縮小することがで
き、内部に炭酸飲料を貯留して飲用後の残部を保存する
際には、容積の必要任意量の縮小により容器内の上層に
空気層が形成されるのを抑制して、風味劣化防止を図る
ことができ、しかもリサイクル時においても容積のコン
パクト化により大幅な有効性を確保することができる容
器の提供を目的とする。 【解決手段】内部中空の容器本体５の少なくとも一部分
に蛇腹部６を形成して、容積を可変すべく構成したこと
を特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、例えば内部に飲料（炭酸飲料を含む）やその他の液体あるいは他 の物体を収納するＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）ボトル、ブローボトル のような容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上述例の容器としては例えば図９に示すような構造の容器がある。 すなわち、有底筒状の底部９１と、キャップ螺合用のネジ部９２および内容物 の出入口９３が一体形成された頂部としてのトップ部９４とを、内部中空の容器 本体９５で一体化した容器で、容器全体がポリエチレンテレフタレート（いわゆ るＰＥＴ）等の合成樹脂によりブロー形成されたものである。

【０００３】 この容器は軽量かつ汎用性を有する利点がある反面、容器の容積が可変不能に 構成されているため、空の容器の搬送、保管、回収時にコンパクト化を図ること ができず、また内部に飲料等を貯留した際には、内容物の飲用、使用による減分 量に対応して容器の容積を任意に縮小することも不可能で、特に容器内部に炭酸 飲料を貯留し、一部を飲用した後に残部を容器内にて保存すると容器内の上層に 当然空気の層が形成されるので、風味が劣化する問題点があった。 加えて、上記容器をリサイクルする目的で回収、運搬し合成樹脂破砕機に投入 する際にも嵩高となるため、回収、運搬コストが高くなるうえ、破砕効率が悪い 問題点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案の請求項１記載の考案は、容器本体の少なくとも一部分に蛇腹部を形 成して、この蛇腹部による伸縮可能構成（伸縮許容構造）にて容積を任意に可変 すべく構成することで、空の容器の搬送、保管、回収時にコンパクト化を図るこ とができ、かつコンパクトに縮小した状態から元の状態に復元することができ、 また内容物が収納された時にはその減分量に対応して容器の容積を復元可能に縮 小することができ、内部に炭酸飲料を貯留して飲用後の残部を保存する際には、 容積の必要任意量の縮小により容器内の上層に空気層が形成されるのを抑制して 、風味劣化防止を図ることができ、しかもリサイクル時においても容積のコンパ クト化により大幅な有効性を確保することができる容器の提供を目的とする。

【０００５】 この考案の請求項２記載の考案は、上記請求項１記載の考案の目的と併せて、 容器本体の過半部に蛇腹部を形成することで、容積縮小可変率の大幅な向上を図 ることができる容器の提供を目的とする。

【０００６】 この考案の請求項３記載の考案は、上記請求項１もしくは２記載の考案の目的 と併せて、有底筒状の底部とトップ部との間に蛇腹部を形成することで、容器本 来の必要剛性を確保しつつ、蛇腹部による容積可変操作が容易な容器の提供を目 的とする。

【０００７】 この考案の請求項４記載の考案は、上記請求項３記載の考案の目的と併せて、 少なくとも１条かつ筒状（円筒状に限定されるものではなく角筒等の非円筒状も 含む）の中間胴部を残存形成することで、容器剛性の向上を図ることができるう え、この中間胴部を利用して内容物の表示を行なうことも可能な容器の提供を目 的とする。

【０００８】 この考案の請求項５記載の考案は、上記請求項１，２，３もしくは４記載の考 案の目的と併せて、筒状の容器本体の軸方向に伸縮可能な蛇腹部と容器本体とを 合成樹脂で形成することで、容器の軽量化を図ることができる容器の提供を目的 とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案の請求項１記載の考案は、内部中空の容器本体の少なくとも一部分に 蛇腹部を形成して、容積を可変すべく構成した容器であることを特徴とする。

【００１０】 この考案の請求項２記載の考案は、上記請求項１記載の考案の構成と併せて、 上記蛇腹部が容器本体の過半部を占める容器であることを特徴とする。

【００１１】 この考案の請求項３記載の考案は、上記請求項１もしくは２記載の考案の構成 と併せて、有底筒状の底部とトップ部との間に上記蛇腹部が形成された容器であ ることを特徴とする。

【００１２】 この考案の請求項４記載の考案は、上記請求項３記載の考案の構成と併せて、 少なくとも１条かつ筒状の中間胴部を残して上記底部とトップ部との間に蛇腹部 が形成された容器であることを特徴とする。

【００１３】 この考案の請求項５記載の考案は、上記請求項１，２，３もしくは４記載の考 案の構成と併せて、筒状の容器本体の軸方向に伸縮可能な蛇腹部と上記容器本体 とが合成樹脂で形成された容器であることを特徴とする。

【００１４】

【考案の作用及び効果】

この考案の請求項１記載の考案によれば、内部中空の容器本体の少なくとも一 部分に蛇腹部が形成されているので、この蛇腹部の伸縮可能構成により容器の容 積を蛇腹部の変形範囲内において任意に可変することができる。 この結果、空の容器の搬送、保管、回収時には容積を小さくして、復元可能な 状態にコンパクト化を図ることができ、また内容物が収納された場合にはその減 分量に対応して容器の容積を適宜縮小することができ、特に内部に炭酸飲料が貯 留され飲用後の残部を容器内にて保存する際には容積の必要任意量の縮小により 容器内の上層に空気層が形成されるのを抑制し得るので、風味劣化の防止を図る ことができる効果がある。このことは炭酸飲料に限らず大気との接触により成分 劣化が進む他の物体についても同様の効果がある。 しかもリサイクル時に容器を回収、運搬、破砕する際にも容積の縮小コンパク ト化によりその大幅な有効性を確保することができる効果がある。

【００１５】 この考案の請求項２記載の考案によれば、上記請求項１記載の考案の効果と併 せて、上述の蛇腹部が容器本体の過半部を占めるので、容積を縮小させた時の比 率つまり容積縮小可変率の大幅な向上を図って、特に空の容器をより一層コンパ クトに成すことができる効果がある。

【００１６】 この考案の請求項３記載の考案によれば、上記請求項１もしくは２記載の考案 の効果と併せて、有底筒状の底部とトップ部との間に蛇腹部を形成したので、底 部およびトップ部により容器本来の必要剛性を確保しつつ、これら両部間の蛇腹 部による任意の容積可変操作が容易となる効果がある。

【００１７】 この考案の請求項４記載の考案によれば、上記請求項３記載の考案の効果と併 せて、少なくとも１条かつ筒状の中間胴部を残すので、この中間胴部により容器 剛性の向上を図ることができる効果があり、しかも、この中間胴部を利用して内 容物表示を実施した場合には容積縮小時においても内容物判定が容易となる効果 がある。

【００１８】 この考案の請求項５記載の考案によれば、上記請求項１，２，３もしくは４記 載の考案の効果と併せて、筒状の容器本体の軸方向に伸縮可能な蛇腹部と容器本 体とが合成樹脂で形成されているので、容器の軽量化を達成することができる効 果がある。

【００１９】

【実施例】

この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。 図面は容器を示し、図１において、この容器は有底筒状の底部１（いわゆるボ トム部）と、キャップ螺合用のネジ部２および内容物の出入口３が一体形成され た頂部としてのトップ部４とを、内部中空の容器本体５で一体化し、かつ上記両 部１，４間の略全体に伸縮可能な蛇腹部６を形成したもので、換言すれば上述の 蛇腹部６が容器本体５の過半部を占めるように構成したものであって、この容器 の全体は例えばポリエチレンテレフタレート（いわゆるＰＥＴ）等の合成樹脂に よりブロー成形される。

【００２０】 また上述の蛇腹部６は容器本体５の軸方向に伸縮可能で、この蛇腹部６により 容器の容積を可変すべく構成している。 なお、上述の蛇腹部６の外端には丸みを付けてもよく或は断面形状が横向きの 台形状になるように形成してもよい。 このように、内部中空の容器本体５の少なくとも一部分に蛇腹部６が形成され ているので、この蛇腹部６の伸縮許容構成により容器の容積を該蛇腹部６の変形 範囲内において任意に可変することができる（図２参照）。

【００２１】 この結果、空の容器の搬送、保管、回収時には図２に示すように容積を小さく して、復元可能な状態にコンパクト化を図ることができるうえ、容積縮小時には 蛇腹部６の機能により何等機械的加圧力を付加することなく、手動操作にて簡単 に復元が可能な状態に縮小することができる。また内容物が収納された場合には その減分量に対応して容器の容積を適宜縮小することができ、特に内部に炭酸飲 料が貯留され飲用後の残部を容器内にて保存する際には容積の必要任意量の縮小 により容器内の上層に空気層が形成されるのを抑制し得るので、風味劣化の防止 を図ることができる効果がある。このことは炭酸飲料に限らず大気との接触によ り成分劣化が進む他の物体についても同様の効果がある。 しかもリサイクル時に容器を回収、運搬、破砕する際にも図２に示すように容 積の縮小コンパクト化によりその大幅な有効性を確保することができる効果があ る。

【００２２】 また、上述の蛇腹部６が容器本体５の過半部を占めるので、容積を縮小させた 時の比率つまり容積縮小可変率の大幅な向上を図って、特に空の容器をより一層 コンパクトに成すことができる効果がある。

【００２３】 さらに、有底筒状の底部１とトップ部４との間に蛇腹部６を形成したので、底 部１およびトップ部４により容器本来の必要剛性を確保しつつ、これら両部間１ ，４の蛇腹部６による任意の容積可変操作が容易となる効果がある。 加えて、容器全体が合成樹脂（例えばＰＥＴ）で構成されているので、容器の 軽量化を達成することができる効果がある。

【００２４】 図３は容器の他の実施例を示し、図１、図２の容器にあっては底部１、トップ 部４の外径に対して外方へ突出する形状の蛇腹部６を一体形成したが、この図３ に示す実施例では底部１、トップ部４の外径と同一外径の蛇腹部６を一体形成し たものである。 このように構成しても図４に示す如くその容積を任意に可変して、復元可能に コンパクト化を図ることができる他、先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏す るので、図３、図４において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳し い説明を省略する。

【００２５】 図５は容器のさらに他の実施例を示し、この図５に示す実施例においては図３ で示した実施例の蛇腹形成域の全高に対して、その全高をさらに拡大して、蛇腹 部６の条数を多く設定したものである。換言すれば有底筒状の底部１および頂部 としてのトップ部４を相対的に小容積に形成したものである。

【００２６】 このように構成すると、図５に示す状態から図６に示す如く容器を縮小可変す る時の比率を大幅に向上することができて、可変させた場合の全高をより一層低 く、コンパクトに成すことができる。 なお、その他の点にてついては先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するの で、図５、図６において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説 明を省略する。

【００２７】 図７は容器のさらに他の実施例を示し、この実施例にあっては容器本体５の中 間部に少なくとも１条かつ筒状の中間胴部７を残して、この中間胴部７とトップ 部４との間、並びに中間胴部７と底部１との間に蛇腹部６，６を一体形成したも のであり、この中間胴部７に対してラベル貼着手段もしくは印刷手段にて内容物 表示を施す。

【００２８】 このように構成すると、上述の中間胴部７により容器剛性の向上を図ることが できる効果がある。なお、図７の状態から図８に示す如く容器の容積を可変して 、そのコンパクト化を図ることができるうえ、容積縮小時にあっても中間胴部７ は変形しないので、この部分に施された表示により内容物の判定が可能となる。 なお、その他の点については先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、 図７、図８において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を 省略する。ここで、上述の中間胴部７の形成条数は図７、図８においては１条の みのものを図示したが、これは複数条であってもよいことは勿論である。

【００２９】 この考案の構成と、上述の実施例との対応において、 この考案の容器は、実施例のＰＥＴなどの合成樹脂製の容器に対応するも、 この考案は上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。

【００３０】 例えば容器を構成する材料としてはＰＥＴ以外の合成樹脂やアルミニウムもし くはアルミ合金などの金属材料であってもよい。 また容器内に収納する内容物としては飲料（炭酸飲料を含む）の他に酢、しょ う油などの液状の調味料その他の液体であってもよく、或は工業用、木工用の液 状接着剤や粒状、粉体を内部に収納してもよい。さらに容器の横断面形状は円形 の他に角形、多角形、非円形であってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の容器を示す正面図。

【図２】 図１の容器の容積縮小時の説明図。

【図３】 本考案の容器の他の実施例を示す正面図。

【図４】 図３の容器の容積縮小時の説明図。

【図５】 本考案の容器のさらに他の実施例を示す正面
図。

【図６】 図５の容器の容積縮小時の説明図。

【図７】 本考案の容器のさらに他の実施例を示す正面
図。

【図８】 図７の容器の容積縮小時の説明図。

【図９】 従来の容器を示す正面図。

【符号の説明】

１…底部 ４…トップ部 ５…容器本体 ６…蛇腹部 ７…中間胴部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部中空の容器本体の少なくとも一部分に
   蛇腹部を形成して、容積を可変すべく構成した容器。
2. 【請求項２】上記蛇腹部が容器本体の過半部を占める請
   求項１記載の容器。
3. 【請求項３】有底筒状の底部とトップ部との間に上記蛇
   腹部が形成された請求項１もしくは２記載の容器。
4. 【請求項４】少なくとも１条かつ筒状の中間胴部を残し
   て上記底部とトップ部との間に蛇腹部が形成された請求
   項３記載の容器。
5. 【請求項５】筒状の容器本体の軸方向に伸縮可能な蛇腹
   部と上記容器本体とが合成樹脂で形成された請求項１，
   ２，３もしくは４記載の容器。